海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。

胆のうがん もうすぐ3年

裏山を箱根・仙石原に向かって車を走らせていると、アイ子ちゃんが
で、そのご体はどうなの?とストレートをかましてきた。

ん~、今んとこはガンマーカーも上がってないしCTの画像に怪しい影は見えないよ。
術後一番危険な2年は過ぎたね。

なぜか最近の検索で調べると胆のうがんステージ2の5年生存率が60~65%に上がってきたのよ。手術前後は同じガンセンターの統計で生存率が27%~30%だったのにさ。

これは治療率が上がったというより、統計の集計例が変わったんだと思う。
胆のうがんはもともと症例が少ない。患者数は年間で1万7~8千人で治療する病院がすべて統計をあげてくるとは限らないしね。
10年の生存率はChatGTP もGeminiもほとんど同じ文面で、気の毒ですがステージ2の10年後の予後は3割を切ります。詳しくは専門医にお尋ねください。と返答する。

ウチのタヌキ主治医はというと、自分の切る年間の胆のうがん患者は10~12例しかないのに、(病院のウエブの肝胆膵 外科における治療例にはちゃ~んと患者数が載ってる)

先生の患者の転起は?生存率は?とおばちゃんが一度聞いたとき、
あ~~、僕わかんない、切るだけで精一杯。術後の転起まで追っかけてらんない。とはぐらかされたしねぇ。
な~にがわかんないだよ、年間10人しかいないのに

このタヌキ主治医は患者が一番知りたいことを一番教えたくないのだ。
理由は明白:そんなことを知ってどうする?と。

もうすぐ外科部長という肝臓・胆嚢・膵臓のプロは、数百人の症例経験があるわけだ。
胆石のつもりだったのに切除した胆嚢は、機嫌の悪い灰色の髪を振り乱したフジコ・ヘミングウエイみたにおどおどろしく、病理に回したらガンだった。

ガンの分化度と悪性度の報告を受けて、おばちゃんを呼びだし、メスをもって腹を再度開いて肝臓とリンパを切除し、胆管、十二指腸その他臓器への浸潤はないか転移の見落としが無いか、この人が自分の目で確かめたのである。

検索をかければネットにはガンの外科医のリポートが転がっていて、ガン切除の予後は自分の経験では患者の筋肉量が物を言うと述べてあった。末期がんになると予後の“長さ”は脂肪量に比例するそうである。

おばちゃんはタヌキ主治医がキライではないので生存率を問い詰める気がない。

――腹を開けた時の感触でいうと、んまあ5割くらい行けんのと違うかな?10年はどうかな?う~ん、あくまでカンみたいなもんだし、そんな事患者さんに言えるかいな。――

てなところだと思う。正直に言ってそれでどうなるという話である。患者さんは幸せになるのか?という話である。

患者にとって幸せなこととは何か?
おばちゃんが最初の内視鏡で胆のうを切除した後は、これで痛みに怯えることなくヤマザキの雪苺娘を好きなだけ食べられるから、憂いが無くなり幸せだった。
3週間の間は。
この時が一番幸せだったわ。

術後3週間目のフォローアップで、切除した胆嚢がガン化していたから再度開腹して肝臓の3分の1とリンパを切除すると言われたときは、世界がガラガラ崩れた。

世界が変わってしまったのでおばちゃんのライフ・プランもAとプランBの2頭立てとなった。以降2頭立てのママである。とりあえず緊急性も無く苦痛も無い時期が長い方がシアワセではないか。知らない時間がよりシアワセな時間であるよ。

2週間前はCTと血液検査だった。
CTは撮ったイメージが外来のコンピューターに回るまで2時間以上かかるのだが、意外に早く診察が回ってきた。最近は待合室で呼ばれるまでの間にあまりドキドキしなくなった。

血液検査を手に取ると、CAとCEAのガンマーカーは正常、貧血はなし。栄養失調も脱出。あ~、数値はOKみたいですね。とおばちゃん。

すると、主治医が、あれ、そういえばCT撮りましたっけ?今日。CTだ、CTだ
と机のモニターをスクロールする。おばちゃんの腹の輪切りが猛スピードで上下する。

そんなスピードでは怪しい数ミリが見つからんだろうと、おばちゃんは内心思いつつ

いや~先生、CAと CEAとこないだの Dupan とSpanのマーカーも異状がなかったんでしょう?だったら大丈夫でしょ?
だって、病院のCTの画像度は3ミリ単位でおっしゃって、すると3ミリを超えて成長した細胞じゃないとCTに映んないだから。だから映るくらいに成長している4ミリの転移があれば、4つのガンマーカーのどれかは異常値がでますって。

するとタヌキの主治医が、そういわれるとそうなんだよな。ん~、じゃあ今回も逆流性食道炎の薬を出しますか?と聞く。

先生、それがですね、私ここんとこ腹筋を鍛えてまして、ある程度腹筋がついたんですよ。
そしたら、なんと!胃液の逆流がすこし収まったんです。
先生に聞きましたよね、胃の括約筋を鍛える方法は無いかって?
胃自体はやっぱり無理ですけど、胃の上に筋肉をつけたら胃液の逆流がすこし収まりました。

へぇ~?!そう?

おばちゃんが腹筋を鍛えているのは、ガンの再発を防止するためではなく下っ腹が出てしまってジーンズがぴしっと履けなくなるのがイヤなのである。ジーンズの流行はローライズからハイライズ、ミッドライズに復活してきて、一番好きなブーツカットをまたかっこよく履きたいというのが一番の目標である。カッコいい婆さんになるのだ!

