ガンのある人生

ガンは慣れる。

ガン患部を切れば無罪放免となるわけではない。
ガン細胞がどの程度体の中に散っているかドクターにも100%確証はないので、5年後にも生きていたら寛解宣言ということになっている。その時に晴れて無罪放免。
それまでは執行猶予中や。

観察中に怪しい影やガン・マーカーの値が急上昇すれば、病院に逆戻り。収監されるわけやね。


3か月ごとの血液検査とCTスキャンで体の中に何が起こってるか要観察。
胆嚢ガン ステージ2の5年生存率は30%を切り、毎年 胆嚢ガン発症が2万2千人で死亡が1万7千人。膵臓癌の次に医者がなりたくないのが胆嚢ガン。

血液検査の結果を聞かされる診察日は誠に嫌な気分だ。
あみだくじの“アタリ“を引くか“ハズレ”で逃げられるか?
自分の人生すごろくが目の前で転がるわけよ。年4回5年で20回、ハズレを引き続けないと逃げきれないわけね。

診察が終わったらホームセンターとスーパーに寄って帰る予定が、どこにも寄らないで一直線に帰宅と変更になるかもしれない。暫定―リタイヤ人生から、人生の終活期間に突入するかもしれない。毎回スリリング。

スリルというのはある程度慣れるわけよ、繰り返されると。
明日は何をしようと考えると同時に、再発した時の終末手続きもシュミレーションをする日常。ここんとこ右背中が痛いから夏物の洋服をこれ以上買うのはやめようとか。来年はもう着られないかもしれないから。

血液検査がアタリに出た時は、必要な衣料は何シーズンくらいで最低残しておく必要なものはどのくらいだろう。と考えねばならない。

クローゼットとタンスは2つあって、両方大きいほうをおばちゃんが使っているが、おばちゃんの衣料を整理してコンパクトにまとめたら、小さいほうのクローゼットに全部収納できるだろう。

おじちゃんにとって衣料とは暑くなればタンスに半袖があって、涼しくなると長袖に代わり、寝具は自然に変わっていくものである。蓋のついた箱に仕舞まわれて見えなくなれば存在しない物。おじちゃん一人なら、二つのタンスに衣料をすべて収納してしまえば、春でも冬でも必要な服は自分で取り出せるだろう。くじがアタリの場合は早々に実行だ。

庭に出たらおじちゃんに言うにしている。
あと5年たつと70歳を超え、その時足場が悪いと転ぶし、樹木は絶対手に負える高さにしないといけないね。70歳を超えて脚立を使って高い枝の剪定など自殺行為よ。(脚立を支える人がいないから)おじちゃんは深く考えたとは思えないが、言われたもんだから細すぎる小道は幅を広げて、百日紅もヤマボウシも切った。木というものは思いもかけず早く伸びるものだね。

80歳を超えた老人が来年は来るのかどうか、を思うのとさほど変わりはないかもしれない。深く考えることもなく、ガンと言う病気にに慣れてしまった。ガンという言葉もなじんでしまった。

ふたりに1人がガンになる時代。1家に1人のガン患者。
先日の統計では新しい表現に出くわしたね。

日本人が生涯で1回ガンにかかる確率
男性63%、女性48%。ちょっと斬新な表現ではないか。
ガンにかからない確率のほうが少ないわけね。

昨日、親しい同級生からLineが入って
そういえば、去年入院した病気って何だったの?と聞かれた。
もはや慣れてしまったから感慨もなく、ガンだったよ、と答えを返したら、
うちのお父さん(彼女の夫ね)去年胃の3分の2を切ったよ、と返信があった。

だから1家に1人はガン患者。ステージが若ければ治癒するし。さまざまなガンがあるし。
ガンは慣れるよ。

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再入院

告知

さよならジョイス

給与控除が減らされるとどうなるか?日本のサラリーマンよ君らは羊か?

政府はサラリーマンの給与控除額を減らそうと狙っている。しらじらしく岸田首相はサラリーマンの増税は考えていないと答申した。

「控除」は給与収入から引いて、残りが課税所得だ。給与控除が減らされると課税対象額は増える。さらには住民税も増えるのだ。

これがサラリーマン狙い撃ちの増税でなければ何なのだろう。政府が言う「日本の所得税率は世界レベルで高くない」これは正しい。

課税所得194万5千円まで、所得税はゼロ。

195万円から329万9千円まで5%(つまり課税所得に5%をかけるだけ)

330万から694万9千円までが10%

大体の庶民層はこの辺でカバーされてしまうから、サラリーマンの所得税は、課税所得の5%~10%だ課税所得は給与所得控除とか、基礎控除、配偶者控除、生命保険控除などの控除類を全~部引いた残り。現行制度ではいろんな控除を合計すれば、課税所得は額面の給与の半分くらいまでに低くなりえる。

だから日本の所得税額は知れているのだ。欧米と比べても所得税率が低いといって確かに嘘ではない。ところが日本では住民税が高い

アメリカの連邦の所得税はガンとくるが州税は大したことがない。社会保障費は12.6%だ。ところが日本では厚生年金、社会保険、雇用保険などの社会保障費が確か19%を超えていた。所得控除を減らせば増税間違いなし。

控除額を減らせば、ついでに住民税も上がる。課税所得から住民税が計算されるからだ。

例えば現行で所得税が5%ゾーンでも、控除金額を減らされると課税所得額が多くなって税率が突然2倍の10%ゾーンに突入することがあり得る。

特に要注意は:現在課税所得が195万近辺のサラリーマンと329万9千円手前の給料取りは、所得税率が突然2倍になる。5%は10%に、10%は一気に20%だ。さらに住民税も上がる。

これがサラリーマン増税じゃなくて何なのだ?

