アメリカで起業する方法とは

アメリカで起業するのに一番簡単な方法は、1)すでに稼働しているビジネスを買い取ることだ、と書いた。
まぁ、現在日本にいてアメリカの就労ビザ永住権を持っていない人間にはまずビザの壁が大きく立ちはだかる。それはそうだ。

松居一代さんはEB1ビザをとって超速でアメリカの永住権を取ったが、松居一代さんでなくてもあなたに資金さえ用意があるならアメリカでビジネスの起業と永住権の取得がいっぺんにできる方法がある。

EB5という投資ビザがある。

2010年前後か?ガバメントが外国人の懐をかっぱぐと同時にアメリカの経済・雇用のブーストにも効果があるように、役人がこしらえたビザ・カテゴリだとおばちゃんは考えてる。


中国大陸の金をざくざく持っている共産党幹部が、我もとEB5を取り、そのおかげで米国中国人弁護士、不動産屋が大繁盛した、ガバメントの狙い通り。アメリカ人にもおこぼれが回ってきたはずだが、中国人はまず同国人を頼るという習性をガバメントの役人は知らなかったと見える。

EB5の5は$500,000ドルを意味する。とみんな知っている。50万ドル。ミリオンの半分 日本円が1:1として5千万円の資金をアメリカで投資するという条件をクリアできる外国人に発行される。

この50万ドルの投資は「現地ですでに稼働しているビジネスを買い取る」ことでもクリアできる。
1)の方法と同じではないか? このEB5はビジネスを買い取ると永住権がついてくる。これは美味しい。

すでに米国で就労ビザか永住権を持っている場合でも、ビジネスを買い取って起業しようと思うと、業種によって最低10万ドルから20万ドルはかかる。

EB5の場合は、50万ドルなので1)よりは投資金額が多い。それはしょうがない。だが、自分のビジネスと永住権が買えると思うと安いかもしれない。


すでに稼働しているビジネスは、つぶれずに利益を生み出してきたというのが証明されている。つまり引き継げば、自分でゼロから起業してクライアントもつかずに借金を抱えて、あえなく沈没というリスクを最初から回避できるわけだ。

超らくちんじゃん、と思うあなたはあんまりビジネスに向いていないかも。頭が悪すぎる。
恒常的に利益を生み出してきたドル箱のビジネスが、容易に売り物に出るわけがない。下り坂だから、経営者が見切りをつけたから売りに出されるのだ。

別のことをしたいから儲かっているけれど、このビジネスを売って資金にしたい、あるいはもうリタイアしたい。傷がない“売り物”はめったにない。そんな出物があったとしても、世情がわからない外国人に見分けられるわけがない。

「日本の海外進出をサポートする企業」は日本にある。アメリカで起業希望の日本人・日本企業相手に手厚いサポート・パッケージを用意している。起業には成功したがその後アメリカで生き延びていけるか?そんなところまでは誰も保証しない。

具体的には、おばちゃんから言えばどうでもいいセミナーを開催して、現地事情や商習慣・税制・法律などを解説し、食いついてくる企業や個人にはさらに現地セミナーを企画して修学旅行のように日本人をアメリカを連れまわしてアメリカンドリームを醸造する。セミナー産業。

実際起業の手続きには、現地の会計事務所・弁護士事務所と提携して会社設立の一連の業務で、さらに金を吸い取られることになっている。

買い取って投資しようというビジネスは、現地の不動産屋で出ている物件とそれほど違うわけではない。が、海外進出企業サポート産業が、見込みのある投資として紹介しお世話をして成り立っている。日米でかっぱぎの軍団が待ち構えているわけだ。

「セミナー」という単語がでたら、おばちゃんは用心する。金だけかかって内容がないからだ。なんなら、おばちゃんが企画してもできる。95%のオンラインで調べられる資料に5%に現地でしかわからない情報を混ぜる。人はこの5%に金を払う。

日本人がだれでも知っている小売り企業ドXXXXXは、こんなサービスを使わなかった。現地の不動産屋と会計事務所を使って米国内のチェーン・スーパーを買収した。

用心深いことには、いきなりアメリカ大陸に上陸せず、ハワイでスタートした。
ハワイは日系人が多いので日本のビジネスをそのまま持ってきて営業しながら、自分のビジネスのどこがアメリカにそぐわないのか、そこで予備訓練をしてから、アメリカ本土に上陸してビジネスを展開してきた。食えないやっちゃ、と思う。

セミナーに参加して明日は海外進出なんてふわふわ夢を見ている時点で、ダメだ。
今は、オンラインで米国内の弁護士・会計士・不動産屋に直接アクセスできるし、掲示板にはビジネス売りますの広告がある時代。

アメリカで起業できるビジネスは何か?何がアメリカでうけるか?日本にあってアメリカでは競争相手がなくて、受けそうなビジネスは何か?

