After Life

今年の庭はもうダメだ。
日照りが続きすぎた後に台風の影響で土砂降り。
どっぷり湿った後にまたカンカン照りでお花の根っこも葉っぱも茹でられてしまったようだ。
あまりにも蒸し暑い。庭に出るのが嫌になってしまってリビングに籠っている。

おじちゃんは雑草が伸びすぎたお向かいの庭が気になって、涼しい午前中に草刈をしてた。順子さんはもう来れないから。ほっておくと順子さんの大事なお庭がジャングルになってしまう。

“こんにちわ、うふふ、ミキさんお元気?”張りのある声ももう聴けないのだ。
ウチのみょうがは出たかしら?インパチェンスはもう咲いた?

みょうがは順子さんがお出でになれないうちに花が咲いちゃいましたよ。インパチェンスはトレニアに負けて出てこないですね。それより婿どののブルーベリーは3本もカミキリムシにやられてしまいました。それから、順子さんが教えてくれたタヌキですけど、。

お隣の敷地の草むらに巣があると順子さんが言っていたタヌキ。
あのタヌキがうちの床下でケンカしたみたいですよ。ネコのような犬のような悲鳴が夜中に床下から聞こえて、うちの猫たちはおびえてしまったんですが、次の日におじちゃんが頭を怪我したタヌキがお隣の敷地からヒョコヒョコとウチの敷地の端を登っていくのを見たんですって。次の日には、順子さんのおうちの玄関近くで、子タヌキが一匹キャアキャアお母さんを呼んでましたって。きっと順子さんが見てたタヌキの子孫ですよ。

それから2~3日後に、私もその子タヌキを見ました。
おじちゃんが急にオフィスから私をオイデしたので何かと思ったら、窓の下を指さすので、下を覗くと猫ほどの子タヌキが用水路のコンクリートの土手をとコトコト登ってきて上流に消えていきました。婿どののブルーベリーやおばちゃんの好きなキンカンを食べて育ってきたのかも。お母さんは怪我で死んじゃったかもしれませんが、タヌキの一家は綿々と生き延びていたんですね。

ところで、お庭の北側の斜面はどうすんですか?
不動産屋のKさんに階段をつけて段々の庭にするって言ったから、Kさんが適当に斜面をけずっちゃって土留もしてないから雨のたびに崩れますよ。斜面の一番下にクチナシを2本植えたでしょ?アレ、雑草と雑木に埋もれちゃいましたから。表の庭の芝生は芝より雑草が多くなっちゃいましたよ。ホントに斜面どうしたらいいんですか?それとクリスマスに山のレストランでコーラスをやりたいって言ってたでしょ。
まだやることがいっぱいあるのに、順子さん。聞いてます?

手術後1年

胆嚢がん 手術後1年4か月

2023年 黄金のシーズン5月がやってきた

園芸店とホームセンターを走り回っていたおばちゃんです。
お花を植えるためのいいデザインのポットも欲しくなったんだが、高いのぉ!
それで巡回コースにはリサイクルショップが組み込まれて、よさげな傘立て500円!やら花生けを買い、底に穴をあけて器にしようと思っている。

このポットに何を植えようかと思うとワクワクするわ。
山は地上より4度低いが、チューリップも終わって宿根草が伸び始めた。先月からメルカリで買ったペンステモンの種も芽を出したので、朝晩成長を見守っている。あったかい目をかけてやれば植物だって多少早く成長するのではないか?
だから3週間ほどとっても忙しかった。

朝起きれば、ハサミをもって庭を巡回し花ガラを切り、嫌がって抵抗するクレマチスの茎をなんとかオベリスクに誘引しようとし、増えすぎたグラスの小株を分けて鉢に植え、百日紅の下は石と流木で廃墟風にアレンジし、シレネを隙間なく植え込みたいが高いので、あっちの店で2株、こっちのセールで2株と順次増やした。貧乏性のおじちゃんは一度に大枚を使うとうるさいので、少しづつ何回も買う。

おじちゃんが引っこ抜いてしまった河津桜の後には何を植えるべきか、
ネットで検索したんだが伊東の植木市で、カリフォルニア何とか?を買ってしまい(もしかしてアメリカ何とかだったかも。もう名前が覚えきれない)ついでに地上から2メートルは丸坊主で、3メートルのてっぺんにしょぼしょぼ葉がついている畑の霜よけにもならない雑木を切ってもらった。

真夏の暑さを遮るサヤサヤとした葉が茂る常緑木(落葉樹では畑に落ち葉が落ちるので大変)で、かつ大きくなりすぎない2メートルくらいの木。あと5年たったら脚立をつかった木の剪定なんか自殺行為だわ。
花は咲かなくてよくて立ち姿と葉が綺麗な木を植えたい。またまた園芸店と植木市を回っておじちゃんがハナミズキ?を気に入って買ってしまった、3本も!

ハナミズキは確かにかわいい木だが、冬は落葉して丸裸になるから畑の霜よけにならんだろ!赤と白の2本を畑の境目に30センチ間隔で2本植えたのを発見して喧嘩になった。

お向かいのおばちゃんのハナミズキを毎年見てるだろうが?高さは確かに高くないが、横は1メートルも張り出してるだろうが?育ったらお互いの枝がぶつかる近さ。あんたは今見える植物の姿しか見えんのか?

