闘病記さまざま

東洋オンライン記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6d83e1b02ef2c4340eda97d900256cec87c5599
みづきの末期直腸がん(大腸がん)からの復活の記録―――闘病ブログ 
https://mizuki.us/

本人のプロフには2005年時点でカリフォルニア、シリコンバレーでご主人とIT企業を経営だったとある。自覚症状はあったが便秘や痔と思い医療機関に行くのが遅れた。無保険だったと書いてあるので、さもあるかなと思う。

ブログ主が宣告を受けた同じような頃、おじちゃんが勤めた会社が整理解散と決まった。加入していた健康保険を個人で掛けるといくらになるか保険ブローカーに見積もりしてもらったところ、1人$1200だった。非現実的な掛け金である。

3人以上のフルタイムがいる企業は健康保険に加入することができる、というのが法律上の建前だが、保険会社だって設立したてで利益が出ているか、企業の経歴などを審査にかけるので必ずしも加入できるとは限らない。
彼女たちの年齢が30代半ばなら保険料はまだ少なかったはずだが、会社側の保険料負担金を考えると、会社の利益が上がってきてから健康保険の加入をしようと考えていたとしても無理はない。

まず、無保険で診察してくれる医療機関を探すのは大変。
キャッシュプログラムがあるかどうか電話で聞くか、知り合いに紹介してもらうしかない。会社を立ち上げたばかりなら、予約を取ったら自分の代わりの人を手配して診察してもらう時間を作るのだ。症状が軽微なら診療の手配を考えるのも億劫。大したことがなければ大きな出費になるから。

アメリカで生きるということは親の庇護も会社の庇護もないということ。
頼れるものは自分と自分の配偶者だけ。どちらかに 「頭」「目」「足腰」に支障ができたらアメリカ生活が成り立たない、か、非常な困難になる。

車社会なので、電車なんかないし、バスは自分の行きたいところに走ってないし、自分で車を運転するから移動の自由があるのである。「頭」「目」「足腰」に異常がでたら移動の自由はない。

もしガンであったら。
生計のための仕事が不可能になって収入が減り、保険でカバーされない医療費の持ち出しがある。莫大な借金を抱えることになるかもしれない。だからガンになると自宅が一軒無くなるといわれている。

アメリカで生活する人生には常にブランB、プランCが必要なのである。
銀行口座の残高と自宅の今現在の評価額、解約できる生命保険の価値、その他金融資産と、負債の総額を常に念頭に置かねばならない。体に異常がでて就労ができなくなる、とどのようなプランBが必要か。常にシュミレーションをしておかなければならない。

一旦起業すると自分の生活だけではなく、従業員の生活も保障せねばならないのだ。
自分の体調が悪くて会社の営業ができなくても従業員の生活は保障せねばならない。2007年に甲状腺がんの疑いでバイオプシーをやった時もは、自己憐憫やショックに陥るのは贅沢であってそんな感情に割く時間もなかった。

自己憐憫、依頼心はアメリカで生きていくのには邪魔。
だから捨ててしまった。いったん捨ててしまうと拾って埃を払って又使うというわけにいかんものである。だからおばちゃんは今も可愛げがないのだ。“可愛げ、儚げ“の代わりにふてぶてしさと破れかぶれがある。

ちかごろ井上ひさしの「モッキンポット師」の一節をよく思い出す。
終戦後の貧しい日本で貧乏学生が必死で生きようとするだが、悪知恵が裏目に出る。面倒をみているカナダ人のカトリック神父である師が後始末をしなければならない羽目になる。

「助けてください。モッキンポット師。でないと僕らは死んでしまいます」と師に助けを求める。
モッキンポット師は不思議そうに「死んだら困りますか?」と問い返し、貧乏学生であった著者は絶句する。
カトリックの観念で「死」は「喪失・終末」ではない。

おばちゃんはカトリックではないが、「死んだら困りますか?」と正面切って問われたらどう答えるか。つい、商売をしていた現役に戻って、ええっと、私は今は引退したから、体の評価としては築6X年、査定額は0だな。社会的評価額も0に近いから、死んで困るのはおじちゃんだけか?

心持はどうかというと、これをやり遂げないと絶対困るというUnfinished businessesがもうない。面白そうなものがあったら挑戦するにやぶさかではない。できる間はやる。だが、やり終えなくてももう嘆く必要はないのじゃないか。おばちゃんのブログも書きたいと思う気持ちがある間は書き続けようと思う。

現在日本人の死因の1位はガン28%。
男性の3人のうち2人がガン、女性は2人に1人がガンで亡くなる。珍しい病気ではない。両親のどちらかがガン。あるいは家族にガン患者がいて不思議ではない。

ガンは宣告から時間はあるので、ある程度Unfinished businessesをやることができる。不慮の事故などで命を持っていかれるより始末のよい病気だと思うがどうだろう?

結局、ブログ主のみづきさんはアメリカ生活を切り上げて日本で闘病生活をおくられた。
保険をどうするか治療費をどうするかと考える必要がなくなってまずよかった。それでもブログのあちこちからはご本人の悲鳴が聞こえてくる。亡くなってから14年も読み継がれるのはそこに人間みづきさんがいるからだろう。自分がやったことは残らないかもしれないが、自分がいたということを彼女は書き残した。

いろいろなガンがあっていろいろなガン人生がある。みづきさんはおばちゃんの半分くらいの年齢だったのだから、まだアメリカでやりたかったこと、やり残したことがあったに違いない。謹んでご冥福を祈りたい。

