日本永住帰国前夜・・・ビジネスを畳むには

南カリフォルニアで成功したビジネスオーナーの先人がかつて言った。

“アメリカで個人事業をしていて年老いたらビジネスを畳み日本へ帰国すると言っていた人で本当に実行した人はほとんどいない”。
世話になったおばちゃんたちが帰国のあいさつに伺った時の話である。

アメリカで起業をすることはできる、資金計画根性があれば。
起業はできるがビジネスを畳んで撤収することの方が難しい。何故か?

ビジネスはビジネス契約があるからである。
一言でいえば経営する事業所のリース契約。
日本のリース契約は知らないが、アメリカの場合、テナントを借りるためには分厚い契約書にサインする必要がある。契約書にサインする側に都合のいいことは何も載っていない(たびたび書いているが)

リース期間の終わらないうちに中途撤収するなら、ペナルティ条項目として残りのレントの全額支払い義務などのがあるのは当たり前。リーマンショックの前ではレントの期間は10年単位が普通だったが、起業してわずか数年で失敗しても撤収するために残りのレントを全額かぶれば莫大な借金しか残らない。これを避けるにはリース途中でビジネス営業権を誰かに売るか(起業コストはとても回収できない)、リースが切れるまでしがみついて赤字経営を続けるか、どちらかしか撤収のチャンスがない。

たとえ起業してビジネスがうまくいっていたとしても、ビジネスオーナーに非可逆的な健康障害が起きた時にはやはり進退の危機になる。頭、目、腰、手足のどれか一つでも機能しなくなったらビジネスの存続は難しい。

交通事故で2年後に半身不随になった人、仕事中に脳梗塞で亡くなった人。末期がんが発覚した人など。たとえ亡くなってしまっても契約のペナルティは関係者にかぶさってくるのでビジネスの継続はおろか、リース残りの期間は赤字が積みあがっていくだけになる。

おばちゃんは起業してから様々なビジネスのオーナーが病気や事故や経済の変化によって没落したり、追い詰められたり、そしてリーマン不況ではたくさんの夜逃げオーナーを見た。

だからビジネスが軌道に乗った後に常にビジネスをどのように終わらせるか、撤収するか、で頭を悩ませていた。日本側に売りビジネスの広告を出したこともある。

ビジネスを売ることは起業することより難しい。
買い手に魅力のあるビジネスか、買い手が経営していける汎用性のあるものか、あるいは魅力的なロケーションか。売るタイミングも非常に重要。リーマンショックのさ中には営業権はタダでもいい,リースの引継ぎだけが条件という売りビジネスがあふれていた。不況では売れるものでも売れないのだ。

安全に撤収するためにはそれまでちょくちょく延長したリースの切れ目を狙うしかない。
おばちゃんたちのリースが切れる日時はわかっているので、ビジネスのクローズを決めた。夫婦二人で話し合って日本への帰国も決めた。

アメリカで私たちができること、やりたいことは全力でやった。だから日本に帰国してもいい。それからリースが切れるまでの1年半のタイムスケジュールを決めた。今度は閉業のために手順を踏んでいったのだ。

家という不動産も買う時より売るときの方が難しい。
幸いリーマン不況の影は遠くなって、その時カリフォルニアの不動産業界は売り手市場だった。物件が払底していて誰もが家を欲しがっており、家はリストに載ってからたった1日で売れた。買った時の3倍の値段だった。それからアパートに引っ越し日本帰国のために家財道具も最低限に減らして暮らした。

冒頭の先人の関係者にジャンクの買取、整理の専門家がいたのでビジネスで必要だった器具や処分できるものは処分した。これを買う時にいくらしたか、などと考えると始末はできなくなる。十分役目は果たして役に立った、だから処分した。

築いたビジネス、3年かかって取得した永住権、16年住んだ我が家、お客、友人、黄金の気候。
四捨五入すれば30年、アメリカを十分楽しんだと思う。人生の第三のフェーズは終わったのでおばちゃんたちは日本に帰国した。

SNNやニュースを見ていると、わが同胞はアメリカで頑張っている。
かつての同業者もまだ現役だ。コロナのパンデミックのなかでどれほどビジネスに苦労したか十分すぎるほどわかる。
アメリカでは病気・事故・老齢・時勢の変化、どれか一つに襲われてもビジネスの継続に大変な苦労が伴う。コロナも収束して健やかな老後を過ごされんことを祈ってる。

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ジャネット広報局

おばちゃん危機一髪

平成はなかった 時空ワープの話

勢いで買ってしまった4Kテレビはどうかと言うと、

でかい。
43インチだと思っていたフナイは実は50インチでテレビ台にぎりぎりだった。
朝のニュース番組で華やかな色とりどりのスタジオのセットは「造花」だ、とわかるほどに鮮明。リチャード・ギアってこんなにのっぺりしてたっけと不思議。

テレビでは水谷豊の刑事ものが映っている。
4KテレビになってからはCSとBSのチャンネルが増えたので、おじちゃんのセレクションはさらに増えた。その他の刑事ものを見ているがその中でも見覚えのある俳優が主役だ。三浦友和とか、野際陽子。背景や髪型がやや古臭いのだがおじちゃんとおばちゃんの記憶にある三浦友和そのまんまである。

30年近く間アメリカ暮らしでその間帰国したのは永住権が取れた時と、母の葬儀だけだったから合わせて日本滞在は3週間ほどしかない。おじちゃんとおばちゃんにとって日本の平成時代は存在しないのだ。アメリカ渡米前の記憶は昭和時代しかない。

昭和の日本から90年初頭のアメリカに飛んだときTVシリーズは Cheers や再放送のTaxi DriversでSabrina, Buffy, Seinfeld,そしてFriends!である。Mathew Perryが亡なってしまったのはつくづく悲しい。

それから30年の時空を飛んで日本に帰国したので浦島さんになるのはしょうがない
どうしても理解できない日本の仕組みとか、触ったことがない物とか謎の物は出てくる。古くはPHS、プリクラ、ナナコ、スイカ、CS、BS、スカパー、QRコード、クオカード、話だけ聞く2000円札とか。

