海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。

”会社は家族” 説が崩壊した日

「ねぇ、奥さん、あなたのために世界は回っているのではないんですよ」
電話の弁護士はホントにこう言った。渡米して2か月後のことだった。

渡米して最初の給料日が来ると、日本でサインしたはずの契約書とは全然足りない給料が渡された。え?
ダンナも日本から一緒に来た同僚たちも頭をかしげたのだ。アメリカのペイチェックは2週間に一度だった。もらった給料は、契約書で約束された月額の2分の1にも全然届かない。どういうことなんだろう?
福利厚生はどうなっているのだろう?日本での契約条件では現地の健康保険も加入するはずだったのに。

会社はアパートと最低限の家具を用意しておいてくれた。おばちゃんとおじちゃんは夫婦だったから、ワンベッドルームを。他の独身従業員は4人で3ベッドルームをシェアし寮として使用する。
4人が3ベッドでは、最初から数が合わない。誰かひとりジャンケンで負けて、大き目のウオークイン・クローゼットで寝ることになり、押し入れで人を寝かせるのか!、、と独身者みんな不満を募らせていた。

先発していた支社長と夫人は2ベッドルームで家具もベッドもランクが上だと、陰では非難と愚痴をささやきあっていた。そして、この給料である。会社に対して不信と不満が爆発した。

独身者の一人が明日全員で支社長に聞こうじゃないか。そうだそうしよう。意見はすぐまとまった。翌日、日本での契約交渉の本人だった支社長を囲んで皆が口々に不満を訴えると、支社長はしれっととんでもないことを言った。契約書の給与は税込みの総支給額である。なんでかというとアメリカの所得税を知らんかったんで。

はぁ!
この業界は給与の開示は、手取りが表示が慣習だった。アメリカの所得税が分からん?調べりゃすぐわかるだろう?なんだぁ?この会社は!支社長の上の日本の専務を呼べ。

新規の支社立ち上げのため、同行していた専務は2週間でとっくに帰国していた。面の皮が厚くにぶい支社長は、皆の不満がいまいち理解できないようで、さらに、爆弾を落とすのである。
「大丈夫 生活できるって、この国は日本より物価が安いから。」

わなわなと震えるとか、血が上って視野が暗くなるとかは本当に起こる。物価が安いからって?そういう問題じゃないだろう。

契約書!契約書には給与の条件が書いてなかっただろうか?会社の契約違反を訴えることはできるのだろうか?ここは日本ではないし、来たばっかりで右も左も分からない状態だった。

若きおばちゃんは、日系スーパーで現地のフリーペーパーを手に入れ、広告を探した。A法律事務所、xxxトラブル無料相談、C社電話相談!
これだ!とおばちゃんは電話をかけ生まれた初めて弁護士と名の付く人
と話したのであった。

電話の弁護士は、まず私の素性を聞き出した。氏名、会社の名、住所電話番号。正直に答えて、おばちゃんは説明にかかった。

会社の契約違反ではないだろうか?
こんな非道を許されていいのか?

そうしたら弁護士は事務的な声で、あなたは何ビザを持ってます?そのビザを取ったのは会社ですか?おばちゃんは、会社がビザを取ってアメリカに来たと述べた。

そうしたら、弁護士は面倒くさそうに、会社がビザを持っているんで、会社がビザを取り消せばあなたたちはこの国で働けないんですよ。日本へ帰るしかないんです。

そんな馬鹿な!
そしたら弁護士は冒頭の言葉を吐いたんである。

「ねぇ、奥さん、あなたのために世界は回っているのではないんですよ」弁護士はさらに追い打ちをかけ、この電話相談は50ドルですから、事務所に小切手を送ってください。

ぇ?無料電話相談じゃなかったの? どこに無料って書いてあります?おばちゃん、名前も住所も申告してたから、泣く泣く小切手を切るしかなかった。

会社は従業員を守ってくれる存在ではなかった。会社は家族でもない。養っていかねばならぬ義務も法律もないのであった。おばちゃん、おじちゃんのマナコからウロコがバラバラと落ちた瞬間だった。

アメリカのお役所と戦う

日本は物事がするする運んでスペースシャトルを打ち上げるアメリカが、なんでトラブルばっかりだったんだろう。役所のミスも多かった。

友達はDMV(免許車両登録局?)で免許試験をパスし、1月経っても免許が届かないのでアメリカ人の夫とDMVに問い合わせに行った。
窓口のおばちゃんは「アンタは試験に落ちてる」と言うのである。彼女はテストに受かった時にくれる引換証を見せても、とにかくDMVのコンピューター・システムには彼女がパスしたというレコードがない。
でもここにパスした引換証があるじゃない!と言ってもとにかくシステムがそうなんだからどうしようもない。

そんなのおかしいわ。彼女は窓口で激高して、だが旦那はあきらめた。6フィートのスカンジナビア系の旦那に襟をつかまれてズルズル窓口から引き離されて、その間中、彼女は:I hate America. I hate Americaと叫び続けたという。

結局彼女は、DMVがテストに落ちたと主張する日には日本にいたという証拠のパスポートを提出して無事免許証を手にした。

私が何回目かの免許更新の時、写真撮影のラインに並んでいたら隣のカウンターに80歳くらいのよろよろしたじい様が、紙切れを持ってカウンターの女の子に差しだした。アジア系の女の子は受け取って、ポンポンハンコを押しテストに合格したから、これは本免許が届くまでの臨時のレシートよ、と2枚つづりの一枚をじい様に差しだそうとしたときには、じい様すでに踵をかえして出口に向かおうとしていた。

女の子はヘイ!グランパ、と呼びかけたのだがじい様は止まらなかった。耳が遠かったのだ。女の子はハンコを押した紙をなんと、Whatever!ひらッとその辺にほかしたのだ!

移民局には書類を無くされた。プロセスの最後の健康診断をパスして、書き留めで移民局に送り無事配達のレシートも届いている。それなのに移民局からの通告書には健康診断書が提出されていない。
提出せねば移民申請を取り消すなどと高圧的な通知を送ってきた。移民局と争っても無駄だから健康診断書をもう一度送んなさいとアドバイスされた。

おじちゃんの場合はもっとひどかった。グリーンカードも受け取っていたのに、移民局はビザから永住権にレコードを書き換えるのを忘れた。おじちゃんは知らない間に、ビザ切れで違法状態になっていたのである。


それが分かったのは、おじちゃんの働いていた会社が日本に撤収し失業保険を申請したときだった。EDD(労働局?)は何度移民局に照会してもおじちゃんの永住権ナンバーはなくて、ビザは失効しているからケースはクローズすると。そんな馬鹿な。

事情を確認するためにはまず移民局に行かねばならない。移民局の予約を取るのは大変だった。予約を取るだけのためにオフィスの玄関にある予約システムで予約を取って、当日にまた来てやっと建物に入れる。おばちゃんは、永住権を申請していた3年間の移民局とやり取りした書類をすべて持参して窓口に辿り着いた。

窓口の女は、コンピューターを検索しておじちゃんのレコードは永住権が取れたときにビザから永住権に書き換えるのを忘れていたようだと言った。
そうか、おじちゃんはもう一度EDDに失業保険を申請するので、移民局がステイタスのアップデートを忘れたというステートメントを書いてくれと職員に言った。
やらない、と職員は言った。
では、移民局が間違えたのだという証拠を出してくれと言った。
ありません、と言った。

ねぇあんた、移民局が間違えたのは確かで、おじちゃんはEDDに失業保険を再申請するためには移民局のミステイクだと証明しなくちゃいけないのよ。分かる?

