屋根の葺き替えと冬支度

今朝は5度だった。
ウチは平屋だというのに12か所もある窓。傾斜地にタカイタカイをしてる家なので、床下は空気=外気温だ。12月に入ったことだしそろそろ窓の冬ごもり支度をしようと思う。

先週は屋根の張替えのために足場が組まれてしまった。家の周囲をすべて足場が取り囲み、どこの窓からも足場の鉄柱が見える。トイレの窓やベッドルームの窓から大工さんや屋根屋さんとコンニチワができる体制である。

皆さん朝が早そうだからベッドルームのおばちゃんの寝起きとか、リビングでパジャマとダウン姿など、見苦しい姿をお見せしては申し訳ない。オフィスは雨戸を閉めてエアシートで窓を隙間なく封鎖した。トイレの窓もふさぐ。お風呂は庭がよく見えて露天風呂気分になれる窓だが、1月にはバスタブに氷が張る冷凍庫並み気温なので外から断熱材のスタイルフォームを張ってしまう。

洗面所もエアシートで覆い断熱パネルでふさいでからカーテンを閉める。キッチンとよく使うデッキの窓はふさいでないが冬眠用の薄暗い穴倉のような冬支度が完成である。これで気温が4度あったかい。

屋根の葺き替え工事で心配なのは紫音。
人がいるはずのない屋根や窓の外から物音や振動や人声が聞こえたら神経質な紫音は怯えるに違いない。
足場ができたからには外の外壁もペイントし直すのがベストなのだが、今回は雨戸の戸袋だけおじちゃんが自分で塗りなおしたいという。

傾斜地なので平屋と言えど、ベッドルームの外は2階建ての2階分に相当する。試しにおじちゃんが足場を歩いてベッドルームの外の戸袋をチェックしたところ、紫音はうなり声をあげてリビングに逃げた。人がいるはずのない外から人影が見えたので仰天するのも無理はない。これはちょっと厄介かもしれない。

屋根の葺き替え作業自体は正味2週間くらいのものだが天井から音がしたり窓の外から人がのぞいたりした紫音の神経が持たないかもしれない。
テンは?

FIPから生還したアメショーのテンはキャットタワーで爆睡していた。微動だにしない。
足場が組まれていくときにはテンは驚いておじちゃんに助けを求めるようなそぶりを見せたが、大丈夫よと言ってやるとうなるようなことはなかった。

猫友のY子さんが、アメショーってちょっと頭が悪くない?って聞かれたが、正直なところ、おばちゃんもアメショーは鈍いのではないかと感じてる。そこがかわいいのだが。先代のテンも去勢手術のためにクリニックに連れて行ったところ、手術が始まるまでキャリアーで爆睡していたそうだ。だから先生には大物と呼ばれていた。

超食い意地がはったシャムの紫音と比べると、テン・ジュニアはちょっとスローな末っ子という感じがする。

来週から大工さんが作業を始める。

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屋根の張替えで電気屋に走る

おばちゃんはスイッチが入れば行動が早い。
屋根の張替え見積もりにOKを出したばかりだが、今日はヤマダ電機から帰ってきた。

ヤマダ電機?
4Kテレビを買ってしまった
屋根の工事はまだ先だろうって?今夜ケーブルテレビの追加契約のために、営業が来て実際の契約をするのだが、昼からおじちゃんが電気屋に行きたいというのでEdionをのぞいて、それからヤマダ電機に行きテレビを買ってしまった。

セールスマンは知識豊富で熱心だった。おじちゃんが彼にこの4Kテレビはアンテナにつないでも見られるの?って聞いてしまい、ケーブルでもアンテナでもどちらでもOKですという答えをもらって、
な~んだ、それじゃあ屋根の張替え完了を待つ必要はないじゃないか、で、先に買ってしまった。

まだ屋根の張替えがいつになるか日付も決まっていないのに。工事中はアンテナを下すから今のテレビでは放送見れなくなるだろうと、ただの不自由さがおじちゃんには耐えられなくて、先回りでテレビだけ買ってしまった。
瓢箪から駒というやつ。

NetFlix もYouTubeもこれからはテレビで見られると思うとちょっとウキウキする。43インチだからそこそこ予算通り。テンの2週間分の治療費だと思うと、なんだ安いじゃないかと思ってしまう。ウチの経済指標は完全に壊れてしまった。

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また、ロシアン・ルーレットの時期になった。
3か月ごとの検診である。おばちゃんは胆のうがん切除後の保護観察中で3か月ごとに病院に出頭するのだ。再発の危険度が一番高いのは術後の2年。この2年を乗り越えられれば再発のリスクは年々下がる。

5年過ぎてポコッと出る再発は遅発性再発で単発のガンに近いから外科手術でとれるものなら大事にはならないかもしれないらしい。

4種類のガン・マーカーの値は上がったか?下がったか?
あみだくじの先が出口のA案にいくのか、あるいはさらに迷路が続くのか、血液判定の時期が来たのである。

嫌ねぇ。最近右わき腹がどんより圧迫感がある。だるい。体重は増えたけど。
ガンで体重が減るのは、進行度が進んでから。胆のうがんが発覚したときは、おばちゃんの体重は帰国後3キロ増えていて最高度だった。体重なんかあてにならない。

