65歳にしてピアスをする

そういえば、お前は金属アレルギーじゃなかったっけ?と、おじちゃんが聞いた、山を下っている途中に。

そうです。
金属アレルギーです。
35歳の時に、肝臓を壊してアレルギー・マーチが進行した。
乳液もハンドクリームもニュートロジーナは全滅して、シャンプーも髪染めもヘナ髪染めさえダメになった。夏場にファッション・アクセサリーのネックレスをつけたところ、汗で金属と反応したようで首周りの皮膚に黒い色素沈着がついてまるで絞殺死体のようになってしまった。1か月取れなかった。

以来、服の上からネックレスをつけるとか、14K以上のアクセサリーなら問題がないことが分かっている。ステンレスも大丈夫だ。
病院で装着するピアスはステンレス製のようだ。だから多分大丈夫であろう。かぶれたら外せばいい。

近くの整形外科にピアッシングの予約を取りたいのですが、と電話で言うと、受付はどなたかピアスがしたい方がいるのですねと聞いた。イヤ、ピアスをしたいのは私本人です。
電話の声というのは年がばれるものだ。

姪っ子がOCに遊びに来た時に、ピアスをしたいというのでモールのアクセサリー店に連れて行った。店員が姪の耳たぶをちょっと消毒したと思ったらぷすっと穴を開けあっという間に終わった。30ドルちょっとだったと思う。
アメリカでピアスの穴開けというのは気楽なものだった。
アメリカの赤ん坊は赤ん坊のうちに女の子はピアスして、男の子なら1~2か月で割礼手術をしたと思う。全員ではないが。訳が分からないうちにやってしまえば楽よって。

シミ取りとボトックスは何度もやったがピアスは思いつかなかった。
若い女の子よりも白髪ショートのおばあちゃんの方が、なんだか大きなビアスも似合っているような気がする。若ければピアスのキラキラなんか借りる必要がなくて肌も若さにあふれているから。

消毒とピアスの準備をした看護師さんも実際の施術を行う医師も
「なんか、心境の変化でもありましたか?」とおばちゃんに聞くので(3回目だ)、やりたいことは今のうちにやっておこうと思いまして、と述べると、なま暖かい笑みと賛同を頂いた。

よくよく考えてみると、近頃、老化がとみに進んでいる。
抜け毛以上に髪がやせてボリュームがずいぶん減った。肌がくすんで張りがなくなった。61歳までは老いの姿をさほど意識せずに済んだのに、62歳を過ぎたら膝小僧に皺を発見してすごくショックだった。その62歳を境に老化が進むという記事を発見して、なるほど統計通りに着々と老化が進んでいるので、ある意味統計は正確だと感心した。

いよいよ先生がピアスガンを構え介添えの二人の看護師が「先生、もうちょっと上、横、横です」先生はおとなしく看護師の指示に従いバチンとピアスを打ち込んだ。無事完了である。

両耳から頭のてっぺんにかけてつ~んとする。厳寒の野外で吹雪にさらされたら耳タブがつじ~んとするような感じ。

一か月後にステンレスを外した後につけようと思うピアスはオンラインですでに購入した。
18金なんてタカイ・タカイとおじちゃんがつぶやくので、とりあえずSheinでファッション・ジュエルだ。
色もデザインもとりどりなので選ぶのがめっちゃ楽しかった。

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変身したい

ピアスの穴を開けに行こうかと思う。

お婆、65歳過ぎやないけぇ。今さら何を考えとんじゃぁ?!
来年66歳でおます。それがどうした。

アイ子ちゃんともよく話すのだが
・人生やりたいことをやる。
・新しいことに興味を持つ。
・新しいことを試してみる。
・できなくなったことはくよくよ考えない。
とか、いろいろ続くのだが、近頃、冬の時間はたっぷりあって、そのくせ庭は休眠に入ってしまう。
気温が低くなると外出もおっくうになって、コタツムリで動画をあさるのも倦んでくる。
ムンク」の「叫び~」みたいな気分になってくるのだ。

そうだ!気分を変えたい。身なりを変えてみたい。美容院で髪型を変えてみようか?ショートにでも?とおじちゃんに提案した。
おじちゃんも私も前世紀からポニーテール一本。