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日本で生きる

そろそろなんとかせねばならんと感じてはいた。

山の家に暮らして今年の5月で満8年になる。

去年のカリフォルニアIDの更新の時はReal IDに切り替えるのが不可能だったので従来のIDを更新した。4年先の更新はもう無いなとは観念した。

永住権は大使館に年金を申請するときに放棄した。
だからLegal Alien の身分証明ができない。California のReal IDの取得はできないのだ。

いずれ米国のすべては切っていくことになるはずだったのだが、それとも8年はよく持ったというべきか。
将来、米国に入国するときは、ESTAを取ってツーリストとして入国する。

アメリカに帰って、イヤ、行って何をしたいかと言えば、今更何かを成し遂げることは何もなくて、ショッピングをしてラスベガスでショーを見る・・くらいかな。
アメリカサイズ丈のジーンズとパンツを死ぬまでの分買いまくりたい。

Amazonでアメリカ製を買えばいいではないか、と言うかも知れないが、おばちゃんは日米Amazonのアカウントのお守をするのがもう疲れた。

Ebay Paypalもアカウントを日米2づつ管理するのが面倒くさい。当分ドルはひどくは下がらないだろうから、お買い物のドルの支払いはキャンというほど身に染みる。もういいや、支払いは日本のカードだけで。

困るのはMicrosoftのアカウントである。
今や、アカウントはみんな紐つきになってしまった。アメリカでOfficeを使っていた時はサブスクリプションなどまだなかった時代だったが、今はソフトはアカウントからサブスクリプトする時代である。

問題は使っていたおばちゃんが国をまたいで移住してしまったことだ。

移住した後でもアカウントは米国にひもづけのまま、支払いも米国に紐づけドル決済。ドルが120円くらいまでは、ドルで払った方が日本のライセンスを買うよりず~と安かったのだ。
Officeの2年のライセンスが66ドルだったし、Photoshopの1年ライセンスは日本の3分の2だった。やってられっか、って日本料金!

ところが、MSはサブスクリプションを自動更新にしてくれたので、おばちゃんはライセンスの更新などすっかり忘れ気が付いたらドルは150円を超えてドル高で同じサブスクリプションの支払いは日本より高くなってしまった。

これをどうするか、。
MSのアカウントの住所は米国、メールも米国、支払いメソッドも米国。ほっておくと今年の5月に自動更新で日本金額より高くなってしまう。円を送金するのも面倒だ。

まず、日本住所を追加した。日本のカードも追加した。サブスクリプションの自動更新を止めた。しかし、MSアカウントのページには、次にサブスクを再開するなら99ドルと提案される。
あかん、国の紐づけが外れていない。日本のカードで更新すると多分米国のサブスクリプションをドルで買うことになる。困る

オンラインチャットで相談。
こんな案件は普通じゃなくて、MS専門窓口に回された。夕方6時近くだったので時間切れ。5月にOfficeが切れる前に紐づけの国を変更せねば。

日米と言わず国をまたぐと、制度の隙間で得なこと、便利なこと、規制が及ばない事象がそこここにある。しかし、これらの制度の網が今や急速に狭まりつつある。
多重国籍者や国をまたいで暮らす人間の出入国、パスポートや銀行口座や租税情報や、それらの隙間人間の情報を国同士で交換する体制が密になりつつあるのだ。

マイナンバーカードの紐づけへの圧力はまぎれもない規制への第一歩である。先月には大手の銀行Rが海外からのオンラインバンキングを停止した。
住民票を抜いて日本の非居住者になると銀行口座の凍結がされてしまうが、住民票を抜かずに国と国を渡り歩くことは可能だ。ただ、国としては好ましくないのでマイナンバーで非居住者をあぶりだし、情報交換で居住国に通報するということもやるようだ。

ヨーロッパ居住中の日本人が突然居住国から日本の銀行口座はありますね、申告せよと通知が来て、申告をしたところ無申告のペナルティを含んで莫大な罰金が来たという。
どう考えても日本国がヨーロッパ某国に通報している。

米国のTax Returnにも国外に資産はありますか?というチェックボックスがあった。国外=日本に銀行口座があり居住実態があるか、無いか、残高が増えたりするとそのうち決意を迫られることになるかもしれない。

4月にはおばちゃんが原告の一人クレジット集団訴訟がホントにホントに最終の結審+賠償金の支払いが始まるらしいので、それを受け取った後は日本に紐づけ一本で行こうと思う。
私は日本で生きる。

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コタツムリ 再び

また、コタツムリになってしまった。

10日ばかりコタツに居ついている。
朝起きてコーヒーを入れてコタツに入り、人をダメにするソファによりかかって、コンピューターでニュースを読みLine,動画チャンネル、Netflixを見る。夜12時になるまでコタツ。
コタツを出るときはトイレかキッチンでお茶を入れるとき。1日の歩数は多分100歩内と思われる。
だって、外は寒いやん。

山の知り合いは、ここの冬は寒すぎる。もっと熱を!と犬を連れて沖縄に避寒に行ってしまった。気温20度のビーチを犬と散歩する写真を送ってよこし、沖縄は僕にとって人生の楽園です。おかげで血圧も下がりましたと言う。

それはよかった。
おばちゃんは面倒くさい移動はまっぴらごめんで、動画のチャンネルなら世界どこでもワープできるし、寒くも暑くも疲れもしないのでごく幸せである。
コタツはおばちゃんの楽園である。

2月の終わりになれば、花壇の土を掘って天地返しをし、たい肥を入れお花の植え付けの準備をするので、コタツムリはそれまでの待機所。

ただ、体のあちこちがフヨフヨになってきた。
おばちゃんは昭和の長身、166センチ後半・・現役時代は。ただし、2センチ縮んだ。BMIは長らく20以下を保っている。
3か月ごとの血液検査では総蛋白が基準値以下で、主治医からは栄養失調と言われている。肉や魚のごちそうは頂いているのに、消化と吸収に難があるらしい。

そして、体重は減りもせず体脂肪量だけが増えた。34.7%に達するに至って、おばちゃんも危機感を覚えた。筋肉が溶けて脂肪に置き換わっているのである。やせ型の隠れ肥満

なんや~これ。サルコペニアと違いますか?
寒いから散歩はしたくない、でも脂肪は何とかしたいそれも下腹の。
そこでおばちゃんは考えた、脂肪を燃焼させタンパク質の吸収をよくするサプリはないか? ありました。

オリゴ糖でできたサプリで腸内環境を整え、タンパク質の吸収を助ける。ただ脂肪を燃焼させるには運動が不可欠である。外に出るのはイヤでコタツで動かないおばちゃんがどうやって運動をするか。