岸田首相は「財務省のポチ」と言われているそうだ。

この控除金額の見直し案は財務省の官僚も試算をしているに違いない。そこでおばちゃんはふと考えてしまった。官僚、公務員というのも給与生活者には違いない。                                        

すると見直し案の試算をする公務員は自分の控除額を自分で減らそうとしているのか?自分で自分の首を絞める縄を編んでるってわけか?そんなことはあるのか?
「公務員の給与控除」を検索してみると、

――控除とは、所得税を計算するときに給料から差し引くことができるお金のことです。 ただし、公務員の場合は会社員の場合よりも控除項目がやや少なくなっています。 たとえば、会社員なら「雇用保険料」が給料から控除されますが、公務員の場合は控除されません。――

ふ~ん。自分で自分の取り分を減らす気があるんだ。

ところがネットの記事でこんなのが上がってきた。

国家公務員給与ボーナス引き上げ 2年連続

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072500613&g=pol

https://news.yahoo.co.jp/articles/c248a886d10c78eb416226d86214fba7406c779b

ずるい人間はとことんずるいのだ。

日本の民衆は鼻先で手前勝手なインチキをやられてよく暴動を起こさないものだ。

自分の金を守ろう。自分の生活と家族を守ろう。

まず自分の税金がいくらなのか、どのように算出されているのか理解しよう。毎年2月過ぎには、確定申告をする。自然災害で被災すれば税金が返ってくる。窃盗にあったりしたら雑損益が申告できたはず。

確定申告はサラリーマンに残された自分の税金を取り返す唯一のチャンスだ。

テン・ジュニア FIP闘病記 5

猫の半数はコロナウイルスを体内に持っているという。
コロナウイルスは病変性に変異しない限り無害だが、変異の引き金を引かれてしまうとFIPとして増殖し発症することになる。

おばちゃんが懸念していたのはこのFIPウイルスはインフルエンザ・タイプ(ウイルス駆逐して快癒)か水ぼうそう=帯状疱疹タイプ(快癒しても長年体に潜伏)なのか。悲しいことに後者の帯状疱疹=ヘルペスタイプだそうだ。

ウイルス剤でFIPウイルスをたたいて緩解に持っていけたとしても、体内のコロナウイルス(悪さをしないほう)がなくなったわけではない。症状が出ないほどFIPウイルスが少なくなっても、ストレスなどからくる免疫が低下したときにFIPが再び増殖する可能性があること。つまり再発。

もう一つのセオリーとしてはFIPウイルスを駆逐して、無害なコロナウイルスだけになったとするも、免疫が落ちた時にコロナが再びFIPに変異・再発する場合が考えられるーーということらしい。

ドクターが診断した別の生後4か月の猫は、特効薬Mutianを持っている横浜のクリニックで治療緩解にもっていけた。緩解後は彼女の免疫体系にストレスを与えないために、定期ワクチン接種も控えているという。単独飼い+完全室内飼いなので猫エイズや伝染性疾患に触れる機会が少ない。普段の検診は地元のこのドクターなので状態を理解したうえでワクチン接種なしでも診察をしてくれている。

もう一つは去勢の問題。
ワクチン接種も控える状態で去勢手術の侵襲は非常にリスキーだ。
彼女の飼い主は2年間発情期に耐えたのだが、それ以上は無理ということで生後2年で去勢手術をした。メス猫の場合は普通は開腹手術なので一晩クリニックで泊りのはずが、彼女の場合は日帰り手術!にしたのだという。

テンの血液検査の結果はドクターが驚くほど好転し体重が増えている。体重も増えているがタマタマも増大しているのだ。先々代の雄猫には十年以上スプレー問題に悩まされとうとう解決せず亡くなるまで十年耐えた。前面のFIP後面の去勢問題とおばちゃんの猫生活は穏やかでない。

投薬も問題がある。
モヌルディラビルは無味無臭というのでチュールに混ぜて食べさせていた。
最初は喜んで、えぇ~僕 朝晩チュールを食べられて幸せ~!と楽勝だったのだが、最近はなめている最中に、ん~、なんか僕もういいや とプイとそっぽ向いて歩き去ってしまうことが増え、これはイカンとチュールを足し足しになることがあった。

朝ごはんを食べた後などには、足しチュールもそっぽ向かれることがあるのだ。その場合は残りの薬入りチュールを指でぬぐい取ってテンのお口に強制摂取となる。

朝ごはんを食べさせず空腹で薬をやったらどうだ?と
9時の薬の時間までカリカリ以外ご飯なしを実行していたのだが、昨日は別の問題が発生した。

お皿の底のチュールを嫌々食べて、そのあとの朝ごはん猫缶をがっついて食べて10分後にすべて吐いた。
おばちゃんは薬~と叫んで再度チュール+薬を用意した。


空腹すぎても朝ご飯を急いで詰め込みすぎるのでよくない。9時に投薬したあと、すぐに外出をするのも控えたほうがいい。食後、最低30分は用観察である。

投薬9週目に入ってあと一息である。

テン・ジュニア FIP闘病記4 そっちか!

