しずこころなく花の散るらん

― 願わくば桜の下にて春死なむ その如月の望月のころ - 西行

妻子を蹴たおして出家した自己中の西行らしい歌よね。
4日前の朝、買い物に下る時には、両側からかぶさっている山のソメイヨシノが1分か2部咲き。おじちゃんと、もうすぐだねぇと言い合っていたのに、買い物を終えて同じ道を登ってきた午後には、同じ桜並木が3分咲きか4分咲きになっていた。

あれま、朝より桜が開いてない?山の気温は15度を超していた。
一昨日は20度を超えて桜はあっという間に満開。急がないと。

昨日と今日は天気が崩れて雨交じりで風がある。せっかくの桜が散ってしまう。なんか貴重なものが逃げてしまう感じ。

そういえば去年の今頃は手術だった。
その後切除した胆のうからガンが見つかって、今年の桜は見られるのかどうか、おばちゃんはひそかに危ぶんだのだったが、桜は咲いた。とてもあわただしく。

「春死なむ、」の歌があるから春に死ぬのも悪くないのかも、と思っていたが、この1週間の季節のあわただしさを見て、桜のころに死ぬのは嫌だと 思った。

桜が咲くか咲かないかという頃に、敢えなくなってしまえば、残った者は親族に連絡し、病院から書類を取り、役場から埋葬証明書をとり、葬儀の準備をして本籍から謄本を取り寄せ、家庭裁判所から遺言の検認を受け、銀行を駆け回り名義変更に飛び回らねばならない。

桜?そんなもん咲いてた?
残された者は空を見る心の余裕もないかもしれない。

おぼろにかすむ満月に照らされ、ハラハラと散る桜の花びらを浴びながら風雅に死んでいるつもりなのは、西行くらいだろう。もしかしたら、最後の一杯を傾けているつもりかもしれない。
妻子は後始末に走り回っているというのに!

ああ、そうだった、西行は縋る妻子を縁側から蹴飛ばして俗世を解脱したつもりなんだった。
いい気なものだ。

俗人は最愛の人を亡くした悲しさとあわただしさと浮世の手続きに振り回されている間に、桜は葉桜になっている。
次の年の春にやっと落ち着いていて、そういえば去年はドタバタして桜が咲いているかどうかもわからなかった。あの人は最後の花見もできずに亡くなった。――と毎年毎年 湿った後悔とともに思い起こすのかもしれない。

花見くらい心おきなくさせてあげたい。
というわけで、おばちゃんは桜の季節にアエナクナルのは嫌だな。墓も作らなくていい。

司馬遼太郎が遊牧民族の風俗と墓についてどこかに書いていたのだが、遊牧民族には墓がないと。
司馬遼太郎は描写したのはウイグルかモンゴル辺だったかもしれないが、おばちゃんの脳裏ではもっと西、サウジとかクエートとかの砂漠の民の風習として編集記憶された。

偉大なる族長や一族のヒーローだったリーダーでも亡くなってしまえば、遺骸である。
彼という存在の抜け殻であって本体でない。存在はうつろうもので彼だった存在はそこにもういない。残された者はかつて彼だったものを亜麻布で巻き、砂漠に出て行って浅く穴を掘り遺骸を落として岩で抑える。

砂漠の乾燥した風で遺骸はあっという間に干からび崩れて、彼の墓は砂漠の地にもまぎれてわからなくなる。砂漠はどこを見ても同じような風景で、数年たてば墓なんか記憶にもなくなる。それでいいじゃないか。重要なのは墓でも遺骸でもないから。

さらにどうでもいい蛇足
クリスチャンが家族を亡くして、アメリカでも墓参りをする人はないわけではないが、祥月命日に仏壇にお供えをしたり、お盆に迎え火をしたり坊さんを呼んで法事をやってるわけではない。

あの世の人が金に不自由することないよう中国人は紙銭を燃すが、日本人が紙銭を燃さないからと言って、日系2世のご先祖があの世で金に不自由するわけではない。亡くした家族を悼んで精霊をながしたり空に飛ばしたり。ベトナム人が放上のために小鳥に米をまいたり、アフガンなら墓に嗅ぎたばこを供えたり(嘘ぴょ~ん)なんてことがあるだろう。