アメリカでも日本でも世界でも「汎用」なビジネスは何か?何故かといえば、アメリカの日本人が渇望している日本の物であっても、汎用性がない場合、ビジネスの規模は日本人だけのローカルに留まる。

アメリカの日本人はラーメン屋に来てほしいと思っているが、アジア系にもアメリカ人にも受けなければビジネスは大きく育たない。汎用性=世界で通用するテイスト。

ビジネスの分野を絞る。最短で最速、しかも自分の実力で突破できそうな道はどこか?戦略と戦術を立てる。
最低資金でできるプランA,最敷居が低いプランB,最短プランC そのくらいのプランが立てられなければ起業をする能力がない。あきらめよう。

おばちゃんが警告しておくが、第二次世界大戦が終わってから日本人の渡米や企業進出が出来るようになっても、ある一つの日本のビジネスは、様々な時代にいろんな日本人がアメリカに持ってきてはやらせようとしたが、誰も成功しなかった。

そのビジネスはパチンコである。

日本で衰退がささやかれ始めたがこの巨大娯楽ビジネスはアメリカにはそぐわない。汎用性がない。カジノのスロットがある国でパチンコは徹底的にアメリカ人には受けない。アメリカのパチンコ起業は討ち死の歴史である。


時事から学ぶ正しいアメリカのビザ知識2

カテゴリEB1

おばちゃ~ん、Yahooの記事を見た?

ああ、松居一代の永住権か?

そう、EB1(イー・ビー・ワン)って聞いたことがないやん。

あれはおばちゃんも驚いた!何が驚いたかってEB1のカテゴリに驚いたわけでなく、EB1が最高クラス・ビザやってそんなものが自慢になるのかって、驚いた。(誰か最高やって思うのかそんなもん)

永住権は取ってなんぼ。

永住権を持っていて初めてアメリカで普通に生活ができるようになる滞在資格や。永住権はアメリカで生きていくのを保証する魔法のカードやない。格付けでもない。そこがスタートで、生き延びられるのかどうかは本人の能力次第。

とにかくEB1ってなんや?
イミグレのdescriptionを引用してみようか?
Extraordinary Ability
You must be able to demonstrate extraordinary ability in the sciences, arts, education, business, or athletics through sustained national or international acclaim. Your achievements must be recognized in your field through extensive documentation.

松居一代さんの感性はこの冒頭のExtraordinary Abilityの単語に反応したんやな。
あの人の過去のUtube活動は確かに、Extra-Ordinary(常道を逸したもん)ではあったが。卓越した才能Abilityと自分の頭の中では翻訳しているのやろ。

おばちゃんがいやらしく解釈すると、「科学、芸術、教育、ビジネス、運動選手」分野でExtraordinary ability卓越した才能を自国で持続的に発揮している人、ORまたは 国際的に認められている人にEB1の申請資格があるわけよ。

科学、芸術、教育、運動選手っつうのは学術雑誌、コンサート、国際会議、選手権などで成績や活動が、客観的に証明できるわけだから第三者にも明らか。

「ビジネス」というのはこれは選手権があるわけではなく、どちらかというとinternational acclaimで判断されているのかなと考えたりする。
松居一代さんは日本とシンガポールに会社を作っているから、この「または」のカテゴリかもしれない。

おばちゃん、見て!
2019年のイミグレの発表やで、EB1の発行数は39,471で、1年間の発行上限は40000やて。へ~

ほ~、年間4万人か、意外と発行されとんのやな。
中国人御用達しの 投資ビザEB5 の発行が9,085 で発行上限が9,940やから、EB5の方が狭き門やったりもするのか。まあ、EB1がプロセス最優先やから、早くでるやろうけど。