さすがにまずいと思ったのかおじちゃんは植えなおした。その距離50センチ。
5年後はきっとぶつかるだろう。それまでおばちゃんが生きているかどうかは知らんが。

もう一本の白のハナミズキは玄関先に植えるとかで、おじちゃんは玄関横の庭で動いていた。
おばちゃんは表のダンダン庭で忙しかったので、おじちゃんの監督をしきれなかったが、玄関先でゴンゴンやっているのは聞こえていた。夕方撤収するときに、おじちゃんがコンクリートが足りないので、明日はホームセンターだな、というので何がそんなにコンクリートが必要なのかと疑問に思った、
ら、、、。

玄関横の庭がとんでもないことになっていた。
玄関の庭もやはり段々でおじちゃんがハナミズキを植えようと掘ったら、50センチで湿った砂利とコンクリート層にぶつかったそうだ。
先代のおばちゃんがコンクリートを張って水はけのために砂利をいれその上に土を乗せた段々庭だったらしい。

おじちゃんはそれでハナミズキの地下植えをあきらめ、ついでにすべて玄関庭の花木の直植えもやめることにしたらしい。なんでや?
どこを掘っても結局砂利とコンクリートで水はけが悪すぎるから。

そして大・土木工事が始まった。
剪定をしすぎて年々花付きが悪くなるカシワバ・アジサイ3メートルを引っこ抜き、特大漬物バケツに養生された。
おうちの基礎タカイタカイ足を隠す柘植の垣根もすべて引っこ抜かれ、おじちゃんがセールで買って植えた30本くらいのユリ~すでに30センチに育ってた!もプランターに植えなおされた。球根の根っこは一度ダメージを食らうと二度と再生しないという。
きっと今年のユリは絶望的だろう。

おばちゃんがせっせと植えたグランドカバー3種、グラス類は見事に引っこ抜かれプランター2個に養生されていたが、どう見ても株が少ない!すべての植物はみ~んな抜かれて石垣と地面。
おじちゃんは引っこ抜いた草木に花がつくかどうか気にしてもなさそうに思える。来月にはカシワバ・アジサイが咲くはずだったのに。

先代のおばちゃんが土台を作った石垣段々はまだしっかりしていそうだったから、おじちゃんは石の垣の間をレンガで補強してすべてコンクリートで張ってしまった。どれだけコンクリートを使ったかもう知りたくない。

おじちゃんは満足そうだったが、そこでハタと気が付いた!
カシワバ・アジサイやハナミズキは何に植えるのだ?
大きな木を植える大きな鉢は高い!タカイ!
そうしたらおじちゃんは俺が作ると言う。

はぁ?
溜め込んでいた木材でコンテナを作るという。アンタいくつ要ると思ってんのさ。3段の庭よ!
ってなわけで、ホームセンターには今度は不足の材木やらペイントやらを買い出し、園芸土を都合12袋も買った。うちの軽自動車は明らかに後ろがかしいでいたぞ。

土木工事は完了し手製の木製コンテナも完成した
いくら防腐ペイントを塗っても木材というのは土を入れると痛むのだが、おじちゃんは内側にプラケースを仕込んでいた。ビールを入れるみたいなやつ。6年の経験がおじちゃんを育てたか。

カシワバ・アジサイもハナミズキもユリもそれぞれのコンテナに収まり、おばちゃんは足りないグランドカバーを園芸店で買い増ししてこんどはカラーリーフとグラス類にはまりそうである。

渋い色のカラーリーフを渋い鉢に植えたい。おじちゃんが幼稚園の花壇にしてしまったコンテナを流木とグラスでなんとかオサレにしたい。いぶし銀のようなシルバー・リーフを集めたい。 “5月にやるべき庭のお手いれ“などの動画を見ながら寝落ちする。夢はまだ広がるのだ。

蛇足----
ゴールデン・ウイークに入り、お向かいのおばちゃんは東京から避難して来た。
お揃いの真紅の長靴を履いて、この前植えたポンポン・ダリアの芽が出たか、ピンクのクロコスミアの芽がでたか、しゃがんで二人でおしゃべりをする。

中野のおばちゃんはうちからお宅の芝サクラがほんとにきれいに見えるわよ。と褒められたのだが、、、
芝サクラ?さて?確かに無事に咲いたが、草取りや植え替えや種まきに忙しすぎて花をじっくり見てない。観察はしたが、見てない。

花が終わった枝はないか、あれば切る。樹勢はいいか、切り戻しはすべきか、株分けはしたほうがいいのか?そんなことばっかり見ているので花を観賞する暇がない。ああ、。

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くらえ、カプサイシン

静こころなく花の散るらん

お庭にじゃぶじゃぶお金が消える

楽天からメールが届いた。
~このメールは前月より請求額が増えたお客様にお送りしております、、、

増えた、増えた。1月の3倍に増えた。
3月から4月にかけて、毎週猫たちを病院に連れていき、おなかの調子を崩した猫のための療養の猫缶を買った。ちっちゃな猫缶はカルカンの4倍の値段だ。一日1缶半をたべる。おかげでジュニアはついに2キロを超えた。5か月で2キロである。この子は当分去勢の必要はないでしょうとも獣医に言われた。無事に育ってくれただけでもうれしい。

近郊を走しりまわったからガソリン代もかなり使った。使い出があると思った米国年金も足が出てしまいそうだ。あればあるだけ使ってしまうアメリカ人に近いな。

拝聴しているガーデニング・チャンネルによると、花友フェスティバルとやらが名古屋で開かれているそうである。行きたい。

100店舗を超える園芸店も出店しているそうで、珍しい苗を変えるチャンスだ。まさか電車で苗木を持って帰るわけにいかないから “車で一択” だが日帰りはきつい距離。一泊で遠出するならテンがまだ小さいから猫二人でお留守番は無理だろう。
来年かなぁ?

