FIP寛解後

今年の冬は羽毛布団は無しね。
おじちゃんは消臭スプレーと雑巾で黙々とベッドルームを掃除していた。

テンのスプレーはますます快調。
いつどこでマーキングされるかわからないので、とてもじゃないが羽毛布団は使えない。
一昨日も寝具一式をコインランドリーに担いでいったばかりだ。敷く毛布1,掛ける毛布が3枚、キルトのベッドスプレッド。
ウチの東芝ザブーンでやると仮定すると、朝洗濯を始め乾燥ができるのは夜の11時頃になる計算。とてもやってられないので山のふもとのコインランドリーまで遠征した。

山の冬の最低温度はマイナス1度。
今は5度くらいだろうが羽毛布団にオシッコされることを考えたら叫びだしたくなるから、毛布で頑張る。

おじちゃんの枕元が一番被害にあうので特大のペットシーツを引いてしまった。
おじちゃんは被害に気が付くと黙々と掃除シーツの交換をしている。

紫音のベッドも被害にある。
ベッドとモフモフ毛布の上にやられるので、何回もハイターをぶち込んで洗濯をしてきたのだが、猫の鼻では匂いが残っているのだろうと思う。何度もやられる。モフモフ敷物の下にペットシーツを引きたいが、紫音がペットシーツの縁を嚙み食べてしまうので、モフモフは洗濯のし過ぎでよれてきた。

おじちゃんは目ざとい。
真夜中でも朝方の5時でもテンが騒いでスプレーをすると起きて掃除をしている。
この前SHIENからワンピースが届いて思ったより生地が薄くて冬は着られないわねととりあえずベッドの上に置いたところに、見慣れない物・匂いだからあっという間にスプレーをされた。お気に入りの黄色のセーターもたっぷり液体がしみ込んだ。

おじちゃんは風呂場の専用バケツにもっていき洗い流してからワイドハイターと逆性せっけん液に付け込んだ。
一度も着ていないのに、おばちゃんは泣泣。今度やったらオムツの刑!と悔しくて言った。

おじちゃんは、獣医さんがオムツは膀胱炎になりやすいしオムツ自体が臭くなってそこらに匂いが付きますよ。って言ってたじゃないか。オムツは着けたら可哀そうだろう。洗濯と掃除を黙ってしてる。

3日前は寒すぎたのかテンがあまり動かず猫タワーで熟睡しているので、おじちゃんとおばちゃんは心配になって、息をしているかどうか時々テンをゆすって確かめてみる。

年末のテンの診察は異常がなかったら来なくていいと言われていたのだが、連れて行こうか迷っていたらクリニックから電話が来て猫の風邪が流行っているのであえて来なくてもよいと言われた。

猫の流行り風邪!?
FIPあがりのうちのテンをリスクにさらせないので行かないことにした。

今朝は腹を空かせていたテンが急いでカリカリを食べその後吐いたので、おじちゃんは大丈夫か、大丈夫かとテンを目で追っている。

年明けにはYahooのクーポンが使えるのでペット専用の体重計を買うつもりだ。
今使っている人間用のタニタでは10g単位が正確にでないのでペット専用が欲しいのだ。たまたまYahooの宝くじをクリックしたらお買物券が1500円当たり、その有効期限が1月1日からなのだ。

3日前に屋根の葺き替えは終わった。
同じ色のトーンの合板が家外壁の色ぴったり合って満足だ。玄関まわりの掃除をして正月飾りを飾った。新しい年を迎えられる。
皆様もよいお年を。

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ついにFIP寛解

テンはFIPから逃げ切れたようである。
今日の診察では体重が3720gに増え熱も神経症状も観察されなかった。

「薬を切って1週間症状がみられなかったら寛解と言っていいでしょう。」獣医さんの宣言であった。

長かった。
追加の9週間をいれてFIPの治療は5月の末から約半年。よくぞ逃げ切ってくれた。生後2か月で真菌だらけで家に来て、先生からは無事に育つかどうかは半々と言われた発育不良の猫だったから。

