種の保存

清水港に行った次の日に冬タイヤに変え、そしたらさらに気温が下がってタイヤ・センターはタイヤ交換の順番待ちになったようだ。
木枯らしのような風が吹き止んで、日中は快晴で気持ちがいい。おじちゃんが御殿場のアウトレットに行きたいというので今朝は早起き。

フォーションのクロワッサンでランチ。
田舎で足りないのはおいしいパン屋さんだが、御殿場まで来るとさすがにフォーションは別格。持ち帰りもできるがクロワッサンはできるだけ焼き立てが食べたい。Shake Shackのハンバーガーはあきらめてクロワッサンとラテ。

サックサク。
オーブンにくっついていた底はカリカリ。底だけ集めて食べたいくらいカリカリのサクサク。多分本国には絶対ないであろう(フランスの人ごめんよ)クロワッサン・アンコ・バターも甘すぎず、ごっつあんです!幸せ。

ここのアウトレットは、ヨーロッパ・ブランドに比べてアメリカ・ブランドはなんだか精彩がいまいちだわ。西海岸のカジュアルで過ごしてきてしまったおじちゃんたちに、ヨーロッパブランドはまぶしくてちょっとハイソすぎ。およばれに行くのじゃなくて街でカジュアルなおしゃれがしたいだけなんだけど。

この色よ、この色の配色。色に惹かれてふらふらと入っていけばL.L.Beanだった。 体重150LBくらいのアメリカのおばちゃんが普段に着てるシャツやスエットやジャケット。中産階級。別に金持ちでもなく貧乏人でもなくオール・アメリカンタイプのアメリカン。アイオワやコロラドの道端で普通にきて歩いてる洋服。別にLLBeanのファンだったわけではないのだが。いかにもアメリカンの色とデザインにホームシックだったわ。

90年代の初めにLLBeanは店舗がなく通信販売だけで、雑貨屋のレジか入口に通信カタログが置いてあった。カタログの最後に注文票があるので、刺しゅうしてもらう名前を指定してトートバッグ大を注文したら、届いたトートはデブ猫でも2匹は入りそうなデカさで空っぽなのにやたら重かった。おじちゃんのシャツはMサイズのはずなのに両肩が落ちて手首で折り返さないといけないほど袖が長かった。

ちょうどLLBeanが日本に進出するというニュースを聞いたばかりだったので、カスタマーサービスに電話をかけてアジア・サイズはないのかと聞いたところ、うちのブランドでは特にサイズを変えるというのは考えていないという返事が返ってきたので、アメリカというのはアジアにとことん関心が無いのだと了解した。

案の定、馬鹿でかいサイズばっかりで日本人に受けず撤退して、アジア戦略を練り直して再上陸せねばならなかった。Foever21もサイズと志向を変えて再上陸したみたいだ。アメリカ人がアジアに無関心なのは今に始まったわけではないが、。

おなかも一杯なので近くの秩父宮記念公園に寄った。名残りの紅葉があると思って。
故秩父宮が戦時中お住まいになった宮家の御用邸跡だ。古い百姓家を移築されたのだとあるが、実際その農家は、屋根をふいたカヤの厚みは70~80センチもあり、ピシりと切りそろえられたカヤの切り口は百姓家と言うより古民家のどっしりとした威容がある。昔なら縁側があったところにガラス戸がはめ込まれて中に椅子のセットがあった。

縁側の外に見えるものは鄙びた田舎の風景である。庭はくねくねと家をめぐる回廊になっていて、小道をあゆむと防空壕があった。2つ。コンクリート作りの小さいものと後円墳のような盛り土の防空壕。

小さなコンクリートは使用人のものだろうか?大きい古墳のようなほうは秩父の宮ご夫妻が避難に使われたものだろうか?
おじちゃんはコンクリート製の箱のようなものが入り口で、地下道で古墳につながっているのではないかと言った。そうかもしれない。

うちの実家も裏の竹林に穴を掘って防空壕にしていたようだが、ただの穴ぐらだった。まあ、日本の皇統が絶えては困るわけだから直撃弾を受けても大丈夫な頑丈な施設だったに違いない。

千年以上血統を伝えてきたのである。
血がつながっていること。子孫を残すこと。血脈を絶やさぬこと、が至上の使命だったわけだし。

命を絶やさぬこと、、そこでおばちゃんはふと考えてしまった。
昭和の初期に血脈を守ること、血筋を絶やさぬこととは、防空壕を作って物理的にお守りすることだった。兄弟を作って血を絶やさぬようにすることだった。現在は2022年である。

戦後、皇族を減らしたせいと皇族典範のせいで男系男子が3人になってしまった。次々皇位継承者に子ができない場合とか、さらに同系女兄弟にも子孫が生まれないとか。女帝を立てても子が生まれない「まさか」「まさか」の事態が発生しないとも限らない。その時に何十代前に分かれた男系男子を皇室復帰させることだけが皇室の血筋を継いでゆく手立てになってしまうのだろうか?

保険はつけないのかねぇ?防空壕はないの?
男系男子の「種」を保存するとか。技術的に普及している技術であるし。万が一の事態を想定して、男系の「卵」も保存しておくとか。何せ日本で一番大事な「種」なので2重3重の保護や保険があっても不思議ではないから。そうじゃないか?


今この時点でどこかの厳重に警護された防空壕の中に冷凍の「皇統の種」が保存されていたとしてもおばちゃんは驚かないなぁ。On the Origin of Species 「種」は「しゅ」と読んでね。
20Mもあるヒノキ林に囲まれてひっそりと建つ故秩父宮亭を巡りながら思った。

そうだ、清水港へ行こう

明け方は寝室の気温が下がって鼻が冷たく感じると紫音が布団の中に潜り込んでくる。外気温はたぶん5度前後だろう。山かげの道路が凍ってしまうのはもうすぐだ。
冬タイアに変える前に年末年始のために買い出しに行かなくちゃ。そうだ清水港に行こう!