ところが、おじちゃんがリモートを握ってテレビをCSだかBSに変えると記憶にある俳優さんたちが記憶のままで出てくるのだ。そうそう、この人はこんなだった。今でも生きていらっしゃるかどうかはわからない。

おばちゃんたちに平成は存在しないので日本の記憶は昭和に直結している。
横浜のラーメン博物館に行って昭和を再現した館内が懐かしかったが、日本の方が思う懐かしさとはたぶん違っていたと思う。おばちゃんたちの記憶にあるラーメン屋さんと言うのはたいてい場末であのまんまだった。

わたしたちは日本の時代とともに歳をとっていない。
日本の俳優さんやアイドルや歌手が自分と一緒に年を重ねてきてない。平成を飛び越えてしまったので、俳優さんや歌手の現在の姿を見ると大変なショックでのけぞりそうになる。

ちょっと、舘ひろしさんどうなさったの?相棒さんがいたはずですが、どこにいらっしゃるのか?
うまく年を取っている方もいるが、人はやはり元アイドルであろうが歳の取り方はそれぞれと言うほかはない。

おじちゃんがほとんど4Kテレビのリモートを握っているので最初のセット以外テレビをいじるチャンスはなかったが、おじちゃんがバイトで留守にしている間にNetFlixのアカウントのセットをした。
NetFlixもYouTubeもまだ見ていない。二人の好みが違い過ぎるので。
おばちゃんは相変わらずThinkpadで動画を見ている。

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米国留学 F1―先の闇

昨日買い物のために山を下ったらふもとに早咲きの桜がすでに咲いていた。
そういえば、去年の5月には、再び桜は見られないかもしれないなと思っていた。桜は見られた。来年はどうか知らんが。

日本社会は閉塞感が満ちている。悲しいことだ。
海外脱出日本人が過去最多だそうだ、留学生は減っているのに。
出稼ぎXXとか、LAXで若い韓国女性が止められたのはリーマンショックの後だった。いまは日本女性がやるわけか、。

おばちゃんは、海外・留学・移住・進出に賛成。若者は世界を生きてみるべきと思っているが、火事場的な脱出をしても身につくものはなく、かえって将来を誤ると思う。

若者が自らを袋小路に追い詰めることがないように書いてみる。
海外移住するなら、ビザはまっとうに取れ。
不法就労、オーバーステイになった瞬間、その国での未来は閉ざされる。ビザ、就労許可証というのは日本で育った日本人が考えるよりず~っと重大なライセンスである。ビザを持っていなければその国で息をしてはいけない。

アメリカを例にすると、
まず留学生ビザを取る。ちゃんとした学校からI-20を取れ。この学校の選択を間違って留学生商売で生きている語学学校のI-20をとると、学力不足でカレッジやユニバーシティにトランスファーできずアメリカで沈没することになる。

自分に何の才能があるか、アメリカでも日本でも大学を卒業後「食って」いける職業ゴールを定めよ。アメリカはSTEM Science, Technology, Engineering, Mathematicsを専攻する学生は大事にしてくれる。国の発展の基礎になる資源だから。
医療はねらい目だ。看護学校はしんどくてクラスメート同志で泣きながらテスト勉強してたと逸話も聞く。看護師免許さえあれば永住権への道も開かれている。

富裕層にとっては海外移住は簡単である。
資金さえあれば金で買える永住権があるからだ。今の日本、今の自分たちを何とか打破したいそのために海外渡航を考える普通の人たちにとっては、金で買える永住権は残念だが手に届かない。まっとうに努力してまっとうに移住のチャンスを狙う。その場合はSTEMにチャンスがある。

Yahooのコメントに「うちは夫婦高所得なので、子供の教育のために海外移住を考えています。」があったが、おばちゃんは「高所得」で引っかかった。「所得」が「勤労所得」なら海外移住は、日本での勤労所得を捨てることである。ツテも縁もない外国に移住して、移住先で収入がなければ貯金は蒸発する。

または、能力が高ければ、海外の日本企業の求人に応募してビザをサポートしてもらう狭き門もある。配偶者の就労ビザがついているかは定かではない。また雇用してくださった会社がビザを持っているのでビザの奴隷。会社が床掃除をしろと言ったらする。靴を磨けと言ったら磨く。首になればビザも消滅する。


夫婦と子供が移住するには、富裕層でなければ、日本の企業の駐在で派遣されるばかりだ。夫婦が高所得だけでは外国の就労ビザの壁が突破できない。

とりあえず留学生ビザで渡航して生活資金は何とかなるだろうと思っている人は、なんともならない。
留学資金を貯め、ビザを取り、学校を卒業し、就労ビザか永住権を狙う。
現地に住めば生活費を稼ぐ仕事があるだろうと思うかもしれないが、不法就労を雇うと雇用主に罰金が科せられるのだ。

おばちゃんが人を雇ったときは面接し、彼・彼女のSocial SecurityナンバーをW4フォームに記入してペイロール会社へ提出するする。ペイロール会社はSSナンバーを照会して異常があると返信してくる。


「SSナンバーが照会できませんでした、あるいは存在しないSSナンバーでした。雇用してはなりません。」メキシカンなどは偽造したSSカード(マイナンバーカード)を出してくるので油断がならないわけ。

留学生や就労不可のビザだとSSナンバーがそもそも取れない。
おばちゃんの会社のペイロールに乗せることが不可能なのだ。雇えない。

それでも闇で不法就労を雇って給料をだして、それがバレた場合は、不法就労ひとりにつき罰金が$5000である。2度目にバレれば2倍の1万ドルになる。そんな危険を冒すよりは、すでに永住権を持っている在住者を雇う。

渡米して皿洗いでもすれば稼げるというのは戦前の話。去年のニュースで、ニューヨークのレストランで年収20万ドルで皿洗いを募集しても人が来ない、というのがあったが、ビザなし、就労許可なしの不法滞在は、皿洗い求人に応募する資格さえない

ここからは今まで書けなかったアメリカの日系社会の闇の話。
KK問題でF1ビザの問題でF1が失効したらその先は闇、、、と。

密入国のメキシカンが合法的ビザや就労ビザも持たないのに、アメリカ社会で道路工事や日雇い労働で生きている事実がある。同じようなことを日本人同胞がやっているとなると、できるだけ目をそらし、知らなかったことにしたい。

滞在できないはずの日本人が米国内に生息していて遭遇することがある。
どうしてそうなった?