ありがたい。長生きをしてほしい。若く熱意のある獣医さんに恵まれて幸運だった。
とうれしさを噛みしめるおじちゃんとおばちゃんであった。

うわぁぁぁ~~!
なんだよ、急に大声を出すなよ。シオンちゃんの尻尾が広がっちゃったじゃねぇか!
バカたれ。

そんなこと言ったって、驚くなよ。
楽天から10月分のクレジット請求額お知らせだ!
その額、なんと46万!
おじちゃんは、息をのんで押し黙っちゃった。あとは知らんと言いたいのだ。

いやぁ~、これで4Kテレビの請求はまだ入ってないから。
あっ、忘れてたわ。Thinkpadを買ったんだった。郵便局のへそくりで買うつもりが結局オンラインで買ったからカード支払いになった。46万には生活費も入っているけどテンの治療費とThinkpadが、、。

来月は4Kテレビが入ってくるがテンの治療費がないから。バンザ~~イ。

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猫に粉薬を飲ませるには

無味無臭と言いながら、粉薬を混ぜるとウエットフードも食べない。
薬が嫌いな猫にどうやって飲ませるか、おばちゃんの方法を伝授する。

FIPの猫に6か月間毎日治療薬をやり続けるには工夫が必要だった。猫さんに薬を飲ませるのに困っている方に参考になるかもしれない。

クリニックではウイルス薬の「錠剤」を仕入れていた。
FIPの症状を見ながら体重によって毎週薬の量を調節する。だから薬はいったん錠剤をつぶして粉にし、今週の処方g単位で再度個別包装される。

薬の味を嫌がらない猫なら、ウエットフードやチュールに混ぜてやればいい。
しかしドライフードしか食べないとか、味やにおいがないはずの薬の味を嫌がる猫に粉薬を飲ませるにはどうしたらいいか。

まず、薬を飲ませるタイミング
ご飯の前。
ただし、あまりおなかをへらし過ぎていると薬の後にドカ食いして吐くことがあるので、満腹にならない程度の軽食をさせてから、薬を飲ませる。薬を飲ませてから10分程度時間をおいておなかが落ち着いたころ、いつもの食事を与える。

チュール作戦
ウイルス薬の粉薬は味も匂いもないはずだったが、チュールに混ぜてなめてくれたのは最初の1月半くらい。味がないと言われてもやはり何かおいしくない味があるのだろう。
症状が改善し体重が増えると処方のグラム数も増える。毎週増えていく薬をチュール1本に混ぜると途中で味を嫌がって逃げてしまうことが増えた。

そこでチュールのフレーバーを変えてみた。
チキン味からツナ味へとチュールを変えてみても途中で薬の味に気が付くともう食べない。エネジー・チュールと子猫用チュールは嫌がって最初から食べなかった。薬とチュールのフレーバーが合わないらしい。
全部舐めてくれないと残りを指で掬い口に押し込むことになるので、別の手段を考えることにした。

薬用チーズ
ペットショップでは薬を仕込んで食べさせるようにマカロニのように真ん中に穴が開いた猫の薬用チーズが売っていたので買ってみた。
まず、大きすぎ。そのままの大きさでは口に入れても大きすぎて噛むしかないが中の薬が口にこぼれると吐き出されることになる。
いったん封を切ると冷蔵庫で保存するのだが、乾いてくるから飲み込むのがますます難しくなる。捨てた。

丸薬にする作戦。
後半3か月は毎回丸薬を作って飲ませた。
粉薬をもう一度丸薬に丸める。

用意するもの
市販のシフォンケーキや蒸しパン。
つまようじと10センチ四方に切ったサランラップ

ヤマザキの「チーズ蒸しパン」や「」のきめ細かいしっとり系のシフォン生地がいい。セブンの「たまご蒸しパン」も好き。
ケーキ、菓子パン、蒸しパンなどが丸薬にしやすい。

まず、つまようじでケーキの生地を軽くひっかいて小指の先っちょ1/3ほどのほぐれた生地を10センチ角のサランラップの上に落とす。
粉薬をこの生地の上にパラパラと振りかける。