山から下りると高速への道は超便利にできている。なんなら東名も新東名もどちらでも好きに乗れる便利の良さ。

お魚センターは焼津と清水港がある。東名で一直線。
焼津さかなセンターは清水港より規模が3倍大きい。観光バスがバンバン乗り付けてコロナ前は人混みがすごかった。昭和の時代の年末の築地場外に行ったことがあるがあんな感じ。

焼津お魚センターは東名インターのすぐそばなのだが、軽自動車では伊豆から遠い。走れども遠くて運転に飽きてしまう。
清水港は規模が小さいが距離は半分でさらに近場でとれた鮮魚も売っている。
おじちゃんは鮮魚!、鮮魚!というのでこの頃は清水港に買い出しが多い。

在外の人には目に毒かもしれないが日本は海産物の宝庫だ。
清水港にはいい型のスズキがあがっていて真鱈と釣りの鯵、天然鯛、金目鯛そしてあらゆるマグロ、冷凍と近海の生。メバチやキハダの様々な大きさのブロック。よりどりみどり。

鰹節と日高昆布。もし焼津まで足をのばすなら鰹節店の「朝けずり」の鰹節が買える。清水港の鰹節は「朝けずり」ではなく地元製造の袋入りだが開封すると、市販の鰹節に見向きもしない猫が気がふれたようにキッチンに走ってくる。出汁をとったあとのダシガラ(塩分も抜けている)のをちょっとだけやる。

正月用に鮭、冷凍いくら、冷凍ホタテ、マグロを買った。お惣菜用に鯛の切り身とスズキを一本。アジの開きもも忘れてはいけない。

大アジは身が厚く脂がのっていてホッケサイズの大振りなので夕食じゃないと食べきれない。アジを開いて今干し終わりましたというような新鮮さがあって、スーパーのアジのように冷凍焼けがない。焼くとふっくらむっちりジブジブと油がはぜている身をむしってとことんアジが堪能できる。ああ、ありがたい幸せ。

小さくて冷凍焼けして真っ黒で焼くと冷凍臭がまず襲ってきて、口に入れると一瞬おえっと臭さに気持ちが悪くなり、それでも一応アジだからアジの味はかすかにする。在外では日本から輸入するしかないのでそれでもアジの干物を食べられるだけましだった。

米国のFDAが、輸入する食品の”現地・製造国での衛生管理”にいちゃもんを付けたことがあった。
アメリカに住む人間が、不衛生な環境で生産される食品を口にしてはいけない。日本産のアジの開きの製造過程が、米国の食品衛生法に合うようになるまで輸入禁止。アジの開きが輸入されなくなってしばらく口にできないことがあった。一体どのアメリカ人がアジの開きを食べる言うねん。日本たたきの一部ではないかと、おばちゃんは思ってた。

外地で食べられる魚はせいぜいサケ、サバ、アジの開き、マグロ、加工品がメインだったからひどい冷凍臭の干物でも我慢するしかなかったね。まぁ、20年我慢をするとどうでもよくなってしまうのだが。

買い物を済ませると大体お昼である。
お魚センターはお食事館もあって20軒?ほどレストランが入っている。メニューはもちろん魚である。

それぞれの店舗の店先にはメニューのサンプルが飾ってある。どれも刺身がてんこ盛り。
どんぶりの上にこれでもか、と盛られたマグロ角切りがどんぶりのフチからこぼれ、雪崩を打って受け皿に落ちる。とどめはてっぺんからかけられた溶岩のようなイクラである。

ピンクのサケ、白のイカ、ブルーグレーの生!の白魚、薄ピンクのサクラエビ、真っ赤なマグロ、ピンクのトロ。大き目の平たいどんぶりにこれでもかとカラフルな刺身が乗っている海鮮丼。

隣の店にはその日の地魚の盛り合わせ定食、マグロ丼(赤身にトロにヅケ)さらにその隣の店は白い脂が網のように走る生マグロの大トロ丼。魚食いの原始日本人の魂を揺さぶる光景が左にも右にも店先にこれでもかと続いてゆくのである。おばちゃん心拍があがってクラクラしてくるほどである。

主治医のおっさんは退院後の生活について、”胆のうを切除しても一応影響がないことになっております”と何にも言わないくせに「なんでも食べてください。あっ、生ものだけはやめてね」とそこだけはきっぱりと言った。

マグロを一回食べたくらいで死にはせんだろうと思うのだが、渡辺徹が敗血症で亡くなったばかりではあるし、おさかな食堂にギリギリと心残しながら、これも生もの満載の市場館に戻ると、お持ち帰り弁当コーナーの海鮮丼の隣の「カッパ巻き」に手を伸ばしかけて、いやいやこれはあまりにも阿呆すぎやしないか?