お気に入りの美容師さんが東海岸に行ってしまったり、ある人は日本に帰国するということで行きたい美容院が少なくなってしまった。

その後起業して美容院に行く絶対的時間がなくなった。
通勤を含む仕事時間が13時間睡眠時間が8時間。残った時間が3時間で食事とその他を済ませる。社交時間はゼロ。そんな生活だと美容院に行く時間が惜しくて惜しくて、2005年12月から美容院に行くのは諦めて、お互いの髪を切りっこして済ませてきた。

いま時間はたっぷりあまっている。日本の田舎は美容院と車屋はよりどり見取りだ。プロの美容師なら毛先をきちんとそろえてくれるだろうし、髪染めもうまいに違いない。
おばちゃんは自分が提案したにも関わらず、なんだかいまいち気分が乗らない。

何故か考えたら、一ぺん行ったら3か月ごとに美容院に行き続けると思うとなんだか面倒くさい気がする。歯医者のチェックはおっくうでないのに。
あれこれ注文を付けていいのだろうか?仕上がりが気に入らなかったらどうするのだ。チップはいくらか払うのか?そんなことを考えているとますます気分が乗らなくなった。

もしおばちゃんがショート髪の素敵なシニア化に失敗し、老けた和田アキ子になったらどうするのか。おじちゃんもそんな予想を思い浮かべたのかもしれない。知り合った19の時からずっとロングヘアだったよ。(ショートだと後ろ姿で男と間違われるんや)今更ショートにしなくても。

なんだか変身願望は不発ですっきりしないままNetFlixで前から見ようと思っていた「The Old Guard」を見た。
これぞ私の見たかったかっこいい女
Charlize Theron!

もともとこの人の顔がむっちゃ好きなのだが、The Devil`s Adovocateではブロンドのあどけなくキュートなキアヌの妻だった。NYにキアヌがヘッドハントされた後は弁護士の専業妻としてだんだん神経を病んでいく。舌ったらずな英語で泣き窶れていくキャラは“役”なんだが、なんか違うと思っていた。この人はあどけなく美人なだけの人ではないのではないか。

そこでThe Old Guardである。
クールで冷酷で強靭これぞ私のヒーロー。
ブルネットのショートヘアーは戦う役にピッタリである。後ろ姿はほっそりとした青年とも見える。おばちゃんの体系みたいな。

白人の頭は長頭でショートにしてもカッコいいが、昭和生まれの日本人おばちゃんの頭は絶壁なので、後頭部にボリュームを持たせて刈り上げるとか、、。
あかん、ますます和田アキ子化しそうだ。

ショートヘアでも女性とわかるものとか、、、そうだピアスがあるではないか。
若い時はバイク乗りだったのでイアリングをつけるとメットがかぶれなかった。だからピアスをつけることは考えたこともなかったのだが。
美容院はちょっとペンディングにして、先にピアス穴を開けに行ってみよう。ぴらぴらしたピアスをつけてみたかったのよ。

追記

検索して見つけた近場の整形外科に電話をかけて、ピアス穴を開けたいのですがと言うと、どなたか知り合いの方がいらっしゃるのですね、と受付に言われた。
違うわい。アタシが行くんや。

平成はなかった 時空ワープの話

勢いで買ってしまった4Kテレビはどうかと言うと、

でかい。
43インチだと思っていたフナイは実は50インチでテレビ台にぎりぎりだった。
朝のニュース番組で華やかな色とりどりのスタジオのセットは「造花」だ、とわかるほどに鮮明。リチャード・ギアってこんなにのっぺりしてたっけと不思議。

テレビでは水谷豊の刑事ものが映っている。
4KテレビになってからはCSとBSのチャンネルが増えたので、おじちゃんのセレクションはさらに増えた。その他の刑事ものを見ているがその中でも見覚えのある俳優が主役だ。三浦友和とか、野際陽子。背景や髪型がやや古臭いのだがおじちゃんとおばちゃんの記憶にある三浦友和そのまんまである。

30年近く間アメリカ暮らしでその間帰国したのは永住権が取れた時と、母の葬儀だけだったから合わせて日本滞在は3週間ほどしかない。おじちゃんとおばちゃんにとって日本の平成時代は存在しないのだ。アメリカ渡米前の記憶は昭和時代しかない。