Yahooの記事でーー
ドクターが、ガンは切っただけでは終わりではないです。3か月ごとに検診をして5年無事に過ぎたら完治したとしていい。3か月ごとのチェックは嫌な気持ちで、検診の前にはあちこち具合が悪くなり、検診の結果異常がなければ具合がよくなる患者さんもいます。― ー

ぇ~~っ。おばちゃんのことではないか?
血液検査の結果が出るまではみぞおちが痛んだり背中が痛かったり。
結果が異状なしとわかると、メンタルのせいだったんだと痛みや不快感が飛んで行って心が軽くなる。

メンタル再発だったか、、。3か月ごとにこの過程を繰り返すのは正直楽しくない。帰国・移住生活も落ち着いてきたのでできれば穏やかに生きたいが。

おばちゃんはコタツむりになると、ネットにちょいちょいコメントを書いたりしたのだが、先日

「あんたはいいね、幸せ自慢?」とリプライがついた。
リタイア後の生活は予算が許す限りでいろいろやってみようよ。と書き込んだだけである。

幸せ自慢に感じられたなら、それは幸せだからだ。
従業員に給料を払うために毎月きっちり利益を出さねばならないプレッシャーがない。セールス・タックスやビジネス・タックスを払う必要がない。なにがなんでも朝起きて出勤する必要がない。

助けてくれる人は自分とおじちゃん以外にいなかった。そんな背水の陣みたいな重圧がなくなって、自分の時間を自分で使える幸せがあって、邪魔されないで自分の畑・庭を作れる幸せがあって、ついでにガンの再発のリスクがあっても、病気の猫を抱えていても、今が人生で一番穏やかで幸せだと思う。

自分で人生の決断をしてこなかった人、自分で責任を取らなかった人、人生がうまくいかなくて自己憐憫に陥って他人が憎く見える人。残りの人生も後悔と妬みにさいなまれて送るのだろうか?

大リーガーの大谷が「憧れるな」と言ったらしいのだが、よくわかる。
人は「憧れ」という熱い思いだけで何となく心が満たされて、“自分の“憧れに向かって努力するのを忘れてしまうから。

憧れも後悔も同じ。
そんなことを感じている間に努力せいや!戦え!と大谷君は言いたいのだ。憧れるより自分の夢を追え!自分の夢を実現せいや!
アメリカで戦っている大谷君はアメリカの子らしくなった。

幸せは自分でつかみ取るものだ。
自分の頭で考え自分で決断する。戦って自分で勝ち取るものだ。

血液検査のサイコロがたとえ「凶」に転がっても、おばちゃん、やらねばならないことをやってきて後悔はない。ガンとは戦わないが、おじちゃんと猫たちが幸せに暮らしていけるように準備をするだろう。病気のテンを寛解にもっていき、家を修理し、山に知り合いを増やしおじちゃんが安心して暮らしていけるように生活の軌道を作っておく。

サイコロは3か月に1回振る。あと16回。

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最初はロシアかと思った。
太ったばあちゃんはスカーフをかぶって野外のキッチンで肉を刻んでいた。顔は白人系でスラブ系とも見えるし。東ヨーロッパかな。

ばあちゃんは次に粉を取り出し卵を割り入れると水を足してこねだした。パンを作るのだろう。2次発酵が済んで綿棒を取り出すと小口に分けたドウを伸ばし始めた。
アレ?ロシアではないな。

伸ばした生地は直径40から50センチ、厚みはパイ生地くらいである。薄いパンね、、。
これが四角ならイラン系か、それとも小さな丸形ならピタパンでトルコ系か?
野外キッチンの周りの風景はなだらかな草原である。オリーブのように見える木があるかも。ロシアよりずっと気候があったかそうだ。

おばあちゃんはかまどの上に平たく大きなフライパンを置き、伸ばした生地を焼き始めた。ロシアではないな。トルコの近く?
牧場の仕事が終わったと見える野良着のじいちゃんが大きなジャグを持ってきてかまどのそばの金属製のポットに水を注いだ。ポットの口に口金をセットすると真ん中にかまどから火ばさみで取り出した燃えかけの薪を入れた、2本。

あっ、これはサモワールではないか!
するとこの国はロシアの南だろう。はて、。

ばあちゃんは濃い紅茶をカップに注いでサモワールから湯を足した。紅茶は薄めるものなのか?
ふ~ん。紅茶カップはウグイス色の地に何かの幾何学模様である。お世辞にもあか抜けていない。トルコの東、。黒海の北。アルメニアとか、。
この辺でおばちゃんの地理知識がつき、チャンネルのアカウント説明を開いた。アゼルバイジャン!なるほど!

あちゃんは大葉のように見える野草の葉っぱを摘んでいた。大葉に似ているが大葉と断言するには雑草に似ている。
ばあちゃんは大ざる一杯の雑草を刻んでそこにたっぷりの溶かしバターで炒めたみじん切りの玉ねぎを加え、生卵を二つ割り入れて混ぜた。

おばちゃんは雑草が気になってキャプションにでた「Nettle」を調べた。毛が生えたイガイガの、、。えっ!まさかイラクサ?あの雑草を食うのか?!!

