AIが絵を描く

まさに「世界変革」──この2カ月で画像生成AIに何が起きたのか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b10970e584f1a43e8cbb8e1b9d7b9d21bc88941

8月掲示板で誰かがめっちゃすごいと興奮していたのがAIに絵を描かせるサイトDiscord
https://discord.com/channels/662267976984297473/@home

おばちゃんもさっそく覗きに行って、キーワードを入れて使ってみたが生成された風景画は正直いってそれがどうしたという画像だった。おばちゃんはプログラムの意味がよくわからなかった。

夕べ別のまとめでAIに画像を描かせるトピックで盛り上がっていた。
シモがかっているが腹を抱えて笑わせてもらった。おばちゃんは何かの黎明期に立ち会っているという感触があったよ。
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/5381184.html
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/5382124.html
http://yaraon-blog.com/archives/226100

そして今日この記事を読んでやっといろんなピースがはまって作画AIの全体像が見えた。
おばちゃんはコンピューターもPhotoshopもWebも独学。Illustratorは嫌いだったからウエブ素材は買うか自分で写真を撮って加工するしかなかった。クオリティの高い画像は値段もえっというほど高い。自分でIllustratorで描けたらと悔しかったね。ペンツールが嫌いなんだよ。

んで、開発費をかけたStable Diffusionという学習済みのプログラムをオープンソースとして開放した。すごいね。タダで公開したんだ。このAIは画像を読み込ませると学習する。

使い方としてはキーワードをタグのように追加していく。
Single girl, eating, ramen noodleとかね。そうすると女の子がラーメンを食べる画像が生成されるはずなんだが、今んところAIはラーメンを食べさせるのが下手。
しょうがないね、まだ3か月だから。
ただ、人間、理想を追求するには試行錯誤と努力が肝心とよくわかる体験談であります。

本職のイラストレーターの方たちには、職を脅かす脅威となるかもしれない。

謎のブランドSHEIN

●米でアマゾンを抜きトップに…謎のECアパレル「シーイン」の正体
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5a2731ae6efb60c05b0f5ac3a495f211d480342

SHEINの製品を作る労働者は1日18時間働き、報酬は1着わずか6円…英チャンネル4が潜入調査の動画公開
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c407f66ba6f7dc3f3957c6c76730c714d178858

最初にSHEIN のアパレルブランドを見たのは3~4年前のAliExpressでモード系のデザインが記憶に残るブランドだった。試しにシャツを一枚買ってみて本土から10日から2週間で届いたと思う。生地の品質は中国製としては普通だったが丈が短く縫製がいまいちだったので捨てた。


3週間前に突然ブラウザーにSHEINの広告が掲載されるようになって、はて?見覚えおあるブランドだが?試しに見てみると、ショッピングモールの名前がSHEINでもSHEINだけの製品を売っているわけではなく靴、バッグ美容関係も扱っているショッピングサイトであった。

広告にポップしていたのがたまたまおばちゃんド・ストライクの花柄靴で思わず買ってしまった。お支払いをPaypalで。円安になる前にドルを貯めてあったからほとんど半額で買えた。同じくチュニックとして着ようと思って短めのワンピも買った。
たった5日で届いてしまった。本土からEMSだったのか?佐川の配達だが早すぎてびっくり。

届いた製品はサイトの画像そのままである。靴の色相も商品とサイトは差異が極めて少ない。

あら?やっぱり可愛いわ。履こうとして驚いた。
2本あるストラップの根本に「白いゴム」がついている。多少足の甲が豊かな人でもストラップに伸びしろがあるってか?!

子供の運動靴を買ったんじゃねえや。発想が途上国で昭和初期。
履いている際には白いゴムは見えないが恥ずかしくてちゃんとした場所にははいていけない。
¥2,527でちゃんとしたところに履いていける靴が買えるかという問題はさておき。ドル決済なのだがお買い得かどうか悩む。

SHEINの販売価格的にはすでに送料が転嫁されている。国際送料でたったの5日で到着した送料を引くと製品値段は500円から600円だろう。
シマッタと思いましたね。
実はこの靴が届く前に、もう一度ショッピングをしてニットのカーディガンと合わせるワンピにバッグを買ってしまっていたから。

第二弾は、やはり見てくれは写真通りのカーディガンだったがクオリティがなぁ、、、、泣き。
カッチリ織ってアウターとしてもOKなニットだと思ったのに、届いたのは緩~く編んだぼってりとしたカーディガンだ。一度洗ったらタラタラになるだろう。

送料込みカーディガンが3179円でドル決済で半額でもいらんわ。バッグについては問題外。かわいいのは写真とデザインだけ。これで送料込みの995円だから製品価格はゼロだな。ツイードはプリントかと思うほど薄い。
本当にぺらっぺらよ。

おばちゃんはReviewに星1つquality低すぎと書こうとしたら、最初から星5で1につけ替えることができなんだ。だからテキスト欄にLow quality. I give you 1 star.と書いておいた。
大事なドルをこんなアホなサイトで使ってしまった。

ドクターに聞いてみよう

胆のうがんステージ2 胆のう切除、肝2葉切除、リンパ廓清 術後5か月で経過観察中のおばちゃんが、書いてみる。

最近右わき腹が痛むので、ネットで情報を掘ってみた。
“胆嚢切除後症候群“という症状があるらしい。胆嚢切除後から出たり手術の後数年たってから出ることもあるらしい。統計によれば患者の40%くらいにみられるようだ。

症状は、胆嚢があったあたり:右わき腹の痛み、下痢、胸のむかつきなど。食事の後に症状が強くなる人もいるらしい。

取り残した胆石が胆管に残っていたり癌組織が胆管にあったりすることもあるようだが、CTやガンマーカーでは異常がない患者でも痛みや諸症状を訴えることがある。

原因の一つとしては、総胆管と膵管の出口であるOddi括約筋が固くなってバルブ機能がうまく働かないことから痛みが出る場合があるらしい。
しかしながらサウスカロライナ医科大学ではOddi括約筋を追加切除しても痛みが取れなかった患者があると報告がある。

