お客様は神様じゃない

ある朝、いつものようにコーヒーを買いに隣のパン屋に寄って、ジャネットがマグにディカフェを入れてくれる間に
ぼ~っと正面の壁を見ていると、メニュー表の上にプレートが貼ってあった。
We reserve the right to refuse service to anyone

なんだか穏やかでないから、ジャネットにあれは何?と聞いたら「ああ、Right to refuseね。あまりひどいお客さんは
うちにはいないけど、念のため」ふう~ん。

おばちゃんは自分のユニットに帰って、さっそく調べた。アメリカのサービス業の普通のポリシー宣言だ。うちは誰であってもお客にサービスしない権利があります。キリッ!

日本の小売業は「お客様は神様です」だ。これはキモチわるい。誰がそんなことを言い出したか、昭和生まれのおばちゃんは実は覚えている。

演歌歌手の三波春夫が広く広めた。ファンサービスの言葉だったんだよ。
彼がファンに媚びるのは勝手だが、このフレーズが日本でどんどん独り歩きして、日本の小売業・サービス業にまで広がってしまった。

お客というものは媚びて持ち上げてヒザまずくとどんどん冗長するものだ。結果、日本の小売業・サービス業は客にへりくだって、客自身は神様のように思い上がり、サイトに星をつけずに罵詈雑言を書いたり、するとサービス側は委縮してさらに這いつくばり風評を異常に気にして客を腫れ物に触るように仕える。

おばちゃんは、ばかげた風潮だと思う。
お客は神様ではない。お客と店は対等だ。そもそもお客と店は物品やサービスを介して相対するものであってどちらが神様か奴隷かという関係ではない。

アメリカでもウオールマートのおっさんがが「Customers are always right」というフレーズを大々的にぶっ放したが、
(オリジナルの発言者ではない、三波春夫と一緒)アメリカ社会では必ずしも賛成されていない。

理性的な判断だと思う。
日本のようにいったん大勢が決してしまうと流れに流される社会とは異なり、アメリカ社会というのは極端な意見はチェック補正能力が働くようである。

さて、とんでもないことを言い出す白人のお客やこれまたC国人などと日々戦っていたおばちゃんはこの
Right to refuseがスト~ンと胸に落ちた。力強い味方

おばちゃんはさっそくサイン屋にプレートを注文して、カウンターのよく見える壁に掲げた。このプレートはサービス業の護符だ。プライドだ。十数年の営業期間のうち、おばちゃんは何回かプレートを指さしてモンスターが退店した。

日本に帰ってきて小売業がお客様は神様です!と言っている割には客に便利がいいことはあんまりしようとしないことに
これまたおばちゃんは頭をひねった!

だって、醤油ラーメンと塩ラーメンが同じ値段でソフトクリームとセットなのは醤油だけなんだよ。おばちゃんは塩ラーメンとソフトクリームのセットがいいからセットを塩に変えて?と頼んだら、ウチは醤油だけがセットにしてるんです、だって。
醤油も塩も作る手間も値段も一緒よ?チェーン店なのにバカじゃないかしら?

ーーーここでちょっと閑話休題
おばちゃんは、融通の利かなさの原因をある程度推測できる。
① メニューを書き換えるのが嫌。
② レジに打ち込めないから困る。
スモールビジネスではレジに大規模ポスシステムをなかなか入れられないんだね。費用がかさむから。
あるいは一番単純なポスシステムを買う。ポスの設定は最初の一回業者がしてくれて、あとの変更は現場では
わかんないやつしかいない。

そうでなければ単品のレジを買って紙の伝票で処理するんだ。こういう小売店は頭が悪くてレジのLookUpTableをきっちり作り上げる人がいないのよ。

LookUpTableというのは、レジ機器の内部に物品のリストと値段を表にし記録させておくのよ。だいたい2000品ぐらい余裕で設定できるのよ。

だからフードコートのレジはキーの101をたたくと、醤油セット890円とレシートが出るのだね。塩セットを102に追加すれば解決じゃない。

物品の名前や金額を変えようと思ったらレジの数字ボタンをたたいて、気が狂いそうになりながら1字1字名前を編集し金額を変えたりする。そんな面倒くさいことはやりたくないって?バカみたい。

コンピューターと接続して、LPテーブルを編集すりゃいいのよ。たいていのレジはコンピューターとつながるから。紙のメニューは1回印刷屋で書き直すと3万はかかる。プラスティックのメニューならもっと。

でも、そういう客の好みとオーダーの幅を理解してレジに客の好みを追加していけば、客にも喜ばしく、売り上げも上がるのに、な~んにもできない無能の経営者が言葉だけはお客様は神様という。客がわがままだという。
それは違うよ。とおばちゃんは言う。

マーケティングは小売業の基本だ。客の好みが売り上げに直結する以上、
客の好みを把握してより広い顧客を獲得する。そのためにオプションとチョイスを選べるようにする。レジの編集ができなくて、なにが経営か?レジの売り上げ記録というのは思いがけない発見があるものだ。

レジとメニューくらいなんとかせい。そうすればセットものの追加なんて、自由自在にできるようになる。店も売り上げアップでWin客も好きなものが買えてWin
ーーーーーーーーーーー閑話おしまい

お客様は神様です、と言いながら客の便宜はあんまり払わないのが日本の小売業、サービス業だ。

AliExpressのほうが日本の小売業より融通が利くよ。いったん開封したら返品不可なんて、日本のルールは
おかしすぎる。XXXXオーヤマさんとか。返品されたらロスになるって?そんなこたぁない。

返品絶対不可だとお客さんは怒っちゃって戻ってこない。だから返品は初期不良と一緒にFactory Refurbish
(自社工場で点検修理で完成品としてまた出荷する)として安く売りゃいいのよ。

あのダイソンでさえやっている。購入客は返品できてWinFactory Refurbishで安く買える客がいてWin
売り手もロスがでなくてWin

とにかく日本の商業:小売り、サービス業というのは変な歪みがある。過度にへりくだったりイケ高だったり。
おばちゃんは力強く言いたい。お客とお店は対等よ

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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