ばあちゃんは粉を取り出し卵を割って捏ねてまとめるとラップで包んで寝かせた。アゼルバイジャンにもラップはあるんだ。生地を小さくちぎって小さな綿棒で伸ばした。小皿ほどの大きさに。

おお!これはまさか!
まさかの餃子でないか、いや、アゼルバイジャンならペリメニかも。
ばあちゃんはスプーンでイラクサ餡を掬うと皮の真ん中に落とし二つ折りにして端を閉じた。時々襞をつけたりしてどこからどう見ても餃子である。中身はイラクサだが、。
ギ酸があるとか危険とか翻訳に書かれているが、婆ちゃん、大丈夫か!

ばあちゃんは包んだ餃子をかまどの鍋で茹でた。
じいちゃんも食卓にやってきて大皿からイラクサ餃子を自分の皿に取り分けた。

それからテーブルの真ん中に置かれた青染付のボールから木のスプーンで白いソースを掬って餃子にかけた。多分サワークリームであろう。じいちゃんは嬉しそうにフォークを握ってイラクサ餃子を食べた。
う~ん、味の想像が付かん。

世界発見
Kənd Dadı | Taste Village
https://www.youtube.com/@kend-dadi

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テン・ジュニア FIP闘病記11 しんどい

獣医さんの説明通り、ステロイドの投与が始まってからはテンの元気が少しなくなった。次の週に血液検査をすると、肝臓の数値は平常値のままで全く上がっていなかった。

あれ~、テンちゃん、肝臓が丈夫なのかなぁ?普通はステロイドで上がるはずなんだけど。限界の量まで使ってるし。
えっ?下痢もしない?ふ~ん。
食欲は増進したと。体重は微減。このへんは予想されてた通りですね。

さかりがついた?
布団と毛布にスプレーしちゃったのか。経験上、一番丁寧なクリーニングでも匂いは完全に落ちませんね。

ウイルスの封じ込めにステロイド作戦は効いたのか確かめる方法は全くないが、テンのあっちのほうは元気になって、日々戦々恐々である。
もぞもぞと匂いを嗅ぐ動作があればすかさずトイレに連れていく。前もって膀胱を空っぽにする作戦である。

たっぷりスプレーされた安物の布ソファは臭い消しも使えないのでとりあえず特大のペットシーツで覆ってある。去勢手術が済まないうちに買い替えられないから。ステロイドは段階的に減らして今週は元気が回復した。シオンにまとわりつく行動はますます盛んである。

お前、治ったん違うか?し〇んベン太郎。お漏らし小僧。
獣医さんは特効薬のMutianを仕入れる手筈をつけたのだけど中国の国慶節のバタバタで業者と連絡が取れないらしい。

先生、それはしょうがないですよ。春の春節と、国慶節と11月11日の独身の日は日本の盆か正月か成人式みたいに国を挙げててんてこ舞いになりますから、落ち着いたら業者も連絡がつきますよ。


おばちゃんは、先日FIP治療のクリニックについて調べものをしていて Mutianの有効期限が2年だということを知ってしまった。
未認可薬なので手に入れるには個人輸入しかない。2年以内に治療を求める患猫・飼主が現れなければ、有効期限が切れた薬は捨てるしかないのである、百万単位のオーダーで。

 

おばちゃんは猫バカだからモルヌピラビルでの治療をGoした。
ペット保険限度額を使い切り、すでに中古軽自動車分の薬・検査費用・治療費が出て行った。かつまだ治療中である。

ここは人口4万人足らずの地方で、おばちゃんの感触だが、猫の飼主でワクチンを打つ方は半分?くらい。完全室内飼いは極ごく小数派ではあるまいか。
FIPの知識のある方がまず少なく、治療費にMutianなら薬代だけで100万、モルヌピラビルなら半分、プラス検査費用と診察料と聞かされると、お願いしますと即答できる飼い主はどのくらいいるのだろう。

費用だけではなく、経過観察のため週一の診察は不可避である。
おばちゃんとおじちゃんは5月末から欠かさず週一で予約を取ってきた。半リタイアした年金生活だからできたようなものである。これが現役で仕事がある場合は時間をとれるかどうか気が遠くなりそうだ。

おばちゃんも小売業をしてきたから、見込みで仕入れたものが売れずに不良在庫とか経費損のリスクはよくわかるのだ。獣医さんが研究熱心で治療に積極的だからついそそのかしのようなことをしてしまったが、患者がでなかったら申し訳ない。もし、住まいの別荘地でFIPの猫がでたら大いにうちの獣医さんを勧めなければ。

来週はステロイドが終わりウイルス薬の量も半分にする予定。
半分になってテンの体調が悪くならなければ寛解かな? そのあとに去勢手術があって、手術の侵襲で再発が誘発されないかどうか、期を見て細心の注意をはらって手術の必要がある。
あ~~~~っ、しんどい。