昭和の日本から90年初頭のアメリカに飛んだときTVシリーズは Cheers や再放送のTaxi DriversでSabrina, Buffy, Seinfeld,そしてFriends!である。Mathew Perryが亡なってしまったのはつくづく悲しい。

それから30年の時空を飛んで日本に帰国したので浦島さんになるのはしょうがない
どうしても理解できない日本の仕組みとか、触ったことがない物とか謎の物は出てくる。古くはPHS、プリクラ、ナナコ、スイカ、CS、BS、スカパー、QRコード、クオカード、話だけ聞く2000円札とか。

ところが、おじちゃんがリモートを握ってテレビをCSだかBSに変えると記憶にある俳優さんたちが記憶のままで出てくるのだ。そうそう、この人はこんなだった。今でも生きていらっしゃるかどうかはわからない。

おばちゃんたちに平成は存在しないので日本の記憶は昭和に直結している。
横浜のラーメン博物館に行って昭和を再現した館内が懐かしかったが、日本の方が思う懐かしさとはたぶん違っていたと思う。おばちゃんたちの記憶にあるラーメン屋さんと言うのはたいてい場末であのまんまだった。

わたしたちは日本の時代とともに歳をとっていない。
日本の俳優さんやアイドルや歌手が自分と一緒に年を重ねてきてない。平成を飛び越えてしまったので、俳優さんや歌手の現在の姿を見ると大変なショックでのけぞりそうになる。

ちょっと、舘ひろしさんどうなさったの?相棒さんがいたはずですが、どこにいらっしゃるのか?
うまく年を取っている方もいるが、人はやはり元アイドルであろうが歳の取り方はそれぞれと言うほかはない。

おじちゃんがほとんど4Kテレビのリモートを握っているので最初のセット以外テレビをいじるチャンスはなかったが、おじちゃんがバイトで留守にしている間にNetFlixのアカウントのセットをした。
NetFlixもYouTubeもまだ見ていない。二人の好みが違い過ぎるので。
おばちゃんは相変わらずThinkpadで動画を見ている。

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Young Sheldonが面白い

NetFlixのYoung Sheldonが面白い。
時代は80年代の終わりから90年代の初め、テキサスの天才=ギフティッドの少年のTVコメディシリーズ。
シリーズは90年代初めの設定だが制作は2020年だ。
リビングに置かれた木目調のブラウン管テレビはいかにも古ぼけてジャンクヤードで探したんだろうかと思う。そのテレビに映っている番組はBaywatchPamela Andersonが揺らしながら走ってくる奴である。

花柄の布のソファ、クリーム色の地に花模様の壁紙にチェックのカーテン。キッチンキャビネットはオークルでカウンター・トップと壁は白のタイルだ。キッチンの壁掛け電話。床まで届きそうな長いコード。

お父ちゃんはフットボール・コーチでフォードのピックアップ・トラックに乗っている。
コンピューターは5.1インチのフロッピーがついてる。RadioShackが最新の電子機器スポットだった。音声カプラでネットワークに接続するのだ。

ディーンエイジャーのチョーカー。 シェルダンがhush puppies のpenny loafersは履きたくないって靴屋でダダを捏ねてる。おお、なんと懐かしいHush Puppies! 音楽も80年代後半のポップ。

こましゃっくれた天才少年が巻き起こすトラブルin Texas 
おばちゃんはすっかりうれしくなってしまった。テロの恐怖もなく後ろから追われているような切迫感がなかった時代。このショーを見るとコンピューターの発達とネットがアメリカ社会をものすごい勢いで変えていったんだとよくわかる。当時の情報は図書館と、本と、YellowPageと電話だったのよ。

おまけにテキサスの訛り!
口に飴玉を含んだまま「ビビデ・バビデ・ブー」って言ってるような英語。渡米した当時のおばちゃんは聞き取りにくくって、飴玉かなんかしゃぶってんじゃないよ。何言ってるのか分かんないじゃない。むかついたのだが、今聞くと訛りはいかにもテキサスのおじちゃんおばちゃんらしい。

テキサスの国技はフットボール。主食は肉とメキシカンフード。ビールはテキサス・ビール?