治療薬の投薬は8週目に入った。
熱は39度を割り、ついに平熱レンジに下がった。
体重は2900gを超え回復期に加え成長期にあたったようで毎日のように増加しつつある。来週はまた薬の増量があるかもしれない。

体調は好調。
テンは生後2か月半の真菌付きでうちに来た。真菌は人畜感染の危険があるから一月ほど隔離生活だった。病気が治って紫音と遊べるようになったのに5月の初めくらいから昼寝が多くなっていた気がする。生まれついての発育不良でドクターから育つかどうかは半々といわれたテン。FIPもしょっていることが分かったのが5月の末。

投薬を開始してから8週目だがモルヌデラビルのおかげで回復してきたテンは子猫時代をもう一度楽しんでいる。熱もなく気分も悪くなくて歩き回るテンは幸せそうだ。

詩音とじゃれあいピンポン玉を追っかける。
一番好きなのは夜歩き。
みんなが寝静まったあとにリビングをひそひそ歩く。おばちゃんがトイレに起きるとリビングのキャットタワーの根元に小さな影があり、するすると猫トイレの影に隠れごみ箱に回り込んでこちらをうかがっている。楽しくてたまらないのだろう。

おじちゃんとおばちゃんは頻繁に猫たちのごはんを買いに行くのだが、ついつい生体ペットコーナーを覗いてしまう。テンと比べるためだ。
ケージの中にいるのはほとんど3か月前後の子猫たちだが、子猫の誕生日とか大きさとか運動能力とかをチェックしてしまう。ほとんどの子猫はテンよりエネルギッシュで活動的だ。悔しい。

それでもテンは体調がよくなって尻尾をまっすぐ上げ、ぴんぴん揺らして上機嫌でリビングを歩く。肛門とタマタマが丸見え。5月のころにタマタマが目立つようになってドクターに近頃発達してきましたが、、と言うと。

ドクターが、いやいや、テンちゃんは今年いっぱいは去勢手術の心配はないですよ~、ひょっとしたら一生。との診断だったのだが。

腰から後ろ足にかけては肉がついておらず華奢なんだが、リビングを歩く後ろ姿でタマだけは存在感がある。

生育不良の猫でもFIPでも、生物として子孫を残そうという本能はあるわけで、なまじ病弱だから、生命力を全力で生殖能力に振り向けたのかもしれない。8か月だし。

健康な猫なら8か月で去勢手術は遅くないからなぁ。
おばちゃんは嫌な予感がする。

投薬は12週間目が節目でそれは8月の終わりになる。
投薬が終わったイコール寛解というわけではない。
FIPの抗体値が正常値に下がってタンパク分布や血液検査の分析が正常値になるなら、一応寛解と見ていいかもしれない。


ただ、FIPの抗体値は一生下がらないらしい。
つまり一度発症してしまうと感染したという抗体値が常に検査値に出てしまう。FIPの数値は寛解の目安にならんのだ。おばちゃんのガンと一緒で経過観察で見ていくしかないのだろう。

猫のコロナウイルスがどんなタイプのウイルスなのかそれも心配。
水ぼうそうは発症して治ったとしてもウイルスが人体のどこかに潜み、免疫が衰えた数十年後の老年に帯状疱疹として再発したりする。今は、帯状疱疹ならワクチンを接種すれば発症がおさえられるのだが、猫のFIPは治療薬でさえ認可されてないから。

困ったなぁ。
8月過ぎでもテンの体にメスの侵襲はちょっと恐ろしい。どんなリアクションがあるか、。
今は困る。

しかしながらオス猫の去勢は非常に重要なのだよ。
オス猫を飼ったことがある人ならわかると思うが、タマタマが発達してくるとオスの縄張り意識としてスプレー行動が起きてくる。オス猫のオシッコで家一軒ダメになることもある。メスと一緒なら求愛行動もある。詩音は去勢してしまったので、求愛行動は迷惑でしかない。うまくいっている二匹の関係がおかしくなるリスクもある。ああ、困った。

ドクターは1週間ごとに好転してきたテンの症状に感激している。ドクターが手掛けた最初のFIP治療の猫でもあるし、順調によくなってきて嬉しいのだ。

先日の診察で、何か質問とか気が付いたことはありますかと聞かれ、
実は、、と切り出すと
えぇ~っ、そっちかぁ?!

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テンJR.がFIP

ジュニアFIP モルヌピラビル 5週目

ジュニアFIP闘病記3

夢の要塞?ー引退後の別荘地暮らし

おばちゃんはシニアの動画などをちょくちょく見るようになった。
日本の税制と年金制度を調査していた時に同じような年齢の同世代がどのように生きているのか興味がでてYoutubeで見てみたから。

40年務めた会社を60歳すぎに定年退職し再雇用で数年働き、年金生活に突入した同世代の人たち。夢見ていたキャンピングカーを買い旅に出る方。
あるいは生活をサイズダウンしてつつましく夫婦で生きる方。ペットと一緒にささやかな楽しみをみつけ穏やかに生きる方。リタイア後の生活に失敗しないための注意と計画もリストされてる。

中でもほんわかした人柄の動画をみつけ、毎回拝見していたのだが引退生活の注意6か条だか8か条だかを挙げられていた。しかしおばちゃんとおじちゃんの生活にはそれらがことごとく当てはまらなかったので自分で笑ってしまった。とことん道を外れて生きてきたのだと思った。

