園芸家の12か月

カレル・チャペク「園芸家の12か月」はおかしな人達の話だった。
せっかちでこらえ性がなく、思い道理にいかないことに怒って変なこだわりがある人たち。人を笑っていたころが懐かしい。

11月も終わりになると、伊豆の山も雑草さえ休眠の準備に入る。春のためのチューリップを植え付けるのが最後。寝ている子を起こしてもしょうがないので、春になったら何をするかなぁと空計画を練る。
ブックオフで買った趣味の園芸 宿根草編をなめるように見る。

サルビア系をもっとそろえてみようかとか、カンパニュラの小輪が欲しいとか、クレマティスを生垣に這わせて、薄ピンクの小花がびっしり咲く種類が欲しいなぁと空想をたくましくする。

お気に入りの園芸店を訪ねてみるが、お花はほとんどなくてさびれている。がっかりして、何も買わずに帰る。

1月、
下界の町は水仙が伸びてとっくに花を咲かせている家もあるのに、山の庭は水仙もチューリップも音沙汰がない。朝、寒すぎて庭に降りる気もせず、ああ、霜が5センチもあるのかとベランダから覗く。

2月
イライラして来る。
3か月も庭をいじっていない。暖かい日もあるのだから、チューリップもムスカリももっと伸びていいはずだ。今のうちに肥料をやった方がいいかしら。

3月
春だ、もう春よ。
ガーデンセンターと園芸店をぐるぐる回る。1年草でもなんでも、とにかく花を植えたい。ぱっと明るくなる黄色い花を植えたい。それにしても何故ウチのムスカリは葉っぱがスパゲッティのように長く伸びるのだろう?

4月
チューリップの咲きがわるい。
球の小さいものが悪かったようだ。今から買って植えるのは遅いだろうか?代りにグラジオラスを買って、生垣のすき間に植えてみる。

5月
去年からの園芸計画が評価されるシーズンである。3月に焦って買ってしまったシーズン草はやっぱりすぐ終わってしまうので、宿根草にすべきだった。リナリアが耐寒性・宿根性が出ていたので、
飛びついて買う。ああ、春の花が終わってしまう。しまった、夏の花の準備ができていない。ガーデンセンターと園芸店を回る。

6月
ウの目タカの目草取りの目になってしまう。

雨が降って、1日油断すると雑草が伸びる。ツツジの根の間からドクダミが生える。雨が降ると庭を見ながらぶつぶつ言う。

7月
よそのお宅では咲いていてヤキモキしていたグラジオラスがやっと咲く。
〇が少ない通知表をもらったようだ。ウチの子もなかなかだと思う。

8月
山の緑に負けそうだと思う。真夏の花は期待していたより少なくて、もっと植えておけばよかったと思う。植え木が伸びすぎて枝を伐採するときだ。しまった、切りすぎて日陰のヒューケラが丸出しになってしまった。西日が強すぎる。何とかしないと。それとも高温に強い花を探さねば。

9月
庭はまだまだいける。
菊の株が少ないかな。もっと増やすには、クロッカスをどうにかしないといけない。台風よ!

10月
また台風よ!ウチの庭にも紅葉するツタがあればよかった。春に手に入れことにしよう。
チューリップも八重が欲しい。ガーデンセンターは球根が出はじめる。

11月
雑草が伸びないわ。
土が固い。掃いても掃いても落ち葉が出る。もう嫌。

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熱い人

中伊豆で園芸用の土を買い来年の春用のマーガレットの苗を買って、でもおじちゃんはいい葉物の苗がないという。
三島の園芸店で買ったブロッコリーは一番元気がよくて三島のお店に寄りたいという。

三島の園芸店は敷地の半分がメダカ屋さんになっていて、えらく高そうな金銀のメダカがひしめいている。あとから来たお客さんが店主らしいおっさんにパンジーやビオラはまだないの?と聞くとおっさんはオヤッということを客に言った。

奥さんね、ほかの店ではビオラがもう出てるのは知ってるの。あるのよ。でも俺は売らないの。なんでかっていうとまだ気温が高いのよ。いまビオラやパンジーを買うと1週間で2倍に伸びちゃうよ。冬の花は気温が20度を切らないとダメ。だからうちにはまだないの。

おばちゃんは2人の会話を背中で聞いていてふう~んと思った。2週間前にビオラを植えちゃって、ひょろひょろを伸びた
茎を見るととても来年まで持ちそうになかったから。

おじちゃんの白菜の苗をお会計してもらうときに思い切っていろいろ質問してみた。

おば:パンパスが欲しいんだけど。

おっさん:パンパスの植え時は、春だぁ。

おば:じゃあ、春に買う。

おっさん:仕入れてもいいけど根つくかどうかわかんないよ。修善寺から三島までだいたい同じような気温だけど、
5度を切ると根つかないかもしれない。ダメなものはダメなんだね。土地には土地にあった植物があるんだ。

おば:なるほど。

おっさん:それとね、昔と気候が違っちゃったのよ。夏の気温が半端なく高くて、、。生活も変わっちゃったのよ。今の若い人は共稼ぎでやっと家を買って、庭に庭木を植えてももう手入れができないでしょう?