祭祀の祭り方は宗教や文化・風俗でそれぞれ。言葉のなまりみたいなものではないか。どれが真理というわけでも唯一の宇宙のルールでもない。

おばちゃんが腹が立つのは、「先祖供養をしないから祟られている、先祖の報い、」とか供養脅迫してくる宗教的押し売り。
腹が立つ。

おばちゃんは自分の家族とビジネスを守るためにユダヤ人と戦ってきた。それでも店を一歩出たら客と自分は対等と思ってる。そういうおばちゃんのご先祖が先祖を祭らないから怒ってるって?ふざけるな。

たかが50年100年先に生まれたというだけの先祖ではないか。おばちゃんが死ねば同じ土俵にあがるぞ。おばちゃんは自分のためだけでなく戦ってきたが、供養をせよというあんたはいったい何のためにどんな風に戦ってきたのか?

子孫の供養なんてあてにするな。自分のしくじりを子孫に償わせようなんて不逞な野郎だ。自分の失敗は自分でもう一度生まれ変わって自分で償え、バカタレ。と言うね。

父も同じような性格だったからよく言った、というかもしれん。でも、おばちゃんのご先祖様たちは、子孫にこれこれの供養をせよ、と要求するような先祖は、多分いないと思う。

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すべては春から始まる

バイトの事業所は来週にプレオープンらしい。

らしい?って言うのは、人手不足のうえに事業所のリノベーションで新規開店と同じ状況だから。マネージャーやらがてんてこ舞いで、それなのに会社上部はオープニングセレモニィを勝手に予定して現場が間に合わないので、細かい予定をパートまで知らせる余裕がとことん無いせい~。

おじちゃんもおばちゃんも初出社がいつかまだわからない~~。とにかく人手を確保するのがまず第一で、年齢もへったくれもあるもんか、既往症があっても生きてるなら働いて!というスタンスなので、おばちゃんも経過観察の割には首尾よくカムバックである。週一だし。
とりあえず週一はおじちゃんが居ないところで働ける。新鮮でうれしい。

気温は下がったり上がったり。円ドルみたいだ。
庭に黒い土が見えると落ち着かない。もっとお花を~~!
その辺の園芸店をさらにせっせと回りまた5ケースほど仕入れてきた。デルフィニウムは涼しい気候なら宿根草らしいのだが、現在の日本では夏が熱すぎて年が越せない。残念だが毎年毎年植えねばならない。
宿根ネメシアも5株に2株くらいしか根を下ろしてくれず、だから毎年しつこく宿根ネメシアを植える。

今年は種も蒔いた。
おばちゃんは初心者であったから園芸店で種を買っては裏の蒔き方もよく読まず、土を掘っては適当にバラまき、強い種ならきっと生えて咲くはず、私は間違ってない。と思ってた。
大いに間違いであった。

蒔いた種はほとんど生えてこず、根性なしが、、とひ弱な種を馬鹿にしていたのであったが、あまりにも生えてこないので、ある時、袋の後ろをよく読んでみた。

今まで思ってもいなかった種の蒔き方が書いてあった。
何やら種を蒔いた容器ごと水に浸せ、土はかぶせるな、と不思議なことが書いてあてあった。たまたま園芸店で2重底になった種まき容器を見つけて買い込み、試しに園芸土を入れてみてまず土にびっくりした。

容器が小さいので、土をいれたら小枝やら繊維やらが山ほど混じっており、なんじゃぁこれは!これではいかん、と土ふるいで土をふるったら、3分の1は枝やら茎やら小石だった。今までおばちゃんはこんな園芸土を袋から寄せ植え用のポットや段々庭に補充していたのか、、、!ショックである。

それから細かくふるった軽やかな春の雪のような土を種まき用容器に満たして、さあ、ここに種をまきましょう。種の中には土で覆われたらイヤンという種があるのである。植物のくせに正気かぁ?
ペンステモンとか、リナリアとか。風が吹いたらどうすんねん?
だから容器には蓋がついているのであった。

こんな手順で種を蒔いてみると、花の種とはいかにデリケートなものか。
小学校の時に理科の観察で蒔いた朝顔とか、食べた後にぶん投げておくと芽が出てくるアボカドとかとは違って、デリケートなお花には、デリケートな土と容器と播種が必要なのであった。

容器はそれほどたくさん買わなかったので、カーペット・ビオラという種が残った。容器もなくなったし、カーペットというくらいなので直播をしてみよう。去年土を入れ替えた段々の一番下に蒔いてみた。袋をガーデンピックとして土に立てておく。それが2週間前。