すると、窓口は移民局はいかなるステートメントも書かないし出しません。と言い切った。
じゃあ、どうすんだよ。あんたたちが間違えたんじゃん。職員はさすがに可哀そうだと思ったのか、ガバメントはいかなるステートメントも書かないけど、この窓口の私XXXという名前の職員が、レコ―ドのアップデートを忘れたようだと言っている。
と、アンタが自分でステートメントを書け。と言った。

おばちゃんはふざけるなと思ったのだが、じゃあ、おじちゃんのステータスはアクティブな永住権であると証明をしてくれと言った。そうしたら、レコードはすでにアップデートされている。証明も出す気がないのだった。

EDDの失業保険の再申請を認められるためには、最終的に裁判をするしかなかった。

EDDを訴える

EDD(労働局?)を訴える以外失業保険の再申請が出来ないと分かったので、おじちゃんは裁判をファイルした。大事な裁判だし、ここは通訳を頼んだ方がいいだろう。ガバメントのインナー裁判なので言語サポートとして料金は無料だった。

おじちゃんとおばちゃんはジャケットを着て、指定されたガバメントのビルの一室に辿り着いたのだが、そこは、、、、、。

チェックのシャツを着て袖をまくりあげてジーンズを穿き、ぶっといベルトをしたどこから見ても建設作業員みたいなおっさん達がうろうろしていた。誰もジャケットを着ていない。ここは本当に裁判室なのか?

時間になると別室に呼ばれて、そこには太った白人の裁判官?がいた。紺色の幼稚園児が着るようなフロックを着ている。普通のオフィスのようでデスクが一つ部屋の真ん中にあり、イスが向かい合わせに置いてあった。

通訳はどこだろう?後から来るのかな。裁判官はおじちゃんのファイルを取り出すと、氏名を確認した。おばちゃんは通訳を頼んだのですがと言うと、
そうだね、ではとデスクの上の電話の受話器を取り上げた。
えぇ?電話?!
ああ、君が予定の通訳かな?スタンバイしてくれ。では始めよう。
と電話の3ウエイボタンを押した。

裁判官は私たちに向き合ってこう言ったのである。
Well, appellant 何が起こったか説明してください」
それから電話のスピーカーがたどたどしい日本語で
お客さん、今日はジャッジが聞きたがってあります。しゃべるあります」

おばちゃん、椅子から転げ落ちそうなほどびっくりした。原告・訴人Appellant が“お客さん”!?法廷通訳が法廷用語を知らずにどうして、通訳ができるのだ?こんな通訳に任せたら勝てるものも負ける。
真っ青になった。

それでジャッジに、私はこの通訳がしゃべっている日本語が分からない。この人の日本語より私の英語の方がましだから、私が英語で話します。すると、ジャッジはあなたはすでに通訳を選んだのだから、認められない。と

しかし、ジャッジの質問ひとつ毎に通訳からはファニエスト外語学院みたいな日本語が電話から流れてきて、おばちゃんはおじちゃんと顔を見合わせ、ジャッジに英語で何を言っているのか分からない、ジャッジに直接英語で質問に答えた。

EDDは主人の永住権ナンバーがないと言っているのですが、主人は永住権を持っていてこれがグリーンカードです。移民局で確認したところグリーンカードに切り替える時ステイタスのアップデートを忘れたのです。

EDDの間違いではなく、移民局がミステイクをしたのです。
その頃にはジャッジは電話から聞こえる通訳の英語を無視して、何だと、グリーンカードがあるのに失業保険を拒否しただと!
話にならん。馬鹿げてる!木槌をバンと叩いておじちゃんのケースは決着した。

おばちゃん役所で暴れる

売買エスクローがオープンしてから、おばちゃんは会社の登録に忙しかったエスクローの必須事項をクリアしていくためにスケジュールをたて必要なライセンスの取得、物品の購入、テナント内の改装、業者の選定と契約などすべてをビジネスがオープンする日に向けて収斂させていかねばならない。

一番面倒くさいのは、ビジネスに必要なXYライセンスだったがこのXYだけは申請・登記して済むものではなく2~4か月かかるややこしい手続きがあった。

アメリカ人は大概フレンドリーで嫌な奴もたまにはいたが、役所の奴は違う。一番不快で下劣な奴がそろっているのが移民局で次が税務署。

市役所はややましだったライセンスの役所は電話をかけても待ち時間が長く、今どんな課程にあるの質問してももうちょっととか、いつ頃かと聞く前に電話が切れてしまうのだった。

ビジネスをオープンさせる日を決めるにはエスクローがクローズするのか知らねばならない。エスクローがいつクローズするかは、ライセンスがいつ登録完了するのかにかかっている。

そのライセンスがどうなっているのか、エージェントのタカコに聞いても”え~と?”と頼りない。
エスクロー会社に役所から何か通知があるか聞いても分からない、と。
おばちゃんは胃がキリキリとして役所に申請課程を確かめに行くしかないのであった。

お役所は古いガバメントのビルの5階にあり窓口にはすでに長い行列ができていた。窓口は4つあるのに、稼働しているのは2つだけで窓口から見える中のオフィスでは、職員のおばさんが何かぐだぐだとしゃべって笑っているのだった。

おばちゃんが申請書の受付ナンバーを言ってライセンスのステータスを聞くのだが、黒人のおばちゃん職員は早口で、今プロセスが何たらでこうたらするとどうなる、ネ~クスト、とおばちゃんの次を呼んだ。

おばちゃんはかッとして、そんなに早口で言われても分からない。
もう一度言って!と頼んだ。
黒人のおばちゃんは、明らかに揶揄する感じで何たらがどうなのよ、は~ん。早口で繰り返した。

おばちゃんこれが勘所のライセンスなのも、ここが役所なのも忘れた。
「あなたは毎日同じ仕事をしてて、自明のことだろうけど
 私はこれが初めてだから。わかりやすいように説明してよ」

窓口のおばちゃんも唇を突き出して、
ふん、だからさっきから言ってるじゃない。おばちゃんは窓口のカウンターを両手でバンバンたたき叫んだ。あんたの言うことは分かんないわよ。
黒人のおばちゃんも引けなくなって、
窓口で2人の女が怒鳴りあう事態になった。

おばちゃんは気が付かなかったが、いつの間にか管理職らしい上役が後ろにおり、ちょっとこっちへと白人おばさんのオフィスに導かれた。

窓口の黒人職員も同罪とみなされ一緒に連れてこられたもし、おばちゃん一人だけ連行されたのだったら、おばちゃんはもっとぐれて、ライセンスは取れずにビジネスはぱ~だったかもしれない。

この時の管理職の白人おばちゃんはわりと公平で冷静に何があったのか二人に尋ね、お互いの謝罪を促した。おばちゃんはライセンスが取れなかったらどうしようと氷点下まで冷えていたので、職員に謝罪した。こういう時、外国語は便利である。決まり言葉をつるつる言えばいいし。