夏の庭は暑すぎて水もやれないし。だから、庭を造る人がいなくなって年間で2000店園芸店が閉店してるのよ。うちも昔は売り場が倍の広さだったんだけど、縮小したのよ。

おば:(は~ん、それで半分メダカに宗旨替えしたんだ)じゃあ、気温が高くなっちゃってるから、冬のお花はいつ買ったらいいの?

おっさん:11月だね。11月になったらいろいろ入るから。

おば:私はヒューケラがすごく好きなんだけど、うちの庭にはどうしても元気よく育たないの。どうしてだろう? かんかん照りがだめだから垣根の根元に植えたの。

っさん:土壌でしょう。ヒューケラは木の根元に植えたがるのよ。みんな。でも木の根元っつうのは根が張ってるのよ。ヒューケラが根を伸ばせないのよ。

おば:!なるほど!
(20年物の満天星ツツジの根元は根が張りまくってておばちゃんは浅くしか植えられなかった。)

おば:でもうちの庭は西日がかんかんに当たるので、日影がいいとおもったから。

おっさん:ヒューケラはね一ぺん根つけば、西日くらいへーき。土壌が大事なのよ。

おばちゃんは、今までの疑問がぱ~っと溶けて植物を熱く語るおっさんに目を見張った。

おばちゃんはこれまでなん十株というヒューケラを買い、写真に映えそうな苔の生えた溶岩石の根元だの、桜の根元だの、シダと苔が張った山際だのに植えてきてことごとく失敗して枯らしてきた。

園芸店でヒューケラを買い足してそのたびに、また、そいつ?とおじちゃんに嫌味を言われながらそれでも私はヒューケラが好きなのよ、さし芽で増やそうと2年頑張った。庭のどこかできっと育つはず!!!と懲りずに植えてきた。

親父の代から数えると、60年園芸店をやってるという。気候と社会が変わっちゃって園芸への情熱を半分メダカに移さざる得なかったおっさんに敬意を払って、おっさんの店に通うことにしよう。

実をいうとメダカも好きだ。
おじちゃんとおばちゃんは結婚した後に5年以上熱帯魚に入れ込んでいたから。

春先に植えた時と3分の2のサイズになってしまったヒューケ。アジュガを半分抜いてヒューケラのナーゼリーにしてみた。

ここは山の土じゃなくて園芸用の土でできてる場所なので、多少日当たりは悪いけど回復してくれると信じたい。

トム・ガール Tom Girl

おばちゃんが協調性のない性格に育ったのはヨシハル君のせいじゃないかと思うの。
近所に同じような年ごろの子はヨシハル君くらいしかいなくてヨシハル君は私より小っちゃくてスピードが遅かったのね。おばちゃんはせっかちで待ってられなかったから一人で遊ぶようになっちゃったのよ。

タモをもって田んぼの水路にタナゴを掬いに行ったり。暗渠には小魚が集まるのよ。ドジョウなんて雑魚だから。婚姻色がでたタナゴが宝物だったから。すごくキレイなの。

大きい池の場合は手が届かないので裏の竹藪から竹を切って物置に落こってた浮きをつけて、餌はどうしていいか分かんなかったから、駄菓子屋さんに買いに行ったの。売っていなかったわ。

タナゴは捕まえたあと、水槽に入れて飼うんだけど淡水魚は水が流れている環境じゃないと自然の美しさが褪せてしまうのね。池があるといいなぁって。それでおばちゃんは玄関の坪庭にスコップで穴を掘った。そして父から叱られた。

上のお姉ちゃんたちは相手にしてくれないし、隣の敷地の従弟ももう高校生になってて小汚い
男の子みたいなちっちゃな従弟には興味が無くてオートバイを乗り回していた。
バイクっていいなと思ったのよ。好きなところにどこへでも行けるじゃない。行動の自由があるってすごいわよね。

保育園の時からみんなで一緒に行動しないといけないのがイヤだった。良く脱走して隣の小学校のプールの基礎の下に逃げたわ。絵本もかくしてあったし。目の前の田んぼのオタマジャクシを見てる方が幸せだったし。

ヨシハル君も遊び相手にならないし、お姉ちゃんたちも相手にしてくれないからおばちゃんは本を発見した。文字の読み方は教わった記憶がないの。一人で本を見つけた気がする。一冊の本に一つの世界が詰まっていて衝撃だった。

自分の知らない世界、川の向こうや山の向こうの世界。おばちゃんは小学校の図書館でせっせと本を借りだした。少年少女世界文学全集なんて繰り返し読んだわね。偉人伝は避けた。1冊読んだらつまんなかったんですもの。