周囲の話をつなぎ合わせると、留学ビザF1かあるいは観光ビザで入国してきた。I-20を発行する語学学校は、先生も日本人なら生徒も日本人。日本国内の英語学校と何ら変わりなく授業の内容も退屈。出席しなくても学校側はビジネスだからうるさい警告はないし、なんとなく学校に行かなくなった。

そこで気が付けばI-20をキープしている限り米国内滞在は合法であった。卒業をしなくても大学にトランスファーしなくても語学学校に在籍して1-20がある限り就労は不可だが違法滞在ではない。


英語学校は1-20を授業料という名で売っているのである。1-20の授業料を払い続けることがアメリカにいられる保証になって、卒業や目的がなくなってもずるずると滞在を続けてしまう。

一度出国すると、再入国ができるかどうか危ういので日本の親が病気でも一時帰国ができない。4年5年たっても事情は変わりないので、思い切って親にはハワイに出てきてもらう。ハワイなら親に会える。

目的意識が低く流されてしまった人はついにF1も失効し、1-20に払う金さえも窮してビザを失ってしまう。ID=運転免許証だけはあるので生活はしている。完全違法滞在者というのが生息している。1-20だけというグレーゾーンの留学生崩れも生息している。
ただし、米国を出国してしまうと、2度と入国できないので日本に帰国する決心もつかずずるずるとその日を送っている。

なぜか、みな故国日本には帰りたくない。
今更日本に帰ってもしょうがないと言う。アメリカにいる方がそのうち何かいいことがありそうな気がする。アメリカにいられる、アメリカに居るというのが目的になる。

非合法の身分から抜け出す方法は、男なら一発逆転は大統領の恩赦。若い女ならアメリカ人男性との結婚。

非合法のままずるずると何十年もアメリカにいて、まともな職もなければ資格も取れない幽霊の状態のままガンになって最後は知り合いの日本人の世話になって亡くなった方もいた。

今日、円ドルレートは130円だ。
たとえ日本の貯金がそこそこでも海外移住にベストな時ではない。ビザの壁は高くアパートのレントも日本の倍に届こうとしている。

今は準備の期間だとしよう。
バネは矯めれば矯めるほど程、跳ねる力が大きくなるから。何だったら食っていけるか、自分の能力を伸ばすために海外に移住してみよう。

くれぐれも自分なんか探しに行くな、そんなものは外国の地面におっこちていない。
自分は自分で変えていくものである。

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駐在員時代

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新しい海外移住

新しい海外移住 Taxman

車を運転するなら、道路に税金をかけてやろ
座るんならイスに税金をかけてやろ
凍えるなら暖房に税金をかけてやろ
散歩するならあんたの足に税金をかけてやろ
なんでなら、俺は税務署~

1965年にイギリスから叙勲されて、次の年にジョージ・ハリスンが歌ったわけよ。
そりゃ努力して稼いだら90%を税金でもっていかれて、フツフツと心に煮えたぎるものがあったはず。
いったん勲章をもらった後だから、歌ったれ、っンでビートルズがかましたわけですね。国が怒って勲章を返せってったらそれはそれで面白かっただろう。ジョン・レノンはその後アメリカに移住してしまう。所得税率が低いから。

すっごく頭の悪い政治家がイギリスの税務署とおんなじ様なことを言い始めて、道路に税金かけたろ、30億円以上の年収がある日本人の所得課税率を上げたれ。

国に嫌気がさして逃げていく人がいるだろうとは考えてもみない、想像力がない。
日本で年収が3億以上ある人たちは資産があるから、金の力で他国の永住権を買うのは難しくない。富裕層であれば永住権の取得レベルが低くなるのは世界の常識である。

先祖代々の家と伝統。日本にいるからこそ地位とパワーがある人は、家族から受け継いだ力を持っている。日本を捨てて出ていこうという人がいるのを想像ができないかもしれない。自分の力で成り上がってきた人は、他国に移住するには踏ん切りと資金さえあれば難しくない。ガーシーや与沢翼、中田敦彦、歌手、俳優、留学生。

帰国したばかりのころ、先に帰国したK子ちゃんと連絡がつくと、K子ちゃんはなんとマレーシア移住プロジェクトに関わっていて、今度はマレーシアに移住するという。一緒に行かない?と聞かれて「帰ってきたばっかりだし」と断ったのは言うまでもない。

でもマレーシア移住はいったいどんな条件があるのか、ちょっと調べてはみた。
この場合はロングステイである。確か現地通貨のマレーシア・リンギットで現地銀行に数百万積んで生活資金は現地へ投資の上りで。ビザ発行の年齢制限もあった。マレーシア政府が本気で日本の移住者と投資を欲しがっていたプロジェクト。その他ロングステイビザの場合では年金生活者リタイアのためのビザもあったと思う。

新しいアイデアではない。オーストラリアへの移住プランは有名だった。
かつて90年代にあったシルバーコロンビア計画 当時1990年1ドルは140円を超えていたから。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E8%A8%88%E7%94%BB

ドルが140円で、オーストラリア・ドルが113だっだ。
アジア圏ならもっと経済格差があっただろう。タイのバーツ、フィリピン ペソ、マレーシア リンギットで美味しい暮らしができた。
日本の年金を受給しながら引退後は豊かな生活。タイ、マレーシアならメイドを雇える。為替の恩恵がすごかった時。

いつの間にか気が付けば、日本経済は凋落しオーストラリアドルは91円だって。
現在タイバーツ3.94円 かつては5.60円が。

マレーシアの銀行のリンギットは今や円に換えると大損。退職金で買った現地のアパートは不況で処分しようともできず塩漬け。頼りの日本の年金は下がりすぎて生活がままならない。ゆうゆうのリタイア生活を送るはずだったのに、日本に帰りたい夫人から離婚されてマレーシアで沈没!などという記事も出た。