よくあるらしいのは退職した夫が四六時中家にいて妻のストレスがマックスになることらしい。おばちゃんたちは17~18年ほとんど夫婦別室で息をしたことがない。自営業のときは本当にトイレだけが別だった。リタイアしようがしまいが夫婦一緒に息してテレビはついているが、おじちゃんは自分のタブレットを見ながら私はthinkpadで好きにしながらお互いを空気のように生きている。

また引退後は孤独感を感じることがストレスになるらしい。
会社と会社の同僚らと切り離されて孤独・喪失感を感じるらしい。そんな時は、ボランティア活動をしてみるのも手。だそうだ。
おじちゃんとおばちゃんはそもそもそんな孤独を感じないので困ったわ。

親も兄弟も手がとどかないアメリカ大陸で、会社から首を切られればそれでおしまい。アメリカだろうが日本だろうが「国」なんかそもそもあてにしてはいけない。
周りは全部人種言語さえ違う他人。金は自分で稼いで家を買い担保を作るしかない。後ろ盾は何もなく三方は崖っぷち。自分とおじちゃんだけが頼り。
自営業時代にどちらも病気にならず、それだけは本当にラッキーだった。

“引退した後に孤独を感じた時、誰も知らないところへ飛び込むのは勇気がいりますが興味のあるサークルやボランティアをのぞいてみてはどうだろう?”
孤独?勇気?何の話だろう?
ここは縁も地縁もない別荘地。日本で買った携帯の住所録はほとんど真っ白。
それでも行きかう人は日本人で日本語を話しているではないか。すごいと思う。み~んな日本人なんだぜ。やりたいことがあれば説明会や申し込みに行ってみる。コンビニで買い物と変わらない。

ところで、この前、お向かいのおばちゃんとお茶をしていて、コロナも終わったし旅行に行くならカッパドキアに行きたいといった。カッパドキアの乾いた草原にある岩の家はおばちゃんの魂の要塞だ。
帰国前に家を探すときに偶然開いてしまった旅行ページにはカッパドキアの岩の遺跡が映っていた。
草原に散在する巨石遺跡のような白っぽい岩。岩は人の手によってくりぬかれて中世人の住居だった。その家を見た瞬間、おばちゃんは「住みたい!」と思った。

頑丈な岩盤に“建つ?”不況不屈の家
火にも雨にも地震にもびくともせずドアを閉めれば外界を遮断できる要塞。子供のころからこんな要塞が欲しかった。

中東での駐在時代もあったお向かいのおばちゃんは、あなた変わったところに行きたいのねぇ?私は行ったことがあるけれど、とても興味深いところだったわ。

遺跡の案内人の言うには、他の部族の襲撃を想定して石の家にはあちこちに抜け穴があり、こちらの方面から襲われたときは、こんな落とし穴、こちらの方面なら通路に岩を落とすというような仕掛けが施されていたの。岩の家は常にだれかの襲撃に備えてできた家なのよ?

あは!
まさにそれがおばちゃんの夢見ていた理想の家。
外敵を打ち防ぐ仕掛けを付けた魂が安らげる要塞。住んでみたい。カッパドキアの岩の家のドアをくぐって、おばちゃんは一体何を感じるだろう? 昔の住人の憂いかそれとも安らぎか。

おばちゃんのこれまでの人生のポリシーは
生き残ること
家族が幸せに生きられるために戦うことーーだった。

伊豆の山に買ってしまった家は藁の家だった!笑
巨大地震が来たら一発さよなら。ただ、昔からおじちゃんの夢だった“自然に囲まれて自分で育てた野菜で料理を作って食べる“が実現できて幸せ。
日本では自然災害の他に襲ってくる敵は税金の徴収くらいだから、藁の家を石の要塞に作り替える必要はないかもしれない。

老後というのは自分の人生の集大成だわ。
意思を持ち始めてから自分が決断してきた何億回もの決断の集積が今の老後なのだろうと思う。夢を実現したければ夢のために戦うしかない。

おばちゃんには「うらやましい」という感情があまりないらしい。
ひと様の動画をみて人様の人生がうらやましいとか、人に憧れるという感情がわかない。どこかですり減ってしまったのか捨ててしまったのかわからないが。

動画のコメント欄に「あなたがうらやましい」などと書いてあると正直わからん!と思う。

テン・ジュニア FIP闘病記3

5月の末にモルヌビラデルの投薬を開始してから7週間。

現在の症状は、しつこい熱が下がった。
39度後半から40度を超えていた熱が39度1分。猫の平熱は38度ほどというから正常に近づきつつある。

腰のへたりを起こしていた神経症状はほとんど見られない。しかし高いジャンプは踏切りで躊躇するみたいだ。テンは生後8か月になろうとしているが正常なアメショーより後ろ足と腰はかなり華奢で細い。頭はでかいが、下半身が華奢なアメショーに育だちそうだ。

トイレの砂はオカラの砂に変えてしまったのでかじることはなくなった。
砂を食べることはなくなったが、時たま無機質の金属などを一心不乱に舐めていることがある。
ファンストーブの表面とか、キッチンのコンセントとかフローリングの床だとか。家のふき掃除はアルカリ水を使い最後は水で拭いてからから拭きをするようにしている。

