ラスベガスで骨休め

神は創造に疲れて7日目に休んだ。人間も休める時にきっちり休まないと商売と言うのは続けられない。

そうだ、ラスベガスに行こう!今までは会社の旅行だとか、取引先の人の接待だとかで連れていってもらったが、アナハイムから往復バスが出ているのでバスで行こう。

独立してから驚いたのは、おじちゃんが仕事モードとお休みモードのスイッチを持っていたことだった。おばちゃんは初めての経営で四六時中経営のことばっかり考えていて休まる時がなかった。

自宅に帰ってくるとおじちゃんはテレビは見ているけれど、何を聞いても生返事。おじちゃんは仕事モードのスイッチを切っていたのだ。やるべきことは沢山あるのに、何も考えていないとはどうしたことか、。ふがいないおっさんや。

ところが全速力で7日間稼働すると余力と言うものが無くなってくる。夜になるとスイッチを切って朝はまたフレッシュに活動できるおじちゃんと、夜通し考えて疲れ切って朝の仕事を始めるおばちゃんとのギャップが明らかになってきた。

結果と言うのはすぐ出ない、続けられなければ結果が出ない。7日稼働しても生まれるのは結果でなくて焦りと疲労だった。そこでおばちゃんも休みスイッチの必要が分かった。アイデアというのは贅沢な時間に生まれる。

一泊2日の休みならカリフォルニアからラスベガスは都民が熱海・箱根に行くようなものである。ベタ過ぎて新鮮味がないけれど、骨休めだから。目的はホテルのバフェとショーだった。

キンキンに冷房が効いたバスに乗って、ストリップの中ほどのホテルに着いて、通りに出て安売りチケット屋で今夜のショーを探す。うまくするといいホテルのショーがやったぁ!と言う値段で買える。

一度は「ジュベリー」がドリンク付きの最前列のテーブルで取れてしまって超ラッキーだった。もう、踊り子さんが1m先で踊ってる。ダンサーの足と言うものは、意外と逞しい。

網タイツに包まれた太ももに青タンがいくつもあるのがモロ見えである。長い足を振り回して踊るのである、ぶつけるのも無理ない。うっとり美しいショーを見るなら、最前列でないほうがいいかもしれない。

踊り子さんに劣らぬ短い衣装の若いサーバーがドリンクを運んできてコークは1杯8ドル2人分チップ込みで20ドル。次の日のランチはブッフェで幸せになってバスに乗って帰ってくる。おばちゃんはバクチは嫌いだ。

ラスベガスの真ん中を走っているカジノ通りをLas Vegas Boulevard 通称ストリップともいう。
Stripteaseとはまったく関係がない。細長い土地をストリップと言うのである。ガザストリップとかね。

地理はシンプルだ。空港から北に向かうラスベガス・ブルーバードの両側に有名どころのカジノが軒を連ねている。ピラミッドを模したルクソールから超高層タワーアトラクションで有名な北のスフィアまで一本なので歩こうと思えばできないこともない。
ただ気候はひどいからストリップを絶え間なく走っているバスを使う方が楽だ。1日パスなら乗り放題だし。

高級カジノを除いてホテルの宿泊費は高くない。安ければ20ドルからあるし。
昔からラスベガスはギャンブルで人の懐をカッパぐつもりなので、宿泊費と食事は高くなかった。ただリセッションの後からはレストランがどんどん値上がりしてきた。

おばちゃんたちはショーとブッフェが目的。オンラインでホテルとショーを予約するサイトがある。
いいショーの手ごろな席はすぐ売り切れてしまうのであとは安くて見ずらい席か、超お高いいい席かどちらかになる。

最初に見たシルク・ド・ソレイユのミスティアは確か35ドルくらい。当時人気だったホワイト・ライオンのショーが売り切れだったから残っているチケットがシルクドソレイユだった。なんとキレイなサーカスなんだろうというのが感想。

その後ラスベガスに行くたびにシルク・ド・ソレイユのショーの値段は上がっており、「オー」のころには100ドル前後になっていた。ジョイスが、すごい!「オー」がすごいというので、一体「水」がどうすごいのか、すでにチケットは売り切れが多く買うのも大変になっていた。

やっとチケットを確保できて席も悪くなかったが、ジョイスがうまくすごさを説明できないのが分かった。
確かにオーは「水」のショーだ。舞台に深いプールがある。高く漕いだブランコからパフォーマが飛び込む。水しぶきは上がるので確かに水であることは間違いない。

次のシーンにあっという間に「水」が舞台から引いて乾いた舞台に変化する。水はどこに行ったか分からないさらに次の瞬間にまた深いプールが出現し鮮やかな衣装のアーティスティックスイマーが水の中で華麗なパフォーマンスを見せる。

Oneだけは見られなかった。チケットが高すぎ常に売り切れでストリップのあちこちにあるTix4tonightでキャンセル待ちをしても取れなかったから。

色んな雑誌がシルクドソレイユの特集を組み、パフォーマーの高い報酬などが知られるにつれてチケットの価格は下がらなくなったのね。2020年に破産宣告をして同じ規模と質のショーはもう二度と見られないかと思うとおばちゃんは悲しいわ。

90年代の始めはシルク・ド・ソレイユのミスティアが35ドルだったのが夢みたいだ。Open jaw 口ポカ~ンのすげ~というショウが見たい。
きらびやかでゴージャスで美しくて日常性を吹っ飛ばしてくれるショウ。ジュディ・オングと小林幸子を白人化して踊りまくり超美形の体操選手が色とりどりの衣装で「立体ステージ」の上・横・空中でパフォーマンスする。お~、見た後は知能指数が10くらい落ちた気がするが、すごいもん見た!とリフレッシュができる。

後ろの席は安いけが見づらいからどうしても不満が残る。でも、いい席は200ドル以上するから二人分は考える。そこで安売りチケット屋がある。

ストリップのあちこちにTix4tonightとかボックスがあるので、キャンセルチケットを探すのだ。今は携帯があるので、キャンセルが出た時知らせてくれてそれでチケットを押さえることができる。

ショーは6時半か7時から始まって2時間ほどで終わるからそうすると有名どころのブッフェディナーは終わっている。9時過ぎにも食べられる手ごろなレストランを探すのが大変。

次の日のランチはシーザースパレスのブッキャナンかアリアのブッフェが楽しみ。ただ、行列が長くなってホテルでも何とかクラブを作って会員を先に入れるようになったので会員になっとかないと。

カジノの盛衰は激しい。サビれたカジノからは人が遠のき、もっと人目を引く新しいカジノが次次とオープンしてニュースで報道される。

2010年ころは人手ががっくり減って、ストリップを渡る歩道橋にスッテンテンになった旅行者とホームレスが物乞いをしていた。
アリアの前の歩道橋を上がっていたら、ばったり知り合いの夫婦にあったこともあった。カジノは超うるさいパチンコ屋とタカラズカと競馬場と演舞場、映画館とショッピングモールと地下街を足したような街である。こんな街は世界中ここだけだわ。


mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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