できるのである、腹筋が。
人をダメにするソファに寄っかかったまま膝を立てて軽く上体を起こす。全身を寝た状態からおきあがる腹筋をするより、よほど効率的だ。腹筋と言うより上体起こしと言うべきかもしれない。

Netflixを見ながら一日400~回くらいの軽い上体起こしをする。おかげで若干腹が締まってきた。1月の血液検査ではアルブミンがかろうじて最低値に盛り返した。
なかなか、やっては見るもんである。
暖かいし、外に出なくていいし、腹筋もできるし、コタツはおばちゃんの楽園である。

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おばちゃん、悶絶する

楽天クレジットカードの12月分請求が来た。
なんじゃこれは?と、金額に悶絶した。

ささやかな年末年始の準備をした。しかしながらインフレのため膨張した家計をぎゅーっと引き締めたのである。にもかかわらず、先月より5割増し。こっそりSHEINで何やら買ったけど送料無料に毛が生えたくらいのはず、。

はて、?
もしや、12月、レンタルサーバーの更新料では?
そういえばWordpressのためにレンタルサーバーを借りてまる3年になるはず。最初のサインアップで3年、分確か500ドル以上かかった。あれから世界的なインフレである。まさか同じ金額であるはずがあるまい。1割か、いや2割は上がっているはず。そこにドル高が・・・・。

楽天ナビでチェックしてみるとそのまさかのホスティング更新料でおおよそ800ドルであった。そこにドル為替が乗ってデスクトップが一台買える金額になっていた。

現役時代から使っていた海外サーバーでもう一つWordpress用のドメインをセットした2021年の年末、楽天はカードが日本国外の使用と言うことでストップが入ったものだった、が。
ひょっとしてまた楽天がカードを止めにくるかな~とゆるく期待してて、その時は忘れずに更新料をチェックしなきゃと思っていたのだった。うす~く。

ただ、あの時カードを止められた楽天に電話して、あたしはアメリカで仕事してたし、サーバーはずっと海外だから止めてもらっちゃ困る、とくぎを刺した。その釘がよく効いたものとみえる。とほほ。

おばちゃんは庶民なので、これだけの金額を払ったサービスを使わずにほかしておくなどともったいないことはとてもできない。
去年はほとんどブログをお休みしてしまったが、再開しようと思う。

胆のうがんが再発して、とっくにあえなくなってしまったとお思いの方も、もしやいるかもしれないが、今のところCTもガンマーカーも異状なしである。
去年から今年様々なことがあったが、ゆるゆると書いていこうと思う。

2025年、節分の鬼が笑いそうな2月になってしまったが今年もよろしくお願いいたします。

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新NISA IDECOは止めろって言ったのに

2024年、経済はソフト・ランディングどころかクラッシュ・ランディングの年だから新NISAやIDECOは止めろって言ったのに。
来月9月18・17日以降には恐慌の本番が始まる。地獄の釜が開く

2020年以降、COVID-19により南カリフォルニアCOカウンティだけで30万人が犠牲者となった。小都市が地上から完全消滅したのと同じ規模で人が死んだ。

日常の買い物さえ制限され、フードサービス、旅行、ホテル、エンターテイメント、商業用不動産業界、小売業界が絶滅の危機に瀕した。おばちゃんの同業者が、従業員が、友達が、知り合いが、崖っぷち経済のさ中でアップアップしてたのだ。

おばちゃんがOCで起業した小売業をたたんで帰国を決めて、伊豆の山でぬくぬくしてることは、アメリカのニュースを聞くごとに罪悪感とともに安堵を感じて感情は真っ二つになるのだった。

米国政府が繰り出す救済政策とおぼれるラットたちは死に物狂いになって、生き延びるものは生き延びた。しかしタダではなかった

延長された失業保険や給付金がタダで天から降ってくるわけがない。いずれタダでもらった給付金はタカイタカイ利率をつけて取り返されるのだ。
バブルに沸いた株を押し上げたのはまわりまわった政府の救済金である。

その裏で米国政府の借金は日本をはるかに抜きさり世界一となって、「月の利払い」だけで日本の「国家予算」と同等までの金額に膨れ上がった

景気がいいわけあるまいが!
経済層のうわべだけが狂乱しているだけで、庶民から中産階級までがらんどうの青息吐息であったろう。
日本のメディアは目先の株価だけを報道するだけで、経済指標の内容を詳しく報道していない。
アメリカ経済は堅調。ところが、クレジット残高は史上最高だろうが、、って。

もと従業員からメールで「美紀さん、時給は18ドルですが景気はすごく悪いです」とメールをもらった。時給18ドルで小売りのビジネスモデルを組み立てるとしたら商品の売値は3倍上げるしかない。3掛けした値段をみて商品を誰が買うのか?万引き、強盗が頻発して1000ドル以下の被害ではポリスも来ないという。そんな世界でどうやったらビジネスで利益を出すのか。

アメリカの経済活動GDPの7割は国民の消費だ
つまりアメリカに住んでいる人間の消費が米国経済を支えている。この米国市民の懐が潤っていれば、経済は好調。懐が底をついてくれば不況の入り口だ。
懐=クレジットカードと考えればよい。

景気が良ければカードの残高は請求時に一括で支払われるが、限度額に近づいてくれば残高一括は無理で、支払いできる額だけと言うことになる。
一枚のカードが限度額5000ドルとすると夫婦で4枚くらい持っていれば総限度額は20.000ドル。夫婦のどちらかのシフトが削られれば2万ドルの限度はすぐ迫ってくる。もう何も買わない。ガソリンのため外出も控え、外食もやめ、特別な時のために隠匿してたキャッシュが出てくる。

買い物にクレジットを使うアメリカ人がキャッシュを使う現象は、金詰りの最終段階だ。クレジット売り上げ高と現金売上高の逆転現象が起こると、個人のクラッシュが始まる。

アメリカの小売業にニッパチという閑散期はない
代わりに4月はTax Return 申告納税期+前期固定資産税
9月のGo Back To School Month+後期固定資産税がある。

カードを切って暮らすキリギリスのアメリカ人にとって、4月と9月は地獄の月である。小売業を営んでいたおばちゃんにとっても9月は魔の月であった。一年で一番売り上げが低い。