その後もお役所仕事はのたくらと進んでいくのであった。

アメックスがアメリカを所有している

おばちゃんはマーチャントサービスのアメックスとは3か月でケンカして切った。

銀行経由でビザ、マスター、アメックスと契約していたけれどアメックスの売り上げはいつ入金されるのかさっぱり分からない。

同じグリーンのアメックスでもポイントが付くのか、タイプが違うのか、3日目か6日目か1週間後か、売上伝票をそろえていてもどれが入金されたか分からない。おまけに手数料が3.5%だった。

ビザ・マスターは高いものでも2.5%くらいで収まり次の日に銀行に入金があるのである。同じマーチャントサービスで同じ仕事もできないくせに手数料だけは高く取る。

それが3か月目におばちゃんに電話をしてきたのである。アメックスだがビジネス・オーナーはいるか?私だというと、おう、ちゃんとビジネスやってっか?天下のアメックスがお前のビジネスのサポートをしてやってるんだせいぜいがんばれよ。
えらそうなしゃべり方をする奴だった。さらに驚いたことにはなぁ、あんたは外国人だから知らないようだが、アメックスが世界のビジネスを支えてるんだ。それからな、大事なことを教えてやろう。アメックスはクレジットカードじゃない。

おば:えっ?カードじゃなかったら何なんだよ。

アメ:アメックスはな信用を売っているんだ。 American Express owns America.と言いやがったんである。
Don’t be so cookie.おばちゃんはむかむかして電話を切った。

アメックスと契約していて何かメリットはあるか?何もない。デメリットだけ。入金は遅い、手数料は高い、セールスは傲慢。クレジットカード決済の銀行に電話してアメックスの契約を切った。

アメックスの引き受け店はどんどん減っているのである。
Costcoがグリーンの年間タダ・アメックスと提携していたせいでアメリカ人のほとんどがアメックスをもっていたかもしれないが、引き受ける中小ビジネスのマーチャントはどんどん減っていたから、もし、アメックスカードだけを持って生活しようとしたら困ること間違いないのだ。

アメックスを持ってる客はビザとマスターも確実に持っているんである。アメックスが使えないと分かったら、ビザかマスターが出てくるだけで、おばちゃんは全く困らない。カードメンバーから年会費をとり、マーチャントから手数料を取りCostcoからは近年ついに提携を解消された。傲慢な商売の結果だと思う。

アメックスカードがステータスだと思っているあなた、マーチャントから見たら売り上げから3.5%持ってかれる客が嬉しい訳がない。
プライベート・ジェットか自分のヨットかロールスロイスを買うときにプラチナでもブラックでも出したらよろしい。
それ以外では喜ばれていない。

ポンコツ従業員

Don’t scream at me!
とマネージャーは言ったけど、これが叫ばずにいられるかって。客のオーダー表を無くしたのは一体誰なんじゃい。日本では考えられないことが起こるんである。

おばちゃんはビジネスのオープンに向けて発注した機器の納期を何か所かに順番コンファームしていたのである。
ベトナム系や中国系の場合、返事は軽いが仕事はいい加減なので直前でまた確認を取らないと納期に配達されるか確証がない。

アメリカ系の大手チェーン店はまだ仕事がしっかりしていたが、命令系統の中に仕事ができない奴が入っているとどうなるかわからない。カタログを見て機械を決め店舗に現在在庫はないけれどオーダー表にモデルナンバーと連絡先を書けば取り寄せると店員は言ったのである。

おばちゃんはバインダーに挟まれたスペシャル・オーダー表に記入した。ぺら一枚の紙だったがそれまでに20以上のオーダーがすでに書き込まれていたそれがひと月前。

なのに店舗に確認の電話をしたら、スペシャルオーダー?それなんのこと?知らない。聞いてない。分からない。だったので、おばちゃんは激怒して
”マネージャーを出せ”と叫んだのであった。マネージャーが出ると、オーダー表を誰が管理してたのさ。私のオーダーは1週間後に必要なんだから。

そしたらマネージャーが
”私が無くしたんじゃないのよ。怒鳴らないでよ。”
あなたがマネージャーなんだから責任を取ってよ!
分かったわよ、マネージャーの声が裏返っていた。

おばちゃんだって怒鳴りたくは無い。店員を問い詰めても金輪際解決しないし、マネージャーに変わった時点で不満(怒鳴る)を表明しておかないと、後回しにされる。
なんたって私の他に同じ事情の客が20人はいるのだから。修羅場の時には静かな客ほど対応は後回しだ時と場合によって怒鳴るというのは解決の一番の早道だったりして。

アメリカの会社と言うのは問題の塊だったりする。従業員の能力に差がありすぎるのである。一握りの有能な人材が、無能と普通を引っ張って会社が成り立ってる。信じられないかもしれないが郵便局で簡単な掛け算・暗算ができないのが窓口にいるから。
数学のテストでは電卓持ち込みOKで九九を覚えていないアメリカ人はごろごろいるから。

人材会社?のスキル判定のためにいろいろなテストがあるがこんなテストもある。
・アルファベット順にファイリングをします。
・次の5つの名前のファイルをABC順に並べてください。
な~んてね。アルファベットの順番が分からないという人がいるわけ信じられないかもしれないが。

アメリカ人の自己評価だけはすごく高い。スペイン語とフランス語の挨拶くらいしか知らないのに語学できますと平気で言っちゃう。仕事ができるだろうと思っていると、とんでもないポンコツが混じっているの。

で、マネージャーは次の日に電話をかけてきて機械は探したのでXXの店舗あったから。行ってピックアップして。どうやら彼女は有能の方だったようだ。当たり前だけど、ごめんなさいとか申し訳ないとか謝罪は一切ない。
やればできるじゃん。

おばちゃん危機一髪!

もし、ウエスト・コート・シリーズが映画化されるとしたら、おばちゃんは吉田羊でおじちゃんは伊原剛志がいいかな。NHKの「ふたりっ子」はKTVで放送されたので、芸能音痴のおばちゃんも見ていた。伊原剛志のファンよ。ウフフ、還暦過ぎおばちゃんの妄想。

さて、店舗を経営しているあいだ、修羅場というのはいくつもあった。その中でも最大級がガス事件

ビルが倒壊する!?

土曜日の午後、仕入れが終わってフリーウエイを下っているとおばちゃんの携帯が鳴った。管理会社のフレッドだった運転中だし10分ほどでモールに着くからおばちゃんは電話を取らなかった。ウエスト・コートに着くとまず隣のパン屋にコーヒーを買いに行った。

ジャネットはいなくて、クリスが神妙な顔をしておう、来たか。フレッドからもう話は聞いた?と言うので何が?というと大変だよ。ガス漏れ!お宅からガス漏れだって。

おばちゃんはぽか~んとしてガス漏れ?!実は、その朝の7時クリスがパン屋をオープンした時にはクリスには分からなかったけど、ペストリーを買いに来る客が、店に入るとガスくさいガスくさいと言うんだって。それでクリスがガス会社に電話をして、エマージェンシー班が派遣された。

クリスのユニットからももちろん臭ったが、検知器で調べると漏れ箇所はどうもパン屋ではないらしい。ウチのユニットから漏れているらしい、と。ガス会社はとりあえずウチのガスの元栓を閉めて、クリスは管理会社のフレッドに電話をしたというわけだった。