別の店舗でアジの開きのほぐし身やサザエの珍味がのった「変わりお稲荷さん」を、かわいそうなおじちゃんもお付き合いでシラス佃煮と焼きアジのおにぎりを買って、紫音の待つ伊豆の山にトンボ帰りするのだった。

Boy in the Box

65年前に身元不明の4歳の男の子の名前が米国DNAデータ・ベースのおかげでついに判明したという記事である。―CNN ほうほう?
https://news.yahoo.co.jp/articles/06d305dac8e4e0cb81785beefba0abe3bfb2d4c8

渡米したころ80年代からカリフォルニアでゴールデン・ステート・キラーとかフリーウエイ・キラーとか呼ばれた連続殺人事件があった。犯人はどうも警察関係ではないかとささやかれていた。全米で一番安全な市というのに2人殺されていた。先人の日本人おばさまからこういう事件があるので、フリーウエイで警官に止められても気を付けてねと念を押されていたのだ。

このゴールデン・ステート・キラーが2017年ついにDNAデーターベースのおかげで解明・逮捕された。世界仰天ニュースだか2~3の番組で紹介されたのでご存じの方もいるかもしれない。

今度は65年前の未解決事件である。
1957年フィラデルフィアで男の子の死体で見つかった。名乗りでる家族もなく身元不明のまま65年未解決事件として眠っていた。
男の子は名前を付けられることもなくBoy in the Boxと呼ばれていた。

ヘッドラインの記事では短すぎるので事件を報道していたフィラデルフィア・インクワイアラーを掘ってみた。
https://www.inquirer.com/news/live/boy-in-box-philadelphia-name-identity-solved-20221208.html

要約すると事件解決のきっかけはこんな風に起こった。
2017年クリスマスが近づく中、ジャスティン・トーマス(40)がガールフレンドのプレゼントとしてAmazonでDNAキットを買った。アメリカ人だから自分自身のルーツご先祖を探すのは面白いだろうと思ったのだろうね。

ところがジャスティンと彼女はクリスマス前に破局してしまって、結局キットをあげることがなかったのだ。で、彼は、彼女が使わなければ俺が使えばいいんじゃね、って自分で試した。DNAサンプルをAnsestry.comに送ったのだね。

その結果、法医学家系学者forensic genealogyから電話が来たのだ。彼のDNAはフィラデルフィアの未解決事件の被害者につながるもので、この未解決事件を解決するためにはサンプルが足りないので家族のDNAも欲しいと。そこでジャスティンの姉妹と母がDNAを提供した。

その結果、65年前の4歳の男の子Boy in the Boxと呼ばれていた子はジョセフ・オーガスタス・ザッレッリJoseph Augustus Zarelliだと判明した。

ジャスティンの家族は男の子が母のいとこではないかと信じている。母のおじさんはザレッリで祖母の兄弟もザレッリ。デラウエア郡に引っ越してくる前は、ザレッリ・ファミリーはフィラデルフィアの西に住んでいた。

男の子Boy in the Boxは殴られほとんど裸でデパートJC Pennyの箱の中で見つかった。それから何十年、コールド・ケースの解決のため2016年に解剖写真から被害者の2Dの復元画像が合成された。それでも手掛かりになるものはなく、2017年にジャスティンがDNAデーターベースにサンプルを送ったことから一気に身元が特定されることになった。

ところがだ、Boy in the Boxの名前を公開したフィラデルフィア警察のキャプテン、ジェイソン・スミスはジョセフの両親の名前を公表することを拒んでいる。ジョセフの両親はすでに亡くなっているが、父方母方の親族は多くいるので敬意を払うために情報は公開しない。捜査中なので情報は差し控える。

だそうなので、おばちゃんとしては消化の悪い油ものが喉につっかえているようにすっきりしない。ゴールデン・ステート・キラーのようにきっちり解決しないのであろうか?
目星がついているようだが捜査中なので公表できんというニュアンスもあるようだ。この事件の続報を待ちたい。

ただ、この記事でわかるのはDNAデーターベースの発達と犯罪解決へ応用できる社会の柔軟性である。移民の国アメリカ人は自分のルーツへの渇望というか、広い国土と多くの人口の中で自分という人間の民族・レース・出身を知りたいという欲望は古い国の民族より強いかもしれないと思う。

主人は北欧系だから背が高くて色が白いとか、この人が小柄なのは先祖がフレンチ系だからとか自分のルーツを語るときアメリカ人は何か嬉しそうだ。自分がJohn Doe やJane Doeではなくて、自分が帰属する確固とした民族と家系と血脈につながる安心感が味わいたいのだろうか。

最後の徳川将軍の別荘がその辺にあったり家臣の子孫がその辺に生きていたりする日本。庄屋の子孫で江戸時代から同じところに住んで、自分も歴史の一部であるような地方。
自分のルーツは調べなくても同じ姓の親族がそこらに生きているのが日本の地方である。

日本で国民のDNAデータベースが構築されてそれが未解決事件の犯罪捜査利用されるのはたぶんないかもしれないなぁ。マイナンバーカードでさえ普及させるのに苦労する国と国民だから。DNAの登録など究極のプライバシーを国に与えるかっての。

それにしてもこのフィラデルフィア・インクワイラーの記事って文章がひどいよね。

術後7か月

病院に昼過ぎまで居たせいで喉がガラガラになってしまった。
脇腹が痛むのだが造影剤CTスキャンの結果と血液検査の結果は異状なしであった。血液検査は”L”も”H”も消えてガン・マーカーの数値もネガティブであった。

胆のうがないのに胆のうのあった場所が痛むのは変ではないか。
胆のう切除後症候群か、それとも胆管に問題か?