アメリカに住んどる日本人は、普通は国際結婚や会社の雇用をとおして永住権を申請するが、

この人はアメリカ人の夫がいるわけではなく、アメリカ人の父がいるわけでなく、この人を雇っている会社があるわけでなく、アメリカに”おいで”、って誰かがサポートしてくれるわけではなく、
何一つアメリカに縁がない人が正面切って、いきなりド~ンと正面玄関から「頼のも~」って入って来たみたい。

滋賀出身の近江商人の末裔だから、アメリカのビジネス社会で十分通用するんとちがうか?あの人みたいなタイプはごろごろいるで。ワニやバラクーダに交じって松井サラマンダーの活躍がみられるかもしれない。

でも、おばちゃん、あの人はシンガポールでビジネスを展開するって、移住したやないですか?シンガポールはどうなったんやろうか?

シンガポールの中国系は民族総商売人みたいやんか?

できん奴は淘汰されて、残って繁栄してるのは特に賢こうて、目先が効いて親戚と仲間でビジネスネットワークががっちり出来上がっている国と違うか?
松井さんは投資家としても国の制限がない広いマーケットで活動してみたかったんやろな。

でも、永住権が取れた後は、どのビザ・カテゴリで取れたかなんて誰もどうでも気にしてない。その後、アメリカでどれだけ才能を発揮していけるかが一番大事なんよ。

時事から学ぶ正しいアメリカのビザ知識

留学ビザ オラオラ編

高証明
学生ビザを申請するところからいってみようか?
留学斡旋サイトやアメリカ大使館の日本語のヘルプサイトがいっぱいあるからまず読んでおけよ。

サイトに書いていないことを、おばちゃんは教える。
いいか、アメリカの留学ビザというのはな「英語を学びたい」人のためとちゃがう。


はぁ?!なんて言うな、この間抜け。

アメリカ政府はな、英語=語学みたいなもんは、どこでもできる学問やんけ。そんなもん、自分の国でやれ間抜け。っちゅうポリシーを持っておる。

だから、留学の目的を「英語の学習」って書いたら、それだけで留学生ビザが出んぞ!
自分の学びたい分野を「宇宙工学」とか、「スーパーコンピューターの開発」とか、大きく書け。

それで、ガバメントに金は持ってますからアメリカで働きませんし勉強だけします。その証拠に銀行残高を見せるのさ。留学生は就労不可だから。最低200万はあるとこを見せんと。

あ~、それで圭さんが母親の元婚約者から200万都合してもろて口座の残高証明をとったんやな。

そうや。
残高証明がとれたら、金を引きだして返せばよかったのさ。見せ金にするって言ときながら、そのまま返さずにポケットにいれたから事件になったんじゃん。

ありがとう、おばちゃん学生ビザが出たよ。
エフ・ワンと言うんだよ。あんたに配偶者や子供がいたら、F2と言う。ビザカテゴリの名前。そのくらい覚えろや。

おばちゃん、このI-20ってなんや?

アイ・トゥエンティと呼ぶ。
あんたが学ぶ学校から発行される在籍証明みないなもんさ。絶対なくすなよ。学校の授業料を支払い忘れると、I-20 の更新ができずに学校から放り出されるからな、そしたらお前はイリーガルの不法滞在よ。お前のアメリカの滞在資格を証明する証拠。

おばちゃん、カレッジを何とか卒業できそうやで。
ちゃんとユニバーシティ/大学へランスファーして卒業せい。

おばちゃん?なんか、インターンができるって。

そうよ。インターンで実際の仕事の経験が詰める。ただし、無給だ。インターンを募集って、会社の募集広告があるから探せ。なるべく卒業した後にOPTH1Bをサポートしてくれそうな会社を探せ。そして、なるべくコネをつけい。

なんや、そのH1Bたら呪文みたいな言葉はやめて。日本語で言って。

エイチ・ワン・ビー専門職ビザ アメリカで就職して働けるビザ。就労ビザさ。 ビザカテゴリの一つよ、その位覚えてろや。
F1ビザの学生は卒業したら、本国に帰国するという前提でアメリカ合衆国がビザを発行している。そうやな!

はぁ、そうですぅ。僕は卒業したら帰国せなあかんのですわ。そやから先輩のYさんも帰国しはりましたな。僕はもう少しアメリカに居たいんですけど。そしたらなんかチャンスがあるかも。どうしたらいいですか?