はぁ、事件はだいたい金曜か土曜に起こるのだ。ガス漏れなら今夜の営業は無理でたぶん日曜日も修理が来ないから週末はこれで終わった!と絶望した。

ウチのユニットに戻ってガス会社に電話をし緊急班はやってきた。ウチのガス管はユニットの裏から建物に引き込まれ天井裏を通って玄関先まで施設されている。ガス会社のおっさんは元栓を開けて、ピカピカする検知器を手に裏口から入ってきた。

そして天井を向いてこの辺が怪しいとスト―レージで言った。この辺?
そうだ、この検知器の数値だとかなりの量が漏れてる。
ガスの元栓はもう一度締めるのでプラマーを呼んで修理してね。

ちょっと待って!ガス管の修理もしてくれるんじゃないの?ガス管なのになんでプラマー(水道屋)なのよ!!!えぇ?
アメリカでは水道屋がガス管の修理をするんだよ。

Shit!こんな土曜日の午後にどこの水道屋が働くかよ。マークだって来ないかもしれない。

マークは管理会社のフレッドがウエスト・コートのテナント御用達しとして新しく選んだプラマーだった。珍しく誠実で料金もぼったくりではなかった。ただ、土曜日の2時に来てくれるかどうか。ところが奇跡のようにマークは捕まったしすぐ来てくれた。

ガス屋はこの辺だって言うの。おばちゃんはスト―レージの天井を指さして、マークは見てみよう。脚立に上って天井のパネルをずらした。フラッシュライトを取り出して、くらい天井裏を照らした。

マークがうわぁ~と叫んで脚立ががたついた。どうしたの?
俺は嫌だ、こんな怖ろしいこと。脚立を転げるように降りると、
俺は帰る!いつクラッシュするか、怖ろしい。こんなことできるか、、、。
と逃げかかるマークをおばちゃんは必死両手で押しとどめて。
まって、待ってどうしたの?落ち着いて!なんなの一体?

するとマークは、ガス管は切断されてるんだ。それも建物の「梁」が落ちてきて切断した。建物の横の一番長い梁が落ちて、建物の壁と縦の柱の間は繋がってなくて、すき間から外が見えると!

クラッシュする!となおも逃げようとするマークを押しとどめて、待って、マークそんな大変な事は報告しなきゃいけない。私がフレッドに説明するよりもあなたが説明して!私じゃムリ。ね、あなたが電話したほうがいいのよ。

マークは少し落ち着いて、分かった。俺が電話を掛ける。おばちゃんは店舗の電話を持ってきてマークに差しだした。マークは管理会社のフレッドに自分が見たものを説明した。電話の向こう側のフレッドも報告に凍ったよううだった。フレッドはすぐ来るって。サンディエゴからなら最短でも50分はかかる。2時半過ぎだった。

マークはフレッドが到着するまでどこかに避難し(当たり前だ)フレッドは4時に到着した。マークから報告を受けると自分でも脚立に上り、懐中電灯で落ちた梁と歪んで外が見える壁と構造を見て、よく日に焼けた白人が白っぽくなって裏路地に出た。アーキテクトを呼ばないと。


建築家は6時に来た。

おばちゃんたちとマークは、フレッドが建築家に避難命令を出さなくてもいいのか?と聞くのを息をひそめて聞いていた。

それはそうだ。土曜日の夕方で本屋も美容院もエクササイズも客がいて営業しているのだ。建物がクラッシュして死人怪我人がでたら、間違いなくモールのオーナーと管理会社は告訴される。何十となく。

地獄の窯のふたが開いてごうごう燃える火が見える。建築家は顔をこわばらせて大丈夫だと言った。本当か?本当に避難(Evacuate)させなくていいんだな? 建築家は、ただ、緊急に応急処置が必要だと言った。
大工がいる、それもすぐに。

建築家とフレッドがまた電話をかけ始め土曜日の夕方だというのに、大工のクルーが一そろい集まった。7時だった。

緊急招集

アメリカ人がたった4時間で緊急事態に集合するなんて想像もつかなかった。それも土曜日の夜7時に。

フレッドと建築家と同じく大工の監督?が梁が落ちてしまった築40年の木造2階建て商業ビルをどのように応急処置を施すのか、おばちゃんとおじちゃんは目立たないように隅で息をひそめていた。

だって、ウチの運命はどうなるのよ!ウチが突っ込んだ開業資金は潰れっちゃったら回収できないじゃない。

建築家はジャッキ・アップだとフレッドに言っていた。ジャッキ・アップ?!
この一階に12もテナントが入ったビルの柱をジャッキアップ?
男たちの集団は薄あかるい裏路地で動き始めた。おばちゃんもおじちゃんも昼過ぎに到着してから何もたべていない。でも空腹も喉の渇きも何も感じなかった。

一時間後に資材が集められ緊張した男たちは口を利かずに動いていた。8時過ぎにはフレッドは帰ったようだった。

おばちゃんたちは帰る決心も付かず、裏口を開けっ放しで作業しているのだから、ほっといて帰ることもできないし。崩壊しそうだったビルの戸締りをして意味があるのか考えると頭がおかしくなりそうだった。

11時にも12時にも作業は終わらなかった。1時過ぎにもう今夜出来ることは全部終わらせたと建築家が言って、疲れ切った男たちは口を利かずに引き上げた。緊張と疲れで無感覚になっておばちゃんたちもウチに帰った。

現場にいたというのに何をどのように処置したのか全く分からなかった。避難命令を出さず、建築家も大工も応急修理が終わったというなら、ウチの営業はできるのだろうか?

いま天井裏に起こっているDisasterは、天井板を閉めて目をつぶれば、一部の人間しか知らず天井板から下は日常が広がっているのだ。おばちゃんは日常の端に立っていいるのか、地獄の窯のフタの上にいるのか見当がつかなかった。

営業再開

怖いのでおばちゃんは日常の端に戻ることにした。マークは切断されたガス管の修理をしていない。明日は日曜日で誰も仕事をするはずがない。と言うことは明日は営業中止。火曜日にマークを呼んでガス管を直して、ガス会社に元栓を開けてもらって、フレッドと協議して果たしてビジネスを再開できるか?

月曜日に顔を出して隣のクリスに大雑把に事情を説明した。クリスはいつも夕方4時過ぎには自宅に帰り、夜は何回もパンだねのガス抜きと仕込みをするのに戻って来るから土曜日の夜の作業は知っていたと思う。

うちとパン屋は壁をシェアしているので、本格修理となればクリスにも当然管理会社から連絡があるはずだ。


フレッドは必要な情報も出し惜しみするタイプだ。おばちゃんなどの言葉に訛りがあるような移民を内心ではバカにしているので、まかり間違っても自分からテナントの心配を解消してやろうなんて親ごころは無かった。いつも命令を上から下すだけだった。

火曜日の午後にマークに来てもらって、折れたガス管をつないでもらった。マークが言うにはガス管の切断原因は建物の梁なので、大家の所有物だから、マークの修理代は大家から出るとフレッドから言われたという。

ふん、当然よね。フレッドは本格修理はプラニング中なのでまだ発表できないという。どのくらい待つのか聞いたら、2週間待てと。

傾いて崩壊するかもしれなかったビルの一階で、応急修理のジャッキアップをして本当に安全なのだろうか?人を入れて営業してよいのだろうか?
考えると危機感でしびれたようになり、思考が停止してしまうのだ。恐怖心を押さえつけて日常の端にしがみついていることにした。

