変身したい

ピアスの穴を開けに行こうかと思う。

お婆、65歳過ぎやないけぇ。今さら何を考えとんじゃぁ?!
来年66歳でおます。それがどうした。

アイ子ちゃんともよく話すのだが
・人生やりたいことをやる。
・新しいことに興味を持つ。
・新しいことを試してみる。
・できなくなったことはくよくよ考えない。
とか、いろいろ続くのだが、近頃、冬の時間はたっぷりあって、そのくせ庭は休眠に入ってしまう。
気温が低くなると外出もおっくうになって、コタツムリで動画をあさるのも倦んでくる。
ムンク」の「叫び~」みたいな気分になってくるのだ。

そうだ!気分を変えたい。身なりを変えてみたい。美容院で髪型を変えてみようか?ショートにでも?とおじちゃんに提案した。
おじちゃんも私も前世紀からポニーテール一本。

お気に入りの美容師さんが東海岸に行ってしまったり、ある人は日本に帰国するということで行きたい美容院が少なくなってしまった。

その後起業して美容院に行く絶対的時間がなくなった。
通勤を含む仕事時間が13時間睡眠時間が8時間。残った時間が3時間で食事とその他を済ませる。社交時間はゼロ。そんな生活だと美容院に行く時間が惜しくて惜しくて、2005年12月から美容院に行くのは諦めて、お互いの髪を切りっこして済ませてきた。

いま時間はたっぷりあまっている。日本の田舎は美容院と車屋はよりどり見取りだ。プロの美容師なら毛先をきちんとそろえてくれるだろうし、髪染めもうまいに違いない。
おばちゃんは自分が提案したにも関わらず、なんだかいまいち気分が乗らない。

何故か考えたら、一ぺん行ったら3か月ごとに美容院に行き続けると思うとなんだか面倒くさい気がする。歯医者のチェックはおっくうでないのに。
あれこれ注文を付けていいのだろうか?仕上がりが気に入らなかったらどうするのだ。チップはいくらか払うのか?そんなことを考えているとますます気分が乗らなくなった。

もしおばちゃんがショート髪の素敵なシニア化に失敗し、老けた和田アキ子になったらどうするのか。おじちゃんもそんな予想を思い浮かべたのかもしれない。知り合った19の時からずっとロングヘアだったよ。(ショートだと後ろ姿で男と間違われるんや)今更ショートにしなくても。

なんだか変身願望は不発ですっきりしないままNetFlixで前から見ようと思っていた「The Old Guard」を見た。
これぞ私の見たかったかっこいい女
Charlize Theron!

もともとこの人の顔がむっちゃ好きなのだが、The Devil`s Adovocateではブロンドのあどけなくキュートなキアヌの妻だった。NYにキアヌがヘッドハントされた後は弁護士の専業妻としてだんだん神経を病んでいく。舌ったらずな英語で泣き窶れていくキャラは“役”なんだが、なんか違うと思っていた。この人はあどけなく美人なだけの人ではないのではないか。

そこでThe Old Guardである。
クールで冷酷で強靭これぞ私のヒーロー。
ブルネットのショートヘアーは戦う役にピッタリである。後ろ姿はほっそりとした青年とも見える。おばちゃんの体系みたいな。

白人の頭は長頭でショートにしてもカッコいいが、昭和生まれの日本人おばちゃんの頭は絶壁なので、後頭部にボリュームを持たせて刈り上げるとか、、。
あかん、ますます和田アキ子化しそうだ。

ショートヘアでも女性とわかるものとか、、、そうだピアスがあるではないか。
若い時はバイク乗りだったのでイアリングをつけるとメットがかぶれなかった。だからピアスをつけることは考えたこともなかったのだが。
美容院はちょっとペンディングにして、先にピアス穴を開けに行ってみよう。ぴらぴらしたピアスをつけてみたかったのよ。

追記

検索して見つけた近場の整形外科に電話をかけて、ピアス穴を開けたいのですがと言うと、どなたか知り合いの方がいらっしゃるのですね、と受付に言われた。
違うわい。アタシが行くんや。

別荘地に冬の兆し

とうとう来た。
屋根の吹き替えである。

おばちゃんはこの家が気に入っているが築年数は経っているので、屋根と水回りと浄化槽の修理はそのうち必要になると心づもりしていた。

スレートの塗装は10年持つと塗装屋が言ったのに、台風や豪雨が多くて猛暑も劣化を速めたようである。そろそろヤバイなと思っていた。

台風は来んかな?集中豪雨は来ないか?
台風19号の時は、この別荘地でも被害があり水道が止まり、道路が崩れて家が一軒がけ下に落ちた。

災害である。
自然災害には火災保険が使える場合もある。税の控除も使えたりする。
経年劣化は何もない。持ち出し。うむ~。
助成金はないか?外壁塗装や耐震工事の助成金はあるが、屋根はない。何もないのだ。

去年と今年は台風が来そうで来なかった。
お向かいの桜の木は誰もトリミングをせず、電線ネット回線などの上に野放図に張り出しており、雨の後には枯れた枝が重くなりポキンと折れて電線を切断する。それで今年の6月には停電になった。また枯れ枝は道に落下して道路をふさいだりする。

バイト先の主任は雨上がりの朝いちに出勤すると山の生活道路(昔の樵道か?)に一抱えもあるブナの幹などがド~ンと落ちていて自分ではとてもどかせないので一本道をバックで麓まで下りていくのだという。山の生活あるあるだ。

台風などで風が強ければお向かいの桜の枝が吹き折られて、おばちゃんチに飛んでくることもあろう。
もし枝が飛んで屋根を突き破れば自然災害である。保険がきく。被害が広域であれば役所で災害認定・被災証明が取れる。税金が安くなる。
台風が来んかなぁ?と胸算用をしていたのだが、天はおばちゃんを中心に回ってなかった。

