日本永住帰国前夜・・・ビジネスを畳むには

南カリフォルニアで成功したビジネスオーナーの先人がかつて言った。

“アメリカで個人事業をしていて年老いたらビジネスを畳み日本へ帰国すると言っていた人で本当に実行した人はほとんどいない”。
世話になったおばちゃんたちが帰国のあいさつに伺った時の話である。

アメリカで起業をすることはできる、資金計画根性があれば。
起業はできるがビジネスを畳んで撤収することの方が難しい。何故か?

ビジネスはビジネス契約があるからである。
一言でいえば経営する事業所のリース契約。
日本のリース契約は知らないが、アメリカの場合、テナントを借りるためには分厚い契約書にサインする必要がある。契約書にサインする側に都合のいいことは何も載っていない(たびたび書いているが)

リース期間の終わらないうちに中途撤収するなら、ペナルティ条項目として残りのレントの全額支払い義務などのがあるのは当たり前。リーマンショックの前ではレントの期間は10年単位が普通だったが、起業してわずか数年で失敗しても撤収するために残りのレントを全額かぶれば莫大な借金しか残らない。これを避けるにはリース途中でビジネス営業権を誰かに売るか(起業コストはとても回収できない)、リースが切れるまでしがみついて赤字経営を続けるか、どちらかしか撤収のチャンスがない。

たとえ起業してビジネスがうまくいっていたとしても、ビジネスオーナーに非可逆的な健康障害が起きた時にはやはり進退の危機になる。頭、目、腰、手足のどれか一つでも機能しなくなったらビジネスの存続は難しい。

交通事故で2年後に半身不随になった人、仕事中に脳梗塞で亡くなった人。末期がんが発覚した人など。たとえ亡くなってしまっても契約のペナルティは関係者にかぶさってくるのでビジネスの継続はおろか、リース残りの期間は赤字が積みあがっていくだけになる。

おばちゃんは起業してから様々なビジネスのオーナーが病気や事故や経済の変化によって没落したり、追い詰められたり、そしてリーマン不況ではたくさんの夜逃げオーナーを見た。

だからビジネスが軌道に乗った後に常にビジネスをどのように終わらせるか、撤収するか、で頭を悩ませていた。日本側に売りビジネスの広告を出したこともある。

ビジネスを売ることは起業することより難しい。
買い手に魅力のあるビジネスか、買い手が経営していける汎用性のあるものか、あるいは魅力的なロケーションか。売るタイミングも非常に重要。リーマンショックのさ中には営業権はタダでもいい,リースの引継ぎだけが条件という売りビジネスがあふれていた。不況では売れるものでも売れないのだ。

安全に撤収するためにはそれまでちょくちょく延長したリースの切れ目を狙うしかない。
おばちゃんたちのリースが切れる日時はわかっているので、ビジネスのクローズを決めた。夫婦二人で話し合って日本への帰国も決めた。

アメリカで私たちができること、やりたいことは全力でやった。だから日本に帰国してもいい。それからリースが切れるまでの1年半のタイムスケジュールを決めた。今度は閉業のために手順を踏んでいったのだ。

家という不動産も買う時より売るときの方が難しい。
幸いリーマン不況の影は遠くなって、その時カリフォルニアの不動産業界は売り手市場だった。物件が払底していて誰もが家を欲しがっており、家はリストに載ってからたった1日で売れた。買った時の3倍の値段だった。それからアパートに引っ越し日本帰国のために家財道具も最低限に減らして暮らした。

冒頭の先人の関係者にジャンクの買取、整理の専門家がいたのでビジネスで必要だった器具や処分できるものは処分した。これを買う時にいくらしたか、などと考えると始末はできなくなる。十分役目は果たして役に立った、だから処分した。

築いたビジネス、3年かかって取得した永住権、16年住んだ我が家、お客、友人、黄金の気候。
四捨五入すれば30年、アメリカを十分楽しんだと思う。人生の第三のフェーズは終わったのでおばちゃんたちは日本に帰国した。

SNNやニュースを見ていると、わが同胞はアメリカで頑張っている。
かつての同業者もまだ現役だ。コロナのパンデミックのなかでどれほどビジネスに苦労したか十分すぎるほどわかる。
アメリカでは病気・事故・老齢・時勢の変化、どれか一つに襲われてもビジネスの継続に大変な苦労が伴う。コロナも収束して健やかな老後を過ごされんことを祈ってる。

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ジャネット広報局

おばちゃん危機一髪

アメリカの税申告 経費とは~

ボトックス注射は会社の経費で落ちるか?

夕べ寝る前にジェニファー・アニストンのMurder Mystery 2を観たのでカリフォルニアの春の夢をみてしまった。春の恒例=納税申告Tax Returnの夢である。

アメリカに商売の閑散期2月8月「ニッパチ」はない。
アメリカの小売業の売れ行きが落ちて、ビジネスが暇になるのは4月9月である。税の申告は4月15日が締め切りなので、4月になるとビジネスは暇になり、我々個人事業主はわりと小ぎれいになる。

何故小ぎれいかというと、毎晩シャワーに入れるから。
繁忙期は帰宅したらバタンと寝てしまうことが多いのに、4月は早く帰れるし毎晩お風呂に入ってお肌もつやつや。化粧のノリもいい。売り上げは減るけど。やってくる営業マンなどと暇だねぇ~と言いあうのだが、小ざっぱりしてるから 余裕ありますかぁ~と聞かれたりする。

アメリカは国民皆申告制度なので、4月は誰もかれも大みそかの日本人のようにバタバタして落ち着かない。ペイロールで給料から天引きされていた税金で足りなければ、申告書類と同時に不足税金をチェックで送らないといけない。おまけに家の固定資産税・前半期があるからダブルパ~ンチ。

おばちゃんは十数年自営業だったから、少しでも払うのを少なくするためにあれこれ控除を考えるわけだ。Wells Fargo銀行がまとめてくれる1年分のクレジット・カードのリポートがありがたかった。

ビジネスの経費は小切手以外はカード支払い。買い物で使った場所までの距離をマップで調べて、交通費のマイレージを計算してた。
今年は35セント/1マイルとか発表されるので、年間の通勤距離とビジネス用のトラベル経費を出せるわけだ。この時期お昼休みには、控除deductible~控除~と検索い忙しい。

おばちゃんは黙っていると眉間の縦しわが怖いと知り合いから言われていた。
オーナーが怖い顔をしていたらビジネスにマイナスだから、ある年決意してベトナム人ドクターHo先生んとこでボトックスを射った。350ドルだった。

一応、ビジネスのためだから経費として申告することにしたが、どの項目chart of accountか悩んだ。メディカル・フィー?うちに勘定項目メディカル・フィーはない。

広告費Advertisementか?近いが違う気がする。ここはやっぱりメンテナンス・フィーだろう。支払先がドクターHoってのが引っかかるかもしれないが、うちみたいな小さなビジネスはそんなにツツキ回されることがないから大丈夫だろう。

うちの会計士スージーは税務署IRS上がりで、IRSの注意をひかないように申告書類を作れると触れ込みだった。そこそこ高かった。前年の決算書P&Lができると(ボットックス入りの)スージーにもっていって、スージーが2,3質問をして経費のバランスに特におかしいところがなければ申告書を作ってくれる。

オプションで監査Audit保険もかけた。50ドルだった。もし税務署の監査Auditが入ったとしてもおばちゃんが対応する必要は一切なく、もとIRS職員だったスージーが対応してくれる。安いじゃないか50ドル!