異常に遅い客足に不信を抱いて業界御用達しの内装改装窓口にたどり着いたら、沢山の同じ考えの同業者と出くわした。2008年の9月だった。

来月の9月17日、18日にはFRBの会議FOMCがある
延ばしに延ばされてきた米国金利の下げはついに発動されるのではないか。ただでさえ金が回らない米国人に利上げは最終ブローになる。ドル為替はさらに落ちるだろう。
選挙が済むまで何としても経済を持ちこたえておきたかったバイデンは選挙から降りた。イエレンは決定した政策を発表するだろう。

日本円がどうなるか、そんなことはイエレンの知ったことではないのだ。FRBは米国のためだけに動く。

1ドル130円は30年に一度のチャンスだった。
140円は40年に一度のチャンス
160円は50年に一度のチャンス

つまりおばちゃんが生きている間に160円はもう2度とこない。

なんとかいうおじさんが唱えてる1ドル500円600円になる円の紙屑化という夢は、妄想だと思う。アメリカの不況立ち上がりは非常に速いけど、陰りが見えてきたドル威力には300円の力さえもうない。

petrodollarペトロ・ダラーという言葉をご存じだろうか?
petrol + dollarの石油+ドルの合成語である。世界の原油取引の場で決済の通貨はこれまで50年以上もドルが主流だった。ところが、サウジアラビアの王子は今年ドル決済の協定を延長しなかった。
その代わりの決済通貨はビットコイン、金である。

産油国であるロシアの原油決済は現在はルーブル、中国元、ユーロが使われる。これはウクライナ紛争で米国が制裁に反発した結果であるが、。

世界経済へのドルの支配には陰りが見られる。
トランプはバカだがずるがしこいので敏感にドル米国の支配低下を感じ取り、米国にビットコインを取り込もうと提案している。
基地じみているがわかりやすい策略ではある。

半年もブログのブランクがあって、なんで書き始めたかと言うとあんまり暑すぎるからである。
米国経済が危ないから米国株、ドル建てを始末した方がいいよって忠告してるのに・・・・
何もせず、ミキさんの言う通りホントに落ちたねとか、
落ちる前に言ったろう!チミは何にもせんのかぁ!? もう62歳だろう?死ぬまで塩漬けの株を持ってるつもりかぁ?

50歳60歳のおじさんがなけなしを新NISAに突っ込んではいけない。運用している時間がないやんけ。
バブルしてる株を最高値で買うな、その高値は30年に1度の高値で、生きてる間にもう利益は出ないから。
ドルを160円で買ってどうする?あとは下がるだけなのに?

いろいろ日本の人は不思議でならない。
本番は9月に来る。

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カリフォルニアで家を買うー不況の嵐

おばちゃんはニセ札を受け取ったことがある

自分でやろう少額裁判 アメリカで訴える1

テンのFIP闘病記 その後 オムツ

テンのタマタマの寿命はあと10日ほど。
術前の血液検査の結果も異常がなかった。生後2か月からテンを診てくれているクリニックの先生は、麻酔も術法もテンへの侵襲を極力抑えて去勢手術を行ってくれるという。

おじちゃんは毎晩寝不足である。
おじちゃんは目ざといので、夜中にテンがガサガサ不穏な動きをすると目が覚めてしまい、案の定テンはおばちゃんの靴下とか、おじちゃんのスリッパとかにスプレーをしている。おじちゃんは2時でも5時でも起きて、オシッコ付きの物体をお風呂に運びバケツに漬ける。

コタツ布団は丸洗いしたのに懲りて防水のテーブルクロスで覆い丈が足りないところはペットシーツで補った。おじちゃんの枕元とベッド下はペットシーツが敷き詰められている。

朝起きるとリビングにはおじちゃんのシャツや座椅子カバーが物干しからぶら下がっていたりする。バケツでまずすすぎ洗いをしてからタオル・雑巾洗い用に購入したミニ洗濯機で洗濯をして、人間用の東芝ザブーンで脱水をした後、自分で物干しに干している。

赤ん坊を布オシメで育てているお母さんは多分泣きながらうらやましがるのではないか。ウチにもそんな旦那が欲しいと。
これも息子のテンのオシッコの始末のためである。
おばちゃんは一度寝たら起きない。目が覚めている昼間はテンが怪しい動きをしたら、トイレに連れて行って「シー」と促す。希にしてくれる時もある。おばちゃんの役割はまるでオッサンのようだ。

先週の術前検査の時はおじちゃんはキャリアーにちっちゃな湯たんぽを用意していた。キャリアーにはマットが敷いてあるが保温性はあまりないから。
クリニックの先生に生後2か月の診察時に生き延びる確率は半々と言われたから、憤然としたおじちゃんが、なら俺が無事大きくしてやると宣言した。FIPから生還したのでオシッコしても生きていてくれるのがうれしいのだろう。

クリニックの待合室で待っていると、「ご自由にお持ちください」という棚があって、不幸にも亡くなってしまったペットための洋服とか、ペットシーツとかオムツがおいてある。

おばちゃんはワンコのマナーパンツSSサイズが気になってたまらず、看護士さんにワンコのオムツはオス猫でも使えますか?と聞いた。ワンコの女の子用だったら猫でもできそうな気がします。という返事だったので、「ご自由に」のSSオムツを一つサンプルで頂いた。

オムツさえしていたらおばちゃんのジャケットやソファや小物入れや卓球道具のバッグや、とにかく一時的に床に置いた全てのものがテンのオシッコの的になることはない。おじちゃんが夜中に起きて洗濯とお掃除をすることもないから。

それまでホームセンターのペットコーナーで猫オムツを指さして、一遍買ってみようと示唆するのだがおじちゃんは絶対ウンと言わない。テンにオムツをすると膀胱炎になりやすいってドクターが言ってたろ。

おばちゃんはオムツをそのままバッグに入れて忘れた。
オフハウスによって会計をしようと財布を取りだしたときにバッグからオムツが床に落ちた。
レジのお兄さんも床の物体を見た。

