明るいふるさと納税

ふるさと納税って何なの?
帰国したら摩訶不思議で妙てこりんな制度ができていた。
何度読んでも漠然としててやり方が面倒で分かんない。次の年に初めて使ってみた。

冷凍ホタテと、冷凍イクラが届いた。
イクラもホタテもちゃんとお金を出したから、「高い魚介類を買った」としか思えない。どれだけ住民税が安くなったのだろう?年末調整だから実質納税額がわからない。それがふるさと納税の感想。

この間ネットの書き込みでこんな記事があった。
職場のAさんは意識高い系の先輩である。その先輩は「ふるさと納税」には不快感を丸出し。
物が欲しいからって縁もゆかりもない自治体にお金を払うなんて、(イヤシイ)。私はやらないわ。ねぇ、私の母も同じことを言ってました。
――てな記事があったのさ。

理解が間違ってる。
おばちゃんは今更「ふるさと納税」の成り立ちや趣旨を詳細に調べてみるつもりもないが、
きっと貧しい地方自治体が、減少する人口=減少する住民税に悩んで、国からの補助があるといっても死なないほどに援助があるだけで、人口減をストップするほどのプロジェクト予算を組むほどは呉れない。
このまま手をこまねいていれば、過疎地域はジリ貧で自治体自体が消滅するかもしれぬ。なんとかして欲すい~いと、おらが議員様に陳情して、議員様は、ナントカ党や官僚やらを動かした結果できた制度ではあるまいか?

よろすい。制度を作りましょうず。
おばちゃんはこんな風に理解した。

例えば、おっきな体育館があって、テナントが47軒入居している。限られた空間上それぞれのテナントの出店場所の良し悪しや、立地条件が違う。隅っこで陽があたらない小さなテナントは、人もいないし当然売り上げも上がらない。便利で資源がたくさんあるテナントは住人が沢山住んでて収益も大きいし態度も大きい。テナントの位置は絶対取りえ不可能。公平じゃない。

で、より公平を目指すために、政府がスタンプラリー、おリボンキャンペーンを始めましたと。
すべての住民はどこかのテナントに住民登録してあるから、体育館に入ったら自分の自治体テナントを探してスタンプを押してもらってね。
その時、ほかの自治体テナントが愛想がいいとか、ミニスカートでダンスを踊ってくれたとか、可愛かったとかしたら、その自治体テナントにおリボンを上げていいから。応援してあげていいのよ。

後で集計しておリボンをもらった自治体はその数(税金)を本来の自治体から分捕ってよし。本来の自治体は住民登録してあった登録定数よりおリボンが少なかったらその分(税)
は差っ引かれる。皆さん、自助努力をしておリボンをたくさんもらったらその税を自分のものにしていいから。

テナント:は~い。わっかりました。
それで過疎市町村テナントもここが勝負と頑張るわけよ。おリボンを返礼品というものに変えて。

厚岸
ふるさと納税が入ってきたら、暮らせねぇべ~と出ってた若夫婦を呼び戻えせるべ。保育所さ作って、したっけ地元で暮らしてっくれるっしょ?
うちさ、漁村には毛ガニさあるさ。ホタテは海さ行けば浜に落ちてるべ、返礼品はこれで決まりさー。

茨木
課長、返礼品はどうすっぺ?
決まっとるっぺ。おれげー婆の時代から村の名産はかんぴょうと干す椎茸だがら。
干す椎茸?若いっこ受けせんのでねぇけ?おみゃ、おらが婆の顔をつぶす気か?

グンマ~
うでだてうどんにイチゴさ。ごんにゃくさ忘れねぇで。

河内
海でもねえ、山でもねぇ、売れる産物がねぇ。おんどれ返礼品をどうせい言うんじ、。われ。
課長、Ipadが3掛けで引っ張れまんが、どないだす?
Ipad?地産と違うやろ。国がうるさいと違うんか?
かめへんがな。罰則と罰金がありまへんがな。
な? ほな、いちびったれ。Ipadいかがっすか?
国:コラ!
でも特産品が無いわしら自治体にどうせい言うんや。地産一点張りやな、おんどれ。
かめへん、もっといちびったるで。

京都
ぶぶづけいかがどす?