申告書を出した後4月5月はちょっと緊張する。
日系の北米掲示板で “ついにうちにもやってきましたIRS” などという書き込みを読むと、どきっとし、“10年に一回はスモールビジネスでも監査が入るんだよ。”という書き込みには、うちはそろそろなのか?と気が気ではなく、そういう季節にはよく日本で読んだ「じゃりン子チエ」を思い出すのだった。

チエの婆ちゃん:お好み焼き屋のおバアが税務署から追及されて、「ウソやおまへ~ん。ホンマどす」という絵面が繰り返し脳内で再生されるのだ。

この350ドルってなんだ?メンテナンス・フィーってなんだ?
顔面をちょっとメンテしました。ウソやおまへ~ン。ホンマどす~」

税務署にはツツかれず、ボトックスは無事通った。

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ブスのターニャ

パン屋クリスの受難

おばちゃん 時効の分だけ懺悔する

アイ子ちゃん、クレジット詐欺に会う

スキーに来ているアイ子ちゃんからLineが入った。
こんな請求が来ていてよく見ずに払ちゃたっんだけど、詐欺かな?使った覚えがないの。

HETSUDOSUPOACA-TSUSUTE-SHON NAGANO JP
Transaction Date 01/13/23 Posting Sate 1/13/23
$193.61
Begin region Purchase Mode CARD PRESENT

越後屋さんもヤキが回ったかもしれません。それは詐欺です
カードに電話をして支払いをストップして、それからDisputeを申し立てれば返ってくる。
アイ子ちゃんは、え~、でもオンライン・バンキングから払ったのに?

話がまどろっこしいので、電話に変えて越後屋さんを尋問する。
おばちゃん:この請求はメールできたのか?――違う。


アイ子ちゃん:オンライン・バンキングでこのTransaction請求を見たの。


おばちゃん:オンライン・バンキングで払ったというのは、銀行はWFか?――そう。
ではこれはやはりWFのクレジットカードなので、支払いはストップすることができる。
カード会社に電話してストップして、。

アイ子ちゃん:一緒にスキーに来た友達にも同じ文面で、でも違った金額で2回来てるって!

おばちゃん:ああ、それはもっと重大!
すぐカードに電話をしてカード自体キャンセルして。友達はLAXから同じフライトで成田について、行動はずっと一緒だった?

アイ子ちゃん:-そう。タクシーもホテルもレストランも同じ。

それは、マーチャントでカード情報を二人一緒に抜かれたか、あるいは空港でカードの磁気をスキミングして盗まれたと思う。すぐカードをキャンセルして、。

アイ子ちゃん:やっぱり、電話かけるの?
当たり前じゃん、カード会社のカスタマー・サービスは7 Days 24 hoursじゃない。(日本のカードはそうじゃないけど)

アイ子ちゃん:同行のお友達はオンラインで問い合わせるって言ってるけど。
そういう生易しい話ではないので、カードのエマージェンシーかLost & Stolen電話にしたほうがいい。

現役時代OCで一度、大規模なカード詐欺が発覚した。
スキミングされたか、それとも悪徳マーチャントがカード情報を流したか、カード会社の捜査が入って日系のドコソコが発生地だとうわさが流れた。どこのビジネスだったか特定名は流れなかったがおおむね事実であったようだ。

お客さんのクレジットカード情報は1年間事業所に保管せねばならない。
法律が緩かったころは、レシートに16桁のカード番号も個人名もすべて打ち出されたカードレシートが残るから、その保管方法はおばちゃんも悩んだ。

半年に1回ほどカード会社から売り上げについて質問が来るので、自宅に持って帰るのは不便だし従業員の目の付くところにも置けない。
クローゼットのロッカーにカギをかけて保管するしかなかった。

マーチャント側から、クレジットカードのプロセスを述べてみよう。
電子支払いはすべて同じように見えるかもしれないが、Transactionの信用度というのは実際のカードの取り扱いで違う。

どういうことかというと、
1)小売業では客は小売店に来て、店のカード端末で実物のカードを「スキャン」して払う。
2)オンライン・ショッピングでお客がオンライン上でカード情報とセキュリティ・コードを入力して払う。
3)お客が電話をかけて、口頭でカードナンバーを伝えてマーチャントが端末でプロセスする

以上のトランザクションは1)が一番信用度が高く、3)の信用度は一番低い。
信用度が低いとマーチャント手数料が高くなる。
だからおばちゃんは、確かな常連さん以外は電話でクレジット販売を受けなかった。

カードで売り上げが上がると、客に1セット、マーチャントい1セットレシートが残る。その日の最後にクレジットマシンからtransaction集計を打ち出してDepositボタンを押すとクレジットカード会社に売り上げ集計情報が送られる。日中のお客さんの個々のtransactionもその都度クレジットカードや銀行(デビット・カード)に通知されている。
次の日におばちゃんのビジネス口座に入金され、1か月後には集計のStatementが届く。

十数年のうち数回クレジット会社から、クレジット売上の調査が入ってきたことがある。
カード会社が郵便で 何月 何日 XXXX・XXXX氏の売り上げについて売り上げのカードレシートのコピーと、売上伝票のコピーを出せと言ってくる。

ロッカーのカギを開け、該当の月の伝票をとってカード会社にファックスか郵便で送る。
一度、XXX・XXXX氏から請求無効の申し立てDisputeを受けたので、売り上げ伝票とカードレシートのコピーとTransactionの詳細をすぐ知らせろ、proofを提出できなかったらこの売り上げは引き上げる。と通達があったことがある。

おばちゃんはXXX・XXXX氏を実によく覚えていた。
なぜかというと、常連のピーターと奥さんが連れてきて、本人は非常に無礼で尊大だったから。何を買い何を話し、同行のピーターと奥さんは何を買ったか、本人のXXXX氏はどんな服装をしていたか、など詳細にリポートを書いて伝票コピーと一緒にカード会社に送った。売り上げは引き上げられることなく、2度目と問い合わせはなかった。

XXXX・XXX氏がぎゃふんとうなだれてカード会社へDisputeを取り下げたのは間違いない。
カード会社の照会が来た時にちゃんとした販売証拠を提示できないと、カード会社は振込口座から強引に売上金額を引っこ抜いていくのである。
ということは、カード詐欺にあったと確信したらまずカード会社に電話をして支払いを止める。

楽天はこのプロセスがトロイ。
どれだけマーチャントと交渉したか、キャンセルの言質を取ったかなどの証拠がないと、支払いを止めてくれない。馬鹿な話だ

さて、アイ子ちゃんのカード請求の詳細を見れば、まず中華系かベトナム系のビジネス名で購入場所が北京、カードの使用状況は現場でカードの提示とある

アイ子ちゃんが北京経由で成田に来たとは聞いていないので、北京でカードを提示することは不可能であったはず。よって、これはスキミング・詐欺だろう。通報!