闘病記ー時系列

アイタタタ、タ

五臓五腑になる入院記

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発覚

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闘痛記

日本のチーム医療・パッケージ治療

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術後2か月目

闘病記さまざま

ガンの光線力学療法

経過観察中 4か月目

がんのゲノム解析

・ドクターに聞いてみよう

ドクターに聞いてみよう・2

・経過観察6か月目

川島なお美の場合

術後7か月

ベンツ切開

Mystic Falls

おばちゃん、ブログがちょっと不調である。
この時期、雑草がすごい勢いで育つので晴れていれば草取りをしないといけない。
ついでにお隣とお向かいも。特にお向かいはおばちゃんが今入院中なので退院して来れる時には庭をある程度見られるようにしておかなくてはならない。3軒合わせると半端ない広さなのだ。

夕方庭から引き揚げてくると、シャワーとかき氷アイスとNetFlixがごちそうなのだが、この間NetFlixの穴を見つけてしまった。前も偶然同じことを見つけたのだが、たまたま起きた現象だと思ったので深くは追及しなかったのだけど、今回はしっかり再現性のある穴だとわかってしまった。

おばちゃんはVampire Diariesシリーズのファンである。
2009年当時、TVシリーズは落ち着いて見る暇がなかった。仕事から帰ってくる頃には再放送もやってないしね。帰国してからNetFlixでDiariesを初めて見てはまったのである。

原作を読もうと思って探したがアマゾンにも見当たらなくて、唯一見つかったイギリスから取り寄せたくらいだ。残念ながら原作よりテレビのほうが面白い。

Diaryは長いのでところどころだれる。
ああ、こんなところがアメリカのTVシリーズのだるさなんだよね。だから見なかったんだと思いつつ、医療系のUtube動画を別タブで見ながら耳だけでDiaryを流して、ドラマが面白そうになるとNetFlixに戻る。便利な使い方があって助かる。

NetFlixは番組からDiariesも Originalsも削除してしまった。
Fox系のシリーズは削られたりNetFlixとは相性が悪い。というわけでもう一度見たいけどもうNetFlixでも見られなくなり長らくVampire Diaries ロスであった。DVDを買うにも高すぎ。別のサブスクに移る気にもなれなかったのだが、。

で、穴を見つけてしまった。
Diaryはシーズン8もあるので、まずOriginalsをまた全部通しで見て、それからDiariesである。
NetFlixに気づかれて穴をふさがれてしまうと困るので、無いはずの番組をどう見るのか方法はかけない。

シャワー上がりにかき氷を食べながらDiariesを見ていると一日が終わってしまう。シーズン2でキャスリーンが現れたところなのでまだまだ先が長い。もうちょっとMistic Fallsで遊ばせてくらはい。

生涯学習

生涯学習」という日本語を日本語テレビやメディアから知ったのは2000年前後だったかもしれない。

コミュニティ・カレッジのアダルト・スクールでQuickBookのコースをとろうか、ヨガのクラスをとろうかと迷っているとき、日本でも教養・趣味の分野だけじゃなく実務クラスも学校に戻って勉強できるようになったのか、それはよかっ!。と思っていた。

アメリカのコミュニティ・カレッジは卒業していなければクラスを取りに戻れた。クラスが一杯とか、専門コースが違う知識クラスはアダルトスクールに登録してとることもできた。レジデンスン(住人)になれば受講料が$10/ユニットで1学期200~300ドルで実務に必要な簿記やコンピュータークラスを学ぶことができる。

仕事に必要を感じた時に気楽に大学やアダルトスクールにもどって必要な知識を学ぶことができるアメリカの教育システムは本当に役に立ったしありがたかった。。

ナイトスクールは正規の授業が終わった6時だか7時から始まる。仕事が終わってから来るからだ。生徒は本当に雑多で、太った顎髭のおっさんから30代40代あるいは昼間を取り損ねた10代の現役か?もいた。

どう見てもリタイアしただろうという白髪のおじいちゃんが、30代そこそこの先生に向かって手を挙げて
[Hi, Miss. I have a question.]
[Yes, dear. Shoot]
とか会話を聞いていると、知識を学ぶということに年齢なんか関係ない。離婚していようが子供がいようが70歳だろうが学びたいものを学んでどこが悪い!と実感できる社会だった。

弾除けの銀行の窓口のおばさんなら、アカウンティングの次にビジネスを学べばもっといいポジションに移れるかもしれない。卒業して就職したら終わりじゃなくて、この職に合わないと思ったら学校に戻って別の知識を学んで転職をすればいい。

うちの女の子にはよく言った。
金髪の男の子を狙うより学校に戻れ。1か月のネイルスクールを終了しても一生食える技術じゃないから、学校に戻れって。
アメリカの教育制度はそんな人間をうけとめてくれるから。

帰国したらプログラミングのアダルトクラスをとってエクササイズにヨガをやってみようと思った。ヨガは何とかなりそうだった。町主催のサークルで。

ところが実務に通じる簿記とかコンピューターとか資格が取れる学科学習のクラスがない。この地方にある大学や短大は社会人に解放されていない。市立短大も県立大学もあるのに。

“大学に戻る“と言うと”聴講生“とかになっちゃうわけ?出願とか選考とか合格とか、全然アダルトスクールとかナイト・スクールと違うじゃない。

日本には気楽に学校に戻って必要学科を取得できるシステムがないんだ。超がっかりである。義政者に売りつけられたな~んちゃって生涯学習なんだ。

それでもプログラミングはあきらめきれず大手の○○デポとか市井のコンピューター教室を探して片っ端から電話を掛けた。
プログラミングですか?スクラッチとかなら。へっ、スクラッチって何?小学生用のアプリ?じゃあWordpressは?うちはそういうのはやってないので。

ない。やってない。できません。

検索“コンピューター・プログラミング”でたどり着いたページは職業訓練学校であった。ハローワークで職業訓練の給付金制度に通ると取ってくれるそうだ。
まぁ、なんというか還暦過ぎの婆サマが日本の青少年の進路を横取りしてどうする。はぁ、。