豊橋、大阪、東京方面には巨大園芸店があるそうだ。いつか行ってみたいものだ。
南カリフォルニアにはRogers’ Gardenという有名な園芸屋さんがあった。広大な緩やかな公園のような丘陵に植栽が展開している園芸屋さん。

その公園の小道をめぐっていくと灌木のセクション、下植えのセクション、お花、背の高いシンボルツリーなどが次々と現れる。どのシーンを見ても絵になる。Ikeaのように部屋ごとにインテリアがデザインされていて、お客はどのようにアレンジができるのか目で確かめてから、花や植木を購入できるようなディスプレー方式だ。


園芸のプロがアレンジした庭木におしゃれなポット、かわいい花。うっとりしてどれもこれも欲しくなるのさ。一回りして店舗まで戻ってくると、そこには凝り倒したインテリア エクステリアの飾り物がぎょうさん。

中でもひときは優美な光を放っていたのは、クリスマスのオーナメントたち。
ツリーに飾る銀や金の玉。目もくらむような手の込んだ細工もの。安いオーナメントでも一つで5ドルくらい平気でしてた。数が必要な飾りはとても手が出ない。ここで値段を気にせずお買い物ができるのはNewport Beachや Laguna Beachのお金持ちだった。帰国の時にツリーも飾りも全部処分したけど、Rogers Gardenで買ったものがあったなら手放せなかったと思う。

Rogers Gardenとは言わないけれど、日本の巨大ガーデン・センターに行きたい。
行ってほしかった苗をこの目で見て買いたい。オンラインで植物は買えるのだが商品写真と現物の苗がずいぶん違ったりするのよ。根が回っていて庭に植えても定着しないことが多かった。

カラーリーフが欲しい。赤や黄色の代わり色のカラーリーフや、日陰を明るくする銀葉のアクセントにするリーフが欲しい。大きくならず紅葉する低木が欲しい。ゴブレットのような足つきの鉢が欲しい。

こじゃれたレリーフなどの鉢だと軽~く万円を超えたりするから。イギリス製の鉢なら1ポット6桁したりする。ホントですかぁ~?
年金なんかいくらあっても足りないわ。
ガーデニングってお金がかかるのね~~。

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目指せ宿根草の庭

手術後1年

胆石だと思ったら~胆のうガンだった~

去年の4月、胆石を切除してこれでヤマザキの雪苺娘が安心して食えると思いきや、切除した胆のうからステージ2のガンが発見されたmikieおばちゃんです。

病院に逆戻りして肝臓&リンパを切り取る拡大手術をして退院したのが、GWの終わりごろ。去年は雨も多かったせいで一番美しいはずの5月は庭の手入れもできず無念の涙をのんだ。

今年はリベンジの年だ。
3月には秘境の中伊豆コメリで深紅の長ぐつを買い求め、あまりに軽くて履きやすいので、お向かいの別荘のおばちゃんにも一足買って進呈した。
65の婆と82の婆がお揃いの赤い長ぐつをはいてポンポンダリアを植えたのである。
うちら~ガン友(お向かいのおばちゃんは、10年前に乳がんステ2、去年は別口胃がん表皮ガン ステ0)

お向かいの中野のおばちゃんはあまりにもコメリの赤い長ぐつを気に入ってしまい、この長ぐつがダメになったときはどこで買ったらいいのかしら、いいものだからもう一足予備に買っておかなければ、と憂えるので、もう一足買っておばちゃんの東京中野の自宅に送った。米国年金が入って気が大きくなっていたのであった。

山は麓の里に比べて気温は4度以上低いのである。
町でとっくにスイセンが満開というのに、うちの庭にはまだ葉が10センチ。黒い地面が見えてスカスカの状態に我慢できず、おばちゃんは庭を埋めるために宿根草やカラーリーフを求めて近郊都市の園芸店を走り回ったのであった。

おじちゃんが幼稚園のように植えてしまったチューリップは碁盤の目に並んでいて隙間の黒い土をバコパやカラーリーフで埋めたい。うちに根付いた宿根草はまだつぼみもできていない。ちょっとインチキだが、すでに咲いているネメシアやリナリアのポットを買ってきて同じ場所に植える。これは追加なんだ。中抜きと違うし。

おばちゃんは生来のセッカチ。待ってられないのである、はよ咲け~~。地だを踏んで咲いてくれるものなら、おばちゃんアデルのRolling In The Deepを踊っちゃる。

そのうち、3年目の姫コブシが満開になって散った。お向かいのソメイヨシノは今年も素晴らしく咲いて散ったが、6年前に植えたうちの河津桜は1輪も咲かずにまた葉桜になった。
ヒマラヤ・ユキノシタが細々と咲いてしぼんだ。去年の秋に選定しすぎたせいかもしれない。今年も追加したヒナ草は今満開である。こぼれ種が落ちて来年も同じように咲いて欲しい。

何が落ち着かないかと言うと、庭のメインストリートとブルー・セクションはまだスカスカなのである。2年目のジキタリスもカンパニュラもまだ20センチに満たない。ペンステモンなんて、地面にへばりついた葉っぱだけである。一番の目玉のガウラは10センチ。花は?
花はあと2ケ月も待たねばならない。

ブルーセクションにはネモフィラとデルフィニュームを植える。あ~、何時になったら満開になるのかしら?

夜は園芸チャンネルを視聴する。
ノーマル・スピードなんかで聞いていられない。1.5倍速である。出だしはすっ飛ばして、要点だけを見る。

なるほど、桜は意外にも庭に植えないほうがいい木だそうだ。
家の基礎に近い場所に植えると、根が横に張り基礎を壊すこともある。葉には毛虫がついて剪定が難しい。うちの河津桜は油粕をやったら、変な風に横枝ばっかり伸びておまけに葉がピンクに縮れて病気みたいだ。

コニファーは姿はいいが、すごいスピードで高く育つので、地植えにすると切ることになるのか、。おばちゃんのコニファーは今年の寒波と乾燥で3本のうち2本が枯れてしまい植え替えねばならない。

そうしたらコニファーの空の鉢に妙な木が植わっていた。しみじみ観察するとビワの木のようである。
おじちゃんにどうした?と聞くと、
道端にビワの木が自生していたので掘ってきて植えてみたと言う。
元んとこに戻してこい!