シーズン3でなんとRebaが出てきた。立派なおばあちゃんになって!
そういえばRebaもテキサス英語をしゃべる女優さんだった。90年代はヘア・スタイリストの役でドライヤーを銃のように腰にぶち込み、立て板に水のようにしゃべって相手をぎゃふんと言わせるお姉さんだったのに!
すっかり婆ちゃんになって。見ている私も婆ちゃんになっちゃったんだが。

シーズン4続編はいつリリースなんだろうか、楽しみ。

米国年金の秘密3

12月に入って今年最後の米国年金の振り込みがあった。
FRBは年内これ以上の利上げを行えないだろう。利下げ予告はまだないが、ドルは下がり始め年金の振り込みレートは$147.23で終わった。

おばちゃんのシュミレーションシートは来年の2024年用にアップデートした。もし、米国からリタイヤ帰国を考えている人がいるなら次の表は日本生活の参考になるかもしれない。

ただ、おばちゃんは帰国してから全く知らない日本の税制や特殊用語を解読しながら自分の条件だけ(夫婦二人65歳以上年金収入 という超特化型)でシュミレーションシートを作ったので、一時所得や雑収入が多い人には対応していない

それと所得税のブラケットと計算方法はちょっと怪しい。
それでもオンライン上の税金シュミレーションサイトで試して大きな違いはないから、もし来年の確定申告で間違が判明したら関数か数式を修正しよう。

住民税と国保介護保険は6月の納付書を待って間違いを修正できる。これらの料率は自治体によって違い、日本では都会の方が安い。
日本の田舎に帰国予定の人はおばちゃんの料率と同じようなものだろう。日本での生活費の見当がつかない人は、おおよその目安だと思ってほしい。
注意することは米国年金は毎月振り込みの為替レートが違うので確定申告用に記録しておく必要がある。


まず、収入:日本の年金と米国年金
日本の会社の駐在で米国で働いていた場合、日本の厚生年金と国民年金は払っていたはずで、たとえ10年に満たなくとも日米年金協定があるから払った分は支給がある、はず。

とりあえず、シュミレーションの米国年金はサンプル額、夫2000ドル、妻1000ドル仮定
日本年金は夫4万妻2.5万と仮定

赤丸囲ったセルは入力用―自分の数字を入れるわけやね。
②$の点線セルに為替レートを入力すれば円換算して年収、月収を算出する
所得税計算の赤丸に控除額を入れれば所得税を自動計算させる
●住民税と国保・介護保険は日本の田舎 3級地として計算させる
右縦長表は自分の生活費の入力用
●公的年金控除額、所得税控除額、給与所得控除額などの表は関数用の参照テーブル 関数がわかんなくなったらここから参照させればよいし。

計算式を入れたら入力用以外のセルはロックしよう。

自分の数字の入力が済んだら、ドル為替レートの数字を次々に替えてみる。すると税額と社会保険料が変わっていく。

次は為替レートの変化に収入と税社会保障費を対応させた早見表である。

ドルと円の適正価格はどの辺が妥当かというと、おばちゃんの感覚では105円から128円くらいの間が一番ありそうで、2024年は130円前後で行きつ戻りつするのではないか。

1ドル80円を切った2009年リーマン・ショックの時代と違って、現在の円の価値が衰えているので、来年FRBが利下げを始め世界が不況に陥っても100円を切ることはまずないのではないかと思う。

例えば大変動が起こって100円を切ったとしてもその分税金は安くなり国保・介護保険料軽減税率が適応されるはず。下表の数字よりもずっと低くなる。(軽減税率は自治体によって違うのでもう面倒くさくて関数と計算式で対応できないわ)
ドルが安くなり過ぎたら、時間だけはたっぷりあるだろうから働けばいいよ。

最後は年金累計・受給総額のシュミレーションである。
米国年金はCOLAインフレ加算制度があり、さらにドル為替の変動があるから COLAの%為替の数字を様々に試してみると面白い。

おい、婆!これはただのイメージ表やないか、エクセルでも数式も入ってないやないけ?!
そうだす~。
あれこれ考えながらエクセルに計算式と関数を入れんのが楽しいんやないかい。
自分でも作ってみ。ボケ防止になるでぇ。

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底引き網

マイクロソフトを買う

アメリカの年金を申請する

安定の銀

不況に強い資産は貴金属である。
FRBの発表も為替でも安心できるニュースがないので、おばちゃんは不況に耐える有効な資産を考えていた。金はとっくに上がり過ぎている。が、貴金属は金だけではない。金があれば銀がある。