藤巻氏の経済予想の現実性はさておき、他のアナリストの記事でも日銀や政府の経済回復策は当てにできるものがほとんどない。日本のこの先10年は厳しい時代になる。

日本の増税や規制に嫌気がさしてこれから移住する人は、為替差益をあてにして海外を楽しむつもりでいた人達とは違う。母国や日本企業を後ろ盾にできた時代と違う。会社で駐在として派遣された人とも違う。自分の働く会社が戦略をを決定してくれるわけではないから、自分で考え自分の力で戦って生き延びていかねばならない。

外国で戦う。
日本語で無口な人が英語でおしゃべりになるか?
日本で人づきあいが下手な人がアメリカでフレンドリーになるか?
日本で気の弱い人が外国に行っただけで自動的に気が強くなるか?
外国で生き延びるためには、自分を変えていく力がいる。
自分を変えて戦って生き延びる。

中国人が世界のどこでもいるのは、移住した国に合わせて自分を変えていくからだ。
中国で生き延びた人は、たぶん世界のどこでも生きていける。これから移住する人はうんと増えるかもしれないね。

蛇足
—— Taxman Beatles 1966

Should five per cent appear too small,
Be thankful I don’t take it all,

5%が少なすぎると思うか
安心しろ全部は取らないから
Cause I’m the Taxman,

Taxmanを電通に変えてもいいかもしれないね。
おばちゃんの好きな西原理恵子によると
電通は“全部抜き”だそうだ
半端に中抜きするからバレるんだそうで、
電通が95%くらい抜いていれば、2次、3次は雀の涙。
でもまさかの95%なんて夢にも思わぬそうだよ。

西原理恵子の本はためになる。

If you drive a car, I’ll tax the street,
If you try to sit, I’ll tax your seat,
If you get too cold, I’ll tax the heat,
If you take a walk, I’ll tax your feet.

Cause I’m the Taxman,
Yeah, I’m the Taxman.

国籍法 その3 二重国籍

例の2重国籍の大学教授の件、京都新聞から詳しい記事が出ました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3d15fc44dd6e801321450a8e522d0cec8457bae

続報によって欠けていたピースがパズルにはまり全景が見えてきたのだが疑問がまだ残る。

カナダ国籍の大学教授の置かれた状況はおおむね以下のようであった。
1) カナダ人男性と結婚し市民権を取得。国籍カナダパスポートで母の介護のため2018年日本に入国した。一時ビザと思われる

2)カナダ人として日本の永住権を得ようと本籍地・世田谷に国籍喪失届を出したが、受理されなかった。理由はカナダの市民権証に取得の日が記載されていなかったから――問題1

3) カナダのパスポートに「日本国籍抹消」と記されていることを根拠に特例で在留許可がでた。――問題2

4)温情で特別在留だが記録上は90日を超えるオーバーステイなので一度日本を出国すると再入国ができない。――渡航の自由がないと訴える状況

5)そこで日本国籍が残っていることとしてパスポートを取ろうとしたが、法務省から日本国籍が喪失していると拒否をされ
6)大阪地裁から国を提訴。


問題1一時ビザで入国と考えていいと思う。90日間が合法滞在期間
そこで問題なのが日本の永住権を申請したのはいつか?

シナリオA———–
合法期間中に永住権を申請したが時間切れになった場合。

ステイタスの変更はどの国でも期間順守Time Sensitiveだろう。
申請 —郵便で通知 —-問い合わせ —追加文書提出 —郵便で通知。問題が発生したときは問合せをするだけであっという間に時間がたつ。
役所は申請人の合法滞在期間がなくなっていくことなどまったく関与しないからな。急がねばならない。

結果は、彼女のカナダ市民権証に取得した日が記入していないとして世田谷区から不受理される。

彼女は結婚によって市民権をとった。カナダのイミグレから市民権取得の様々なドキュメントが通知されているはずである。カナダの家からドキュメントを送ってもらえなかったのか?なぜしなかったのか?カナダ国籍を証明するものが、市民権証たった一枚だけとはおかしすぎる。

世田谷から喪失届の不受理が判明したのはいつだろう?
もし滞在2月目か3か月目に不受理を知らされていたら危ない。自分のカナダ人としてのステイタスも危ない。このとき危機感を持つべきだった。

90日が過ぎる前に、いったん出国してカナダに戻り市民権取得の日が記載されたイミグレからの書類を確保して、世田谷区に再度国籍喪失届を提出し、カナダの日本大使館から永住権を申請すべきだったと思う。
彼女はどちらもしなかった。何故だ?
元日本人として法手続きを甘く見ていたか、日本の役所の仕事が遅くてあっという間に時間切れでイリーガル=オーバーステイ=違法滞在になったのか。

シナリオB——————-
90日の合法滞在期間が過ぎてオーバーステイ状態になってから永住権申請を始めようとした場合

90日をすぎて違法滞在になってからのステイタスの変更は非常に難しいだろう、どの国でも。
学生ビザF1が失効してI-20 が無くなってからビザの切り替えようとしても、どの弁護士も出国しなさいとアドバイスするだろう。観光ビザで入国し90日を過ぎてからビジネス・ビザに変えようったってそりゃ無理だわ。移民法を甘く見すぎ。

さらに疑問なのは、
問題2「日本国籍抹消」とカナダパスポートに書かれていた
どの国の役人がカナダ国籍のパスポートに「日本国籍抹消」と書いたのか

日本と米国の2重国籍者で2つのパスポートがあるとする。
お互いの国は自国のパスポートを発行するが、わざわざ本人が他国籍を持っているとしその国籍を抹消すると書くか?おかしい。
彼女の「国籍抹消」の書き込みは、日本入管が書き込んだのではないか

世田谷区はそのパスポートの書き込み「日本国籍抹消」をもって特別在留許可を出したのである。もし、そうなら本人が言っているのでその旨をパスポートに書いて、パスポートに書いてあるからその書き込みを認めます、って言ってるのでーーこのへんは入管と世田谷のほうがルーズ。証拠になりもしないものを証拠としてうやむやにするから事態が余計ねじくれたのだ。

彼女のステイタスは現在特別在留許可を得てカナダ人として日本滞在。
これは温情であって、いったん日本を出国すれば、オーバーステイだった違法滞在のカナダ人であるので、再度日本に入国するのは無理。