不運な境遇にも負けず親孝行しながらコンナ偉大な人になりました。なんて馬鹿じゃねぇ、気持ち悪いし。

16歳になるまで長かったわ。原付の免許が取れるのが16歳高校生。高校生がバイトできる時代でも環境でもなかったからおばちゃんはまだ我慢するしかなかった。その代わりにバイクの雑誌を買って研究した。どのモデルがカッチョいいか?原付の免許はこっそりとった。

大学。念願の一人暮らし。
最初の夏休みに車の免許も取ったからもう車なら公道も走れるの。初めてのバイトをして少~しづつ貯金をして2年目の秋についにバイクを買ったの。

一人でバイク屋さんに行って、下見をしておいたスズキのマメタンを指さしてこのバイクをくださいって。
背もたれのシーシーバーを特注で付けてね。納車の日、ヘルメットを片手にバイク屋さんに行って
残金を払ってキーをもらったのね。

それでおばちゃんは思い切ってバイク屋さんのお兄さんに、どうやって運転するんですか?って聞いたの。だってバイク雑誌にはエンジンのかけ方が載ってないから。

おばちゃんの運動神経はいいのよ。
野っぱら駆け回ってたから短距離と障害物競争は1番よ。学校も自転車で通ってたしね。バイク屋さんでエンジンのかけ方を教われば、アパートまで帰れた。駐車場は近くに借りたし。

バイクの運転テクニックというのは自分で転んで覚えるしかなかったわ。昭和の末に女の子がバイクを乗ること自体がまれだったから、同好の女子は存在しなかったの。大学では幻のスズキと言われていたらしい。

その当時おばちゃんにとってバイクとは移動の手段の中で好ましい乗り物であって、バイク人生とかバイク文化を目指していたわけではなかった。バイクの運転技術とか性能とかそれほど興味が無かったしね。バスとか通勤電車のように他人と接することがない一人で風の中を移動できる快適さが快かったの。

何がやりたいのかまだモヤモヤとして形になってなかったわ。もっと広い世界に行ってみたかった。
学校とクラスメートとサークルとバイトの世界。自分とは少し違うけど変数の内に収まるタイプの人々。一度ナニナニ方面ナニナニ風タイプと定義されると、その定義に合うように一生懸命努力する人と人生。

な~んか違うんじゃないかな。
なんだかよく分からないけど卒業して結婚して子供を産んでという一般コースはどうしても魅力的に思えなかったの。

おばちゃんの父は長男で、3人女の子が続いた4子がまた女の子だったから、子供のころからお前が女の子だったらと言われ続けて育ったのよ。これは地方のご先祖さまのプレッシャーを考えると、父も母も大変だったと思う。渡米してからこういう女の子をトム・ボーイならぬトム・ガールTomGirlと言うんだと知ったわ。

モグラ対決

モグラという動物は見たことがある。
子供のころ田んぼの畔に遊んでいたような気がする。帰国してからはお隣の地所にある湧き水から水を飲んでいた。ムクムクしていてキュートだと思う。

ある日、貴重なダーラの苗を植えようとすると、地面が妙に盛り上がっている。
苗のために穴を掘るまでもなく、ごぼっと地面に穴が開いた。地面の下にトンネルがある。すでに植わっている苗も妙に地面から浮き上がっている気がする。気のせいではなく人差し指を突っ込むと、そにはぽっかりと穴があった。

雨が?水流が地面の下を流れたのだろうか?否、ここんところ雨は降ってないのである。立ち上がって段々庭を観察すると、地面のモコモコはあちこちにある。もしや、これが話に聞いたモグラだろうか?

私の危機管理能力は高い。
ツテも援助もなく外地で生き抜いてきた経験が能力を培った。早速、調べ始める。たかが、小動物駆除に大げさな作戦は必要あるまい。ミニマムのコストで最大の効果を!忌避剤である。

そうよ、そういえば、お向かいさんが先代のおばちゃんは、モグラ除けにナフタリンを庭に埋めていた。と。ナフタリン?以外な言葉が出てきたので、私は眉につばつけて、右から左に流していたのであった。ホームセンターで買ってきた忌避剤は、ナフタリンそのものに匂いがする。なんなら、このまま洋服箪笥にいれてもいいくらいだ。

とりあえず、庭のもこもこトンネルに落とし込んで、モグラを駆除してくれるわ。さて、ウチのモグラだが、忌避剤の説明書を読んでみると、モグラの導線を囲い退避路を絶つと、モグラがパニックになってあばれるという。モグラあばれ

ほんとかいな?と思うが庭に起こっていることはモグラ暴れなのだわ。しかし、モグラの主要路がどれで、退避路がどこかなんて分かるか?知らんがな。

モグラは敏感な動物らしい。匂いにも敏感だが音と振動も嫌なのだという。コストを考えて、ダイソーに走る。目的は風車である。風車が回る時その振動は風車の柄に伝わり、地面に伝わり、モグラに伝わり