おばちゃんは家で印刷した「肝・胆・膵」のイラストを主治医に差し出して、私の胆管はどんなふうに残っています?と聞いたらば主治医のおっさんは目の前のコンピューターの手術レコードをめくって確認すると、紙のイラストにこっからこんな風に削除しました、と丸を書いた。

ふ~ン。総胆管にちょっと枝を残して切ったのか。
おば:10月過ぎから軽い圧痛があるんですが胆のう切除後症候群ですかね?
医:どこが痛みます?
今はなき胆のうがあった場所。食事に関係なく違和感があって圧痛があるんですよ。胆のうがもう無いんだから胆管かな?と思って。

主治医のおっさんは”切除後症候群”という言葉にはまったく反応せず、腸が動くからかもしれませんね。四六時中に違和感があるから腸のせいではないと思うが。

おば:CT画像では何にも見えないんですよね?
今度は取ったばかりのCT画像をスクロールする医師。

医:怪しいものは見えんですね。
おば:CTで見える一番小さいガンは3ミリくらいですか?
医:う~ん、3ミリはどうかな。CTの撮影間隔が3ミリだから。ギャップに3ミリが入ってしまうと見えないかも。
おば:すると見える大きさというと最低5ミリくらい。
医:そうですね5ミリくらいから。

CT画像って意外と粗いんだ。
ここのCTスキャンの解像度はあまり高くなくて主治医が細部を拡大するとボケる。
どてっぱらに観察窓をつけるわけにいかんからスキャンと血液検査でから推測するしかないわね。CTで何も見えないならとりあえず何も無いとして、さらに3か月後の血液検査まで要観察かな。

で、どうですか?と主治医が言うので
逆流性食道炎になってしまったので、制酸剤を処方してくださいと答えた。

げっぷが頻繁に出て横になると胃液が逆流して咳が出て吐き気がするので逆流性食道炎です。ガスターを飲むと少し良くなるんですが市販のガスターはチビっとしか入ってないのに高くって、薬剤師が病院でもらったほうが安いですよって言うから。

ほうほう、と医師がつぶやいて、ガスターよりいい薬があるので処方しましょうと3か月分処方が出た。でも胃カメラを飲んどいたほうがいいですよ。
だって、この間内視鏡をやったばかりじゃないですか。ちょっと糜爛した食道粘膜が観察されるだけでは?健康保険の医療費がもったいない。

人間の体はつくづくコンピューターに似ているかも。
この間デスクトップが立ち上がらなくなった。
ほとんどの時間はラップトップを使うのだが、画像系はデスクトップで処理したいから、クリスマスカード作りのために久々にデスクトップを立ち上げようとしたら立ち上がってこない。

立ち上がりに問題があるときは余分なUSBを外せ、というのがウインドウスのセオリーである。USBハブとICリーダー、無線LANアダプタを外したら立ち上がった。
無線LANアダプタが差しっぱなしだと立ち上がらない。
しからばケーブルLANに刺しかえると、また立ち上がらない。
いろいろ試したらウインドウス側のネットワークLANが問題みたい。

もしこれがお客さんのコンピューターなら、立ち上がってからLANカードかケーブルを刺せばダイジョブですよって言うね。
お客さんはきっと、こないだまでこんなことは起こらなかったんですが、いったい何が問題なんですか?って聞くね。

で、おばちゃんは言いたくても言わないのは
知らんがな。私はウインドウス・プログラマーじゃないからわかんない。ウインドウス内部で何が起こってるのかはしらない。ウインドウスがアップデートしてから起こるならそのせい。

とりあえず動いているなら面倒くさいんで何もしないし、マイクロソフトが把握してて深刻なエラーが起こるようならそのうちパッチができるかもしれないし。
気になるならウインドウスをクリーンインストールすると治るかもしれないだろうけど、アップデートしてまた起こるならウインドウスの問題で、わたしは直せないから現状でやり過ごす。

昔はエラーが許せなくて、再インストールをしまくったものだが今のウインドウスは堅牢になってちょっとの不具合では落ちなくなったし原因究明も面倒くさい。わかんないから。とりあえず対症療法でいいじゃないかと思う。それしかできんのよ。

医師はプログラマー(神)じゃないので、体の中のすべてを知っている人じゃないしすべてを治せる人でもないし、とりあえず深刻なエラーじゃないなら対症療法でやり過ごせばいい。ブルースクリーンで止まったらそれなりの蘇生措置ができるのが医師かな。

主治医のおっさんは聞かれないことは何も話さない。
聞いても説明しないことも沢山あるが、人間の体がウインドウスだと思えばプログラマーじゃない医師は何が起きているのかすべて知る人ではないので、おばちゃんは批判する気も起きないのである。

モニターの画面が上下真っ逆さまになってしまったときにCtrl Altと↑を同時に押してすっきり一発修正なんてトラブルはめったにないのだ。

とりあえずの危機はないのがわかったので、おばちゃんの目標は来年2月の確定申告。おびただしい医療費の請求書があるから。その次は車検で連邦年金の受給だ。Life goes on.

闘病記ー時系列

アイタタタ、タ

五臓五腑になる入院記

再入院のお知らせ

発覚

告知

闘痛記

日本のチーム医療・パッケージ治療

異色・入院雑記

娑婆に復帰

総武本線 内房まわり

ぼちぼち動いてます

術後2か月目

闘病記さまざま

ガンの光線力学療法

経過観察中 4か月目

がんのゲノム解析

・ドクターに聞いてみよう

ドクターに聞いてみよう・2

・経過観察6か月目

川島なお美の場合

術後7か月

ベンツ切開

もしもし

来た~。
電話が来た。詐欺電話が、。

ニュースでは振り込み詐欺を信じたおばあちゃんを止めた銀行員さん35歳が表彰されたり、郵便局の職員が電話で話しながらATMを操作する爺様を怪しんで振り込みを阻止したり。
日本の老人は騙されやすく、また何故ホイホイと金をだすのか。一人息子の事故だろうが、強盗だろうが痴漢して和解金だろうが金を振り込むなんてアホと違うか、、と思う日ごろ。