違法滞在を一度犯すとオーバーステイの年数と国の規定により5年から10年記録が消えない。あるいは一生消えない。首相の犬養毅の孫であった犬養道子がオーバーステイと不法就労で米国から強制送還された記録は、その後の政治家のコネでもっても消すのに大変な交渉と時間がかかったと本人が書いていた。

大学教授はカナダ人で違法滞在である。
国籍法がある限り日本国籍は抹消されており回復は難しいだろう。彼女はフジモリ元大統領ではないので2重国籍を認められることもないだろう。

ただ、おばちゃんが考えるに裁判の他に一発逆転の方法は2つある。
米国で同じようなことが起こったとして

1、 恩赦
2、 日本人男性と結婚して永住権を取得する

米国ならイリーガルのまま潜伏していて新大統領が誕生したときに恩赦があるかもしれない。8年から12年待てば、イリーガルからの復活のチャンスが0%ではない。日本の恩赦はどうだろう?

もう一つは、日本の男性と結婚して永住権を取得する
カナダの夫とはどうなったのか、記事には何も書かれていないが4年間に及ぶ日本滞在で夫の影がないのはすでに離婚済みなのではないか?

違法滞在状態から結婚・合法的な永住権を獲得するのは、普通より手間と時間はかかるだろうが不可能ではない。2重国籍を認めないなんて日本って遅れてるわ!とほざいたところで国は動かない。日本の男と結婚するほうが早い。

この裁判の結果は、現在日本国のまる抱えの庇護のもと生きているニューヨーク夫婦に子供が生まれた場合、確実に影響する。
子供が21歳になったときどちらの国籍を選ぶか。もし、日本人でもありアメリカ人でもありとかフジモリ的扱いをするなら、その時は日本国民は外国に出国してどんどん二重国籍の子を産もう。

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国籍法第11条 その2 二重国籍

国籍法第11条
1、日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
2、外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う

第12条
 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。
国籍法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000147

国籍法第11条にも関わらず二重国籍になる人が出るかといえば、世界は二重国籍を認める国と認めない国が混在し、他国の市民権(国籍)を取ったとき本国に自動通知されるような国際システムが無い。国籍法で日本国籍の自動喪失を日本が宣言したところで、他国の市民権を取ったあと国籍喪失届を律義に手続きする日本人のほうが稀かもしれない。つまり何もしない故に二重国籍になる。

喪失届をださなくても特に罰則はない。第16条―日本国籍 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。―――努力義務

複数のパスポートを使うことで入管法に触ることがあるかもしれないが、厳罰を受けた例をあまり聞いたことがない。
罰則がなければ法律にチャレンジしても特に不利益がないと考える人は一定数いる。特にフレキシブルな考えを持っている関係方面とかね。法律で罰則規定があれば抑止力があるからあえてチャレンジしようと考える人も少なくなるかもしれない。

さて、日本国が断固として二重国籍者の排除に向かっているかというといままではそうでもない。
元記事のコメントには鋭い指摘があった。

ペルーのフジモリ元・大統領の亡命事件だ。
フジモリ元大統領は日系2世のれっきとした2重国籍者。
一世の両親が大使館に出生届を出したため日本国籍をとった。一方ペルーの法律では二重国籍者が大統領になることを禁じている

さらに
国籍法の改正:1984年以前から日本国籍と外国籍の双方を保持している者は1985年1月1日の改正国籍法施行の日に外国籍を取得したものと見なされるので成人の場合2年以内(1986年12月31日まで)に国籍の選択をしなければ自動的に日本国籍の選択の宣言をしたとみなされる

彼は2国の国際法をくぐった2重国籍者であるようだ。

ところがフジモリ大統領への弾劾と追訴が起こって彼が2000年11月、APEC首脳会議の帰途東京に入国した後、日本国は彼を日本人として保護した。事実上の亡命

改正法の何もしなければ自動的に日本国籍を選択したとみなされているわけ。
ところが、ところが、彼は2005年10月、2006年に行われるペルー大統領選挙に出馬するために日本を離れた。改正法ならば成人後、彼はペルー国籍を放棄したとみなされるのではないんかい?

Wikiより
同法第16条第2項には、国籍の選択宣言をした日本国民が自己の志望で外国の国籍の必要な公務員になった場合に、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、法務大臣は聴聞を経て日本国籍を喪失させることができる旨の規定があるが、フジモリは「みなし選択宣言者」で「実際に選択宣言を届け出た者」とは区別されるため、この第16条は適用されないーーーではペルー国籍はしっかり保持しているわけ?!

当時の首相は小渕 恵三、外務大臣は麻生太郎であった。ええかげんな人達やのう。

フジモリ氏もペルー人と日本人をカメレオンのように使い分ける人であったようだが、日本の国籍法も相手次第でカメレオンのように適用されるようである。

日本人とみなしたり、大統領選に出馬する時にはペルー人になったり。それを擁護した外務省、法務省、日本政府。
自分が恥知らずと知っている恥じらずは、突っ込まれるのが嫌さに人の欺瞞に鈍感になるのかもしれない。目糞が鼻糞を笑っているような。

このような歴史的な背景もあって、日本国はなにがなんでも二重国籍を強固に排除する姿勢ではなかった。ちっちゃい声で言うのだが、二重国籍は2つの国で税金を払ってる。本来なら定住の国で租税を払うだけでよいのだが、戸籍と住民票を維持するには税金がかかるから。

おばちゃんはモニカ・ルインスキーのスキャンダルの時に、アメリカ大統領が恥ずかしくていたたまれなくなり、アメリカ国籍は金輪際取るまいと思った。2021年、アメリカ市民権と永住権者の放棄が過去最高になったという記事があった。パンデミックのせいか。

日本の在外領事館は一般日本人はゴミだから保護なんかめったにしてくれない。アメリカはアメリカ市民が他国で戦乱に巻き込まれたときは、特別機を準備してすぐ救出にむかうから、そこは頼もしいと思う。

参考:
こちらはカリフォルニアの日系雑誌の法律相談ページだ。市民権をとるかどうかと悩む場合に実際のどのような違いがあるかまとめられている。
https://www.us-lighthouse.com/life/feature-articles/citizenship-vs-greencard-02.html

こちらは35歳にしてアメリカ国籍があったことが発覚して、アメリカ国籍を放棄した人のブログ
https://dailyportalz.jp/kiji/161031197945

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えっ?!!!
ノーティスの1枚目最後に——–Your benefits may be taxed,
えっ、US年金からUS所得税が引かれんの?
日米租税条約があるんじゃないの?日米両国で払うわけ?おばちゃん、大ショック。

日米租税協定があって両国にまたがって仕事をした人は税金の2重払いはやめましょうっってことで、居住国で税を払うってことになってませんでしたっけ?