おばちゃんも子供のころに犬や猫を拾ってきてよく言われたセリフである。おじちゃんもワンコの時に言われたはずだ。60年も経つのに性分は治らぬと見える。

昨日はせっせと買い集めた宿根草を植え、時代がついた渋いポットに植え替えをし、シレネを植えた百日紅の下を、これまたオサレな化粧レンガと岩で廃墟風にアレンジをしていた。立ち上がると、河津桜が抜かれていた。

桜が横倒しになっていて、根っこが丸い。
どうやら地面が硬くて根は横に張らなかったようだ。根っこが腐っていたよ、とおじちゃん。
を作ってもいいよね、この場所。

実は水場があるといいなと思っていた。古い火鉢を買ってきて埋めるか?
今度はリサイクルショップを一回りである。前に買った青染付の火鉢は金魚が5匹元気に泳いでいるが、そのリサイクル・ショップは場所替えして商品がずいぶん減った。埋めて池代わりにする手ごろな大きさの火鉢がない。

池はちょっとペンディング。
夏はボウフラが湧くし、冬は確実に凍るから金魚は入れられない。
やはり木がいいだろうか?
さやさやと葉擦れがするようなすらっとした木。背丈が高いと剪定が大変になるので低中木。また動画を見る。ニワトコ?夏ハゼなら紅葉するし。

宿根草を植えながら、2年後のこの場所はどうなっているのか?
シンボル・ツリーは今年植えたほうがいいのか?
ヘデラと芝桜がケンカをしててどっちの肩を持ったほうがいいのか?

ムクゲのこぼれダネから3本実生が生えてしまい、おじちゃんが後生大事にポットに植えたら50センチに育ってしまった。見張っていないとどこかに植えられてしまう。おばちゃん、よろけた拍子にポットの上に倒れてムクゲの苗が折れてしまったほうがいいのか?

いろいろ花や木を植えながら、いったい私にはあとどのくらいの時間が残されているのか?今年できるだけやってしまったほうがいいのだろうか?
人はそれぞれ人生時間が決まっているが、残りの時間がどれだけ残っているのかは知らされていない。おばちゃんの場合は蓋然性が高いというか、。

手術後半年から2年の間がいちばん転移・再発の可能性が高い。
危険期間の2年は半分過ぎた。例えば、肝臓に再発したとすると膵臓転移よりも時間が稼げそうだ。膵臓と肝臓+胆管同時なら余命は半年から1年くらいか。

うちの庭を完成させるのに、長期計画でいったらいいのか、短期計画でいったらいいのか。腹に観察窓が欲しいもんだ。

動画の個人庭園・訪問編を見ていて、このバラは植えて10年とか、クレマチスが太い木になっているとか、植物が結果を出すにはそれ相応の時間が必要なのだ。花のサイクルは毎年決まっているのに。時間、時間、時間
おばちゃんの時間はあとどのくらいあるのだろう?

いつもの蛇足ーーー
数年前、おじちゃんが春用のジャケットのファスナーを生地に引っかけ無理やり引っ張ったのでファスナーが壊れてしまった。直さねばと思っていたのだが春は短いしそのままに。

毎日のように通る商店街には洋服直しの看板を掲げた個人商店があって、おじちゃんが看板を見てここなら1500円でファスナーが直せるって。

1500円というのは、材料費だけか、工賃は別かもよ。
おじちゃんは、イイヤ、1500円と書いてあるから、1500円だろう。ここにジャケットを持ち込む。
おじちゃんはジャケットを引っ張り出し、ついでに何を思ったか喪服のズボンも引っ張り出した。ウエストがゆるゆるなんだ。詰めてもらおうと思って。

おばちゃんは、私の葬式用か?と内心疑ったのだが、おじちゃんは計画性がゼロで先に気を回す質でもない。すると、おじちゃんの兄弟用か?

ジャケットとズボンを店主に渡すと、ファスナー直しは3500円と言われておじちゃんは、しばらく黙った。看板にウソあり、と思っていたに違いない。

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アイタタ、タ

総武本線 内房まわり

ベンツ切開

しずこころなく花の散るらん

― 願わくば桜の下にて春死なむ その如月の望月のころ - 西行

妻子を蹴たおして出家した自己中の西行らしい歌よね。
4日前の朝、買い物に下る時には、両側からかぶさっている山のソメイヨシノが1分か2部咲き。おじちゃんと、もうすぐだねぇと言い合っていたのに、買い物を終えて同じ道を登ってきた午後には、同じ桜並木が3分咲きか4分咲きになっていた。

あれま、朝より桜が開いてない?山の気温は15度を超していた。
一昨日は20度を超えて桜はあっという間に満開。急がないと。

昨日と今日は天気が崩れて雨交じりで風がある。せっかくの桜が散ってしまう。なんか貴重なものが逃げてしまう感じ。

そういえば去年の今頃は手術だった。
その後切除した胆のうからガンが見つかって、今年の桜は見られるのかどうか、おばちゃんはひそかに危ぶんだのだったが、桜は咲いた。とてもあわただしく。

「春死なむ、」の歌があるから春に死ぬのも悪くないのかも、と思っていたが、この1週間の季節のあわただしさを見て、桜のころに死ぬのは嫌だと 思った。

桜が咲くか咲かないかという頃に、敢えなくなってしまえば、残った者は親族に連絡し、病院から書類を取り、役場から埋葬証明書をとり、葬儀の準備をして本籍から謄本を取り寄せ、家庭裁判所から遺言の検認を受け、銀行を駆け回り名義変更に飛び回らねばならない。

桜?そんなもん咲いてた?
残された者は空を見る心の余裕もないかもしれない。

おぼろにかすむ満月に照らされ、ハラハラと散る桜の花びらを浴びながら風雅に死んでいるつもりなのは、西行くらいだろう。もしかしたら、最後の一杯を傾けているつもりかもしれない。
妻子は後始末に走り回っているというのに!