そうだ、銀は昔から非常に安定していて今でも手を出せる余地があるのではないか、、、と考えを巡らせているとリビングの壁に掛けた額縁に目が止まった。
おじちゃんのコイン・コレクションであった。

アメリカの1ドル銀貨のコレクションである。
渡米してから少しづつ集め始め40~60枚たまったのを帰国して記念に額に入れて飾ってあったのである。銀貨だ!そこでおばちゃんはピコンとひらめき、おじちゃんのコレクション額を外した。

黒のフェルトに並べたアイゼンハワーの1ドル。でっかい奴。メキシカンがよくベルトのバックルにもしていた。チャンピオンベルトみたいなのね。おじちゃんも持ってる。

ポカハンタスみたいなネイティブアメリカンが赤んぼを背負った赤銅色の1ドル。これだけは色が違うのだ。金?金ではないと思う?ずいぶん軽いから。Sacagawea2000年
それから硬貨の縁取りがあるジョージ・ワシントンの1972

試しにSacagaweaをEbayで調べてみると、、、なんと1枚1900ドル。おばちゃんは一気に舞い上がってしまった。Sacagaweaは8枚あるのだ!軽~くもう一軒、屋根が吹き替えられるではないか!

アイゼンハワーはどうだ。何せ一番でかくて重いのだから。1976年。Ebayでは1850ドル、楽天では45万という値がついている。これはとんだお宝を秘蔵していたものだ。20枚以上あるから総額でいくらになるのだろう?

そうだ、本職がいた!
K子ちゃんの旦那のDavidは趣味がコイン収集でWebも持っていたし、テキサスではコイン商で働いていたと言っていたではないか。今は沖縄なのでLineで質問を送ってみた。
返事が返ってこないので、待っている間ネットで情報を深堀することにした。

何やらMint マークとやらがあるらしい。DとかSとかMintマークなしとも。ふむふむ。Minted鋳造 Dはデンバー鋳造、Sはサンフランシスコで、マークなしはフィラデルフィアで鋳造されたものだという。
おじちゃんのアイゼンハワーを拡大鏡で見ると、首の付け根に確かに小さなDの文字もある。もう間違いなし、。

でもしかし、おじちゃんがこんなお宝を買えるほど小遣いを沢山やった覚えはないし、はて、本物だろうか?メッキだといつか言っていたような気もするし。

するとClad コインという解説が出てきた。1965年以降、米国で流通するコインはすべてCladコインだという。

えっ?


Clad つまり張り合わせ
数種類のメタルを張り合わせたもの。べニアか!!!!
べニア仕立てのコイン。本物の銀かどうかはコインを積み重ねてエッジを見てみるとよい、と解説にある。本物の銀の場合は白い。そうでない場合はべニアのような重ね合わせの層が見える。

おばちゃんの期待はここですっかりしぼんでしまった。おじちゃんに小遣いをやってなかったから高価な記念硬貨を買えっこないはず。
が、念のため20枚以上もあるアイゼンハワーを積み重ねて横から見てみた。
すべて茶色と鈍色の縞々だった。

ポカハンテスはどうだ。改めてみてみるとポカハンテスにはがあった。銀や金どころか錆のくる金属みたいだ。
見てくれはEbayのお宝コインとそっくり同じなんだけどなぁ~。

ダメ押しでDavidからくるLineの返事。
アイゼンハワーはごく普通のだよ。額面の価値があるけど。1971-1978年の場合はプレミアがいて10セントくらい高くなるかも。
―だって。ダぁ~~~。

おじちゃんがバイトから帰ってきたので、かくかくしかじかとコインの価値を知らせると、おじちゃんは、だからメッキだっていったろ?でも確か1枚だけ本物の銀貨が入っていたはずという。同僚がくれたんだという。同僚がタダでくれるものが高いわけがあるまい!

全部のコインをもう一度見てみたらエッジが白く光るクオーターがあった。調べてみると価値は5ドルから7ドル50セントの間らしい。馬鹿野郎!