支給額面が期待していたより多かったので喜んだら叩き落された。
額面の85%の25%が天引き?どえりゃ税率が多くないか?

おばちゃんは焦って、同封されていたパンフを読んでそれでもわかりにくいから検索をかけたら、米国年金解説のページが上がってきた。日米租税条約を調べたら永住権を放棄しないままで、米国外で暮らす場合は両方で税を取られるみたい。

大使館の年金課のインタビューでは永住権を放棄すると宣言したから、税金は日本だけでいいんだ、たぶん。すると東京に移住したデービッドは一生 所得税の2重払いか。たまらんのう。
米国という国は永住権と市民権を持っている人間に関しては一生どこの国に逃げても
「Tax Return、申告!納税!税金!」という国なんだわ。市民権を放棄しても確か10年?は税申告せよと超しつこい、追っかけてくる!これだけは確か。

ひとまずUS所得税はまぬかれそうだが、次のWEP制度で固まった。
昔読んだことがある、この言葉WEP。
当時20年先なんて死にかけのババアになるころだから、おばちゃんは自分のことじゃないと思ってた。

「Wep制度」の解説があった。
別名「棚ぼた排除規定」とかいうらしい。誰がこんな気の利いた、でも悪意がある別名をつけたのや?!

おばちゃんたちは、アメリカで遊んで暮らしていたわけじゃないわい。
猫が死んでも仕事を休めず、最後の自営10年間は3日続けての連休が全部で3回ぐらい。美容院は2005年の12月以来一度も行ってない。時間がもったいなかったから。

一番大事だったのは、「朝起きたら仕事に行く」
そのためにはバケーションでも飛行機の距離に行かない(何かあったら帰れない)がポリシーだった。

WEP制度は、日本の厚生年金をもらっていると米国年金が減らされるんやって!国民年金は関係ないらしい。成り立ちや計算方式が書いてあったが、おばちゃんの頭が理解を拒否する。3行で言って!

ええと、40クレジット-10年未満以下の人は関係ない。
就労が10年を超えて日本の厚生年金が一定額以上の場合、米国年金から引くらしい。減額の最高額が480ドル。日本の厚生年金の半分か、計算結果のどちらか少ないほうを引く。申請の際に年金証書を提出して連邦年金局が調整した金額を知らせてくる、と。

先月の大使館の年金課の担当が、厚生年金のコピーを送れと言っていたのはこのことか。
すると、受け取ったNotice of Awardの金額はWEP調整後と信じていいのか。

恥ずかしながらというか幸運にとというか、おばちゃんは日本の福利厚生がある会社に就職してわずか3か月で耐え切れず辞めたから厚生年金はない。おじちゃんは若干ある。

なんだかハラハラしたが、来年から振り込みでおばちゃんたちの年金生活がいよいよ始まる

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国籍法第11条 その1 二重国籍

1、日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
2、外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う

現在コメントが交錯している記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/b3bd0dbddcfed3ad403e75856ab580ff08e88d36
「日本人ではない」と国がパスポート発給拒否 大学教授の女性が日本国籍の確認など求め提訴–

このオリジナルの記事がそもそも情報の細部を欠いてさらに不正確なため、推測と憶測が交錯して紛糾している記事。

内容のサマリー
)2007年にカナダの市民権を取得した日本人女性・大学教授が4年前の2018年に親の介護のため日本に入国。ここ、問題1-どちらのパスポートで入国したか?

本籍地の自治体では日本国籍を喪失していない状態だとして、(カナダ人)としての在留資格を認めなかった。–問題2

)女性はその後法律上の手続きなどはすべて履行したーー問題3)となどと訴え(どこに?入管に?)入管が「特例措置」として女性の日本国籍を認め在留資格が与えられた。

)ところが、法務省と外務省は女性がカナダの市民権を取得した時点で、日本国籍を自動喪失していて「日本人ではない」として女性への(日本)パスポート発給を拒否

)現在、女性は海外への自由な渡航ができない状態となっています– 問題5)

現状:女性は日本国籍の確認やパスポートの発給などを求めて15日、京都地裁に国を提訴

この記事を書いた記者自身が外国の市民権や2重国籍などに親しくなかったのだと思うが、おばちゃんを含め、多数の読者は疑問が噴出していて非常にfrustratedである。
問題となる個所をあげて内容を分析してみようと思う。

問題の1
どちらのパスポートで日本へ入国したのか?

推測:カナダのパスポートではないか。

理由1)有効な日本のパスポートがあればそれで日本入国に問題がない。
もし、日本のパスポートが切れていた場合、カナダ国内での日本パスポートの更新は日本から戸籍謄本を取り寄せる必要があって手間と時間がかかる。日本から連絡を受けて急ぎ帰国するような場合は間に合わず有効なカナダパスポートを使ったのかも。

)背景として:この彼女はたぶんカナダ永住権から市民権を取ったのではないかと思うが、市民権をとった時点で永住権は失効。一旦カナダ国外に出国してからカナダ再入国する際には日本パスポートは使わない。日本人としてカナダ入国するのでビザウエイバーかビザが必要になるから。日本パスポートはほとんど使わず、有効期間が切れていたのではないか。

以上の点を考えると彼女はカナダパスポートで日本入国したと思われる。

問題2カナダ人としての在留資格を認めなかった・・・・日本人だとしている
カナダパスポートで入国していると思われるのに、この「在留資格を認めない」状態とは?
カナダ人として一時ビザで日本入国。介護で滞在が長引き、有効滞在期間90日が過ぎるか「オーバー・ステイ」状態になりそうな状況になったのではないか?
カナダ人が日本に合法的に滞在できるのはtemporally で90日。ワーキングホリデーで12か月とある。