そうこうしているとコロナで外出や集会自体がままならなくなった。
婆サマの脳みそは錆びつきかかってるから、できれば早めにブラッシュアップしてコンピューターを学びなおしたいんだけど。

今日は雨で外に出られなかったからぼ~っと町内会報を眺めていたら、結構大きなコラムで「パソコンサークルのお知らせ」が掲載されていた。
「世の中携帯ばっかりです(そうなんだよ携帯教室はあった)がパソコンも必要なんで(そうだそうだ!)学びたい人があつまってサークルをやってます。入会はいつでもできます。-詳細メール」

おう!ここに学びたい人がいた!なぜかおばちゃんは感激して、メールのドメインを調べてみると地元の電気屋さんだった。

電気屋さんのウエブにはパソコンンサークルのことは何も記載されていない。それでメールで問い合わせをした。

早速ですが次の会に混ぜていただきたい。(問い合わせというより宣言だったか)
そうしたらば主催者からお返事がきて、現在高齢者が13人いるのできちんとパソコンを学びたいなら教室に行ったほうがいいですよ、と返事が返ってきた。

そんなに腰を引かないで。
どのみちこの辺のパソコン教室はいずれにせよおばちゃんが学びたいクラスはないのである。
とにかく、なにか知識を学びたいと思っている人に交じりたい。気が合えば、おばちゃんが教えるほうに回ってもいいし。
7月の第一木曜日だそうだ。行ってみようと思う。

スープ&サラダ

スープ&サラダの店が日本でもできないかなと思っている。
軽くていい。
食べ放題と言ってもサラダとスープなので油と肉ギトギトにならなくて消化もいい。少なくともこの地方にはないわ。

10Mくらいあるサラダバーにトスして混ぜちゃった定番のサラダが5~6種類。単品の野菜やトッピングをそろえてもらいたい。
定番はロメインとチーズとクルトンだけのシーザース・サラダ、コールスロー系サラダ。芋系サラダ、フルーツ入りサラダ。トッピングにチーズ、オリーブの実、豆類、オニオンやフルーツ。贅沢を言うならアーティチョークとヤシの若芽とか。

スープの定番はチキンヌードル、クラムチャウダー(マンハッタンとニューイングランド味を交互で)。ミネストローネとニョッキ入りやちょっとスパイシーなトマト味風で全5種類くらい。

パンはコーンブレッドをぜひお願いしたい。めっちゃ好きなんよ。
その他粉ものはスコーンとかマフィン、ピザとか一通り。パスタは正直どうでもいい。マカロニチーズもお好きな人はどうぞと。

飲み物はソーダ・ファウンテンでOK,ただし、ダイエット・コークは入れてほしいし、甘みがついていないアイスティーがあると混ぜられて重宝する。

まず、サラダバーの起点でディナーサイズの皿をとって(日本の皿は小さい)、シーザースサラダをドンと中央に盛る。パイナップルとレーズン入りのマヨ系コールスロー・サラダを脇に二口分乗せる。トッピングでエクストラのレーズンをパラパラかける。隣のポテトサラダは一口分で十分。

サラダをテーブルに置いて今度はスープカウンターへ。
カップの半分にニューイングランド風のクラムチャウダー、別カップにスパイシーなトマト味風のスープを同じく半カップ。

隣のカーボン系でコーンブレッドをひと切れとブルーベリーマフィンを一つ(あまり甘くしないでほしい)2オンスカップに入ったホイップバターを一つ。

スープとパンをもってテーブルに帰還。いただきますしてスープを一口いただく。
で、シーザースサラダを一口。日本のシーザース・ドレッシングはニンニクの風味が薄いとおもう。QPさんにはもう少しニンニクにパンチを利かせていただきたい。

ロメインレタスは肉厚なので、ニンニクとこれでもかと入っているチーズに負けない。レタスはサクサクと歯ざわりよく。アメリカのクルトンはでかくて味が濃いのでホントはあまり食べたくない。トングさばきがうまければ、あまりクルトンをお皿に掬わなくて済む。

サラダバーの中で補充する人は大まかでけち臭くないのがいい。サラダバーのボールの中身が少なくなればどさっと補充してください。
サブウエイでもアイスクリーム屋でもアメリカは力いっぱい盛ってくれるのでうれしい。

濃厚なチーズとニンニクに舌が疲れたら、口直しにコールスローを食べる。ピリ辛のトマトスープで食欲増進。まだホカホカと温かいコーンブレッドに、ホイップバターを付けてかぶりつく。コーンブレッドはほろほろと崩れやすいので要注意だ。


ホイップバターは軽くていい。バターの風味は残っているけどカロリー半分で後味がさっぱりしている。ああ、焼きたてのあったかいコーンブレッドはどこで食べられるのだろう?

肉がなくても7分目くらいおなかが一杯になる。
最後はデザートカウンターで、ソフトクリームマシンのバニラアイスをカップ一杯とカリカリするやつをトッピングしてフルーツを若干盛って腹十分目くらい。
食べ放題なのに食べ過ぎ罪悪感が少ないし、待たなくて好きなものを選べるお気楽さ。チェーン店でいいからだれか作ってくれないかしら?

Umbrella Academy3

Umbrella Academy has come back!
やったね!シーズン3公開
おばちゃん、このシリーズ大好き。雨続きみたいだから庭に出られない代わりに見る!