サランラップの一方の端をもって、生地と薬が乗った個所を中心になるように折り曲げる。
そして指の腹で薬とシフォン生地をサランラップの上からつぶす
サランラップをはがすと、生地と薬はペッチャンコになっているはず。つまようじでこの生地の端っこを持ち上げて二つ折りする。
またサランラップの一方の端をもって生地を二つ折りして指で押す。

つまり、サランラップの間に薬と生地を挟んで、何重にも折りたたんだパイ生地を作るつもりで繰り返す。程よく生地と薬が混じった練生地が出来上がったら、指で5~6ミリほどの大きさに丸める。
わりとねっちりとした粘土状になっているはず。ぽろぽろ崩れるようなら生地に水分が足りない。


テンをおじちゃんにだっこしてもらい猫の口を開けて人差し指で丸薬をのどの奥に落とし込む。口の横っちょから注射器で水を5ccほど注いでやる。猫は唾液が少ないので飲みやすくするため。

一回に必要なシフォン生地はごく微量なので、3日か4日は同じ菓子パンが使える。パンが乾いたらまとまりが悪くなる。そしたら食べちゃえ。

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テンと私の闘病記

テンのFIPウイルス薬の量はさらに減って10mg/体重になった。
これで1週間異常がでなければ治療終了となる。

ウイルスへの“とどめ”として最後の2週間にMutianを使いたかったが、ドクターから却下された。半端に使用すると薬剤耐性がついてしまうので、使うなら6週間から12週(標準投薬期間ね)、そうでなければ使わない。

そうか、それではMutianは再再発したときの切り札として使うしかないわけだ。
先日Mutianは無事クリニックに届いていつでも処方が可能のようだ。小さな安心だ。

ちなみに1週間の薬代はおおよそ今のモルヌの2倍だそうだ。再発の場合は、6週間処方と検査費用を込みで40~50万を覚悟する。
テンは毎日、シオンの後を追っかけてからんでいこうと走り回っている。
テンよ、逃げ切ってくれ~

次の日は私の検診日。胆のうがんステージ2 拡大手術でリンパ節と肝臓の3分の1を切除済。
朝いちで血液検査を行い、診察室に呼ばれる瞬間が一番いやだ。

ドクターは(体調)はどうですか?
おばちゃんは、(血液検査の結果は)どうですか?

乳酸値が高いほかは100点満点だそうだ。ガンマーカーも異常なし。
食後に右わき腹がどんより圧痛があるのはなんでなんでしょう?と質問すると

ドクター:みぞおちは?みぞおちなら胃の検査をした方がいいから、
わたし:いやいや先生、胃の内視鏡は手術の前にやったじゃないですか。みぞおちじゃなくて“右・わき・腹”胆のうがあったとこ!

ドクター:腸かなぁ?
わたし:えぇつ?腸?右わき腹ですよ?
ドクター:だって、何にもないもん。

そういわれればそうだ、あんたが胆のうも肝臓も切ったからわき腹には内臓が無い。でもなんでか時々痛むのよ。胆管が残ってんじゃないの?でもドクターに思い当たることがなければ異常ではないのか。

わたし:時に、先生、刺身はもう食べていいんですか? 
ドクター:かまいません、食べていいですよ。次の検診はCTが入りますから。

お付き合いで刺身を食べられなかったおじちゃんも喜ぶだろう。清水港のお魚館でマグロを食べずにおにぎりを食べたなんて悲しい思いをせずに済む。

わたし:ねぇ先生、そろそろ来年で胆のうガン術後2年ですけど、再発のリスクも下がりますよね。
ドクター:まあ、そうですね。リスクは下がります。

このままおばちゃんも逃げ切りたい。

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テン・ジュニア FIP闘病記12

「こらぁ~バカ・テン しょん〇ん小僧、 またやったのかぁ!」
この日二回目に響くおじちゃんの悲鳴。

水曜日からウイルス薬の量は13mgに減らしたので、後ろ足の神経症状やだるそうな様子が見られないかどうか、夫婦で目を凝らして観察しているのである。テンはすきをついてベッドルームに行くとおじちゃんの枕元で朝一回、夕方一回スプレーをした。