それでこの間の雷雨の時にとうとう雨が漏った。広域災害が出るような豪雨でもなかったから被災でもない。これはもう自分で治すしかない。うむ~。

家を買った時の不動産屋Kさんに電話をしてきてもらった。

ガリバリュウム合板ですかね。
そうなるよね。
おばちゃんたちもカリフォルニアでビフォア・アフターを見ていたのである。近所にも屋根の上にガリバリュウム屋根を張った家を見ていたので、一番簡単かなと思っていた。
屋根屋と工務店を連れて下見に来るという。

そうしたら数日後ワンボックスが道に止まり若い作業服の男の子が下りてきておじちゃんと話している。不動産屋手配の工務店ではなかった。流しの工務店であった。

この山の別荘地では塗装屋、屋根屋、工務店が流しているのである。別荘地の中を車で走りながら家を見てどんな修理が必要か持ち主と話して名刺を置いていく。

おばちゃんが見るところ、山の別荘地の住人(定住者)の1割は工務店である。
別荘の修理に必要な工務店がそのまま住み着いている。
別荘を建てたいと思う人は懐に余裕がある人であった。特に昭和末期から平成にかけて、バブルの資金にあかせて趣味や好みを詰め込んで建てた別荘地の家であるのだ。

今や持ち主も代が変わり、何度も補修やリモデルもなされた別荘であるが、その当時の建築や補修を請け負った工務店が、これぞという物件が売り出されたときに買って住んでいたりする。

話を戻すと、その流しの工務店の話には適当に付き合い、大雑把なところガリバリュウム屋根の相場を聞いた。やはりこちらの心づもりの金額と近い。相場が分かったから、あとはKさんと工務店と修理内容を詰めていくだけだ。

若い流しのお兄ちゃんは、不動産屋紹介の工務店だと不動産屋が手数料を取ってるでしょ。と言う。
それは承知の上だ。
工務店は仕事を紹介してくれたKさんにいくらか礼金を払うだろうが15%のアイ子ちゃんほどではないだろう。

Kさんは、この間亡くなったお向かいの順子さんに40年前に家を世話した不動産屋さんである。
以来、修理を手配し庭木の伐採までまるで便利屋のように順子さん使われていた人である。もう72歳でとっくに不動産会社は清算し、生活に不足はないので手数料が目的ではない。動いていないと死んでしまう人なのだ。
そのうち下見に来るだろう。年内に吹き替えが住むといいなぁ。雑損益は使えるかしらん?

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テン・ジュニア FIP闘病記8

獣医は3日前の血液検査の結果をひらひらさせて、
「何もないんですがねぇ。」と思い切り悪く言った。
しかし診察テーブルで計ったテンの体重は3キロ。
投薬終了宣言をしてからわずか7日で200g落ちた。
3200gしかなかったテンにとって200gの体重は大変なロスだ。しかも熱は39度5分ある。
「待合室でずいぶん待たせましたからぁ」と言い訳がましく獣医が言ったが、猛暑の外と違って待合室はキンキンに冷えていた。

諦めが悪い。
獣医は初めてのFIPの治療は見事成功!と夢にしがみつきたかったらしかった。ここで見切り発車してもねぇと、まだ名残惜しそうだ。

そこでおばちゃんは、確かに見切り発車かもしれないが、いま薬を再開しないとさらに症状は右肩下がりになって治療は難しくなる。テンは死ぬと思います。見切り発車でいいので今投薬を再開してください。投薬をしても害はないじゃないですか?

「ですかねぇ。
それでは16mgで薬を3日分出します。3日後にまた診察をいれて様子を見ましょう。」

その晩からウイルス薬を再開し、獣医から勧められた高栄養食をテンに与えた。Hills のadとういう栄養食は犬猫兼用で、小さなお試しサイズが無かった。幸いテンの好きなチキンフレーバーだったので普通食に追加して2日で1缶を食べさせた。3日目の診察では50gだけだが体重が増え熱は38.5分に下がった。

やっぱり。
虚弱で体力のないテンは体力をつけ薬の効果をブーストする必要があったのだ。
次の診察では薬の容量を18mg/体重に上げることにした。5日分の処方だ。
4日目に体重は3100gに戻ったので、次の週の処方量は20㎎で1週間分。
Adの栄養食とウイルス薬のおかげでテンはまた活発になり、毎晩紫音と運動会を繰り広げるようになった。薬が20㎎に増えてから2日目には体重が3300gに到達した。

テンの父はクリーム・タビーの大きなボスで、母はオカメ・タビーの胴の長い毛並みのつやつやした子だった。テンは発育不良でFIPを発症したが、遺伝子的には小柄な猫ではないのだ。

テンの体長は9か月で紫音とほぼ同じ、ただ、背骨と肋骨が浮いて見えるやせた体だった。高栄養食を食べさせ紫音と遊んで運動をして、投薬を再開してから2週間。体重はついに3400gを超えた。

うれしい。
薬はウイルスを抑えているようだ。
FIPを抑え込んで駆逐してウイルスから逃げ切るためには体重4キロを目指そう。しっかり発達した筋肉と脂肪を蓄えた基礎体力のある猫に育てればきっとFIPから逃げ切れる。

9・19 今日は再診で、体重を確認した獣医は驚いた。
FIP の猫は子猫が多くて3キロ後半を超えるような子はほとんどいないのだという。
FIP症例では体重3.8キロがモルヌピラビルの処方上限体重として載っているらしく、それ以上の体重のFIPの子を想定していないみたいだった。