ああ、そうだった、西行は縋る妻子を縁側から蹴飛ばして俗世を解脱したつもりなんだった。
いい気なものだ。

俗人は最愛の人を亡くした悲しさとあわただしさと浮世の手続きに振り回されている間に、桜は葉桜になっている。
次の年の春にやっと落ち着いていて、そういえば去年はドタバタして桜が咲いているかどうかもわからなかった。あの人は最後の花見もできずに亡くなった。――と毎年毎年 湿った後悔とともに思い起こすのかもしれない。

花見くらい心おきなくさせてあげたい。
というわけで、おばちゃんは桜の季節にアエナクナルのは嫌だな。墓も作らなくていい。

司馬遼太郎が遊牧民族の風俗と墓についてどこかに書いていたのだが、遊牧民族には墓がないと。
司馬遼太郎は描写したのはウイグルかモンゴル辺だったかもしれないが、おばちゃんの脳裏ではもっと西、サウジとかクエートとかの砂漠の民の風習として編集記憶された。

偉大なる族長や一族のヒーローだったリーダーでも亡くなってしまえば、遺骸である。
彼という存在の抜け殻であって本体でない。存在はうつろうもので彼だった存在はそこにもういない。残された者はかつて彼だったものを亜麻布で巻き、砂漠に出て行って浅く穴を掘り遺骸を落として岩で抑える。

砂漠の乾燥した風で遺骸はあっという間に干からび崩れて、彼の墓は砂漠の地にもまぎれてわからなくなる。砂漠はどこを見ても同じような風景で、数年たてば墓なんか記憶にもなくなる。それでいいじゃないか。重要なのは墓でも遺骸でもないから。

さらにどうでもいい蛇足
クリスチャンが家族を亡くして、アメリカでも墓参りをする人はないわけではないが、祥月命日に仏壇にお供えをしたり、お盆に迎え火をしたり坊さんを呼んで法事をやってるわけではない。

あの世の人が金に不自由することないよう中国人は紙銭を燃すが、日本人が紙銭を燃さないからと言って、日系2世のご先祖があの世で金に不自由するわけではない。亡くした家族を悼んで精霊をながしたり空に飛ばしたり。ベトナム人が放上のために小鳥に米をまいたり、アフガンなら墓に嗅ぎたばこを供えたり(嘘ぴょ~ん)なんてことがあるだろう。

祭祀の祭り方は宗教や文化・風俗でそれぞれ。言葉のなまりみたいなものではないか。どれが真理というわけでも唯一の宇宙のルールでもない。

おばちゃんが腹が立つのは、「先祖供養をしないから祟られている、先祖の報い、」とか供養脅迫してくる宗教的押し売り。
腹が立つ。

おばちゃんは自分の家族とビジネスを守るためにユダヤ人と戦ってきた。それでも店を一歩出たら客と自分は対等と思ってる。そういうおばちゃんのご先祖が先祖を祭らないから怒ってるって?ふざけるな。

たかが50年100年先に生まれたというだけの先祖ではないか。おばちゃんが死ねば同じ土俵にあがるぞ。おばちゃんは自分のためだけでなく戦ってきたが、供養をせよというあんたはいったい何のためにどんな風に戦ってきたのか?

子孫の供養なんてあてにするな。自分のしくじりを子孫に償わせようなんて不逞な野郎だ。自分の失敗は自分でもう一度生まれ変わって自分で償え、バカタレ。と言うね。

父も同じような性格だったからよく言った、というかもしれん。でも、おばちゃんのご先祖様たちは、子孫にこれこれの供養をせよ、と要求するような先祖は、多分いないと思う。

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秘境のコメリ

コメリの店舗は秘境にある。
少なくとも伊豆に関しては正しいと思ってる、おばちゃんだけかも知れんが。

伊豆で最初に行ったコメリは、天城峠を越えて地獄の七滝(ななだる)のループを降り、険しい崖路を延々と下って、人家もなければ施設といえば道路標識だけ。目に入るのは山と谷と2車線の道路だけ。

まだ下るのか、いつになったら“どこ“に着くんだろうと心細くなるころに、気持ち穏やかになった道が最後のカーブを抜けると、そこにコメリ河津店が穏やかな伊豆の光をあびて出迎えてくれる。あんな嬉しかったことはなかった。嬉しさついでに河津桜の苗を買ってしまった。6年前だ。庭に植えた桜はまだ咲いたことがない。

2店目のコメリは、伊豆半島一周を思いっ立ったおばちゃんが、沼津スタートで西伊豆から下田、熱海へ逆回り一周することにしたが、走れども走れども17号線は山の中。ナビは一本線が写っているだけ。蝮の頭のあごの先にも抜けられず、今日中に熱海まで回れるのかどうか。

どうも伊豆半島はおばちゃんが考えたより大きいらしい?ということがしみじみわかって土肥温泉につく頃にはへとへとになってしまった。

せめて恋人岬あたりにたどり着かないと、伊豆半島5分の1も回れてないのがくやしくて、でも、山と崖と一本道はもう嫌。暗くなってから同じ山の夜道を引き返すのはもっと嫌。早めに一周計画を中止して遭遇したのが懐かしきコメリ土肥店舗。

3店目は中伊豆
おじちゃんと園芸店やホームセンターをそこら中探検して、街中のホームセンターはお花の値段もそれなりに、、人の懐を狙った値段。チェンソーや草刈り機も庭のお手入れで華奢でオサレなモデルが中心。


おじちゃんはガーデニングよりもっとがっつり農作業よりの機械や道具が欲しい。そういえば、コメリは農家御用達しであったのぅ。崖や峠を越えて西伊豆に向かうのは心底イヤであったが、検索すると中伊豆にも一店舗ある。

行ってみようというわけで、峠を越えて修善寺を斜めに横切って地元民が走る山道を抜けると、山と山の間にぽっかりと隙間があってそこにコメリ中伊豆店があった。
おばちゃんが狂喜したのは、街では600円以上する宿根草がここでは1ポット348円で買える。アマリリスのおっきな球根が300円などという値段で転がっている。おじちゃんは園芸土を25L 320円でホクホク。

帰り道ではおじちゃんの知り合いが“流された”というワイナリー・リゾートがあった。なんでも妻子がありながらパートのシングル・マザーに手を出して、情実人事で職場の顰蹙を食らい、さらに本部にばれて、辞めるか中伊豆に行くかどちらか選べ!といわれて中伊豆を選んで毎日片道2時間通勤にかかるそうである。元気でいるだろうか?