そしたら大学を卒業する年に、OPT オー・ピーティーをイミグレに申請するのさ。

またでた、おばちゃん、呪文の言葉が!OPTってナニ?日本語で言って。

Optional Practical Training という。学校で学んだ同じ分野の業種で実際の職業経験をさせてもらうわけや。トレーニングよ。今、小室圭さんがLowenstein Sandlerでやってるべ?

イミグレ?ガバメントの

ガバメントのイミグレ以外に他にイミグレはない。あんたはF1学生ビザの身分だからだから、本来は就労不可のカテゴリよ。学校を通してイミグレに申請して働いてもいいですか?イミグレから”よろしい”と許可が来たら働ける。

給料はでますんか?
OPTは出るはず。正規雇用と同じかどうか知らんよ。どこの企業でアプライするかでも違うと思う。

そんなら、圭さんもイミグレに申請してLowenstein Sandlerにアプライしたんですか?

そういうことやね。ただしOPT期間は1年って決まってる。あんたみたいなcommunicationを専攻しちゃうと、OPTの延長は効かない。

小室さんはどうでっか?

あの人の専攻はLawなのでやはり延長はなし。1年ぽっきり。カシコの子の数学とかの4種類の分野だけ延長が効く。

でも、僕はcommunicationやからOPTの1年が終わったら帰国をせなあかんのでしょう?

そうや、だからみんなOPTのあとH1Bをサポートしてくれそうな会社を探すのさ。

そのH1Bって言葉もう一度説明して?

就労ビザさ。学生のあんたが一番取れそうなビザがHIB エイチ・ワン・ビー

永住権はとれんのですか?

はぁ?あんたみたいなcommunication専攻の役立たずに、いきなり永住権をサポートしてくれる企業があるかい?

おばちゃん~~ダメ?スリスリ。

あっか~ん。
なんでです?

あんたの大学の専攻とおばちゃんのビジネスの分野が違う。だからダメ。
おばちゃんはいっぺん、留学生を雇おうとしたけど、雇う側の企業もいろいろ面倒くさい資格と義務があんのよ。だからやらない。
だって、もう永住権を持ってる人や、アメリカ生まれの市民がより取り見取りで雇えるのに。なんでわざわざ留学生のために、イミグレ相手に面倒くさい手続きをすんのよ!

あ~、なるほど。そやからLowenstein SandlerやWindels Marxも永住権をサポートせんのですか。

そういうこと。

まぁ、万が一を狙って永住権=グリーンカードの抽選に応募することはできるけどな。こっちはほんとの宝くじ。

H1Bの話に戻って、僕がこれからOPTで働く会社がH1Bのスポンサーになったるわ、と言えば僕のH1Bもサポートしてくれるんですか?

あんたのOPT中の働きに感心して満足してくれて、よっしゃビザサポートやるわ、ていえばチャンスがあるな。
ただし、H1Bのスポンサーになるという企業は、おばちゃんが言ったように、アメリカでも限られていて、どこにでもあるわけではないぞ。

そんなら、どうやって調べるんですか?
H1Bをサポートする会社サーチがあるのさ。そこで企業名を検索すれば出てきた企業はH1Bをサポートしてくれるかも。

https://h1bgrader.com/states/new-york-ny

https://www.myvisajobs.com/Search_Visa_Sponsor.aspx

あ~、おばちゃん、大変です。
なんや、Lowenstein Sandlerって、H1Bのサポート企業と違うやありまへんか?

そや、気が付いた?ゲーリー森脇氏が属するWindels Marxも調べてみ?
こっちも、サーチに出てきませんわ。そうすると、この事務所もH1Bビザのサポートをせんのですね?
正解!
んでも、そんなら小室圭さんはOPTが終わった後はH1Bはどうするんですか?就労ビザに切り替えられへんやないですか?

そこはな、たぶん深~い戦略や。あの人は最初っから抽選みたいなH1Bを狙ってない。もっと確実な就労ビザを取るはずや。
なんでや言うと、H1Bビザはものすご~い競争が激しいんよ。毎年ガバメントがH1Bの申請開始って発表するとあっという間に人数枠が埋まるビザなのさ。

サポートの会社が見つかっても実際申請を出して、H1Bがとれるかどうか宝くじと一緒。
人数が増えすぎて、今はほんとに抽選になったのよ。第一次抽選、第二次抽選手ね。

ほなら、おばちゃん小室さんは、いや僕はどうしたらいいですか?