水曜日に出勤してガス屋を呼んでガスの元栓を開けてもらった。午後からやっと営業が再開できた。土曜・日曜と火曜に水曜の午前中。この間が営業不能だった。事業保険を使って休業補償を申請するのだ。

保険屋と戦う

原因は明らかだからおばちゃんは強気だった。保険の査定人はいつも人を詐欺師のように扱う。何にも仕事をしない代理店のジェフを切って、日系の保険屋に変えたにも関わらず、保険屋は保険屋だった。

申請フォームを送るからそれに記入して返送しろと。返送すると、休業補償の算定をするために過去3か月の売り上げとタックスリターンのコピーを送れと言ってきた。おばちゃんはメールに添付してすぐ送った。

補償額が決定したので知らせると査定人エミリーから返事が来た。
少ない!土曜日・日曜日が入っているのに少ない。計算してみると週末も平日も平均して査定しているのが分かった。なめられているね。

すぐエミリーにメールを書いた。アンタの査定に納得できない。ウチのビジネスはエンターテインメントである。週末の売り上げは平日の倍か3倍だ。土・日は土・日の平均で平日は平日の平均で支払うべき。例えば、あなたがテロリストの爆弾で吹っ飛ばされたとして、指を失ったら、親指と小指を同じ金額で査定するのか?

エミリーは不承不承あんたの主張を認める。査定はやり直して金額はまた通知する。ただ、二度と下品が例えはしないように。一体どこが下品かしら、ねぇ。


また工事現場だよ。
大規模修復でモール全体が工事が終わったと思ったら今度はおばちゃんのユニットと隣のパン屋が工事現場になる。二つのユニット共有の壁を裏口に近いところで3メーターほどぶっ壊し、本格工事の作業用のワークスペースとなる。邪魔になる器具はすべて撤去せよと命令が来た。

撤去する器具がおばちゃんのビジネスに必要なのかそんなことはフレッドと管理会社にはどうでもいいのであった。営業ができないのであれば、それはそのビジネスの都合であって、事業保険などに請求すれば?管理会社としては大家の財産であるビルを守るために必要な処置を取るだけ。

疑惑の保険エージェント

朝出勤すると、ジャケットをスト―レージに仕舞い、ちょっと身を乗り出すとぶち抜いて丸見えになったパン屋の奥スペースが見える。パティシエのベルギー人がいるのでハイとあいさつをして、クロワッサンはまだある?一日中ベーカリーの甘い匂いがウチのユニットにも漂うのだった。

不自由で腹立たしい4週間が終わって修復が済んだ。どうやら地獄のフタは開くことがなく日常が続くようだ。フレッドではなく管理会社の社長のローランドが一人の男を連れてやってきた。

おう、元気か!これは俺の兄弟で保険屋だ。修理が終わったビルの査定に来た。なに、写真を何枚か撮るだけだから。

ふう~ん。
自分の兄弟が火災保険の引き受けをし、損害の査定もできれば、さぞかし便利だろうね。

おばちゃんはスタートアップの時、ユニットの営業許可を取るためシティの建築部に行って、構造のリモデルはしないことでユニットの使用許可を申請した。

ペイントくらい塗り替えるかもと口を滑らせたら窓口のお兄ちゃんが「壁のペイントの厚さはXXミリまでだったっけ?」と、なん十冊もある規格ブックの一つを開こうとしたので、慌てて止めた。

いや、ペイントは塗り替えないし。全然変えずにやります、と。隣にはブループリントを持って並んでいる申請者の列があった。建築物の構造を1ミリでも変更する場合は、窓口に申請書を出して規格に合った変更かどうかしらみつぶしに調べられ、ダメ出しをされればブループリントを書き直し。

大規模工事なら、中途でシティのインスペクションが入り、パスした場合に次の工事過程に進める。梁の修復工事が始まってからシティのインスペクターは一度でも来ただろうか?

おばちゃんたちは9時半に出勤するので、もしインスペクターが朝に来た場合は分からない。隣のクリスなら5時からパンを焼き始めるから絶対見逃すはずがない。

ローランド達が帰ってから、隣のクリスに声をかけてねぇ、この修理ってシティに申請しなくてもいいのかしら?シティのインスペクターって来た?

インスペクター?一度も見てないよ。ふぅ~ん。おかしい。
おばちゃんたちは情報から遮断されていたから何をどうするということもできず日常が戻ってきて忙殺された。

しばらくたったある夜、自宅に帰った時にドアに名刺が挟まっていた。California Insurance Fraud Investigator裏を返すと手書きで”JohnSmmith帰ったら電話をくれ。

”そそっかしいガバメントのエージェントが番地も確認せずドアに挟んでいったものだろう。ウチはJohnSmmithじゃないし。おばちゃんは貴重な名刺の端を爪で挟んで大事に仕舞った。to be continued

トリスタンとミコ

うちのビジネスにはトリスタンというメキシカンがいて、物静かでよく働いてくれた。

ビジネスを始めたあと、思ったより忙しく手が足りなくなったのでスペイン語と英語で求人広告を書いて、メキシカンが多く住むアパートの近くに張ったりした。問い合わせがあるのだが、どうも採用までたどり着かない。
おじちゃんもおばちゃんも休みが取れず疲れ切ってしまって、
どうしてもフルタイムがもう一人必要だった。

するとトリスタンのほうから飛び込んできた。いきなりドアを開けて「仕事無いけぇ~?」おばちゃんは、これは神のお導き!と気づき
「ようおこし。まぁ、こっちゃへどうぞ」とトリスタンを導き入れ捕まえた。
「いつから働ける?」
「週末だけなら」
「さよか、ほな来週待ってるでぇ!」

平日は他のビジネスで働いているので、週末だけ働くという。しばらく働きを観察していて、おじちゃんに使えるかどうか聞くと、何とかなるだろうとの返事。頃をみて、
「なぁ、トリスタン。あんた別のところでいくらもらってるねん?」
「2000/月で毎年$50ドルずつ昇給する約束アルヨ」
「ほう、さよか。ほなうちもおんなじだけ給料をあげるし、+αでフルタイムで週末まで、どや?」
「シ、セニーョラ、ムチャスグラシアス Si señora. Muchísimas gracias!」契約成立である。

トリスタンは無口なメキシカンだった。どういうことかというと泣かない赤んぼくらい珍しい存在なのだ。メキシカンといえばヒバリかスズメかというくらいにぎやかで囀りまくりあっという間に中国語も韓国語も覚えてしまい、謝謝とかXXハセヨとか黙れと言っても喋りまくる語学の達人か!くらいな人たちだったのに、ウチのトリスタンは静かだった。

「あー、マーム俺、シンコデマヨは来れないである。LAでデモあるヨ」
当時の大統領スモール・ブッシュが移民政策を強化して、怒ったメキシカンがLAでデモを計画していたから。
「さよか。シ、Ok」てな感じで日本語は無理でも英語は覚えるだろうと思っていたら、無口なぶん語学は苦手なのか5センテンス以上の英語は何年たってもなかなかしゃべれないのだった。

トリスタンも自分の語学下手を知っているのか、仕事場にスペイン語/英語辞書を持ち込んでいて暇なときに勉強をしていた。ある時、昼休みに休憩に行っていいよとというとトリスタンは辞書を忘れていった。

