戦闘 配置につけ

おばちゃんは腹を立てると生きる気力がわいてくるタチである。

あらかじめ断っておくが、以下の話は別のパラレルワールドの別の地球の州での話であって実在の人物ましてやおばちゃんとは全く関係のない、知らないおばちゃんの話である。

パラレルワールドの知りらないおばちゃんはある日女の子から相談を受けた。
ルームレントしていた女の子が部屋をでて引っ越したのだが、大家がセキュリティ・デポジット(敷金だな)を返してくれないのだという。
引っ越しの日には大家が部屋を点検した後に修復箇所があれば修復して、敷金から引いて残りはチェックで引っ越し先に郵送するということだったのに、2週間たっても1月たっても音沙汰がなく電話をかけメッセージを残しても返事がないのだという。

若いので大家からなめられているのであった。
パラレルワールドのカリフォルニアでは、退去の後大家は修復した場合ならその明細を明らかにし2週間以内にテナントに敷金の残りを返金しなければならないという法律がある。

おばちゃんは、ランドロード・テナント州法ページをプリントして、女の子に敷金の返還を要求するDemand Letterを大家に書けと言った。プリントした州法も同封して送れと。

大家から返事があったが、修理修復の明細はなんだかんだと敷金より多いと言い張っているらしい。請求書もやはりださない。大した修復もないのに金に汚い大家だ。

そこでおばちゃんは大家を調べた。
なんでかというと、大家は毎月のレントをキャッシュオンリーで要求していたのであった。現金のみ。記録が残る小切手はお断り。

へ~イ!「現金のみ」
わかりやすい大家さんである。大家さんが一番怖いのは、IRS(税務署)ですね。
それでルームレントを集中検索すると、大家さんのテナント募集の広告が上がってきた。一番古い広告の履歴もプリントアウトして、女の子に渡し $600/月X12=$7200 一部屋分 X 何年分
大家さんがレント分の収入もちゃんと申告しているのかどうかIRSに聞いてみると言ってやれと教えた。
女の子は無事敷金の返還を受けたようであった。

これもまたパラレルワールドで3つくらいずれた世界の話である。
知らないおばちゃんはビジネスを営んでいたが、出始めの携帯電話がウザかった。ふと思いついて邪魔があったらなと思い検索をかけたらイスラエルのオンラインショップが出てきた。さすが世界の武器庫みたいな国である。危ないものがゴロゴロあった。

邪魔も当たり前にあった。
邪魔はパラレルワールド米国では違法であった。
連邦法に引っかかるのだと思う。持ってるだけで違法。ところが、オーストラリアと日本では合法だったのだ、当時ほえ~。

カスタマーサービスメールで問い合わせると、米国は違法だから売れないが日本とオーストラリアなら売ってあげると言う。なるほど。おばちゃんはパラレルワールドの日本に転送住所があったのである。

日本なら売ってくれるよね?No problemってわけでイスラエルのハードウエアショップはあるものを日本の転送住所に送ってくれた。日本の転送は米国のおばちゃんに送ってくれた、コンピューター部品として。何の引っ掛かりもなく届いた。
むろん邪魔ではない。連邦法違反をする気はなかったから。

その代わりXXXを買った。イスラエルのショップの品ぞろえを見たら携帯電話の件はどうでもよくなり、別計画が浮かんだのであった。当時悩んでいたことで。

相手が正攻法でぶつかっても大きすぎて勝ち目がないときは、まず相手が何に一番弱いか考える。相手のビジネスを規制する役所はどこか、ライセンスを管理するのはどこの役所か?申告はしているのかどうか?ETCを調べる。