FIPの発症が子猫に多くて、またFIPは発育不良を誘発するのでそもそも大きな猫に育ちにくいという理屈があるのではあったが、。

私としては症例にかかわらず、療養食とケアでテンを4キロ半に育てるのも夢ではないと思う。大きくして見せる。FIPを克服して丈夫な男の子に育てるのだ。

体重が増加するにつれて薬の処方量gと薬の料金が上がっていく。
今日でペット保険の使用上限に達した。来週から自費になる。

体重が4キロを超えると多分一日の薬代+高栄養食で4500円以上なる。2週間ごとの血液検査も簡易検査と精密検査では倍の違いがある。

ワッハッハ。
おじちゃんとおばちゃんのバイト代を足しても半月分に追っつかない。幸い為替はここ最近147円台に張り付いているので誠にありがたい。
年内はこのレートでいっていただきたいものだ。

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テン・ジュニア FIP闘病記7

After Life

今年の庭はもうダメだ。
日照りが続きすぎた後に台風の影響で土砂降り。
どっぷり湿った後にまたカンカン照りでお花の根っこも葉っぱも茹でられてしまったようだ。
あまりにも蒸し暑い。庭に出るのが嫌になってしまってリビングに籠っている。

おじちゃんは雑草が伸びすぎたお向かいの庭が気になって、涼しい午前中に草刈をしてた。順子さんはもう来れないから。ほっておくと順子さんの大事なお庭がジャングルになってしまう。

“こんにちわ、うふふ、ミキさんお元気?”張りのある声ももう聴けないのだ。
ウチのみょうがは出たかしら?インパチェンスはもう咲いた?

みょうがは順子さんがお出でになれないうちに花が咲いちゃいましたよ。インパチェンスはトレニアに負けて出てこないですね。それより婿どののブルーベリーは3本もカミキリムシにやられてしまいました。それから、順子さんが教えてくれたタヌキですけど、。

お隣の敷地の草むらに巣があると順子さんが言っていたタヌキ。
あのタヌキがうちの床下でケンカしたみたいですよ。ネコのような犬のような悲鳴が夜中に床下から聞こえて、うちの猫たちはおびえてしまったんですが、次の日におじちゃんが頭を怪我したタヌキがお隣の敷地からヒョコヒョコとウチの敷地の端を登っていくのを見たんですって。次の日には、順子さんのおうちの玄関近くで、子タヌキが一匹キャアキャアお母さんを呼んでましたって。きっと順子さんが見てたタヌキの子孫ですよ。

それから2~3日後に、私もその子タヌキを見ました。
おじちゃんが急にオフィスから私をオイデしたので何かと思ったら、窓の下を指さすので、下を覗くと猫ほどの子タヌキが用水路のコンクリートの土手をとコトコト登ってきて上流に消えていきました。婿どののブルーベリーやおばちゃんの好きなキンカンを食べて育ってきたのかも。お母さんは怪我で死んじゃったかもしれませんが、タヌキの一家は綿々と生き延びていたんですね。

ところで、お庭の北側の斜面はどうすんですか?
不動産屋のKさんに階段をつけて段々の庭にするって言ったから、Kさんが適当に斜面をけずっちゃって土留もしてないから雨のたびに崩れますよ。斜面の一番下にクチナシを2本植えたでしょ?アレ、雑草と雑木に埋もれちゃいましたから。表の庭の芝生は芝より雑草が多くなっちゃいましたよ。ホントに斜面どうしたらいいんですか?それとクリスマスに山のレストランでコーラスをやりたいって言ってたでしょ。
まだやることがいっぱいあるのに、順子さん。聞いてます?

手術後1年

胆嚢がん 手術後1年4か月

胆嚢がん 1年4カ月 

テンの治療も終わりが見えてきた。
おばちゃんは、おなかが痛い。
3週間ほど前から、背中と右わき腹が痛い。微熱と下痢。
なんだろう?胆管炎だろうか?9月の検査まで待つのをやめて予約の前倒しをした。

おじちゃんにちょっと調子が悪いから明日は病院に行くと言うと、殴られた子犬のような眼をして黙ってテレビを見ていたが、しばらくすると眠ってしまった。

次の日、病院はお盆の直後で台風がやっと通過したばかりだったから患者が待っていた割には血液検査とCTは早めに済んだ。

血液検査の結果は、炎症はなし、CA-19 は6月より上がっているが正常値。CEAも正常値。内臓に怪しい影はない。背中が痛むのでと言うと主治医は背中を触診して、どこかで捻りましたか?と聞く。

胆管炎の可能性は?と聞くと、胆管炎は高熱が出ますが痛みはないと言う。
おばちゃんは何だろう?もしかしてアレかな?

バイトは立ち仕事だったからぎっくり腰予防に腰痛ベルトをしている。日本に帰国してきてから新しい腰痛ベルトを買ったのだが、その時たまたま商品のMサイズが売り切れていて、SとLしか残っていなかったので、Sサイズを買った。ちょっと短かった。

悔しいのでおばちゃんはふんっと息を吐いてからベルトを締めて仕事をしていたのだが、もしかしてそれが悪かったのだろうか?

