ベンツ切開

開腹手術の一番大きな切開痕は(車)ベンツ切開というのだそうだ。
ベンツのロゴマークを思い浮かべてみてくりゃい。

ある時、「僕の切開後は30センチもあるんで、」とテレビで某俳優が言っていた。
それを聞いた時おばちゃんはムラムラと負けん気がでた。メジャーを取り出しておじちゃんに渡すと、セーターをまくって腹を出し「測って」と言った。

19センチだった。
おばちゃんの切開後は「J」の字である。ひらがなの「し」と言うより英語の大文字「J」で、ちゃんと頭に横棒がある。19センチって?もっと長い傷痕と思っていたのだが。回復して縮んだのかもしれない。

Jの字は目障りである。こんな傷が出来やがってと。見るたびに憮然とする。
手術の痕は闘病の証!戦いの痕、誇らしい傷跡!な~んてちっとも思わない。腹が立つ

同じガンの方のブログで、この間はXXX温泉に行きました~などと読むと不思議に感じて思わずお便りをしてしまった。おなかの傷が気になりませんか?ブログ主は”気になりません平気です”と返事があった。

おばちゃんは温泉自体はそれほど興味がないのだが、たとえ親しい友達だけでも一緒に風呂に入るのは嫌だ。どうしてもボディの傷が気になる。

例えると、新車を買う。うれしい。
大事に乗るつもりだが、そのうちうっかりしてボディのどこかに傷をつけるかもしれない。ピカピカの新車で最初にぶつけ時のダメージは一番大きい。それが何時来るか悪い予感が頭をかすめる。


新車の緊張がゆるんだ時、うっかり擦って「しまった、チクショウめ」という時がついにやってくる。
バックで塀にこすって「ああ、あ、やっちゃった」と悔しい。この時の、もったいな感と残念さ。

スーパーの駐車場で、隣の車のどてっぱらに激しく擦り傷があると、いったいどのような状況でこの傷は付きしや?シゲシゲと眺めたことはないか?

前方の車のバンパーがへの字にへこみがあったりすると、なんでこんなところに?
あるいは、ピカピカの新車のタイヤホイールに擦り傷があったりすると、持ち主の心持を思いやって、あ~、新車なのに、。ざぞかし悔しかったろうと想像してしまう。同情しているのになぜか、表情筋が緩んでニタっとしてしまうのは何故だろう。

おばちゃんの軽自動車もあっちこっち擦り傷ができてしまったが、もし、駐車場の隣の車の持ち主が、おばちゃんの車の引っかき傷をシゲシゲと観察していたら、思わずムッッとする自信がある。
ナニ見てんだよぉ。モンクあっか。

おばちゃんが友達とでも温泉に入りたくないのは、中古車でシワはあったけど傷がなかったのに初めてこすっちゃって悔しい。ってのが一番近いかもしれない。見るんじゃねぇよ。

術後7か月

病院に昼過ぎまで居たせいで喉がガラガラになってしまった。
脇腹が痛むのだが造影剤CTスキャンの結果と血液検査の結果は異状なしであった。血液検査は”L”も”H”も消えてガン・マーカーの数値もネガティブであった。

胆のうがないのに胆のうのあった場所が痛むのは変ではないか。
胆のう切除後症候群か、それとも胆管に問題か?

おばちゃんは家で印刷した「肝・胆・膵」のイラストを主治医に差し出して、私の胆管はどんなふうに残っています?と聞いたらば主治医のおっさんは目の前のコンピューターの手術レコードをめくって確認すると、紙のイラストにこっからこんな風に削除しました、と丸を書いた。

ふ~ン。総胆管にちょっと枝を残して切ったのか。
おば:10月過ぎから軽い圧痛があるんですが胆のう切除後症候群ですかね?
医:どこが痛みます?
今はなき胆のうがあった場所。食事に関係なく違和感があって圧痛があるんですよ。胆のうがもう無いんだから胆管かな?と思って。

主治医のおっさんは”切除後症候群”という言葉にはまったく反応せず、腸が動くからかもしれませんね。四六時中に違和感があるから腸のせいではないと思うが。

おば:CT画像では何にも見えないんですよね?
今度は取ったばかりのCT画像をスクロールする医師。

医:怪しいものは見えんですね。
おば:CTで見える一番小さいガンは3ミリくらいですか?
医:う~ん、3ミリはどうかな。CTの撮影間隔が3ミリだから。ギャップに3ミリが入ってしまうと見えないかも。
おば:すると見える大きさというと最低5ミリくらい。
医:そうですね5ミリくらいから。