なんだか生理用品に似ている。65歳のおばちゃんは女性ではあるが必要な年齢にも見えないし、どちらかと言うと人間用のオムツが必要な年齢の方が近い。むき出しで落ちた物体の正体に頭をかしげるかも。
おばちゃんも、一瞬なんだこれは!と
そういえばオムツを入れっぱなしだった、と拾ってバッグに入れたのだが、。
レジ回りを不穏な空気に陥れてしまった。ワンコを飼っている人以外物体の正体がわかる人はいないだろうな。

ウチに帰ってオムツを猫タンスに置いたのだがその後行方不明になってしまった。おじちゃんがこっそり捨てたのかもしれない。

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世界は巨大な ケンミン・ショウー

アメリカでも日本のTV番組は見られる。
カリフォルニアではKTVという現地放送がNHKや日本の人気番組を放送していた。きわめて限られた番組数だったが。

その番組の一つが「ケンミンショー」で愛知県の名古屋人は鶏の手羽を食べるとき、ある裏技を使って一挙動に食べられるとか、別の県民の赤飯は甘納豆で炊いて甘いとか。サラダを寒天で固めて食べる地方とか。
地方での伝統習慣が実は日本・全国区でみると異習慣・本流ではないと諭されてショックを受ける地元ケンミン。軽い揶揄も入っている気がする、そんな習慣・風習は全国区ではないんですよ~と。
驚きうろたえる地元民を全国区の日本人が面白がって観る。

なかなか新機軸だった。おじちゃんもおばちゃんも毎週欠かさず見ていた。ただ受け取り方は若干違っていたかもしれない。十年も帰国したことのない日本は遠い国である。その遠い、多分この先一生訪れることがないかもしれない故国の一部で珍しい風習や言い方や言葉があると言っても同じ日本語を話す日本人ではないか。極地でも全国区でもエキゾチックな風習。

日本人にとってお正月は大事な神聖な祝日であったのだが、長年の外国暮らしでは正月はNew Years Day=年の最初の日。最大の祝日はクリスマスとサンクスギビングに変わってしまっていた。お正月の“神聖さ”は時間とともに蒸発していったのだ。日本の歴史と習慣に敬意を払うが、かつての正月の「神聖さ」の観念は今でも戻ってこない。

餅が四角いか丸いかで侃々諤々。
餅は丸いもんどすえぇ。雑煮は吸い物地だろう。こうあらねば正しい正月じゃない。
餅があるだけでましじゃない。餅がそもそもない世界もあるんだから。自分中心の世界観は世界の真実じゃない。

UTubeでは長年海外で暮らした日本人が帰国してぶち当たる文化のギャップとか人付き合いのトラブルとかを取り上げたチャンネルもある。帰国者の逆カルチャーショックね。

海外生活で変わってしまった常識が日本の移住先で軋轢を起こすわけだ。
思っていることを発言・主張して現地人を不快困惑させるとか。イエスかノーか詰めてくるとか、どこでも飲み物を飲むとか。頭は下げないとか。何が日本の常識かもう忘れてしまっているので自分の欧米化した常識で物を言う。

日本の常識が非合理的だと思うから「海外では」と言うと嫌われるらしい。「ではの守(カミ)」と言って。「XXXでは」と言えば、「XXX」に行けば?と内心思われているらしい。

雑煮の餅は四角い。
この辺では赤飯は甘いの!
わが社ではとか。
ではの守」は日本の隅々すべての場面にいるのに自覚がないらしい。ミクロがマクロを笑ってどうする。

固定観念と言うのは物差しが一つしかないことだ
「xxx地方では」というたった一つの物差しは、生息レベルがアップすると「日本では」と言う2つ目の物差しになり、「欧州では」「米国では」と常識と物差しの数が多くなり多様性が増えていく。

おばちゃんはアメリカで小売業をしていたから、お客はアメリカ人をはじめ、台湾生まれの中国人、香港系の中国人、韓国人、大人として移住してきたベトナム人、アメリカで育ったベトナム人、移民の2世、移民の3世、など様々な文化と人種と固有の物差しを背景にしたお客がいた。みんな好みが違う。

それぞれのお客の態度や交渉術の違いは、彼らの文化・社会の常識の違いだった。誰か一人の一つの常識だけが世界の真理でも正義であると断言できるわけではない。

アラブの正義」という言葉があるほど独特の常識と物差しはアラブ人がお隣に住むとよくわかる。
ある日、あまり話をしない隣人が突然自宅に来て、自分のごみが多すぎてゴミ箱に入らないからお前のゴミ箱を貸せ、と頭ごなしに命令したりする。Please という言葉も使わずYou shouldお前が貸すべき!と頭から言ったりする。移住したばかりだったので、アラブの物差しだけがあり、より人に支持されている物差しを学ぶ時間がなかったのだろう。

究極の真理というのはわからないが、支持されるコモン・常識というのはあるかもしれない。
より公平で、弱者の権利も守り、双方に理があり、合理的で広く支持されていたら、常識=物差しとしても定着しているかもしれない。

日本にも外国人が定住するようになった。
スーパー、リサイクルショップ、サイゼリアなどで見かける。多くは南米、アジア系だ。おばちゃんは日本人が非白人系の彼らをどのように思っているかは知っている。何故ならおばちゃんが米国移民だったからだ。

彼らの日本語には訛りがある。
ジョイスが「お前の英語は訛りがある」とアメリカ人から言われたときに言い返した。
「私は英語に訛りがあるかもしれないがそれは自国語をしゃべれる証拠だが、あんたは英語の他に何語がしゃべれるんだ。」
移民には2つの物差しがある。労働をしているからと言って必ずしも能力や知力が落ちるわけではないことを知っておいた方がいい。

物差しは多い方がいい。
いろんな社会の物差しを多く持っていれば、たった一つの常識にしがみついて笑われるということが無くなる。

日本の若者も地方から都会に出てより大きな物差しを学び、海外の違った物差しにも接しながら現在の閉塞している日本社会の常識を広げていってほしいものだ。

最後に「International」という言葉がある。
私は使わない。私が知っているのは米国人と中国人の友達と様々なx系の客の常識の範囲だけであって、世界に共通するInternationalっていったいどういう現象をいうのかいまだにわからないからだ。
日本人に英語を詰め込めば英語をしゃべる日本人ができる。インターナショナルになったわけではない