もしウチの電話にモシモシ詐欺が電話をかけてきたら、どんなふうにいたぶろうか遊ぼうかとワクワクしていたおばちゃん。

友達は携帯やLineやテキストが主で、山に引っ越して付けた固定電話は友達には教えていない。役場とか獣医さんとか地元の人しか知らない。

まったりと過ごしていた日曜日の午後6時。
固定電話が鳴って番号は08から始まっていた。08?
おばちゃんがもしもしと言うと相手は
「東京電力ですが、本日は新しい契約プランのご案内です。」

声が若い。いやに若い。
十数年客商売をしていたおばちゃんは電話主のお兄ちゃんの声にひっかっかった。
声の出し方が甘いのだ。
電話勧誘というのは話すのが基本ビジネスなんでこの電話がだめなら時間が無駄だから「次に行こう」と思っている。だからあんまり感情を入れず相手の反応をうかがって話を始める。

ところが、このお兄ちゃんの声はいやに丸かった。ねっとりと最初っからおばちゃんにおもねっている。変。

東電:ご契約者様ですか?

おば:まあそうだ。

東電:一軒家ですか?

おば:ええっと、なんだっけここのフロアプラン?2LDとか言うんだっけ?
新しい契約プランが今より安くなるならいいわよ。で、どんなプラン?

東電:ではご契約の確認をしたいので契約者様のお名前を

おば:はぁ?
あんた、東京電力なんでしょ?お客のプランを知ってるのはあなたじゃない。私はオンライン支払に変えてから忘れちゃったわ。

東電:ええっと、こちらはコールセンターなのでお客様の情報はわかりません。なのでお客様の情報を教えてください。

おば:はぁ?あんたがコールセンターでお客の情報を持ってないなら、私があんたに教えてあんたが東京電力に確認するの?
馬っ鹿じゃね?

東電:ええと、新しいプランがありましたらまたご案内します。

あっけなくお兄ちゃん退却したわ。
東京電力と称する電話番号を検索するとネットにはこう書かれていた。

一軒家か70歳以上かを知りたがる。詐欺です

個人情報を聞き出して情報を売られるらしい。振込詐欺のカモリストにするのかもしれない。日曜日の夕方に東京電力が親切に新契約プランを紹介するかいな。とおじちゃん。

しかし、日本の電話は根性がねぇな。何があってもおじちゃんもおばちゃんも1セントも払わんから。戦う前に誰が金をだすかっていうの。

大阪のおばちゃんとユダヤ人を足して2で割ったのがアメリカ人だ。
電話100本かけても絶対キャッシュなんか出てこないわ。

自動車事故なんですがどうしたらいいですか?って何回か従業員から電話を受けたけど。
例えば、モールの出口から道路に出るのに傾斜があって登って道路に出る。道路のほうが高い。自分の前に道に出ようとする車がどういうわけか坂を「後退って」彼女のフロントにぶつかった。彼女は被害者なのに前のドライバーがぶつけられたと言いがかりをつけられたんだね。若くて女だからなめられたんだと思う。

ところがその前の車というのがパトカーで!いちゃもんをつけたのがポリス。どうしたらいいんでしょう?とうちの女の子が電話を掛けてきた。
黙っていれば加害者になるから、現場の坂の傾斜の写真取れ。それから走り去ったポリスに手紙を書け。まずはそれから。

M君の場合は、3重衝突のもらい事故。
先頭のドライバーは急ブレーキを掛けてぶつかった後、M君が避けきれずぶつかりさらに後続車がM君にぶつかった。M君はまず先頭のドライバーと保険情報を交換しようとしたら女ドライバーが逃げた。どうしましょう?と電話で聞いてくるので追っかけて捕まえろ。まずはそれから。戦わずしてお金なんか出てくるわけがないから

思えばアメリカの電話はもっと殺伐としてたかもしれない。
おばちゃんの休日の午後3時に家でまったりしているところにガンガン電話をかけてくるセールス。

Caller IDは見たことも聞いたこともない会社。せっかくの貴重な休みをぶち壊されて腹を立てるおばちゃん。
こういう電話は一段低い声で応答する。「あ“」ドスを聞かせる。仕事の場合だったら、おばちゃんは可愛らしく声のトーンを上げる。無邪気に甲高い声はお客に警戒心を抱かせないから。
セールスは声を落とす。

家庭教師だったスージーなんかもっとすごくて、人んちに来て「うち」の電話なのにいきなり受話器を取って
What do you want?ってすごんでいたから。

ビジネスの立ち上げ時には「送り付け商法」にあった。
フロリダから電話を掛けられて通話記録があったという事実で、おばちゃんが商品を購入したと言い張るフロリダの詐欺業者。商品料金を請求されたのでBBBに提訴してしておばちゃんは完全勝利したった
現役は引退したけど、まだまだカンは鈍ってまへんね。

東京電力のお兄ちゃんは、もっと声の出し方を訓練してシナリオの甘すぎる設定を何とかしたほうがいいと思います。おにいちゃんの東京電力コールセンターの番号は080-0111-0043です。

川島なお美の場合

医者が本気でなりたくないガン7つ
https://news.yahoo.co.jp/articles/81d7e8ef28f47c24363ad2b996763206a689b745?page=2

第一位が「すい臓がん」で第二が「胆道がん」だそうだ。
自覚症状がなく発見しにくいがんでおまけに予後が悪い。5年生存率の低さはすい臓がんが一桁。胆道がんで22%
第一のすい臓がんは議論するまでもないが、胆道がんは実は種類がある。