今日の午後からは集めた苗の植え付け。今日は18度もあったのである。
デルフィニウムを植えて、ジキタリスとカンパニュラを植え終わって、球根類のカバーであるバコパを植えようと段々庭の一番下に行ったらば、そこでもそもそと動いていたおじちゃん。

あんた、また皇帝ダリアを掘り返したのか?
だって、ここ水はけが悪いから、イモ類が腐っちゃうから。

んで、一つ200円でセールだったユリと売れ残りのダリアが植わっていたのだが、カーペット・ビオラの袋がごみとしてぶん投げてある。

あんた、なんでこのビオラの袋を捨てんのよ。
なんでって?ここの土を入れ替えたから。
そばに園芸土の袋が捨ててある。

入れ替えた~? ビオラの種をまいてあったのに?!
ビオラ?そんなものはなかった。
ないはずがない。蒔いたんだから。
何もなかったよ。
っったく。いつもこれだ。

花が咲いてない限り、おじちゃんはみんな雑草にしか見えない。
2本の沈丁花は満開である。2年前に植えた姫こぶしもお隣より早く咲いた。
おじちゃんが百日紅の下に移してしまったエニシダはまだつぼみも緑だ。もしおばちゃんのガンが再発して死んだら、骨は粉骨にして役所には内緒で百日紅の下深くに埋めてほしいなぁ。庭の真ん中で日当たりがいいから。

クロッカスは終わりかけである。エリゲロンはこれから伸びる。うちの子になったリナリアはまだ5センチ。
はよ、大きくなれ。せっかちなおばちゃんは4月が待ち遠しくてならない。

米国年金生活者のリタイア生活

懐がちょっと暖かくなったら猫の紫音がまた調子を崩した。
テン・ジュニアをワクチン接種につれていったら、一人で留守番をさせられた紫音がショックだったみたいでその日からひどい下痢。

次の日には紫音をクリニックに連れて行き、腸内に悪玉菌が繁殖してるそうであった。ストレスが原因らしい。下痢止めと整腸剤を処方されてヤレヤレと思ったら、今度はテンが下痢をし始めた。またクリニックである。用心のために詩音をお留守番させず別のキャリアで連れて行った。

獣医さんは、テンちゃんに移りましたかね?と言ってテンにも整腸剤を処方された。ここ1か月クリニックの常連さんである。検便、点滴、注射、薬に時間外診察料で何枚も飛んで行った。

おじちゃんは毎月振り込まれる米国年金にやっと心を許したか、ATMで頻繁にキャッシュを下す。カードより現金のほうが使用感が嬉しいらしい。

テンは4か月を迎えてやっと1.4kg ここのところの下痢続きで体重増加が停滞している。サイズは普通の猫の2か月サイズ。大きく元気に育ってくれるかしらん。

就職のための健康診断は自費だった。これって普通なの?
心電図まで入ってて夫婦二人分。次の日は車検でまたごそっと出て行った。

寒さが緩んで灯油代は少なくなったが、今年は去年の倍ほど暖房費がかかっている。参考までに灯油代はリッター100円前後で12月1月はそれぞれ3.5万ほど。5日に一度2缶から3缶を補給する感じ。山地は冷えるんだ。子猫に寒い思いをさせられないからね。

そのうえ、テンの毛布やマットの熱湯消毒や洗濯でまた盛大にガスと電気を使った。楽天カードの3月の支払いは平常の2倍だ!2倍! これから暖かくなっていくのがうれしい。

庭に植え付けるお花は春先が一番費用が掛かる。
苗、種、肥料、園芸土、DIY用素材にペイント。家の前を散歩するご近所さんのために寄せ植えを植え替える。楽しんでいただけると嬉しい。

リタイヤ後に全く予定が入っていないと曜日を忘れてしまうのよ。これはホント。
まいにち日曜日だから。
何かに追われることもなければ、せかされているわけでもない日々は穏やかである。幸せだと思う。

9時20分に出勤して確実に利益を出して従業員に給料を払い、税金を払い、ローンを払うプレッシャーを二度と味わなくてよくて幸せ。

声を出しても隣のうちに聞こえる距離でない山で、自家製の大根とブロッコリーを収穫して、気が付いたらできているシイタケを薄切りに汁にいれる幸せ。
2匹の猫が家じゅう追っかけっこをして平和に日向ぼっこしながらお互いを舐めあう。
リタイアして田舎暮らしの夢がかなって幸せ。

