無味無臭と言いながら、粉薬を混ぜるとウエットフードも食べない。
薬が嫌いな猫にどうやって飲ませるか、おばちゃんの方法を伝授する。
FIPの猫に6か月間毎日治療薬をやり続けるには工夫が必要だった。猫さんに薬を飲ませるのに困っている方に参考になるかもしれない。
クリニックではウイルス薬の「錠剤」を仕入れていた。
FIPの症状を見ながら体重によって毎週薬の量を調節する。だから薬はいったん錠剤をつぶして粉にし、今週の処方g単位で再度個別包装される。
薬の味を嫌がらない猫なら、ウエットフードやチュールに混ぜてやればいい。
しかしドライフードしか食べないとか、味やにおいがないはずの薬の味を嫌がる猫に粉薬を飲ませるにはどうしたらいいか。
まず、薬を飲ませるタイミング。
ご飯の前。
ただし、あまりおなかをへらし過ぎていると薬の後にドカ食いして吐くことがあるので、満腹にならない程度の軽食をさせてから、薬を飲ませる。薬を飲ませてから10分程度時間をおいておなかが落ち着いたころ、いつもの食事を与える。
チュール作戦
ウイルス薬の粉薬は味も匂いもないはずだったが、チュールに混ぜてなめてくれたのは最初の1月半くらい。味がないと言われてもやはり何かおいしくない味があるのだろう。
症状が改善し体重が増えると処方のグラム数も増える。毎週増えていく薬をチュール1本に混ぜると途中で味を嫌がって逃げてしまうことが増えた。
そこでチュールのフレーバーを変えてみた。
チキン味からツナ味へとチュールを変えてみても途中で薬の味に気が付くともう食べない。エネジー・チュールと子猫用チュールは嫌がって最初から食べなかった。薬とチュールのフレーバーが合わないらしい。
全部舐めてくれないと残りを指で掬い口に押し込むことになるので、別の手段を考えることにした。
薬用チーズ。
ペットショップでは薬を仕込んで食べさせるようにマカロニのように真ん中に穴が開いた猫の薬用チーズが売っていたので買ってみた。
まず、大きすぎ。そのままの大きさでは口に入れても大きすぎて噛むしかないが中の薬が口にこぼれると吐き出されることになる。
いったん封を切ると冷蔵庫で保存するのだが、乾いてくるから飲み込むのがますます難しくなる。捨てた。
丸薬にする作戦。
後半3か月は毎回丸薬を作って飲ませた。
粉薬をもう一度丸薬に丸める。
用意するもの
市販のシフォンケーキや蒸しパン。
つまようじと10センチ四方に切ったサランラップ。
ヤマザキの「チーズ蒸しパン」や「ふ」のきめ細かいしっとり系のシフォン生地がいい。セブンの「たまご蒸しパン」も好き。
ケーキ、菓子パン、蒸しパンなどが丸薬にしやすい。
まず、つまようじでケーキの生地を軽くひっかいて小指の先っちょ1/3ほどのほぐれた生地を10センチ角のサランラップの上に落とす。
粉薬をこの生地の上にパラパラと振りかける。
サランラップの一方の端をもって、生地と薬が乗った個所を中心になるように折り曲げる。
そして指の腹で薬とシフォン生地をサランラップの上からつぶす。
サランラップをはがすと、生地と薬はペッチャンコになっているはず。つまようじでこの生地の端っこを持ち上げて二つ折りする。
またサランラップの一方の端をもって生地を二つ折りして指で押す。
つまり、サランラップの間に薬と生地を挟んで、何重にも折りたたんだパイ生地を作るつもりで繰り返す。程よく生地と薬が混じった練生地が出来上がったら、指で5~6ミリほどの大きさに丸める。
わりとねっちりとした粘土状になっているはず。ぽろぽろ崩れるようなら生地に水分が足りない。
テンをおじちゃんにだっこしてもらい猫の口を開けて人差し指で丸薬をのどの奥に落とし込む。口の横っちょから注射器で水を5ccほど注いでやる。猫は唾液が少ないので飲みやすくするため。
一回に必要なシフォン生地はごく微量なので、3日か4日は同じ菓子パンが使える。パンが乾いたらまとまりが悪くなる。そしたら食べちゃえ。
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