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65歳のピアス その後

病院で施術してもらったピアスはどうなったかと言うと、そろそろ5週間が経つという時、おじちゃんがお前再来週はCTスキャンの予定じゃなかったっけ?ピアスはどうすんだ、と言った。

そうだCTだった。ピアスを取らなきゃ。
おばちゃんは耳たぶのネジのようなピアスの頭を引っ張ったが痛いだけでミリも動かなかった。変。
おじちゃんを呼んでネジの頭を抜いてもらおうとしたがやはり、痛くて騒いだのでおじちゃんは怯んで手を引いた。

どうすりゃいいんだ。

ネットを調べると施術した病院で抜いてもらうか、ファーストピアスの取り方動画を見て取れとある。
買い物に山を下りた時、病院の前を通ったのだが駐車場は空っぽだった。土曜午前は診察日になっているはずなのに。

家に帰って「ファーストピアスの抜き方」動画を見つけるとおじちゃんに見せた。便利な世の中で助かる
ピンセットが有能らしい。
おじちゃんが動画学習をすませておばちゃんの眉毛抜きを使ってピアスは抜けた。

ちょっと早かったようだった。
ピアス穴からまだ浸出液がにじみだしていて傷口が完全に癒えていなかった。しまった!このまま何も入れずにおくときっと傷口がくっついてしまうに違いない。
おばちゃんはそう判断して購入したフック式のピアスをつけてみた。ぶらぶらしてるピアスが揺れるとかすかに傷口が痛む。痛むがとりあえず何かぶら下げておくしかない。

ぶらぶらさせながらお風呂に入り卓球の練習に行き、寒いものだから朝晩セーターにピアスが引っかかり、痛ててと言いながら着替えをしていた。一週間後に両耳たぶが赤く腫れ熱を持つようになった。ちょっと危機感を持つようになったのが土曜日。またもや施術の病院は休みだった。

さてどうするか。3日後にCT検査である。ピアスは外したら最後傷口がくっつき、アクセサリーのピアスを入れようにもあっちこっち傷口に触れて痛むだろう。自分では絶対痛くて入れられない。ほっておくならくっついて施術も痛みを耐えた過程も全部パーになってしまう。

ネットで調べた土曜診療の病院は最初の2軒はオンラインの情報が古くて今は休診と言われ、2時間かかって診療中の病院にたどり着いた。
ドクターに化膿止めを処方してもらって、樹脂製のピアスがあるので炎症が収まるまでそれに付け替えるとよいとアドバイスをもらった。アクセサリー屋さんに寄るとボディピアスが使えますということでプラスティック製を買った。

CTスキャンは無事に済み、今回もガンやその他怪しい影は見つからなかった。もう1~2週間プラスティック・ピアスで過ごした後は好きなアクセサリーピアスにしようと思う。割と耳たぶが福々しく厚いのでピンネジで止めるタイプよりフック式がつけやすいようである。

病院でステンレス・ピアスを外すのは4週間後(傷口が癒えたころ)と言われたが、ネットでは2か月から4か月は着けたままと言う情報もあった。
おばちゃんは65歳だから20歳よりは傷の治りが遅かったのだ。CT検査さえなければ3か月くらいつけておけばよかったかもしれない。

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おばちゃんは割と筆まめであっちこっちにメールを書く。返事が来てもすぐに見ない。
例えばアメリカで物品を購入したらユーザー登録をして、不具合があれば返品するし、返品までの不具合ではないが不満はGrievanceあてに文書で送付して必ず証拠を残しておく。後々のリファンドとかの時には証拠になるから。

ところが、メールを出した時点である程度の不満は昇華し、あるいは仕事は完結したので返信があるころには興味をなくしている。何かの処理と返事を待ち望んでいるわけでない場合はとくに。クリスマスカードや時候のあいさつも同じだ。

ビジネスや請求書はすぐ処理するのだが、私的郵便の場合は封を切らずにテーブルに乗せておく。私的郵便物の内容は想像がつくから1週間から10日そのまま放置する。非常に悪癖だと自覚がある。

クリスマスカードは去年かなり遅れて出したので、1月に入ってから返事が数通帰ってきた。先週のメールもアメリカの知人からだったのでクリスマスカードの返信かと思った。
開けるのが面倒くさくなって本棚の私信の棚に突っ込んで忘れてしまったかもしれない。

おじちゃんがコタツの上の5日間乗せっぱなしのメールが目障りらしく手に取って開封しようとした。
やけにノリがキツイようだった。おじちゃんはイラついて封筒を破ってみると中身はクリスマス・カードではなく、もう一通の封筒とハガキが同封されていた。本棚につっこまなくてよかった!!!

Legal Notice…….   Court of New Jersey

ハガキの差出人をみておばちゃんはアッと声を挙げた。

クレジット集団訴訟が結審したのだ。

US Visa & Master credit card class action

https://www.reuters.com/legal/litigation/us-judge-orders-probe-phony-visa-mastercard-settlement-website-2023-11-13/

Legal NoticeだからLAの知人が転送してくれたのである。
帰国後でも連絡が必要な場合、アメリカの住所として知人のアドレスを借り郵便の転送をお願いしたのだった。

おばちゃんは1992年に渡米し、おじちゃんの会社は2004年に清算+日本撤収を決めた。永住権は取得していたので夫婦でアメリカに残るために起業した。2005年にビジネスを立ち上げ2007年には利益が出るようになっていた。この勢いでリファイナンスでキャッシュ・アウトした借金はどんどん銀行に返すべ、イケイケどんどん!!だったのだが、

2008年の9月にクレジットカード売り上げと現金売上の割合が逆転したリーマンショックの始まりだった。恐慌にあえぐショッピングモールの他のテナント一緒に、モールの大家へ団体交渉をして家賃を下げてもらい2009年2010年を乗り切った。

一番のどん底は過ぎたという実感を感じた2011年の春、クラスアクション・集団訴訟Class Actionのノーティスを受け取った。

訴状によると、クレジットカードのVisa・Masterは本来請求するべき手数料より0.XX%上乗せして小売店に請求していたらしい。(この辺の数字は記憶による)
目ざといアメリカ人弁護士?がその差額をついて集団訴訟を起こしたのだった、払い過ぎた手数料を返せと。クレジット会社が賠償額として用意した金額は当時の金額で3.4 Billion だった気がする。