オンラインのカスタムオーダーでXXXのxxを作った。出来上がったxxはLAの転送住所から手に入れた。別のXXXで、ビジネスあるあるの相談をして返事をゲットした。その返事の主語をチビっと変え宛名をある人物にして印刷した。その手紙とイスラエルで買ったXXXを同封して、XXXのXX宛に、同時に別封筒でXXXXのXXにこちらはXX承りますのオンライン資料を印刷してXXもつけて投かんした。
XXとXXがXXXするように。

xxxとXXに入るのは何か?
税務署 仕事 喧嘩 恋愛 チワワ 誕生日 事務所 水泳 競争 人類 平和 機関銃 原爆 INS 監査 兄弟 ユダヤ カード 名刺 警察 操作

別のパラレル地球の話であった。正解がわかったらあなたはよっぽど頭がおかしいか性格が悪い。

ペニー・セーバーと詐欺師

たぶん全米だと思うのだが、Penny Saverという広告雑誌があった。今もある。
企業広告、クラシファイド、個人の「売ります・買います」などが一冊にまとまったフリーペーパーだった。1ペニーでも安いものがいい、安けりゃなんでもいいというしみったれ、訂正 価格に敏感な人が見る広告紙だった。

おばちゃんがビジネスをスタートして、しばらくたったころ、急に貧乏風アメリカ人婆さん軍団が増えたことがあった。ぺらぺらのワンピース、でっかいプラスチックのネックレスきつい香水。客単価は最低に近かった。

日本人顧客からはペニーセーバーに広告を出したのね。頑張ってねと言われた。
ウチの客層とは違うので、ペニーセーバーに広告を出す気は全くなかったのだが、客によるとウチのビジネス・リビューが載っているのだという。
それでか!
おばちゃんはふに落ちて、でも安くて下品な客が増えては商売にならんので、この雑誌には近寄らないようにしようと誓った。

それからしばらくして、知らない相手から小包が届いた。請求書(Invoice)も入っていた。宛名は間違いなくウチだったので、開けてみると壁にかけるプラーク(盾)が出てきた。プラークには例のペニー・セーバーの記事が物々しくはめ込んである。プラーク自体のクオリティは悪くないのだが、ペニー・セーバーの記事はアメリカ人記者の間違い知識が書いてあり、ウチとしてはこんなものを壁に飾っては笑われてしまうのである。

そして、次の週だったか小包と同じ差出人フロリダの広告会社からまた請求書が来た。
こっちは:プラークはオーダーしていないこと、記事の内容が正しくないのでプラークの受け取りは拒否することを書いてフロリダの会社に送った。

また請求書が来た。ご丁寧にOver dueのピンクの紙に印刷してある。会社に電話をかけて、オーダーしていないこと、支払わないこと、引き取り拒否することを言うとハイハイと言って電話が切れた。

今度はウチのファックスに請求書が来た。”止めろ”とこちらからファックスを送り返すと、さらに請求書ファックスが来た。

プラークは店に飾れば客寄せにもなるから、普通のビジネスオーナーは根負けして支払うのだろう。ただ、おばちゃんは絶対払うつもりはなかった。知り合いの弁護士に相談すると、Better Business Bureau 略して BBBに訴えればいいという、タダだし。

オンラインのクレームフォームを記入しておばちゃんのクレームはオープンした。BBBは民間のビジネス・トラブル仲裁機関だ。トラブルが発生したら相手のビジネスにクレームをファイルし、BBBが双方の申し立てを開示し最終的な判断をする。

フロリダの会社は反論をポストした。それによると、X月X日午後7時半ごろおばちゃんのビジネスに電話をし、プラークの紹介をしてオーダーを受けたのだという。
その証拠に、会社の電話明細にはウチ店との通話記録が載っている。とおばちゃんは、かっと頭に血が上った。確かに、金曜の一番忙しい日の一番忙しい時間に電話を受けた。ウチは、電話では何にも契約せんよ。記事は間違っているから要らんし、と言った記憶がかすかにある。