つまり痛みのしっかりした原因はようわからんわけね。別に命に差しさわりがあるわけではないので特に治療をしなくても放置と。幻肢症みたいなもんかいな。普通の痛み止めで痛みが薄らぐようよ。

情報をいろいろめくっていると「アスク・ド〇たー」というページによくぶつかる。
一般人がアドバイスを求めて、本物のドクターがその質問に答えるわけよ。
場合によっては数人のドクターの答えが得られる。答えを全部見たり質問をするには有料会員になるしかないのね。月に何回かは無料で答えが見られるが、おばちゃんは無論有料会員にはなってない。

試しに胆嚢がんを検索してみると、2200以上の症例質問がヒットした。おばちゃんは暇だから読んでみた。ざっと600例くらい読んでみたが、、。

質問者の2割が患者本人
患者家族が8割
質問者の年齢が20歳以上50歳くらいだと本人質問になり
患者が高齢になるほど患者でない家族の質問がほとんど。

質問の内容は、主治医と話せば8割解決すると思われる質問。なんでや?
主治医との面会ができんのかいな?

例えば、ステージ4Bで母は食事がほとんどとれなくなりました。抗がん剤は合わないのでやめました。余命はどのくらいでしょう?とか。
主治医に面会予約を取って、患者本人の症状データーを見ながら教えてもらったほうが正確で詳しい答えが得られると思うで。

アメリカの専門医の診察料金は高いけど、面会して情報を要求すればちゃんと教えてくれる。どうして主治医に面会をしないのだろう?オンライン有料会員は330円/月で安いからかな。
面会のための休みが取れんって?家族のことなのに?
日本では患者と主治医のコミュニケーションがそれほど悪いのだろうか?

また、質問者が若い世代20歳~40歳までの場合、“専門医にかかる前”の質問と“検査結果が出る前”のあいだの質問が多い。ほとんどが癌への不安だ。どのくらい癌の可能性があるでしょう?
そんなもん、検査結果が出る前にわかるかいな。わかる前にこたえる医者はおらんよ。

ネットで現役のドクターが回答してくれたにしろ、検査結果を持っていない状態では、「この症状なら最悪は癌でもあり得ます」としか答えようがないだろう。

質問者は「この症状なら癌はありません」と言ってほしいのだね。
質問者が質問をするのは不安を解消するためだろうと理解はできる。ただ、330円でその答えが返ってくると思わないほうがいい。医師はデータなしで答えるような職業ではないから。

医者のお答えは「検査結果を待ったほうがいいでしょう」とか「癌も考えられますが検査結果によります」に決まっているわけで、質問をするだけ無駄だと思う。330円で不安の解消をしようとしたあなたがアホなのよ。
酒でもかっくらって検査結果がでるまでバカ騒ぎをしたほうがよっぽどましではないか。

「抗がん剤XXXでも効果がみられません。他の治療法はありませんか?」とう質問は非常に多い。ステージ4で肝臓とリンパ転移があって手術が不可能という症例に「ほかの治療法はないのですか?生体肝移植はできませんか?」という質問者もあったな。
癌のステージと転移の理解がないのね。

おばちゃんがすっご~く不思議なのは、ステージ4以降の質問者のほとんどが「本人の意向は知らない。少しでも治療をできる方向はなにか」しか聞かないこと。
「本人が望む積極的治療以外の選択肢」をまず本人に聞いてみてから質問をしたらどうか?積極的治療はもういいっていうかもしれないし。ステージ4なら緩和治療でどこまで痛みを止められますかとかね。

娘さんだが、「治療はやめてこのまま本人の希望通り好きなことをさせてあげたい。私は間違っていますか?」というのは600例中たった一人だけだった。
日本では本人の意向を聞いてそれを尊重するという傾向がないのはなんでなんだろう?

癌と診断されたら戦うのが正義!一秒でも生きるのが理想!苦しくても抗がん剤!が日本の常識なのだろうか?
そんな人の常識、どうでもいいやん。

日本では「がん難民」という民がいるらしい。
https://gansupport.jp/article/support/support02/13039.html
―国立がん研究センターの資料では、がん難民は次のように定義されている。
「〝がん難民〟とは、がんが進行して抗癌剤等の積極的な治療が受けられなくなり、主治医から見捨てられたと感じるときや、現在自分が受けている医療に満足できないと感じるときに使われる言葉――

①標準治療もしくはそれに準ずる治療が尽きて、他所に移って欲しいと医師から告げられるケース。日本では入手しにくい治療薬を求めて走り回る。重度の心臓病や糖尿病などの合併症を持っている患者さんの受入れを拒絶

②がん医療の地域格差によるもの。薬治療、緩和ケア望む治療を求めて

③病状が急性期から慢性期へ移行して、他の施設へ移って欲しいと要請され、受け入れ先がなかなか見つからないケース。

④病状説明や治療方針の選択で医師に不信感を抱き、患者さん自らが自分の考えに合った医療機関を求めて探し回るケース

これを難民と呼ぶのか?
死なない人間は聞いたことがない。誰もが死ぬんだけど死んだらそんなにいけませんか?
積極的治療でできることがもうないなら、あとはできるだけ楽に人生を全うしてはいけないんですかね?