昨夜はソファに近い絨毯で怪しい動きをしていたので、カエルのようにはいつくばって臭いをかぐと、、やられた!とおじちゃんはカーペットを剥ぐと粛々と掃除をした。

シオンが寝転んでいると飛びついて首をかじる。股間が見える。
テンちゃん、大事なものが見えてる。しまって!仕舞って。

テンは完全にサカリがついたのであった、FIPが完治していないのに。
来週はお誕生を迎えるので当たり前かもしれない。先代のテンに心不全で死なれてからほぼ一年になる。1月にテンを迎えて真菌症の治療から始まってクリニックに行かなかったのは4月だけだった。

5月末にFIPと診断がついてウイルス薬で何とか生き延びてきたのである。元気にはなってオシッコをかけまくっているのである。喜んでいいのか泣いていいのか。

ステロイドを止めてから毛艶がよくなった。一時はバサバサになっていたのだがシルバータビーのつや艶が戻ってきた。ふっくらとしたような気がするので体重を図ってみたら3500gを超えていた!いつの間に。

横浜でFIP治療のクリニックのドクターが。治療をしている猫の諸症状から予後の統計を発表していた。
その統計によると、ウエットよりはドライタイプが予後がよく、発症の月齢は若いより高い方が予後がいい。発熱は高い方が治る。そして、神経症状が出た猫は再発するか予後がよろしくない。

テンで気がかりは生後5か月で発症したこと。後ろ足に神経症状があったこと。
ウイルス剤84日(12週間)で20mgという上限の量を使って12週で退薬、わずか5日後に神経症状が戻ったことを考えると、再投薬の9週目に入るのだが安心できない。

テンがジャンプの時に右後ろ足がよろけたりするとやはりウイルスが足の神経に残っているのではないか、今の13mgをさらに減らしたら神経症状が戻ってくるのではないか?また体重が減り始めるのではないか?と不安がよぎる。

おばちゃんが人生で知ったのは、終わりが分からない苦しみが一番つらい。
リーマンショックのど真ん中のアメリカで自営業を生き延びた。その後モール運営会社との闘いなどを経ておばちゃんはタフになった。
が、愛する猫が生き延びてくれるか、どうやって快癒させられるかと考えると、終わりが見えずらいので気力がそがれていく。

先々先代の日本から連れて行ったニャンニャンは治療法がない拡張型心筋症で亡くなった。彼は去勢済みなのに3歳過ぎてからスプレー行動が復活してしまい、体力が弱るまで10年間、家、家具、プリンターなどにおびただしくオシッコを掛けまってくれた。
最後はお気に入りのクッションにも漏らして亡くなった。残ったのは臭いだけ。
尿とともに去りぬ、な~んちっち。

先日の診察日では、ドクターがMutianのオーダーが済みました。払い込みも済みました。ということだったので、クリニックにMutianが届き次第モルヌピラビルに代わって2週間ほど服用させてみたい。FIPウイルスに最後のとどめを刺すのだ。

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獣医は3日前の血液検査の結果をひらひらさせて、
「何もないんですがねぇ。」と思い切り悪く言った。
しかし診察テーブルで計ったテンの体重は3キロ。
投薬終了宣言をしてからわずか7日で200g落ちた。
3200gしかなかったテンにとって200gの体重は大変なロスだ。しかも熱は39度5分ある。
「待合室でずいぶん待たせましたからぁ」と言い訳がましく獣医が言ったが、猛暑の外と違って待合室はキンキンに冷えていた。

諦めが悪い。
獣医は初めてのFIPの治療は見事成功!と夢にしがみつきたかったらしかった。ここで見切り発車してもねぇと、まだ名残惜しそうだ。

そこでおばちゃんは、確かに見切り発車かもしれないが、いま薬を再開しないとさらに症状は右肩下がりになって治療は難しくなる。テンは死ぬと思います。見切り発車でいいので今投薬を再開してください。投薬をしても害はないじゃないですか?