というドラマがあったのかもしれない。
いずれにせよ、ふるさと納税の目的は、恵まれない過疎自治体を応援するための制度であるので、過疎ではあるものの、豊かな自然資源がある自治体には、古今未曽有のふるさと税金が降り注いだ模様。
何年かの施行の結果、リッチな大都市町村であっても、この制度のおかげで本来入ってくるべき歳入が何十億も減った自治体が出てきた。当然である。

命の次に大事な金を収めたところで“ありがとう”とお礼の言葉さえなく、当然のようにふんぞり返っている勘違い自治体に背を向けて、農村漁村を応援しようという気になるのは人間として当然の心理だ。ざまを見ろ。

ただ、かわいそうな市町村も当然出るだろう。かんぴょうなんてもらっても、スーパーで売ってるわよ。何もないからって石ころをお礼にしてどうすんのさ。
役場が能無しの場合は、もらえるどころか本来はいるはずの歳入さえ逃げていく。どん尻である。マヌケという評価が定着する。限界集落となって消滅の危機

で、最初のネットの記事、意識高い系のおばさんOLに戻る。
この制度で救済できる自市町村に、応援することもせず目をつぶってあえて何もしないのは果たして意識高いのであろうか?


人口の多い市町村は人口の上に胡坐をかいて、無為無策でいるのは褒められたことなのか?
支払いにクレジットカードさえも使えないのは、市民の便宜を著しく無視している。

クレジットカードは受けていないんですよ。だって、クレジットカードで入金したら誰の税金なのかわかんなくなっちゃうでしょ? K市税務課のおばはん、カード支払いの基本的な知識を学ぼうね。

さて、ふるさと納税は悪法である。
こんなへんてこりんな法制度はたぶん他の国にはないのではないか?ひょっとしたらイタリアあたりにはあるかもしんないかも。

返礼品の競争に走ってしまって、本来の弱小過疎市町村の正しい応援制度として機能しているとはいいがたい。個人から寄付できる市町村の数にさらに規制をつけ、受け入れる市町村の集税額にも制限を付けるなどしないと、本来の目的を果たせないのではないか。新たな不公平と不満を生む。


意識高い人は何もしないので、政府に抗議して制度のゆがみを正すという行為にも全く寄与していないのである。
おばちゃんは、今年は飛騨牛とイクラとホタテ、余裕があるならコシヒカリを狙うつもりである。

*蛇足
じゃあ、この悪法をどんなふうに政府に抗議して是正させればいいかというと、おばちゃんの考えでは。ふるさとオフ納税
テナントにはパワーテナントというのがいるのである。
金があって態度がでかいテナント。
お上でも、こういうパワーテナントの機嫌はあまり損ねたくないものだ。人口500万から600万以上のパワーテナントに住民登録する住民が、ある日、同日同時刻オフ行動で、限度いっぱいまで地元以外に納税をする。人口5万人以下の自治体にランダムに納税する。

会計にはっきり影響があるほどの歳入減があれば、パワーテナントがそろって政府に制度の是正を迫るかもしれない。な~んちゃって。
スーパーで全国一斉に「もやし」を買うプロジェクトより、面白いかもしれない。

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mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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1件のコメント

  1. ふるさと納税って、私は全然分かっていないんですが。。私が思うのには、日本人は兎に角、グルメお取り寄せが大好きなのではないかと。。そもそも、海外では冷凍のお取り寄せクール宅急便等、ほとんどありませんから、こんな事はできないです。(フランスはクール宅急便を試みようとしましたが、あまり使われていないようですが) 海外では普通の宅急便すら、無事に届くかどうか、配達人が適当に投げ捨てて行かないか、気が気でない事も多いし。宅急便の事だけでなく、海外の国民は税金にシビアなのでこのような制度は反対すると思います。

    日本国民のお取り寄せ好きなのが利用されているような気もしますが、それでも地方のの財政に貢献できるなら良い事なのかもしれません。。

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