お財布にスキミング防止用のカードを入れておかなかったのか?
アマゾンで安く中国製が売っているのだが、。中国製のスキミング防止カードが中国人のスキミングツールにどれくらい有効なのか、ちょっと考えると面白いが。

おばちゃん?
もちろん防止カードを入れている。ついでにキッチンのアルミフォイルを3重に折って、お財布をくるむように財布の内ポケットに挿入してある。

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素人経営者の告白 ビジネスモデル・シュミレーター

言語の混線

Costco コスコ

引退生活・シュミレーション・シート

こんにちは、コタツムリのツムツムです。
おじちゃんに動けと言われながらもコタツに潜っていたら顔が真ん丸になってしまった。そういえばパンツのウエストがキツイ。

あんまりお腹がすかないから食べる量は減っていると思うんだけどなぁ?こんな真ん丸な顔でステージII観察中の患者としては申訳がなくてすまない。

まあ、そんなことはどうでもよいのだが、税金の計算にしっかりはまってコタツから出られない。確定申告の時期は迫ってきているしね。エクセルの計算シートの精度を高めるために弄ってる。そうだ、こんなことが前にもあったと思い出すと、それはアメリカで起業した時だった。

コンピューター・オタクみたいだった素人のおばちゃんが、やったこともない小売りビジネスを起業するんだから何にもわからない。どこがわからないのかわかるためにビジネスの数字を片っ端から集めた。レント、NNN、ライセンスフィー、人件費、SSTaxレート、 WorkersComp、電気代、物品コスト、単価、クレジット手数料、客単価、競争相手の単価などなど。

集まった数字をシートに入れて計算式をつけていく。固定費のように見えるレントは実は毎年3%上がったりする。初年度はオリジナル金額だが、5年経つと片手分は上がる。福利の3%は馬鹿にできない、さすがユダヤ人大家だけはある。

・従業員を雇ったとき3人か4人か?
・シフト時間数を変数にして、ソーシャル・セキュリティ・タックスと労災保険の掛け金がどのくらいで総人件費が変動するか。
・物品コストを変数にして$1ドル上げると、純益はどのくらい変わるか?
・売値を2倍にして人件費を必要な3人から4人に変えると、純益は2倍にはならない。 
・客単価を$1刻み、客数を横軸にしてグラフを作り売り上げ金額の早見表を作る。
・客単価だけを上げても、客数が上がらなければ固定費で赤字のリスクがある。
・この物件の場所と、考えられる売り上げの最高額を考えると、それ以上は理論上ないという限界の数字がわかる。
・売り上げから経費を引いて益が0になるBreakeven Point損益分岐点が分かった。もちろんそんな言葉があるとは素人のおばちゃんは知らなかった。

とに角、おばちゃん、な~んにも知らなかったので商売とはどういうものか数字から割り出そうと思ったの。いろんな変数、レント、コスト、客単価などを変えていってシュミレーションしたのよ。数字によっていろいろ変わるのね。

残った純益あるいは純損益を、次のキャッシュ・フローのシートにリンクする。
キャッシュフローの最初のバランスの数字はおばちゃんたちの銀行預金の合計。毎月の売り上げと経費が記入されると、益、損を割り出し、預金から差し引きしてキャッシュフローがかかれる。
だから見込みの売り上げの数字を12か月コピー&ペーストすると、銀行預金が増えるか、何か月後に銀行預金が尽きるか一発でわかる。

そんなシートを作って、1年間あちこち物件を内見させてもらってシュミレーションの精度を高めていった。いくらペーパー上でシュミレーションをしたところで、実際どのくらいの売り上げがあるか、そんなことはわからない。やってみるしかないのよね。 ところが、オープンしてみると売り上げも客数も単価も想定していた数字に収まった。まあ、そういう想定客単価でビジネスを作っていったからだったが。

今回は日本の税金を計算するシュミレーション・シート。
料率と計算式が全部入力されたら完成。でも日本語というやつが手ごわいのよ。「所得金額」と、「総所得金額」が一字違うだけで意味が違ったりする。日本語って難しいわ。

オンライン上でシュミレーションさせてくれるページがいろいろあるので、数字を入れてみて自分のシートの計算間違えをチェックしたりしている。うちの家計に特化したシートを作りたいので、税率と、数式はやっぱり自分で入れないと。

ところがおばちゃんは少しボケてきたから、関数をずいぶん忘れてしまった。公的年金控除を計算させるのに、幅がある範囲(xx以上xx以下)が4つあるとして、範囲をまず選ばせ、次にその計算式の解を返すって、検索関数だったか?それとも条件式なんだったか忘れてしまった。関数辞書を調べるのが面倒くさいなぁ。所得税計算では今、手動で入れてやってるからこれは恥ずかしい。

日本で老後を暮らす場合、節税的には“豊かな資金と低めの年金収入”が一番税金負担が低くて理想。ところが、老後のための資金にはインフレリスクがある。コロナだとかで世界経済がこれだけ混乱しているとね。日本政府が年金を削ってくるリスクもある。

おばちゃんたちの老後家計のリスクは、為替リスクと税。インフレ・リスクは米国が背負ってくれていると思う。毎月のSS年金の振り込みで、当日の円ドルレートが$1変わると、入金の日本円が上下する。1円変わると、年収では数万変わる。
たかが数万で税率の枠を超えたりする。控除額や税率がガラッと変わるわけよ。

所得税が330万と695万以下が同じ料率20%というのはおかしくないか?倍以上違うじゃない。大企業の部長クラスと、おばちゃんたちみたいななんとか暮らしてます庶民と、同じ20%なのは絶対 変。ねぇ?
とにかく、為替のレートと年金収入をタイプすれば所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料を自動計算するシートを完成させたい。

いろんなグラフを作ってみて、1)豊かな資金を背景に生活程度を現役時代から落とさず、不足金を老後の資金から補填する生活タイプと、
2)ほどほどの資金を用意して、でも老後の生活はなるべく年金以内で納める生活タイプをシュミレーションすると、だいたい20年で老後資金が同じくらいになるとが分かった。へぇ~である。こんなしょうもないことをやっているおばちゃんのほうがアホかも。