モグラの細君が
「こんなブルブルする場所嫌だわ、あなた新しい物件見つけてきて?」
と一家移住間違いなし。モグラのお母ちゃんは風車の振動ごときは屁でもないらしかった。おばちゃんもダイソーで撃退できると信じていたわけではないけど。予算枠をあげて、真剣に作戦を遂行するときが来たようだ。

匂いと振動はすでに試したので、撃退器で音を試してみることにする。JAと園芸センターをとAliExpressを比べるとAliが一番安い。ソーラー電池のMole Repellerを買う。

モグラの主要路らしきトンネルに2機仕掛ける。杭を打ち込んでも地上には甲高いチーという音が聞こえる。お向かいのおばちゃんは聞こえないのだそうだ。聞こえる私の耳はまだ還暦。

そうして半年は静かだった。

今年の春、またモコモコが現れ始めた。メインストリー沿いで、ソーラー撃退器を迂回して植え替えたビオラやベルフラワーが軒並み根が浮いてしまった。撃退器はちゃんと動いているいるので、考えられる原因としては

モグラが慣れたのではないか?
モグラは慣れたのか?
モグラが慣れたんだな?
モグラは慣れたんだ!

線路沿いに住むと、いつの間にか電車の音と振動に慣れてしまうというではないか。ということで、作戦変更。ナフタリン系忌避剤 撤収風車 玉砕ソーラー撃退器 モグラの慣熟性に 退却
ネットを検索すると、面白い記事が上がってきた。冗談かと思ったけれど、

モグラはチューインガムが消化できず食べると死んでしまうという。元々モグラは栄養効率が悪く、四六時中食べていないとすぐ餓死するのだそうだ。記事の書き手は「マルカワのオレンジ・チューインガム」がよく効くという。

おばちゃんが子供のころ食べた、昔懐かし昭和のガムだけど、いったいどこで売っているだろう?
駄菓子屋展にはリンゴ・葡萄・桃・メロン味があったよ。モグラは匂いに敏感なので、素手でさわらないよう注意があった。おばちゃんの庭手袋は泥だらけで、間違っても人の匂いはしないから大丈夫よ。

早速、メイン・トンネルに落とし込む。食べたかな?死んじゃったかな?死骸が庭に転がっているんじゃないかしら。
毎日ドキドキして眠りは浅かったけど、モグラの死骸は一向に転がってたりせずかといって、モコモコは減りもせずグラジオラスの林にジグザグを書いてたりする。
ある晩、寝ながらふと思いついた。昔見たモグラは「おちょぼ口」だった。ミミズを縦に食べるのが精いっぱいの口に直径1センチを超えるマルカワの球体ガムは噛みにくいのではないか?

そこで、おばちゃんはガムを庭に転がっている石で叩き潰し、またもやメインストリート・トンネルに放りこんだのであった。念のために、ダンナにお願いしてモグラのメインストリートに木の杭をすき間なく木槌で打ち込んで、分断してもらってから、安心してゴージャスなベロニカを植えたのであった。

おばちゃん、うっかりしていたけど、モグラの被害は人類共通であるに違いない。英語のサイトを漁ってみると、駆除にはやっぱり匂いと音が良いという。
モグラはマリーゴールドの花の匂いが好きではないので、庭に侵入しないようにぐるりと植えよ、とある。モグラと一緒で、おばちゃんもマリーゴールドが嫌いだ。この案は使えない。

一縷の望みで、もしかしたらモグラはオリゴ糖が苦手かもしれない。人間の腸で消化できないらしいから、糖質注意のダンナのおやつのオリゴ糖チョコレートをかすめてチューインガムに追加してやろう。今度こそ、餓死するかも。オリゴ糖チョコをトンネルに掘りこんでみる。
アリが来た。

試せることはみんな試した。もう、最終兵器を投入するしかない。モグラ捕獲機は地面のトンネルに埋める。通りかかったモグラが踏むと、バネがハネル。

まず、ダンナが逃げた。私だって、即死したモグラを捕獲機から外したくない。かくて、取り寄せた捕獲機2器はトンネルのメインストリートに一応設置されたけど、地上に出ているバネは一向に閉まらない。

新たなトンネルは、捕獲機を迂回している。バネの取っ手は地上でサビ始めた。今日もウチのモグラは元気だ!