CT画像って意外と粗いんだ。
ここのCTスキャンの解像度はあまり高くなくて主治医が細部を拡大するとボケる。
どてっぱらに観察窓をつけるわけにいかんからスキャンと血液検査でから推測するしかないわね。CTで何も見えないならとりあえず何も無いとして、さらに3か月後の血液検査まで要観察かな。

で、どうですか?と主治医が言うので
逆流性食道炎になってしまったので、制酸剤を処方してくださいと答えた。

げっぷが頻繁に出て横になると胃液が逆流して咳が出て吐き気がするので逆流性食道炎です。ガスターを飲むと少し良くなるんですが市販のガスターはチビっとしか入ってないのに高くって、薬剤師が病院でもらったほうが安いですよって言うから。

ほうほう、と医師がつぶやいて、ガスターよりいい薬があるので処方しましょうと3か月分処方が出た。でも胃カメラを飲んどいたほうがいいですよ。
だって、この間内視鏡をやったばかりじゃないですか。ちょっと糜爛した食道粘膜が観察されるだけでは?健康保険の医療費がもったいない。

人間の体はつくづくコンピューターに似ているかも。
この間デスクトップが立ち上がらなくなった。
ほとんどの時間はラップトップを使うのだが、画像系はデスクトップで処理したいから、クリスマスカード作りのために久々にデスクトップを立ち上げようとしたら立ち上がってこない。

立ち上がりに問題があるときは余分なUSBを外せ、というのがウインドウスのセオリーである。USBハブとICリーダー、無線LANアダプタを外したら立ち上がった。
無線LANアダプタが差しっぱなしだと立ち上がらない。
しからばケーブルLANに刺しかえると、また立ち上がらない。
いろいろ試したらウインドウス側のネットワークLANが問題みたい。

もしこれがお客さんのコンピューターなら、立ち上がってからLANカードかケーブルを刺せばダイジョブですよって言うね。
お客さんはきっと、こないだまでこんなことは起こらなかったんですが、いったい何が問題なんですか?って聞くね。

で、おばちゃんは言いたくても言わないのは
知らんがな。私はウインドウス・プログラマーじゃないからわかんない。ウインドウス内部で何が起こってるのかはしらない。ウインドウスがアップデートしてから起こるならそのせい。

とりあえず動いているなら面倒くさいんで何もしないし、マイクロソフトが把握してて深刻なエラーが起こるようならそのうちパッチができるかもしれないし。
気になるならウインドウスをクリーンインストールすると治るかもしれないだろうけど、アップデートしてまた起こるならウインドウスの問題で、わたしは直せないから現状でやり過ごす。

昔はエラーが許せなくて、再インストールをしまくったものだが今のウインドウスは堅牢になってちょっとの不具合では落ちなくなったし原因究明も面倒くさい。わかんないから。とりあえず対症療法でいいじゃないかと思う。それしかできんのよ。

医師はプログラマー(神)じゃないので、体の中のすべてを知っている人じゃないしすべてを治せる人でもないし、とりあえず深刻なエラーじゃないなら対症療法でやり過ごせばいい。ブルースクリーンで止まったらそれなりの蘇生措置ができるのが医師かな。

主治医のおっさんは聞かれないことは何も話さない。
聞いても説明しないことも沢山あるが、人間の体がウインドウスだと思えばプログラマーじゃない医師は何が起きているのかすべて知る人ではないので、おばちゃんは批判する気も起きないのである。

モニターの画面が上下真っ逆さまになってしまったときにCtrl Altと↑を同時に押してすっきり一発修正なんてトラブルはめったにないのだ。

とりあえずの危機はないのがわかったので、おばちゃんの目標は来年2月の確定申告。おびただしい医療費の請求書があるから。その次は車検で連邦年金の受給だ。Life goes on.