こんな計算は現役時代にやっておくべきだった。

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言語の混乱

トリスタン

アメリカの年金を申請する

日本語は徒然草

クレジットカードの手数料

おばちゃん、と~~~んでもないページを見つけてしまったので日本の消費者の皆さんに正しい知識をシェアしたい。
http://ikinuki2ch.blog.jp/archives/21827013.html

ヨーロッパは知らない。
アメリカではクレジットカードは支払い方法の一つである。
キャッシュで払うか、デビットカードで払うか、パーソナルチェックで払うか、それは消費者の支払い方法の一つでしかない。価格は何を選ぼうと同じだ。変わってたまるか。

この簿記の教科書を作成した教科書会社の編集員をちょいと呼んで、小売業の講義をしてやりたいくらいだ。

まずコラム文章の 嘘1
クレジットカードを使うと、お店が損をする
事実は逆
クレジットカードを使うと、店は売り上げが増えて得をする。

解説
おばちゃんはアメリカで小売業を10数年営んだマーチャントだった。
Merchant 小売業者はモノを顧客に売って売り上げを上げる。
この支払時に、クレジットカード会社Merchant Serviceが顧客と小売店の間に入って、客の代わりに小売店に代わりに払ってくれる。


何故かというと、商品が高すぎて支払いが後払いになってしまう危険とか、小切手で受け取ったら不渡りになる危険がなくなるので、まんべんなく客からリスクなしで売り上げが上がる。もちろんクレジット・サービスに支払う手数料が発生する。

クレジット手数料はVisa, Master, Amex, Discoverなどのクレジットカードでそれぞれ違う。
マーチャント契約書はカードごとに契約できる。基本のVisaが1.6%とか、Amexが3.5%とか書いてある。


ところが、クレジット・カードというのは同じVisaカードであっても細かなクラス別プログラム別があるのだ。それはカードの裏表を見てもわからない。実際売り上げの明細が上がってきてから初めて個々のカードについての手数料が記録されている。

例えば、Visaカードでもポイント返還プログラムがついていると、基本の1.6%+αで基本だけの1.6%なんかほとんどない。2%前後になるのが普通。クレジット会社からのステートメントが届き、売り上げと手数料の総計を出して初めて自分の小売りのトータルの手数料%と金額がわかる。


これはビジネスの必要経費だ。人件費や電気代と同じ。だから節約できる人件費もあるし、余分な電気代は節約するように、クレジット手数料も節約できる。

3.5%のアメックスなんて問題外である。
まったく同じサービスをしてアメックスは倍以上の手数料をかすめ取っていく。おまけに2日後に入金か5日後に入金か、はたまた1週間後に入金かさっぱりわからない。緑も金もゴールドもブラックも、ついているプログラムによって、入金日もば~らばら。おまけにアメックスの超傲慢なセールスマンが電話をかけてきて喧嘩をしたから切ってしまった

Visaも Masterもポイント・プログラムがついていると手数料が高くなる。困るのは日本で発行されたVisa Master.日本人ばっかり来ると、*手数料が高くなったのよ。おばちゃんは手数料を節約するために、アメックスを切りデビットカードとVisa Master、プリぺードカードだけを受け入れた。
そうすると大体2.3~2.6%くらいで収まるのである。

%チャージの他、使用回数の手数料がさらにかかる。小売業だから1回20セントだったね。100ドルでも一回20セント。1ドルでも20セント。$1.5の商品をクレジットカードで支払われると、20セントの回数手数料と、Visa Masterなどの%がかかるから、現金を持っていないアメリカ人がたまに超低価格の商品を買うと、かなすい。だから、カード使用のミニマム条件を付けたりする。最低$5からとか。

さて、カードの手数料を取られるのに、なぜ店は得をするのかというと、、、。
売り上げは現金とクレジットカードで分けて集計するが、クレジットカードの客単価は必ず現金客の客単価より5%多かった

当たり前だと思う。現金の場合は財布に入っているだけの現金内でしか買わない。ところがクレジットカードではその制限がないので、予算が緩むのだ。だから常に5%多い。
この売り上げの客単価が逆転した時があった。2008年9月。おかしいなぁ、と頭をひねった。リーマンショックがすぐ後に迫ってきていた。

さて、クレジットカードの売り上げが5%多いとなると、クレジット手数料を支払ってもなお2%売り上げが残る。単純な算数な、5-3=2

この教科書コラムが書くように店の人が損をしているなら、それはよほど店側がバカか、売り上げの分析ができていない経営者か、あるいは、知っていながら消費者のほうに損をしてると罪悪感を押し付けて、実はさらに儲けようとする悪質な小売業者か。

前者はバカなので、商売をやってはいけない。後者は悪質なので近寄ってはいけない。
5-3=2基本の売り上げの詳細も理解していない頭弱は救いようがない。

嘘2、「まかり間違ってもゴールド・カードをこれ見よがしに使うなどという品のない行為は避けたいものです。」ー引用


マーチャントにしてみれば、緑も金もプラチナも一緒。2.5%以内に収まってくれればどうでもいいの。ブラックだって受け取ったわよ2回。重かったね。乗ってた車が凄かったけど顔も覚えていないわ。

こんなコラムの常識は蹴飛ばして、レジでは元気に「カード」でと出しましょう。あなたは現金客より5%高い売り上げで店に貢献しているので、下手にでる必要はない。

最後にこれはおばちゃんの個人的な好悪なんだけど、おばちゃんは楽天のカードは使うけど、ペイペイは使わない。基本1.98%というがアレはなんかもっと高い気がする。直観だけだけど。だから引き受ける商店がかわいそうな気がして登録していない。

外国発行のクレジットカードは手数料が高い。〇国や〇国からのクレジットカードばっかり受け取っていると、3%に近づくよ。

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おばちゃん 時効の分だけ懺悔する

ラスベガスで骨休め

・リタイヤ後はプログラミング

しぶとい人たち

この前アイ子ちゃんが来た時に2年分のおしゃべりをした。
日系社会は狭いのでお互いの仕事・友人関係は重なり合うことが多い。アイ子ちゃんがよく行くビジネスのオーナーがうちのお客さんだったりした。

アイ子ちゃんは人のうわさ話をそれほどする人ではないが、そういえばXXXXさんってあの人はビジネスを売ったのよ。55億ですって!

