11月15日 ドルの為替レートは天井をついたかもしれない。
アメリカのCPIは10月で若干下がり、失業率はこれから上がりそうな予感がする。アメリカ国民のカード残高はリーマンのリセッション時代を上回りそうだ。開戦前夜のような邪悪な気配がヒタヒタと忍び寄ってくる気がする。
おばちゃんは小売業でサブプライムのリセッションからのサバイバーだったが、あの時の絶望感はよく思い出す。日系新聞や日系コミュニティ・雑誌に売りビジネス広告がずらりと並んだ。誰も買い手はいないのに。借金がなくて体力(資金)があるビジネスが生き残った。おばちゃんは持ちこたえたが、リセッションのさなかで小売業を営むなんて地獄の修業は二度とやりたくない。
小売業をやっていると客の支払いは常にクレジット払いが現金を5%以上上回る。現金とクレジット払いの割合が逆転したのが2008年の9月。あれ?おかしいなと。
Go Back to School期にしては売り上げ減が長引く。客の呼び込みのために内装のリモデルを計画し、同じことを考えていた同業者と業務問屋で鉢合わせした。
何かがおかしいと思いつつぬかるみに沈み込んでいって、気が付けば客のクレジット支払いよりキャッシュの支払い割合が逆転していた。
客のクレジット限度額がいっぱいになった結果だったのだ。
周りを見ればショッピングモールの隣のビジネスも水面下であがいていて、顔を合わせると愚痴を言うのだが、未来が見えない恐ろしさに目を背けてこの不景気はそのうち終わる、何とか持ちこたえればとオーナー達は自分で言い聞かせていた。
過去のアメリカの不況はどうだったのか。
2009年当時、おばちゃんは恐怖を薄めるために統計を調べた。
プライムレートや国債の利率、CPIや失業率をグレート・リセッションの統計数字と比べた。自宅の価格を毎週Zillowでチェックした。 どんな不況もひどいのは正味3年くらい。統計と売り上げを分析しながら歯を食いしばって3年。持ち直したと思ったのが2012年だった。
2021年カリフォルニア・OCでコロナの死者が30万人を超えたと知ったときに、これは大変な恐慌になるのではないかと震えた。
アメリカ経済はよく持ちこたえたあとインフレに襲われ家も車もエネルギーも高騰した。給料は上がるが物価には追い付いていない。ただ仕事さえすれば家計は回ってきたのだろうが、そろそろクレジットの限度額に到達しつつある。
アメリカでも日本でも正反対の分析を発表するアナリストがいる。
●失業率が低どまりだからアメリカの経済はソフトランディングに持っていける。今はリセッションではない。
●リセッションはそこまで来ている。すべての数字が危ない。備えるべき。
どちらの分析も納得できる点はあるのだが、おばちゃんの気がかりはアメリカ人のクレジット残高。14兆円?高沸した物価。
これから一気に消費が落ちそうな気がする。小売業が傾くので、その後に来るのはレイオフ。ビジネスが生き残るためにレーバーを切っていく。
失業するとローンが払えず、しかも不動産の価格は下がり、家の評価額がローン残高を下回るようになるとフォー・クロージャーが増える。さらに不動産会社が倒れる。
2009年の時は首を切られたパートタイマーが、ホリデーシーズンのTempセールス要員に殺到したが、募集人数も多くなかった。Thanksgivingと Christmas商戦はしけた花火のようで人は不要な買い物を控えた。
2023年10月統計は失業率が全米で3.9%と低い。カリフォルニアは4.8%。11月からアメリカはホリデーシーズンになる。Thanksgiving あとのBlack Friday、 Christmasセールと White Sale, 年を越してNew Years Dayとホリデーは続くのだが、年内のホリデー消費が伸びなければ消費低迷が露わになって、来年は小売業からレイオフが始まるかもしれない。
ローレン・バフェットのキャッシュ残高が最大になったという。
体力があるビジネスだけが生き残る。最悪のリセッションがやってくるのだろうか?おばちゃんはおっかない。
日本でどこまで影響を受けるか。ドルがどのくらいまで下がって、円も落ちるとしてどこで均衡するのか。
恐慌なんかできれば来てほしくない。切に切に祈るおばちゃんである。
人差し指を重ねてソフトランディングを祈ろう!