アメリカで集団訴訟が起きるとき、自分が知らなくても資格を満たしているとその訴状は郵便で来る
ユーザー登録をしているとか、おばちゃんのように小売業でVISA MASTERのクレジットサービスを使っているとか。弁護士が有資格者を調べて勝手に送ってくるのである。

エプソンのインク訴訟でもプリンターのユーザー登録をしていたので集団訴訟の参加フォームを受け取った。その他、銀行相手の集団訴訟も現金を受け取った記憶がある。ちょいちょいこんなことがあるので、アメリカ生活では物品を買ったらユーザー登録をし、レシートとクレジットカードのステートメントは10年捨ててはいけない。

2011年にクレジット集団訴訟のお誘い書状を受け取っておばちゃんは、やった!と思った。訴状は苦しかったリセッションから完全に抜け出す光明に見えたのだった。

もっとも集団訴訟の訴人は全米のVISA・MASTERを使っているマーチャントであるから何億人いるかわからない。アメリカのメガ小売業Amazon やTarget,Walmartなどもクラスアクションに参加したかもしれない。それらジャイアント・ビジネスも含めた集団が3.4ビリオンを分けるのだからどのくらいの取り分になるのかもさっぱり見当がつかなかった。(もっともメガ小売りではクレジット手数料は我々市井のミニ小売業より優遇手数料である可能性が高いだろう。集団訴訟に参加できる不当な料率でなかった可能性もある。)

2011年当時、おばちゃんはさっそくオンラインでクラス・アクションに参加し、2004年から2011年までクレジットカードを売上額と手数料金額をフォームに記入して提出した。訴人としてのIDやコンファメーションも受け取った。

それ以降毎日のようにクラス・アクションのページをチェックしても、XX月XX日、何とかpetition 提出とか、審議とか、コートが次の日程を決定とか、。その後は何か月も内容はアップデートされず、一体このページはアクティブなのかとっくに放棄されたページなのか見当もつかないまま数年が過ぎた

おばちゃんがリースの切れ目を狙ってビジネスを閉め、過去7年以上前の紙製のビジネス書類は処分した。2017年に日本に永久帰国する際でも訴訟ぺージは相変わらずpetitionばっかりであった。しかしおばちゃんは巳年の生まれと疑われるほど物覚えがいい一面もある。アメリカに残る知人の住所をお借りして集団訴訟のお知らせが郵便でも届いてもわかるようにしておいた。

帰国してからも訴訟ホーム・ページをチェックした。オンライン上でも住所変更ができるが分かったので、連絡先はアメリカのアイ子ちゃんの住所に変えた。念のために住所変更のリクエスト手紙を書いて郵便でも米国に送っておいた。

ところが、アメリカだねぇ。
オンライン上の住所変更はなぜかアップデートされておらず、旧知人の住所に結審の知らせが届いたというわけ。見ずにしまい込んでいれば賠償金を受け取り損ねるところだった。

13年かかった。

改めて訴訟ページを確認してみると賠償額は5.5ビリオンに増えている。
5.5ビリオン?2.1ビリオンも増殖するのか?利子か?

さぁて、訴訟ページでおばちゃんのアカウントの内容を確認すると、ビジネスの8年分のクレジットカード売り上げ総額とクレジット手数料の総額(初年に提出した)が確定していて、余分にとられた手数料分は4桁ドルーーと金額が明記してあった。

ただ~しーーー上記の金額がクレーム金額としてもらえるわけではなく訴人の%によって割り当たれると書いてあった。だなぁ~。

今日の為替レートは1ドル147.85 だから日本円では

5.5Billion =5.5ビリオン・ドル=¥813,175,000,000円=8131憶7500万円

チェックが届くまで実際のおばちゃんの取り分金額は分かんないよね~~。

 クレームの提出期限は4月の末までなので、実際の賠償金の送付はそれ以降だと思う。チェックを受け取った時には、ブログでお知らせしたい。

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アメリカに長く住んでいると日本は遠い国だった。
日本でどんなファッションが流行っているのか疎くなる。留学生が飛行機で降り立ったままの服装で日系スーパーに現れると、ああ、今日本ではこんなファッションが流行っているのかと観察したのだった。

平成の終わりに日本に永住帰国したら、日本の女性はみな蒸し暑い真夏に中東のようにワンピースを着、ボトムにはパンツを履いていた。胸もウエストもなく二の腕も洋服に隠れていた。shapeless

おばちゃんの覚えている日本の夏はノースリーブのワンピース、アッパッパのおばさんたち。そんな風俗はもう婆さんにもいなかった。

更年期の時に分かったのだが人間の肩と腕は効率の良いラジエターである。
体に熱がこもるときは、キャミソールだと腕と肩から体の熱が放出できる。それでホットフラッシュが襲ってきた更年期にパジャマも含めすべての半そでを捨ててしまった。一説には、社交界の礼装:ローブデコルテとは、更年期のおばはんがおばはんのために創始したという説があるらしい。説の真偽は定かではないが、夏はキャミとスリーブレスが過ごしやすいと思う。

この亜熱帯の猛暑の日本の夏に何枚も重ね着をするなんて正気?
夏に涼しい服を着てはいけないのか?さらにキャミソールというのは日本では下着のことらしい、というのを発見してショックだった。
アイ子ちゃんが10月の残暑のころ京都の旧友を尋ねたら、キャミソール姿の彼女に何か羽織ってはいかが?と言われたそうだ。露出が多すぎると。

アイ子ちゃんもおばちゃんの二の腕も20代のように細くも光輝いてもいないが、恥じずものだとは思っていない。もっとぶっといアメリカ人だって二の腕は隠すべきものと思っていない。

3人に2人はデブというアメリカで日本の二倍はあろうかというサイズの中で暮らしてきてた。
彼らにくらべればアジア系の太ももや二の腕は少女のサイズである。ボトムだってスケールが違う。ビクトリアン・シークレットがアジア系の下着をだすまでおばちゃんは小さな下着ショーツを求めて子供用やベトナムの洋品店をさまよっていた。
黒人女性でヒップが張り出し腰の後ろにコーラ缶が一本乗りそうなサイズに並べば渡辺直美だって小づくりだ。

日本のファッションはいつから、何故、胸を隠しウエストをチュニックやお尻まで届くトップで覆い、土管のような女性の体が感じられないファッションが一般的になったのだろう。

元CAだったという50代のスタイリストさんの動画では、
プチブランドでピックアップしたトップスをこれだと二の腕が隠せます。シャツは後ろ身だけが長いのでお尻が隠れますよ。とポイントを解説している。
何故隠す?