え~~~!?もちろん円ではなくてドル。55 Million Dallars
あの人のビジネスで55ミリオンは高すぎやしない?と聞けば、全米の日系スーパーに納入するようになったからその値段になったんだと。

XXXXXさんは小さな小売店から始めた。25年ほど前か?
おじちゃんとおばちゃんもオープンしたと聞いてすぐ行った。ピンとこなかったからしょっちゅう行くことはなくて、でもうちの従業員の一人がXXXXさんの小売店と掛け持ちをしていたから内情をよく聞かされた。親近感がわくからたまには店舗に行ってみるのだが店舗は隣のテナントを買い取って大きさが倍になっていた。

休日だというのにオーナーは外壁に植えたゴーヤのカーテンを眺めていた。普通の目立たない日本人のおっさんであった。ゴーヤーを一ついかが?と頂いたが苦すぎて食べられなかった。早朝から仕事をはじめ一日中店舗にいて子供が生まれると店舗でランチを食べて子供もそこで大きくなったようなものだ。

商売は日本人だけではなくアジア系と地域の白人にもうけ、日曜などは行列ができて買うのが大変なので、xxxx掛け持ちの従業員に買ってもらったりしていた。

さらにうちのもう一人の従業員のご主人は、XXXXX業界の製造機械のメーカー営業でしょっちゅう彼のオーナーに新機械を売り込んで営業成績を上げていたのだ。営業に行けば一台数万ドルの機械も買ってもらえるのでうちの子のご主人は業績トップで確か会社からご褒美をもらったはずであった。

そのうち、売り込みはもっと大掛かりになり工場を建てるという話になった。リーマン・ショックの不況から数年後だったから工場を建ててそれほど需要があったっけ?とおばちゃんなんか疑問だったが。

おばちゃんたちはその後帰国してしまったが、工場は無事に稼働し始めたらしかった。
それが55Million
税金で半分取られても孫の代まで安泰だろう。すなおに敬意を払いたい。自分の時間と労働と努力をすべて注ぎ込んで作り上げたビジネスを55ミリオンという金額で評価されたというのは経営者として誇れるべきことだと思う。

自分の力で稼いだものでもない歳費をためた1億円の貯金とか、俺をYRHと呼べとか、自分たちの力で獲得するものがあってから言ってくれ。つくづく情けない夫婦である。

アメリカ人社会で日本人が活躍するのはよほどの才能か努力のたまものである。
アメリカで活躍する著名な日本人がテレビに映る時おこぼれのように映る日本人がいる。

アイ子ちゃんとそのおこぼれの方の彼を見ながら、彼はまだ頑張ってるね、。あの人はさんざん取り込んだからね。昔はあんなことやこんなことをやってため込んだから。

日本人社会は狭いので、どんなふうに成り上がってきたか絶対昔を忘れないのだ。
アイ子ちゃんも昔から知っているから、彼も相当変だよね。しぶといよね。xxxで損をして乗り越えて、リーマンショックも乗り越えて、コロナでもしぶとく生きていて、ずっと仕事をつづけて仕事中にぽっくり死ぬんじゃないかな?

そうね、しぶとくないとアメリカで生きていけないものね

英語学校を経営する

アイ子ちゃんの話である。
アイ子ちゃんはかつて日本で英語学校を経営していた。

すべての教師はアメリカ人であった。自己主張の強いアメリカ人を雇って働かせるのは並みの日本人のできることではない。

アイ子ちゃんのご主人はアメリカ人だが、彼女の日本語学校とは全く関係していない。
ご主人とは日本で知り合ったのだが、

アイ子:あなたの人生を話して!
ご主人:ワタシはアメリカであんなことやこんなことをやりました。
アイ子:アンタ、ビジネスに向いてないわ。

とご主人はアイ子ちゃんからバッサリ切られ地元の女子大の英語教師におとなしくお勤めしていた。

アイ子ちゃんは最初は小さな教室から始め、次いでそろばん学校が使わない夜間の教室を又借りするやら経費をかけずに徐々に大きくしていった。

ターゲットの生徒層は初級の英語会話を習いたい一般女性や学生ではなく、一通り英語はできるがさらに教えるほうに回りたい上級者向けの英語学校であった。モチベーションが固いので継続率が高かったろう。

生徒の持続力をささえるのは教える先生の質である。どれだけ日本人生徒に人気のある教師を雇えるかが売り上げを大きく左右する。アメリカ人教師を募集し面接でこれぞという人間をピックアップする。

他の英語学校で人気だという先生を引き抜く。
引き抜く?そうよ、引き抜くのよ。今貰っている給料の倍上げるって、言えば来るわよ。
人間何で動くかっていうと“お金”で動くのよ。
だそうである。

大阪商人の末であるアイ子ちゃんならではの技で、常に上の待遇を要求してくるアメリカ人に時には、アメをしゃぶらせ、夢を与え、人気が落ちてきた先生には警告を発しやる気を則す。 

繰り返すが先生はすべてアメリカ人である。
おばちゃんが日系2世を雇った時も、ことあれば自分がどれだけできるかアピールしてきて給与交渉をしてくるのでほとほと疲れた。待遇を上げなければすぐにやめてしまう。見切りをつけるのがものすごく速い。


そういうアメリカ人との交渉やコントロールの経験の土台はたぶんご主人との生活である程度補強されたのかもしれない。アメリカ人をコントロールする学期ごとのEvaluation system=評価システムはご主人の入れ知恵だろう。

カレッジでセメスターの終わりに教師の評価をつけるアンケートのアレである。
1、 教師の教え方はどうか?2、わかりやすいか? 3、生徒の疑問に答えたか?、、、、20、教師の点数をつけるとしたら1から10のスケールのうちどれか?

学期の終わりに全生徒にそれぞれの先生の授業について評価アンケートを回答させて、教師の能力評価を客観的な数字で出す。アイ子ちゃんは、このシステムを活用して給料交渉をしてくるアメリカ人教師には、冷静な数字を見せてコントロールしていった。

他の英語学校から引き抜いた先鋭のアメリカ人教師でも、異国で暮らすストレスなのか突然情熱がぶつんと切れる教師がいるらしい。生活態度が悪くなり、生徒サービスもおざなり授業もやる気がなくなって、そのくせ注意すると自己弁護ばかりして手に負えなくなってくる。


雇用契約書には、生徒評価が連続して一定基準以下が続いた場合に解雇条項を入れておいたので、第三者からの数字を突きつけると、態度が悪くなったアメリカ人に解雇通知を出してもぐうの根も出なかったという。

大きくしていった学校を切りのいいところで売ってご主人とアメリカに移住した。

一番驚いた英語学校の内情の一つ。
日本人に人気のある英語教師の条件は何だと思うか?