源頼朝が流された「韮山」なんてまだ交通の便が良いところである。中伊豆は山の谷あいの道をひたすら走らないとたどり着けない。
帰る前に手洗いに寄ったら驚くべきものがあった。

トイレに座ると真向いの壁に求人広告が貼ってある。むろんコメリの求人募集である。
給与は月額2十数万。年齢などの条件があって、その他条件に自宅から25キロ以内にコメリの店舗が少なくとも3店舗あること!と書いてあった。

伊豆にはあと西伊豆店と南伊豆店があるのだが、西伊豆店は日本のマチュピチュといわれる松崎町の近く。南伊豆は海岸から遥かに山中に入った集落の中である。

おばちゃんは思わず吹き出してしまって、伊豆3店舗に25キロで行ける自宅ってどこだ?!婆沙羅峠か?天城峠か?コメリの本部も正気なのかどうか、なかなか人を食った募集広告だと思う。

春~よ 新しい長靴!

2月末で山のおばちゃんチも気温は2桁になったので、あっちこっちの園芸店・ホームセンター(無論 コメリも)を回って春植えのお花を3ケースくらい買いだめた。

植えた次の日に雪が降って買ってきた花に雪が積もりゼラニュームは凍ったのでおばちゃんのキモも凍った。おばちゃんの頭はもう「春」がインプットされてブレーキが効かないので、地面の雪は無視して植え付けを敢行した。
雪の残る地面にデルフィニュームとかネモフィラを植えたのは初めてである。

残りのコメリ西伊豆と南伊豆店へ行ってみるかいって?
ぜっていヤダ。誰が行くかあんな地の果て。

蛇足------------
3月に入ってチューリップの芽は出てきたが、庭にはまだ咲いている花がない。もっとお花を!というわけで、中伊豆は行ってしまったから蒲原店を攻めてみることにした。

コメリ蒲原は富士川を渡った海辺にあるようである。
街中のコメリでこじゃれた宿根草が安くあるかもしれない。国道1号線を延々走るか、それとも東名を走るか。東名は遠回りだが1時間4分という。1国だと一本道だがもっと時間がかかるかもしれない。行きは東名の富士川インターETCで降り、住宅地の中をチマチマ走るとショッピングモールの中にコメリがあった。

伊豆のコメリより数段大きい。宿根草が安い。おじちゃんの大好きなチューリップとユリの球根が40%引きである。また1枚半買ってしまった。
南海トラフ地震が起きたら津波で跡形もなくなる場所である。標高1M。

今度はトイレには寄らなかった。最寄りのコメリ店舗は富士川を遡った山の中である。3店舗目は伊豆半島か箱根の山ん中である。3店舗に行ける条件で求人は難しいと思う。

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冬支度 霜よけ

今年は変な天気だったが結局台風が来なかったのはありがたかった。
雨が少なく妙に日中日差しがでるとあったかいので、日日草、ペチュニア、虎の尾さえまだ咲いていて、それなのに冬の花:山茶花は咲いてしまった。

四方からくる落ち葉はすごいので2~3日置きに掻いていたのがキリがなくて嫌になってくる。毎年の通例だ。
更に毎年悩むのは、吹きたまった落ち葉はお花からしてみれば冬の寒さを避ける“お布団“になって、却ってはがさないほうがいいのではないか?立ち枯れた花の枝は根元から切らないほうが霜除けになっていいのではないか?

試しに今年は花が終わったガウラやキバナコスモスをそのまま放置しようと思う。一応去年卓球の長老から頂いた竹の枝をあちこちに刺していつ霜が来てもいいようにしておいた。

山に引っ越してきたとき麓の冬の畑には奇妙な枝が林立するのだ。
野菜でもない細い枯れ枝が畑の支柱に張り巡らされた紐からぶら下がっていたり、地面に刺さっていたりするのだ。
おばちゃんは一度も見たことがない光景に頭をひねっていたのだが、誰だかが霜よけじゃないか?と言った。

な~るほど。
明け方の非常に冷たい空気は地表に向かって下がってくるのだが、細竹などに触れるとその表面に霜の水分がつく。すると地表まで冷気がおりにくくなるという理屈。100%霜がつかないというわけではないが、やっぱり霜柱は地表にできるが、植物の葉が霜で焼ける(葉っぱが真っ黒になって枯れる)ことが少なくなる。
冬も葉がある宿根草にはありがたいのかもしれない。

それで去年、竹林の手入れをしていた卓球の長老に払った枝をいただいたのだ。初冬に地面に突き刺して2月に抜く。さらに地表に落ち葉をたっぷりかぶっていれば霜柱も立ちにくいかもしれない。
今年は思い切って落ち葉も放置してみようかしら。

おじちゃんに作ってもらったクレマチスの棚はなかなか立派。
元気な冬咲きクレマチスはつぼみをたくさんぶら下げた。白いベル型の花が咲く、あとひと月も後の厳冬に!庭はそろそろ冬眠に入るというのに。もちろんおばちゃんたち以外誰も満開のクレマチスを見ない。冬の間はネギを抜きに降りるくらいになってしまう。

スーパーでゆり根が割引になっていた。花屋で球根を買うより安くないか?おばちゃんはゆり根を食べるのは嫌いである。苦いから。おじちゃんはチューリップとユリの花が好き。
明日ユリを植えたら長い冬が始まる。

アーチDIY

久々に山の天辺の猫友達からお誘いが来て、彼女のお家でおしゃべりをすることにした。3時間ばかりおしゃべりをして帰ってくると、おじちゃんは電動チェンソーを手にして満天星つつじの生垣は縦半分の幅になっていた。

そりゃ、確かにおばちゃんは言った。
この満天星つつじは元気になって庭側に張り出してきたね。根元のお花に日当たりが悪くなってきたし、この困ったちゃんのクレマティスが這いまわって剪定の手が届かないし、。
言った、確かに言った。

3時間の間に生け垣が半分になった。

んま~、そんでこのクレマティスはどうするわけ?
オベリスクを建てる隙間もないから。

そしたらアーチに絡ませるのはどうか?だって。クレマティスの専用アーチですか?それほどボリュウムがありますかね?

