
ボトックス注射は会社の経費で落ちるか?
夕べ寝る前にジェニファー・アニストンのMurder Mystery 2を観たのでカリフォルニアの春の夢をみてしまった。春の恒例=納税申告Tax Returnの夢である。
アメリカに商売の閑散期2月8月「ニッパチ」はない。
アメリカの小売業の売れ行きが落ちて、ビジネスが暇になるのは4月と9月である。税の申告は4月15日が締め切りなので、4月になるとビジネスは暇になり、我々個人事業主はわりと小ぎれいになる。
何故小ぎれいかというと、毎晩シャワーに入れるから。
繁忙期は帰宅したらバタンと寝てしまうことが多いのに、4月は早く帰れるし毎晩お風呂に入ってお肌もつやつや。化粧のノリもいい。売り上げは減るけど。やってくる営業マンなどと暇だねぇ~と言いあうのだが、小ざっぱりしてるから 余裕ありますかぁ~と聞かれたりする。
アメリカは国民皆申告制度なので、4月は誰もかれも大みそかの日本人のようにバタバタして落ち着かない。ペイロールで給料から天引きされていた税金で足りなければ、申告書類と同時に不足税金をチェックで送らないといけない。おまけに家の固定資産税・前半期があるからダブルパ~ンチ。
おばちゃんは十数年自営業だったから、少しでも払うのを少なくするためにあれこれ控除を考えるわけだ。Wells Fargo銀行がまとめてくれる1年分のクレジット・カードのリポートがありがたかった。
ビジネスの経費は小切手以外はカード支払い。買い物で使った場所までの距離をマップで調べて、交通費のマイレージを計算してた。
今年は35セント/1マイルとか発表されるので、年間の通勤距離とビジネス用のトラベル経費を出せるわけだ。この時期お昼休みには、控除deductible~控除~と検索い忙しい。
おばちゃんは黙っていると眉間の縦しわが怖いと知り合いから言われていた。
オーナーが怖い顔をしていたらビジネスにマイナスだから、ある年決意してベトナム人ドクターHo先生んとこでボトックスを射った。350ドルだった。
一応、ビジネスのためだから経費として申告することにしたが、どの項目chart of accountか悩んだ。メディカル・フィー?うちに勘定項目メディカル・フィーはない。
広告費Advertisementか?近いが違う気がする。ここはやっぱりメンテナンス・フィーだろう。支払先がドクターHoってのが引っかかるかもしれないが、うちみたいな小さなビジネスはそんなにツツキ回されることがないから大丈夫だろう。
うちの会計士スージーは税務署IRS上がりで、IRSの注意をひかないように申告書類を作れると触れ込みだった。そこそこ高かった。前年の決算書P&Lができると(ボットックス入りの)スージーにもっていって、スージーが2,3質問をして経費のバランスに特におかしいところがなければ申告書を作ってくれる。
オプションで監査Audit保険もかけた。50ドルだった。もし税務署の監査Auditが入ったとしてもおばちゃんが対応する必要は一切なく、もとIRS職員だったスージーが対応してくれる。安いじゃないか50ドル!
申告書を出した後4月5月はちょっと緊張する。
日系の北米掲示板で “ついにうちにもやってきましたIRS” などという書き込みを読むと、どきっとし、“10年に一回はスモールビジネスでも監査が入るんだよ。”という書き込みには、うちはそろそろなのか?と気が気ではなく、そういう季節にはよく日本で読んだ「じゃりン子チエ」を思い出すのだった。
チエの婆ちゃん:お好み焼き屋のおバアが税務署から追及されて、「ウソやおまへ~ん。ホンマどす」という絵面が繰り返し脳内で再生されるのだ。
この350ドルってなんだ?メンテナンス・フィーってなんだ?
顔面をちょっとメンテしました。ウソやおまへ~ン。ホンマどす~」
税務署にはツツかれず、ボトックスは無事通った。
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