あんたの場合は、とりあえずOPTで申請するときH1Bサポートしてくれる可能性のある会社にまず応募する。そしてOPT1年の間に会社にH1Bをサポートしてくれるよう働きかけて、この会社はあかんと思ったら諦めて、日系雑誌の「ビザサポートします」ちゅう求人募集に片っ端から応募する。

運が良ければ、雇ってくれてH1Bか、ほかの就労ビザをサポートしてくれるかもしれん。
はぁ~、僕のチャンスはそれくらいですかぁ。

残念ながら、あんたは王子さまでないんで。

おばちゃんのおすすめ記事

さあ、寄ってってね。読んでってね。おばちゃんが面白い記事をお勧めするわ。

スカッと一発

ガレージの攻防

アメリカは何も持っていないベトナムに負けた。アメリカ人はそっぽをむきながらも渋々負けたことを認める。
We were in different league! !

アメリカで起業

とほほ

負けないわ!

長編

異色

日系社会のピラミッド

西海岸でも東海岸でも日本人日系社会の構造というのは大体同じではないだろうか。ピラミッドの構成というのは下からこうなっている。自分探し。30代に入る直前から30代の後半まで、離婚組も多い。

アメリカで起業する

アメリカの移民はスモール・ビジネスが多い。
なんでか?
アメリカの企業が雇ってくれないからだ。英語に訛りがあって、米国の大学卒でもなく、正体も分からないからだ。だから、移住者は自分でビジネスを始める。
屋根屋、洗濯や、大工、電気屋、レストラン、ヘアサロン、不動産屋、会計士、弁護士。

客から考えた場合、
同じ日系人のビジネスなら騙されないという安心感がある。いい加減なことをすれば、狭い日系コミュニティですぐ噂が広がるし、多少高めでも行くのである。アメリカでスモールビジネスを起業すると、同胞は客として見込めるのだ。

永住権を取得していて技術があって資金があるなら、アメリカで起業をすることはさほど難しくない。一番簡単なのは、すでに稼働しているビジネスを買い取ることだ。

ショッピングモールを観察して洗濯屋でも、これ!といったビジネスが欲しければフラワーショップでもギフトショップでも、不動産屋が売買を仲介しいてくれる。

自分の手持ちの資金でビジネスの規模が決まる。
10万ドル、20万ドルの規模なら小売店のパパママで経営するビジネスの経営権が買えるだろう。
流れを書いてみるなら
まず、自分の資金で手が届くビジネスを見つけたとする。不動産エージェントに連絡し、相手オーナーに買いのオッファーを出す。相手からカウンターオッファーが返ってくる場合もある。
買い手売り手双方が金額に同意したとして、次のテージはモールの審査だ。

モールの管理会社が新テナント候補の審査をする。むろん審査を落とす場合もある。資金・資産不足、経験不足など。
インタビューの予約を取り、(審査予約で申請料を取るモールも多い)自分が経営することになるビジネスモデルを作成してインタビューでプレゼンテーションをする。

事務能力・スピーチ能力に自信のない人は会計事務所とか弁護士に代行を頼むこともできる。小売り・サービス業を開業しようという人間が事務能力とプレゼンテーションの能力がないとは、はなはだビジネスの将来が頼りないのであるが。

審査には資産状況、学歴、職歴の開示が必要なのは言うまでもない。アメリカでの逮捕歴や交通違反でもDUIなどの違反が出てきてしまうと、ビジネス・ライセンスが下りない場合がある。

モール側の審査が通れば不動産売買の仲介会社Escrow会社が間に立ち、売り手と買い手の双方に売買のアサイメントを指示してくる。

買い手はエスクローが支持してきた手続き:会社の設立、営業名称の登録、ビジネスライセンスの取得、銀行口座の開設などをこなしていく。

連邦は州のライセンスを取るのにさらに面接があったりするわけだが、必要フォームに記入して提出するだけのライセンスもあるし、辛抱強くこなしていけばライセンスは取れる。時間が多少かかるライセンスもある。

営業に必要なライセンスがすべて取れたら、次は実際営業をするテナント内部のリモデルの計画を遂行する。業者に必要な見積もりを出し業者の選定をし、営業開始日からさかのぼって施工の予約をる。