おばちゃんのは胆のうがん。
胆のう本体のガンである。そのほか胆管につく胆管癌がある。併せて胆道がんと言う


肝臓が分泌する胆汁は肝臓内から胆管を通って外にでて、肝臓と接している小ぶりのイチジクのような胆のうに溜まる。食事をすると胆のうが収縮し、たまっていた胆汁は胆管を伝って十二指腸に流れる。

肝臓内の胆管に発生するものや、肝臓外の胆管でがんが発生する場合があり切除できる初期でも、術後再発率が高くて転移しやすい。この胆管と胆のう本体に発生するガンをひっくるめて「胆道がん」と呼んでいる。

すい臓がんの次にタチの悪い「胆道がん」とは実はこの胆管に発生する胆管がんが凶悪でこれが胆道がん全体の生存率を引き下げている。

胆のう本体に発生するがんの場合ステージ0と1の場合は5年生存率は60%~くらい。ステージ2でガクッと落ちるが、胆管ほど低空飛行ではない。

女優の川島なお美さんが亡くなったのはこの胆管がんが原因である。
女優として目立つ職業であったとこと。まだ54歳であったこと。いろんなドクターが彼女の症状と治療法と主治医との信頼関係に意見を述べていて議論があるケースだ。

おばちゃんはもちろん医学関係者でなくて川島なお美さんが亡くなった時もアメリカでニュースのヘッドラインを読んだくらい。日本のドラマは見ないので彼女の映画も見たことはなかった。

彼女のがんが見つかったのは
2013年8月 人間ドック 肝臓内の胆管ガンと思しき影は1.7センチ単発 転移なし
2014年1月 腹腔鏡で切除 抗がん剤治療せず、ビタミン療法などの免疫療法、代替療法を始める
2015年9月 逝去

診断時の対処や治療が惜しかったと言う医師たちの根拠は、
1、 発見されてすぐに切除しなかった。
2、 診断した医師とは信頼関係が築けず、納得できる医師を探して4か月後に手術
3、 転移がなかったのだからすぐ切除していれば5年60%で生き延びるチャンスがあった。―https://shuchi.php.co.jp/article/2692

この記事におばちゃんが疑問に思う点は3つ
生存率
医師の持ち出した生存率60%は胆管癌の生存率ではないと思う。
ひっくるめた胆道がん(胆管+胆のう)の数字で胆管癌の場合はずっと低く30%を切る。胆道がんの患者は症例が少なく、治療・生存率は医療機関でかなり数字がばらける。ただ、胆道がんはどの医療機関でも数字は芳しくない。2013年に切ったとしても5年生存率はかなり厳しい数字だったのだと思う。

医師との関係
最初の診断を下した医師とは相性が悪かった。
彼女は悪性の腫瘍ならその根拠を示してくれというのに対して、医学的根拠を示すというより切除するしかないですからどうしたら切除にする気になります?と外堀を埋めていこうとする医師に信頼関係を築けず、セカンド、サードオピニオンを探す川島なお美。

胆道がんはがんマーカーにあまり反応しない。数値として異常が出ない場合がある。
おばちゃんは切除した後、胆のうがんが見つかり、主治医は拡大手術として肝臓とリンパを追加切除すると迫った。


では肝臓に浸潤・転移があるという根拠を示してくださいとおばちゃんは言った。浸潤・転移があるかどうかわからずに切腹して肝臓を切れるかって!
マーカーにも数値が現れず、再発するかしないかは、神のみ知る、ギャンブルだと分かった時、おばちゃんは損切りするしかなかった。リスクの少ないほうを選んで肝臓を切った。

女優としての川島なお美に腹部の外創ができれば美のブランドに傷がつく。だからまず本当にガンなのかどうか医師に根拠を求めたのは当たり前だと思う。医師の対応がまずかったのだ。田舎のばあさんなら医師様の言う通り体を預けるだろうが、ブランド川島なお美はプライド高く田舎医者に肌を傷つけられてたまるかと席を蹴ったと。

転移
発見された2013年8月の時点に単発で転移がないーーだからこの時切れば助かった。―のは本当に可能性があったのか?
2013年で転移がなし、2014年1月の術前検査でも転移確認できなかったから手術に踏み切ったのだろう。
ところが切除手術後わずか3か月で再発した。転移なし、、、、という細胞診は誤謬だった。

がん細胞は日本のお風呂の黒カビみたいなものだ。
カビの胞子は空気中に漂っているのだ。カビキラーで掃除をしても時間がたてば再び胞子がタイルに定着して栄養分が豊富なら繁殖する。

ガンだって毎日発生していて免疫が高ければガン細胞の定着を阻止できるが、いったん繁殖を許してしまったコロニーからは、どれだけの胞子が再発生・移動していくか医師でもわからない。

細胞診で「ガンが見えない。がん細胞が見つからない。」というのはあくまでもMRI・CT・顕微鏡・肉眼では見えなかったという意味で、がん細胞は周辺部にすでにあった。
だからたった3か月で再発し目に見えるまでに急成長したのだろう。

じゃあ、細胞診なんかあてにならない。無駄なんだろうか?
がん自体も性悪ながんと、そうでない割と素直ながんがあるそうで、性悪は再発が多い。
細胞診が無駄じゃない場合は凶悪度が低いがんの場合と5年たって再発しなかったとき。再発したときは残念、無駄だった。

細胞診断の手順
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/pathology/patient/diagnosis.html

2013年8月に胆管に影が見つかった時点で分が悪い戦いだったのだと思う。
胆道がんが「完治」を目指せるのは、ステージ0か1で早期発見外科的切除の場合のみである。
川島なお美さんはいろんな文献を調べた、とあるから当然抗がん剤も完治への効果はないと知っていたはずである。苦しい延命があるだけ。