抗がん剤で食欲がなくなって食べたいものが食べられなくなるより、自分の食べたいものを少量でいいからありがたく頂戴して、最後は在宅医療で麻酔を入れてもらって眠りたいね。お棺には歴代の猫のお骨を入れてもらって楽しく旅立ちたい。山あり谷あり戦ってきた人生だったけど病気とはいまさら戦いたくないわ。

蛇足だが
ドクターに聞く前に癌の基礎知識を調べたほうがピンポイントの質問ができると思うよ。

家族に癌の診断がついたら一番大事なのはステージ。
それぞれの癌によってそれぞれのステージの5年生存率も違う。
おおざっぱだが
まず癌が組織の上にある上皮癌ならステージ0、1
粘液層に食い入っているかステージ1
筋層に浸潤するかーーステージ2
他臓器に浸潤があるか リンパ節に転移があるかーーステージ3
遠隔転移があるかーーステージ4

●原発巣が小さくても遠隔転移があればステージは自動で4にカテゴライズされる。遠隔転移があるステージ4でも抗がん剤が効き、縮小して切除できる場合は4でも予後はましということもあるようだ。
●癌の細胞診の結果により癌の悪性度がわかる。転移・再発も悪性度が参考になるだろう。
●血液の癌に抗がん剤はよく聞くが、切除ができない症状で抗がん剤の根治は望めないことが多いよね。抗がん剤で不快な数か月を伸びたと考えるかどうかは本人次第。
●医者が癌を「切った」というときは「目に見える」という単語が省略されている。

闘病記ー時系列

アイタタタ、タ

五臓五腑になる入院記

再入院のお知らせ

発覚

告知

闘痛記

日本のチーム医療・パッケージ治療

異色・入院雑記

娑婆に復帰

総武本線 内房まわり

ぼちぼち動いてます

術後2か月目

闘病記さまざま

ガンの光線力学療法

経過観察中 4か月目

がんのゲノム解析

・ドクターに聞いてみよう

ドクターに聞いてみよう・2

・経過観察6か月目

川島なお美の場合

術後7か月

ベンツ切開

出た日が命日

おばちゃんは何がつらくて悲しいかというと、うちの猫の命日が小室圭の合格発表の日になってしまったことだ。

ただいま~とお買い物から帰ってきて、天は玄関内の内ゲートで待っていた。
天ちゃん、お出迎えありがとう。天は身をひるがえしてリビングに飛んでいった。おじちゃんとおばちゃんは買い物を冷蔵庫にしまって人間用のお弁当をあっため、おじちゃんが猫缶を開けて天と紫音を呼んだ。
紫苑は食べ始めたのに天が来ない。

おじちゃんはお茶碗を持ったまま天を呼んで、洗面所を開けたりトイレを開けたり。おかしいなぁ、コタツにいる?って。おばちゃんがコタツ布団をめくっても天はいない。
クローゼットに閉じこめられていない?ジャケットをしまう一瞬にクローゼットに入り込むことがあるから。
おじちゃんはベッドルームに探しに行き、食べるばかりになったお弁当を前にしておばちゃんも立ち上がりベッドルームに行った。

天、どうしたんだお前!
おじちゃんがぐったりした天を抱えてゆすった。天はぽっかり目を明いて口が半開きだった。
息してる?人工呼吸!心臓マッサージ。
心臓はどこだ?
胸でしょ?
One Thousand, Two Thousand, Three Thousand, Breathe って3回目で人工呼吸!
動物病院に電話をして連れてきてくれというのでおじちゃんが天を抱き15分で動物病院についた。獣医さんはすぐ救命処置に入ってくれたが天の鼓動は戻らなかった。

うちに来た時からウイルス性の風邪をひいていてアメショーで耳道が狭かった。耳からの細菌感染症を繰り返し一度は死にかけたので耳道切開の手術をした。心臓も普通より肥大していますと言われていて、ああ、この子の寿命は短いだろうな、とおばちゃんの悪い予感は当たって、天は2歳4か月で逝ってしまった。

紫苑もおじちゃんたちも茫然である。
さっきまで飛び回っていたのに。目を離した十分で逝ってしまうなんて。
おじちゃんはリビングで一晩天を横に添い寝してお別れをして、紫苑は何度も天のそばにやってきて匂いを嗅ぐ。次の日、天はあっという間に骨になってしまった。

なんでまた、NYBEの発表が次の日なんだ。
おばちゃんはNYBE Resultサイトのチェックしながら泣いていたわけよ。紫苑も天を探しながら鳴くわけよ。
Twitterから合格の情報が先に入ってきておばちゃんはページの更新をして合格の速報をした。

ちくしょう。
天の命日が小室圭が合格発表の日になっちゃたじゃねぇか。どうしてくれるんだ。

シウマイ弁当

おばちゃんは学校が横浜だったのでシウマイ弁当は1個260円だったころから愛好家だ。何せサークルの野外活動はランチがシウマイ弁当だったので青春の味なのだった。

横浜市内の大きな駅なら大抵シウマイ弁当は買えたのだが、アメリカには崎陽軒がなかった。当たり前だ。
シャウエッセンは現地のソーセージで埋め合わせがついたが、シウマイ弁当は口にするのが不可能だった。グリーンカードが取れた年に一時帰国して弁当はしっかり食べたが、持ち帰りは無理なので真空パックのシウマイだけをお土産に帰った。それから日本へ永住帰国するまで幻の味覚だった。

静岡と神奈川は隣り合っているが、シウマイ弁当が買えるのは東名上り 海老名サービスエリアだった。なんで上りなの?これから横浜方面上りに向かう人にまだお土産は必要ないでしょう?
横浜を離れる人にさあどうぞと下り海老名で売るべきものではないか?メロンパンなんかどうでもいいんだ。

東名で何度も煮え湯を飲まされて、この間シウマイ弁当を買える場所で検索をしたら足柄SEが出てきた。なんだ海老名より近いじゃない。
でも、伊豆から出撃して足柄でシウマイ弁当を買ってトンボ帰りするのは60歳過ぎてあまりにも人聞きがわるい。アホと違うか。もうちょっと別な方面でついでに弁当を買った体で大人の体面を保ちたい。

おお、小田原駅にあるではないか。高速料金を払わなくてもいい。
そうだ!小田原駅に行こう!