言語能力?そんなものはできるのが当たり前のこと。

言語能力だけあって実務能力がなくてもこれまた困るのだが。日本で生活している中国人、ベトナム人イラン人、が何ができて何ができないか?
他国で生きていくために何が第一に必要か彼らを見れば答えがわかると思う。

タックス・リターン

トオル君はその時まだ未成年で学生だったから、TaxReturn/税申告はお父さんとジョイントだったと思う。
バイトのペイロールからごっそりひかれていた税金が戻ってきたと喜んでいた。次の年、アニメ関係であぶく銭を稼いだけど、お父さんに扶養家族になれと言われて、またタックス・リターンでちびっと税金が戻ってきた。

”夏には日本のコミケ行くんすから。航空チケット代を稼がないと。”
アニメグッズでおいしい思いをしたので、2世仲間と会社を作って日本のアニメグッズを輸入して売ろうという夢を見始めた。

トオル「おばちゃん、会社を作るにはどうしたらいいんですか?」
おば「個人会社だと簡単だねぇ。Retail License を取って、ビジネスネームを登録する。銀行口座はそれでできるから
物を売るの? 
「ふ~ん」
おば「それから、タックス・リターンはセールの額で違うからね。」
トオル「タックス・リターン?」
怪訝な顔のトオル君を見て、おばちゃんぴ~んと来た。

おば「あんた、所得税のIncome Tax申告だと思ってるだろう?」
トオル「4月にガバメントから帰ってくるやつでしょ?」

おばちゃんはチッチッチッと顔の前で人差し指を振り
「Wroooong! あんたは2つの勘違いをしてる。第一にIncomeタックスではなくて、Salesタックス/消費税よ。小売業だと消費税が発生するから。

毎月か3か月に一回タックス・リターン。第二にタックスを返してくるのがガバメントだと思ってるでしょう?

間違い!
消費税はもともとガバメントの物なの
それをガバメントの代わりに小売業が消費者から徴収して、ガバメントに返すReturnするのがタックス・リターンとアンクル・サム(古いな)は考えている。
自分の物だと思ってるから、消費税を申告しない奴、返さない奴はどこまでも追っかけてくるよ」

トオル君、ワンコがスカンクの屁を嗅いだように憮然としていた。おおかた、片耳で聞いたいろんな控除を使えば税金なんかへいちゃらと考えていたに違いない。Wrooong!

文化のはざま

あなたは異文化をどこまで許容できるだろうか?或いは、自分の文化をどこまで守って、どこから先は移住国に合わせられるだろうか?

リセッションでガラガラになったショッピング・モールに入ってきたビジネスはいくつかあった。モールの管理会社にとっては、金を持ってさえいれば猿でもカバでもよかったのかもしれない。

新しくネイル・サロンが入った。ベトナム人経営のビジネスで、雇われている女の子は最低限の英語しか話せない。しかし、指先が器用で料金が一番安いので、ベトナムのネイル・サロンは割と人気なのだ。
客はほとんど白人だった。オーナーはおっさんで、店にいたことがないのでモールの誰もがほとんど知らなかった。

ここからは、ジャネットの情報だが、おっさんは一言も英語が分からないのだという。YesもNoも言えないのだという。

管理会社のローランドとフレッドがノーティスをだしたり、電話を掛けたりしてもおっさんは英語が分からないので、一切通じなくて困っていた。

唯一英語がわかるのは、おっさんのハイスクールに行っている娘だけ。ええ歳をしたローランドとフレッドが娘を捕まえようとするのだが昼間学校に行っているので、大変らしい、と。

ベトナム人が馬酔木を縁起の悪い木として嫌がってモールの馬酔木を枯らしてしまったことがあったが、おばちゃんはベトナム文化にいちゃもんつける気はなかったし、それはネイル・サロンの美観の問題であったのでスルーしていた。

ところが、困ったことが出てきた。
ある日おばちゃんが裏口をあけてリサイクル缶に空瓶を捨てた時、ベトナムの女の子たちが何かを地面に撒いているのを見てしまった。これが初めてではなく、何度か同じ光景を見た記憶があるが調べなかったのだ。