前週の血液検査の結果を受け取ったのだが、蛋白分布はかなり正常に近づいていた。5月初めの検査に見られたFIP特有のM字グラフはなだらかな波のように見える。

熱が下がったのでテンは8か月の子猫に戻った。
紫音と追っかけっこをしソファーに飛び上がり猫じゃらしで遊ぶ。おじちゃんがキッチンにいるときに椅子からおじちゃんの背中に飛び乗り、それからキッチンのカウンターに飛び降りた。

3か月ぶりだった。
キッチンカウンターは子猫のテンにはジャンプが届かず、ず~と紫音だけの天下だった。唯一カウンターに飛び乗れるチャンスはキッチンでおじちゃんがかがんでいる時を狙うしかなかった。じつに3か月ぶりにテンはキッチンカウンターに飛び乗った。明け方の運動会も再開した。

夜半に起きると、テンはおじちゃんのベッドにいない。
トイレに向かうとリビングの足元で黒い影がするすると走る。キャットタワーを降りて猫タンスに向かい猫トイレの陰に身を沈めておばちゃんの動向をうかがう。楽しそうだ。
体重は2700gで停滞しているのだがこの夜遊びの運動量が多いのかもしれない。

モルヌビラデルは無味無臭(ドクターが言った)で何かに混ぜて飲ませて大丈夫ということだったので、皿にチュール小さじほど絞って薬を混ぜた。テンは朝晩今生の幸せ!と喜んでなめていたのだが、3,4日前から薬の粒が多そうな皿の中心に来ると、なめるのを止めてしまうようになった。チュールを皿に追加してもチュールだけ舐めるので、おじちゃんにテンを抱いてもらい皿に残った薬+チュールを指でこそげてテンの口を開け強制摂取になった。

薬が苦い?のかまずいのか気が付いてしまったのか?
子ネコ用チキンチュールなのだが、フレーバーを変えてみた。総合栄養チキンというのがあったがこのチュール自体が嫌いみたいで、皿によりつくこともしなかったから、またおじちゃんに抱きかかえられて強制摂取になった。

大人用マグロもあまり食いつきがよくない。大人用チキンだとチュールを追加しながらごまかしてなめさせることができた。チュールでごまかせなくなったらどうするか、まだあと5週間もあるのだ。ヤマザキのチーズ蒸しパンを買ってきた。

菓子パンやスポンンジの柔らかい生地で粉薬をまとめて丸にする。それを抱きかかえてもらった猫の口にポイして素早く注射器の水を飲ませる。猫の食道はデリケートなので飲み込みやすいように水分を補給してやるのだ。紫音に虫下しを飲ませるときに使った手だが、モルヌデラビルは何せ1mgいくら?という高い高い薬だから、取りこぼしなく飲んでもらわないと困る。いや足らなければFIPが治らない。

一服分の薬包に入った粉薬は、ワックスでコーティングされた薬包の四隅にまんべんなくへばりついているので、中指で薬包をピンとはじき、袋のボトムに粉を落としてから天辺をハサミで切る。慎重に皿にあけるのだが、薬包の内側には落ちなかったナノミリグラムの薬が落ち切らずに残っているのではないか?毎度気が気ではない。

テンの体重1gにつき15㎎なのだから1㎎でも減らしたらテンの命は終わるかもしれない。
くっそ~、丸薬ならよかったのに。毎回、数ナノミリgを袋に残している気がして精神状態がよくない。
あと5週間。

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ジュニアFIP モルヌピラビル 5週目

夫婦別申告すると国保税はどうなる

おばちゃんのマイクロ法人計画は進んでいない。

なんでかって言うと、マイクロ法人を設立して国民健康保険料は確かに減るが、その分税理士料金が増えてトントンになりそうだから。

法人の申告は面倒くさいとどのページでも書かれている。
そこをわけのわからん日本語を解読しながらおばちゃんが自分でやろうというだけの気力がわいてこない。

テン・ジュニアはFiPで闘病中だし、紫音は頻繁におなかを壊し検便をしても寄生虫は発見されない。寄生虫のせいでないなら詩音はなぜ頻繁に下痢をするのか。払っても払っても払っても、嫌な予感がわいてくる。怖すぎて鬱々としている。

どうだかなぁ。マイクロ法人なぁ。
マイクロ法人で節約できるのは国民健康保険税だけだ
そもそも雑収入の年金はその他の収支と損益通算できない。つまりどんな事業をしても赤字にしても年金収入は雑収入として申告せねばならない。節税するなら、住民税と国民保険税と介護保険税を個別に攻略する必要がある。

住民税はふるさと納税を使う。ちびっとだがふるさと納税のお礼を生活に充填する。本来の生活費が若干減る。つまり節税。

国保―これをマイクロ法人にするなら社会保険に強制加入だから料金が下がる。会社負担分があるが、。

介護保険―これはどうやってもどうにもならない。所得を減らさない限りいかなる節税技も無理。
ただし、介護保険は不思議なことに所帯収入から算出されるのではなく個人収入から算出される。なんでや?