川島なお美の場合

医者が本気でなりたくないガン7つ
https://news.yahoo.co.jp/articles/81d7e8ef28f47c24363ad2b996763206a689b745?page=2

第一位が「すい臓がん」で第二が「胆道がん」だそうだ。
自覚症状がなく発見しにくいがんでおまけに予後が悪い。5年生存率の低さはすい臓がんが一桁。胆道がんで22%
第一のすい臓がんは議論するまでもないが、胆道がんは実は種類がある。

おばちゃんのは胆のうがん。
胆のう本体のガンである。そのほか胆管につく胆管癌がある。併せて胆道がんと言う


肝臓が分泌する胆汁は肝臓内から胆管を通って外にでて、肝臓と接している小ぶりのイチジクのような胆のうに溜まる。食事をすると胆のうが収縮し、たまっていた胆汁は胆管を伝って十二指腸に流れる。

肝臓内の胆管に発生するものや、肝臓外の胆管でがんが発生する場合があり切除できる初期でも、術後再発率が高くて転移しやすい。この胆管と胆のう本体に発生するガンをひっくるめて「胆道がん」と呼んでいる。

すい臓がんの次にタチの悪い「胆道がん」とは実はこの胆管に発生する胆管がんが凶悪でこれが胆道がん全体の生存率を引き下げている。

胆のう本体に発生するがんの場合ステージ0と1の場合は5年生存率は60%~くらい。ステージ2でガクッと落ちるが、胆管ほど低空飛行ではない。

女優の川島なお美さんが亡くなったのはこの胆管がんが原因である。
女優として目立つ職業であったとこと。まだ54歳であったこと。いろんなドクターが彼女の症状と治療法と主治医との信頼関係に意見を述べていて議論があるケースだ。

おばちゃんはもちろん医学関係者でなくて川島なお美さんが亡くなった時もアメリカでニュースのヘッドラインを読んだくらい。日本のドラマは見ないので彼女の映画も見たことはなかった。

彼女のがんが見つかったのは
2013年8月 人間ドック 肝臓内の胆管ガンと思しき影は1.7センチ単発 転移なし
2014年1月 腹腔鏡で切除 抗がん剤治療せず、ビタミン療法などの免疫療法、代替療法を始める
2015年9月 逝去

診断時の対処や治療が惜しかったと言う医師たちの根拠は、
1、 発見されてすぐに切除しなかった。
2、 診断した医師とは信頼関係が築けず、納得できる医師を探して4か月後に手術
3、 転移がなかったのだからすぐ切除していれば5年60%で生き延びるチャンスがあった。―https://shuchi.php.co.jp/article/2692

この記事におばちゃんが疑問に思う点は3つ
生存率
医師の持ち出した生存率60%は胆管癌の生存率ではないと思う。
ひっくるめた胆道がん(胆管+胆のう)の数字で胆管癌の場合はずっと低く30%を切る。胆道がんの患者は症例が少なく、治療・生存率は医療機関でかなり数字がばらける。ただ、胆道がんはどの医療機関でも数字は芳しくない。2013年に切ったとしても5年生存率はかなり厳しい数字だったのだと思う。

医師との関係
最初の診断を下した医師とは相性が悪かった。
彼女は悪性の腫瘍ならその根拠を示してくれというのに対して、医学的根拠を示すというより切除するしかないですからどうしたら切除にする気になります?と外堀を埋めていこうとする医師に信頼関係を築けず、セカンド、サードオピニオンを探す川島なお美。

胆道がんはがんマーカーにあまり反応しない。数値として異常が出ない場合がある。
おばちゃんは切除した後、胆のうがんが見つかり、主治医は拡大手術として肝臓とリンパを追加切除すると迫った。


では肝臓に浸潤・転移があるという根拠を示してくださいとおばちゃんは言った。浸潤・転移があるかどうかわからずに切腹して肝臓を切れるかって!
マーカーにも数値が現れず、再発するかしないかは、神のみ知る、ギャンブルだと分かった時、おばちゃんは損切りするしかなかった。リスクの少ないほうを選んで肝臓を切った。

女優としての川島なお美に腹部の外創ができれば美のブランドに傷がつく。だからまず本当にガンなのかどうか医師に根拠を求めたのは当たり前だと思う。医師の対応がまずかったのだ。田舎のばあさんなら医師様の言う通り体を預けるだろうが、ブランド川島なお美はプライド高く田舎医者に肌を傷つけられてたまるかと席を蹴ったと。

転移
発見された2013年8月の時点に単発で転移がないーーだからこの時切れば助かった。―のは本当に可能性があったのか?
2013年で転移がなし、2014年1月の術前検査でも転移確認できなかったから手術に踏み切ったのだろう。
ところが切除手術後わずか3か月で再発した。転移なし、、、、という細胞診は誤謬だった。