お庭を宿根草が咲き乱れるお庭にしたいのよ。
ガウラをメインストリートの両側に茂らせ、ピンクのダーラがレンガの上に咲きこぼれる。ブルーセクションはデルフィニュームとペンステモンを咲かせたい。雨が降ったらブログを書いて、プログラミングの勉強を始めたい。

2週間前の血液検査はがんマーカーはCEAとCA-19ともに陰性だった。
ビルビリンの値も正常。コレステロールも正常値に下がったのを確認したら、主治医がもう一枚の検査コピーを出してきた。

Dupan  
Span と書いてある。
この二つのがんマーカーは結果が出るのに時間がかかるので、前回3か月前のものです。
ほ~ん?!
二つとも数値は正常値に収まっているようである。消化器系のがんマーカーによく使われるCEAとCA-19は100%確実ではなく、陰性でも再発例があるようだ。
こんな隠し玉がまだあったのか。毎回がんマーカーを4つもチェックするのか?!胆のうがん、油断がならんのう。

おばちゃんも少しは欲が出てきた。
年金は振り込みされるようになった。ガウラの小道はまだ完成していない。テンもまだ小さい。おじちゃんの血糖値も高めなのでいい病院を見つけねばならない。幸せな生活をもう少し楽しみたいと、人差し指と中指をそっと重ねるのだった。

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秘境のコメリ

コメリの店舗は秘境にある。
少なくとも伊豆に関しては正しいと思ってる、おばちゃんだけかも知れんが。

伊豆で最初に行ったコメリは、天城峠を越えて地獄の七滝(ななだる)のループを降り、険しい崖路を延々と下って、人家もなければ施設といえば道路標識だけ。目に入るのは山と谷と2車線の道路だけ。

まだ下るのか、いつになったら“どこ“に着くんだろうと心細くなるころに、気持ち穏やかになった道が最後のカーブを抜けると、そこにコメリ河津店が穏やかな伊豆の光をあびて出迎えてくれる。あんな嬉しかったことはなかった。嬉しさついでに河津桜の苗を買ってしまった。6年前だ。庭に植えた桜はまだ咲いたことがない。

2店目のコメリは、伊豆半島一周を思いっ立ったおばちゃんが、沼津スタートで西伊豆から下田、熱海へ逆回り一周することにしたが、走れども走れども17号線は山の中。ナビは一本線が写っているだけ。蝮の頭のあごの先にも抜けられず、今日中に熱海まで回れるのかどうか。

どうも伊豆半島はおばちゃんが考えたより大きいらしい?ということがしみじみわかって土肥温泉につく頃にはへとへとになってしまった。

せめて恋人岬あたりにたどり着かないと、伊豆半島5分の1も回れてないのがくやしくて、でも、山と崖と一本道はもう嫌。暗くなってから同じ山の夜道を引き返すのはもっと嫌。早めに一周計画を中止して遭遇したのが懐かしきコメリ土肥店舗。

3店目は中伊豆
おじちゃんと園芸店やホームセンターをそこら中探検して、街中のホームセンターはお花の値段もそれなりに、、人の懐を狙った値段。チェンソーや草刈り機も庭のお手入れで華奢でオサレなモデルが中心。


おじちゃんはガーデニングよりもっとがっつり農作業よりの機械や道具が欲しい。そういえば、コメリは農家御用達しであったのぅ。崖や峠を越えて西伊豆に向かうのは心底イヤであったが、検索すると中伊豆にも一店舗ある。

行ってみようというわけで、峠を越えて修善寺を斜めに横切って地元民が走る山道を抜けると、山と山の間にぽっかりと隙間があってそこにコメリ中伊豆店があった。
おばちゃんが狂喜したのは、街では600円以上する宿根草がここでは1ポット348円で買える。アマリリスのおっきな球根が300円などという値段で転がっている。おじちゃんは園芸土を25L 320円でホクホク。

帰り道ではおじちゃんの知り合いが“流された”というワイナリー・リゾートがあった。なんでも妻子がありながらパートのシングル・マザーに手を出して、情実人事で職場の顰蹙を食らい、さらに本部にばれて、辞めるか中伊豆に行くかどちらか選べ!といわれて中伊豆を選んで毎日片道2時間通勤にかかるそうである。元気でいるだろうか?