「ですかねぇ。
それでは16mgで薬を3日分出します。3日後にまた診察をいれて様子を見ましょう。」

その晩からウイルス薬を再開し、獣医から勧められた高栄養食をテンに与えた。Hills のadとういう栄養食は犬猫兼用で、小さなお試しサイズが無かった。幸いテンの好きなチキンフレーバーだったので普通食に追加して2日で1缶を食べさせた。3日目の診察では50gだけだが体重が増え熱は38.5分に下がった。

やっぱり。
虚弱で体力のないテンは体力をつけ薬の効果をブーストする必要があったのだ。
次の診察では薬の容量を18mg/体重に上げることにした。5日分の処方だ。
4日目に体重は3100gに戻ったので、次の週の処方量は20㎎で1週間分。
Adの栄養食とウイルス薬のおかげでテンはまた活発になり、毎晩紫音と運動会を繰り広げるようになった。薬が20㎎に増えてから2日目には体重が3300gに到達した。

テンの父はクリーム・タビーの大きなボスで、母はオカメ・タビーの胴の長い毛並みのつやつやした子だった。テンは発育不良でFIPを発症したが、遺伝子的には小柄な猫ではないのだ。

テンの体長は9か月で紫音とほぼ同じ、ただ、背骨と肋骨が浮いて見えるやせた体だった。高栄養食を食べさせ紫音と遊んで運動をして、投薬を再開してから2週間。体重はついに3400gを超えた。

うれしい。
薬はウイルスを抑えているようだ。
FIPを抑え込んで駆逐してウイルスから逃げ切るためには体重4キロを目指そう。しっかり発達した筋肉と脂肪を蓄えた基礎体力のある猫に育てればきっとFIPから逃げ切れる。

9・19 今日は再診で、体重を確認した獣医は驚いた。
FIP の猫は子猫が多くて3キロ後半を超えるような子はほとんどいないのだという。
FIP症例では体重3.8キロがモルヌピラビルの処方上限体重として載っているらしく、それ以上の体重のFIPの子を想定していないみたいだった。

FIPの発症が子猫に多くて、またFIPは発育不良を誘発するのでそもそも大きな猫に育ちにくいという理屈があるのではあったが、。

私としては症例にかかわらず、療養食とケアでテンを4キロ半に育てるのも夢ではないと思う。大きくして見せる。FIPを克服して丈夫な男の子に育てるのだ。

体重が増加するにつれて薬の処方量gと薬の料金が上がっていく。
今日でペット保険の使用上限に達した。来週から自費になる。

体重が4キロを超えると多分一日の薬代+高栄養食で4500円以上なる。2週間ごとの血液検査も簡易検査と精密検査では倍の違いがある。

ワッハッハ。
おじちゃんとおばちゃんのバイト代を足しても半月分に追っつかない。幸い為替はここ最近147円台に張り付いているので誠にありがたい。
年内はこのレートでいっていただきたいものだ。

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FIPは甘くなかった。

これで84日、12週が終わりました。治療完了ですねと、獣医が宣言したのが先週の月曜日だった。
天が薬を吐いた時用に予備でもらっておいたウイルス剤がまだ2日分残っており、何せ高い薬を捨ててしまうわけにもいかず、獣医が言うには2日分くらい飲ませても差し支えはないだろうというので水曜日の夜まで飲ませた。

これで本当におしまいなのか、何か気が抜けるような気がしたが子猫に返ったテンは「アン、アン」と上機嫌で鳴きながら紫音と走り回っていた。

木曜日も本当に治療はこれで終わったのか、テンのはしゃぐ姿をずっと目で追っていた。
金曜日は運動会のあとスイッチが切れるのが早く、土曜日の夜はお気に入りの場所の猫タンスの上に飛び乗ろうとして右後ろ脚が滑ってよろけた。

日曜日は昼寝が長く、夕方も昼寝してご飯を食べるときは起き上がるが、座っている後ろ右足がかすかにふるえていた。体重は3.1Kに減った。寝ているテンの頭に手をやると熱いようだ。寝てばっかりいて一緒に遊ばないテンに不満な紫苑が、人間に向かって遊べとヒステリーを起こす。FIPが発覚する前の5月と同じ状況がよみがえってきた。