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駐在員時代

”会社は家族” 説が崩壊した日

カリフォルニアを走る

2024年リセッションは来るのか

11月15日 ドルの為替レートは天井をついたかもしれない。
アメリカのCPIは10月で若干下がり、失業率はこれから上がりそうな予感がする。アメリカ国民のカード残高はリーマンのリセッション時代を上回りそうだ。開戦前夜のような邪悪な気配がヒタヒタと忍び寄ってくる気がする。

おばちゃんは小売業でサブプライムのリセッションからのサバイバーだったが、あの時の絶望感はよく思い出す。日系新聞や日系コミュニティ・雑誌に売りビジネス広告がずらりと並んだ。誰も買い手はいないのに。借金がなくて体力(資金)があるビジネスが生き残った。おばちゃんは持ちこたえたが、リセッションのさなかで小売業を営むなんて地獄の修業は二度とやりたくない。

小売業をやっていると客の支払いは常にクレジット払いが現金を5%以上上回る。現金とクレジット払いの割合が逆転したのが2008年の9月。あれ?おかしいなと。
Go Back to School期にしては売り上げ減が長引く。客の呼び込みのために内装のリモデルを計画し、同じことを考えていた同業者と業務問屋で鉢合わせした。

何かがおかしいと思いつつぬかるみに沈み込んでいって、気が付けば客のクレジット支払いよりキャッシュの支払い割合が逆転していた。
客のクレジット限度額がいっぱいになった結果だったのだ。

周りを見ればショッピングモールの隣のビジネスも水面下であがいていて、顔を合わせると愚痴を言うのだが、未来が見えない恐ろしさに目を背けてこの不景気はそのうち終わる、何とか持ちこたえればとオーナー達は自分で言い聞かせていた。

過去のアメリカの不況はどうだったのか。
2009年当時、おばちゃんは恐怖を薄めるために統計を調べた。
プライムレートや国債の利率、CPIや失業率をグレート・リセッションの統計数字と比べた。自宅の価格を毎週Zillowでチェックした。 どんな不況もひどいのは正味3年くらい。統計と売り上げを分析しながら歯を食いしばって3年。持ち直したと思ったのが2012年だった。

2021年カリフォルニア・OCでコロナの死者が30万人を超えたと知ったときに、これは大変な恐慌になるのではないかと震えた。
アメリカ経済はよく持ちこたえたあとインフレに襲われ家も車もエネルギーも高騰した。給料は上がるが物価には追い付いていない。ただ仕事さえすれば家計は回ってきたのだろうが、そろそろクレジットの限度額に到達しつつある。

アメリカでも日本でも正反対の分析を発表するアナリストがいる。
●失業率が低どまりだからアメリカの経済はソフトランディングに持っていける。今はリセッションではない。

●リセッションはそこまで来ている。すべての数字が危ない。備えるべき。

どちらの分析も納得できる点はあるのだが、おばちゃんの気がかりはアメリカ人のクレジット残高。14兆円?高沸した物価。

これから一気に消費が落ちそうな気がする。小売業が傾くので、その後に来るのはレイオフ。ビジネスが生き残るためにレーバーを切っていく。

失業するとローンが払えず、しかも不動産の価格は下がり、家の評価額がローン残高を下回るようになるとフォー・クロージャーが増える。さらに不動産会社が倒れる。

2009年の時は首を切られたパートタイマーが、ホリデーシーズンのTempセールス要員に殺到したが、募集人数も多くなかった。Thanksgivingと Christmas商戦はしけた花火のようで人は不要な買い物を控えた。

2023年10月統計は失業率が全米で3.9%と低い。カリフォルニアは4.8%。11月からアメリカはホリデーシーズンになる。Thanksgiving あとのBlack Friday、 Christmasセールと White Sale, 年を越してNew Years Dayとホリデーは続くのだが、年内のホリデー消費が伸びなければ消費低迷が露わになって、来年は小売業からレイオフが始まるかもしれない。

ローレン・バフェットのキャッシュ残高が最大になったという。
体力があるビジネスだけが生き残る。最悪のリセッションがやってくるのだろうか?おばちゃんはおっかない。

日本でどこまで影響を受けるか。ドルがどのくらいまで下がって、円も落ちるとしてどこで均衡するのか。
恐慌なんかできれば来てほしくない。切に切に祈るおばちゃんである。
人差し指を重ねてソフトランディングを祈ろう!