9時過ぎに家を車を出して、10時半には小田原駅の崎陽軒についた。
本日は、弁当の入荷が遅れておりまして12時半に到着予定でございます。
あら~!それじゃその時間に戻ってきます。


おじちゃんとおばちゃんは小田原の駅前で、伊豆より都会だねぇ。人が多くなったねぇ。とぶらついていたが、しかし、不安に駆られた。崎陽軒には行列ができる。以前静岡駅の弁当売り場でおばちゃんの前の人でシウマイ弁当が売り切れて悔しい思いをした。
行列が長くてもし買いそびれたらどうしよう?弁当の予約はできるかしらと、また構内に引き返して弁当の予約をした。

さらに駅をぶらついてパンを買ったり金目鯛の開きを買ったり(沼津港より安いじゃん)忘れずに竹輪とかまぼこも購入して、12時半に崎陽軒に戻った。首尾よく買えてルンルン。

また海沿いの国道をトコトコと走り、真鶴を超えて熱海の峠を越えて無事家に着いた。2時だった。


お茶を入れてウキウキと黄色い弁当のヒモを解き蓋を取った。
おばちゃんは家の女王さまであるから、おばちゃんのポジションはコタツのそばのビーズクッションである。人間をだめにするソファにどっかりとめり込んで、シウマイ弁当を召し上がろうと思った。

箸袋を破いて右手に箸を持ち左手で弁当本体を持ち上げようとしたら左手首がへたった。
ノリ佃煮を除くおかずが全部クッションとコタツ布団にこぼれた。
ああ!おばちゃんのシウマイ弁当が!

ご存じのようにシウマイ弁当のご飯は若干のもち米が混ぜられていてモチモチする。ご飯はしっかり弁当箱にへばりついて落下した米粒は一つもなかった。きっと弁当箱を逆さにしても落ちないだろう。
しばらくご飯とこぼれたおかずを眺めて、おばちゃんは箸でまずぶりの照り焼きを拾った。次は黄色い卵焼きだ。細かく散っているのはタケノコの煮つけだ。箸でつまんで弁当箱にもどす。汁気がなくてよかった。

やたらタケノコが多い。唐揚げはどうした?大事な唐揚げは1っ個しかないのに。
シウマイは?5個のシウマイの安否は?
シウマイは無事全部回収した。カマボコは白いのでよく目だった。回収する。大事なデザートのアンズはどこだ。私の大好きなアンズ?

今日のアンズはあまりにも小さくタケノコの大きさとほとんど変わらなかったので、タケノコにまじってすでに回収が済んでいた。
よく見ると、たった一つのから揚げも今日は極小でやはり回収済であった。

無事おかずがそろったのでおばちゃんは食べ始めた。
コロナのせいで3年ぶりくらいだ。
今日のぶりは少ししょっぱい。タケノコがいやに多いぞ。おじちゃんがタケノコの煮物はいつもより甘いなと言う。
シコシコとするシウマイはおいしくいただいて、極小だったアンズは甘酸っぱくて以外にも大変うまかった。デザートが上出来だったのでおばちゃんは満足。900円だ。

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ど~うでもいい話だが、
小田原駅の新幹線ホームの音楽は「お猿の駕籠屋」だ。
え~っさ、え~っさ、えさほいさっさ。
お猿の駕籠屋だ ほいさっさ。
小田原ちょうちんぶらさげて
ほら、やっとこ どっこい ほいさっさ。

日本の年金制度・ナンバーカード政策

言いたいことはいっぱいある。

記事1)国民年金を厚生年金で穴埋め 岸田政権が進める「令和の年金大改悪」の姑息なトリック
https://news.yahoo.co.jp/articles/48adcea63945e3ebef45ceadfc936c9075e85a9d
記事1の国民年金基金が足りないから、サラリーマンが天引きで取った厚生年金基金から資金をかすめ取って国民年金に充填しようという案。

この穴埋め計画が最初に発表されたのは、去年の2021年9月で厚生労働大臣の田村憲久による2024年の年金制度改正案だ。年金制度はただでもややこしいので実際のディテールは記事を読んだほうがいい。
実際影響を受けて損をするのは1790万円以上の高額所得者層だけだというが、厚生年金をかすめ取られるサラリーマン層が全く影響を受けないわけがない。ちょっと資金を減らすけどあなたのは減らないって。嘘つけ。

ひどい。
政府/官僚の発表は数字を重ねて一般によくわからないように巧妙に書かれているから実際施行されればどうなるか分かったものではない。
年金は物価の上昇に合わせてスライドするという制度があり(アメリカのSS年金も同制度がある。今年はすでに平均5.4%引き上げられたとSS年金記事を読んだ)日本の年金も今年の物価指数なら引き上げられるところが、反対に引き下げられている。

嘘ではない。
コロナで経済が停滞し一時の奇跡のようなデフレ状況の去年を、しめたとばかりにデフレ認定して、おじちゃんの基礎年金は引き下げられた。それから日本の物価はインフレ一方だが政府は知らん顔だ。

とことん下種なやり口だと思う。
正しく物価にスライドして年金を上げたアメリカと火事場泥棒のように下げた日本

記事2少子化対策で「年金生活者が出産一時金の財源負担」の方針 専門家から「やっていることが無茶苦茶」の指摘
https://news.yahoo.co.jp/articles/2283876b7c41a340cf6cb8b47db8c67bd95a9e2b?page=2

75歳以上が払う後期高齢者医療制度の保険料を上げて、それを出産時に健康保険から支払われる出産育児一時金の増額に充てようという魂胆。

これから生まれる子供は日本の未来には違いない。産めば一時金がもらえるから子供が増えるだろうという浅はかな目論見。
あほと違うか

政府のマイナポイントといい、出産一時金といい金さえぶら下げれば人が飛びつくと思っている。
子供が生まれなくなったのは、出産年齢の母人口の絶対数が少ないため。子供を産みたいという社会環境でないから。給料が低い。労働時間が長い。子供の保育料が高い。休みが取れない。そんな社会環境に生んで育てたい気にならない。将来に希望がない。