おばちゃんは何気なく辞書を見てみると、ペンが挟んであった。
何を勉強していたのかしらん?とペンのあるページをパタリと開くと下線を引いた単語が目に入った。
[rise]
おばちゃん、おう!思いましたね。
給料を上げてほしいんかい?
おばちゃんは、辞書をそっと閉じた。

ミコちゃん

ウチにはミコちゃんという子もいてこのミコちゃんもまた逸話の持ち主だった。面接のときにハキハキと返事をするので採用した。最初のシフトで自らメモ用紙を取り出し、おばちゃんのいうことをせっせとメモを取るので、これは仕事が期待できるな、と勘違いしたのだった。

ミコちゃんは生れた時から2本ぐらいネジがついてなくて、母親からはうるさいほど「お前は不注意」だからといわれて育ったという。新しいことを3つ聞くと最初の1つを忘れるので、メモ用紙は彼女の人生に必須なのだった。

くるくる動くのだが何故か空回りしていることが多い。黙って立ってろというと、頭の中の音楽を聴いているように膝や足が何かのリズムをとっていて、突然雀が飛び立つように動く。

メモ用紙や電卓やペンも頻繁に落とす。客からの預かり物を落として割る。掃除機を引っ張りすぎて壊す。製品を間違える。キャッシャーを打ち間違える。金額も間違える。釣銭も間違える。ありとあらゆる間違いをして、おばちゃんはこんな間違い方もあったのか?という目も覚める奇想天外な間違いを起こしてくれるので、そのしりぬぐいをする。

再び失敗をすることがないように操作マニュアルと業務システムを修正(ミコちゃん仕様)する。とにかくミコちゃんが直感的にすんなり業務ができたら、それは誰でも使える優秀なシステムで普通の新人なら楽勝だった。

ミコちゃんが意図してやっているのではないということはわかっているし、人手が少なかったからすぐ首にはできなかった。ガチャンと音がするとスイマセン!という謝罪が聞こえてミコちゃんなのだった。

ある日、ミコちゃんがシフトでないのに通りすがりで子供を連れて寄ってくれた。子供は5歳でミコちゃんよりしっかりしているように見えた。
ミコちゃんは横浜で高校を卒業して日本人の男性と結婚・離婚して、同じく離婚したお母さんと一緒にアメリカに来た。どういうことかというと、アメリカ人と結婚した知り合いの中国人が、日本にいたお母さんの写真を見せたらアメリカ男が乗り気になって呼び寄せ結婚したという。

中国人のお母さんはと結婚相手とは結婚するまであったことがなく(戦前ではないです21世紀の話)写真結婚みたいなの。そこにミコちゃんと娘がオマケでくっついてきた。

ミコちゃんの色彩センス/美的センスは割とよくて、キレイ目の色の服をスリムな体に合わせて着ていた。ある時は、レギンズとヘソ見せのホルターだけだったので、ミコちゃんこれからジムでも行くの?と聞いたら
いいえ、これは私の普段着です。

中国人の母の血のせいか、ミコちゃんの足はすんなりと伸びてまっすぐだ。
脂肪も全くついていないので、シャムネコのようにしなやかでエキゾチックである。この姿であちこち歩いたら男がよく釣れるだろう。中国人の母はそれを期待しててそのままにしているのかな?

ネイルなどの綺麗な作業は好き!といっていたから、美容系の仕事についたら才能が発揮できたかもしれない。本人はハーバードに入学してジャーナリストになりたいとか、保母さんになりたいとか言っていたが、、、。
ハーバードがどんな大学か知っているとは思えないので論外として、
娘が5歳まで生き延びられたのは、
①娘が丈夫、で
②ミコちゃんの娘で耐性があった、からだと思えるので、
生き物を預かる系とか病院系はやめてほしい。

そんなミコちゃんはトリスタンとシフトが被ることが多かった。

トリスタンを雇ってすぐにトリスタンの最初の子供が生まれて、洗礼とお祝いで一日休みが欲しいというので、おばちゃんは隣のパン屋にケーキをオーダーしてトリスタンに贈った。
その時はたしか25・6歳だと思ったが、その後カトリックのトリスタンは順調に子供を増やし、3人くらいになっていたかもしれない。

トリスタンは文句も言わず、相変わらず真面目に働いていたが、おばちゃんとおじちゃんの目の届かないところでは、他の従業員に割と偉そうな口をきいていたかもしれない。自分がナンバー3だと思っていた節がある。


おばちゃんとしては、よく働いてくれるし感謝していたのだが、ある日ミコちゃんから話があるといわれた。
ミコちゃんは、何度も何度も同じ仕事を繰り返すと、やっと仕事のパターンが体にしみこむようで、一旦そうなると決められたことはこなせるようになっていた。せっかく使えるようになったというのに、
ああ、嫌よこのパターン。辞めるの?

ミコちゃんから聞かされたのは思いもかけない話だった。私、トリスタンからストーカーされているんです。
はぁ!?
トリスタンが好きだって言ってきてスト―レージで抱きしめられてキスされそうになったんです?はぁ!? ウチのスト―レージでか?

それにうちの母と義理のお父さんと一緒に日曜の朝に教会に行くと、出てきたところでトリスタンが待ってるんです。おばちゃん、いったいどうしたらいいですか?

う~んう~ん。
色恋の話はおばちゃんに一番縁遠い話だ。正直、知らんがな。と言いたいが何か事故が起こっても困る。

ミコちゃんは独身だけど、トリスタンはカミさんがいて子供も3人いるし、オペラのような悲劇は起こりそうでもないが。とりあえず、ミコちゃん来週のシフトはお休みして。その間に考える。

考えたところで、
トリスタンの色恋を覚ます方法はおばちゃん知らんし、シャムネコみたいなミコちゃんに風呂敷をかぶしておくわけにいかんし。知り合いのビジネスオーナーに話して、そっちでミコちゃんのシフトを増やしてもらい、
うちはエマージェンシー以外入れないことにした。

ず~っと後になってそのオーナーから聞けば、ミコちゃんはそっちでもなんかやったらしい。何も着ていないようなしなやかな肢体を見せびらかして、誰かがへっついてきたみたい。
どうやらミコちゃんは、メキシカン・ホイホイだったようだ

ブスのターニャ

ターニャはすっごいブスだった。
前の女の子が別の業種に移るので、代わりに仕事ができる子だと紹介してくれたのだった。

紹介者からブスだと聞いていて、ホントにブスだったので笑ってしまった。鼻が思いっきり平たく胡坐をかき鼻の穴も大きかった。一重の目は腫れぼったく細く口も大きくて、ただ色は白かった。

中国系のタイ人なのだという。大柄なのに動きはしなやかで、今まで一番仕事が早かった。素早く動いているように見えないのに、気が付くと仕事が終わっているのだった。

このターニャは妙に客受けが良かった。ブスなんだが愛嬌があって、客から好かれた。接客を見ていると、いかにも客が好きそうなことをいう。適当な調子がいいことを言う。

しばらくいると、化けの皮がすこ~しはがれ始めた。出勤時間が守れない。雨が降ると来るかどうかわからない。これは頭を抱えた。水曜日9時45分に(私がすでに出勤している時間だと知っているので)電話をしてきて、遅れる/風邪を引いた/だの