エンドレスの草取り

おばちゃんは山菜取りに誘われても断ろうと思う。何故ならきっと遭するからだ。目の前の山菜しか見えなくなって、一本摘んだら次の一本を探し、さらに前の木の茂みに進む。

気がついたら山の奥深~くに迷い込んで、帰り道も分からず詰め込みすぎた背負子の重みにヘタって、弱弱しく助けを求めるのだ。助けて~。

一般に学業とか、ビジネスとか、スポーツとかは結果が出るものは時間がかかるものだ。
ところが、山菜取りも草取りも結果はすぐ出る。ターゲットは明らかで目的ははっきりしている。次から次へ現れるトロフィーが麻薬のように人を誘うのだ。

おばちゃんはひときわ溺れやすい性格である。
だから山菜は取らず、庭の雑草取りに専念しようと思う。毎朝、起きると花ばさみをもって、花がらを切って庭を一巡回する。

今日のガウラの咲き加減はどうかとか、バコパは暑さにやられていないとか、そろそろ80円の芽が出てきたとか。どの段段庭コーナーに雑草の気配があるか、しかと目にとどめておく。

早めの昼ご飯を食べたら、庭に出陣である。
ドクダミは庭の恥だ。カタバミは敵だ。根を残すと将来に禍根を残す。ほじって根っこが完全に抜けたときの爽快感は、ニキビをつぶした満足感に通じる。

ヒメジョオンは双葉のころは、勿忘草とそっくりだ。若すぎると区別がつかない。2~3日経ってヒメジョオンだと分かったら、躊躇なく抜く。

外来者は軟弱なので、意外と踏ん張らずに抜ける。母子草は白っぽくぽやぽやと花は卵餡のような黄色。温情を掛けると、次の年は母子草の群生が出現する。

庭に出れば、おばちゃんは下を向いている。
鵜の目、鷹の目というが、おばちゃんの目は雑草を探す草取りの目だ。柵ごしにお向かいのおばちゃんと園芸話をしていてもおばちゃんの目は雑草取りモードになっているので、お向かいさんの顔を見るより、ついつい足元や背後の地面に気が行ってしまう。

おっ、お向かいさんの足元にドクダミ発見。背後にはスギナが!もう、抜きたくてしょうがない。

こんなに夢中になれるしかも金がかからない楽しみはそんなにないね。庭を2周くらい草取りをして、四時まえには撤収するのだが、その時はじめて庭を見ていないなかったことに気が付く。見てたのは地面と雑草!服を着替えて、ベランダから庭を鑑賞する。至福を味わう。

お向かいのおばちゃんによると、先代の家主のおばちゃんも同じだったそうだ。ベランダから庭を見る時が一番幸せ。と

ウチの庭には骨がある

ウチの庭にはトリ手羽と魚のカマが落ちている。
庭から生えたわけではなく、我々が食べた後の骨。カリフォルニアの友人が当時、EM(effective microorganisms)菌を利用して、ガーデニングをやっていて、私も何回か招かれたことがある。

米のとぎ汁にEM菌の溶液と糖蜜を入れて発酵させ、液肥として使ったり、生ごみをEM菌で発酵させて肥料として野菜や花つくりをしていた。

山の古家に落ち着いたらEMのぼかしとコンテナを買って生ごみを肥料にする計画だった。

友人はちょっと臭いと言っていたけど、生ごみはEM菌で発酵させると、卵の腐ったような臭い。それでも生ごみを捨てずに活用できるから、エコなんだけど。お茶ッ葉、残した魚の骨と皮、チキンウイング、野菜の皮。まんべんなくぼかしをまぶす。

コンテナが一杯になったら、先代のおばちゃんが残してくれていた大きなバケツに移す。
底に、ためておいた落ち葉、庭の土、発酵生ごみ、でまた落ち葉とバケツをミルフィーユ状態にする。

季節によっても違うけど、2か月くらいたったらちっちゃめのスコップで上下ひっくり返してみる。自然を大切にするグリーンファーマーになったような気がする。

EMで発酵すると、何でも分解されるのかと思っていたが大間違いだった。ぼかしの時点では、卵の殻もブリのカマもチキンウイングも原型をとどめている。アジの小骨は所在が分からなくなるけど、大根の皮も健在だ。この大根の皮はずいぶん長く形が残るね。

バケツのミルフィーユが6か月も経つと、腐葉土と生ごみはだいぶ馴染んで、土と溶けきらない手羽やカマまじり状態になる。

EMのコンテナは2つあるので、ミルフィーユバケツも2つできる。1年くらい寝かして、これから春!っていうときに庭に施す。
結果、ウチの庭は春先すこし臭く、チキンウイングやブリカマが散在する。お向かいのおばちゃんと話をするときに、ツツジの根元にチキンウイングが見えたりすると、そっと足で押しやる。

ブリカマは人に見られても正体は分からない。一度発酵して、太陽光線にあたった方が分解が早く進むようだ。

EMのぼかしが切れてしまったとき里のガーデンセンターのぼかしを代用したら、匂いが随分ましだった。発酵した漬物のような匂い。沢庵みたい! なので、それからは高いEMは使っていない。毎晩、生ごみの始末をするのが、面倒くさいかな。コンテナの蛇口が壊れて、ハエが入り込むので、ちょっとお休み中