そこでおばちゃんは、去年税務署と話した会話がピコんと蘇った。
おばちゃんたちの年金はおもに海外年金である。
米国年金は源泉徴収がされていないので確定申告をする必要があるのだ。そのとき、税務署は夫婦別に申告してもらいますと言った。
おばちゃんは聞き流した。

なんでかというと、年金は今年2月からの支給で実は支給が1か月分抜けている。バイトは55万まで控除だから夫婦合算で申告してもおばちゃんはぎり非課税か少しでるかという金額であったから、個別で申告しようが夫婦合算で申告しよう所得税の納税額はたいして変わらぬと思われたから。

その時の会話を思い出して、、神が降り立った!
所得税は確かに変わらんが、夫婦別申告なら国民健康保険税は変わるのではないか?
おばちゃんが非課税なら、国保料も最低のはず。国保料の軽減も使えるはず。

さらに、、、素晴らしい!!のは高額医療限度額の限度額が世帯ではなく個人に応用されるならおばちゃんの窓口支払いは1割、限度額これまたひと月3万9千円の最低ランクになるはず!
私って天才!

さっそく夫婦別に税のシュミレーションをしてみると、国保は世帯割が増えて4万ほど増額になるが、所得割が下がる。究極の狙いは高額医療限度額制度。おばちゃんのガンが再発したら窓口1割、限度額も最低でないと。
ちょうど市役所に行く用事があったので、おばちゃんはわくわくしながら国保課に向かった。

おばちゃんは何せ背が高くて態度がでかくて田舎では目立ちやすいので、近頃はなるべく気配を消す訓練をしている。
目立ちたくないときは、猫背になり肩をすぼめて視線を落としぼそぼそしゃべるように努力している。

コロナの初期に国はコロナで収入が減った世帯のための住民税・国保・介護保険など減免の救済制度を打ち出した。おばちゃんはさっそく申請書をダウンロードして記入し役場に持参して手続きを要求したのだが、この田舎の役所で第一号だったみたい。

国が打ち出した救済制度というのに、しかも地方の窓口にもパンフレットがちゃ~んと置いてあるというのに、実際のケース処理が初めてらしく、どうやっていいかわからんと言うのだ。申請書さえ受け取らないというので、窓口カウンターでやりあったから人口の少ないこの町でこれ以上目立ちたくない。

それで今回は用心して目立たぬように国保の相談窓口に座った。
国保税の個別算出について窓口の平職員ではわからないので、納税課の課長を引っ張り出すことになった。課長が言うには、夫婦別の確定申告なら夫婦別の収入について確かに国保税の算出を行う、と。
やった!

おば:で、高額医療限度額も個別なんでしょう?
課長は記憶を確かめるように
課長:ええっと、たしか限度額は所帯収入で同じになると思います。
おば:はぁ?介護保険でも夫婦別々に収入に基づいて計算するんですよね?
課長:そうです。
おば:それで介護保険にも限度額制度があって、夫婦別ですよね?
課長:同世帯の課税者がいれば調整されます。
おば:で、国保の場合も別々に算出するんだから別々の限度額なんですよね?
課長:世帯に収入が多い人がいるとそちらに引っ張られます。
    ご主人の収入が高ければ、あなたの限度額はご主人に合わせて上がります。
おば:はぁ?(なんでや!)ぐぬぬ。
課長:そういう制度なんです。

ふん、2枚舌が
所得税は別々に取ったろ。国保は別々にしたら税収減るから世帯基準でとったろってか。

一緒に聞いていたおじちゃんは、ぼそっと、
だから、国は取れるところから取るんだよ。どうせ払うものだからしょうがないだろう。

そうか、じゃあ来年の税はおじちゃんの積み立て口座から現金をおろして、一括支払うことにするか、。一般徴収だからすべての税納付書が役所から届くのだ。
それは困る。

マイクロ法人作ったろ。
でもなぁ、税理士に料金を払うと結局同じだし、ただ、医療費の窓口料金と限度額は社会保険のほうが安くなるなぁ。
でも法人申告の税理・日本語がかけわからんしなぁ。

そのうち国はマイクロ法人の資格として最低売り上げを導入しそうな気もする。去年サラリーマンの副業で最低300万売り上げを導入して損益通算をつぶしたし。
国民の懐を狙ってくる国ってつくづく情けなくないか?

まあ、私が死んだらおじちゃんは国保料が安くなるからその時はマイクロ法人の必要もないし、
ああ、めんどくせぇなぁ

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やぶ蚊ホイホイ

気温が25度を超えると蚊が活発になる。
おばちゃんは血液型O型で何やら最新の研究によると蚊の喜ぶ匂いを放出しているタイプらしい。きっとそうだ。
足を洗ってもアルコールで消毒したとしても、山のやぶ蚊とブヨはおばちゃんを狙ってくる。やぶ蚊ホイホイ。

庭仕事に出陣するときは、まず膝までの長い靴下に履き替える。なぜなら短い靴下だと野良仕事用パンツの裾と靴下の境目の素肌を刺されるから。
野良用コットンのシャツを着る。
ワークマンの“着ると涼しいシャツ”は薄すぎてそのままブスブス刺されるから。
シャツから出ている首に蚊を寄せ付けないスプレーを擦り付ける。

野良用ジーンズをはく。薄い生地はかがんでピンと張ったときにお尻を刺されるから。

ネット付きの帽子をかぶる。ブヨはおばちゃんの瞼が大好きだから。
使い捨てのビニール手袋をしてその上から庭作業手袋をはめる。なぜなら庭仕事用手袋は手の候がメッシュでその上から刺されるから。
台所用のビニール手袋は刺されないのだが、真夏は暑くて手袋の中に汗がたまる。すぐ汗臭くなってしまうので、使い捨て+庭手袋が使いやすい。