エピソード1から展開がすごい。キャラクターが一挙倍増。
だいたいシーズン3っていうとパターン化が進んで予測がつくものだけど、アンブレラ・アカデミーは展開が読めないわ。意外の連続。とても楽しい。

コロナで撮影に時間がかかったのだろうか?そろそろ感染者も右下がりになっているわけだから、シーズン4.5を続々と撮影してほしい。

さもないとゲイ宣言したElliot Pageがどんど外見が変わってしまって、小さなおっちゃんになっちゃうじゃん。そのうち元彼女/今彼がどんどん体を改造しはじめたらどうすんの?ナンバー5も着々と更けてるし。

Klausのキャラも嫌いじゃないんだが、このKlaus役のRobert Sheehanは若いころブリティッシュ映画にでてた。Umbrellaではイカレたジャンキーだけど、若き頃はクリンクリンの金髪でめっちゃ可愛い外見でティーンギャングみたいな役をやってた。天使みたいにかわいらしかったわよ。

撮影するのは年の時間がかかっても、見るのはあっという間よね。それでも繰り返し何回も見させていただいてる。よくできてるから。

Jessica Jonesシリーズも推理とスリルでよくできてるよね。
ハラハラで一気に見てしまったが、その他のキャラクターのサイドストーリーのIron FistとかDaredevilになると途端にMarvelのコミック臭いアメリカン・ヒーローになってしまって最後まで見られない。パンパカパ~ン悪をやっつけるヒーローで~っすって。残念Jessica Jonesはよくできているのに!

あんまり好きだったのでJessicaを好演していたKrysten Ritterを探して他のTVシリーズも見た。今はもうNetFlixから消されてしまったけどDon’t Trust the B—- in Apartment 23 を見てひっくり返った。

タフなスーパーヒーローが、とってもスレンダーで華奢なサイコパスのB〇itchを演じていてこれはこれで面白かった。おばちゃんは極端で突き抜けてるバカも好きなのよ。子役でやってた頃のChristina Applegateとかね。Married… with Childrenの娘役。ドラマもバカみたいだったけど。

スカーレット・ヨハンソンのLucyとQueen’s Gambit ともよくできたストーリよね。実話に近いモデルがあったのよね。Queen’s Gambitの続編は出ないのかしら?

伊豆路

“木曽路はすべて山の中”と藤村は書いた。

伊豆路は半分山の中。
駿河湾に突き出した伊豆半島はぐるりと海に囲まれていて、どこでも海~!と言いたいところだが、千葉や湘南の海岸のように長い砂浜が続いているわけではなく、気が向いたところで車を止めて海風に吹かれる、つ~のは難しい。海は絶壁の下。伊豆半島は海から険しく立ち上がっている地形なのよ。錦ヶ浦なんか、飛込の名所だったわけだし。

135号線は上下一車線でシーズン中はよそ見していると、渋滞に突っ込む。10メーター下の海に降りられる場所がほとんどない。
東の熱海からぐるりと半島をめぐる135号線は下田あたりまで延々と海岸線を走る。これは悪くない。旅情もある。カーブが次から次へと表れて、カーブを抜けると新しい景色が現れる。

伊豆半島で海水浴場は3つか4つしかないという。135号線を延々下田まで走ると、カーブを抜けたら有名な海水浴場だという入江が不意に現れる。隠れ里のお砂場のようだ。U字型のちっちゃな砂浜は右から左までよく見渡せる。たまたま角度と浅瀬があって奇跡のように砂がたまった貴重なお砂場。

どこもちまちまとしたこじんまりいた風景なので、半島をぐるっと一周してみたいと野望を抱くのも当然ではないか。熱海から下田へはよく走るわけだから、反対側から一周してみようと思い立った。

観光地図を開いてみると一目でわかることがある。
伊豆半島を蝮の頭とすると下を向いている左のエラ?(蛇の顔にエラがあるかどうかこの際おいて)には海岸線ぞいに幹線道路がない。何故無いか?という理由は考えなかった。

コロナで人交わりが限られてて地元の人と話す機会もあまりなかったから。
伊豆半島を西から一周するには首の付け根の西の起点を沼津として海岸沿いを東に向かって走ればよいではないか?幹線道路が一部内陸を走るにしても地元の生活道路はあるに違いない。

人の言うことを聞かず、まず自分でやってみるおばちゃんの性格が災いしたのである。道がないはずがない。蝮の左のエラあたりをGoogle地図を拡大してみると、ほ~らご覧海岸線を輪郭のように白い道路があるではないか。

おじちゃん、今日は伊豆半島を西からぐるりと走ってみるのよ。
おやつと飲み物を積んで、沼津から西に走り出したのである。

右手は海、左手は山。こちらのルートも西回りと同じようにちまちまとカーブが多い。駿河湾の波は穏やかではあるが、いきなりど~んと海が深くなっているので海の藍色も濃い。

ひなびた漁師町の風情。左の山は駆け上がっているので海沿いのわずかに平らな土地に家が建っている。そう、たぶんこれが原因なのだろう。海と山に挟まれて太い道路を造らず、住んでいる人も海岸沿いにちんまりとあるだけなので観光地としても発達するのが難しかったのかも。

美浜まではなかなか順調だった。波打ち際にあった町営の食堂も、新鮮なアジたたき定食はアジがプリプリで安かったから感激した。

それから17号線は不意に山の中に入ってしまって海の気配も感じられなくなった。高い山の中を走っているのである。海岸線を走るはずが山の中でナビのマップも一本道の線がず~っとあるだけ。一本道だけが映っているマップ。走るしかないではないか。


伊豆半島巡りなのに延々と山の中の一本道。センターラインなんかない。海はどこなんだ、どこに行くんだと言い続けてたまのカーブで茂みの切れたところから空が見えたりする。

はるか下に海岸がちらちら見え始めて、土肥温泉かしらと思いつつなかなか下に降りていかない。道はまた登りになったりぐにぐにと曲がりくねってやっと下り。こんなアクセスの悪い温泉に客がよく来るもんだと思ったら、清水港からフェリーで直接来られるのだという。なるほど。ついでに沼津港にも寄ってほしい。