金髪でブルーアイズ。外人らしい容貌を選ぶことだそうだ。いかにも白人らしい要望のアメリカ人を選べば生徒から人気が出るのだそうだ。

はぁ、とおばちゃんは力が抜けてしまうよ、日本人の白人コンプレックスには。
英語に変な癖がなくて発音がきれいでも、本国で教えた経験があっても、アジア系の容貌では、生徒の勉学の意欲はいまいちなのだそうだ。アイ子ちゃんが面接でこれはというという人物は白人こーけ試案いかにも外人らしい日本人受けしそうなアメリカ人を選んだのだそうだ。
あれから25年ほど経つと思うが、日本人の英語コンプレックス、白人コンプレックスはさほど変わっていないだろうなぁ。


アリスおばちゃん

日本為政者の悲願:国民総番号・マイナンバーカードの普及は現在やっと34%だそうだ。
昭和の時代から政府は総番号制度を施行したくてたまらなかったが政府内部や政治家たちにもきっと反対者がいたに違いない。制度が整っても遅々として普及せず、やっと3割越え。

日本でお知り合いになった方たちとお話をするに、皆さんよっぽど自分の個人情報を政府に知られるのがお嫌なようである。マイナンバーなんか取ったら自分の資産を残らず国に知られるからイヤだと言っている。今の日本で自分の名義の銀行口座を行政府から隠しと通せると思えないのだが。もちろんおばちゃんたちはマイナンバーを超速でとって銀行口座を開いた。隠すものは何もないから。

名前や生年月日で名寄せするよりは、統一ナンバーで国民を管理するほうが圧倒的に便利である。だから、政府はどうしてもマイナンバーをすべての国民に割り当てたいわけだ。

実際にSocial Security Numberで管理されている米国でどうだといえば、SSナンバーを持っていないと米国では生活できない。SSナンバーカードはSSオフィスから発行される粗末なボール紙に印刷された9桁の番号だ。


この番号がないと、銀行口座も開けないしクレジットカードも取れないし、税金の申告も年金の支払いも保険もすべてこのナンバーが必要なんだわ。

就職にも納税にもこのナンバーに紐付けられているので、おばちゃんが従業員を雇うときはペイロールの会社に従業員のSSナンバーを知らせてペイロールは給料からSSタックスなんかを差っ引いていくわけだ。

SSナンバーで健康保険も病気のヒストリーや支払情報クレジット・スコアなどの信用情報も管理されている。銀行口座資産はSSナンバーで紐ついているわけだから、調査が入ればSSナンバーで照会を掛ければ口座が全部出る。便利なシステムだね。政府にとっては。

国民を管理できるようになったら次は企業を管理できればもっと便利ではないか?
あるのだわ企業にとってのSSナンバーが。
Employer ID Number EINという。Federal Tax IDと呼ぶこともある。
IRSが企業にユニークなナンバーを振る。

そのナンバーがあって初めて会社が会社の銀行口座を開け、企業として業務活動が可能になる。言い換えれば政府としてはEINで名寄せすれば企業の銀行口座の活動状態や納税状態がお見通し、つ~わけだ。

さあ、こっからパラレルワールド地球のパラレル合衆国の話である。
パラレル米国であるからEIN制度もおんなじである。おばちゃんと全く関係のないあるおばちゃんがいて、起業にあたってEINをとった。

オンラインでフォームを記入するだけで申請過程は非常に簡単。
クリックすれば、次のページで割り当てナンバーが記載されているのでページを印刷して銀行の窓口に見せれば会社の口座が開けるのだ。

アメリカの制度とかシステムは誰か天才が作ったかよくできていて感心するのだが、運用側にしばしば使えないポンコツがいたり、ブラックホールがあったりしていて不思議の国のアリスのように穴に落っこちてしまうことがある。

このアリスおばちゃんはセッカチでページをプリントするや否や、会社の設立手続きに走った。口座を開き、クレジットカードやペイロール業務の契約をしたりライセンスを取ったり。
で2週間後にIRSからEINの本通知を受け取った。

受け取ってびっくり!
パラレルワールドのアメリカもやっぱりすっとこどっこいだった。
オンラインで印刷したナンバーと末尾3桁が違うのである。
通知には「アンタはオンラインでナンバーをとったかもしれんが、それは間違い番号だから、今すぐ忘れ!これが正しい番号や。ちゃんとしまってけ!」と偉そうな文面が書いてあった。

何せ日本の2倍以上の人口であるし、たまたまEINの申請が同時にぶつかってしまうことがあるかもしれない。そんなシステム上の穴がきっとあったのだ。

どないせ~、ちゅうねん。認可とった処庁に訂正しまわれってか!アリスおばちゃんは腹を立てながら、銀行やらなんやらに訂正に回った。

ところが、である。
おばちゃんが選んだ銀行は、オンライン・バンキングもビジネス用のサービスも充実していて非常に使い勝手がよかった。使い勝手はよかったのだが、メガバンクで処理システムが何重かあるらしい。

訂正したはずのEINナンバーがペイロールになると旧の間違い番号で打ち出され、訂正すると治るのだがクオーター・リポートになるとまた戻って間違い番号になるとか。

モグラたたきのようにあっちでぶったたくと、こっちで訂正前の番号が出てくるのである。ああ、ここはアメリカ。

EINは時々間違うが、会社は何とか回り始めた。
スーパーのフードコートなどで、古い知り合いの同業者などと会うと、


先輩:どうよ?
アリス:いや~、どうもこうもタックスが高くないですかい?ワーカーズ・コンプが高いやおまへんか?
先輩:そやろ、俺らが働いてるのに指一本貸さなく癖に、タックスばっかりふんだくりやがって。
アリス:ほんなら先輩、いったいどないしたらよろしいでっか?
先輩:まあ、頑張りや。ダブルアカウントつ~ものもあるし。

ダブル・アカウント?
アリスおばちゃんの耳はピコんと立ち上がったのだが、あのことやろか?マーチャント・サービスのダブルアカウント?

おっさん、利口そうに見えたアホやんか。クレジットマシンがダブルアカウントやからと言って、EINがおんなじやったらアンクルサムには一発でお見通しやんけ。使えねえな。
と思ったのである。

アリスおばちゃんのクレジットマシンはもちろんシングル・アカウントで幻のダブルなんて見たことがなかった。そうこうするうちに契約したマーチャント・サービスは手数料が固定のはずなのに恥知らずにも半年ごとに上げてくる。この野郎、契約を切ったろと思っていると、ある日なまっちろい白人のお兄ちゃんのセールスがやってきて、うちは安いですよ~と言う。

マーチャント・サービスだった。
見積だけでもしませんか?手数料は固定で上がりませんという。それから左右を見て誰もいないのを確かめて、ダブル・アカウントもできます。と声を潜めてぼそっと言った。

何?ダブル・アカウント?
その瞬間アリスおばちゃんの頭の中では一瞬にしてビジネス・プランが走った。
おばちゃんのEINはどういうわけか2つある。一つのクレジットマシンで最初からダブル・アカウントがセットできる。まぁ、素敵!
メガバンクのほかに、別の銀行口座をセットすればいいのだ。バンカメなんかバカだからちょうどいいかも。

間違ったEINは間違っているので、間違ってもIRSは間違いEINで名寄せをするわけがあるまい。そんなEINはシステム・エラーか別の会社が出てくるだけである。

ハレル~ヤ!
アリスおばちゃんが落っこちた穴は、宝が埋まっていたのだ。
な~んちゃって。そんなことをしたら従業員もみんなわかっちゃうじゃん。おばちゃんとは全く無関係の別のパラレルワールドの話である