日本のイチゴは獰猛である

イチゴが獰猛だなんて知らなかった。日本のイチゴは芸術域に達していて、アメリカ人に一粒食べさせれば感涙するに違いない。今までアメリカ人が食べていたイチゴとは何なのか、野菜か?アメリカのイチゴの中心は真っ白で固く酸っぱい。

ナイフでくりぬいて切りとるのだが、便利な芯ぬきが売っている写真のイチゴの白いところは芯、左のクラックは空洞。穴がもっと大きく空いていたり白い繊維が固い。

日本帰国の時に、これは日本で売っていないからと、イチゴの芯抜きを買ってきて親族に進呈し、親族も驚いて、目の前でちょうど旬だったとちおとめの芯を抜こうとした。とちおとめ 潰れましたわ。
そもそも、日本のイチゴの芯は大きくもないし抜く必要もない。それほど実はジューシーで甘くてかおりがある。

だが、芸術的なイチゴは高い!芯を抜いて、ざく切りにして丼に入れてヨーグルトをぶっかけて夕ご飯替わりに食べるような食べ方はできない。エイ!と目をつぶって8粒599円のとちおとめを買い、大事に大事に味わう。
もっと食べたい!

それで2株苗を買って、ポットに植えてみた。
1年目、数粒実を付ける、野生動物に半分やられる。残りをありがたく頂戴する。イチゴはポットで年越しした。

2年目、ポットからやたら子株が伸びる。伸びた子株が地面で根付く。イチゴ蔓 石垣のヘデラと戦う。ヘデラ戸惑う。イチゴ蔦ヘデラを乗り越え、地面があれば軟着陸、根付く。
初夏、数粒実をつける。野生動物に半分やられる。残りをありがたく頂戴する。

3年目、ダンナがイチゴ棚を作る、石垣に居ついたイチゴが、イチゴ棚に伸びて居つく。イチゴ棚が2段になる。イチゴ蔓、石垣のそこら中を這い、隙あらば根付こうとする。ヘデラとイチゴ蔓絡み合って分からんようになる。

食欲が勝ってヘデラを始末する。イチゴますますたけり狂う。イチゴ棚4つになる。イチゴ棚からパラシュートのように地面に降りて地面がイチゴ小株だらけになる。イチゴ実をつけたかもしれないが、食べてない。イチゴ ついにジャングルになる。今年 ジャングルを始末し

石垣と棚4つに収まるだけにする。結論 日本のイチゴは超美味だが獰猛である。

とりあえず植えてみようエリゲロン

おばちゃんのポリシーは「とりあえず植えてみよう」

オンラインの多年草・宿根草カタログで「スパニッシュ・デイジー」を見た瞬間欲しいと思ってしまった。苗は安くなく送料が痛かったけど、3株頼んだ。

届いた苗は随分根が回っていて、初心者のおばちゃんは根のほぐし方も植え方もどこに植えるかもよく分かっていなかったから、梅の根元に適当に穴を掘って埋めて、水をジャージャーかけた。一輪二輪花は咲いたけれど、オンラインの写真のようにピンクと白の小花の競典とはならなかった。なんだか、しょぼしょぼしたまま枯れた。高かったのに!その後スパニッシュ・デイジーはエリゲロン(源平小菊)と呼ばれていることを知った。
ピンクと白の2色が同じ茎から咲くのできっと源平なのだろう。なかなか優雅な名前である。

次の春、散歩から帰る途中の道にどう見ても「エリゲロン」らしい草が生えている。
花はまだ咲いていなかったけど、ひと夏中見た葉っぱはまぎれなくエリゲロンだった。別荘地の粗い砂利道にエリゲロンが野生で生えている?狐につままれているようで、それでも3把抜いてリベンジに梅の根元に植えてみた。

同じ土壌と気候で育った野育ちは瞬く間に育ち、花を咲かせた。真正のエリゲロンだった。花は咲いたばかりでは白で時間がたつとピンクになり、次次に咲いてくるので、株は白とピンクの花盛りになる。咲いている最中にこぼれ種は飛んで次々に領土を増やしていった。

秋口になっても勢いは衰えず、細い花茎が伸びると、地面に付いて子株ができた。エリゲロンは雑草並みに丈夫で、若干紅葉しつつ山の冬も苦も無く越した。

次の年の春は狂乱だった。
石垣のすき間というすき間から、砂利道の間からエリゲロンが生えてきた。
おばちゃんは嬉しかった。ウチの庭が花でいっぱいになる。エリゲロンはさらに順調に増え、秋には花でいっぱいというよりは、
何やらそこら中、モソモソと茂みが生い茂っているという感じになってきた。優雅で小粋であるはずの理想とはちょっと違う現実?おばちゃんはどうしていいか分からない。せっかく植えて立派に育ったお花をどうしたらいいか。

最初が3把植えただけで今年はすでにジャングル。来年はスーパージャングル間違いなし!それで一部残してエイやッと刈ることにした。

結果は、次の春もしっかりエリゲロンは生えてきて、それなりの美を誇ったのであった。結論、エリゲロンは間引いても大事ない

移住4年目

長~い海外生活から帰国

平成が始まるころ夫婦で米国に移住し平成が終わるころ日本に帰国した。

漢字も書けなくなるほど海外生活は長い間堪能した。還暦を前に日本に帰国するのにさて、どこに住もうかしら?