源頼朝が流された「韮山」なんてまだ交通の便が良いところである。中伊豆は山の谷あいの道をひたすら走らないとたどり着けない。
帰る前に手洗いに寄ったら驚くべきものがあった。

トイレに座ると真向いの壁に求人広告が貼ってある。むろんコメリの求人募集である。
給与は月額2十数万。年齢などの条件があって、その他条件に自宅から25キロ以内にコメリの店舗が少なくとも3店舗あること!と書いてあった。

伊豆にはあと西伊豆店と南伊豆店があるのだが、西伊豆店は日本のマチュピチュといわれる松崎町の近く。南伊豆は海岸から遥かに山中に入った集落の中である。

おばちゃんは思わず吹き出してしまって、伊豆3店舗に25キロで行ける自宅ってどこだ?!婆沙羅峠か?天城峠か?コメリの本部も正気なのかどうか、なかなか人を食った募集広告だと思う。

春~よ 新しい長靴!

2月末で山のおばちゃんチも気温は2桁になったので、あっちこっちの園芸店・ホームセンター(無論 コメリも)を回って春植えのお花を3ケースくらい買いだめた。

植えた次の日に雪が降って買ってきた花に雪が積もりゼラニュームは凍ったのでおばちゃんのキモも凍った。おばちゃんの頭はもう「春」がインプットされてブレーキが効かないので、地面の雪は無視して植え付けを敢行した。
雪の残る地面にデルフィニュームとかネモフィラを植えたのは初めてである。

残りのコメリ西伊豆と南伊豆店へ行ってみるかいって?
ぜっていヤダ。誰が行くかあんな地の果て。

蛇足------------
3月に入ってチューリップの芽は出てきたが、庭にはまだ咲いている花がない。もっとお花を!というわけで、中伊豆は行ってしまったから蒲原店を攻めてみることにした。

コメリ蒲原は富士川を渡った海辺にあるようである。
街中のコメリでこじゃれた宿根草が安くあるかもしれない。国道1号線を延々走るか、それとも東名を走るか。東名は遠回りだが1時間4分という。1国だと一本道だがもっと時間がかかるかもしれない。行きは東名の富士川インターETCで降り、住宅地の中をチマチマ走るとショッピングモールの中にコメリがあった。

伊豆のコメリより数段大きい。宿根草が安い。おじちゃんの大好きなチューリップとユリの球根が40%引きである。また1枚半買ってしまった。
南海トラフ地震が起きたら津波で跡形もなくなる場所である。標高1M。

今度はトイレには寄らなかった。最寄りのコメリ店舗は富士川を遡った山の中である。3店舗目は伊豆半島か箱根の山ん中である。3店舗に行ける条件で求人は難しいと思う。

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ナメクジの法人化

コタツにもぐって暮らすのを“コタツムリ”とか言うのか。かわいい。おばちゃんは可愛いコタツムリ! ツムツム。

って高校生のころ冬に同じことをやって、母からは“ナメクジ”って言われた。自分で家を背負ってないから殻無しのナメクジだって。ゴクつぶし、極楽トンボとも言われたな。

おじちゃんも言う。
動け!
だって、冬だし、庭は冬眠しちゃったし。お腹が減ってないし。コタツに潜ってるから部屋は散らからない。ラップトップと電卓をたたきながらかれこれ3週間。

おじちゃんがコタツ布団をめくってハンディ・ブラシの掃除機をかけると、柿の種がパラパラと見つかった。
よくこぼれるんだよね、柿の種は。探すけど不思議に見つからないよね。やっぱりこぼれてたか。

足が腐るぞ。
おばちゃんは将来の生活設計のために、税のリサーチと対処法を研究中だ。
嘘つけ、3週間もか?
本当よ。コンピューターをいじっていると遊んでいると思うのはやめたほうがいいよ。

笑いながら税の計算をしてんのかよ。
計算に疲れたから「まとめ」を読んで息抜きをしてるだけだ。
来年から税金が上がるんだよ。息してる間ず~っと高いんだから。CTスキャンの費用が3倍になるんだよ。生きている間中、税金を払うんだよ。

しょうがねぇじゃないか。
おじちゃんみたいなタイプは、実際払うときになるまで何も考えないのだ。何とかできる方法があるかもしれないからリサーチをしてるのだ。

それと、今年は働いたらヤバイ。
給料が入ると年金がストップしちゃうかもしれない。もうこれ以上税金が払えないし。でも何もしないと二人ボケ老人ができる。私はボランティアかコンピュータークラスに行く。商工会議所でコンピュータークラスを見つけたから、スクラッチをやるんだ。