戦闘 配置につけ

おばちゃんは腹を立てると生きる気力がわいてくるタチである。

あらかじめ断っておくが、以下の話は別のパラレルワールドの別の地球の州での話であって実在の人物ましてやおばちゃんとは全く関係のない、知らないおばちゃんの話である。

パラレルワールドの知りらないおばちゃんはある日女の子から相談を受けた。
ルームレントしていた女の子が部屋をでて引っ越したのだが、大家がセキュリティ・デポジット(敷金だな)を返してくれないのだという。
引っ越しの日には大家が部屋を点検した後に修復箇所があれば修復して、敷金から引いて残りはチェックで引っ越し先に郵送するということだったのに、2週間たっても1月たっても音沙汰がなく電話をかけメッセージを残しても返事がないのだという。

若いので大家からなめられているのであった。
パラレルワールドのカリフォルニアでは、退去の後大家は修復した場合ならその明細を明らかにし2週間以内にテナントに敷金の残りを返金しなければならないという法律がある。

おばちゃんは、ランドロード・テナント州法ページをプリントして、女の子に敷金の返還を要求するDemand Letterを大家に書けと言った。プリントした州法も同封して送れと。

大家から返事があったが、修理修復の明細はなんだかんだと敷金より多いと言い張っているらしい。請求書もやはりださない。大した修復もないのに金に汚い大家だ。

そこでおばちゃんは大家を調べた。
なんでかというと、大家は毎月のレントをキャッシュオンリーで要求していたのであった。現金のみ。記録が残る小切手はお断り。

へ~イ!「現金のみ」
わかりやすい大家さんである。大家さんが一番怖いのは、IRS(税務署)ですね。
それでルームレントを集中検索すると、大家さんのテナント募集の広告が上がってきた。一番古い広告の履歴もプリントアウトして、女の子に渡し $600/月X12=$7200 一部屋分 X 何年分
大家さんがレント分の収入もちゃんと申告しているのかどうかIRSに聞いてみると言ってやれと教えた。
女の子は無事敷金の返還を受けたようであった。

これもまたパラレルワールドで3つくらいずれた世界の話である。
知らないおばちゃんはビジネスを営んでいたが、出始めの携帯電話がウザかった。ふと思いついて邪魔があったらなと思い検索をかけたらイスラエルのオンラインショップが出てきた。さすが世界の武器庫みたいな国である。危ないものがゴロゴロあった。

邪魔も当たり前にあった。
邪魔はパラレルワールド米国では違法であった。
連邦法に引っかかるのだと思う。持ってるだけで違法。ところが、オーストラリアと日本では合法だったのだ、当時ほえ~。

カスタマーサービスメールで問い合わせると、米国は違法だから売れないが日本とオーストラリアなら売ってあげると言う。なるほど。おばちゃんはパラレルワールドの日本に転送住所があったのである。

日本なら売ってくれるよね?No problemってわけでイスラエルのハードウエアショップはあるものを日本の転送住所に送ってくれた。日本の転送は米国のおばちゃんに送ってくれた、コンピューター部品として。何の引っ掛かりもなく届いた。
むろん邪魔ではない。連邦法違反をする気はなかったから。

その代わりXXXを買った。イスラエルのショップの品ぞろえを見たら携帯電話の件はどうでもよくなり、別計画が浮かんだのであった。当時悩んでいたことで。

相手が正攻法でぶつかっても大きすぎて勝ち目がないときは、まず相手が何に一番弱いか考える。相手のビジネスを規制する役所はどこか、ライセンスを管理するのはどこの役所か?申告はしているのかどうか?ETCを調べる。

オンラインのカスタムオーダーでXXXのxxを作った。出来上がったxxはLAの転送住所から手に入れた。別のXXXで、ビジネスあるあるの相談をして返事をゲットした。その返事の主語をチビっと変え宛名をある人物にして印刷した。その手紙とイスラエルで買ったXXXを同封して、XXXのXX宛に、同時に別封筒でXXXXのXXにこちらはXX承りますのオンライン資料を印刷してXXもつけて投かんした。
XXとXXがXXXするように。

xxxとXXに入るのは何か?
税務署 仕事 喧嘩 恋愛 チワワ 誕生日 事務所 水泳 競争 人類 平和 機関銃 原爆 INS 監査 兄弟 ユダヤ カード 名刺 警察 操作

別のパラレル地球の話であった。正解がわかったらあなたはよっぽど頭がおかしいか性格が悪い。

平均的アメリカ人が一生に何回訴訟に関係するか

平均的アメリカ人が一生のうちで訴訟と関係するのは何回くらいだろう?ふと思った。
ドナルド・トランプが抱えている訴訟3500件 
彼の会社が訴えているのは1900件。 訴えられているのは1450件。 破産訴訟とかのその他150件、連邦法だと169件である。

アメリカで一年のうちにファイルされる訴訟の数も統計にあるが、一般的なアメリカ人が人生で何回訴訟に巻き込まれるか、は統計に出てこない。検索場所か、検索ワードが悪いのか。

アイ子ちゃんは、アメリカで暮らすなら身内に弁護士がいなけりゃ怖くて暮らせないじゃない。と言って、自分の旦那を弁護士にした人である。私が知っているだけで少なくとも交通事故の訴訟で2回、学校関係で1回やっていると思った。

〇谷さんの奥様は壁の塗り替えを日本人業者に頼んだ。そしたらアシスタントのメキシカンが家具を部屋の中央に集め、上から汚れ防止にビニールをかぶせ、(ここまでは良かった)そのビニールを紙テープで止め新品のカーペットの上からカッターで切った。新品のカーペットがカッターでズタズタ。

業者が言い訳ばっかり言うので「日本人だからってタカくくっているならなら訴えるわよ」日本人業者が焦って新品カーペットを保証した。これは訴訟にならなかったが、〇谷さんの会社が日本の特許を持っているアメリカの唯一の代理店なので、アメリカ人がチャレンジしてくる件が多かったそうだ。

アッコちゃんはマネージャーとしてスモールコートに証人として何回も出廷した。パートタイマーのアメリカ人がオーバータイムがついていないと一発でスモールコートに訴えてくるから。

〇子さんは、客に会社のサービスのネガティブなことをしゃべって、会社からワーニング・レターをもらい「もう一度このようなことがあれば解雇もありうる」という文言を脅迫だと訴訟をファイルするとか騒いでいた。

訴訟には被告と原告と双方の弁護士がいるが全員日本人だと、同じ場所でバッティングして気まずくなったことがある。日本人が集まる場所は限られているから、お互いこれはもう避けようがない。

一度も原告にならず被告にもならずに平和にアメリカで人生を全うできる人がいれば、きわめて幸運な人なのだろう。(集団訴訟は数にいれないとしての話。集団訴訟を数に入れると、たぶん一生訴訟に関係しない人はアメリカにいなくなってしまうから。)