人間が作る美しい芸術は大都会にある。
たまには美しい物を味わえるように首都圏から1時間半のエリアで家探し。

できれば庭がついていて、畑が作れるところ。不動産屋さんに物件を案内された時に思わず「この物件を知ってる」と言ってしまったの。

アメリカでネットの物件を検索していた時に、手ごろな物件だと思ったのだけど、写真が魅力的でなく忘れていた家だったわ。

家の内見の後こちらが庭だと思います、と不動産屋さんに従って降りたところは、自分の足も見えないカヤとススキが肩まで生い茂った斜面だったわよ。

不動産屋さんがこっちこっちっと言いながらぐるりと歩いたのに、見えるものは雑草と枯れかかった木立だけ。

でもなぜか直感でこれは素敵な庭になるのではないかと感じたの。おばちゃんはビビっときたの。庭なんかいじったことがないのに。

段段庭ができるまで

引っ越しは5月15日。春は爛熟して山は藤やツツジが咲き乱れていた。
家の中の片づけが大体終わって次は庭よ。日本で一番素晴らしい季節なのに、庭?らしき荒地にはただの一輪も花が咲いていなかった。雑草すら花が咲いていなかったのは不思議。

ススキ、カヤ、シダ、ドクダミ、クズやヘクソカズラ、落ち葉。茶色と緑だけ。おじちゃんと二人で長靴を履いて帽子をかぶり手袋をして、さて、まずススキとカヤを刈らなきゃ。

抜けない雑草はカマで刈って、ススキは切った切り株に除草剤をハケでペタペタ塗った。むか~し、TVチャンピオンのDVDを借りた時にミントの駆除にそんなことをしてたのを覚えていたの。

ススキは除草剤にも負けず、若芽を生やしてくるからそこをまたハサミでチョキチョキ切って除草剤を塗る。しばらくすると、また青い芽が、、、で3回くらい除草剤を塗るとまっ黄色になって根まで死ぬ。

力を入れずに株がぱさっと抜けるの。午前中に3時間、午後に3時間夫婦で刈り、落ち葉をかき掃き、3週間後!45リッターのゴミ袋に80袋の枯れ枝落ち葉を処理して、庭のコンクリートデッキが出てきたわ。

izu garden
my hidden garden 2017

先代おばちゃんが段々庭の境目にツツジとサツキを植えていた。おばちゃんが亡くなって草を取る人も居なくなって、庭はススキに埋もれてしまってツツジが咲くことも何年もなかったんでしょう。

枝が伸びすぎだったから、素人がめちゃくちゃな剪定をしてみて、気がついたらツツジが一斉に咲きだしていたのね。

素人のDIY

あこがれていた藤棚を作って?とおじちゃんに頼んだら、伐採してためておいた雑木で作ってくれた。素人で枯らしちゃったら嫌だから藤を4本それぞれの支柱分植えて、お向かいさんから笑われたわ。

藤は一本でも十分なんですって。4本も植えたら棚が重さで持たないわよって。
おばちゃんたちは知らなかったけど、伐採した天然木はそのまま使うとすぐに傷んで朽ちてしまう。

最初に作った藤棚は3年で痛んで、製材した材木を使って作りかえたの。1本の藤は玄関先に移して、あとの3本のつるを外してまた絡ませるのが大変だったわ。まだ3本は生きていいて、おじちゃんが切るのを可哀そうだと言うから。

同じく生木で作ったラティースもまず皮がはがれ、腐って2年でおじちゃんが作り替えた。伐採した生木を使うなら、まず枯らして皮を剥いでそれからペイントをしないと耐久力が無いみたい。

太い切り株は二股のところを加工して、おじちゃんがスツールを作ってくれた。

引っ越して1週間目にイノシシが家の床下に入り込んで、猫がおびえたから家の足をラティースで囲い敷地もフェンスでぐるりと囲んだ。多分山の生き物は人間より野生の人口が多いわよ。

おじちゃんは物を作るのが好きで、昔から自分で野菜を育てて自給自足したいねと言っていたの。最初の年に葉物を植えたら山中の虫が寄ってきて食べられちゃったわ。

レタスなんかは地植えはムリみたい。白菜やキャベツなんか超難しいわよ!

