発覚

おばちゃんはネガティブなワードが嫌いだからこのカテゴリはポジティブなワードに置き換えて書く。日本語の濁った発音も嫌いだから、耳に不快でないCを使う。

この新しいブログカテゴリは「闘病記」
闘病記はたくさんあるし、病自体は今や二人に一人が罹患する別に珍しい病気でもない。生還者も無論たくさんいる。おばちゃんは病そのものと闘うというよりは「おばちゃんのより良い人生」のために闘うといったほうが正確かも。

つまり、なるべく身体的に不快でなくQOLが高くて自分のやりたいことをやって人生を過ごしたいというのがゴールだ。全身を弱らせてもC細胞自体を撲滅するためにキモを頑張るつもりはまったくない。Cも身のうちだから。

一秒でも長くというのは意味がない。少しでも長く生きればいいというわけではない。自分がいかに満足して自分の人生を使い切るかが問題。だから、そのために闘う。余分な治療は却下する。治療のための治療は却下する。

むろん、最初の手術で病が寛解この先10年オールクリアという場合もある。


担当医から見せられた物体は(切除の胆嚢)はフジコ・ヘミングウエイの髪の色や雰囲気に似ていた。

偉大なアーティストには申し訳ないがあの人は昔話の「ヤマンバ」に似ている。
灰色でおどろおどろしい。

早期発見でしたんで、急いで再手術のスケジュールを組みますと。
ちょっと待て、何の手術をするわけ?
胆嚢と接していた肝臓の一部とリンパを郭清します。と言う。

肝臓への浸潤や転移がはっきりしているのですか?Cマーカーで出ていますか?
いや、早期発見の場合はCマーカーに出ないことが多いです。胆嚢の場合はCマーカーに反応がしにくいということもあります。

おばちゃんは、納得できない。効果がわかっていない時点でいろいろ追加で切るのが嫌なのだ、フジコ・ヘミングウエイを見た後では。たかだか10分の会談で手術のスケジュールと特化検査が組まれてしまった。

どうも、納得できないので家で復習と予習をしてみる。
担当医が言う、「早期発見」は胆嚢Cに関してはまれ。
胆嚢Cは自覚症状がほとんどなく隣の肝臓に進出して黄疸がでてから発見されることも多い。発見されたときにすでにステージ3か4。その意味では、たまたま胆石で切ったら見つかったから早期発見でした。という言い方は言えないわけではない。

が、胆嚢Cのステージは胆嚢表皮にとどまっている場合は0か1である。
この時点なら本当の早期発見。
ここで切除すれば5年生存率は80-90%


数字に幅があるのは症例が少ない小さいクリニックほど%結果をよさげにしているように見えるから。難しい症例は大学病院かがんセンターに送ってしまうのであろう。自分たちでできる症例だけやればそれは成績が良くなるに決まっている。

おばちゃんのフジコ・ヘミングウエイは外に飛び出したヤマンバであった。ステージが0や1でなく明らかに2、他の臓器に浸潤があれば3だ。遠隔転移があれば4である。

2の場合、5年チャンスは30%を切る。とても早期とは言えない。肝臓、胆のう、すい臓は難治性である。それでいて近いリンパを郭清するという。

おばちゃんは無駄な知識だけは山というほど蓄積しており、アメリカでは乳がんだろうが何だろうがリンパの郭清はほとんどやらないということを知っている。乳がんだからと言って必ず脇のリンパ節を切除することはない。アメリカの統計ではリンパの郭清をした場合と、しない場合と5年の成績はほとんど変わらないという統計もあったはずだ。

リンパ液が流れる節をとってしまうと、リンパ液が滞ってむくみやいろんな症状に悩まされるという。腕があげられないひきつるなどの直接的症状もでる。おばちゃんの場合は、腹部内部のリンパ節だからいろいろ液が溜まりそうだ。

Big Letter Cは1週間や1月でできるものではない。何年かかかって誕生するものである。その何年かの間、リンパ管は毎日元気にリンパ液を他の部位に流すというお役を果たしているのである。Letter Cが発覚したからと言って、慌てて隣のリンパ節を切除したとしてなんの役に立つのか?

日本のドクターはリンパ節も一緒に切除するのを標準治療としている。予防措置・再発防止措置と言って。

フジコ・ヘミングウエイは明らかに1年物ではない。少なくとも3年くらいかけて成長してきたブツのようだ。その間、おばちゃんのリンパ節は毎日元気に体液を流していたのである。今更、予防といわれても切除に意味はない。違うか?

意味があるのはドクター側で、標準の治療パッケージとして確立されているということだけだろう。リンパを一緒に切っておけば、やらないよりはちっと(何か月)か生存率がましということだけではないか?

患者のQOLは?
標準治療パッケージは個々の患者のケースに対応しているわけではないので患者側に選択肢を提示されるケースは少ないのだろうと思う。

つまり患者にオプションを知らせず、とりあえずやっちゃいましょうという戦法である。
次の2日間、おばちゃんは胃カメラと大腸検査がメニューに入っていた。胃カメラと大腸検査の結果、転移が見つかれば手術の内容は大きく変わるわけで、これは納得できないから胃カメラの前に主治医に面会を求めた。

胃と大腸のカメラでは転移を探すためにメニューを入れたわけではないですよ。
おばちゃんはえっ?である。
転移でなくて単発の別口Cがあるのではないかと検査をします。と担当医が言う。

おばちゃん、思わず 単発の別口・Cがそうそう見つかってたまるかいな。と否定的だった。とにかくスケジュールが組まれてしまい胃カメラをこなし、大腸検査をしたら1センチのポリープがあった、らしい。主治医が飛んできて見ていったという。単発の別口が見つかってたまるか、と思ったら見つかったわけだ。

3日後の手術の前にポリープの細胞診の結果は出ない。手術前日にもう一度術法について説明があるので、リンパ節の切除は断りたい。腹膜に播種があったら肝臓の一部切除もやめてもらいたいと思う。
あちこちよく観察して切らずに閉じてもらいたいと思う。その場合は3ー4日くらいで出てくるだろう。


闘病記

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2-五臓五腑になる入院記
3-再入院
4-発覚
5-告知
6-日本のチーム医療・パッケージ治療
7-闘痛記
8-異色・入院雑記

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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1件のコメント

  1. ある日、ブログに鍵がかかり、慣れない私は、苦労した。普通なら、あきらめたが、やっとたどりついた。このブログだけは、読み続けたかったから。ビザのことなども、とてもよくわかったし、思うこと、納得しないこと、等が同じだったから。私の鬱憤を言葉にしてくれた。それだ!というかんじ。ありがとうございます。 ガーデニングも、思わずにた笑い。 
    術後は、ゆっくり、待ってます。

  2. はじめてコメントさせていただきます。
    毎日お伺いするのを日課にしておりましたが
    数日前から入れなくなり
    何がいけないのかと試行錯誤の末に
    やっと登録に気付きました。
    スッパリキッパリの小気味良い語り口に
    にまにましながら楽しく読ませていただいております。
    お身体大切に。
    またの更新を楽しみに待ってます。

  3. 私も皆様と同様に鍵を開けられなくて数日経ってしまったら、なんとご病気だったのですね。どうぞお大事になさって元気に戻ってきてください。
    私も在米30年ですので、ブログにはそうそうと言いながら頷く事ばかりです。
    Get well soon!

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