訴訟にならないまでも、諸庁諸組織にcomplainをファイルした経験のある数ならもっと多いだろう。

渡米して3年目に救急車で救急病院に運ばれ、ERの担当ドクターに「肝臓の数値がすごいことになってる。なんで飲むんだ!」って怒鳴られたからおばちゃんもつい反応して「曰く言い難し」と怒鳴り返したら、カルテに反抗的って書かれた。

なんでそんなことを知っているかといえば、チャート(カルテは英語ではチャート)のmedical releaseをかけたから。ドクターが持っているすべてのレコードをコピーして取った。

このERのドクターKelvinにはチャートにその他ないことないこと書かれてしまい、のちに大変なことになったのでおばちゃんはCalifornia Medical Boardにコンプレインをファイルすることにまで発展した。

コンプレインは受理されなかったが意見書が返ってきて例えば事実が疑わしいものであってもドクターが信じるところをメディカル・チャートに記述した場合、訂正を求めることはボードとしてもできがたい。とボートの意見が述べられていた。

そうか、。渡米して3年目だったしおばちゃんもよく考えずにしゃべったことを記録されてしまったのであった。端的に無防備であった。
アイ子ちゃんも同じような経験をしていて、こちらは交通事故だったが、ぶつけられて同乗していた10代になるかどうかの子供が最初にポリスの事情聴取に応じて話したことが調書に載ってしまい、子供の勘違いを訂正しようにも弁護士の旦那の力でも、がんとして修正できなかった。
アメリカでは用心深くあらねばならぬ。おばちゃんは心に誓った。

次は、日系だというだけでかかりつけに登録したドクターは3分診療どころか1分診療。こちらの症状を話し終えたときにはドクターは処方箋を書いていて、受け取って顔を上げたらもういなかった。
ある時、おばちゃんは耳の調子が悪くて耳鼻科の専門医に診てもらいたかった。ところがこの時のHMOという管理健康保険は患者はまずかかりつけの内科医にかかることになっていた。

HMOは保険会社が医療費を抑えるためにできたシステムで、かかりつけ医が患者にジャンジャン検査をすると金がかかるので、できるだけ検査をしない。専門医にも回さないようにする。患者を専門医に回すとかかりつけ医のHMO内の評価がさがるっていう噂もあった。胃が痛い、じゃあ制酸薬を処方して様子を見ましょうね。胃がんが悪化して死亡なんてこともあった保険システム。

この内科医が専門医に回したほうがいいね、と紹介状をだして初めてHMO内の別の専門医に掛かれる。
この日系ドクターに耳の不調を訴えて耳鼻科で聴力テストを受けたいと言ったら、こいつは簡易聴力テストの器具をとりだしてポンポンと3回鳴らした。聞こえますか?そりゃ聞こえるわさ。じゃ、異常なし。なんだって?たった3回よ。

この日系ドクターはウナギのようにすばしっこくアッという間に診察室をでて次の患者に向かっているのだ。おばちゃんはナースを捕まえて、話は終わってないと抗議するのだったが「ケエレ」と言われて切れた。

かかりつけ医に登録した後に、この日系医のうわさでいいものは何もなかった。どうもボンクラでアメリカのメディカル・スクールでやっていけなかったからフィリピンの医学校を出たとか。患者に心電図の大きな装置をしょわせて何日か検査させてたのにスイッチを入れるのを忘れていたとか、誰さんが手遅れでなくなったとか、。

登録したかかりつけを変えるには手続きと時間がかかる。
ましな医者に代わる前に言いたいことは言ってやろうと、HMO保険にcomplainをファイルした。
このドクターに苦情を寄せるのはおばちゃんが初めてではなかったのかもしれない。割と早く保険会社からhearingを開くからと通知が来た。そのころには別の医者に登録をして耳の検査も済ませていたから、怒りのエネルギーもしぼんでいた。

Hearingを開くってHMOもかなり本気で受け取ってるよ、どうするやる?ってテリーさんから聞いて、あの医者の評判も随分落ちただろうからもういいやって、そこで手じまいにした。

家を買った後は、住人とアソシエーションがビルダーを訴えていてセトルした後だった。壁が設計図より薄いとか、断熱材が入っていないとかバスタブに穴が開きやすいとか様々な手抜き工事が明らかになって、ビルダーが無償で補修工事を行うことで決着していた。

先人の日本人おば様によれば、このごろはビルダーは家を建てた後は会社を解散して家を買った住人が訴えようとしてもも会社が無くなてってできないことが多いのだと。ウチの家のビルダーは逃げ足の遅い奴だったので住民に捕まったのだった。ラッキー。

EDD(Employment Development Department)の裁判はインナー裁判だった。永住権を取った後、イミグレがおじちゃんのステータスをビザから永住権に書き換えるのを忘れたので、失業保険が下りなかった。もぅ、アホみたいなイミグレのミステークで裁判をやった。

ライセンスを持っていないエステティシャンにレーザー治療を受けて色素沈着しちゃったときは、おばちゃん自分で裁判をファイルした。自分訴訟というやつ。
相手は金を持っていないとわかっていたから少額裁判にした。自分でできるセルフ裁判な~んてウエブがあったので、おばちゃんはお昼寝をする代わりにせっせとページを読んで手順を踏み自分で裁判をファイルした。裁判の当日にコート外で和解したけど全額分捕った。勝負には勝った。

アメリカでずっと死ぬまで暮らしていたらあと何回裁判に関係しただろう?被告には一度もなっていないが、その後も訴えられずに一生を全うできただろうか?商売を続けていれば難しかったのではないか。

ちょっとのきっかけで訴えてくる社会は社会としておかしいではないかと、正論を言ったところで、自分がまっとうに生きていても訴訟は降りかかってくるものだと覚悟したほうがいい。訴えられて何もしなかったら確実に負けるのだから応戦するしかない。

おばちゃんのカンでは平均的アメリカ人は訴えたり訴えられたり、3回~5回くらい?人によってはもうちょっと多いかな。

集団訴訟は通知が回ってくるからこれは数のうちに入らない。
口座がある銀行だとか、物を買ってユーザー登録をした人だとか、サービスのアカウントがあるからとか、。弁護士団が勝手に住所を調べてくれて、こちらにお知らせを送ってくるからサインをして送り返すだけ。あとは弁護士団が和解金を分捕って分配してくれる。もちろん自分たちもたっぷり懐に入れる。

日本に帰国してからも一件、銀行の「和解金の小切手」が追っかけて届いた「125ドル」転送住所をあっちこっちさまよっていたので、伊豆に届いたときは有効期限が切れていた、。かなし~い。
おばちゃんが参加している集団訴訟で係争中がまだ一つある。いくら配ってくれるか楽しみ。


クリスマスの奇跡
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