また、ジジババばっかり集まってるんだろ?
スクラッチは初心者向けのプログラミングだよ。ジジババはたぶんイナイ。体験クラスがあるから予約をとる。

おじちゃんは2024年度からしか働けないから、もっと大規模に農業をやる?
そういえば、サークルの長老みたいに畑を借りていてもいいな。周りには他にも土地を借りて農業をやっている人がいるから、畑を探してもいいな。

でしょ?だから無人野菜販売所で法人化をしようぜ。
おばちゃんたちは思いもかけずに生活設計をしくじって、「資産のある無・低収入」の理想を追えなくなってしまった。残された道はヒイヒイいいながら税金をぶったくられるボケ老人か、正直で労多く経費が掛かるわりにもうからない仕事に従事する足りない老人になるか。

目指せ!最大の自助努力と最低の税金!

雨が降ったら畑ができまへん。今年はうどんこ病がはやりましてん、。うちの畑にはモグラがおりますのやわ、畝を荒らすもんで。キュウリがみんな枯れましたんや。売り上げがこれだけなんですわ。ホンマどす~~。

冬支度 霜よけ

今年は変な天気だったが結局台風が来なかったのはありがたかった。
雨が少なく妙に日中日差しがでるとあったかいので、日日草、ペチュニア、虎の尾さえまだ咲いていて、それなのに冬の花:山茶花は咲いてしまった。

四方からくる落ち葉はすごいので2~3日置きに掻いていたのがキリがなくて嫌になってくる。毎年の通例だ。
更に毎年悩むのは、吹きたまった落ち葉はお花からしてみれば冬の寒さを避ける“お布団“になって、却ってはがさないほうがいいのではないか?立ち枯れた花の枝は根元から切らないほうが霜除けになっていいのではないか?

試しに今年は花が終わったガウラやキバナコスモスをそのまま放置しようと思う。一応去年卓球の長老から頂いた竹の枝をあちこちに刺していつ霜が来てもいいようにしておいた。

山に引っ越してきたとき麓の冬の畑には奇妙な枝が林立するのだ。
野菜でもない細い枯れ枝が畑の支柱に張り巡らされた紐からぶら下がっていたり、地面に刺さっていたりするのだ。
おばちゃんは一度も見たことがない光景に頭をひねっていたのだが、誰だかが霜よけじゃないか?と言った。

な~るほど。
明け方の非常に冷たい空気は地表に向かって下がってくるのだが、細竹などに触れるとその表面に霜の水分がつく。すると地表まで冷気がおりにくくなるという理屈。100%霜がつかないというわけではないが、やっぱり霜柱は地表にできるが、植物の葉が霜で焼ける(葉っぱが真っ黒になって枯れる)ことが少なくなる。
冬も葉がある宿根草にはありがたいのかもしれない。

それで去年、竹林の手入れをしていた卓球の長老に払った枝をいただいたのだ。初冬に地面に突き刺して2月に抜く。さらに地表に落ち葉をたっぷりかぶっていれば霜柱も立ちにくいかもしれない。
今年は思い切って落ち葉も放置してみようかしら。

おじちゃんに作ってもらったクレマチスの棚はなかなか立派。
元気な冬咲きクレマチスはつぼみをたくさんぶら下げた。白いベル型の花が咲く、あとひと月も後の厳冬に!庭はそろそろ冬眠に入るというのに。もちろんおばちゃんたち以外誰も満開のクレマチスを見ない。冬の間はネギを抜きに降りるくらいになってしまう。

スーパーでゆり根が割引になっていた。花屋で球根を買うより安くないか?おばちゃんはゆり根を食べるのは嫌いである。苦いから。おじちゃんはチューリップとユリの花が好き。
明日ユリを植えたら長い冬が始まる。

専業主婦の年収を換算すると1314万円

時々、コストも経費の観念も欠如している人間が湧く。
コンタクト・レンズの「原価」が一枚「5円」ということを耳に挟んで、たった原価5円の製品に数百倍もの金額を払わされてる、と憤慨するアホウ。
じゃあ、おばちゃんが5円あげるからコンタクトを一枚作ってみ?