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海外から猫を連れて帰国する 届け出書 

テンJR.がFIP

液体ムヒ

鬼のかみさん

CTスキャンをとって会計を済ませたら午後2時を回っていた。
病院の駐車場はアスファルトの輻射熱で温室の中を歩いているようだった。

おじちゃんとおばちゃんの前には160センチそこそこの老夫婦が駐車場の同じ方向に向かってゆっくりと歩いていた。足の長いおばちゃんは二人を追い越し、その時に小柄で総銀髪のおじいちゃまが妻に言っている言葉が聞こえた。

「お前はゆっくり歩いてくればいいよ。僕は先に行って車を冷やしておいてあげるから。」

まぁ、なんと麗しい夫婦愛!アンタ聞いた?
おばちゃんは声が聞かれない距離まで来ると、おじちゃんにささやいた。
おじちゃんは、ふんっ!と言った。

わたしの背中が痛いという訴えを主治医は割と真面目にとって、CTスキャンをオーダーした。CTの画像診断は放射線科の医師に読んでもらったそうだ。CT画像には胆管も腎臓にも何も異常なし。
診察室を出ておじちゃんに異常なしだったというと、殴られた子犬のような怯えが目から霧消した。帰りはスーパーに寄っていこうとおじちゃんはしゃいでいた。

おじちゃんは例えば、私の足が不自由になったとしても、多分「先に行って車を準備してあげてるから」とは言わないだろう。先読みをしてテキパキと計画を立てるタイプではないから。暑くても寒くてもとにかく自分より背の高い妻を抱えてゆっくり二人で車に歩くだろう。車についたら、じゃあ運転してね。というかもしれない。

私とおじちゃんが出会ったのは、大学の2年。私が19歳の時だった。まぁ、ずいぶん長い付き合いだ。大学を卒業して半年後に、おじちゃんと結婚すると言ったら親は泣いた。

結婚させるためにお前を大学までやったんではないのに、。
おじちゃんとは身長も育った環境も随分違い、親どころか同級生さえも驚いた。親が何を忖度していたか、友達が何に引いていたのか、そんなことはどうでもよかった。人間の価値は背の高さや学歴や職業で決まるものではない。“職業に貴賎なし”日頃の父の口癖であった。娘はそれを実行しただけだか。
スカーレットのように、私は決めた。私は結婚するのだ。“Merry she would!”

おじちゃんも若かったので、まさか世間知らずの大学生がタケノコの皮を剥ぐようにアマゾン族の戦士まで化けるとは思ってもみなかったに違いない。おばちゃんは自分でも化けた自覚は大いにある。

プライドと夢は高いものの、実現するための地道な努力は大嫌い。
ものぐさで本や酒に逃げ込んで自分の置かれた現実から目を背けるのは得意。実務の才能はゼロ。人付き合い経験値は地を這う。頭を下げるのが嫌いなかたくなで独りよがりな性格。集団になじまない異分子の小娘。それが10代20代のおばちゃんだった。

タケノコは竹に成長するが、私はどう成長するか自覚もないまま脱皮と変体を繰り返してきて60代のバアになった。30代で日本に居たままだったら間違いなくアル中になり結婚も人生も無駄にしていただろう。

おじちゃんと結婚したあと、変わらない自分と日本の社会の閉塞感に窒息しかけていたから、おじちゃんの尻を叩いて日本を脱出した。

この間、山の卓球サークルのバーベキューがあり、そこでなんでまたアメリカに行ったの?と聞かれたので、
日本では窒息しそうだったので、ダンナの尻を叩いてアメリカに連れてった。と答えたら、
間髪入れず、「それはご主人がかわいそう」と声が飛んだ。
そうなのか?!
おじちゃんはかわいそうな子だったのか?

アンタは私と結婚しなかったらアメリカに行くことはなかったね。と言うと素直に「うん」と言い、アメリカ生活も日本では絶対できなかったことを経験してきたから満足に思っているようだった。

アメリカの社会は自由に呼吸できた。その代わり未来は全く見えなかった。
未来は自分で切り開いて作るしかなかった。政治経済には全く興味がなかったのに、生きていくためにはファイナンスやビジネス・マネージメントを学ぶしかなかった。アメリカの社会でみじめに野垂れ死にたくないと思えば、自分を変えて戦うしかない。

かっと目を見開いてチャンスが漂ってくれば掴む。
ワラでも小枝でもつかんで自分の巣を作ってゆくのだ。理想の巣を作るためには戦うのは必須だった。

平成が終わるころ日本に帰国して人生の第四コーナーが始まった。
日本に帰ろうか?と言ったらおじちゃんは「うん」と言ったからだ。

年金を請求するまで山でバイトをした。コロナが拡大していくさなかで、おじちゃんのバイトの事業所は素早く廃業解散を決めた。オーナーが中国人だったのでやはり決断が速いと感心したものだった。中国人とアメリカ人は同じくらいビジネスの見極めが早い。

おばちゃんは下手に動いてもいいことは何もなさそうだと判断して、日夜ネットで政府の支援策やコロナの給付政策をチェックしていた。
おばちゃんたちが使えそうな支援策は申請した。
山で親しくしていた人も仕事がなくなり萎れてきて愚痴をこぼすことが多くなったから政府の支援策を教えて応援した。