一時金がたとえ100万に増えたところで、一人の子供に教育を受けさせ成人になるまでの費用が少なくて2000万かかるところに、100万だけくれて生んで育てろという。
お前がやれよ

どうして日本では暴動が起きないのだろう?
自分の稼いだ金がかすめ取られていく時にSNSや掲示板では不満を漏らすのに、実際は羊のように無抵抗だ。

社会保障費と税金を払うときに源泉徴収とか年末調整とかで全く人任せにしているから国に自分の金を奪収されていることに無感覚になるのではないか。
年末調整なんかやめちまえ。確定申告で控除を入れまくって税金を取り返そう。

記事3)保険証廃止でマイナンバーカード事実上義務化へ 利便性上がらずリスク拡大の強引な方針に「史上最低の総理」

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff30aa65c6ee72e11d1c3700da6705c8c5864eb3

マイナンバーカードに2万ポイントのニンジンをぶら下げても普及率が半分を超えないので、とうとう紙の保険証を廃止して事実上のマイナンバーカードを保険証として普及させようという魂胆である。
そんなことしかできませんか?

社会保障ナンバー(SSナンバー)がないと社会生活ができない米国から帰ってきた身としては、ナンバーを持ちたくない気持ちはわからない。隠し口座がそんなにあるのか。うらやましいのぅ。


SSナンバーを持っていなければ銀行口座も作れなければクレジットカードも取れない。税金を払う、年金を受ける。教育を受ける、医療保険に加入することもできない。
SSナンバーで医療ヒストリーや犯罪歴、破産歴などファイナンシャルレコードもすべて残る。
その条件は住民すべて平等なので、金持ちも貧乏人もズルができない。公平な社会制度の基本だと思う。

ナンバーカード強制保険証移行が実現すると、今一番喜ぶのは生命保険会社、医療保険会社などの保険会社だと思う。
個人情報が一本化されれば確実に保険金詐欺の防止に役立つからだ。

例えば、アメリカなら生命保険に加入するときに既往症などを隠すのは難しいが、日本の現金を払う医療機関ならSSナンバーで病歴を追っかけるのは難しい。つまりズルができる。

国民全員ズルができない社会のほうがフェアで住みやすい。
なんでもカンでも個人情報として隠して、陰でズルをしようとすればできる社会より、自分のナンバーですべて情報が一本化して、信用情報を上げるも下げるも本人の努力次第という社会のほうがクリアで風通しがよさそうよ。


なぜ国民偕加入のための法による義務化をしないのか?
政府機関では個人情報が洩れる危険があると日本人は言うのだが、SSナンバーを知られて一番危険なのはID Theftなりすましで、日本にはナンバーのほかに更に住民票や印鑑証明などと面倒くさい個人確認制度もあるので、カード詐欺もかなり難しくなるのではないか。

日本人にナンバーを取らせたければ、すべての金融機関の口座にナンバーカードを登録しなければ、1年後に口座残高を国庫没収するとか、出生届とナンバー登録を同時義務付けるなどの法整備をすればどうか?隠し口座も犯罪口座も消滅してしまう。おばちゃんは関係ないから。

ナンバーカードを実際に保険証と免許証を併用してしまうのは弊害しかないと思う。
重要なのは国民がナンバーを登録することであるので、免許の取得と保険証の取得時にナンバーの紐づけを義務化すればよいだけ。カード自体を持ち歩くなどというのは無謀そのもの。

アメリカのソーシャル・セキュリティカードは粗末な紙に印刷されてて、10年もたてばボロボロ。数字は頭の中にしまってあるから、ID Theftだって盗めない。一番安全。

ただ、”人の懐をこく” ことばっかりする政府はやがて国民から見放されることだけは間違いない。

2 Cellos

おばちゃんは楽器が弾けないがある日2Cellosの演奏動画Thanderstruckを聞いてひっくり返った。


大爆笑しつつLuka とStjepan Hauser二人のチェロの技巧におったまげ、すぐさま音大出で今もコーラスの指導をしているお向かいのおばちゃんと、ピアノをやってたアイ子ちゃんにURLを送った。二人の反応はおおむね同じだった。

クラッシックにロックやポピュラーをねじ込む。
伝統のクラッシックを規格通りに演奏するのは聞き飽きた。リズムとキックがあったらあかんの?!人間の原始の鼓動を引き出すような2チェロの演奏。そう、四角四面のクラッシック演奏に欠けていたものを2 Cellosが見せて聞かせてくれた。

No Boarder」 
アルプスの頂上でバッハを引き始めるLukaのコンサートのタイトルである。音楽に国境もない。音楽にジャンルもない。好きな音楽を好きに演奏してどこが悪い?!

Lukaの弓の毛がどれだけ切れていつ“ハタキ“になるか。
そのハタキになった毛が房になってじゃまなので、弓をちょいと振ってLukaがどんどん床でリズムを踏むと聴衆はもう熱狂である。70年代のロックの最盛期のようだ。ロックも好きだったおばちゃんにはクラッシックとロックの融合は大ご馳走である。おまけに二人ともめっちゃハンサム~~。うっとりするわ。

彼らのコンサートは、いままでクラッシックと無縁だった聴衆がやってくる。正当なクラッシックも二人は素晴らしい技巧で弾けるのである。おばちゃんはビバルディが楽しいと初めて思った。ビバルディは美しいけど楽しいとは思ったことがなかったので。
さらに黒いスーツで純正クラッシックの自身の音色にうっとり陶酔しているHauserの横顔はもうホ〇にしか見えないのだけど、Deep Purpleを弾いているとお茶目で素敵。

昔うちにLong Beach大出身のチェロの子がバイトで一時期いたけど(T君元気か?)
クラッシック専攻はクラスの8割がホ〇とレ〇ですよ。
皆アッチ系クラスメートばっかりで入れ墨も入れまくりとか言っていた。俺なんか少数派だったんですから。