その答えをおじちゃんはOKと取って、次の日さっそく作業に取り掛かった。おばちゃんは梅雨の本格的な雨の前に、伸びすぎたつつじや植栽のトリミングをしようと思った。

おじちゃんが東の角につつじを3本ばかり植え替えた。
これはいいんだが、つつじのために引っこ抜いたエニシダ子株を何を思ったか通路に植えた。

エニシダは前後左右ぐるりと枝を張るから、通路に植えられると通れないばかりか、周囲1,5メートルは草取りに苦労するし日が当たらないから、下生えにお花が植えられなくなってしまう。
つまり、エニシダから庭の端までもうエニシダの領分。庭が1,5メーター四方少なくなったと同じことになるのに。

おじちゃんは何度言っても考えてくれない。
百日紅の隣にエニシダとヒュペリカムとエリカとチェリーセージを植え変えたのよ。よりにもよってみんな枝が横に張るものよ。時間がたって木が成長したらどうなるかつーうのを考えてないのよ。横に張った木の周りの草取りもできないじゃない。
増えすぎたシュウメイギクの子株を地面に植えてあったのに、陽があまり当たらなくなったので枯れてしまった。丈夫なシュウメイギクの株が枯れるなんて!

おじちゃんは草取りをしない。
畑の草も野菜のプランターの雑草も見えないみたい。庭の角っこや植栽が込み合いすぎたときにどうすると草取りができるかを考えずに適当に植えてしまう。
東の下ったところに柿を2本、リンゴを2本月桂樹を一本押し込めて植えて柿が大きくなったらどうするつもりなのだろう?

通路の真ん中に植えられたエニシダは機会があったら始末してやろうとチャンスをうかがっていたのである。おじちゃんはアーチに集中しているので、東の隅で草取りをしている風を装って、エニシダを抜いた。一度根を張ると抜くのが大変なのだ。

ついでに変態梅の枝も切った。
剪定ばさみの音で気づかれて、来年は花が咲かないからな。と恫喝するおじちゃん。
花が咲かないのはもともと。

この変態梅は陰毛のように枝がくねくね曲がりとんでもない方向に新芽が伸びる。見ているだけで枝が切りたくなる木。日当たりもいいこの場所になんで植えてしまったか。
花木を植えるにはつくづく考えてからのほうがいいと思う。年々大きくなる花木とおばちゃんは相性が悪い。

春は同じように来るように見えるが実はいつも違う。
今年は開花時期に雨が多くて、ウチだけじゃなくお隣もお向かいさんも梅の花付きが悪かった。その代わり今年はブルーベリーの出来がいいみたい。お向かいの婿殿はブルーベリーにせっせと鳥よけの網をかぶせた。

庭を一回り剪定と草取りをして蒸し暑い日だったから大汗をかいた。
切りがいいところで今日の作業は終了だ。お風呂に入ろうと思って、ふと、とんでもないことに気が付いてしまった。

困ったちゃんのクレマティスは冬咲である。ギンギンに冷えて寒い1月に咲く。下手すると雪が積もっているなかで咲いている。

おばちゃんたちは12月過ぎたら寒すぎてもう庭に出ない。出ても何もないから。
クレマティスはいつも忘れられている。

風呂の窓を開けると、アーチが真下に見えた。
ついでにおじちゃんがクレマティスを生垣からはがすときに茎がパキパキ折れたらしく、無残にも地面に枝と葉っぱが散っていた。絡んでいたクレマティスの枝をほぐして、無事アーチに誘引できたのは3分の2くらいかもしれない。

さあて、このおじちゃんお手製アーチというかラティースというか這って絡んだクレマティスの花は、誰が見るのだろう?

玄関先の寄せ植えと違って、お散歩のご近所さんからも見えない。
小さなベル型のクレマティスが格子の間からぶら下がって咲く?ふんなわけあるかい。藤の花とは違う。格子の材木の厚みは5センチほどあって、ベルの花は5センチもない。

通路に立って2メート頭上咲く小さな花は、たぶんおじちゃんとおばちゃんが直下から眺めてもよく見えないかもしれない。二人とも老眼だし。

いままでは生垣の上に咲いたから花が見えたんである。アーチを上から見下ろせるのは、唯一風呂場からだけ。真冬の零度近いふろ場でだれが窓を開けたいか。

この残念な発見はおじちゃんにまだ言ってない。

梅雨の肌寒

6月も6日だというのに、というか、朝から雨で気温は15度しかない。土砂降りでおまけに風も出てきたからちっちゃな台風が来ているようである。

朝から寒いのでついに使用止めにしたはずのファンヒーターをつけた。まるで3月じゃないか。
せっかくカンパニュラとジキタリスが咲き乱れ、アカンサスはつぼみが大きくなって今週中に咲くはずの時に。よし、これから夏の庭に向けて手入れだぁ!というところで春に逆戻り。もうひと缶くらい灯油を買っておこうかと気弱になる。

おばちゃんはせっかちなので、冬のセーターもジャケットも寝具もとっくに衣替えをして、冬は押入れの奥底にしまってしまったのである。春夏服ではストーブなしで寒い。おじちゃんが嫌味に咳をする。
お前はいつも極端なのだよ。