見栄をはってSサイズのベルトをきつく締めたのが肝臓に悪かったですかね?と
タヌキ主治医に言うと、
いや、そういうことで痛むことはないですよ。
主治医はケケケと笑った。重くなりがちな診察室の空気を少し明るくしてあげた。

遺伝子パネル検査は結局この病院でできるのかどうか。`6月に主治医は調べると言っていたのに、宿題をしていなかったようである。もう一度調べてみると言った。

おばちゃんも調べものついでに、病院のウエブをチェックしたら胆のうガン患者数が掲載されていた。ここの消化器外科では年間十人だそうだ。意外と少ない。

おばちゃんが貴重な患者のデーターを増やして差し上げるから、主治医に少し興味を持ってもらえるといいのだが。


手術前の診察では、胆のうガン患者の術後の成績はどうなっていますかと質問をしたのだ。その時の主治医の返事は、「手術と外来で手一杯。患者の予後までとても追っかけて記録していられないのでわかりません。」とぬかした。

年間たった10人の胆のうガン患者の予後など記録をとるまでもあるまいが、。どうせ半々だから余計なことは言うまいとしたのだろう。ホント、大事なことは何も言わぬ主治医だ。

とりあえず痛みからくる不安はなくなったので、おじちゃんとスーパーに寄って帰ることにした。テンの投薬は来週が最後なので、終わった後はどこかに出かけたい。次の朝も暑かったが、おじちゃんとどこへ出かけるか考えていると、玄関のベルが鳴った。

ベルが鳴るのは宅急便くらいだが近頃何も買っていない。おじちゃんが玄関に出ると、家を買った時の不動産やさんKさんが居た。

Kさんが運んできたのは訃報だった。
お向かいの中野のおばちゃんが亡くなって明日告別式だと、、、?!

おばちゃんは中野の本宅を耐震構造に改築中で、山の家にそろそろ来るはずだった、台風も通過したことだし。おばちゃんは82歳だったけど、音大の声楽科で鍛えた声は語尾までよく通り朗らかで、死の影なんかどこにもなかった。
先月は心臓の動脈が細くなっていて動くと息が切れると自分では言っていたが、何せ声に張りがあるのでおしゃべりをしているといつも年齢を忘れるのだった。

おばちゃんが主催しているコーラスの生徒さんは、おばちゃんより年齢が上の人も多くて、本人はいつまでも生きるつもりだった。来月に心臓のステント手術の予定だと言っていたし、何しろ長生きするつもりだから、自宅の耐震工事もやっていたのだ。

山の家にやってきて、庭仕事が一段落すると、静岡のおいしいお茶とおばちゃんのお土産の東京の銘菓をいただきながら、おじちゃんが帰ってこいと電話があるまでおしゃべりを楽しんでいたのに。

中野のおばちゃんが居なくなったら、わたしは、誰とおしゃべりをしたらいいのか?
赤いおそろいの長靴を履いて、宿根草の手入れをするはずだったのに。
困るわ、順子さん。

テン・ジュニア FIP闘病記4 そっちか!

治療薬の投薬は8週目に入った。
熱は39度を割り、ついに平熱レンジに下がった。
体重は2900gを超え回復期に加え成長期にあたったようで毎日のように増加しつつある。来週はまた薬の増量があるかもしれない。

体調は好調。
テンは生後2か月半の真菌付きでうちに来た。真菌は人畜感染の危険があるから一月ほど隔離生活だった。病気が治って紫音と遊べるようになったのに5月の初めくらいから昼寝が多くなっていた気がする。生まれついての発育不良でドクターから育つかどうかは半々といわれたテン。FIPもしょっていることが分かったのが5月の末。

投薬を開始してから8週目だがモルヌデラビルのおかげで回復してきたテンは子猫時代をもう一度楽しんでいる。熱もなく気分も悪くなくて歩き回るテンは幸せそうだ。

詩音とじゃれあいピンポン玉を追っかける。
一番好きなのは夜歩き。
みんなが寝静まったあとにリビングをひそひそ歩く。おばちゃんがトイレに起きるとリビングのキャットタワーの根元に小さな影があり、するすると猫トイレの影に隠れごみ箱に回り込んでこちらをうかがっている。楽しくてたまらないのだろう。

おじちゃんとおばちゃんは頻繁に猫たちのごはんを買いに行くのだが、ついつい生体ペットコーナーを覗いてしまう。テンと比べるためだ。
ケージの中にいるのはほとんど3か月前後の子猫たちだが、子猫の誕生日とか大きさとか運動能力とかをチェックしてしまう。ほとんどの子猫はテンよりエネルギッシュで活動的だ。悔しい。

それでもテンは体調がよくなって尻尾をまっすぐ上げ、ぴんぴん揺らして上機嫌でリビングを歩く。肛門とタマタマが丸見え。5月のころにタマタマが目立つようになってドクターに近頃発達してきましたが、、と言うと。

ドクターが、いやいや、テンちゃんは今年いっぱいは去勢手術の心配はないですよ~、ひょっとしたら一生。との診断だったのだが。

腰から後ろ足にかけては肉がついておらず華奢なんだが、リビングを歩く後ろ姿でタマだけは存在感がある。

生育不良の猫でもFIPでも、生物として子孫を残そうという本能はあるわけで、なまじ病弱だから、生命力を全力で生殖能力に振り向けたのかもしれない。8か月だし。

健康な猫なら8か月で去勢手術は遅くないからなぁ。
おばちゃんは嫌な予感がする。

投薬は12週間目が節目でそれは8月の終わりになる。
投薬が終わったイコール寛解というわけではない。
FIPの抗体値が正常値に下がってタンパク分布や血液検査の分析が正常値になるなら、一応寛解と見ていいかもしれない。


ただ、FIPの抗体値は一生下がらないらしい。
つまり一度発症してしまうと感染したという抗体値が常に検査値に出てしまう。FIPの数値は寛解の目安にならんのだ。おばちゃんのガンと一緒で経過観察で見ていくしかないのだろう。

猫のコロナウイルスがどんなタイプのウイルスなのかそれも心配。
水ぼうそうは発症して治ったとしてもウイルスが人体のどこかに潜み、免疫が衰えた数十年後の老年に帯状疱疹として再発したりする。今は、帯状疱疹ならワクチンを接種すれば発症がおさえられるのだが、猫のFIPは治療薬でさえ認可されてないから。