90日が過ぎてオーバーステイになったら、日本を一度出国すると、カナダパスポートでは日本の再入国ができなくなる、と思う。

推測:そのような状況を恐れて、彼女が自治体に問い合わせたら、日本国籍喪失届を提出していなかったので、日本の本籍はintactで彼女は日本人であるとし、のでカナダ人としての在留資格は認めないと返事があった。では安全のために日本パスポートをとっておこうと思う。―おばちゃんなら。

問題3)合法的な日本の滞在資格をえるためだろうか、女性はその後法律上の手続きなどはすべて履行した(ここ重要)となどと訴え入管が「特例措置」として女性の日本国籍を認め特別在留資格が与えられたーー

この「法律上の手続き」とは何か。これが一番の問題。記者はなんでこの法手続きの内容を書かないのか?
シナリオA)この法律上の手続きが、日本国籍の確認である場合、
カナダ国籍があることは触れずに、日本国籍の確認と主張をした場合、カナダ国籍も失効しないが、記録上オーバーステイがあってカナダパスポートでは再入国ができない可能性が残る。

シナリオB)母の状態が悪くカナダ国籍放棄を決めた。法に従ってカナダ国籍を放棄した。

この問題は)に関係する。ーー5海外への自由な渡航ができない状態となっている。

問題5)自由に渡航できない状態とは具体的に何か?
シナリオAではカナダ国籍は有効でパスポートも有効。名前と性別を変えない限り海外でのパスポートの更新は簡単だそうだ。ただし、いったんカナダパスポートで出国すると日本再入国が不可の可能性が残る。
シナリオBではカナダ国籍は放棄したので日本国籍しか残っていないが法務省が日本国籍は喪失したというので無国籍状態でどの国のパスポートも取れない。

◎さて、いったいどのような法的手続きをとったのか、記者さんそこんとこが大事なのに!
彼女はオーバーステイのカナダ人なのか?それとも無国籍者なのか?

二つのパスポートを持つのは活動の利点がある。選択肢が増える。
2つのパスポートを持つ日本人がいるのは否定しない。
この記事は実はもう一つの問題をも提議する。

海外に移住するのは30代半ばまでの年代が多い。移住して永住権を取った時点で親はまだ元気だ。帰国していつでも会える親は親!と思っていたのにある日突然知らせを受ける。
親や親が亡くなって残った兄弟が倒れる。

帰国して1か月滞在し施設に入れる人。
兄弟姉妹でひと月交代で日本に帰国し介護する人。
アメリカ市民権を取り親の永住権をサポートしてアメリカに呼び寄せる人。
永住権をあきらめて家を売り、日本に永住帰国する人。
親の介護は兄弟に任せ介護費用を仕送りする人、あるいはバックレる人。


50代になると様々な海外在住の日本人が国と国籍を挟んで介護問題に奔走していた。
日本国内だって、親の住む実家から新幹線の距離に引っ越す、職をえてあるいは結婚して他県に移住すれば、親の介護で同じ問題が起こる。海外の場合はさらに国境と国籍の問題が絡んでくるのだ。

記事の否定的コメントには二つの国籍をもって「ずるい」「いいとこどり」も数多くあり、「親の介護があるのに海外に行くなんてそもそもあり得ない」と。このコメントは正直おばちゃんもコタえた。移住したときは親は元気だったのだよ!遊びに来るのを楽しみにして。

日本の入管と法務省はすべての出入国の記録を持っている。
日本を出国した記録がない日本人が海外から入国する。日本に入国した記録がないのに日本人・外国人が日本を出国する。これらの出入国に整合性がないと2重国籍ではないかという疑いをもたれる

基本、入国した時と同じパスポートを出国に使う。それができなくて2つのパスポートを使ってしまった場合は、最後は入管で止められ、ちょっとこちらへと別室に呼ばれあなたはもう一つパスポートを持っていますね?とやられることになる。日本のマイナンバーカード取得が進んで、2重国籍者もいずれ腹はくくらねばならない。

人の数だけ解決法は違うと思うが、彼女の場合はカナダ市民権取得の時に日本国籍を放棄しておけばよかったかもしれない。元日本人の外国人が日本の「永住権」を取得するのは簡単だという。元日本人だから。
カナダ人の永住者として日本で暮らせる。ただし、法的に親権者とか保証人としての手続きは難しいかもしれない。最後に、彼女の職業:大学教授は一体どちらの国の職なのだろう?4年カナダを留守にして、職が安泰なカナダの大学があるとは思えない。日本の大学なら日本人として就職したのだろうか?すると介護が終わった後カナダに帰国する意思はまだあるのだろうか?
この裁判の結果を注視する人は多いだろう。

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アメリカの年金をもらうー3

現在アメリカで生活していてリタイアの満年齢はまだ先。
このままアメリカに永住するかどうしようかな?と漠然と考えている人がいるかもしれない。

日本の両親が老いてきたとか、様々な理由で日本への帰国があるかもしれない人に補足として年金の追加情報を書いてみる。

おばちゃんはがっかりしたことが一つ。
それは年金を円かドルのどちらで受け取るか
ドルで受け取って為替レートの良い時に円に換えていこうと思っていたのだが、日本定住を決めた場合は円受給になる。

日本国内の銀行で地上店舗がある銀行で円として受け取る。これが原則ルール。
おばちゃんはみずほにドル口座があるが、為替レートが1$1円で高いので、おじちゃんには楽天でドル口座を用意したのに(1$0.25円)日本国内ならドル口座はダメなんですって。地上店舗がないオンラインだけの銀行は円受給もダメだそうだ。
がっかりだ。

先に帰国した知り合いがドルで年金を受け取っているのである。
ただし、これは解説が必要。
夫婦は40年以上アメリカ暮らしでリタイアして年金手続きをした時もまだ在米中だった。長年使ってきた銀行は日系銀行で年金の受給も日系銀行を指定した。それから帰国した。なんとこのU銀行は日本の住所までステートメントを送ってくれるという。ホントに?!

