日米年金 比較 インフレで年金はどのくらいスライドする?

日米の年金比較2である。
老後資金・年金はインフレに弱い。余生が20年あるとして物価の上昇に日米の年金はどのくらいスライドするのか?
この記事のポイントはインフレ・スライドに焦点をあてて日米の年金を比較してみる。
参考とするのは日本年金局とSSAからの統計

まず日本の年金はどうか。
厚生年金・国民年金の年金スライド率・改定率 推移統計を発見!
見やすく表にしてみた。

http://www.office-onoduka.com/nenkinblog/2008/04/post_138.html

2000年ごろから日本経済の沈下が顕著になったのだろうか。
令和になってから支給額上がったと思えばマクロ引き下げもある。

コロナとウクライナ危機、円安のせいで電気・ガス・ガソリン・灯油などのパワー、食品、物価すべてが上昇してる。今年来年にかけて果たして年金は実働どれだけ上がるのか。賃金も上昇しているとはいえ、上がっているのは大企業が主であって、下じもの民の時給が上がっているという実感はあまりない。
物価の上昇に時給はとても追いつかないが年金の調整はもっと緩い。

来年度の改定はどうなのだろう?
2024年度インフレスライドアップをすれば年金受給者すべての受給者が対象になるので、わずかな%でも政府は莫大な資金が追加必要になる。現役世代の社会保障費負担はすでに、いっぱいいっぱい。

日本の年金は来年インフレ加算があったとしても、まわりまわって物価・税金・社会保障費などで年金生活者の手元から搾りとられるのではないかと思う。

米国年金はどうか?
アメリカの年金Social Security にはSocial Security Cost-Of-Living Adjustments 略してCOLAインフレ・スライド制度がある。毎年10月に消費者物価指数Consumer Price Index/ CPIが発表されCPIが3%を超えるとCOLAが発動する。
https://www.ssa.gov/oact/cola/colaseries.html
COLA変動の推移を表にしてみた。

過去5年で米国年金は20.3%上がった。
今年2023年10月13日に来年の調整%が発表予定だが、前分析では3.2%あたりになるのではないかと予想されている。

アメリカ政府は死ぬまで年金を上げ続けてくれる。年金生活者に気前がいい。アメリカのほうが恵まれているかも、おっと?早まってはいけない。どうしてスライドアップが毎年のようにできるのか?

アメリカは若い国で老齢人口率も日本よりは低い。常に若年層の流入がある国。経済の新陳代謝が早い。―――そしてアメリカ人の平均寿命は短い!!!

アメリカ人の一般人の平均寿命は日本人よりず~~と短い。
男性の平均寿命73.5歳 女性79.1歳。80歳にも届かないのだ。

さらにアメリカの年金の受給開始年齢は67歳だが、毎年受給開始年齢が遅くなる。10年も年金を支給しないうちに国民が死んでくれる。年金のインフレ・スライドを十分享受しないうちに死ぬアメリカ人が多いということかもしれない。

やった!来年もCOLAで年金額が増える!と喜ぶアメリカ人年金受給者の寿命は日本人より短かった!あらま?

ただ~、この統計の平均寿命というやつはあくまでも統計。
アメリカ人の平均寿命が短いのは、実は若年層が若いうちに亡くなる率が高く統計上は平均寿命が短くなる、と言われていたりする。

実際のところアメリカ人でも富裕層は長生きだ。
運動をし健康的な食生活を心掛けカバーの厚い健康保険を持っている。
貧乏人ほどジャンクを食べ太って病気にかかりやすい。ろくな健康保険も入っていないので早く死ぬ。アメリカ人の寿命と資産の額は正比例すると思う。

年金をあてにしなくてもいい健康なジジババ富裕層がCOLAの恩恵を受けてますます年金を増やし、生活費ではなくて、お小遣いや投資用に回してたりしてね。

若いころからせっせと働いてきた庶民層は、きっとどの国でも節約や就労を強いられているのが実情かもしれない。抜け目なく強いドルを生かそうと思えば、通貨が安くて治安がよい国へ移住するが吉か。

関連記事

日米年金 比較 年金だけで暮らせるか?

米国年金 番外編

アメリカの年金 日本で暮らす

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
ブックマークする パーマリンク.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • footer