土肥温泉から先は17号線が136号線と名前が変わって、また山に入ってしまった。
この辺からおばちゃんはやっと理解してきた。

伊豆の山は意外と険しく山襞が深い。海に近い平らな場所に集落ができる。次の集落は次の山襞の海岸沿いにあって、海沿いに道をつけるより、いったん山ん中に上り最短距離で山を走って、次の谷で次の集落に降りるという原理が分かってきた。

つまり海・集落―登り・山道を走るー下りー海・集落
はは~ん。観光道路というより生活道路だ。山以外何も見えないし。

沼津を出てからもう4時間近く走っているし、この先に恋人岬とかあるらしいが依然山を登ったり下りたりで、帰りも同じ時間ドライブにかかると思うといい加減走るのが嫌になってきた。


意気地なしと言われようが、暗いなじみのない山道を走る危険は冒したくない。戸田漁港まで引き返して帰ることにした。戸田漁港からは蝮の頭の頂点・修善寺まで向かってまた山の中である。

伊豆半島の東回り一周のはずが4分の1ほどでギブアップした。地元の人に聞くと一泊して一周するものだという。土肥温泉から回り切れなかったのは棚田で有名な松崎町。一番近い駅から歩いて6時間というキャッチの売りのモンキー海岸だ。

西伊豆は電車も走っていない。太い幹線道路もないこの辺から下田までは人のいる集落の付近だけ海に近づく136号線。人があまり行かないのは、行かないのではなく行けないのだ。理由があるのだと身に染みたドライブでありました。
それでも松崎町とモンキー海岸は一度は行ってみたい。

試験3回目まであと6週間

最近皇室関係の記事がむやみに出ている。売れるからだろう。
問題は記事の情報の精度である。

皇室関係者だの、現地の弁護士だの、不動産エージェントだの、関係があるといえば業界の人ではあるが直接の関係者ではない。それらの人の談をもとにして記事を書くとおばちゃん達の井戸端会議のような記事ができるね。

●女性セブンの記事によると、おばあさまの喜寿のお祝いに眞子様が一時帰国するのんではないかと皇室関係のジャーナリストの談。


●小室母の自宅に海外旅行クルーズのパンフレットが郵送されたらしいので小室息子が弁護士試験3回目合格後にお祝いとして一家そろって行くのではないか?


●現地在住の弁護士談、ビザ申請中に使える制度があるので5月にF1ビザが失効してもすでにH1Bが取れたのではないでしょうか?


●例の本で今上が激怒なされたから関係処庁が弟宮排除に動き始めている、とか、、

憶測、推測、妄想、願望があまたはびこっている。
一つの伝聞をもとに話を膨らますのは会話でよくあることだが、そのノリで記事や動画を発表すればよく売れるのはわかる。世間の人はそれだけ関心が高く成り行きを注視しているから。

しかしなぁ、大多数の国民にとって事実がどうなっているのか、皇室の行方を憂いているので、憶測と妄想の塊のような記事を読まされるのは相当エネルギーを削られる。こういう妄想を読みたいのではない、事実に基づいた正確な現状が知りたい。今どうなっているのか?と。


A: もうすぐお盆やんか、お嫁に行かはった長女のM子さんお里帰りをしやはるのやろうか?
そら帰って来やはるのやないか?
B: お義理母はん、クルーズツアーのパンフレットを取り寄せたんやって?
いや~ホンマ?
C: でもお盆やのうても、M子さんのお祖母さんの喜寿はもうすぐやんか、、。
そやそや、最初の孫や言うて一番かわいがられたんやって。
D: それで毎年贈与なんか。
A: 来れば来たで、またお小遣いいもらいはるんと違うか?
おばちゃんの世間話ならまだしも、情報として動画が延々と続くとめげる。

宮廷御用達し、あるいは宮廷御用伺いみたいなメディアは確かにあるのであろう。
メディア自身のポリシーなんかどうにもなるのである。ネット時代になって紙面の販売量はどこもガクッと落ちているだろうから、右でも左でも上でもこの際斜め上でも何でもいいから、売れる記事ならマッチ棒をバットくらいに膨らませて記事を書けとか叱咤激励されているのかもしれない。

肝心の事実は記事にならない。
事実は統制されているから。今上が例の本に実際どのような思いを抱かれ何を考えておられるのか、女性天皇実現の可能性はどのくらいあるのか、。小室夫妻のビザは何ビザに変更手続きが進んでいるのか、一番知りたい情報だけは厳重に統制されていて民には漏れでないように管理されている。日本人の口は昔も今も堅い

どうでもいい小室息子の言動はリークされている。これは意図的だと思う。
NYの支援隊+お世話係は無論厳重な情報管理を強制されているはずだろうが、平民の小室息子についてそもそも尊敬があるわけではない。

外務省で北米勤務なら、厳しい選別の末に選ばれた賢のエリートが多いはずである。知能の上でも経歴の上でも小室息子なんか歯が立たないえりすぐりが、仕事の上といえ彼のお世話係になっているのである。

元皇族の平民の夫であるから、かたち上支援しているだけの話。
何故かといえば、彼の思いあがった言動だけが支援隊から直接漏れてくるからだ。元皇族の眞子氏についてのステイタス言動については箝口令が守られているのである。ジャーナリストが調査した情報は除いて、。

ベンチャー企業を一つ用意しろ、俺を殿下と呼べ、もっといいアパートに住みたい。

内容が具体的で事実を知りえる人間からのリークだとしか思えない内容である。だから、支援団から漏れてきた情報だとおばちゃんは判断する。ついでに言えば、小室圭は支援団から好意を持たれてない、のがよくわかる選別された漏洩である。