毎年6月にやっておけばよかったと後悔するのは、夏と秋のお花の用意である。
5月は一年で一番花が咲きほこりお花でいっぱいになるのだが、8月まで咲き続けてくれる花はそんなにない。


ペチュニアやキンギョソウは花柄を切ったり切り戻したりできるが、ビオラやデルフィニュームはそろそろ終わりだ。7月に入って夏のお花の用意がないことに気が付いて慌てることになる。

7月8月の夏のお庭に花がなくなってしまうのよ。ガウラとエリゲロン以外に緑ばっかり。
夏秋のお花は5月終わりから6月に植えておかないと。

メインストリート

5年かかってそれをやっと理解したので、今年は朝顔とコリウスとコキアとホリホックの苗を植えて、コスモスとカスミソウとニチニチ草は種を蒔いた。種から育てるのは難しいね。一袋の花の種を蒔いて一株二株くらいしか育てられない。種用のポットを使って2三株づつ蒔くべきなのだろうが、おばちゃんは面倒くさいのが嫌いだ。
根性がある奴なら直播で育てよ!と思って地面にそのまま蒔く。成績悪し。根性がないんだわ種が。

今年新たな発見があった。増えに増えたうちの獰猛なイチゴは今年もやっぱりすっぱくて、収穫の数だけは多かった。植えた5年前からすると毎年酸っぱく味が野生に近くなるようだ。元の出自のとち乙女のふっくらした果肉の柔らかさ、甘みはどこに行ったのだ?
おじちゃんが朝ボールに収穫するのだがそのままではすっぱすぎてヨーグルトに入れる気にもなれない。

2,3日分収穫がたまったのでジャムにすることにした。
粒が小さいのであえて切らないでそのまま砂糖をかけ!水が出てきたところで炊いただけ。形がそのまま残ったジャム。
期待しないでトーストにのっけて食べたおばちゃん、思わずのぞけった。
人生で食べてきたイチゴジャムの中で一番おいしい!超びっくり。酸味がいい仕事をしている。甘いイチゴだと多分このおいしさにはならない。

しまったぁ!と思った。
何故といって、増えるば~っかりで年々まずくなるイチゴに腹が立って、おじちゃんにイチゴ棚を始末してって言っちゃった。おじちゃんは不承不承に棚を始末してしまった。


ただし、子株を20ばかりポットに確保していた。来年はどこに植えるつもりなのだろう。あのいちごジャムがもう一度食べられるなら、畑に植えてもいいけど。

満天星つつじとクレマチス

冬咲きのクレマチスが、、、元気いっぱい満天星の垣根に這っている。誰が植えたんだクレマチス?おばちゃんです。

去年、春咲のクレマチスも追加で植えたような気がする。おかげで満天星の剪定ができない。こんなはずではなかった~。

で、今日は我慢ができなくなってトリマーを取り出した。切ったろ。もう無理、つうとこまでやってみました。あとは来年の2月にクレマチスごと剪定するしかない?

毎年同じような花を植えるとはいえ毎年違った庭になるのが不思議。
今年はカンパニュラとジキタリスがセールになっていたら鬼のように買い込んで植えまくったから、ちょっと見ごたえのある庭になりそう。ガウラがまだ小さいのでガウラとカンパニュラの花の競演が見られないのが残念だわ。

関東では暑かったようだが、今日は26度で風があって過ごしやすかった。花殻と病葉を切る時が一番幸せ。もっと咲けよ。と思う。小さなお花が鈴なりに咲くのが可愛くて悶えてしまう。

お向かいの中野のおばちゃんによると、人間は自分にないものを求めるのだという。身長150センチに満たないような中野のおばちゃんは、大輪のゴージャスな花が好き。でっかい私は小倫が好き。小さな可憐な花に弱い。人間はないものを求めている。

真っ赤なアマリリスとボタンとガザニアは中野のおばちゃんのために植えた。お向かいのキッチンからちょうどうちのお庭のメインストリートが見えるから。ボタンが咲くのはたぶん来年だろうがたまには大輪もアクセントにいいかなと思って。

先週は中伊豆の園芸店に走らせている途中で、突然左目に黒い影がワラワラと表れた。
あっ、これはアカンやつ。アイ子ちゃんの知り合いが緊急手術になったやつか。慌てて町医者に電話を掛けたけど、もしも網膜なら町医者では手に負えないはず。

急遽行き先を変更して総合病院に走ったら眼科の予約は今日はいっぱいだという。残るは4月5月にご厄介になった国立病院か。行きたくないのである。4月5月にあそこに住んでいたから。できれば行きたくない。が、あそこしかないのでしぶしぶ病院に行く。

即、レーザー治療になる。
網膜に穴が開いているわけではないが、弱いところがあって眼底出血をしたという。レーザーで焼いてもらった。網膜剥離だったら手術入院だった。

3日前にいつもと同じ化粧水と乳液をつけて寝たら朝顔が突っ張っている。お昼にはぷつぷつがでてどうもかぶれらしい。

やっぱりこう来たか。
20年前に肝臓のガンマGTPが900を超えたときには、湿疹とアレルギーマーチに悩まされた。
今回は肝臓を3分の1切除されたので免疫と解毒作用が落ちてるんですね。あの時は、湿疹ができてからはハンドクリーム、リップ、シャンプーなどで次から次へとアレルギーを起こしてアメリカ製の化粧品は全滅。資生堂だけが使える状態になってほんとに困った。

アレルギー用のステロイドの塗り薬は塗って太陽に当たるとだめなので、バンダナで額と目から下を覆う。成田空港建設反対の左翼学生のようになってしまった。明日は野草の植え替えとサツキとツツジの選定をしたい。体にクダがついてなくて、自由にお庭に出られて幸せ。

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