ロックが衰退しクラッシックもどんどん聴衆をなくしている現代で、今まで関心がなかった人を集めてフアンにさせる力があるのは素晴らしい。


例えばこれは想像だが、ひごろ日本のポップスや演歌を聞いている日本のあっち系の衆が、ひざ小僧を丸めての2 Cellosのコンサートにぎっしり詰めかけて、正統派ハンサムのHauserとちょっと甘いやんちゃ系のLukaがクラッシック・ボヘミアン・ラプソディーなんか演奏してくれた日には、もうキャーキャー野太い声援が飛びそう。クラッシックのZ世代が開幕である。

伝統というのは確かに重要だが、伝統を踏襲するだけの文化は衰退してしまうのではないか。日本の茶道界にもLuka とHauserがいる。

蛇足:
おじちゃんがアリアナ・グランデが好きで車では彼女のCDを聞いていたのだが、時々キリキリする音が入る。なんでかバイオリンが乱入してくる。
まったく余分な音なので聞くたびにおばちゃんはイライラしていたのだが、ある時ジャケットを見たらバイオリニスト葉加瀬〇郎とコラボと書いてあったのでびっくりした。正直、どこがコラボやねん。いらんとこにいらん音を響かせやがってと密かに思ってる。

食えない人

アイ子ちゃんが来た。
怒涛のようにやってきて嵐のように去っていった。

9月の2週目に来日して京都で懐石料理を食べまくって、それから日本海へ出て蟹をむさぼってから伊豆にやってきた。

今年は暑すぎたので彼女の好きなマツタケはまだ八百屋に出ていなかったから伊東の道の駅でイノシシ肉を買い、修善寺を観光でさっと流し「静岡の宝」と地元民が誇るレストランでランチ。夜はイノシシキムチ鍋。2日後は三島の老舗で鰻。

書斎に布団を引いてトイレと洗面所の案内して、コーヒーを飲むかと聞いたら“うん“と言うので、インスタントを入れたら、次から自分でコーヒーを入れて飲んでいたので気を使わなくて楽。

アイ子ちゃんが静かなのは、食べているときと寝ている時。
怒涛のように喋りまくって、今回初めて会ううちの猫は目を見張っていた。彼女のお父さんはいろんな動物を飼っていた家なので(猿もいたという)、あまり人馴れしていないうちの猫にはおびえさせるような動きを見せることもなく、しかし猫に遠慮することもなく喋り捲ったので、猫はどうしていいかわからず戸惑っていた。
うちの猫たちにしてみればこんなニギヤカな生き物は見たことがなかったから、目を真ん丸にして観察していた。

ここのところ、コロナで日米の行き来がなかなか面倒くさかった。アイ子ちゃんと会えたのは3年ぶりだ。アイ子ちゃんはおばちゃんの人生でも極めつけの才能を持った稀代の怪物である。

普通のおばさんに見えるが煮ても焼いても食えない人間。英語学校を経営したり家を転がしたりして遊んで暮らせるだけの資産は貯めたので仕事はリタイアした。夏はテニスとゴルフ冬はスキーで、多分使い過ぎの関節痛のほかは病気もせず最強の免疫を誇る。

アメリカ人の旦那を育てて弁護士にしたのは彼女。
旦那の資質を見抜いて学校に女子大の英語教師として勤めさせて、阪神大震災で経営していた“自分の”英語学校のビジネスがダメージを受けるとパートナーに売り、それから旦那に何がやりたいと聞いた。

アメリカ人のご主人は勉強しなおして弁護士を目指したいというので夫婦で渡米して旦那をロースクールに入れた。とにかくアイ子ちゃんの言う通りにすると自分の運が向いてくるので、今でも弁護士の旦那はアイ子ちゃんのことを僕のラッキー・チャームと呼んで彼女の言うことは至上命令なのだ。

おばちゃんもビジネスを経営していた時に、ご主人に契約書を見てもらったりアドバイスをもらって大いに助かった。

とにかくアイ子ちゃんはもう働くのはやめたのでスキーをしたいときは日本のアルプスへ。美味しいものを食べたいときは日本へ。将来は日本とアメリカと半々に過ごす予定だという。

うっとりするような美味が日本にある。
新鮮な魚介類。秋なら栗、薩摩芋、松茸きのこ。今ならモンブランが美味しい、アイ子ちゃんにモンブランと連呼されても、おばちゃんはいまだに地元でおいしい洋菓子店を見つけられていない。パン屋、イタリアン、フレンチと洋菓子は、都市部なら切磋琢磨して感激する美味が見つかるのだけど、ここのローカルの町ではまだ探し回っている最中。

山は山と繋がっているのでおばちゃんの裏山をちょっと走ると箱根に出てしまう。箱根の森美術館でアートを鑑賞しレストランにはモンブランがなかった。ああ、栗の生クリーム!

ホテルでお茶をすべく、沼津のホテルに行った。
ウエイトレスにモンブランはないかと聞くと“無い”と即答されたので、じゃあケーキ・セットがいいが今日のケーキは何?と質問する。
ウエートレスは銀のトレーに3種のケーキ盛りを席にもって来くると、アイ子ちゃんはと「ふ~ん、おいしそうなケーキじゃないから飲み物だけでいいわ」とけろっという。
可哀そうなウエイトレス。
アメリカ生活が長すぎて思っていることがそのまま口から出てしまうのだ。

3年前は2泊3日でうちに泊まり、彼女の大学卒業から最初の離婚までの人生譚をたっぷり聞いた。今回は4泊5日だったのでお母さまをアメリカに連れてくるための日本の不動産の売却の詳細を聞いた。その当時はまだ私たちもビジネスで忙しく、ゆっくりお茶をする暇もなかったからお母さまをアメリカに連れてきた当時の詳細は知らなかったのだ。

30世帯のアパート物件を売却するためには借家人の退去をしたほうが高く売れる。
通常は弁護士のサポートなども使うのだが、彼女はほとんど一人でやった。30世帯の退去には普通3000万かかるというところをほとんどゼロにしたので、地元の不動産関係者が目をむいて「XXX町・不動産の奇跡」と呼ばれたという。