おばちゃんは、再反論するあんたの会社の電話明細にウチの電話番号があったとしても、それは私がオーダーしたという証拠にはならない。と返事を載せた。

すると相手は、X月X日午後7時半にわが会社はそちらのオーナーXXXミカコと会話をしたのは間違いない事実である。彼は間違いなく商品をオーダーした。と

おばちゃんは、その瞬間勝利を確信した。何故ならオーナーのXXXミカコはウチの”前の持ち主”で、おまけに彼「He」ではないからだ。

名簿会社というのはたぶん全世界にあるのだろうが、ウチが営業を開始した後も、なぜかウチのビジネスは前オーナーの名前のままになっており、それが依然としてデータとして売買されているらしい。
なぜわかるかというと、ウチにその間違った宛名のDMがしょっちゅう来るからだ。

フロリダの会社もペニー・セーバーにはオーナーの情報が載っていなかったので、名簿会社から買ったのだろう。ところが、オーナーの名前は間違っていたのだった。

おばちゃんは、再度反論をポストする。アンタがオーナーXXXミカコと話したというのは間違いないか?

フロリダ:間違いない。
おばちゃん:残念だね。ウチのオーナーの名前はXXXミカコではない。それは前オーナーである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:XXXミカコは前オーナーで現在はサン・ディエゴで新規ビジネスを展開している。サンディゴのビジネス・エンティティで確認されたい。最後にXXXミカコはFemailである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:貴社から送られたプラークを保管している。至急引き取られたし。引き取りに来ぬ場合は保管料を請求する。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:保管料はらえ!

おばちゃんは完全勝利して、溜飲をさげたのだが、このあと、さらに後日談がある。

1年かそこらして、フロリダの検察局から手紙が来たのだ。この広告会社に対するクレームが多く、検察は捜査を開始したが、ウチの会社はどんな被害を被ったか、あるなら詳細を知らせよ。と.

おばちゃん損害0である。
プラークは大掃除かなんかの時に捨ててしまった。

おばちゃん役所で暴れる

売買エスクローがオープンしてから、おばちゃんは会社の登録に忙しかったエスクローの必須事項をクリアしていくためにスケジュールをたて必要なライセンスの取得、物品の購入、テナント内の改装、業者の選定と契約などすべてをビジネスがオープンする日に向けて収斂させていかねばならない。

一番面倒くさいのは、ビジネスに必要なXYライセンスだったがこのXYだけは申請・登記して済むものではなく2~4か月かかるややこしい手続きがあった。

アメリカ人は大概フレンドリーで嫌な奴もたまにはいたが、役所の奴は違う。一番不快で下劣な奴がそろっているのが移民局で次が税務署。

市役所はややましだったライセンスの役所は電話をかけても待ち時間が長く、今どんな課程にあるの質問してももうちょっととか、いつ頃かと聞く前に電話が切れてしまうのだった。

ビジネスをオープンさせる日を決めるにはエスクローがクローズするのか知らねばならない。エスクローがいつクローズするかは、ライセンスがいつ登録完了するのかにかかっている。

そのライセンスがどうなっているのか、エージェントのタカコに聞いても”え~と?”と頼りない。
エスクロー会社に役所から何か通知があるか聞いても分からない、と。
おばちゃんは胃がキリキリとして役所に申請課程を確かめに行くしかないのであった。

お役所は古いガバメントのビルの5階にあり窓口にはすでに長い行列ができていた。窓口は4つあるのに、稼働しているのは2つだけで窓口から見える中のオフィスでは、職員のおばさんが何かぐだぐだとしゃべって笑っているのだった。

おばちゃんが申請書の受付ナンバーを言ってライセンスのステータスを聞くのだが、黒人のおばちゃん職員は早口で、今プロセスが何たらでこうたらするとどうなる、ネ~クスト、とおばちゃんの次を呼んだ。

おばちゃんはかッとして、そんなに早口で言われても分からない。
もう一度言って!と頼んだ。
黒人のおばちゃんは、明らかに揶揄する感じで何たらがどうなのよ、は~ん。早口で繰り返した。