例の“皇族の前に人間である本“で世論は一層かき回され批判も煮詰まっているのだが、ニューヨークの夫妻が身動きしないので今のところ現状打開の展開がみられない。

7月の試験会場

7月の3回目の試験は26日、27日だが、チェックしてみて驚いたことには、NYの会場が増えている。卒業月が6月だから新卒の受験生が多いのだろう。NY市はArmoryの会場だけでは足りなくて、もう一つ会場が用意されている。
ALBANYの会場も2つになり全部で6会場になるから、春の4会場から比べて現地の監視隊の皆さんは大変だろうと思う。
あと6週間だ。

https://www.nybarexam.org/ExamSites/ExamSites.htm
NEW YORK CITY
NYの7月会場
Armory Track & Field Center
216 Fort Washington Avenue at West 168 Street
New York, NY 10032

Jacob Javits Convention Center
11th Avenue at W. 35th Street
New York, NY 10001

パラレルワールドの保険金

交通事故と病気のリスクはどの世界でも常にある。
不測の事態に備えて保険を買っておきたくなるのだが、アメリカというところでは、月々のユティリティの請求書やDMに傷害保険やがん保険の申し仕込みがしょっちゅう同封されている。

先月の電気代がいくらだったかをチェックすると同時に、「掛け金が月にたった2ドルでがん保険。乗り物の事故補償で月6ドル」などというキャッチのチラシをついつい読みふけってしまう。

おばちゃんもいつどうなるかわからないアメリカの生活にふと弱気が出たようなときに、申込用紙に名前を書いて返信してしまった。印鑑もいらないし。

こっからはパラレルワールドのアメリカのパラレルおばちゃんの話。
パラおばちゃんは安いがん保険につい加入してしまった。

貧乏暇なしで何とか仕事が回っていたが、ある日何気なく喉元に手をやると首の付け根に膨らみがあった。左の首の付け根の甲状腺のあたりにウズラの卵の2倍くらいの不自然なしこりがあって背筋が一瞬冷えた。

これはやばい奴。かかりつけに予約を取って診察してもらうと、片側だけのしこりは悪い印!などと独り言を言うので、パラおばちゃんはなおなお嫌な予感が広がった。
提携病院でバイオプシーを受けることになった。

検査技師は中身はリキッドに近いねと言いながら甲状腺に針を刺すので、パラおばちゃんはしこりの中身を全部取っちゃってと言ったのだが、「残念だけど、一度抜いてもまた戻ってくることが多いんだ」
そっか、じゃやっぱり日本に帰国して治療になるかなと覚悟を決めた。

パラおばちゃんは前世によほどの徳を積んだ人らしく、2週間後の検査結果はネガティブだった。かかりつけのドクターもおばちゃんに検査結果を報告しただけで、もう一度診察に来いとフォローアップも要求しなかった。

検査で一度中身を抜かれしぼんだしこりが再度パンパンに膨らんだ後、なぜか急速に小さくなり始めた。毎日多量なタンが出て、気が付いたら甲状腺はペッタンコになり2度と膨らむ気配がなかった。

パラおばちゃんは準備の良い人であったから、バイオプシーの予約の前に、加入したがん保険に電話をして、がんらしいので保険金請求フォームを自宅まで送ってくれと依頼しておいた。

こっからパラおばちゃんの記憶はあいまいになるのだが、保険金請求フォームが届いて、でも検査結果はネガティブだったので記入して返送したことはないはず。
ないはずなんだが、何故か保険会社から補償金のチェックが届いた。その額1300ドル。あて名は間違いなくパラおばちゃんの名前。

あれ?保険請求フォームは送ったんだっけ?自分の記憶に自信が持てなかった。
当時は機械のように朝起きて仕事に行き、13時間立ちっぱなしでくたくたになって帰って寝る。昨日と今日の区別がつかず、レジの前に立って瞬きをすると日付が変わっているような生活。無理やり半日バイオプシー検査も入れスケジュールに追われすぎて病気も保険金も現実感がなかった。

ちょうどパラおばちゃんの日本のおばちゃんが亡くなったという訃報を受けたのも確かこのころ。

一日の仕事が終わって帰ってきてリビングのテレビでその日のニュースを見る。リビングのコンピューターはテレビの隣で、カウチに寝そべった体を起こして、50センチ先の電源スイッチを押せばよいのだが、体を起こすのが大変、手を伸ばすのがかったるい。ひたすらだるくてメールのチェックができない。どうせ後何時間かしたら起きて仕事に行くのである。

ある晩だるい体を起こしてコンピューターの電源を入れた。そしたら、日本の父方叔母の訃報メールが入っていた。あの福々しいおばちゃんが亡くなったのか。疲れすぎた体には遠い日本のニュースがなかなか実感としてわかず、一晩寝たらコロッと忘れた。

本当に訃報を忘れたのだ。
なんかニュースがあったような気がする。何だったか忘れた。重要だったかもしれない、でも仕事は休むわけにいかず出勤して仕事して寝た。2か月くらいしてからふと訃報を思い出した。その時は遅すぎて何もできなかったが。

人間忙しすぎるととんでもないことまで記憶から欠落するようだ。
そういえば知り合いのご主人が週末ごとに日本に出張!で2か月くらい猛スケジュールが続いた後、奥さんが旦那がおかしくなったと愚痴っていた。
何を言っても忘れてしまうのだという。娘の大事な学校行事や家庭内の連絡事項や5分前言ったことも覚えていない。

今だからわかるが、そういう状態はたぶん限界を超えかけていたのだと思う。パラおばちゃんのがん保険金のチェックもそういう状態の時に届き、保険会社に問い合わせるのも地獄のように面倒で考えるのも不可能に近かった。

んで、1300ドルのチェックは裏書きして銀行に入れてしまった。
保険会社が間違いを発見したらきっと何かを言ってくるだろうし、そうしたらチェックで返せばいいし。

パラおばちゃんの脳みその3%くらいは正気が残っていたので、1年くらい保険料を払い続けてからキャンセルしたかもしれない。1年間分の保険料だって40ドル足らずだったし。