困ったなぁ。
8月過ぎでもテンの体にメスの侵襲はちょっと恐ろしい。どんなリアクションがあるか、。
今は困る。

しかしながらオス猫の去勢は非常に重要なのだよ。
オス猫を飼ったことがある人ならわかると思うが、タマタマが発達してくるとオスの縄張り意識としてスプレー行動が起きてくる。オス猫のオシッコで家一軒ダメになることもある。メスと一緒なら求愛行動もある。詩音は去勢してしまったので、求愛行動は迷惑でしかない。うまくいっている二匹の関係がおかしくなるリスクもある。ああ、困った。

ドクターは1週間ごとに好転してきたテンの症状に感激している。ドクターが手掛けた最初のFIP治療の猫でもあるし、順調によくなってきて嬉しいのだ。

先日の診察で、何か質問とか気が付いたことはありますかと聞かれ、
実は、、と切り出すと
えぇ~っ、そっちかぁ?!

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やぶ蚊ホイホイ

気温が25度を超えると蚊が活発になる。
おばちゃんは血液型O型で何やら最新の研究によると蚊の喜ぶ匂いを放出しているタイプらしい。きっとそうだ。
足を洗ってもアルコールで消毒したとしても、山のやぶ蚊とブヨはおばちゃんを狙ってくる。やぶ蚊ホイホイ。

庭仕事に出陣するときは、まず膝までの長い靴下に履き替える。なぜなら短い靴下だと野良仕事用パンツの裾と靴下の境目の素肌を刺されるから。
野良用コットンのシャツを着る。
ワークマンの“着ると涼しいシャツ”は薄すぎてそのままブスブス刺されるから。
シャツから出ている首に蚊を寄せ付けないスプレーを擦り付ける。

野良用ジーンズをはく。薄い生地はかがんでピンと張ったときにお尻を刺されるから。

ネット付きの帽子をかぶる。ブヨはおばちゃんの瞼が大好きだから。
使い捨てのビニール手袋をしてその上から庭作業手袋をはめる。なぜなら庭仕事用手袋は手の候がメッシュでその上から刺されるから。
台所用のビニール手袋は刺されないのだが、真夏は暑くて手袋の中に汗がたまる。すぐ汗臭くなってしまうので、使い捨て+庭手袋が使いやすい。

真紅のコメリの長靴をはく。
なぜなら短い靴だと靴と靴下の間を靴下の上から刺されるから。
最後にアース製薬の最強蚊取り線香に火をつけ腰にぶら下げる。金鳥の普通の線香の場合、風向きによって頭側から襲ってくる蚊やブヨを追い払えない。

草取りに夢中でかがんでいると、おじちゃんが首!と言う。
帽子についているネットが前傾姿勢でかがんでいると垂れ下がってうなじが丸見えになっていたのだ。

ああ、あやうく那須与一になるところだった。那須与一?
違った。
耳なし芳一だった!
お経を書き忘れた耳を悪霊にちぎり取られた耳なし芳一。

これだけ用心してもおばちゃんの体には、いま3か所アンパンマンのかゆみパッチが貼ってある。お買い物だから薄めのパンツをはいてコメリに行ったら、売り場で太ももを刺された、パンツの上から。

昨日、卓球サークルの復活バーベキューに出かけて、誰一人刺されていないのに、靴下の上から足の甲を刺された。バレーシューズのせいだわ。腰の2か所は寝ている間に刺されたみたい。
おばちゃんはアンパンマンのかゆみパッチなしでは生きていけない。

おじちゃんはこの特異体質を笑うが、今年はスズメバチの発生も多いそうで、蜂アレルギーがあるおばちゃんがさされると、生死にかかわるかもしれないので楽天で新兵器をオーダーした。

昨日その「オニヤンマ」が届いた。
早速、野良用帽子に取り付ける。一匹1200円以上なのでとりあえず一匹だけ買って効果を試してみたい。もし効くなら背中用にもう一匹買おうと思う。イヤリング代わりに両耳にぶら下げてもいいかもしれない。

2023年 黄金のシーズン5月がやってきた

園芸店とホームセンターを走り回っていたおばちゃんです。
お花を植えるためのいいデザインのポットも欲しくなったんだが、高いのぉ!
それで巡回コースにはリサイクルショップが組み込まれて、よさげな傘立て500円!やら花生けを買い、底に穴をあけて器にしようと思っている。

このポットに何を植えようかと思うとワクワクするわ。
山は地上より4度低いが、チューリップも終わって宿根草が伸び始めた。先月からメルカリで買ったペンステモンの種も芽を出したので、朝晩成長を見守っている。あったかい目をかけてやれば植物だって多少早く成長するのではないか?
だから3週間ほどとっても忙しかった。

朝起きれば、ハサミをもって庭を巡回し花ガラを切り、嫌がって抵抗するクレマチスの茎をなんとかオベリスクに誘引しようとし、増えすぎたグラスの小株を分けて鉢に植え、百日紅の下は石と流木で廃墟風にアレンジし、シレネを隙間なく植え込みたいが高いので、あっちの店で2株、こっちのセールで2株と順次増やした。貧乏性のおじちゃんは一度に大枚を使うとうるさいので、少しづつ何回も買う。

おじちゃんが引っこ抜いてしまった河津桜の後には何を植えるべきか、
ネットで検索したんだが伊東の植木市で、カリフォルニア何とか?を買ってしまい(もしかしてアメリカ何とかだったかも。もう名前が覚えきれない)ついでに地上から2メートルは丸坊主で、3メートルのてっぺんにしょぼしょぼ葉がついている畑の霜よけにもならない雑木を切ってもらった。

真夏の暑さを遮るサヤサヤとした葉が茂る常緑木(落葉樹では畑に落ち葉が落ちるので大変)で、かつ大きくなりすぎない2メートルくらいの木。あと5年たったら脚立をつかった木の剪定なんか自殺行為だわ。
花は咲かなくてよくて立ち姿と葉が綺麗な木を植えたい。またまた園芸店と植木市を回っておじちゃんがハナミズキ?を気に入って買ってしまった、3本も!