この二人の永住権はむか~しのExpireがないグリーンカードである。銀行にはしばらく日本に滞在するけどアメリカと行き来すると説明してあって、Aナンバーは失効することなく毎年2月過ぎにTax Returnに米国に帰って申告する。入国する空港で別室で2時間は質問されるそうだがグリーンカードが失効しないのだから安いものだと思う。

日本の生活で年金を引き出すときは郵便局が一番為替レートが安い。ただしATM一回の引き出し金額は$400ドル5万円に制限されている。コロナのせいで入国制限があった時はかなり焦ったようだ。

日米を行き来しつつリタイアという場合には不可欠なものが一つある。
Wifi電話だ。アメリカのさまざまなサービスでアカウントを生かしておこうと思うとアメリカの電話番号の電話がいる。一番安いもので$10前後だ。アカウントの認証が電話に送られるからこれは必須。

おばちゃんも帰国前に一台契約しておけばよかった。何百回も後悔した。

さてめでたくアメリカの年金を毎月受給できるようになったら定期的に送られるStatus確認のnoticeは確実に返信すること!と大使館の担当に念を押された。返信がないと年金を止められるという。また、受給の銀行が合併などで名称が変わってしまうと送金が迷子になってしまうことがあるので合併がない銀行にしましょうと、これはアイ子ちゃんからの忠告だった。

元駐在員で長ければ7年の勤務。年金受給資格の10年に満たないから年金が無いと思うのは早い。日米年金協定で2国間で勤務をする人が10年の資格年数に満たずに不利益を被らないように、10年以下の勤務であっても納めた金額に応じて出る。

お向かいのおばちゃんも夫婦で7年NYだったけど毎月受け取っている。
おばちゃんのご主人は駐在の激務からか早くに亡くなってしまった。代わりにおばちゃんはご主人の年金を受け取っている。日本の遺族年金のように3割以上減額などというケチ臭いことをせず、アメリカは配偶者が亡くなってしまった時、自分の年金か配偶者の年金かどちらか額の大きいほうを選んで受給できる。

連邦年金を受給する場合は確定申告をせねばならない。
おばちゃんは帰国した次の年からず~とオンラインで確定申告をしているがTax Returnよりずっと簡単だ。リタイア後は年末調整とは無縁。払いすぎた税金を取り返すのは確定申告しかないのだから、ふるさと納税や医療費の領収書を集めておいて税金を取り返そう。確定申告だけが唯一のチャンスだ。

Notice Of Awardが届いて送金が始まるという。 NOAなんてもらったことがない。晴れがましいものいただいたことがないから早く見てみたい。

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アメリカ大使館年金課の担当は有能であった。
多分英語で仕事をしても有能であろうと思われる人である。

病気などの場合は優先順位をプッシュするそうだが、申請書類がアメリカ側に回ってしまうとプッシュの効力がどのくらい効くかは不明だそうだ。やらないよりまし。

アメリカの年金も女性に関しては2重構造でちょっと解説が必要なのだが、実は“専業主婦?配偶者年金”というのがある、アメリカでも。
働いて年金を納めるわけだが働かない主婦=配偶者としての年金がある。資本主義先進国で一昔前の封建時代の名残のような機構だ。

アメリカの女性で働かず夫の配偶者として暮らす女性はほとんどいないと思われるが、年金を受給するときに自分の就労年金か“夫の就労年金の半分“かどちらか選ぶことができる。

出産や育児でどうしても女性は離職・休職・退職することがあるから年金を収める期間が減りそのハンディキャップを補うために残してある制度かもしれない。

おばちゃんはコンピューターを教えていた時期と起業しておじちゃんと自営をしていた期間があるので、就労年金と配偶者年金とどちらか好きな法の支給を選ぶことができる。摩訶不思議。

配偶者年金は配偶者の(おじちゃん)半分の額。こちらのほうがおばちゃんの就労年金より多い。日本の大使館で受け付けてアメリカのSSに送られてから実際の年金の振り込みがあるまで6か月ほどかかる可能性があるらしい。あいや~。

ところが就労期間10年にほんのちょっと満たなかったおばちゃんの就労年金は、早ければ来年から支給の可能性があるという。一旦就労年金で受給しておじちゃんの支給が始まると同時に配偶者年金に切り替えることが可能らしい。なんというフレキシブルな。
ほんとかいな。おばちゃんの頭にアリスの穴がチラチラする。アメリカの役所でそんなスムースに切り替えが行くかな?

一旦国外に住所を移した後は、その国の大使館年金課が窓口になるらしい。
何かトラブルが起こって、年金が停止されるような事態になった時に米国SS事務所に手紙を出してもどうにもならないらしい。大使館で処理することになるので何かの事態が起こった時のために身近の親近者に年金情報のコピーを渡しておいてくれと言われた。

おばちゃんたちはオンラインのMySSのアカウントを作ってあるのだが、担当者によると住所と電話番号が米国以外になったときに、日本からのアクセスが不能になる可能性が高いといわれた。DMV局はVPNソフトをかませせるとログインできるので、MySSもログインが可能かもしれないが、おじちゃんのアカウントはパスワードを忘れてロックされてしまっている。今更ロックを解除したところで意味はないので何かあれば大使館窓口に言ってくれと。

Medicareは申請資格があるそうだが、米国外でのサービスをカバーされないので無辞退する。グリーンカードは帰国2年後にExpireした。
Visa Weaverで入国すればいいので今後は米国に住むことはもうありませんと言った。これでAナンバーも失効するのだろう。

ああ、なんだかアメリカと繋がっていたドアがどんどん閉められていくようだ。

ただ、目標は明確になった。
目標!6か月後には配偶者年金を受け取る!

おばちゃんはコケにされた時など怒りで一番元気が湧いてくるタチである。
年金局がコケにしてくるわけではないが、コロナでめちゃくちゃになったお役所仕事が長引けば、おばちゃんは受給する前に死んでしまうかもしれん。それは腹が立つ!
6か月後だろうがとにかく受給するまで頑張る。もらわずに死ねるか。

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