風邪なら這ってでも来い!と言ったら、前の晩からサンタモニカの家だから、そっち出勤するには、2時間かかると言われれば諦めるしかない。来れば仕事はできるから、首にする決心はつかなかった。

タイ人はもう一人いて、ターニャとも知り合いだったから、ピンに、そもそもなんであいつの家がそんなに遠いサンタ・モニカなんだと聞いた。結婚したアメリカ人のダンナが住んでいる家で、ターニャはシフトがない月曜から火曜にサンタ・モニカに帰るのだという。

OCの他の店でもシフトが入っているのに、なんだか変だ。もうすぐサンクスギビングだけどターニャはどうすんだ、とピンに聞いたら、OCの友達と遊ぶんだと言っていたよ。

私がサンクスギビングにサンタモニカにも帰らないんだって?そうしたら、ピンがやけに慌てて、早口で、夫婦だけど友達とも仲がいいから。
「へ~ぇ、サンクスギビングに夫婦一緒に過ごさず、別行動ね?」

次にターニャが働いているときにサンクスギビングはダンナと一緒じゃないんだって?ダンナとはどこで知り合ったの? どういう人?ターニャは落ち着いて、
「アメリカに来てからの長い友達。ネイティブアメリカンなの。」
”長~い、知り合い”で 結婚したと?!ダンナはもともとサンタモニカに家があったと、、、!ふ~ん。
それでグリーンカードは取れたのか?
「もうすぐ取れる」いくら払ったんだろ?

聞き間違い

世の中には聞き間違いで堂々巡りをしたりすることがある。ブスのターニャは雨が降ると出勤して来るか分からなくて非常に困った。

朝9時半にその日のシフトをキャンセルされてもおばちゃんが代りを探すのは非常に難しい。(それはブスのターニャも分かっていた)なのでウエブを見れば同僚のアクセスも分かるようにしておき、おばちゃんに電話を掛けるより、先に同僚にシフトの代わりを頼めと徹底させた。

ターニャはタイ系中国人だ。中国人はGの発音が弱くてGoが濁音無しの「コ」に聞こえることがある。それで9時45分に電話をかけてきて、今日は具合が悪い。仕事に行けない
ー:I’m not comming today.
  Are you going? Are you comming?と言うので
おば:Yeah I’m here already. もう仕事に来てっから。
ー:No, Are you going?
おば:I’m here. だから、来てっから。この堂々巡りを3分ぐらい続けて、

このバカ・ターニャ何を言っとるのか?とおばちゃんがキレかかった時ふいに分かった。ウチにはアユ子ちゃん(Ayuko)という子がいて、ターニャは
Ayuko is going.
と言っていたのだ。あゆ子ちゃんはターニャから電話を受けいて代りにシフトに入った。

これは聞き間違いと言うより、2世代にまたがっ伝え間違いの話。日本食レストランで昼ご飯をいただいていた時、斜め向かいに2世らしきおばさんが2人で席に着いた。おばさんは英語でチキンの照り焼きとサーモンのおにぎりを頼んだ。

おにぎりに関しては日本語だった。オニ・ギ~リって感じ。サーバーがオーダーの品をテーブルに置くと、おばさんはちょっと切れた。何よこれ、私はサーモンのオニ・ギーリを頼んだのよ。これはオム・スービじゃない。

サーバーの女の子は日本人で困惑して目を白黒させていた。おばちゃんと友達はブフォっと吹き出してしまい他人にたしなめることもできず笑いをこらえた。多分1世のお母さんから、丁寧に言う時は「お」を付けるのよと教わったに違いない。だから「にぎり」には「お」をつけたのだ。

1世のお母さんは「おにぎり」は「おむすび」と言う家庭だったのだね

プラマーの子

アメリカの水回りは要注意だった。
新築だって油断はできない。ウチの風呂の蛇口は赤いラベルが水で青から熱湯がでた。代々の持ち主は気にしていなかったが。

友達の家はコンドで隣の住人の部屋から水がしみ出てきた。さあ大変である。どこの水道菅が悪いのか。コンドの共有スペースの菅か、個人の所有権のある部分の水道菅か?
壁の中なので壁を壊すしかないのだが、水道や(プラマー)を呼ぶ費用、壊す費用をだれが持つか?誰も払いたくないので、誰もプラマーに電話してないのである。
結局、全員でミーティングしてプラマーを呼ぶ費用は壁を接するオーナーで負担して、修理箇所のオーナーが修理費を持つと決まった。

電話帳にはプラマーのナンバーがずらずらある。
おばちゃんもいろんなプラマーに来てもらった。おっさんが一人で人の家を訪れるとしたら、それはプラマーである。

「お前はプラマーの子」というアメリカのジョークがあったりする。アメリカの家は新築は少なくて、代々家に手を入れて売買するのが普通であったからどの家も、密かに爆弾を抱えているのだった。バケーションから帰ってきたら、リビングがプールになっていたという話もよく聞いた。

ジャネットはリビングの床下の水道菅が怪しくて掘り返さないといけなくて憂鬱そうだった。

ショッピングモールはジャネットの家より古いからもっと大変だった。リセッションで空いてしまったテナントを2か月無料にするとかあの手この手のプロモーションで広告した結果、大手のエクササイズ会社が2つぶち抜きで借りることが決まった。内装はほとんど終わりシャワールームとトイレの設置が残っている。

エクササイズ会社のマークは壁の中を走っているサビだらけの水道管を見て、危機感を覚えたに違いない。管理会社のフレッドにこのユニットの水道管は古くて信用できないと文句をいったのだろう、フレッドは安請け合いしてもしだめなら大家が修理費用を持つと言ったらしい。

新しいシャワールームとトイレの配管が完了して、蛇口をひねったら、壁から盛大に水が噴き出したそうだ。
もう一人のフレッド(同じ名前が多すぎ!)はプラマーでパン屋がたまに使っていてた。

このフレッドが恐るべきことに、このショッピングモール建設当時に水道管を設置した本人だった。ジャネットが聞き出したところ、ビルの建設当時から水道管の配管はヘンテコリンで、あっちこっちにつながっていない?行きどまりの?配管があるのだという

。二つばかりパーキングロットまで伸びてそこで盲菅なのだそうだ。ウチのユニットからも建物の外にでる菅があるそうだ。40年前の盲菅が地面の下でどうなっているかただ怖ろしいことである。

さらには、代々のテナントが水道管を継ぎ足し、合流させ、カットし、はては二つのテナントをぶち抜いた後に、また分割したりすると2つのテナントにまたがった管があるわけで隣のビジネスが水を流すと、こっちの水道管から下水に行くとか長年この建物の水道管を扱ってきたフレッドももう何が何やら分からんのだそうだ。

2年後、3つ隣りの本屋のブランドンのトイレが爆発し、ブランドンは新トイレと配管に2万ドルをつぎ込んだのであった。

アメリカで訴える1

弁護士のフジツボ村
それはビジネスが安定し始めて、3年ぶりくらいに半日休んで友達の集まりに出たのであった。自分にご褒美を上げるつもりで。そこで、友達の顔におかしな斑点があるのに気が付いた。勘のいいひとはお分かりだろうが、レーザーである。

日本人は頬・かん骨部分にシミができやすい。美白クリームを試すより、レーザーで焼くのが手っ取り早い。ただ、おばちゃんはその時初見でなんだろうと思ったのである。まずいくらか値段を聞いた。友人は顔全体で$350。カサブタが取れれば赤ちゃんのようなピンクの肌に戻るの!私は早速電話番号を控えた。