ハナミズキは確かにかわいい木だが、冬は落葉して丸裸になるから畑の霜よけにならんだろ!赤と白の2本を畑の境目に30センチ間隔で2本植えたのを発見して喧嘩になった。

お向かいのおばちゃんのハナミズキを毎年見てるだろうが?高さは確かに高くないが、横は1メートルも張り出してるだろうが?育ったらお互いの枝がぶつかる近さ。あんたは今見える植物の姿しか見えんのか?

さすがにまずいと思ったのかおじちゃんは植えなおした。その距離50センチ。
5年後はきっとぶつかるだろう。それまでおばちゃんが生きているかどうかは知らんが。

もう一本の白のハナミズキは玄関先に植えるとかで、おじちゃんは玄関横の庭で動いていた。
おばちゃんは表のダンダン庭で忙しかったので、おじちゃんの監督をしきれなかったが、玄関先でゴンゴンやっているのは聞こえていた。夕方撤収するときに、おじちゃんがコンクリートが足りないので、明日はホームセンターだな、というので何がそんなにコンクリートが必要なのかと疑問に思った、
ら、、、。

玄関横の庭がとんでもないことになっていた。
玄関の庭もやはり段々でおじちゃんがハナミズキを植えようと掘ったら、50センチで湿った砂利とコンクリート層にぶつかったそうだ。
先代のおばちゃんがコンクリートを張って水はけのために砂利をいれその上に土を乗せた段々庭だったらしい。

おじちゃんはそれでハナミズキの地下植えをあきらめ、ついでにすべて玄関庭の花木の直植えもやめることにしたらしい。なんでや?
どこを掘っても結局砂利とコンクリートで水はけが悪すぎるから。

そして大・土木工事が始まった。
剪定をしすぎて年々花付きが悪くなるカシワバ・アジサイ3メートルを引っこ抜き、特大漬物バケツに養生された。
おうちの基礎タカイタカイ足を隠す柘植の垣根もすべて引っこ抜かれ、おじちゃんがセールで買って植えた30本くらいのユリ~すでに30センチに育ってた!もプランターに植えなおされた。球根の根っこは一度ダメージを食らうと二度と再生しないという。
きっと今年のユリは絶望的だろう。

おばちゃんがせっせと植えたグランドカバー3種、グラス類は見事に引っこ抜かれプランター2個に養生されていたが、どう見ても株が少ない!すべての植物はみ~んな抜かれて石垣と地面。
おじちゃんは引っこ抜いた草木に花がつくかどうか気にしてもなさそうに思える。来月にはカシワバ・アジサイが咲くはずだったのに。

先代のおばちゃんが土台を作った石垣段々はまだしっかりしていそうだったから、おじちゃんは石の垣の間をレンガで補強してすべてコンクリートで張ってしまった。どれだけコンクリートを使ったかもう知りたくない。

おじちゃんは満足そうだったが、そこでハタと気が付いた!
カシワバ・アジサイやハナミズキは何に植えるのだ?
大きな木を植える大きな鉢は高い!タカイ!
そうしたらおじちゃんは俺が作ると言う。

はぁ?
溜め込んでいた木材でコンテナを作るという。アンタいくつ要ると思ってんのさ。3段の庭よ!
ってなわけで、ホームセンターには今度は不足の材木やらペイントやらを買い出し、園芸土を都合12袋も買った。うちの軽自動車は明らかに後ろがかしいでいたぞ。

土木工事は完了し手製の木製コンテナも完成した
いくら防腐ペイントを塗っても木材というのは土を入れると痛むのだが、おじちゃんは内側にプラケースを仕込んでいた。ビールを入れるみたいなやつ。6年の経験がおじちゃんを育てたか。

カシワバ・アジサイもハナミズキもユリもそれぞれのコンテナに収まり、おばちゃんは足りないグランドカバーを園芸店で買い増ししてこんどはカラーリーフとグラス類にはまりそうである。

渋い色のカラーリーフを渋い鉢に植えたい。おじちゃんが幼稚園の花壇にしてしまったコンテナを流木とグラスでなんとかオサレにしたい。いぶし銀のようなシルバー・リーフを集めたい。 “5月にやるべき庭のお手いれ“などの動画を見ながら寝落ちする。夢はまだ広がるのだ。

蛇足----
ゴールデン・ウイークに入り、お向かいのおばちゃんは東京から避難して来た。
お揃いの真紅の長靴を履いて、この前植えたポンポン・ダリアの芽が出たか、ピンクのクロコスミアの芽がでたか、しゃがんで二人でおしゃべりをする。

中野のおばちゃんはうちからお宅の芝サクラがほんとにきれいに見えるわよ。と褒められたのだが、、、
芝サクラ?さて?確かに無事に咲いたが、草取りや植え替えや種まきに忙しすぎて花をじっくり見てない。観察はしたが、見てない。