おばちゃんこれが勘所のライセンスなのも、ここが役所なのも忘れた。
「あなたは毎日同じ仕事をしてて、自明のことだろうけど
 私はこれが初めてだから。わかりやすいように説明してよ」

窓口のおばちゃんも唇を突き出して、
ふん、だからさっきから言ってるじゃない。おばちゃんは窓口のカウンターを両手でバンバンたたき叫んだ。あんたの言うことは分かんないわよ。
黒人のおばちゃんも引けなくなって、
窓口で2人の女が怒鳴りあう事態になった。

おばちゃんは気が付かなかったが、いつの間にか管理職らしい上役が後ろにおり、ちょっとこっちへと白人おばさんのオフィスに導かれた。

窓口の黒人職員も同罪とみなされ一緒に連れてこられたもし、おばちゃん一人だけ連行されたのだったら、おばちゃんはもっとぐれて、ライセンスは取れずにビジネスはぱ~だったかもしれない。

この時の管理職の白人おばちゃんはわりと公平で冷静に何があったのか二人に尋ね、お互いの謝罪を促した。おばちゃんはライセンスが取れなかったらどうしようと氷点下まで冷えていたので、職員に謝罪した。こういう時、外国語は便利である。決まり言葉をつるつる言えばいいし。

その後もお役所仕事はのたくらと進んでいくのであった。

アメックスがアメリカを所有している

おばちゃんはマーチャントサービスのアメックスとは3か月でケンカして切った。

銀行経由でビザ、マスター、アメックスと契約していたけれどアメックスの売り上げはいつ入金されるのかさっぱり分からない。

同じグリーンのアメックスでもポイントが付くのか、タイプが違うのか、3日目か6日目か1週間後か、売上伝票をそろえていてもどれが入金されたか分からない。おまけに手数料が3.5%だった。

ビザ・マスターは高いものでも2.5%くらいで収まり次の日に銀行に入金があるのである。同じマーチャントサービスで同じ仕事もできないくせに手数料だけは高く取る。

それが3か月目におばちゃんに電話をしてきたのである。アメックスだがビジネス・オーナーはいるか?私だというと、おう、ちゃんとビジネスやってっか?天下のアメックスがお前のビジネスのサポートをしてやってるんだせいぜいがんばれよ。
えらそうなしゃべり方をする奴だった。さらに驚いたことにはなぁ、あんたは外国人だから知らないようだが、アメックスが世界のビジネスを支えてるんだ。それからな、大事なことを教えてやろう。アメックスはクレジットカードじゃない。

おば:えっ?カードじゃなかったら何なんだよ。

アメ:アメックスはな信用を売っているんだ。 American Express owns America.と言いやがったんである。
Don’t be so cookie.おばちゃんはむかむかして電話を切った。

アメックスと契約していて何かメリットはあるか?何もない。デメリットだけ。入金は遅い、手数料は高い、セールスは傲慢。クレジットカード決済の銀行に電話してアメックスの契約を切った。

アメックスの引き受け店はどんどん減っているのである。
Costcoがグリーンの年間タダ・アメックスと提携していたせいでアメリカ人のほとんどがアメックスをもっていたかもしれないが、引き受ける中小ビジネスのマーチャントはどんどん減っていたから、もし、アメックスカードだけを持って生活しようとしたら困ること間違いないのだ。

アメックスを持ってる客はビザとマスターも確実に持っているんである。アメックスが使えないと分かったら、ビザかマスターが出てくるだけで、おばちゃんは全く困らない。カードメンバーから年会費をとり、マーチャントから手数料を取りCostcoからは近年ついに提携を解消された。傲慢な商売の結果だと思う。

アメックスカードがステータスだと思っているあなた、マーチャントから見たら売り上げから3.5%持ってかれる客が嬉しい訳がない。
プライベート・ジェットか自分のヨットかロールスロイスを買うときにプラチナでもブラックでも出したらよろしい。
それ以外では喜ばれていない。

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