再発が発覚するまでは女優として仕事をやりぬく、というが優先順位だったわけだから、体調を保つためにビタミン療法を行ったとしたら不思議ではない。完治を目指して民間療法にすがったというよりは、仕事を全うするための体力をつけられる治療法を試すという戦法か。なまじ抗がん剤で体力をそがれるより消耗は少なかったかもしれない。

女優としての実績は知らないが、痩せてもきっちり化粧をして死ぬ8日まで美しく装い仕事をしたと知って、あっぱれ女優魂と敬意を払いたい。R.I.P

闘病記ー時系列

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闘病記さまざま

ガンの光線力学療法

経過観察中 4か月目

がんのゲノム解析

・ドクターに聞いてみよう

ドクターに聞いてみよう・2

・経過観察6か月目

川島なお美の場合

術後7か月

ベンツ切開

Happy Thanksgiving

ハロウイーンが終わってカリフォルニアの空はますます薄暗くなり、街路樹の葉っぱが落ちて芝生の上でカサカサ音をたてて風に煽られる。
どこからか暖炉で燃やされる薪のにおいが漂ってくる。テレビのニュースはホリデーの休暇を実家で過ごすための人が長い行列を作る空港。

早くうちに帰りたい焦燥とウキウキと秋の侘しさがごちゃ混ぜになってホリデーシーズンが始まる。お正月前の帰省に似ているかなぁ。
ターキーはインフレで値上がりして集まってくるはずの家族はコロナで欠けてしまったかもしれない。人は行く末の不安を抱えてでもアメリカの経済の回復は早いし家の評価額は高止まりだ。

明日のBlack Fridayのために誰かがデパートのラインに並ぶかもしれない。2000年前にBlack Fridayってあったけ?あまりセールに行った記憶がないのだが、。
クリスマス後のWhite Saleは割引率がたしかにすごかったが、サンクスギビングとクリスマスの売れ残りのたたき売りみたいだった。それを考えるとサンクスギビング後のブラックフライデーのほうが買いでがあるのは確。

日本の山のおばちゃんはターキーの影もなくて、今夜は道の駅で買ったメバルの煮つけかタラで湯豆腐はどうかなと考えている。
Happy Thanksgiving! XOXO

名義変更

今日は原付の名義変更に行ってきた。
原付バイクの自賠責保険がもうすぐ切れる。保険屋のハガキと登録証を引っ張り出した。何気なく見ると名義はおばちゃんだった。そうだったっけ?主にバイクを乗るのはおじちゃんだったからおじちゃんの名義にしてあったと思ったのだが。

俺の名義じゃないの?とおじちゃんも言うのでついでに名義も変えることにした。遠い遠い昔を思い出すと、確かナンバープレートも必要だったはず。おじちゃんにプレートを外すように言って役場に向かった。

自動車税課で廃車して登録しなおせば完了だ。
バイク屋に寄って3年分自賠責を入れる。

財務省が自賠責基金から6000億借り出して返せません。自賠責の被害者救済に財源が足りなくなったので自賠責保険料を上げたるわ。国民みんな金を出せ、といって近々保険料が上がる。だから3年分。

個人が同じことをすれば詐欺罪で有罪間違いなしである。他の国なら暴動になるだろうに。日本人の怒りの許容量というのはどの辺にあるのだろう?

年金を下げられ、65歳まで払い込みのうえ、給料が上がらないのに社会保険料を上げられ、消費税もあげ、インボイス制を導入し、サラリーマンの副業は300万以上の売り上げがないと雑所得として経費も控除できなくなり、厚生年金基金から金を盗んで国民年金に補充する。道を走るだけで税金を取ろうという狙っている国。

ぶん殴られ倒れたところに頭を踏みつけられ、抗議もせず反乱も起こさず、日本人みんなマゾかもしれない。

結婚する前からおじちゃんはペーパーワークに興味がない。
引っ越しをしても住所変更が必要だという常識がなかった。結婚前はおばちゃんも負けずに常識がなかったのだが、新婚旅行から帰ってきたら旧住所から住民税滞納の督促通知が届いていた。

実は結婚届を用意する段階でおじちゃんは自分がどこの住人か忘れてしまっていた。
籍を入れるには当然住民票がある役所に届け出をするのだが、その役所がわからない。さすがにおばちゃんに打ち明けるには気が引けたらしく兄に相談して籍探し始めたらしい。

住民税を未払いにすると住所に督促状が届くが、何度か引っ越しているうちに督促状も根負けして迷子になっていたらしい。実の兄と二人で最後に住んだ区から前の住所へ順に役所をたどっていったら見つかった。転出届をして現住所に移って籍をいれたら滞納金の督促状ががっとやってきた。


その当時からおじちゃんは住所は覚えたことがない。
アメリカでは住所を刻んだ認識票を首からぶら下げてやろうと思ったくらいだ。IDを取るまでおじちゃんの財布には現住所と電話番号のメモを入れてあった。無論引っ越したら新しい住所のメモを入れなおすのである。ついでにおばちゃんが19歳のころのみずみずしいころの写真と初代にゃーにゃンの写真も入れておいた。

誰か事務手続きをする人がいる限りおじちゃんは絶対何も覚えない。結婚前は住民票という言葉さえ知らなかったおばちゃんが代わりに処理をする事務屋になるしかなかった。

バイクの名義変更は完了したから遺言状も書き直しておいたほうがいいかもしれない。2019年に法務省の遺言状保管サービスが始まった。

法務省のサービスを使って自筆遺言状を役場に保管してもらうと、家庭裁判所の自筆遺言状の検認手続きがいらないのである。

自筆遺言状は二人とも用意してあったが、2019年に保管制度が始まって詳細を確認すると、紙の書式が定めてある。自筆証書をスキャナーで取り込んで保存するため、スキャナーに取り込む紙の大きさと空白の余白のサイズも指定してある。

ここでおばちゃん、あちゃ~である。
もしかして自筆の余白が十分でないかもしれない。なんせ日本語がもう書けない二人がワープロで印刷したコピーをお手本に、ひいひい言いながら丸写したのである。余白にはみ出していないか、とても自信がない。財産目録はワープロ書きでいいが、原付の名義は今日変わってしまったわけよ。

余白を規格通りにもう一度清書せねばならない。あああ~、面倒くさい。でも書き直せば法務省の保管サービスが使える。いずれはやろうと思っていたから意を決してやるしかない。

おばちゃん、全方位に漏れなし、、、、?