がん細胞は日本のお風呂の黒カビみたいなものだ。
カビの胞子は空気中に漂っているのだ。カビキラーで掃除をしても時間がたてば再び胞子がタイルに定着して栄養分が豊富なら繁殖する。

ガンだって毎日発生していて免疫が高ければガン細胞の定着を阻止できるが、いったん繁殖を許してしまったコロニーからは、どれだけの胞子が再発生・移動していくか医師でもわからない。

細胞診で「ガンが見えない。がん細胞が見つからない。」というのはあくまでもMRI・CT・顕微鏡・肉眼では見えなかったという意味で、がん細胞は周辺部にすでにあった。
だからたった3か月で再発し目に見えるまでに急成長したのだろう。

じゃあ、細胞診なんかあてにならない。無駄なんだろうか?
がん自体も性悪ながんと、そうでない割と素直ながんがあるそうで、性悪は再発が多い。
細胞診が無駄じゃない場合は凶悪度が低いがんの場合と5年たって再発しなかったとき。再発したときは残念、無駄だった。

細胞診断の手順
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/pathology/patient/diagnosis.html

2013年8月に胆管に影が見つかった時点で分が悪い戦いだったのだと思う。
胆道がんが「完治」を目指せるのは、ステージ0か1で早期発見外科的切除の場合のみである。
川島なお美さんはいろんな文献を調べた、とあるから当然抗がん剤も完治への効果はないと知っていたはずである。苦しい延命があるだけ。

再発が発覚するまでは女優として仕事をやりぬく、というが優先順位だったわけだから、体調を保つためにビタミン療法を行ったとしたら不思議ではない。完治を目指して民間療法にすがったというよりは、仕事を全うするための体力をつけられる治療法を試すという戦法か。なまじ抗がん剤で体力をそがれるより消耗は少なかったかもしれない。

女優としての実績は知らないが、痩せてもきっちり化粧をして死ぬ8日まで美しく装い仕事をしたと知って、あっぱれ女優魂と敬意を払いたい。R.I.P

ドクターに聞いてみよう・2

3週間前に突然食欲のスイッチが切れた。
朝目が覚めるとむかむかする。毎日、二日酔いか船酔いみたいだ。果物とスイーツなら食欲がわずかに動く。右横腹も痛む。熱はない。

熱がないので炎症や膿瘍は考えづらい。切除した肝臓方面の痛みではなくもと胆のうがあったあたりに一番近い気がする。胆のう切除後症候群かなぁ?

あるいは胆管か?おばちゃんの胆管は切除していないはずである。主治医は胆管を切除したとは言っていない。患者が聞かないことは何も言わない医者でもあるが。
切除後症候群はさっと検索しただけでは出てこなかったので、まったく知識がなかったおばちゃんは手術後の最初のフォローアップで主治医にちゃーんと聞いてみたのである。

胆のうは胆汁を貯める臓器であって切除すると胆汁が肝臓から流れっぱなしになるわけですが、実際それで消化器系には不具合が起こらんものですか?
すると、主治医は「大丈夫ということになっております」と含みを持った言い方をした。おばちゃんは「へーん」というしかなかったのだが。

「大丈夫ということになっております」としれっと口をぬぐっていた主治医は、なかなかのタヌキである。胆のう切除後症候群は胆のう切除の患者の3割から4割に発症するらしい。起こるか起らぬかわからない時点で素人相手に、症候群を説明するのは面倒だから何も言わなかったのだろう。

年間百人も胆のうを切っている50代半ばの脂ののった専門医にしてみれば、単純に素人に余計な疑問を持たせれば説明が面倒くさいだけ。時間を費やして患者を不安にさせるより、実際症状が起こった時に定期検査のデータをみて総合的な判断をして説明したほうが都合がよいだろう。

これと反対なのがうちの猫たちのかかりつけの動物病院の若先生である。
彼はペットの命を助けたくて熱意に燃えている。元気のない天を抱えてクリニックに行くと、若先生はすべての病気の可能性を考えてみましょう、FIPの可能性もありますね、、と自分の知識カードの手の内をすべて晒そうとする。

イヤイヤ、おばちゃんはそんなことをされると情報がとっちらかって面倒なので一番可能性が高い感染症からまず考えましょうや、と若先生を現実に引き戻すのだ。

腹の中はWindowsと一緒だ。
ブラックボックスになってしまって、何かのエラーがでて初めて不調がわかる。「プロファイルがありません」とか、アップデート後にエラーが出たりする。FAQを調べて対処法を試みたりするわけだ。