花が終わった枝はないか、あれば切る。樹勢はいいか、切り戻しはすべきか、株分けはしたほうがいいのか?そんなことばっかり見ているので花を観賞する暇がない。ああ、。

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おばちゃんの庭は4年間埋もれていた

くらえ、カプサイシン

静こころなく花の散るらん

お庭にじゃぶじゃぶお金が消える

楽天からメールが届いた。
~このメールは前月より請求額が増えたお客様にお送りしております、、、

増えた、増えた。1月の3倍に増えた。
3月から4月にかけて、毎週猫たちを病院に連れていき、おなかの調子を崩した猫のための療養の猫缶を買った。ちっちゃな猫缶はカルカンの4倍の値段だ。一日1缶半をたべる。おかげでジュニアはついに2キロを超えた。5か月で2キロである。この子は当分去勢の必要はないでしょうとも獣医に言われた。無事に育ってくれただけでもうれしい。

近郊を走しりまわったからガソリン代もかなり使った。使い出があると思った米国年金も足が出てしまいそうだ。あればあるだけ使ってしまうアメリカ人に近いな。

拝聴しているガーデニング・チャンネルによると、花友フェスティバルとやらが名古屋で開かれているそうである。行きたい。

100店舗を超える園芸店も出店しているそうで、珍しい苗を変えるチャンスだ。まさか電車で苗木を持って帰るわけにいかないから “車で一択” だが日帰りはきつい距離。一泊で遠出するならテンがまだ小さいから猫二人でお留守番は無理だろう。
来年かなぁ?

豊橋、大阪、東京方面には巨大園芸店があるそうだ。いつか行ってみたいものだ。
南カリフォルニアにはRogers’ Gardenという有名な園芸屋さんがあった。広大な緩やかな公園のような丘陵に植栽が展開している園芸屋さん。

その公園の小道をめぐっていくと灌木のセクション、下植えのセクション、お花、背の高いシンボルツリーなどが次々と現れる。どのシーンを見ても絵になる。Ikeaのように部屋ごとにインテリアがデザインされていて、お客はどのようにアレンジができるのか目で確かめてから、花や植木を購入できるようなディスプレー方式だ。


園芸のプロがアレンジした庭木におしゃれなポット、かわいい花。うっとりしてどれもこれも欲しくなるのさ。一回りして店舗まで戻ってくると、そこには凝り倒したインテリア エクステリアの飾り物がぎょうさん。

中でもひときは優美な光を放っていたのは、クリスマスのオーナメントたち。
ツリーに飾る銀や金の玉。目もくらむような手の込んだ細工もの。安いオーナメントでも一つで5ドルくらい平気でしてた。数が必要な飾りはとても手が出ない。ここで値段を気にせずお買い物ができるのはNewport Beachや Laguna Beachのお金持ちだった。帰国の時にツリーも飾りも全部処分したけど、Rogers Gardenで買ったものがあったなら手放せなかったと思う。

Rogers Gardenとは言わないけれど、日本の巨大ガーデン・センターに行きたい。
行ってほしかった苗をこの目で見て買いたい。オンラインで植物は買えるのだが商品写真と現物の苗がずいぶん違ったりするのよ。根が回っていて庭に植えても定着しないことが多かった。

カラーリーフが欲しい。赤や黄色の代わり色のカラーリーフや、日陰を明るくする銀葉のアクセントにするリーフが欲しい。大きくならず紅葉する低木が欲しい。ゴブレットのような足つきの鉢が欲しい。

こじゃれたレリーフなどの鉢だと軽~く万円を超えたりするから。イギリス製の鉢なら1ポット6桁したりする。ホントですかぁ~?
年金なんかいくらあっても足りないわ。
ガーデニングってお金がかかるのね~~。

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おばちゃんの庭は4年間埋もれていた

目指せ宿根草の庭

手術後1年

胆石だと思ったら~胆のうガンだった~

去年の4月、胆石を切除してこれでヤマザキの雪苺娘が安心して食えると思いきや、切除した胆のうからステージ2のガンが発見されたmikieおばちゃんです。

病院に逆戻りして肝臓&リンパを切り取る拡大手術をして退院したのが、GWの終わりごろ。去年は雨も多かったせいで一番美しいはずの5月は庭の手入れもできず無念の涙をのんだ。

今年はリベンジの年だ。
3月には秘境の中伊豆コメリで深紅の長ぐつを買い求め、あまりに軽くて履きやすいので、お向かいの別荘のおばちゃんにも一足買って進呈した。
65の婆と82の婆がお揃いの赤い長ぐつをはいてポンポンダリアを植えたのである。
うちら~ガン友(お向かいのおばちゃんは、10年前に乳がんステ2、去年は別口胃がん表皮ガン ステ0)

お向かいの中野のおばちゃんはあまりにもコメリの赤い長ぐつを気に入ってしまい、この長ぐつがダメになったときはどこで買ったらいいのかしら、いいものだからもう一足予備に買っておかなければ、と憂えるので、もう一足買っておばちゃんの東京中野の自宅に送った。米国年金が入って気が大きくなっていたのであった。

山は麓の里に比べて気温は4度以上低いのである。
町でとっくにスイセンが満開というのに、うちの庭にはまだ葉が10センチ。黒い地面が見えてスカスカの状態に我慢できず、おばちゃんは庭を埋めるために宿根草やカラーリーフを求めて近郊都市の園芸店を走り回ったのであった。

おじちゃんが幼稚園のように植えてしまったチューリップは碁盤の目に並んでいて隙間の黒い土をバコパやカラーリーフで埋めたい。うちに根付いた宿根草はまだつぼみもできていない。ちょっとインチキだが、すでに咲いているネメシアやリナリアのポットを買ってきて同じ場所に植える。これは追加なんだ。中抜きと違うし。

おばちゃんは生来のセッカチ。待ってられないのである、はよ咲け~~。地だを踏んで咲いてくれるものなら、おばちゃんアデルのRolling In The Deepを踊っちゃる。

そのうち、3年目の姫コブシが満開になって散った。お向かいのソメイヨシノは今年も素晴らしく咲いて散ったが、6年前に植えたうちの河津桜は1輪も咲かずにまた葉桜になった。
ヒマラヤ・ユキノシタが細々と咲いてしぼんだ。去年の秋に選定しすぎたせいかもしれない。今年も追加したヒナ草は今満開である。こぼれ種が落ちて来年も同じように咲いて欲しい。

何が落ち着かないかと言うと、庭のメインストリートとブルー・セクションはまだスカスカなのである。2年目のジキタリスもカンパニュラもまだ20センチに満たない。ペンステモンなんて、地面にへばりついた葉っぱだけである。一番の目玉のガウラは10センチ。花は?
花はあと2ケ月も待たねばならない。

ブルーセクションにはネモフィラとデルフィニュームを植える。あ~、何時になったら満開になるのかしら?