この時は、いったい何を撒いているのだろうとおばちゃんは見に行ってみた。むろん、女の子たちが全員引っ込んだ後で。

米だった。
おばちゃん、深田祐介も、近藤紘一も大好きだったから何をしていたかわかってしまった。彼女たちは野生の雀に餌をやっていたのだね。ベトナムなら放生すべきところ、放つ生き物もいなかったからせめて養うため/生かすために米を撒いていたのだと思う。

これは困る。
たぶん先進国ではみんな衛生基準に引っ掛かる。米はRodentsを呼び寄せるのだ。平たく言うとネズミ。ネズミが居つくとビジネスが困る。保健所がでてくる。おばちゃんは管理会社のフレッドも大嫌いだったけど、これはビジネスの存続に関係するので報告するしかなかった。

彼らにとっては生き物がスズメだろうが、ネズミだろうが、ゴキブリだろうが一視同仁。生きし衆生を慈しむのは仏教を生きることだったと思う。ベトナムならOKなんだろうけどね。

アメリカは自由の国だ。
それぞれの宗教信条は尊敬を払われるべきだったけど、この場合は衛生基準にさわらない方法にしないと。動物園とか、保護施設とかに金銭を寄付するとかね?

オンライン・ショッピング

携帯自体も出始めでIphoneどころか、BlackberryやNokiaがぽつぽつと使われ始めたころ社会はまだ携帯文化に慣れていなかった。他人と一緒の時に携帯電話をいじるのは、人を無視した無礼なマナーという合意があったような時代。

人は一人でやってきてアメリカ人がでっかい指先でBlackberryをポチポチさわる。よそから電話を受けて他人に耳障りな会話を平気でする。おばちゃん、そういう客が目障りでどうしたもんかなぁと悩んでいた。繰り返すが携帯電が珍しかった時代。

おばちゃんは勤務時間が長く碌に買い物に行けなかったから、オンラインショップを多用するようになっていた。EbayでInstantBuyかアマゾン。どうしてもアメリカにないものは日本で買って転送で送らせていた。

携帯電話の迷惑を何か防げるグッズがないか、検索していたおばちゃんは見つけてしまったのですね。
邪魔ー。携帯電話の電波を邪魔ー。

おばちゃんはふと黒い心がムクムクもたげ色々調べてしまった。当時携帯の電波の状況は安定していなくて、しょっちゅうつながらないとかトラブルがあるようだった。

もし、ウチでつながらなくてもそれはよくある話よね?その会社はイスラエルにあり、邪魔―の他にも怪しげなグッズがいろいろあった。

ただ、アメリカ国土で邪魔ーは許されていない。もし、所持していたら連邦犯罪になるのかも。

邪魔―がOKなのはオーストラリアと日本だった。おばちゃんは会社にメールをして、日本に送れる?と聞いたらば、日本は禁止国じゃないから大丈夫よ。と返事が来た。

そうか、理論上イスラエルで物を買い、日本の転送住所に送って、転送からアメリカに来るよね。おばちゃんは無害のコンピューターパーツを買ってみたら日本経由で普通に届いた。むろんイケナイものは何も買っていない。

ある時はラップトップの調子がおかしいので、予備のハードディスクを買っておこうかと、近場で一つポチる。セラーから送ったよ~、通関があるから、。とメールが来てえっ?通関?何故?同じ州内で、どうして通関?

ハード・ディスクは3日も4日も届かず、1週間以上も経ってからやっと届いた。カナダから。EbayのアイテムのロケーションはCAだった。CAはCaliforniaだろう普通?!カナダの会社ならCANADAって書けよ。

ある時はEbayでエスニック風のパンツ(タイ産)が気に入って、ただ値段がGBPと書いてあったので、Sellerに問い合わせたらブリティッシュ・ポンドだという。アイテムのロケーションはオーストラリアである。変だなぁと思いながらも欲しかったので買ったらなんとドイツから届いた。
ネットには魑魅魍魎が巣食っている。

生き延びる

アッコちゃんが窓の外を見ながら、ぽつんと言った。
「ああ、あのアスファルトを均している人だって、資格や技能を持ってて仕事をしてるんだよね」

外の駐車場はアスファルトの敷直し最中でローラー車両に乗ったメキシカンが熱いアスファルトを均しているのだった。駐車場が半分使用不可能なので、客は来ず暇だった。

おばちゃんは、アッコちゃんが言うことが痛いほどわかった。好きな国で生きていくためには、何か技能がいるのである。

好きな仕事か、やりがいがあるのとか、そうでないのとか、、そんなこと以前に、ちゃんと雇われてお金がもらえる仕事が必要なのである。雇ってもらえる技能、仕事がもらえる技能。安定して暮らしていける仕事。