真紅のコメリの長靴をはく。
なぜなら短い靴だと靴と靴下の間を靴下の上から刺されるから。
最後にアース製薬の最強蚊取り線香に火をつけ腰にぶら下げる。金鳥の普通の線香の場合、風向きによって頭側から襲ってくる蚊やブヨを追い払えない。

草取りに夢中でかがんでいると、おじちゃんが首!と言う。
帽子についているネットが前傾姿勢でかがんでいると垂れ下がってうなじが丸見えになっていたのだ。

ああ、あやうく那須与一になるところだった。那須与一?
違った。
耳なし芳一だった!
お経を書き忘れた耳を悪霊にちぎり取られた耳なし芳一。

これだけ用心してもおばちゃんの体には、いま3か所アンパンマンのかゆみパッチが貼ってある。お買い物だから薄めのパンツをはいてコメリに行ったら、売り場で太ももを刺された、パンツの上から。

昨日、卓球サークルの復活バーベキューに出かけて、誰一人刺されていないのに、靴下の上から足の甲を刺された。バレーシューズのせいだわ。腰の2か所は寝ている間に刺されたみたい。
おばちゃんはアンパンマンのかゆみパッチなしでは生きていけない。

おじちゃんはこの特異体質を笑うが、今年はスズメバチの発生も多いそうで、蜂アレルギーがあるおばちゃんがさされると、生死にかかわるかもしれないので楽天で新兵器をオーダーした。

昨日その「オニヤンマ」が届いた。
早速、野良用帽子に取り付ける。一匹1200円以上なのでとりあえず一匹だけ買って効果を試してみたい。もし効くなら背中用にもう一匹買おうと思う。イヤリング代わりに両耳にぶら下げてもいいかもしれない。

ジュニアFIP 闘病記 5週目

ひと月ぶり記事の更新です。

テン・ジュニアがFIPと診断され治療を開始してから5週間。
7か月の成長期なので、病気でも体重は徐々に増え2600gから2700gを超えた。体長は紫音と同じくらいになりつつある。

朝晩に投薬をし体重を計る。
動物用の体温計は先端がフレキシブルで曲がるのだが、嫌がるテンが暴れて肛門が切れてしまうことがあったので手のひらで頭の熱さを測る。
いつもじんわりと熱い。


1週間に一回の診察では体温が39.5分を切ったことがない。腰が砕けるという神経系の症状はウイルス治療薬(モルヌピラビル)3週間ほどでほとんど見られなくなったのだが、熱は下がらない。

涼しい朝型と夜は若干活発で、日中は寝ていることが多い。
食欲はあるのが幸い。先日は3回目の血液検査でたんぱく質の分布カーブは好転していた。ドクターの7週間の治療というのは、“最短ならと“いう意味で、完治を目指すにはやはり12週の投薬は必須だという。
まだ、やっと3分の1.

同じFIPの治療をした猫友に聞けば、彼女の猫はFIP中期で診断がついてから治療を開始したので、Mutian(中国製の特効薬)での投薬は4か月どころか半年以上続きCTスキャンは10日ごとにやったという。

余談:
FIP治療中のCTスキャンは本当に10日ごとに必要なのかと考えてしまう。彼女の猫はドライタイプのFIP中期で腎臓の腫れがあったが、10日でCTスキャンの所見はそれほど変わるとは思えないのだが、。

治療薬

さて、治療薬は猫の体重1gにつき計算されるので、症状が回復に向かい体重が増えてきた後半には、1回の服薬量も増え、一錠8000円、朝晩2錠で16,000円。10日分の治療薬が16万。
だったという。そのほかの診察料・検査代で軽く外車一台分かかったと泣いていた。

テンが服用しているのは国産のモルヌピラビル剤。これは中国製のムティアン(Mutian)の薬代の約半額。成猫のアメリカン・ショートヘアは4キロから5キロなので、テンの治療最終段階には、一錠4000円くらいになるのだろう。
おじちゃんと私はバイトのシフトを増やし治療代の足しにしてる。

発育不良で真菌がついていたテンはおばちゃんたちが引き取らなかったら、たぶんブリーダーで真菌症のために死んでいたと思う。チューブ入りの塗り薬を塗るだけで、薬はなめちゃうんですよね~といい、真菌治療薬も飲ませていなかった。体力があれば生き残るだろうと思っていたのではないか。獣医の診察を受けていたようにも思えなかったし。

そのブリーダーは知り合いから飼いきれなくなったFIPのシャムを引き取って看取りをしたと言っていたから、無論テンがブリーダーのもとでFIPを発症しても治療はしてもらえず看取ってもらうだけだったろう。

おじちゃんとおばちゃんは、テンに向かって言う。
発育不良でも高かったお前を引き取って、真菌症のケアをして治療費を払い、FIPの薬代のためにあんまり入れたくもないシフトを全部入れて稼いでいるのだから、頑張って元気になれ。元気になって心配しているお姉ちゃんの紫音と遊べるようになれ。

おじちゃんがいない時、おばちゃんはこっそりテンに言う。
もしもおばちゃんがいなくなったら、おじちゃんと紫音をかまってやれるのはお前だから。紫音は一人でいられないさみしがり屋のシャムだから猫兄弟がいるんだよ。おじちゃんは2匹の猫を面倒を見なければいけないなら気がまぎれるだろう。元気になれ。