テンと私の闘病記

テンのFIPウイルス薬の量はさらに減って10mg/体重になった。
これで1週間異常がでなければ治療終了となる。

ウイルスへの“とどめ”として最後の2週間にMutianを使いたかったが、ドクターから却下された。半端に使用すると薬剤耐性がついてしまうので、使うなら6週間から12週(標準投薬期間ね)、そうでなければ使わない。

そうか、それではMutianは再再発したときの切り札として使うしかないわけだ。
先日Mutianは無事クリニックに届いていつでも処方が可能のようだ。小さな安心だ。

ちなみに1週間の薬代はおおよそ今のモルヌの2倍だそうだ。再発の場合は、6週間処方と検査費用を込みで40~50万を覚悟する。
テンは毎日、シオンの後を追っかけてからんでいこうと走り回っている。
テンよ、逃げ切ってくれ~

次の日は私の検診日。胆のうがんステージ2 拡大手術でリンパ節と肝臓の3分の1を切除済。
朝いちで血液検査を行い、診察室に呼ばれる瞬間が一番いやだ。

ドクターは(体調)はどうですか?
おばちゃんは、(血液検査の結果は)どうですか?

乳酸値が高いほかは100点満点だそうだ。ガンマーカーも異常なし。
食後に右わき腹がどんより圧痛があるのはなんでなんでしょう?と質問すると

ドクター:みぞおちは?みぞおちなら胃の検査をした方がいいから、
わたし:いやいや先生、胃の内視鏡は手術の前にやったじゃないですか。みぞおちじゃなくて“右・わき・腹”胆のうがあったとこ!

ドクター:腸かなぁ?
わたし:えぇつ?腸?右わき腹ですよ?
ドクター:だって、何にもないもん。

そういわれればそうだ、あんたが胆のうも肝臓も切ったからわき腹には内臓が無い。でもなんでか時々痛むのよ。胆管が残ってんじゃないの?でもドクターに思い当たることがなければ異常ではないのか。

わたし:時に、先生、刺身はもう食べていいんですか? 
ドクター:かまいません、食べていいですよ。次の検診はCTが入りますから。

お付き合いで刺身を食べられなかったおじちゃんも喜ぶだろう。清水港のお魚館でマグロを食べずにおにぎりを食べたなんて悲しい思いをせずに済む。

わたし:ねぇ先生、そろそろ来年で胆のうガン術後2年ですけど、再発のリスクも下がりますよね。
ドクター:まあ、そうですね。リスクは下がります。

このままおばちゃんも逃げ切りたい。

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また、ロシアン・ルーレットの時期になった。
3か月ごとの検診である。おばちゃんは胆のうがん切除後の保護観察中で3か月ごとに病院に出頭するのだ。再発の危険度が一番高いのは術後の2年。この2年を乗り越えられれば再発のリスクは年々下がる。

5年過ぎてポコッと出る再発は遅発性再発で単発のガンに近いから外科手術でとれるものなら大事にはならないかもしれないらしい。

4種類のガン・マーカーの値は上がったか?下がったか?
あみだくじの先が出口のA案にいくのか、あるいはさらに迷路が続くのか、血液判定の時期が来たのである。

嫌ねぇ。最近右わき腹がどんより圧迫感がある。だるい。体重は増えたけど。
ガンで体重が減るのは、進行度が進んでから。胆のうがんが発覚したときは、おばちゃんの体重は帰国後3キロ増えていて最高度だった。体重なんかあてにならない。

Yahooの記事でーー
ドクターが、ガンは切っただけでは終わりではないです。3か月ごとに検診をして5年無事に過ぎたら完治したとしていい。3か月ごとのチェックは嫌な気持ちで、検診の前にはあちこち具合が悪くなり、検診の結果異常がなければ具合がよくなる患者さんもいます。― ー

ぇ~~っ。おばちゃんのことではないか?
血液検査の結果が出るまではみぞおちが痛んだり背中が痛かったり。
結果が異状なしとわかると、メンタルのせいだったんだと痛みや不快感が飛んで行って心が軽くなる。

メンタル再発だったか、、。3か月ごとにこの過程を繰り返すのは正直楽しくない。帰国・移住生活も落ち着いてきたのでできれば穏やかに生きたいが。

おばちゃんはコタツむりになると、ネットにちょいちょいコメントを書いたりしたのだが、先日

「あんたはいいね、幸せ自慢?」とリプライがついた。
リタイア後の生活は予算が許す限りでいろいろやってみようよ。と書き込んだだけである。

幸せ自慢に感じられたなら、それは幸せだからだ。
従業員に給料を払うために毎月きっちり利益を出さねばならないプレッシャーがない。セールス・タックスやビジネス・タックスを払う必要がない。なにがなんでも朝起きて出勤する必要がない。