20代の初めから親の不動産の経営の後を継ぎ、ついでに金貸しもやっていたから、さらにいろんなビジネスをやって成長したアイ子ちゃんにとって、30世帯の借家人との交渉は大したことではなかったのだろう。

一軒一軒の借家人の希望を聞いて、年老いた借家人には娘の住む町に別の住居を借りてやるとか、施設の手配をしてやるとか、相手の言うことを理解して相手の望むところを世話してあげたら感謝されて出て行った。私としては普通のことをやっただけという。自分の要求だけを押せば刺されるとケロケロと笑う。こういう人が自分は専業主婦だといい一見奥様のようにふるまうから恐ろしい。

アイ子ちゃんは、せっかく伊豆に来たからやっぱり温泉にもつかりたいという。露天風呂。のぼせるので、絶対露天風呂じゃないとダメという。

一方、おばちゃんは在米中一度も温泉に行けなかったので日本の温泉への郷愁が半端なかったのだが、いざ日本に帰国してあこがれていた温泉に入ったら、温泉=大浴場はトドの生育地だった。温泉に対するあこがれが一発で胡散霧消してしまった。

浴槽のへりに白いトドやピンクのトドがのたうって、憩っているというのを見て大いにショック。それ以来、見ず知らずの他人が入る温泉浴槽はご一緒したくない。

それでは客室についているプライベート浴槽はどうか?伊東にはごろごろ見つかったのだが、宿泊費用をみてぶっ飛んだ。どこかの社長様が若い彼女を連れて昼間はゴルフ、夜は二人でテラスの露天風呂!なのだろう。

アイ子ちゃんも伊東のプライベート温泉は“タカイ!”という。ミリオンも貯めこんだくせに。
鄙びた昔ながらの旅館の露天風呂でもいい、と言う。それなら近場にある。

おばちゃんは温泉は必要ないから近場の和風旅館に彼女を送って、次の日にはピックアップして一緒に鰻を食べて、アイ子ちゃんの知り合いが待つ別の町に送っていった。そこから彼女は日本アルプスで紅葉を見に向かうのである。

おじちゃんもおばちゃんも2匹の猫も、アイ子ちゃんを見送った後はちょっと酔ったみたいでふか~い深呼吸をするのだった。

追記。
次の日、ラインで起こされたらアイ子ちゃだった。
昨夜はすごかったんだって。すし屋でコースが予約されていて、アルプスのスキー仲間はガンガン飲み最後は運転手付きのロールスロイスで送ってくれたって。どんなスキー仲間だよ。

くらえ、カプサイシン

うちの庭に巣くうモグラどもは激辛好きなのかもしれん。

大事なヒューケラやペンステモンの下を穴だらけにしやがって。これ見よがしに出口もぼこぼこ作りやがって!

ーーーモグラは強いにおいが嫌いです、この棒にはモグラが嫌う唐辛子をたっぷり浸見込ませモグラ撃退用の新武器「来ん棒」です。モグラに荒らされたくないお庭に来ん棒を突き刺してください。モグラが嫌がって退避すること間違いなし。ーーってほんとかよ。

ジキタリスやカンパニュラ、ペンステモンが被害を受けないように、モグラの通り道にせっせと来ん棒を差したった。100本差したったから。ほんとにカプサイシンがしみ込んでるんやろな?うちの猫はくしゃみもせずに臭いを嗅いどったで?

どないなっとるんや、登りの段々庭はモコモコトンネルが増えとるやんけ。出口があちこちに、“こんにちは”しとるやんけ。ふざけるな。容赦せんからな。
くらえ!、おっちゃんが作ったハバネロ煮出し液!穴の出口にこれでもかとスプレーでハバネロ液を噴射してやったんねん。

唐辛子の1000倍のカプサイシンに触れて死んでしまえ!って。スプレーを握っていた右手でうっかり、むずがゆかった鼻をこすってしまい、あ~っ熱と激痛が。

宿根ネメシアがどうなっるかもう知らん。露出している穴にはスプレーしまくったった。
もう秋やからこれから新たに植える花はあまり無いねん。大事な花は掘り起こして避難させたわ。

雨上がりに庭に降りたら、ヒューケラの株がプルプルと微妙に揺れてる。
そしたら、いきなりミミズの上半身が土から躍り出てきて、地面の上でぴょんぴょん跳ねてるのさ。撃たれた松田優作のように、「なんだこりゃ!!」とおばちゃんは思ったわけよ。

ヒューケラの株と根もとの土がさらにモコモコ動いた。
Oh,LaLa!!!
モグラがミミズを追っかけてかぶりついたところが、死に物狂いのミミズは、最後の力で地上に飛び出したのか。力足らずに下半身は食われて上半身だけになったミミズは地面の上で絶命した。
ナンマイダブ。


人生60余年、モグラのハンティングをこの目で見るとは思わんかった。地下のモグラは見ておらんがのぉ。

来ん棒はどうした?ハバネロ液はどうした!お前らカプサイシン好きなんけ?
この庭はな、何年も放置されて草ボウボウのところをおじちゃんとおばちゃんが草取りをして、耕して園芸土と肥料を入れてフカフカにした庭なんや。ミミズは豊かな土壌の証なんや。それをタダで食い散らかしに来やがって。

今までなん十株も高かっい宿根草を植えて、おばちゃんがどんだけ金を使ったと思っとんねん。振動撃退機や捕獲機や忌避剤やチューインガムを全部コケにしやがって、それほどおばちゃんが憎いか。
見えんことをいいことにして、宿根草の根元にトンネルを掘りまくりやがって、花の根っこがみんな浮いてしまって高い花は枯れて死んだんや。お前らのせいや。
死ねぇ~、死んでしまえ!残ったハバネロを穴ぼこにぶち込んだ。