元モデルのMarie Anneおばちゃんは60代の女性に
自分の体を受け入れよ、体を隠すなとおっしゃる。
腹が出てても隠すな。ウエストはベルトで作れ。
だぶだぶな服を着るな。Shapelessになるな、とおっしゃる。

おばちゃんは思わず膝を打って、その通り!
渡辺直美だってちゃんとウエストを作って見せてるじゃないか?デブでもメリハリがありShapelessよりも好感が持てる。

Ripped Jeansは履くな。
スエットやゆるいスポーツウエアを普段着にするな。
それらは「Gave Upした人」に見えるという。楽な洋服を選ぶなと言うわけではなく、ジーンズでも楽だしスエットよりちゃんとして見える。60代に似合うジーンズはストレートかブーツカット ハイライズをおすすめという。

おばちゃんは高身長165cmで最盛期は167cmだったが いつの間にか縮んでしまった。ありがたいことに股下は縮んでないようだ。
日本で販売されているアジアサイズのジーンズはみんな短すぎるから、メンズのリーバイス28inchを買ったのだが試着ではわからなかった不具合が出てきた。

やはりメンズとレディースはヒップ周りのカーブが微妙に違う。太もも腰回りも太すぎる。おばちゃんはお尻が小さいのだがメンズの大きなヒップポケットが歩くたびにお尻にぶつかりペコペコして不快だ。
アメリカならどのメーカーも太ももも丈もぴったりだったのに。米国サイズのジーンズは日本で手に入らないのか? グアムまでショッピングに行った方がいいのか。

懲りずにSheinでトールサイズのハイライズを3本買ったが生地もヘナヘナ満足するものがなかった。
かくなる上は、古巣の横浜に遠征して女性用トールサイズを片っ端から試着してこようと思う。

Marie Anneおばちゃんのレクチャーは今年66歳になる老後ファッション迷子のおばちゃんには方向性を示してくれる納得の動画であった。

さて、ここからは日米仏文化ファッション感の違いというか歴史伝統の違いも含めてファッション動画の面白かったものをご紹介。

今年の流行のブーツはビニール水道管のように足の甲の上で幅広く直線で立ち上がってる。
〇元CA日本人スタイリストさんは、水道管ブーツを特に否定はしていなかったが流行は気になるようであった。
〇フランス人の元モデルMarie Anneおばちゃんに言わせれば、ジバンシーはどうかしてるわよ。生クリームの絞り袋みたいなブーツを作って変ね。
下着のようなキンキラのショーツをモデルがそのまま履いたり、レギンズの“上“に履いたり。
ショーツを評してMarieAnneは
ジバンシーは頭おかしいんじゃない?
トラウザーの上にパンツを履いていいのはスーパーマンだけよ!
胸がすくようなコメントを吐いてくれて爆笑させていただいた。


アメリカ人のブロンド、ファッションアドバイザーの動画ではコメント欄がすごいことになってた。
ヨーロッパに旅行するならこんなファッションは避けましょう!
彼女は“カジュアル・ファッションのアメリカ人“がヨーロッパ旅行をするときには避けるべきアイテムを解説していたんだが、、、。

レギンズにウインド・ブレーカーは止めましょうね。シックChicには見えません。
ヨーロッパでは野球キャップはかぶりません。
ラスベガスに行くみたいな露出の多いぶっ飛んだドレスは止めましょう。エレガントなChicなドレスにしましょう。バックパックやウエストポーチより普通のバッグで。サンダルはダメ、ビーチに行くんじゃないから。

この動画を見ていて頭に浮かんでくるのは:
でっかくてその辺のTシャツを無造作に着て野球キャップをかぶりジーンズのうえに太鼓腹がせり出して水のペットと観光マップを握りしめたアメリカ人のおっさん。
くせ毛が突っ立っち、ブラの紐がトップからはみ出して首の付け根にはそばかすが目立ち腹と胸は同じ高さ。ガハガハと笑うたびに肉が揺れるカミさん。
典型的なアメリカ人像。NYは知らないがもうちょっとオサレな人が多いのかしら?

この動画につけられていたコメントがすごかった。
動画の主はアメリカ人向けにアドバイスをしてるはずなのだが、ヨーロッパ人も目ざとく視聴していてねっちりしたコメントをつけていた。

●ヨーロッパの人間として、守ってほしいのは声のボリュームよ。金切声みたいなのは止めて。
●ヨーロッパの人間だけど、北アメリカ大陸から来た人の一番顕著なポイントは「ボディ・ランゲージ」と声のでかさよ。
●ヨーロッパの人間だけど、アメリカ旅行中に旅行者に見えない方法という動画を見てみたいと思うわ。
●あたしはアメリカ生まれのアメリカ人だけどドイツに住んでる。どんな服を着ててもアメリカ人はすぐわかるのよ。ボディ・ランゲージで。でもアメリカ人でいることが悪ってわけじゃないわ。
●あたしはアメリカ人だけど2週間アムステルダムに旅行したわ。そこら中レギンズにウインドブレーカーを着た人ばっかりだったわよ。

でっかくてガサツで時にはぶしつけだったりするのだが、陽気で何かの時には頼りになる人たちなのだ。そんなに言わないであげてほしい。

Marie Anneおばちゃんも同じような動画をだしていてParisはこんなスタイルはNGよ。と
へそ出しやレギンズ姿にバッテンをつけているのだが、コメントは好意的で賛同が多かった。

日本に旅行に来るときはこんなマナーはNGよと、C語とV語とO国英語で動画を発信する人がいてもいいかな。

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