シルバータビー

おばちゃんは 猫を亡くしても同じ種の猫は飼えなかった。
白キジの息子は唯一の息子であって、2番目の白キジがいていいわけがない。ひとり息子の記憶を上書きするような同じ種同じ毛皮の猫を飼えるわけがない。
ショートコートのブルーはナナちゃんだけで同じアビーがいたらナナちゃんの思い出が薄れてしまう。

アメショウーの天は丸顔でおじちゃんの好みだった。
シルバータビーでやや横長の丸い頭とぱっちりした目。とどんくさくて声が出なくてフゴフゴ鼻を鳴らす。おじちゃんの膝には乗らないくせに、気が向くとおばちゃんの膝を狙ってじりじりとやってくる。あごの下を撫でられるのがお気に入り。

耳道が狭いために細菌感染で死にかかり手術をしたのだが、病院を嫌がらなかった。天ちゃん、大物ですね、とドクターに言われておっとりした性格はきつい性格の紫音にぴったりの相棒だった。

紫苑に食べかけのごはんを取られても文句を言わず黙ってお気に入りのキャットタワーかベッドの上で昼寝をするのだった。おじちゃんの枕もとのヒートパッドを紫音に取られたのでおばちゃんの足元に丸くなって眠る。おばちゃんは重みを感じてなるべく寝返りをしないように注意して眠るのだった。

紫音と天はトムとジェリーのようにベッドルームからリビング、リビングからオフィースと二匹で全力疾走を繰り返してじゃれあっていた。天は突然電池が切れてお気に入りのマットで爆睡する。活発な紫音についていくのが大変なのだ。

ふわふわとしたアメショウの毛ざわり。太目の足。水かきの間に指を入れてモミもみすると点は気持ちがよいのか指をパーに開く。もっとやってって。
アメショウにもう一度会いたい。それは天ではないかもしれないけれどもう一度モフモフしたい。
さみしい。

家の冬支度

今朝は寒かった。10度を切っていたと思う。おまけに午後から雨だ。
窓の近くは空気が冷たい。

家も冬支度を始めないと。
普段使わないオフィスは断熱パネルを張った雨戸を閉めサッシを閉めた窓にプチプチの断熱ビニールを張る。これで4度以上違う。

お風呂のでっかい窓にはウレタンの断熱材を張った。
浴室が外気温に近くなるので冬は野菜置き場になることもある。糠みそのぬか床はベランダに移動した。

床下からどうしても熱が逃げるので、コタツ敷きは何重にもしてあるのだがそれでも十分ではない。薄いアルミ加工の敷物。段ボール、ベルギー絨毯、冬用コタツ敷。ニトリでさらにモフモフ敷を買って今年はさらに防寒仕様を厳重にした。

おかげで空気がひんやりするなぁと思ったらずっぷしコタツに潜る。で、セブンで買ったアイスを食べる。山のセブンは10月に入ると、おばちゃんのお気に入りのかき氷系のアイスを仕入れなくなってしまうのが不満。スーパーカップとかキャンディーバーみたいなものしかなくなってしまうのよ。棒つきアイスって嫌いよ。

気温が下がるとガスの種火とかも熱量が必要なのか、2割ほどガス料金が上がる。電気代は5桁になってうむ~とうなる。猫用のヒートパッドが、リビングとベッドルールに合計5つくらいあって、おじちゃんは猫たちが寒くないように全部スイッチを入れておくので、電気代が夏の2倍になってしまうのだ。起きたらベッドルームのヒートパッドは必要ないから消すようにいくら注意しても、いや昼間でも天がベッドルームで寝ることがあるし、両方いるだろうと譲らなかった。

しばらく前に電力会社を変えて、ついでに料金引き落としの口座もおじちゃんの銀行に変えた。つけっぱなしにしたければすればいいけど、電気料金はおじちゃんの口座から落ちてるよ、と言ったら早速ヒートパッドにタイマーをかました。天が突然死してしまってからヒートパッドはたった2つになってしまったのだけど。


相棒の天が亡くなって紫音の不定哀訴がひどい。
夕方5ごろから鳴き始めて付きっ切りで遊ばないと鳴きやまない。後追いがひどい。おじちゃんがベランダに出ると戻ってくるまで鳴く。

顔つきが変わってしまった。
二匹とも2歳4か月と5か月で猫だけの世界があって二匹で飛び回っていたころは、紫音もそれなりの成猫の顔立ちだったのに、鳴きながら後追いするこの頃の紫音は子猫の顔立ちに戻ってしまった。
ひどく幼くてあどけない。

鳴き続ける紫音におじちゃんもおばちゃんもストレスマックスである。お兄ちゃんはもう居ないんだよ。寂しいね。でもあんたはこのままだと我儘で自己中心的で人間を呼びつける嫌な猫になってしまうよ。と紫音に言い聞かせている。
紫音も心さみしい冬が始まる。

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