腹の中もWindowsと同じブラックボックス。
症状があれば切って開けてみればはっきりするが、不調が出るたびに毎回腹を切って中身を覗くわけにいかんじゃないか。外からわかる症状から推測するしかない。食欲不振が続くのは術後症候群なのかどうなのか。

またまたアスク・ど〇たーで掘ってみる。
おばちゃんと同じような症例が出てくる。CTをとっても異常はなかったという報告もついている。なるほど。12月には造影剤でCTの予定が入っている。

たまたまお昼にセールだった牛肉があったのですき焼きにしてみた。案の上、あまり食べられなくて食後胸焼けがして胃酸が上がってくる。
そこでハタ!!と気が付いた。

最近、そういえば寝付くときに左向きになるとのど元が胃酸ですっぱくて閉口していたのだった。あら、いやだ。逆流性食道炎じゃない。

胆石患者には逆流性食道炎がしばしばみられるのだ。
胆汁は肝臓で作られ胆管を通って胆のうに貯められる。食物が入ってくると胆のうは収縮してため込んだ消化液の胆汁を十二指腸?だかに送り込む。

胆のうを切除してしまうとため込むことができない胆汁が肝臓から流れっぱなしになる。食べ物の消化は肝臓から流れてくる胆汁に頼ることになる。したがって胆汁が十分でないせいで、揚げ物や肉の脂身などを多くとると消化不良や下痢の原因になる。胃液の分泌は増えるのか?胃酸過多ぎみになって胸が焼けるのだ。

おばちゃんの食欲不振の原因の一つは逆流性食道炎かもしれない。そういえば胆石で切る前にはよく胸が酸っぱくなって薬局でガスター10を買って飲んでいたな。それほど効果はなかったが。胃の括約筋みたいのが緩んでいる場合もあって薬だけではなかなか治りにくい。

二日酔いは逆流性食道炎にが原因の一つかもしれない。右腹の痛みは胆のう切除後症候群かもしれない。あるいは胆管か肝臓に再発があるのかもしれない。

肝臓には痛みの神経がないらしい。
「沈黙の臓器」は痛いといわない、ある程度は。がんが2センチを超えて発達して他の組織を圧迫するとか、組織を破るなどという場合になって初めて痛みが生じるらしい。ただし、おばちゃんは肝臓そのものを切られたらめっちゃ痛かったぞ!

アスク・ど〇たーの質問でも再発が発覚するのは術後6か月から2年の間が一番多いみたい。
食欲不振が再発の兆候ではないとは断言できないけれど、それは来月のCTと血液検査のマーカーの値が正常なら逆流性食道炎もひっくるめて切除後症候群だろうか。

可能性としては再発は排除できないわけで、アスク・ど〇たーを掘ってみる。
胆のうがん関連で2200以上の症例があるから。いまだに契約(月額330円)はしていない。患者の質問に対するドクターの回答は有料会員だけが読めるのだが、おばちゃんは今のところ読めなくてもいいのだ。

何故かというと、関連する症例ケースが多いので、質問自体が回答になりえるから。
例えば、
質問:ステージ4で黄疸が出ましたがどのような治療法があります?
という質問があるとすると、別ケースは
質問:黄疸のために胆道にステントをいれましたが炎症を起こして熱があがり入院中ですが、。
あるいは、、
質問:ステントは3か月ほどで詰まってしまい取り替えないといけないといいますが?
などと、別人症例の質問自体が答えになってたりする。

アスク・ど〇たーの質問症例を読むと胆のうがんのステージからの予後と再発・治療の方向がわかる。がんセンターやクリニックの情報ページでは、再発についての情報は様々な場合がありますので、、とか研究論文や治験方面に行ってしまう。限定的なニッチな方向になってしまうわけである。

アスク・ど〇たーの症例をだいたい総括すると、胆道がんの転移は以下のようになる。
再発はやはり術後6か月後とか1年ちょっととかに多い。
大抵は肝臓、十二指腸、すい臓、腹膜とリンパへの転移。CTスキャンで見つかるとしたら3ミリくらいの大きさ。定期チェックはしているのだが、3か月前では映らなかったという質問もあった。転移巣の進行はわりと速いようだ。