莫大な開発費と精密工場の建築費、生産コストに輸送コスト、医師の検眼費用とクリニックなどがあって、初めて原価5円のコンタクト・レンズが消費者に手に入る。

さらに市場原理の観念も抜けている人が、時々ネットに沸いて炎上する。
瀬戸麻希という人はどういう人なのだろう?Amazonブランド登録専門とアカウントのタイトル名があるが?就労している社会人であることには間違いない。専業主婦は黒いスーツは着ないから。

その彼女が書くには
専業主婦の家事育児料金が時給1500円として24時間勤務 休日ゼロで1年365日を休みなしで働くと年収1341万円に換算できるそうだ。

そういう職業が成立するかどうか、考えてみなはれ。
求人広告で家政婦の月給を調べてみればよい。


アホ:いやいや、持ち場の家庭は夜勤もある24時間の仕事ですから、求人広告は月給でしか収入がないのはおかしいですよ。
だったら、24時間勤務の家政婦承ります。1500円時給24時間年収1341万円で雇ってください。と広告を出してみればよい。誰が雇ってくれるのか?職業として成立しない。市場で成立しない職業の年収を言い立てて、あんた頭は大丈夫か?

むろん瀬戸麻希さんは職業=24時間専業主婦が成立するとは思っているわけではないに違いない。なにか、専業主婦におもねって売り込みのターゲットにでも持ち上げるつもりで滑ったののだろ。

さらに経費だ。
おばちゃんは仕事で清掃サービスと契約していたが、彼らは自前の掃除道具と洗剤を持参して仕事をする。
専業主婦が職業であるなら主婦の職場は家、食費、衣料費、衛生費などの生活費などの必要経費と社会保障費、所得税、住民税、健康保険料は自腹で払ってくれ。

自分の職に必要な経費も雇い主のまる抱え、寝ている間も時給をはらえと。そんな従業員を雇う雇用主だどこにいる?
いるとしたらあなた(専業主婦)の夫だけだろう。あなたの夫は職業=主婦業をさせるために雇ったわけではく、愛があったので結婚したのだろう。

愛に時給を要求するのはやめれ!
愛に時給を請求していいのは夜の嬢だけかもしれない。
アホ:いいえ、そっちは請求に入ってません。
そんなら別会計か?

あなたの親はあなたが生んで嫁に出すまで(25歳としようか)親業を24時間体制で行いあなたを育てた。それから親の扶養から抜けて夫の扶養に入った。
1500円X24時間X365日X25年間=3億3525万円だ。父と母二人なので合計6億7050万円となる。食費、教育費、医療費、住居費などは一切含まれていない、最低限の両親の時給だけだ。

自分の夫や子供への家事育児を時給で計算するなら、あなたは自分の親の愛の時給も払うべきかもしれない。
それから自分の子供へも養育費を提示するか?

自分の時間をクライアントにそっくり請求する職業はおばちゃんが知っている限り一つある。
アメリカの弁護士だ。1案件いくらではなくて、時給請求の弁護士。
自分の時間をクライアントの問題解決のために○○時間使ってついでに朝ご飯のドーナツとランチ代まで請求書に載っている。砂時計を持っているのは本当だからな。

自分の時間と働きに報酬が欲しければ弁護士になったらどうだ?
時給ミニマム100ドルで、裁判所に出廷なら最低600ドル時給からだ。専業主婦よりずっと高い。インフレだから今はもっと上がっているだろう。
好かれるかって?んなわけない。

専業主婦が本当に言いたいことは、自分の働きが褒められることも少なければ認められることも少ないステイタスだ、と。自分の年収を換算するより夫と向き合え。
自分の労働と奉仕を家庭できちんと評価して受け止めてくれない夫だったら、さっさと家を出て離婚するか弁護士になろう

くらえ、カプサイシン

うちの庭に巣くうモグラどもは激辛好きなのかもしれん。

大事なヒューケラやペンステモンの下を穴だらけにしやがって。これ見よがしに出口もぼこぼこ作りやがって!

ーーーモグラは強いにおいが嫌いです、この棒にはモグラが嫌う唐辛子をたっぷり浸見込ませモグラ撃退用の新武器「来ん棒」です。モグラに荒らされたくないお庭に来ん棒を突き刺してください。モグラが嫌がって退避すること間違いなし。ーーってほんとかよ。

ジキタリスやカンパニュラ、ペンステモンが被害を受けないように、モグラの通り道にせっせと来ん棒を差したった。100本差したったから。ほんとにカプサイシンがしみ込んでるんやろな?うちの猫はくしゃみもせずに臭いを嗅いどったで?

