川島なお美の場合

医者が本気でなりたくないガン7つ
https://news.yahoo.co.jp/articles/81d7e8ef28f47c24363ad2b996763206a689b745?page=2

第一位が「すい臓がん」で第二が「胆道がん」だそうだ。
自覚症状がなく発見しにくいがんでおまけに予後が悪い。5年生存率の低さはすい臓がんが一桁。胆道がんで22%
第一のすい臓がんは議論するまでもないが、胆道がんは実は種類がある。

おばちゃんのは胆のうがん。
胆のう本体のガンである。そのほか胆管につく胆管癌がある。併せて胆道がんと言う


肝臓が分泌する胆汁は肝臓内から胆管を通って外にでて、肝臓と接している小ぶりのイチジクのような胆のうに溜まる。食事をすると胆のうが収縮し、たまっていた胆汁は胆管を伝って十二指腸に流れる。

肝臓内の胆管に発生するものや、肝臓外の胆管でがんが発生する場合があり切除できる初期でも、術後再発率が高くて転移しやすい。この胆管と胆のう本体に発生するガンをひっくるめて「胆道がん」と呼んでいる。

すい臓がんの次にタチの悪い「胆道がん」とは実はこの胆管に発生する胆管がんが凶悪でこれが胆道がん全体の生存率を引き下げている。

胆のう本体に発生するがんの場合ステージ0と1の場合は5年生存率は60%~くらい。ステージ2でガクッと落ちるが、胆管ほど低空飛行ではない。

女優の川島なお美さんが亡くなったのはこの胆管がんが原因である。
女優として目立つ職業であったとこと。まだ54歳であったこと。いろんなドクターが彼女の症状と治療法と主治医との信頼関係に意見を述べていて議論があるケースだ。

おばちゃんはもちろん医学関係者でなくて川島なお美さんが亡くなった時もアメリカでニュースのヘッドラインを読んだくらい。日本のドラマは見ないので彼女の映画も見たことはなかった。

彼女のがんが見つかったのは
2013年8月 人間ドック 肝臓内の胆管ガンと思しき影は1.7センチ単発 転移なし
2014年1月 腹腔鏡で切除 抗がん剤治療せず、ビタミン療法などの免疫療法、代替療法を始める
2015年9月 逝去

診断時の対処や治療が惜しかったと言う医師たちの根拠は、
1、 発見されてすぐに切除しなかった。
2、 診断した医師とは信頼関係が築けず、納得できる医師を探して4か月後に手術
3、 転移がなかったのだからすぐ切除していれば5年60%で生き延びるチャンスがあった。―https://shuchi.php.co.jp/article/2692

この記事におばちゃんが疑問に思う点は3つ
生存率
医師の持ち出した生存率60%は胆管癌の生存率ではないと思う。
ひっくるめた胆道がん(胆管+胆のう)の数字で胆管癌の場合はずっと低く30%を切る。胆道がんの患者は症例が少なく、治療・生存率は医療機関でかなり数字がばらける。ただ、胆道がんはどの医療機関でも数字は芳しくない。2013年に切ったとしても5年生存率はかなり厳しい数字だったのだと思う。

医師との関係
最初の診断を下した医師とは相性が悪かった。
彼女は悪性の腫瘍ならその根拠を示してくれというのに対して、医学的根拠を示すというより切除するしかないですからどうしたら切除にする気になります?と外堀を埋めていこうとする医師に信頼関係を築けず、セカンド、サードオピニオンを探す川島なお美。

胆道がんはがんマーカーにあまり反応しない。数値として異常が出ない場合がある。
おばちゃんは切除した後、胆のうがんが見つかり、主治医は拡大手術として肝臓とリンパを追加切除すると迫った。


では肝臓に浸潤・転移があるという根拠を示してくださいとおばちゃんは言った。浸潤・転移があるかどうかわからずに切腹して肝臓を切れるかって!
マーカーにも数値が現れず、再発するかしないかは、神のみ知る、ギャンブルだと分かった時、おばちゃんは損切りするしかなかった。リスクの少ないほうを選んで肝臓を切った。

女優としての川島なお美に腹部の外創ができれば美のブランドに傷がつく。だからまず本当にガンなのかどうか医師に根拠を求めたのは当たり前だと思う。医師の対応がまずかったのだ。田舎のばあさんなら医師様の言う通り体を預けるだろうが、ブランド川島なお美はプライド高く田舎医者に肌を傷つけられてたまるかと席を蹴ったと。

転移
発見された2013年8月の時点に単発で転移がないーーだからこの時切れば助かった。―のは本当に可能性があったのか?
2013年で転移がなし、2014年1月の術前検査でも転移確認できなかったから手術に踏み切ったのだろう。
ところが切除手術後わずか3か月で再発した。転移なし、、、、という細胞診は誤謬だった。

がん細胞は日本のお風呂の黒カビみたいなものだ。
カビの胞子は空気中に漂っているのだ。カビキラーで掃除をしても時間がたてば再び胞子がタイルに定着して栄養分が豊富なら繁殖する。

ガンだって毎日発生していて免疫が高ければガン細胞の定着を阻止できるが、いったん繁殖を許してしまったコロニーからは、どれだけの胞子が再発生・移動していくか医師でもわからない。

細胞診で「ガンが見えない。がん細胞が見つからない。」というのはあくまでもMRI・CT・顕微鏡・肉眼では見えなかったという意味で、がん細胞は周辺部にすでにあった。
だからたった3か月で再発し目に見えるまでに急成長したのだろう。

じゃあ、細胞診なんかあてにならない。無駄なんだろうか?
がん自体も性悪ながんと、そうでない割と素直ながんがあるそうで、性悪は再発が多い。
細胞診が無駄じゃない場合は凶悪度が低いがんの場合と5年たって再発しなかったとき。再発したときは残念、無駄だった。

細胞診断の手順
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/pathology/patient/diagnosis.html

2013年8月に胆管に影が見つかった時点で分が悪い戦いだったのだと思う。
胆道がんが「完治」を目指せるのは、ステージ0か1で早期発見外科的切除の場合のみである。
川島なお美さんはいろんな文献を調べた、とあるから当然抗がん剤も完治への効果はないと知っていたはずである。苦しい延命があるだけ。

再発が発覚するまでは女優として仕事をやりぬく、というが優先順位だったわけだから、体調を保つためにビタミン療法を行ったとしたら不思議ではない。完治を目指して民間療法にすがったというよりは、仕事を全うするための体力をつけられる治療法を試すという戦法か。なまじ抗がん剤で体力をそがれるより消耗は少なかったかもしれない。

女優としての実績は知らないが、痩せてもきっちり化粧をして死ぬ8日まで美しく装い仕事をしたと知って、あっぱれ女優魂と敬意を払いたい。R.I.P

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