アッコちゃんは多磨美の卒業だったから、フォトショップもイラストレーターも扱えるのである。デザイン関係ならどうなのよ。と何時か聞いたことがある。
「私くらいの才能はその辺にいくらでもいるんです」

アッコちゃんはその後ウチをやめ、サポートしてくれる会社を見つけて、グリーンカードを取った。アメリカのビジネスの新陳代謝はとても早い。時流に遅れてた会社、時流を見ていない会社は消え新しいビジネスは生まれるが、いつまで持つか誰も知らない。

親方日の丸にすり寄っても、本家の長い不況のために営業所を縮小したり、いつ完全撤収してもおかしくない。ヤマハも人を減らし、リコーは突然アトランタに移転をした。家を売ってついてこれない従業員は首。

そしてまさか、世界のトヨタがテキサスにヘッドクオーターを移転するなどとカリフォルニアの従業員は誰も想像もつかなかった。日系社会は動転した。家を売ってテキサスに引っ越すか、やめるか。外地の将来はいつも真っ暗。先は読めない。

グリーンカードは取れたけど、アッコちゃんは結局接客業を選んだ。
人が好きなのだ。コロナのパンデミックの中、死んだほうがまし!くらいの苦境に立たされたことは想像できる。できれば逞しく生き延びていて欲しいと思う。

税金は滞納するな

税金は滞納しないほうがいい、
何故なら後でしっぺ返しを食らうからだ。これはウチのベストのお客さんだったボブと孫ヒューイの話である。

ボブはニューヨークの生まれだった。離婚した後カリフォルニアに移って、AT&Tを長く勤めてリタイアした。いい歳だったんだろうけど、肌はしわもなく頬はピンクで元金髪だった白髪がふさふさしていた。一人暮らだが、娘が近くに住んでいたのでカレッジを卒業した孫ヒューイがよく一緒に来た。

ボブはいつもヒューイに説教していた。カレッジを卒業しただけで、大学に行かないことを嘆いていた。
若くて怖いもの知らずのヒューイはまだ25で、ボブの言うことをてんで相手にしていなかった。

美人のガールフレンドはいるし、高級取りだったから。ガテン系の仕事なのだが、高所作業する職だそうで大学出の資格でもなかなか稼げない金を稼いでいたのだ。

しかし稼いだ金は遊びに使ってしまい、納税時期になると所得税も州税も払えなくて未納金に利子が付き、督促に追われていた、ボブにも泣きついていたようだった。

そんな時にメキシコ湾原油流出事故が起こった。ヒューイは税金未納のトラブルをほっておいて(税金を払えば済むはなしなのだが)テキサス州メキシコ湾に逃げた。
とりあえずカリフォルニア州にいなければ、未納金も追っかけてこないと思ったのだろう。多分、普通はあまり追っかけてこないと思う。

流出した石油の処理にメキシコ湾にはリグが建てられ、高所作業できる技術者が高い給料で募集されていたのだ。ヒューイとしては、テキサスでうんと稼いでカリフォルニアの税金を払えばいいと思っていたのだと思う。

ところが、カリフォルニア州はヒューイの上手をいった。ヒューイの給料が全額抑えられたのだ。裁判も経ずにいきなり給与を抑えられるはずないのだが?

実はテキサス州がヒューイに払うはずの給料は、カリフォルニア州から債券をテキサスが借りて支払うことになっていたのだ。

カリフォルニア州はテキサスの事故処理ペイロールにヒューイを発見して、さぞかし喜んだろう。
ヒューイ君、愕然。あてにしていた収入が全く入らず、文無しでカリフォルニアにシオシオ戻ってきた。

ボブのおじいちゃんは、激怒である。だから、言ったろ。税金問題を片づけておけって。弁護士費用なら出してやるって言ったろ?ばーかたれ。

ヒューイはストレスのあまりドカ食いしたのか、見分けがつかないほど真ん丸なデブになっていた。
教訓 税金の滞納はやめよう

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