テンのFIP闘病記 その後 オムツ

テンのタマタマの寿命はあと10日ほど。
術前の血液検査の結果も異常がなかった。生後2か月からテンを診てくれているクリニックの先生は、麻酔も術法もテンへの侵襲を極力抑えて去勢手術を行ってくれるという。

おじちゃんは毎晩寝不足である。
おじちゃんは目ざといので、夜中にテンがガサガサ不穏な動きをすると目が覚めてしまい、案の定テンはおばちゃんの靴下とか、おじちゃんのスリッパとかにスプレーをしている。おじちゃんは2時でも5時でも起きて、オシッコ付きの物体をお風呂に運びバケツに漬ける。

コタツ布団は丸洗いしたのに懲りて防水のテーブルクロスで覆い丈が足りないところはペットシーツで補った。おじちゃんの枕元とベッド下はペットシーツが敷き詰められている。

朝起きるとリビングにはおじちゃんのシャツや座椅子カバーが物干しからぶら下がっていたりする。バケツでまずすすぎ洗いをしてからタオル・雑巾洗い用に購入したミニ洗濯機で洗濯をして、人間用の東芝ザブーンで脱水をした後、自分で物干しに干している。

赤ん坊を布オシメで育てているお母さんは多分泣きながらうらやましがるのではないか。ウチにもそんな旦那が欲しいと。
これも息子のテンのオシッコの始末のためである。
おばちゃんは一度寝たら起きない。目が覚めている昼間はテンが怪しい動きをしたら、トイレに連れて行って「シー」と促す。希にしてくれる時もある。おばちゃんの役割はまるでオッサンのようだ。

先週の術前検査の時はおじちゃんはキャリアーにちっちゃな湯たんぽを用意していた。キャリアーにはマットが敷いてあるが保温性はあまりないから。
クリニックの先生に生後2か月の診察時に生き延びる確率は半々と言われたから、憤然としたおじちゃんが、なら俺が無事大きくしてやると宣言した。FIPから生還したのでオシッコしても生きていてくれるのがうれしいのだろう。

クリニックの待合室で待っていると、「ご自由にお持ちください」という棚があって、不幸にも亡くなってしまったペットための洋服とか、ペットシーツとかオムツがおいてある。

おばちゃんはワンコのマナーパンツSSサイズが気になってたまらず、看護士さんにワンコのオムツはオス猫でも使えますか?と聞いた。ワンコの女の子用だったら猫でもできそうな気がします。という返事だったので、「ご自由に」のSSオムツを一つサンプルで頂いた。

オムツさえしていたらおばちゃんのジャケットやソファや小物入れや卓球道具のバッグや、とにかく一時的に床に置いた全てのものがテンのオシッコの的になることはない。おじちゃんが夜中に起きて洗濯とお掃除をすることもないから。

それまでホームセンターのペットコーナーで猫オムツを指さして、一遍買ってみようと示唆するのだがおじちゃんは絶対ウンと言わない。テンにオムツをすると膀胱炎になりやすいってドクターが言ってたろ。

おばちゃんはオムツをそのままバッグに入れて忘れた。
オフハウスによって会計をしようと財布を取りだしたときにバッグからオムツが床に落ちた。
レジのお兄さんも床の物体を見た。

なんだか生理用品に似ている。65歳のおばちゃんは女性ではあるが必要な年齢にも見えないし、どちらかと言うと人間用のオムツが必要な年齢の方が近い。むき出しで落ちた物体の正体に頭をかしげるかも。
おばちゃんも、一瞬なんだこれは!と
そういえばオムツを入れっぱなしだった、と拾ってバッグに入れたのだが、。
レジ回りを不穏な空気に陥れてしまった。ワンコを飼っている人以外物体の正体がわかる人はいないだろうな。

ウチに帰ってオムツを猫タンスに置いたのだがその後行方不明になってしまった。おじちゃんがこっそり捨てたのかもしれない。

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mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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