結局、保険会社からは何も連絡がなかった。今でもたまに考えるが、あれはいったいどういう間違いだったのだろう?バイオプシーの保険金だったのか?それともパラおばちゃんは死んで死亡保険金が出たのか?パラレルワールドのアメリカの話であった。


英語学校を経営する

アイ子ちゃんの話である。
アイ子ちゃんはかつて日本で英語学校を経営していた。

すべての教師はアメリカ人であった。自己主張の強いアメリカ人を雇って働かせるのは並みの日本人のできることではない。

アイ子ちゃんのご主人はアメリカ人だが、彼女の日本語学校とは全く関係していない。
ご主人とは日本で知り合ったのだが、

アイ子:あなたの人生を話して!
ご主人:ワタシはアメリカであんなことやこんなことをやりました。
アイ子:アンタ、ビジネスに向いてないわ。

とご主人はアイ子ちゃんからバッサリ切られ地元の女子大の英語教師におとなしくお勤めしていた。

アイ子ちゃんは最初は小さな教室から始め、次いでそろばん学校が使わない夜間の教室を又借りするやら経費をかけずに徐々に大きくしていった。

ターゲットの生徒層は初級の英語会話を習いたい一般女性や学生ではなく、一通り英語はできるがさらに教えるほうに回りたい上級者向けの英語学校であった。モチベーションが固いので継続率が高かったろう。

生徒の持続力をささえるのは教える先生の質である。どれだけ日本人生徒に人気のある教師を雇えるかが売り上げを大きく左右する。アメリカ人教師を募集し面接でこれぞという人間をピックアップする。

他の英語学校で人気だという先生を引き抜く。
引き抜く?そうよ、引き抜くのよ。今貰っている給料の倍上げるって、言えば来るわよ。
人間何で動くかっていうと“お金”で動くのよ。
だそうである。

大阪商人の末であるアイ子ちゃんならではの技で、常に上の待遇を要求してくるアメリカ人に時には、アメをしゃぶらせ、夢を与え、人気が落ちてきた先生には警告を発しやる気を則す。 

繰り返すが先生はすべてアメリカ人である。
おばちゃんが日系2世を雇った時も、ことあれば自分がどれだけできるかアピールしてきて給与交渉をしてくるのでほとほと疲れた。待遇を上げなければすぐにやめてしまう。見切りをつけるのがものすごく速い。


そういうアメリカ人との交渉やコントロールの経験の土台はたぶんご主人との生活である程度補強されたのかもしれない。アメリカ人をコントロールする学期ごとのEvaluation system=評価システムはご主人の入れ知恵だろう。

カレッジでセメスターの終わりに教師の評価をつけるアンケートのアレである。
1、 教師の教え方はどうか?2、わかりやすいか? 3、生徒の疑問に答えたか?、、、、20、教師の点数をつけるとしたら1から10のスケールのうちどれか?

学期の終わりに全生徒にそれぞれの先生の授業について評価アンケートを回答させて、教師の能力評価を客観的な数字で出す。アイ子ちゃんは、このシステムを活用して給料交渉をしてくるアメリカ人教師には、冷静な数字を見せてコントロールしていった。

他の英語学校から引き抜いた先鋭のアメリカ人教師でも、異国で暮らすストレスなのか突然情熱がぶつんと切れる教師がいるらしい。生活態度が悪くなり、生徒サービスもおざなり授業もやる気がなくなって、そのくせ注意すると自己弁護ばかりして手に負えなくなってくる。


雇用契約書には、生徒評価が連続して一定基準以下が続いた場合に解雇条項を入れておいたので、第三者からの数字を突きつけると、態度が悪くなったアメリカ人に解雇通知を出してもぐうの根も出なかったという。

大きくしていった学校を切りのいいところで売ってご主人とアメリカに移住した。

一番驚いた英語学校の内情の一つ。
日本人に人気のある英語教師の条件は何だと思うか?

金髪でブルーアイズ。外人らしい容貌を選ぶことだそうだ。いかにも白人らしい要望のアメリカ人を選べば生徒から人気が出るのだそうだ。

はぁ、とおばちゃんは力が抜けてしまうよ、日本人の白人コンプレックスには。
英語に変な癖がなくて発音がきれいでも、本国で教えた経験があっても、アジア系の容貌では、生徒の勉学の意欲はいまいちなのだそうだ。アイ子ちゃんが面接でこれはというという人物は白人こーけ試案いかにも外人らしい日本人受けしそうなアメリカ人を選んだのだそうだ。
あれから25年ほど経つと思うが、日本人の英語コンプレックス、白人コンプレックスはさほど変わっていないだろうなぁ。


アリスおばちゃん

日本為政者の悲願:国民総番号・マイナンバーカードの普及は現在やっと34%だそうだ。
昭和の時代から政府は総番号制度を施行したくてたまらなかったが政府内部や政治家たちにもきっと反対者がいたに違いない。制度が整っても遅々として普及せず、やっと3割越え。

日本でお知り合いになった方たちとお話をするに、皆さんよっぽど自分の個人情報を政府に知られるのがお嫌なようである。マイナンバーなんか取ったら自分の資産を残らず国に知られるからイヤだと言っている。今の日本で自分の名義の銀行口座を行政府から隠しと通せると思えないのだが。もちろんおばちゃんたちはマイナンバーを超速でとって銀行口座を開いた。隠すものは何もないから。

名前や生年月日で名寄せするよりは、統一ナンバーで国民を管理するほうが圧倒的に便利である。だから、政府はどうしてもマイナンバーをすべての国民に割り当てたいわけだ。

実際にSocial Security Numberで管理されている米国でどうだといえば、SSナンバーを持っていないと米国では生活できない。SSナンバーカードはSSオフィスから発行される粗末なボール紙に印刷された9桁の番号だ。