次の月曜日に診察。
熱があるかもしれないこと。体重が減ったこと。昼寝が増えたこと。元気がないこと。足が震えること。獣医に説明してもう一度血液検査をしてもらった。総蛋白とアルブミンのバランスがわずかだが下がっていた。

獣医はこの数値の下がり方ではまだ再発とも言えません。さらに血液検査を外注の精密検査に回してもらう。投薬が終わったのはわずか5日前だ。数字に出てくるだけの違いはないかもしれない。
獣医が再発と考えたくない気持ちはわかる。

私は再発ではないと思う。これは再発ではなくてFIPウイルスを完全にたたききれなかった完治していない状態なのだろうと思う。完治してはいなかった。

考えてみれば、テンは2か月の時に600グラム足らずでうちにひき取ってきた。手だけに真菌があるというブリーダーの説明とは裏腹に体中に真菌にまみれていた。獣医の診断では発育不良で無事に育つかは半々と言われた子。

おじちゃんと二人がかりで薬を塗り毎日マットを消毒して4月でやっと2キロを超えた。隔離を解いて紫音とやっと遊べるようになったテンは標準体重の子猫にはとても追いついていなかった。5月には寝るのが多くなり膀胱炎になりそのあと高い熱を出した。
この子は健康で体力がある時期がほとんどなかったのだ。

FIPの診断が出た後、発覚が割と早かったし若いから治療のチャンスがあることに賭けた。
モルヌピラビルは効いた。ただ、FIPも甘くなかったのだ

猫の死病FIPは食欲不振、貧血、嘔吐、神経症状、発熱、臓器の炎症、腹水などと様々な症状となって現れる。腫瘍を切除して寛解というわけにいかない病気なのだ。ウイルスが神経あるいは臓器のどこかに潜伏していても現在でも検査の方法がない。テンのように腹水がたまらないドライタイプでは臓器の所見も異常がなければ判断が難しいのだろう。
FIPはそれだけ一筋縄ではいかないとらえどころのない病気だ。

念のためにエコーを取ったのだがやはりエコーでは異常が見当たらなかった。テンの神経症状が一番ひどく表れているのは右後ろ脚である。再び現れた右足の弱りはウイルス以外では考えられない。

私の思うに薬を再投与しなければテンは助からないだろう。
投薬再開に一番のリスクは肝臓障害。渡された血液検査の結果には肝臓数値は平常値より若干高い74で「H」がついていた。
この肝臓の限界数値はどのくらいイケますか?と質問すると、猫の場合は意外と耐えられて200くらいでも平気です。と。

神経系統に巣くっているウイルスを撲滅するために、もっと効果的なウイルス薬の投薬方法として注射や点滴はないだろうかと聞くと、人間コロナ用のレムデシベルはあるという。ただ、人間用で入手が困難だし恐ろしく高価につくだろうと。

獣医は投薬を再開とは言わず、もう少し様子を見させてくださいというのでさらに4日後に診察の予約を取った。

毎日、テンの昼寝時間は長くなってきた。
お気に入りの猫タンスにはもう登る気配を見せない。ソファには踏み台を上がってやっと登る。詩音との運動会は発作的に起きるが、ジャンプはしない。後ろ脚が踏み切れないからだ。食欲はあるが、体重は3キロに落ちた。

発育不良で体力のないテンがFIPを打ち負かすにはウイルス薬のほかに何かいる。薬の効果をブーストする体力とエネルギーの塊の何かがいると思う。高栄養の療養食とかビタミンやサプリ。テンの体力を強化する何かがいる。

明日獣医に聞いてみよう。

胆嚢がん 1年4カ月 

テンの治療も終わりが見えてきた。
おばちゃんは、おなかが痛い。
3週間ほど前から、背中と右わき腹が痛い。微熱と下痢。
なんだろう?胆管炎だろうか?9月の検査まで待つのをやめて予約の前倒しをした。

