アメリカの8131億円の集団訴訟に参加した私はいくらもらえる?

おばちゃんには悪い癖がある。メールの返信を見ずに放置すること


おばちゃんは割と筆まめであっちこっちにメールを書く。返事が来てもすぐに見ない。
例えばアメリカで物品を購入したらユーザー登録をして、不具合があれば返品するし、返品までの不具合ではないが不満はGrievanceあてに文書で送付して必ず証拠を残しておく。後々のリファンドとかの時には証拠になるから。

ところが、メールを出した時点である程度の不満は昇華し、あるいは仕事は完結したので返信があるころには興味をなくしている。何かの処理と返事を待ち望んでいるわけでない場合はとくに。クリスマスカードや時候のあいさつも同じだ。

ビジネスや請求書はすぐ処理するのだが、私的郵便の場合は封を切らずにテーブルに乗せておく。私的郵便物の内容は想像がつくから1週間から10日そのまま放置する。非常に悪癖だと自覚がある。

クリスマスカードは去年かなり遅れて出したので、1月に入ってから返事が数通帰ってきた。先週のメールもアメリカの知人からだったのでクリスマスカードの返信かと思った。
開けるのが面倒くさくなって本棚の私信の棚に突っ込んで忘れてしまったかもしれない。

おじちゃんがコタツの上の5日間乗せっぱなしのメールが目障りらしく手に取って開封しようとした。
やけにノリがキツイようだった。おじちゃんはイラついて封筒を破ってみると中身はクリスマス・カードではなく、もう一通の封筒とハガキが同封されていた。本棚につっこまなくてよかった!!!

Legal Notice…….   Court of New Jersey

ハガキの差出人をみておばちゃんはアッと声を挙げた。

クレジット集団訴訟が結審したのだ。

US Visa & Master credit card class action

https://www.reuters.com/legal/litigation/us-judge-orders-probe-phony-visa-mastercard-settlement-website-2023-11-13/

Legal NoticeだからLAの知人が転送してくれたのである。
帰国後でも連絡が必要な場合、アメリカの住所として知人のアドレスを借り郵便の転送をお願いしたのだった。

おばちゃんは1992年に渡米し、おじちゃんの会社は2004年に清算+日本撤収を決めた。永住権は取得していたので夫婦でアメリカに残るために起業した。2005年にビジネスを立ち上げ2007年には利益が出るようになっていた。この勢いでリファイナンスでキャッシュ・アウトした借金はどんどん銀行に返すべ、イケイケどんどん!!だったのだが、

2008年の9月にクレジットカード売り上げと現金売上の割合が逆転したリーマンショックの始まりだった。恐慌にあえぐショッピングモールの他のテナント一緒に、モールの大家へ団体交渉をして家賃を下げてもらい2009年2010年を乗り切った。

一番のどん底は過ぎたという実感を感じた2011年の春、クラスアクション・集団訴訟Class Actionのノーティスを受け取った。

訴状によると、クレジットカードのVisa・Masterは本来請求するべき手数料より0.XX%上乗せして小売店に請求していたらしい。(この辺の数字は記憶による)
目ざといアメリカ人弁護士?がその差額をついて集団訴訟を起こしたのだった、払い過ぎた手数料を返せと。クレジット会社が賠償額として用意した金額は当時の金額で3.4 Billion だった気がする。

アメリカで集団訴訟が起きるとき、自分が知らなくても資格を満たしているとその訴状は郵便で来る
ユーザー登録をしているとか、おばちゃんのように小売業でVISA MASTERのクレジットサービスを使っているとか。弁護士が有資格者を調べて勝手に送ってくるのである。

エプソンのインク訴訟でもプリンターのユーザー登録をしていたので集団訴訟の参加フォームを受け取った。その他、銀行相手の集団訴訟も現金を受け取った記憶がある。ちょいちょいこんなことがあるので、アメリカ生活では物品を買ったらユーザー登録をし、レシートとクレジットカードのステートメントは10年捨ててはいけない。

2011年にクレジット集団訴訟のお誘い書状を受け取っておばちゃんは、やった!と思った。訴状は苦しかったリセッションから完全に抜け出す光明に見えたのだった。

もっとも集団訴訟の訴人は全米のVISA・MASTERを使っているマーチャントであるから何億人いるかわからない。アメリカのメガ小売業Amazon やTarget,Walmartなどもクラスアクションに参加したかもしれない。それらジャイアント・ビジネスも含めた集団が3.4ビリオンを分けるのだからどのくらいの取り分になるのかもさっぱり見当がつかなかった。(もっともメガ小売りではクレジット手数料は我々市井のミニ小売業より優遇手数料である可能性が高いだろう。集団訴訟に参加できる不当な料率でなかった可能性もある。)

2011年当時、おばちゃんはさっそくオンラインでクラス・アクションに参加し、2004年から2011年までクレジットカードを売上額と手数料金額をフォームに記入して提出した。訴人としてのIDやコンファメーションも受け取った。

それ以降毎日のようにクラス・アクションのページをチェックしても、XX月XX日、何とかpetition 提出とか、審議とか、コートが次の日程を決定とか、。その後は何か月も内容はアップデートされず、一体このページはアクティブなのかとっくに放棄されたページなのか見当もつかないまま数年が過ぎた

おばちゃんがリースの切れ目を狙ってビジネスを閉め、過去7年以上前の紙製のビジネス書類は処分した。2017年に日本に永久帰国する際でも訴訟ぺージは相変わらずpetitionばっかりであった。しかしおばちゃんは巳年の生まれと疑われるほど物覚えがいい一面もある。アメリカに残る知人の住所をお借りして集団訴訟のお知らせが郵便でも届いてもわかるようにしておいた。

帰国してからも訴訟ホーム・ページをチェックした。オンライン上でも住所変更ができるが分かったので、連絡先はアメリカのアイ子ちゃんの住所に変えた。念のために住所変更のリクエスト手紙を書いて郵便でも米国に送っておいた。

ところが、アメリカだねぇ。
オンライン上の住所変更はなぜかアップデートされておらず、旧知人の住所に結審の知らせが届いたというわけ。見ずにしまい込んでいれば賠償金を受け取り損ねるところだった。

13年かかった。

改めて訴訟ページを確認してみると賠償額は5.5ビリオンに増えている。
5.5ビリオン?2.1ビリオンも増殖するのか?利子か?

さぁて、訴訟ページでおばちゃんのアカウントの内容を確認すると、ビジネスの8年分のクレジットカード売り上げ総額とクレジット手数料の総額(初年に提出した)が確定していて、余分にとられた手数料分は4桁ドルーーと金額が明記してあった。

ただ~しーーー上記の金額がクレーム金額としてもらえるわけではなく訴人の%によって割り当たれると書いてあった。だなぁ~。

今日の為替レートは1ドル147.85 だから日本円では

5.5Billion =5.5ビリオン・ドル=¥813,175,000,000円=8131憶7500万円

チェックが届くまで実際のおばちゃんの取り分金額は分かんないよね~~。

 クレームの提出期限は4月の末までなので、実際の賠償金の送付はそれ以降だと思う。チェックを受け取った時には、ブログでお知らせしたい。

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海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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