次の週に紹介されたエステで施術を受けた。ところが、カサブタがとれたにも関わらず、ピンクの皮膚でもなく薄茶色の肌が見えるばかりである。ダウンタイムがあるから、しばらく待たねばならいそうだが、。結論から言うと、シミはとったがその痕がレーザー焼けで色素が沈着してしまったのである。
Pigmentationという。

おばちゃんはいろんな薬や美容液を試したがついにUCLAの皮膚科の専門医に行った。大損害だわ。調査して分かったのは、カリフォルニア州でレーザー器具を操作できるのは医師だけである。

つまり、施術者のエステティシャンは、もぐりでレーザー治療していたのだ。おばちゃんはエステティシャンの監督庁California Board of Barbering and Cosmetologyにクレームをファイルしたのであったが、はかばかしい返事が来なかった。

CBBCはほっておいて、おばちゃんは弁護士を探し始めた。Medical Malpractice専門の弁護士である。
例によって、友人の弁護士に聞くと一人紹介してくれた。地図のプリントアウトを頼りに探すのだが、該当の番地の枝番がない。

おかしいなぁ、間違ったかな?おばちゃんは何度も弁護士事務所に行ったことがある。どこも、高層ビルか高級テナントに入っていた。
通りは住宅街で目に入る限り、玄関に芝生1階か2階建ての民家。どこにもビルがない。ぐるぐる回ると商業用ビルが見つかった。駐車場に止めて、とりあえず番地を聞いてみようとした。

クリニックのような作りだ。古い。ドアを入ると、驚くべきことにそこは本当にむかし歯医者かなんかクリニックだったようで、まさに昭和のお医者さんのようにすりガラスのちっちゃな引き戸の窓があり、まぎれもなくAttorney At Aawと書いてあって。超混乱しながら引き戸を開け、誰かいませんか?と呼ぶと白人のおばちゃんがハァ~イと出てきた。

おばちゃんにこの住所を探していると尋ねると、該当の場所を教えてくれた。指示通り車を走らせると、そこには。通りの両側は突き当りまでず~と、先ほどと変わらぬ住宅街である。

さっきは気が付かなかったが、それぞれの家のフロントの芝生には全部看板が立っているのだった。
Attorney ,, Law Office, Lawyer, Leagal Servies,,,,見渡す限りの民家はすべて弁護士オフィスであった。ひええっ!

時間が迫っていたので、家?(オフィス)に入るとリビングにテーブルが一つ電話が一つ。白人の秘書がいた。あなたの予約はスーザンだから右のドアを入ってね。もとはクローゼットだったのではないかと思うちっちゃなオフィスにはスーザンがいて私があれこれ事情を説明していると、

天井でゴンゴン足音がする。二階の弁護士。
スーザンは始終キリッっと背筋を伸ばして話を聞いてくれたが、残念だけど、ウチはそもそも1万ドル以下のケースは扱わないから。1万ドル以上のケースに沢山恵まれているようには見えなかった。

二階のベッドルームは2つか3つ。3人から4人の弁護士が一軒家をシェアし秘書を共同で雇って玄関に看板を出しているのか?
一歩家(オフィス)を出ると、見渡す限り道路の緑の芝生の両側には似たような民家が通りのはしまで並んでおり、おばちゃんはそれらの白い家が、岩にへばりついているフジツボのように見えたのであった。

弁護士あるある

弁護士資格を持っていれば一生食っていける優秀な人、でもなければ、すべての弁護士が高収入でベンツに乗っているわけでもない。それは弁護士でも優秀な上位5%の話である。

アメリカの弁護士でオフィスは間借り、車はトヨタ。、いや仕事がなくてタクシー運転手をしているなどの下位もいるのである。

弁護士!と叫ぶ。
契約書を読んでも自分の立場が分からないと、まず弁護士に相談することから始まる。

ある会社は、日本の習慣だった住宅手当をそのまま持ち込んでIRSからそれは給料だろうと突っ込まれて、どうなんでしょうと弁護士に詣でる。

ある人はビザのトラブルで、LAの有名な弁護士TXXXHIを訪れると、デスクの上には本物の砂時計があり、TXXXHIは話を聞く前に砂時計をひっくり返した。この砂時計は私も見た!

斜め向かいはGoogleのビルという超お高いオフィスでOCの弁護士協会BarAssociationから選んだ弁護士は、私がプロボノのクライアントなので、わかったようでよくわからない回答をして、早く切り上げたいのが見え見えだった。プロボノでなかったら10倍の料金が取れるから。

友人はある日曜の朝突然、自宅に引っ越し屋が現れて寝ぼけている顔に奥さんから”私、離婚したいの”と言われた。あれよという間に3人の子供と家具家財が目の前でどんどん運ばれ思考が停止した。次の日、離婚弁護士に電話を掛けて7時間も話を聞いてもらい、1週間後に電話相談の$20,000の請求書を受け取って、さらに呆然とした。

おばちゃんが怪我で入院中の知り合いを見舞って、地下のカフェテリアに寄るとジャケットを着た男が、いろんなテーブルに止まって立ち話し、何かをテーブルに置いて次のテーブルに向っていた。
弁護士である。

入院するほどの怪我だと、車の保険とか相手方とかディープ・ポケットが狙えるのである。

law

ひどい弁護士になると、莫大な弁護士請求書の明細にランチや朝食のドーナツ代などが含まれていて、なんだぁランチまでぇ?弁護士はシレっと、問題を解決するために自分の時間を費やしているのだから当然だと開き直る。

シャークだのスクルージだのぼろくそに言われ嫌われるのも弁護士である。血管をたててアメリカをダメにしたのは、弁護しだ!と真顔で力説するアメリカ人のおじちゃん。
ところが、身内家族が弁護士になると、ころっと評価は変わって、息子よ、よくやった!と父ちゃん喜ぶ。弁護士あるあるである。ウチも息子にほしい。

弁護士の敵は弁護士である。やわで経験が浅い弁護士が クライアント客に書いた婚前契約/プリナップ(Prenuptial Agreement)をカミさん方のタフな弁護士に破られてクライアントはカンカン。”あんたはこの契約書で大丈夫だと言っただろ。みろ、彼女に半分財産を持ってかれたじゃないか!”

カミさんが雇った弁護士費用もダンナが払うのである。泣くしかない。
ウチ(法律事務所)が書いたプリナップは破られません!最強です。
プリナップならXXX法律事務所へ。 
弁護士広告である。

知り合いは知らずに入居した家の大家が弁護士だった。トラブルが発生したとき、知人弁護士に相談した。ところが、通常の賃貸契約に見えた契約書はよく読むと、大家側が何でも好きなようにできると書いてある。

ムリ!都合7人の弁護士が契約書を読んだが、みんなサジを投げた。大家は現役LAの弁護士で、彼女の父は大きな不動産を経営するしかも引退したLAの判事だった。ムリ。彼女らの経験の粋を凝らして作成した契約書は鉄壁だった。

おばちゃんも何度弁護士!と叫んだことか。どこのナニ専門の弁護士か?
強ければ料金は高い。専門が広くてなるべく自分で払えそうな弁護士を探すのだ。

  • footer