秘境のコメリ

コメリの店舗は秘境にある。
少なくとも伊豆に関しては正しいと思ってる、おばちゃんだけかも知れんが。

伊豆で最初に行ったコメリは、天城峠を越えて地獄の七滝(ななだる)のループを降り、険しい崖路を延々と下って、人家もなければ施設といえば道路標識だけ。目に入るのは山と谷と2車線の道路だけ。

まだ下るのか、いつになったら“どこ“に着くんだろうと心細くなるころに、気持ち穏やかになった道が最後のカーブを抜けると、そこにコメリ河津店が穏やかな伊豆の光をあびて出迎えてくれる。あんな嬉しかったことはなかった。嬉しさついでに河津桜の苗を買ってしまった。6年前だ。庭に植えた桜はまだ咲いたことがない。

2店目のコメリは、伊豆半島一周を思いっ立ったおばちゃんが、沼津スタートで西伊豆から下田、熱海へ逆回り一周することにしたが、走れども走れども17号線は山の中。ナビは一本線が写っているだけ。蝮の頭のあごの先にも抜けられず、今日中に熱海まで回れるのかどうか。

どうも伊豆半島はおばちゃんが考えたより大きいらしい?ということがしみじみわかって土肥温泉につく頃にはへとへとになってしまった。

せめて恋人岬あたりにたどり着かないと、伊豆半島5分の1も回れてないのがくやしくて、でも、山と崖と一本道はもう嫌。暗くなってから同じ山の夜道を引き返すのはもっと嫌。早めに一周計画を中止して遭遇したのが懐かしきコメリ土肥店舗。

3店目は中伊豆
おじちゃんと園芸店やホームセンターをそこら中探検して、街中のホームセンターはお花の値段もそれなりに、、人の懐を狙った値段。チェンソーや草刈り機も庭のお手入れで華奢でオサレなモデルが中心。


おじちゃんはガーデニングよりもっとがっつり農作業よりの機械や道具が欲しい。そういえば、コメリは農家御用達しであったのぅ。崖や峠を越えて西伊豆に向かうのは心底イヤであったが、検索すると中伊豆にも一店舗ある。

行ってみようというわけで、峠を越えて修善寺を斜めに横切って地元民が走る山道を抜けると、山と山の間にぽっかりと隙間があってそこにコメリ中伊豆店があった。
おばちゃんが狂喜したのは、街では600円以上する宿根草がここでは1ポット348円で買える。アマリリスのおっきな球根が300円などという値段で転がっている。おじちゃんは園芸土を25L 320円でホクホク。

帰り道ではおじちゃんの知り合いが“流された”というワイナリー・リゾートがあった。なんでも妻子がありながらパートのシングル・マザーに手を出して、情実人事で職場の顰蹙を食らい、さらに本部にばれて、辞めるか中伊豆に行くかどちらか選べ!といわれて中伊豆を選んで毎日片道2時間通勤にかかるそうである。元気でいるだろうか?

源頼朝が流された「韮山」なんてまだ交通の便が良いところである。中伊豆は山の谷あいの道をひたすら走らないとたどり着けない。
帰る前に手洗いに寄ったら驚くべきものがあった。

トイレに座ると真向いの壁に求人広告が貼ってある。むろんコメリの求人募集である。
給与は月額2十数万。年齢などの条件があって、その他条件に自宅から25キロ以内にコメリの店舗が少なくとも3店舗あること!と書いてあった。

伊豆にはあと西伊豆店と南伊豆店があるのだが、西伊豆店は日本のマチュピチュといわれる松崎町の近く。南伊豆は海岸から遥かに山中に入った集落の中である。

おばちゃんは思わず吹き出してしまって、伊豆3店舗に25キロで行ける自宅ってどこだ?!婆沙羅峠か?天城峠か?コメリの本部も正気なのかどうか、なかなか人を食った募集広告だと思う。

春~よ 新しい長靴!

2月末で山のおばちゃんチも気温は2桁になったので、あっちこっちの園芸店・ホームセンター(無論 コメリも)を回って春植えのお花を3ケースくらい買いだめた。

植えた次の日に雪が降って買ってきた花に雪が積もりゼラニュームは凍ったのでおばちゃんのキモも凍った。おばちゃんの頭はもう「春」がインプットされてブレーキが効かないので、地面の雪は無視して植え付けを敢行した。
雪の残る地面にデルフィニュームとかネモフィラを植えたのは初めてである。

残りのコメリ西伊豆と南伊豆店へ行ってみるかいって?
ぜっていヤダ。誰が行くかあんな地の果て。

蛇足------------
3月に入ってチューリップの芽は出てきたが、庭にはまだ咲いている花がない。もっとお花を!というわけで、中伊豆は行ってしまったから蒲原店を攻めてみることにした。

コメリ蒲原は富士川を渡った海辺にあるようである。
街中のコメリでこじゃれた宿根草が安くあるかもしれない。国道1号線を延々走るか、それとも東名を走るか。東名は遠回りだが1時間4分という。1国だと一本道だがもっと時間がかかるかもしれない。行きは東名の富士川インターETCで降り、住宅地の中をチマチマ走るとショッピングモールの中にコメリがあった。

伊豆のコメリより数段大きい。宿根草が安い。おじちゃんの大好きなチューリップとユリの球根が40%引きである。また1枚半買ってしまった。
南海トラフ地震が起きたら津波で跡形もなくなる場所である。標高1M。

今度はトイレには寄らなかった。最寄りのコメリ店舗は富士川を遡った山の中である。3店舗目は伊豆半島か箱根の山ん中である。3店舗に行ける条件で求人は難しいと思う。

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mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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