おばちゃんは老眼でかすむ目で、高っかい粉薬を1ナノグラムでもこぼすまいと慎重にチュールの上に振りまいてテンがすべてなめきるように見守っている。
あと7週間。

余談:
FIPの診断がつく前に、テンは異食をするようになった。
壁やフローリングをぺろぺろ舐める。それはいいが、トイレの砂を食べる。

止めても止めても食べる。科学的に固まる砂であるから健康にいいはずがない。ドクターに相談したのだが、原因はたぶん口が気持ち悪いのではないか、ということだった。
FIPは消化器系にも炎症があるので気分の悪さを別の味で紛らわせたかったのかもしれない。ゼオライト系の砂は病気のテンには食べさせたくないので、紙でできたトイレ砂に変えることにした。

ところが、紙砂でも齧る。
再度相談すると、ドクターの猫はオカラからできた砂を使っているという。少し値段が高いがテンの健康のためオカラ砂にしてみた。さらに口の気持ち悪さを軽減するために猫草をトイレの前に置いてみた。
テンは猫草をちょいとなめそれからトイレに行くようになってオカラ砂は今のところ齧ってない。

胆嚢ガン ステージ2 術後1年2か月

昨日は血液検査とCTスキャンの検査日だった。胆嚢ガン拡大手術後1年と2か月になる。
おじちゃんには家で病気のテンを見ていてほしいと言ったのだが、おじちゃんは返事をせず一緒に病院に来た。

血液検査は40人待ちで、CTスキャンは予約時間を1時間オーバーしても呼び出しはなかった。一番長いのが主治医の診察までの待ち時間。血液検査の結果が出てさらにCTの解像を終えてから患者が呼び出されるのだ。おじちゃんが、ここんとこ俺たちはず~と病院で待ってるな。2週間のあいだ動物病院でも待って人間の病院でも待って。

経過観察の3か月ごとに、おばちゃんの近未来計画はリセットされる。
1か月か2か月先の近々未来はおおむね計画立案が可能。3か月目の血液検査でどうひっくり返るかわからない。

4種類のガン・マーカーは陰性だった。
CT画像でも肝臓やリンパの異常は見られなかった。

おばちゃんは主治医にこの病院で遺伝子パネル検査を受けられないか聞いた。切除した胆嚢ガン組織を持っているのはこの病院だけだし、公立だからパネル検査可能の病院かもしれない。

あれ~、うちの病院できたっけか?
タヌキ主治医は驚いた。


遺伝子パネル検査をやってくれという患者は私が初めてなのか?これは驚き。地域では肝胆膵の専門なんだが?

静岡県の人口は357万人 日本の人口1億2450万人 比率では0.286
胆道ガンの患者総数は発症22,159 (死亡17,773 実に8割が死ぬ)人口10万人当たりの罹患率は17.6人とする
すると静岡県の胆道ガン患者は628人となる。
さらに静岡市と浜松で県人口の4割を占める。これは東部の病院には来ない。

するとあとは大体半分の患者300人で、近くに有名ながんセンターがあるからそちらに6割流れるとすると、かかりつけのこの病院には年間180人くらい?

手術できない患者は腫瘍内科に回るから、実質 肝胆膵外科に回ってくる胆道ガン患者は100人くらいでここは専門が3人いるから、タヌキ主治医が診るのは年間12人から20人くらいか?
それでも遺伝子パネル検査を要求する患者が一人もいなかったのか?ネットの時代なのに?

遺伝子パネル検査をやれば胆嚢ガンの遺伝子異常の有無がわかる。
去年認可になった胆嚢ガン分子標的治療薬はFGFR融合遺伝子に変異がある患者に治療が見込めるという。ただこの遺伝子変異の可能性は胆道ガン患者の13~17%くらいらしい。遺伝子変異がある患者に対して分子標的治療薬が効くのだ。

分子標的薬が使えるかどうか知りたいというより、おばちゃんの狙いは好奇心と費用である。今年から来年4月まではおばちゃんの国民健康保険料と高額医療限度額は制度上の最低額である。遺伝子パネル検査が保険適応になった以上、次の定期検査の9月にパネル検査をすれば月の費用はすべて3万9千円ほどで済んでしまう。安い!

おばちゃんはどうしてこう言う風に頭が回ってしまうのだろうか?
再発した場合、医者は立場上抗がん剤を進めるだろう。おじちゃんはきっと縋り付くだろう。おじちゃんのために効きもしない抗がん剤を次々3種類試すのは御免である。

去年認可された分子標的治療薬の話も出るかもしれない。しかし分子標的治療薬は遺伝子変異があると効く。その遺伝子変異があるかどうかは遺伝子パネル検査で判明する。だから検査だけを安い時にやっておけば効率がいい。効きもしない選択肢を最初からつぶしておく狙いもある。

もう一つは好奇心。
おばちゃんは両親と姉妹の6人家族だった。
父と母と長女は胆石を手術した。家族6人のうち胆石にかからなかったのは(もしかしてかかっているかもしれないが、聞かされていない)次女と3女だけ。6人のうち4人が胆石持ちというのは遺伝子的に興味深くないか?

もし遺伝子変異があったとして、再発したときには分子標的薬だけの費用ですむ。確か加入している医療保険には先進治療の治療費カバーがあった気がするなぁ?また、給付金でプラスになるかもしれない。

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