くっそ。地面の下では、ここでちょっとチーズでもあると味変でできまんな、と激辛好きのモグラどもがミミズの晩餐を味わっとるのではないやろか。
おばちゃんは、ピーターラビットの童話を今ではそれほど愛らしいと思わん。

女性上位

うちの猫は代々女性上位だ。
小柄で女王タイプのお母ちゃん猫に小心な息子。
おっとりして臆病なお兄ちゃんにきっつい釣り目の妹。

コタツがセットされて大喜びで潜りこんだお兄ちゃん猫の後から、気の強い妹が続いて入った。テーブルの脚がゴンと鳴り天板がバコンと動いて、お兄ちゃんのアメショーが追い出された。
子猫の時に一緒のツグラに寝ていたのに仲良くコタツで丸く眠れぬものか。

家じゅうの一番居心地が良い場所、夏なら涼しく風が来ないところ。冬ならあったかく静かなところ。今日も寒いのでこたつの中は一等地である。妹の紫音が天下を取ってコタツで長々と紐状で伸びている。

この子は子猫の時に、頭がいい天才猫かと思った。うちに来て自分の名前とパタパタ(猫じゃらし)という言葉をすぐ覚えたので歴代では一番賢い子じゃないかと思った。しばらくしたら化けの皮がはがれた。

自分の欲望だけに素直である。
遊んで欲しいときはパタパタを咥える。近づいておばちゃんの腕をトントンする。抱かれるのは死んでも嫌。膝には乗らない。
ところがオフィスでデスクトップを起動させると、キーボードを踏む。踏ん張って動かない。ちぎって捨てても床からよじ登ってくる。ずりずりとモニターに体をこするので、重たいブックエンドが落ちて、床に避難させていたアンティーク風ランプを割った。大損害である。

優雅な肢体から想像ができない程食い意地が張っていてアメショーのご飯をとるのがうまい。ものすごいスピードで自分のお茶碗からご飯を3分の2食べる。それから隣で食べているアメショーに近づく。

アメショーはいつもおっとりと味わいながらご飯を食べるのだが、舌なめずりしている妹が近づくと食欲をなくしてベッドルームに逃げてしまう。
紫苑はお兄ちゃんのお茶碗に顔を突っ込んで、たっぷり残ったご飯を全部平らげる。それから自分の茶碗に戻って残り3分の1を食べる。アメショーの倍ご飯を食べるのに痩せてスレンダーだ。運動量がすごいせいもある。全身筋肉でできてますねぇ、と獣医さんが感心してた。

リビングのキャットタワーでアメショーが寝ていると、小柄な紫音がのっそり近づいてどけという。アメショーは抵抗もせずにシオシオとタワーを降りてベッドルームのキャットタワーに落ち着く。くつろいで毛づくろいしているアメショーに、紫苑がまたやってくる。とどけという。お兄ちゃんはうろうろと家をうろついて落ち着ける場所を探す。うちで唯一のソファの下でぺったりと寝ていることがある。あまりにもしつこく紫苑が付け回すと、たまに切れる。

伏せ耳で妹にとびかかりトムとジェリーごっこが始まる。オフィスからリビング。リビングからベッドルーム。ものすごいスピードで紫音が逃げ、床が鳴る。紫苑がついにリビングのおばちゃんが寝そべっているコタツテーブルに逃げ込んできて、お兄ちゃんに追いつかれて首をかまれる。
ギャウンと紫音が一声鳴くと、おじちゃんもおばちゃんもお兄ちゃんアメショーを叱る。

お嬢様が止めてって言ってるじゃないか。鼻息荒いお兄ちゃんアメショーは、ベッドルームに引き上げてふてくされて横になる。アメショーは紫苑を本気噛みしているわけではないが、紫音はわざと大げさに悲鳴を上げる。困ったときだけはお嬢さんになる。その他の時は王女様だ。女王は?無論おばちゃんに決まってる。とにかく紫苑は家中が自分の縄張りだと思っている。

アメショーの天(テン)は不憫な子だった。
うちに来た時からウイルス性の風邪をひいていて、耳の感染症も頻繁にかかるので病院に行くことが多かった。一時期、感染症が重篤になりすぎて熱が42度まで上がって抗生物質の注射と服薬では収まらず、このままでは助からないと思ったおばちゃんが、大丈夫か、病院に入院しようかと言ったら、おばちゃんの目を見て一声「ニャン」と鳴いた。

天はうちに来た時から風邪気味で声が出なかったからほとんど鳴かない子で、声を聞いたことがなかった。獣医に連れて行って、注射では助からないから点滴でお願いしますと2日入院させて、大枚が飛んで行った。

成長期にそんな病気がちだったから、自分の名前を呼ばれても反応しない。ちょっと頭が悪いかもしれない。鳴かない子だが、治療でも暴れないしおっとりして獣医には評判がいい。天ちゃんは、すごくいい子です。去勢手術の前には、キャリアでぐうぐう寝ていたそうでクリニックでは「大物」と呼ばれている。

写真写りがやたらいい。いつ写しても絵になる。紫苑は、、?
紫苑は写真に写らない。動きが速すぎてブレしか撮れない。たまに撮れると、ラクダかロバに似ている。写真をお向かいのおばちゃんに見せたら、嫌だ、ほんとにロバみたいと言われたからやっぱりロバに似ているのだ。

天はそこそこ健康になったがやっぱり今でも鳴かない。
妹から逃げてベッドでくつろいでいるところに、おばちゃんがそっと近づき、手のひら全体でゆっくりお腹をさすってやると股を広げてゴロゴロいう。気持ちがいいと、左手がパーに開く。開いた水かきのところに指を突っ込んでモミもみするとブッホと鼻を鳴らす。ウイルス性鼻炎で鼻の通りが悪くなったのだ。

一応、天はおじちゃんの息子、紫苑はおばちゃんの娘ということになっているが二人とも抱かれるのが嫌いだし、息子・娘の自覚があるかどうかわからない。
とりあえず今日も女性上位で紫苑の天下だ

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