現役時代は大企業の総合職で優秀な人だったらしい。細腕一本で山に自分の家を建て、都会の駅近マンションは貸し出しているはず。自分と同じ匂いがする。戦ってきた来た人だと直感して親近感を覚えた人だったのさ。様々なメディアで政府のコロナ支援策が発表されているのに、それも日本語で、なぜ情報が取れないのだろうと不思議だった。

その彼女とこの間お茶をしたら、おばちゃんを評して「肉食系」と、、。思わず口が滑ったようだ。


言いたいことはわかる。
おばちゃんは誰かを狙って食いついたわけではない。上昇するために誰かを蹴倒したこともない。

自分の家族と猫を守る時には(誰かを傷つけるのではなくて)条件があれば、条件を合わせて、利用できる制度があれば利用する。それだけだ。
傍から見ればぬるい湯につかって愚痴をこぼしあう中で、欲しいものをぐいぐい切り取っていくおばちゃんの行動力が肉食系と映るのかもしれない。

自分を憐れんで愚痴を言って泣いている暇があったら、自分たちを生かせる方法を探す。それが平成の間アメリカ社会で学んだことだと思う。

山のサークルの爺様あたりからは、ひそかに鬼嫁と呼ばれているかもしれない
うっせいわ。

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夢の要塞?ー引退後の別荘地暮らし

おばちゃんはシニアの動画などをちょくちょく見るようになった。
日本の税制と年金制度を調査していた時に同じような年齢の同世代がどのように生きているのか興味がでてYoutubeで見てみたから。

40年務めた会社を60歳すぎに定年退職し再雇用で数年働き、年金生活に突入した同世代の人たち。夢見ていたキャンピングカーを買い旅に出る方。
あるいは生活をサイズダウンしてつつましく夫婦で生きる方。ペットと一緒にささやかな楽しみをみつけ穏やかに生きる方。リタイア後の生活に失敗しないための注意と計画もリストされてる。

中でもほんわかした人柄の動画をみつけ、毎回拝見していたのだが引退生活の注意6か条だか8か条だかを挙げられていた。しかしおばちゃんとおじちゃんの生活にはそれらがことごとく当てはまらなかったので自分で笑ってしまった。とことん道を外れて生きてきたのだと思った。

よくあるらしいのは退職した夫が四六時中家にいて妻のストレスがマックスになることらしい。おばちゃんたちは17~18年ほとんど夫婦別室で息をしたことがない。自営業のときは本当にトイレだけが別だった。リタイアしようがしまいが夫婦一緒に息してテレビはついているが、おじちゃんは自分のタブレットを見ながら私はthinkpadで好きにしながらお互いを空気のように生きている。

また引退後は孤独感を感じることがストレスになるらしい。
会社と会社の同僚らと切り離されて孤独・喪失感を感じるらしい。そんな時は、ボランティア活動をしてみるのも手。だそうだ。
おじちゃんとおばちゃんはそもそもそんな孤独を感じないので困ったわ。

親も兄弟も手がとどかないアメリカ大陸で、会社から首を切られればそれでおしまい。アメリカだろうが日本だろうが「国」なんかそもそもあてにしてはいけない。
周りは全部人種言語さえ違う他人。金は自分で稼いで家を買い担保を作るしかない。後ろ盾は何もなく三方は崖っぷち。自分とおじちゃんだけが頼り。
自営業時代にどちらも病気にならず、それだけは本当にラッキーだった。

“引退した後に孤独を感じた時、誰も知らないところへ飛び込むのは勇気がいりますが興味のあるサークルやボランティアをのぞいてみてはどうだろう?”
孤独?勇気?何の話だろう?
ここは縁も地縁もない別荘地。日本で買った携帯の住所録はほとんど真っ白。
それでも行きかう人は日本人で日本語を話しているではないか。すごいと思う。み~んな日本人なんだぜ。やりたいことがあれば説明会や申し込みに行ってみる。コンビニで買い物と変わらない。

ところで、この前、お向かいのおばちゃんとお茶をしていて、コロナも終わったし旅行に行くならカッパドキアに行きたいといった。カッパドキアの乾いた草原にある岩の家はおばちゃんの魂の要塞だ。
帰国前に家を探すときに偶然開いてしまった旅行ページにはカッパドキアの岩の遺跡が映っていた。
草原に散在する巨石遺跡のような白っぽい岩。岩は人の手によってくりぬかれて中世人の住居だった。その家を見た瞬間、おばちゃんは「住みたい!」と思った。

頑丈な岩盤に“建つ?”不況不屈の家
火にも雨にも地震にもびくともせずドアを閉めれば外界を遮断できる要塞。子供のころからこんな要塞が欲しかった。

中東での駐在時代もあったお向かいのおばちゃんは、あなた変わったところに行きたいのねぇ?私は行ったことがあるけれど、とても興味深いところだったわ。

遺跡の案内人の言うには、他の部族の襲撃を想定して石の家にはあちこちに抜け穴があり、こちらの方面から襲われたときは、こんな落とし穴、こちらの方面なら通路に岩を落とすというような仕掛けが施されていたの。岩の家は常にだれかの襲撃に備えてできた家なのよ?