肝臓の転移の場合は黄疸が出る場合がおおい。
胆管がつまって閉そく性の黄疸が出るので管にステントの管をいれて減黄する。ステントの留置で細菌感染のリスクもあり、3か月ほどでつまるとか、3回までしか交換できないとか、あるいは天然で管の奇形があってステントが入らないという症例もあった。まことに転移というのは様々であって、ひとくくりにするわけにはいかんのだね。

腹膜に転移の場合は、手術でとってもまた再再発してきりがない。腸閉塞イレウスを警戒するのが腹膜播種だ。まれに骨の転移があって痛みが出る場合は放射線で焼く。

~とこのように段階的に予測できる症状と対処法がわかるわけだ。

ただし、こんな質問もあった。
うちの母は70代ですが先日胆のうがんステージ4肝臓に転移があると診断され手術も不可能だと言われたのですが本人は自覚症状が全くなく元気なんですけど、いったいどうなっているんですか?という質問が3例くらいあった。
幸せな症例じゃないか、とおばちゃんは思うのだが。

ドクターに聞いてみよう

胆のうがんステージ2 胆のう切除、肝2葉切除、リンパ廓清 術後5か月で経過観察中のおばちゃんが、書いてみる。

最近右わき腹が痛むので、ネットで情報を掘ってみた。
“胆嚢切除後症候群“という症状があるらしい。胆嚢切除後から出たり手術の後数年たってから出ることもあるらしい。統計によれば患者の40%くらいにみられるようだ。

症状は、胆嚢があったあたり:右わき腹の痛み、下痢、胸のむかつきなど。食事の後に症状が強くなる人もいるらしい。

取り残した胆石が胆管に残っていたり癌組織が胆管にあったりすることもあるようだが、CTやガンマーカーでは異常がない患者でも痛みや諸症状を訴えることがある。

原因の一つとしては、総胆管と膵管の出口であるOddi括約筋が固くなってバルブ機能がうまく働かないことから痛みが出る場合があるらしい。
しかしながらサウスカロライナ医科大学ではOddi括約筋を追加切除しても痛みが取れなかった患者があると報告がある。

つまり痛みのしっかりした原因はようわからんわけね。別に命に差しさわりがあるわけではないので特に治療をしなくても放置と。幻肢症みたいなもんかいな。普通の痛み止めで痛みが薄らぐようよ。

情報をいろいろめくっていると「アスク・ド〇たー」というページによくぶつかる。
一般人がアドバイスを求めて、本物のドクターがその質問に答えるわけよ。
場合によっては数人のドクターの答えが得られる。答えを全部見たり質問をするには有料会員になるしかないのね。月に何回かは無料で答えが見られるが、おばちゃんは無論有料会員にはなってない。

試しに胆嚢がんを検索してみると、2200以上の症例質問がヒットした。おばちゃんは暇だから読んでみた。ざっと600例くらい読んでみたが、、。

質問者の2割が患者本人
患者家族が8割
質問者の年齢が20歳以上50歳くらいだと本人質問になり
患者が高齢になるほど患者でない家族の質問がほとんど。

質問の内容は、主治医と話せば8割解決すると思われる質問。なんでや?
主治医との面会ができんのかいな?

例えば、ステージ4Bで母は食事がほとんどとれなくなりました。抗がん剤は合わないのでやめました。余命はどのくらいでしょう?とか。
主治医に面会予約を取って、患者本人の症状データーを見ながら教えてもらったほうが正確で詳しい答えが得られると思うで。

アメリカの専門医の診察料金は高いけど、面会して情報を要求すればちゃんと教えてくれる。どうして主治医に面会をしないのだろう?オンライン有料会員は330円/月で安いからかな。
面会のための休みが取れんって?家族のことなのに?
日本では患者と主治医のコミュニケーションがそれほど悪いのだろうか?

