米国留学 F1―先の闇

昨日買い物のために山を下ったらふもとに早咲きの桜がすでに咲いていた。
そういえば、去年の5月には、再び桜は見られないかもしれないなと思っていた。桜は見られた。来年はどうか知らんが。

日本社会は閉塞感が満ちている。悲しいことだ。
海外脱出日本人が過去最多だそうだ、留学生は減っているのに。
出稼ぎXXとか、LAXで若い韓国女性が止められたのはリーマンショックの後だった。いまは日本女性がやるわけか、。

おばちゃんは、海外・留学・移住・進出に賛成。若者は世界を生きてみるべきと思っているが、火事場的な脱出をしても身につくものはなく、かえって将来を誤ると思う。

若者が自らを袋小路に追い詰めることがないように書いてみる。
海外移住するなら、ビザはまっとうに取れ。
不法就労、オーバーステイになった瞬間、その国での未来は閉ざされる。ビザ、就労許可証というのは日本で育った日本人が考えるよりず~っと重大なライセンスである。ビザを持っていなければその国で息をしてはいけない。

アメリカを例にすると、
まず留学生ビザを取る。ちゃんとした学校からI-20を取れ。この学校の選択を間違って留学生商売で生きている語学学校のI-20をとると、学力不足でカレッジやユニバーシティにトランスファーできずアメリカで沈没することになる。

自分に何の才能があるか、アメリカでも日本でも大学を卒業後「食って」いける職業ゴールを定めよ。アメリカはSTEM Science, Technology, Engineering, Mathematicsを専攻する学生は大事にしてくれる。国の発展の基礎になる資源だから。
医療はねらい目だ。看護学校はしんどくてクラスメート同志で泣きながらテスト勉強してたと逸話も聞く。看護師免許さえあれば永住権への道も開かれている。

富裕層にとっては海外移住は簡単である。
資金さえあれば金で買える永住権があるからだ。今の日本、今の自分たちを何とか打破したいそのために海外渡航を考える普通の人たちにとっては、金で買える永住権は残念だが手に届かない。まっとうに努力してまっとうに移住のチャンスを狙う。その場合はSTEMにチャンスがある。

Yahooのコメントに「うちは夫婦高所得なので、子供の教育のために海外移住を考えています。」があったが、おばちゃんは「高所得」で引っかかった。「所得」が「勤労所得」なら海外移住は、日本での勤労所得を捨てることである。ツテも縁もない外国に移住して、移住先で収入がなければ貯金は蒸発する。

または、能力が高ければ、海外の日本企業の求人に応募してビザをサポートしてもらう狭き門もある。配偶者の就労ビザがついているかは定かではない。また雇用してくださった会社がビザを持っているのでビザの奴隷。会社が床掃除をしろと言ったらする。靴を磨けと言ったら磨く。首になればビザも消滅する。


夫婦と子供が移住するには、富裕層でなければ、日本の企業の駐在で派遣されるばかりだ。夫婦が高所得だけでは外国の就労ビザの壁が突破できない。

とりあえず留学生ビザで渡航して生活資金は何とかなるだろうと思っている人は、なんともならない。
留学資金を貯め、ビザを取り、学校を卒業し、就労ビザか永住権を狙う。
現地に住めば生活費を稼ぐ仕事があるだろうと思うかもしれないが、不法就労を雇うと雇用主に罰金が科せられるのだ。

おばちゃんが人を雇ったときは面接し、彼・彼女のSocial SecurityナンバーをW4フォームに記入してペイロール会社へ提出するする。ペイロール会社はSSナンバーを照会して異常があると返信してくる。


「SSナンバーが照会できませんでした、あるいは存在しないSSナンバーでした。雇用してはなりません。」メキシカンなどは偽造したSSカード(マイナンバーカード)を出してくるので油断がならないわけ。

留学生や就労不可のビザだとSSナンバーがそもそも取れない。
おばちゃんの会社のペイロールに乗せることが不可能なのだ。雇えない。

それでも闇で不法就労を雇って給料をだして、それがバレた場合は、不法就労ひとりにつき罰金が$5000である。2度目にバレれば2倍の1万ドルになる。そんな危険を冒すよりは、すでに永住権を持っている在住者を雇う。

渡米して皿洗いでもすれば稼げるというのは戦前の話。去年のニュースで、ニューヨークのレストランで年収20万ドルで皿洗いを募集しても人が来ない、というのがあったが、ビザなし、就労許可なしの不法滞在は、皿洗い求人に応募する資格さえない

ここからは今まで書けなかったアメリカの日系社会の闇の話。
KK問題でF1ビザの問題でF1が失効したらその先は闇、、、と。

密入国のメキシカンが合法的ビザや就労ビザも持たないのに、アメリカ社会で道路工事や日雇い労働で生きている事実がある。同じようなことを日本人同胞がやっているとなると、できるだけ目をそらし、知らなかったことにしたい。

滞在できないはずの日本人が米国内に生息していて遭遇することがある。
どうしてそうなった?

周囲の話をつなぎ合わせると、留学ビザF1かあるいは観光ビザで入国してきた。I-20を発行する語学学校は、先生も日本人なら生徒も日本人。日本国内の英語学校と何ら変わりなく授業の内容も退屈。出席しなくても学校側はビジネスだからうるさい警告はないし、なんとなく学校に行かなくなった。

そこで気が付けばI-20をキープしている限り米国内滞在は合法であった。卒業をしなくても大学にトランスファーしなくても語学学校に在籍して1-20がある限り就労は不可だが違法滞在ではない。


英語学校は1-20を授業料という名で売っているのである。1-20の授業料を払い続けることがアメリカにいられる保証になって、卒業や目的がなくなってもずるずると滞在を続けてしまう。

一度出国すると、再入国ができるかどうか危ういので日本の親が病気でも一時帰国ができない。4年5年たっても事情は変わりないので、思い切って親にはハワイに出てきてもらう。ハワイなら親に会える。

目的意識が低く流されてしまった人はついにF1も失効し、1-20に払う金さえも窮してビザを失ってしまう。ID=運転免許証だけはあるので生活はしている。完全違法滞在者というのが生息している。1-20だけというグレーゾーンの留学生崩れも生息している。
ただし、米国を出国してしまうと、2度と入国できないので日本に帰国する決心もつかずずるずるとその日を送っている。

なぜか、みな故国日本には帰りたくない。
今更日本に帰ってもしょうがないと言う。アメリカにいる方がそのうち何かいいことがありそうな気がする。アメリカにいられる、アメリカに居るというのが目的になる。

非合法の身分から抜け出す方法は、男なら一発逆転は大統領の恩赦。若い女ならアメリカ人男性との結婚。

非合法のままずるずると何十年もアメリカにいて、まともな職もなければ資格も取れない幽霊の状態のままガンになって最後は知り合いの日本人の世話になって亡くなった方もいた。

今日、円ドルレートは130円だ。
たとえ日本の貯金がそこそこでも海外移住にベストな時ではない。ビザの壁は高くアパートのレントも日本の倍に届こうとしている。

今は準備の期間だとしよう。
バネは矯めれば矯めるほど程、跳ねる力が大きくなるから。何だったら食っていけるか、自分の能力を伸ばすために海外に移住してみよう。

くれぐれも自分なんか探しに行くな、そんなものは外国の地面におっこちていない。
自分は自分で変えていくものである。

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mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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