あは!
まさにそれがおばちゃんの夢見ていた理想の家。
外敵を打ち防ぐ仕掛けを付けた魂が安らげる要塞。住んでみたい。カッパドキアの岩の家のドアをくぐって、おばちゃんは一体何を感じるだろう? 昔の住人の憂いかそれとも安らぎか。

おばちゃんのこれまでの人生のポリシーは
生き残ること
家族が幸せに生きられるために戦うことーーだった。

伊豆の山に買ってしまった家は藁の家だった!笑
巨大地震が来たら一発さよなら。ただ、昔からおじちゃんの夢だった“自然に囲まれて自分で育てた野菜で料理を作って食べる“が実現できて幸せ。
日本では自然災害の他に襲ってくる敵は税金の徴収くらいだから、藁の家を石の要塞に作り替える必要はないかもしれない。

老後というのは自分の人生の集大成だわ。
意思を持ち始めてから自分が決断してきた何億回もの決断の集積が今の老後なのだろうと思う。夢を実現したければ夢のために戦うしかない。

おばちゃんには「うらやましい」という感情があまりないらしい。
ひと様の動画をみて人様の人生がうらやましいとか、人に憧れるという感情がわかない。どこかですり減ってしまったのか捨ててしまったのかわからないが。

動画のコメント欄に「あなたがうらやましい」などと書いてあると正直わからん!と思う。

夫婦別申告すると国保税はどうなる

おばちゃんのマイクロ法人計画は進んでいない。

なんでかって言うと、マイクロ法人を設立して国民健康保険料は確かに減るが、その分税理士料金が増えてトントンになりそうだから。

法人の申告は面倒くさいとどのページでも書かれている。
そこをわけのわからん日本語を解読しながらおばちゃんが自分でやろうというだけの気力がわいてこない。

テン・ジュニアはFiPで闘病中だし、紫音は頻繁におなかを壊し検便をしても寄生虫は発見されない。寄生虫のせいでないなら詩音はなぜ頻繁に下痢をするのか。払っても払っても払っても、嫌な予感がわいてくる。怖すぎて鬱々としている。

どうだかなぁ。マイクロ法人なぁ。
マイクロ法人で節約できるのは国民健康保険税だけだ
そもそも雑収入の年金はその他の収支と損益通算できない。つまりどんな事業をしても赤字にしても年金収入は雑収入として申告せねばならない。節税するなら、住民税と国民保険税と介護保険税を個別に攻略する必要がある。

住民税はふるさと納税を使う。ちびっとだがふるさと納税のお礼を生活に充填する。本来の生活費が若干減る。つまり節税。

国保―これをマイクロ法人にするなら社会保険に強制加入だから料金が下がる。会社負担分があるが、。

介護保険―これはどうやってもどうにもならない。所得を減らさない限りいかなる節税技も無理。
ただし、介護保険は不思議なことに所帯収入から算出されるのではなく個人収入から算出される。なんでや?

そこでおばちゃんは、去年税務署と話した会話がピコんと蘇った。
おばちゃんたちの年金はおもに海外年金である。
米国年金は源泉徴収がされていないので確定申告をする必要があるのだ。そのとき、税務署は夫婦別に申告してもらいますと言った。
おばちゃんは聞き流した。

なんでかというと、年金は今年2月からの支給で実は支給が1か月分抜けている。バイトは55万まで控除だから夫婦合算で申告してもおばちゃんはぎり非課税か少しでるかという金額であったから、個別で申告しようが夫婦合算で申告しよう所得税の納税額はたいして変わらぬと思われたから。

その時の会話を思い出して、、神が降り立った!
所得税は確かに変わらんが、夫婦別申告なら国民健康保険税は変わるのではないか?
おばちゃんが非課税なら、国保料も最低のはず。国保料の軽減も使えるはず。

さらに、、、素晴らしい!!のは高額医療限度額の限度額が世帯ではなく個人に応用されるならおばちゃんの窓口支払いは1割、限度額これまたひと月3万9千円の最低ランクになるはず!
私って天才!

さっそく夫婦別に税のシュミレーションをしてみると、国保は世帯割が増えて4万ほど増額になるが、所得割が下がる。究極の狙いは高額医療限度額制度。おばちゃんのガンが再発したら窓口1割、限度額も最低でないと。
ちょうど市役所に行く用事があったので、おばちゃんはわくわくしながら国保課に向かった。

おばちゃんは何せ背が高くて態度がでかくて田舎では目立ちやすいので、近頃はなるべく気配を消す訓練をしている。
目立ちたくないときは、猫背になり肩をすぼめて視線を落としぼそぼそしゃべるように努力している。

コロナの初期に国はコロナで収入が減った世帯のための住民税・国保・介護保険など減免の救済制度を打ち出した。おばちゃんはさっそく申請書をダウンロードして記入し役場に持参して手続きを要求したのだが、この田舎の役所で第一号だったみたい。

国が打ち出した救済制度というのに、しかも地方の窓口にもパンフレットがちゃ~んと置いてあるというのに、実際のケース処理が初めてらしく、どうやっていいかわからんと言うのだ。申請書さえ受け取らないというので、窓口カウンターでやりあったから人口の少ないこの町でこれ以上目立ちたくない。

それで今回は用心して目立たぬように国保の相談窓口に座った。
国保税の個別算出について窓口の平職員ではわからないので、納税課の課長を引っ張り出すことになった。課長が言うには、夫婦別の確定申告なら夫婦別の収入について確かに国保税の算出を行う、と。
やった!