この番号がないと、銀行口座も開けないしクレジットカードも取れないし、税金の申告も年金の支払いも保険もすべてこのナンバーが必要なんだわ。

就職にも納税にもこのナンバーに紐付けられているので、おばちゃんが従業員を雇うときはペイロールの会社に従業員のSSナンバーを知らせてペイロールは給料からSSタックスなんかを差っ引いていくわけだ。

SSナンバーで健康保険も病気のヒストリーや支払情報クレジット・スコアなどの信用情報も管理されている。銀行口座資産はSSナンバーで紐ついているわけだから、調査が入ればSSナンバーで照会を掛ければ口座が全部出る。便利なシステムだね。政府にとっては。

国民を管理できるようになったら次は企業を管理できればもっと便利ではないか?
あるのだわ企業にとってのSSナンバーが。
Employer ID Number EINという。Federal Tax IDと呼ぶこともある。
IRSが企業にユニークなナンバーを振る。

そのナンバーがあって初めて会社が会社の銀行口座を開け、企業として業務活動が可能になる。言い換えれば政府としてはEINで名寄せすれば企業の銀行口座の活動状態や納税状態がお見通し、つ~わけだ。

さあ、こっからパラレルワールド地球のパラレル合衆国の話である。
パラレル米国であるからEIN制度もおんなじである。おばちゃんと全く関係のないあるおばちゃんがいて、起業にあたってEINをとった。

オンラインでフォームを記入するだけで申請過程は非常に簡単。
クリックすれば、次のページで割り当てナンバーが記載されているのでページを印刷して銀行の窓口に見せれば会社の口座が開けるのだ。

アメリカの制度とかシステムは誰か天才が作ったかよくできていて感心するのだが、運用側にしばしば使えないポンコツがいたり、ブラックホールがあったりしていて不思議の国のアリスのように穴に落っこちてしまうことがある。

このアリスおばちゃんはセッカチでページをプリントするや否や、会社の設立手続きに走った。口座を開き、クレジットカードやペイロール業務の契約をしたりライセンスを取ったり。
で2週間後にIRSからEINの本通知を受け取った。

受け取ってびっくり!
パラレルワールドのアメリカもやっぱりすっとこどっこいだった。
オンラインで印刷したナンバーと末尾3桁が違うのである。
通知には「アンタはオンラインでナンバーをとったかもしれんが、それは間違い番号だから、今すぐ忘れ!これが正しい番号や。ちゃんとしまってけ!」と偉そうな文面が書いてあった。

何せ日本の2倍以上の人口であるし、たまたまEINの申請が同時にぶつかってしまうことがあるかもしれない。そんなシステム上の穴がきっとあったのだ。

どないせ~、ちゅうねん。認可とった処庁に訂正しまわれってか!アリスおばちゃんは腹を立てながら、銀行やらなんやらに訂正に回った。

ところが、である。
おばちゃんが選んだ銀行は、オンライン・バンキングもビジネス用のサービスも充実していて非常に使い勝手がよかった。使い勝手はよかったのだが、メガバンクで処理システムが何重かあるらしい。

訂正したはずのEINナンバーがペイロールになると旧の間違い番号で打ち出され、訂正すると治るのだがクオーター・リポートになるとまた戻って間違い番号になるとか。

モグラたたきのようにあっちでぶったたくと、こっちで訂正前の番号が出てくるのである。ああ、ここはアメリカ。

EINは時々間違うが、会社は何とか回り始めた。
スーパーのフードコートなどで、古い知り合いの同業者などと会うと、


先輩:どうよ?
アリス:いや~、どうもこうもタックスが高くないですかい?ワーカーズ・コンプが高いやおまへんか?
先輩:そやろ、俺らが働いてるのに指一本貸さなく癖に、タックスばっかりふんだくりやがって。
アリス:ほんなら先輩、いったいどないしたらよろしいでっか?
先輩:まあ、頑張りや。ダブルアカウントつ~ものもあるし。

ダブル・アカウント?
アリスおばちゃんの耳はピコんと立ち上がったのだが、あのことやろか?マーチャント・サービスのダブルアカウント?

おっさん、利口そうに見えたアホやんか。クレジットマシンがダブルアカウントやからと言って、EINがおんなじやったらアンクルサムには一発でお見通しやんけ。使えねえな。
と思ったのである。

アリスおばちゃんのクレジットマシンはもちろんシングル・アカウントで幻のダブルなんて見たことがなかった。そうこうするうちに契約したマーチャント・サービスは手数料が固定のはずなのに恥知らずにも半年ごとに上げてくる。この野郎、契約を切ったろと思っていると、ある日なまっちろい白人のお兄ちゃんのセールスがやってきて、うちは安いですよ~と言う。

マーチャント・サービスだった。
見積だけでもしませんか?手数料は固定で上がりませんという。それから左右を見て誰もいないのを確かめて、ダブル・アカウントもできます。と声を潜めてぼそっと言った。

何?ダブル・アカウント?
その瞬間アリスおばちゃんの頭の中では一瞬にしてビジネス・プランが走った。
おばちゃんのEINはどういうわけか2つある。一つのクレジットマシンで最初からダブル・アカウントがセットできる。まぁ、素敵!
メガバンクのほかに、別の銀行口座をセットすればいいのだ。バンカメなんかバカだからちょうどいいかも。

間違ったEINは間違っているので、間違ってもIRSは間違いEINで名寄せをするわけがあるまい。そんなEINはシステム・エラーか別の会社が出てくるだけである。

ハレル~ヤ!
アリスおばちゃんが落っこちた穴は、宝が埋まっていたのだ。
な~んちゃって。そんなことをしたら従業員もみんなわかっちゃうじゃん。おばちゃんとは全く無関係の別のパラレルワールドの話である

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