おばちゃんたちは人生の第三コーナーを回っちゃったから、おじちゃんはキュウリやトマトを作って、おばちゃんはお花をうえて家が朽ちるのが先か、おばちゃんたちの体が衰えるのが先か、出来れば先代のおばちゃんのように、ある日この地で倒れて旅立ちたいわ。

山の家には四季があった

何がびっくりしたかというと、山に雨が降る。

それはもう、雨が降らない月がない!
湿った草の匂い!滴る水滴!トンボが飛んでる。

30年ぶりに見たトンボかも。南カリフォルニアの家では植木鉢に花を植えあった。青いロベリアで、咲いてはこぼれ咲いてはこぼれ。

花は一年中咲くものじゃない?違うの?この庭がどんな庭になるか、草取りをしたこともなかったおばちゃんには分からない。

移住してから知ったけど、静岡県は年間降雨量が日本5位だそうだ。

雨が降ると檜の森に靄がかかる。早朝などは音もせず霧が流れる。

檜に絡みつくツタは、ノウゼンカズラで先代の持ち主のおばちゃんが植えたという。

茂みは6月になるとミョウガの林になる。夢みたいだ。カリフォルニアで宝石のように珍重した一本1-2ドルのミョウガがタダで取り放題!

庭に転がっていた岩を寄せ、コンクリート管を立ててみた。溶岩石を積んでみた。

一年草も多年草もどう違うか分からないので、とりあえずホームセンターで売っているよさげな花を植えてみた。

花の名前はカタカナなので、悲しいかな年のせいで覚えられない。80円だったので、80円と呼ぶ。この80円はよく茂ってよく増えた。困ったくらい増えた。

雨が大地を潤し、黒い芳醇な大地が形成されていく。
土は湿った匂いがする。雨上がりは草いきれがする。もと砂漠のようなぱっさぱっさで白っちゃけて石っころだらけの南カリフォルニアに黒い芳醇な大地はなかった。

雨が大地を作る。静謐と山の自然が大好き

毎日季節が動いていく。
駿河湾から雲が流れてくると、天気は下り坂になり気温が下がる。

秋はものすごく短い。紅葉が見られるかどうか、3週間もたつと初冬に突入していく。

11月に入ると散歩の際にふと木が燃える臭いが漂う。

山の住人が薪ストーブを焚き始めるのだ。

家の軒下には乾燥させるために薪が積んである。脹脛くらいの太さの薪がぎっしりと棚に積まれている。

移住して初めての冬には雪が10センチ積もった。気温は零下に3度まで下がり、おばちゃんの車のワイパーはフロント・シールドに張り付いて凍った。

冬は車のワイパーを立てるのだという。1月も2月も寒くて庭は眠っている。

2月の終わりになると、そろそろ土が呼吸をし始める。日なたは霜がつかなくなって、ムスカリが青い芽がのぞかせる。急がないといけない。急いで枯れ枝を払って園芸用の土を追加して肥料をあげないと。春が来る!

四季?そんなものがあったのをすっかり忘れてたわ。

春にもクーラーを使い、焼け付く夏と熱い秋と涼しい冬があって、3月のアカデミー賞の頃には空は明るくまた春・夏になってクーラーを使う。

一年中スーパーにはスイカとトウモロコシがあった。帰国したら、毎日お天気が変わり、季節は毎日進んで日本の自然はこんなに美しかったのかとおばちゃんは感動した。

別荘を建てる時は

別荘を建てるというと、日本人はテンションが2目盛りほど上がってしまうらしい。この伊豆の山でも、夢と妄想が爆発した家が散見されるわ。

定番のログハウス。 丸太を割って張り付けログ風など段階様々。メルヘン調 丸いとんがり屋根とか。

メキシコ風のパブかレストランのような洋風。レンガ造りの洋館~ 程度さまざま。

山は里と比べ物にならないくらい湿気が多く、本物の丸太は湿気を吸うし朽ちやすい。

下駄箱の革靴は白くカビを吹く。立ち木からの落ち葉が、雨どいやバルコニーの排水溝をふさぎ屋上がプールになったあと、天井がおちるらしい。だから山の家には雨どいがない。

山で家を建てるときは究極の選択をしなくてはならない。おじちゃんと二人で挙げるポイントは、景観と立地。もし、眺めを優先したら、そこは崖地。

安定の地盤を優先したら眺望がない。

隣の家が見えるか檜に埋もれているか。

眺望がよく安定した平らな区画はとっくの昔に売れて豪奢な別荘が立っている。

眺望がいいお家は確かに素晴らしい眺めで富士山も絶景もウチの!と言いたくなるが、台風と豪雨の時は真剣に怖い。2019年の台風で家が一軒がけ下に落ちた。

朝起きてカーテンを開ける時が幸せ。

アデルのRolling In The Deepを聴きながら庭で草取りをしたって、ご近所には聞こえない。日が暮れて檜の林が黒々と沈んでいくと明日は何をしようかと思う。

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