おば:で、高額医療限度額も個別なんでしょう?
課長は記憶を確かめるように
課長:ええっと、たしか限度額は所帯収入で同じになると思います。
おば:はぁ?介護保険でも夫婦別々に収入に基づいて計算するんですよね?
課長:そうです。
おば:それで介護保険にも限度額制度があって、夫婦別ですよね?
課長:同世帯の課税者がいれば調整されます。
おば:で、国保の場合も別々に算出するんだから別々の限度額なんですよね?
課長:世帯に収入が多い人がいるとそちらに引っ張られます。
    ご主人の収入が高ければ、あなたの限度額はご主人に合わせて上がります。
おば:はぁ?(なんでや!)ぐぬぬ。
課長:そういう制度なんです。

ふん、2枚舌が
所得税は別々に取ったろ。国保は別々にしたら税収減るから世帯基準でとったろってか。

一緒に聞いていたおじちゃんは、ぼそっと、
だから、国は取れるところから取るんだよ。どうせ払うものだからしょうがないだろう。

そうか、じゃあ来年の税はおじちゃんの積み立て口座から現金をおろして、一括支払うことにするか、。一般徴収だからすべての税納付書が役所から届くのだ。
それは困る。

マイクロ法人作ったろ。
でもなぁ、税理士に料金を払うと結局同じだし、ただ、医療費の窓口料金と限度額は社会保険のほうが安くなるなぁ。
でも法人申告の税理・日本語がかけわからんしなぁ。

そのうち国はマイクロ法人の資格として最低売り上げを導入しそうな気もする。去年サラリーマンの副業で最低300万売り上げを導入して損益通算をつぶしたし。
国民の懐を狙ってくる国ってつくづく情けなくないか?

まあ、私が死んだらおじちゃんは国保料が安くなるからその時はマイクロ法人の必要もないし、
ああ、めんどくせぇなぁ

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今週は税関係の通知がごっそりとやってきた。
介護保険料、固定資産税、自動車税、そして年金決定通知。

おじちゃんが私宛の年金局からの封筒を渡して、また年金?
2月前に請求手続きをしたから金額決定通知が来たのだ。今までは特別支給の厚生年金というミミズの涙のような年金を支給されていたので、満年齢からは基礎老齢年金になったはずである。

封筒を開けると、ミミズの涙は猫のごはん代くらいに昇格していた。
自作の年金・税シュミレーション・シートの年金額セルを最新の数字に書き換えたら、おばちゃんの基礎老齢年金=猫のごはん代の結果、扶養からはずれ、所得税が10%レンジに突入した。所得税が一気に2倍になったのだ。

まだバイト代が加算されていない。
バイトも猫のごはん代くらいの予定だがすべて税金に払っても絶対足りない。やっぱりのぅ。所得税と住民税、国保、介護保険などの社会保障を全部ひっくるめると、まい年、中古の軽自動車を1台買って捨てるのと同じ。せめて国民保険は半分にならんか。
現在とまったく同じサービスを受けるのに、来年からは国民健康保険の掛け金が8倍になるのだ。

これがアメリカなら削減できるものを削減しなかったあなたはバカ、って言われるかも。クーポンを使えば10%引き、あるいはアプリを入れて会員登録で8%引き、とか、アナタ知らないの?バカね。と言われてしまう。

Souplantationで定価を支払う人は能力を疑われてもしょうがない。“あんたはバカ”っていうラベルを張られるのが嫌、オイオイ(泣き)
正直であることと、社会を渡っていく能力があることとは矛盾しないのだアメリカでは。

マイクロ法人を作るか、それともオンラインのサービスを使うか。
オンラインの国保削減サービスは胡散臭い。ぷんぷん臭いがする。

個人情報は出さない範囲でサービスを使うとどのくらい削減できるか、シュミレーションできるといいんだがなぁ?

ライン登録で質問できた。

業者個人企業ですか?法人ですか?
私:どちらでもないです。

業者:去年の所得とお住まいと家族構成をお願いします。
私:おおよその税と国民健康保険料は算定しています。
うちは特殊なのでそちらのサービスを使うと削減できるかどうか知りたいです。
夫婦65歳以上 リタイア済、ほとんど公的年金のみ収入XXX円 国保XXX円

業者:しばらく放置
私:だからうちは特殊なの。冷やかしてるわけではないのよ。

業者;マイクロ法人をつかうか税理士に相談したほうがいいです。

やっぱり税理士の予約をとるかな。

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移住への道

アイ子ちゃんから電話がかかってきた。

ねぇ、聞いて。
カリフォルニアで知り合いの夫婦が、早期退職して日本に2~3年住むつもりで移住してきたそうである。驚いたことには、このアイ子ちゃんの知り合いの女友達は日本のアパートがすぐ借りられると思って、ホテルは1週間しかとっていなかったそうだ。