おじちゃんにちょっと調子が悪いから明日は病院に行くと言うと、殴られた子犬のような眼をして黙ってテレビを見ていたが、しばらくすると眠ってしまった。

次の日、病院はお盆の直後で台風がやっと通過したばかりだったから患者が待っていた割には血液検査とCTは早めに済んだ。

血液検査の結果は、炎症はなし、CA-19 は6月より上がっているが正常値。CEAも正常値。内臓に怪しい影はない。背中が痛むのでと言うと主治医は背中を触診して、どこかで捻りましたか?と聞く。

胆管炎の可能性は?と聞くと、胆管炎は高熱が出ますが痛みはないと言う。
おばちゃんは何だろう?もしかしてアレかな?

バイトは立ち仕事だったからぎっくり腰予防に腰痛ベルトをしている。日本に帰国してきてから新しい腰痛ベルトを買ったのだが、その時たまたま商品のMサイズが売り切れていて、SとLしか残っていなかったので、Sサイズを買った。ちょっと短かった。

悔しいのでおばちゃんはふんっと息を吐いてからベルトを締めて仕事をしていたのだが、もしかしてそれが悪かったのだろうか?

見栄をはってSサイズのベルトをきつく締めたのが肝臓に悪かったですかね?と
タヌキ主治医に言うと、
いや、そういうことで痛むことはないですよ。
主治医はケケケと笑った。重くなりがちな診察室の空気を少し明るくしてあげた。

遺伝子パネル検査は結局この病院でできるのかどうか。`6月に主治医は調べると言っていたのに、宿題をしていなかったようである。もう一度調べてみると言った。

おばちゃんも調べものついでに、病院のウエブをチェックしたら胆のうガン患者数が掲載されていた。ここの消化器外科では年間十人だそうだ。意外と少ない。

おばちゃんが貴重な患者のデーターを増やして差し上げるから、主治医に少し興味を持ってもらえるといいのだが。


手術前の診察では、胆のうガン患者の術後の成績はどうなっていますかと質問をしたのだ。その時の主治医の返事は、「手術と外来で手一杯。患者の予後までとても追っかけて記録していられないのでわかりません。」とぬかした。

年間たった10人の胆のうガン患者の予後など記録をとるまでもあるまいが、。どうせ半々だから余計なことは言うまいとしたのだろう。ホント、大事なことは何も言わぬ主治医だ。

とりあえず痛みからくる不安はなくなったので、おじちゃんとスーパーに寄って帰ることにした。テンの投薬は来週が最後なので、終わった後はどこかに出かけたい。次の朝も暑かったが、おじちゃんとどこへ出かけるか考えていると、玄関のベルが鳴った。

ベルが鳴るのは宅急便くらいだが近頃何も買っていない。おじちゃんが玄関に出ると、家を買った時の不動産やさんKさんが居た。

Kさんが運んできたのは訃報だった。
お向かいの中野のおばちゃんが亡くなって明日告別式だと、、、?!

おばちゃんは中野の本宅を耐震構造に改築中で、山の家にそろそろ来るはずだった、台風も通過したことだし。おばちゃんは82歳だったけど、音大の声楽科で鍛えた声は語尾までよく通り朗らかで、死の影なんかどこにもなかった。
先月は心臓の動脈が細くなっていて動くと息が切れると自分では言っていたが、何せ声に張りがあるのでおしゃべりをしているといつも年齢を忘れるのだった。

おばちゃんが主催しているコーラスの生徒さんは、おばちゃんより年齢が上の人も多くて、本人はいつまでも生きるつもりだった。来月に心臓のステント手術の予定だと言っていたし、何しろ長生きするつもりだから、自宅の耐震工事もやっていたのだ。

山の家にやってきて、庭仕事が一段落すると、静岡のおいしいお茶とおばちゃんのお土産の東京の銘菓をいただきながら、おじちゃんが帰ってこいと電話があるまでおしゃべりを楽しんでいたのに。

中野のおばちゃんが居なくなったら、わたしは、誰とおしゃべりをしたらいいのか?
赤いおそろいの長靴を履いて、宿根草の手入れをするはずだったのに。
困るわ、順子さん。

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