夜は園芸チャンネルを視聴する。
ノーマル・スピードなんかで聞いていられない。1.5倍速である。出だしはすっ飛ばして、要点だけを見る。

なるほど、桜は意外にも庭に植えないほうがいい木だそうだ。
家の基礎に近い場所に植えると、根が横に張り基礎を壊すこともある。葉には毛虫がついて剪定が難しい。うちの河津桜は油粕をやったら、変な風に横枝ばっかり伸びておまけに葉がピンクに縮れて病気みたいだ。

コニファーは姿はいいが、すごいスピードで高く育つので、地植えにすると切ることになるのか、。おばちゃんのコニファーは今年の寒波と乾燥で3本のうち2本が枯れてしまい植え替えねばならない。

そうしたらコニファーの空の鉢に妙な木が植わっていた。しみじみ観察するとビワの木のようである。
おじちゃんにどうした?と聞くと、
道端にビワの木が自生していたので掘ってきて植えてみたと言う。
元んとこに戻してこい!


おばちゃんも子供のころに犬や猫を拾ってきてよく言われたセリフである。おじちゃんもワンコの時に言われたはずだ。60年も経つのに性分は治らぬと見える。

昨日はせっせと買い集めた宿根草を植え、時代がついた渋いポットに植え替えをし、シレネを植えた百日紅の下を、これまたオサレな化粧レンガと岩で廃墟風にアレンジをしていた。立ち上がると、河津桜が抜かれていた。

桜が横倒しになっていて、根っこが丸い。
どうやら地面が硬くて根は横に張らなかったようだ。根っこが腐っていたよ、とおじちゃん。
を作ってもいいよね、この場所。

実は水場があるといいなと思っていた。古い火鉢を買ってきて埋めるか?
今度はリサイクルショップを一回りである。前に買った青染付の火鉢は金魚が5匹元気に泳いでいるが、そのリサイクル・ショップは場所替えして商品がずいぶん減った。埋めて池代わりにする手ごろな大きさの火鉢がない。

池はちょっとペンディング。
夏はボウフラが湧くし、冬は確実に凍るから金魚は入れられない。
やはり木がいいだろうか?
さやさやと葉擦れがするようなすらっとした木。背丈が高いと剪定が大変になるので低中木。また動画を見る。ニワトコ?夏ハゼなら紅葉するし。

宿根草を植えながら、2年後のこの場所はどうなっているのか?
シンボル・ツリーは今年植えたほうがいいのか?
ヘデラと芝桜がケンカをしててどっちの肩を持ったほうがいいのか?

ムクゲのこぼれダネから3本実生が生えてしまい、おじちゃんが後生大事にポットに植えたら50センチに育ってしまった。見張っていないとどこかに植えられてしまう。おばちゃん、よろけた拍子にポットの上に倒れてムクゲの苗が折れてしまったほうがいいのか?

いろいろ花や木を植えながら、いったい私にはあとどのくらいの時間が残されているのか?今年できるだけやってしまったほうがいいのだろうか?
人はそれぞれ人生時間が決まっているが、残りの時間がどれだけ残っているのかは知らされていない。おばちゃんの場合は蓋然性が高いというか、。

手術後半年から2年の間がいちばん転移・再発の可能性が高い。
危険期間の2年は半分過ぎた。例えば、肝臓に再発したとすると膵臓転移よりも時間が稼げそうだ。膵臓と肝臓+胆管同時なら余命は半年から1年くらいか。

うちの庭を完成させるのに、長期計画でいったらいいのか、短期計画でいったらいいのか。腹に観察窓が欲しいもんだ。

動画の個人庭園・訪問編を見ていて、このバラは植えて10年とか、クレマチスが太い木になっているとか、植物が結果を出すにはそれ相応の時間が必要なのだ。花のサイクルは毎年決まっているのに。時間、時間、時間
おばちゃんの時間はあとどのくらいあるのだろう?

いつもの蛇足ーーー
数年前、おじちゃんが春用のジャケットのファスナーを生地に引っかけ無理やり引っ張ったのでファスナーが壊れてしまった。直さねばと思っていたのだが春は短いしそのままに。

毎日のように通る商店街には洋服直しの看板を掲げた個人商店があって、おじちゃんが看板を見てここなら1500円でファスナーが直せるって。

1500円というのは、材料費だけか、工賃は別かもよ。
おじちゃんは、イイヤ、1500円と書いてあるから、1500円だろう。ここにジャケットを持ち込む。
おじちゃんはジャケットを引っ張り出し、ついでに何を思ったか喪服のズボンも引っ張り出した。ウエストがゆるゆるなんだ。詰めてもらおうと思って。

おばちゃんは、私の葬式用か?と内心疑ったのだが、おじちゃんは計画性がゼロで先に気を回す質でもない。すると、おじちゃんの兄弟用か?

ジャケットとズボンを店主に渡すと、ファスナー直しは3500円と言われておじちゃんは、しばらく黙った。看板にウソあり、と思っていたに違いない。

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