旦那は日系の3世。アメリカ人だな。
ところが日本人である彼女と不動産屋を回っても、アパートが借りられなかった、ホテルは出ないといけないし、いったいどうしたらいいのかしら?――とアイ子ちゃんにお助けコールが来た。

20代で金貸しと不動産業を営んでいた越後屋・アイ子さんは、ホテルはもう2週間予約したら?日本に親せきが残っていたら、保証人になってもらえばいいね。とアドバイスしたそうだが、。

したらば知人は、日本に甥がいることはいるが彼に面倒はかけたくないと。

~~あはは、よくわかる心情でございます。自分の力で解決したいのですよね。おばちゃんもそうだ。

ではアイ子ちゃんは保証人協会を教えてあげたそうである。
保証人協会でもアメリカ人と日本にいなかった日本人では、信用度が無いのでたぶん保証人は必要だろうと思うが、。彼女たちがどこまで理解しているかどうかはよくわからない。

越後屋さんと二人で、彼らがこれから遭遇する困難をひとつづつリストした。日本で”あるある”を克服してこそ日本に定住できるのだし、突破することで達成感があがってリタイア生活も充実するかもしれないね。

しかしなぁ、生まれた国といえども、よその国に引っ越した時にはそれなりの定住手続きというものがあるのに、奥さんはアメリカに定住するときの面倒を忘れてしまったんかいのぅ?
とおばちゃんが言うと、アイ子ちゃんが、
ご主人が日系だから彼がやってしまったんじゃない?といった。なるほど、そうかもしれない。

日本人の勤め人が米国に移住するときには、一番大きな関所がビザ。
これは会社がやる。移動した後は、日本の企業の駐在の場合なら、会社の先輩がアパートの手配とユティリティ・サービスのスタートの電話、
SS OfficeでSSナンバーの申請、DMVで免許証の申請、、、なんかをいろいろ面倒見てくれるわけ。

おじちゃんの会社はスタートアップだったので、誰一人先住者や先輩がいなかったから現地のコーディネターのアドバイスで、自分で手続きをやった。
よその国に移住をするときは、定住のための勘所が必ずあるのである。

金をどれだけ持参したとしても金だけあったとしてもどうにもならないこともある。クレジットヒストリー・社会的信用が存在しないから。


おばちゃんの知り合いでは40年日本を留守にして、70前に日本に帰国してから、ローンで家を買おうとした老夫婦がいた。
無理だって!日本じゃ60過ぎにローンは組めません。クレジットカードが取れないとかETCが取れないって不満をもらしてました。銀行口座にはたっぷり預金があるのにね。おばちゃんが楽天とYahooならカードがすぐ取れますよと教えた。

日本でいえば、
日本の勘所は住民票。次に銀行口座。日本発行のクレジット・カード。日本の番号の携帯電話。これが重要だが、現役で収入のある保証人用の親族を一人。
このへんを抑えておけばいい。アメリカ発行のクレジット・カードを持ってきても、日本の携帯電話は契約できないのであるよ。

さらにいくら自分の力ですべてやってしまいたいと思っても、日本の医療施設では入院・手術には「保証人!保証人!」と非常にうるさいのである。

去年の胆のう切除の入院時には、誓約書に保証人欄があったので厄介だと思った。
保証人にサインをもらっておかないと、日本の病院は食い逃げならぬ、手術逃げがあるとか用心しているのであろうか?

帰国してから一度しか会っていないおじちゃんの甥の名前を借りるのがものすご~く嫌だった。たかが胆石で4~5日しか入院しないのに。

そこでおばちゃんは、病院のカウンター内で働く年齢が高いちょっと偉そうなおばさんを捕まえてダメもとで言ってみた。

私は胆石で切るだけだし、高額医療限度額証を持っているから、入院費用は片手で済むはず。保証人をつける必要があるんですかね?何なら、今この場で入院治療費を前払いをしてもいいですけど?

偉そうなおばちゃんは、ちらっと手術名をみて、そうね、いらないわね。と断言したので保証人欄は記入せずに済んだ。
ガンの拡大手術の場合は、何日で退院できるかわからなかったから甥の名前を貸してもらった。病院のシステムにチャレンジするのは時間の無駄だから。

アイ子ちゃんのキャッチフレーズは相手が変わるのを待つよりは自分を変えたほうが早い

アイ子ちゃんも私も多分どの国でも生きていけるかもしれない。

蛇足:
アイ子ちゃんが持っていた物件の入居審査の最低条件は、同じ企業に勤続最低5年だそうだ。不況の時などは条件を下げたんだっけ?
そう、家賃は周りの物件の金額を調べて2~3千円安くする。空き室が出るよりまし。大不況の時は生活保護を入居させた。
えっ~~~。越後屋さん、またずいぶん条件を下げましたな。
生活保護費の出る次の日に家賃の引き落設定して取りはぐれのないようにしてた。
越後屋さん、まいりました。

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