どないなっとるんや、登りの段々庭はモコモコトンネルが増えとるやんけ。出口があちこちに、“こんにちは”しとるやんけ。ふざけるな。容赦せんからな。
くらえ!、おっちゃんが作ったハバネロ煮出し液!穴の出口にこれでもかとスプレーでハバネロ液を噴射してやったんねん。

唐辛子の1000倍のカプサイシンに触れて死んでしまえ!って。スプレーを握っていた右手でうっかり、むずがゆかった鼻をこすってしまい、あ~っ熱と激痛が。

宿根ネメシアがどうなっるかもう知らん。露出している穴にはスプレーしまくったった。
もう秋やからこれから新たに植える花はあまり無いねん。大事な花は掘り起こして避難させたわ。

雨上がりに庭に降りたら、ヒューケラの株がプルプルと微妙に揺れてる。
そしたら、いきなりミミズの上半身が土から躍り出てきて、地面の上でぴょんぴょん跳ねてるのさ。撃たれた松田優作のように、「なんだこりゃ!!」とおばちゃんは思ったわけよ。

ヒューケラの株と根もとの土がさらにモコモコ動いた。
Oh,LaLa!!!
モグラがミミズを追っかけてかぶりついたところが、死に物狂いのミミズは、最後の力で地上に飛び出したのか。力足らずに下半身は食われて上半身だけになったミミズは地面の上で絶命した。
ナンマイダブ。


人生60余年、モグラのハンティングをこの目で見るとは思わんかった。地下のモグラは見ておらんがのぉ。

来ん棒はどうした?ハバネロ液はどうした!お前らカプサイシン好きなんけ?
この庭はな、何年も放置されて草ボウボウのところをおじちゃんとおばちゃんが草取りをして、耕して園芸土と肥料を入れてフカフカにした庭なんや。ミミズは豊かな土壌の証なんや。それをタダで食い散らかしに来やがって。

今までなん十株も高かっい宿根草を植えて、おばちゃんがどんだけ金を使ったと思っとんねん。振動撃退機や捕獲機や忌避剤やチューインガムを全部コケにしやがって、それほどおばちゃんが憎いか。
見えんことをいいことにして、宿根草の根元にトンネルを掘りまくりやがって、花の根っこがみんな浮いてしまって高い花は枯れて死んだんや。お前らのせいや。
死ねぇ~、死んでしまえ!残ったハバネロを穴ぼこにぶち込んだ。

くっそ。地面の下では、ここでちょっとチーズでもあると味変でできまんな、と激辛好きのモグラどもがミミズの晩餐を味わっとるのではないやろか。
おばちゃんは、ピーターラビットの童話を今ではそれほど愛らしいと思わん。

名残り紫陽花

雨が上がって庭に出られてうれしい。
今年のアジサイは花が終わっても不思議に色が残っている。茶色で縮まなかったのは梅雨が短かったからかしら。花びらがほんのりピンクで遠目でみればまだ生花と見える。

ドライフラワーにならんかな?とピンクが濃い花を枝ごと切って葉を落とした。
かさばるので束ねて通路の脇に置いて、エリゲロンの茂みをトリミングし、ギボウシは黄色い葉が出てきたので思い切って刈り取ってしまい、しつこい80円(トレニア)の芽をぬいて溜まった手箕の雑草を捨てようとテラスまで戻ってきたらアジサイがなかった。

おじちゃんにアジサイはどうしたと聞いたら、町内指定45リッターごみ袋を指さして、捨てたと言う。カップヌードルの空きカップも取っておくくせに。


一番のいい色はなくなってしまったので2番手の花を5本切る。
シャワーを浴びた後、アジサイを逆さにして浴室の天井からつるし真下に除湿器を置いて一晩除湿した。

次の日アジサイは見事にドライフラワーになっていたが、どうしたわけかピンクの色は飛んで水色と紫が残った。花弁が薄いものは枯れ葉色になってしまった。花瓶にさしてみてもアジサイだけでは色がさみしい。セリアに行ってゴールドのマニキュアを買ってきた。

枯葉色はマニュキュアをぺたぺた塗る。てっぺんから見るとところどころに金が光ってゴージャス。大きくしっかりと花弁が残っているものは根元にペタペタ塗る。マニュキュアが一瓶無くなった。仕上げに同じくセリアで買ったつぼみの人造花を挿して花瓶に生けた。
花瓶は実は海から揚がった古いタコツボ。メルカリで買った。渋くて好きだ。〆には金のおリボンを巻いてみた。
ばあさん、退屈しているのである。

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