また、質問者が若い世代20歳~40歳までの場合、“専門医にかかる前”の質問と“検査結果が出る前”のあいだの質問が多い。ほとんどが癌への不安だ。どのくらい癌の可能性があるでしょう?
そんなもん、検査結果が出る前にわかるかいな。わかる前にこたえる医者はおらんよ。

ネットで現役のドクターが回答してくれたにしろ、検査結果を持っていない状態では、「この症状なら最悪は癌でもあり得ます」としか答えようがないだろう。

質問者は「この症状なら癌はありません」と言ってほしいのだね。
質問者が質問をするのは不安を解消するためだろうと理解はできる。ただ、330円でその答えが返ってくると思わないほうがいい。医師はデータなしで答えるような職業ではないから。

医者のお答えは「検査結果を待ったほうがいいでしょう」とか「癌も考えられますが検査結果によります」に決まっているわけで、質問をするだけ無駄だと思う。330円で不安の解消をしようとしたあなたがアホなのよ。
酒でもかっくらって検査結果がでるまでバカ騒ぎをしたほうがよっぽどましではないか。

「抗がん剤XXXでも効果がみられません。他の治療法はありませんか?」とう質問は非常に多い。ステージ4で肝臓とリンパ転移があって手術が不可能という症例に「ほかの治療法はないのですか?生体肝移植はできませんか?」という質問者もあったな。
癌のステージと転移の理解がないのね。

おばちゃんがすっご~く不思議なのは、ステージ4以降の質問者のほとんどが「本人の意向は知らない。少しでも治療をできる方向はなにか」しか聞かないこと。
「本人が望む積極的治療以外の選択肢」をまず本人に聞いてみてから質問をしたらどうか?積極的治療はもういいっていうかもしれないし。ステージ4なら緩和治療でどこまで痛みを止められますかとかね。

娘さんだが、「治療はやめてこのまま本人の希望通り好きなことをさせてあげたい。私は間違っていますか?」というのは600例中たった一人だけだった。
日本では本人の意向を聞いてそれを尊重するという傾向がないのはなんでなんだろう?

癌と診断されたら戦うのが正義!一秒でも生きるのが理想!苦しくても抗がん剤!が日本の常識なのだろうか?
そんな人の常識、どうでもいいやん。

日本では「がん難民」という民がいるらしい。
https://gansupport.jp/article/support/support02/13039.html
―国立がん研究センターの資料では、がん難民は次のように定義されている。
「〝がん難民〟とは、がんが進行して抗癌剤等の積極的な治療が受けられなくなり、主治医から見捨てられたと感じるときや、現在自分が受けている医療に満足できないと感じるときに使われる言葉――

①標準治療もしくはそれに準ずる治療が尽きて、他所に移って欲しいと医師から告げられるケース。日本では入手しにくい治療薬を求めて走り回る。重度の心臓病や糖尿病などの合併症を持っている患者さんの受入れを拒絶

②がん医療の地域格差によるもの。薬治療、緩和ケア望む治療を求めて

③病状が急性期から慢性期へ移行して、他の施設へ移って欲しいと要請され、受け入れ先がなかなか見つからないケース。

④病状説明や治療方針の選択で医師に不信感を抱き、患者さん自らが自分の考えに合った医療機関を求めて探し回るケース

これを難民と呼ぶのか?
死なない人間は聞いたことがない。誰もが死ぬんだけど死んだらそんなにいけませんか?
積極的治療でできることがもうないなら、あとはできるだけ楽に人生を全うしてはいけないんですかね?

抗がん剤で食欲がなくなって食べたいものが食べられなくなるより、自分の食べたいものを少量でいいからありがたく頂戴して、最後は在宅医療で麻酔を入れてもらって眠りたいね。お棺には歴代の猫のお骨を入れてもらって楽しく旅立ちたい。山あり谷あり戦ってきた人生だったけど病気とはいまさら戦いたくないわ。

蛇足だが
ドクターに聞く前に癌の基礎知識を調べたほうがピンポイントの質問ができると思うよ。

家族に癌の診断がついたら一番大事なのはステージ。
それぞれの癌によってそれぞれのステージの5年生存率も違う。
おおざっぱだが
まず癌が組織の上にある上皮癌ならステージ0、1
粘液層に食い入っているかステージ1
筋層に浸潤するかーーステージ2
他臓器に浸潤があるか リンパ節に転移があるかーーステージ3
遠隔転移があるかーーステージ4

●原発巣が小さくても遠隔転移があればステージは自動で4にカテゴライズされる。遠隔転移があるステージ4でも抗がん剤が効き、縮小して切除できる場合は4でも予後はましということもあるようだ。
●癌の細胞診の結果により癌の悪性度がわかる。転移・再発も悪性度が参考になるだろう。
●血液の癌に抗がん剤はよく聞くが、切除ができない症状で抗がん剤の根治は望めないことが多いよね。抗がん剤で不快な数か月を伸びたと考えるかどうかは本人次第。
●医者が癌を「切った」というときは「目に見える」という単語が省略されている。

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