助けてくれる人は自分とおじちゃん以外にいなかった。そんな背水の陣みたいな重圧がなくなって、自分の時間を自分で使える幸せがあって、邪魔されないで自分の畑・庭を作れる幸せがあって、ついでにガンの再発のリスクがあっても、病気の猫を抱えていても、今が人生で一番穏やかで幸せだと思う。

自分で人生の決断をしてこなかった人、自分で責任を取らなかった人、人生がうまくいかなくて自己憐憫に陥って他人が憎く見える人。残りの人生も後悔と妬みにさいなまれて送るのだろうか?

大リーガーの大谷が「憧れるな」と言ったらしいのだが、よくわかる。
人は「憧れ」という熱い思いだけで何となく心が満たされて、“自分の“憧れに向かって努力するのを忘れてしまうから。

憧れも後悔も同じ。
そんなことを感じている間に努力せいや!戦え!と大谷君は言いたいのだ。憧れるより自分の夢を追え!自分の夢を実現せいや!
アメリカで戦っている大谷君はアメリカの子らしくなった。

幸せは自分でつかみ取るものだ。
自分の頭で考え自分で決断する。戦って自分で勝ち取るものだ。

血液検査のサイコロがたとえ「凶」に転がっても、おばちゃん、やらねばならないことをやってきて後悔はない。ガンとは戦わないが、おじちゃんと猫たちが幸せに暮らしていけるように準備をするだろう。病気のテンを寛解にもっていき、家を修理し、山に知り合いを増やしおじちゃんが安心して暮らしていけるように生活の軌道を作っておく。

サイコロは3か月に1回振る。あと16回。

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告知

異色・入院雑記

総武本線 内房まわり

百年に一人の悪妻

本人訴訟 外伝 ジャッジ・ジュディ

言語の混線

古家、屋根の張替え始動2

不動産屋のKさんがまた見積もりを手にしてやって来た。
よかったですね、切りがいい数字にしてくれました。

よかった!数万円浮いた。
家のリフォームで町の補助金が出ないかと調べたのだが、建築年が昭和XX年以前なら町の指定建築業者で耐震診断書を出さないといけない。
考えてみればわかる。耐震構造にもなっていない家に補助金を出して地震でつぶれれば、補助金を捨てたことになる。だから町は耐震診断書を出させるのだ。おばちゃんの古い家にはそんなもの出るわけがないので自腹でやるしかないのだ。

おじちゃんが心配していることが一つある。
屋根の吹き替えにはテレビのアンテナを一時撤去するはずだが、そうすると工事中はテレビが見られないのではないかという疑問である。

Kさんに確かめてみると、やっぱりアンテナを下すんだからテレビは無理でしょう。でもネットを光にしてたら有線が家まで来ているから、いっそテレビも契約に追加したらどうですか?と言う。そうしたらアンテナなんかもう必要ありませんから。

そういわれればそうだ。
光ケーブルで固定電話とネットを契約しているから電話して聞いてみよう。すると工事は3週間ほど待つそうだ。

ここから夢が広がり、いっそスマートテレビにしよう、NetFlixをテレビで見られる。電気店によれば今の東芝を下取りしてくれるという、500円で。リサイクル料5000円を支払うよりはましだ。

一番先にテレビ契約と工事を済ませてしまい、それからスマートテレビに買い替えて屋根の吹き替え工事中もおじちゃんはテレビを見ていられる。

不動産屋のKさんはなんだかウキウキしていて、今はXXXさんの別荘の後始末をしてるんですという。XXXさんはおばちゃんも日本のテレビで見たことのある人である。ご高齢で現役を退いて山荘を売却し、Kさんは中身の処分に頭を悩ませている。

値打ち物はすでにご家族が引き上げた後だが、おびただしい衣装や用品を始末せねばならないらしい。スパンコール付きの衣装などちょっと引き取り手もないので困っているんです、と嬉しそうに言う。
はは~っ。なんだか楽しそうだ。

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