草を刈る

また刺されてしまった。
刺し口があるのでブヨかもしれない。
5月は入院手術だったので、お隣の草取りまで手が回らなかったのだが、春に草取りをしなかったせいでお隣にある抜け道が草ぼうぼうになってしまった。

4日前から朝がた冷えるようになりタオルケットでは寒い。日中も30度を越さないので草取りがしやすい温度になったのである。
さて、やるかとオフハウスで買ったジーンズとワークマン製のマイナス3度すずしいというジャケットにネット付き帽子、オニヤンマのプリントが手の甲についたグローブ、長靴という防備で草取りに立ち向かった。湿気が多かったが気温は低かったし風があったので蚊取り線香もぶら下げなかった。
蚊は気温25度以上だと活動的になるのだ。


抜け道の3分の2くらい刈進んだとき右の足首が猛烈にかゆくなった。長靴の中に手を入れて掻く。靴下が短くてジーンズも女性用で短かったから脛が10センチほど肌が露出していて、その素肌を狙って刺されたらしい、長靴の中なのに!恐るべし山の虫。
血に飢えていて絶対刺すっと命を懸けていたんだろうな。

おばちゃんは装備の不備を突かれ小雨も降ってきたので退却した。その時は蚊だとおもってかゆみパッチを貼っただけだったがどうやらブヨだったみたいだ。
明け方からヒリヒリ痛み起きたら足首からくるぶしがはれ上がっていた。

また、皮膚科ですか。
おばちゃんの医療明細には皮膚科がずらりと並んでいてお薬手帳は塗り薬のリストになっている。皮膚科に行くと塗り薬と飲み薬をくれて何もしないよりは早く治るが。

くるぶしまではれ上がってじんじん痛む。痛みに気弱になって化膿とか、廃血症とか、単語がちらちら頭に浮かぶ。化膿止めにA子ちゃんから送ってもらった抗生物質入りの軟膏Neosporinを塗ろうとして、キャップを開けたらNeosporinが液体となってたらたらと流れでた。 今年の異常な暑さで軟膏がなんと液体になってしまった。冷蔵庫で冷やしたら元に戻るかしら?

A子さんが来月また日本に来るので、買っていくものがあったら教えてと言われたので持ってきてもらおう。ダイソンのバッテリーもお願いしようかと思ったが、A子さんからややこしいのは困ると却下されたのであきらめる。
A子さんがややこしい人なので出入国はなるべく引っ掛かりがないほうがいいのだ。

永住権や市民権を持っていても安心できない。
出入国では何が起こるかわからない。長い間アメリカに住んでなかったじゃないかとグリーンカードをハサミで切られた人。
チャイルド・アビュース歴で入国を拒否された人。(ご主人が一時日本に帰国して米国に帰ってこようとしたらやられた。主に奥さんがチャージされていたのだったが夫のレコードも残っていたらしい)
麻薬犬が寄ってきて荷物検査をされた人。(されて当然の理由があった)
テレビの“とかボーダー“番組では違法持ち込みが多いが物品が、絡まなくてももっとややこしい問題がいくらでもあるのだった。

今日も30度未満なのでおじちゃんは玄関先のリモデルをしている。おじちゃんがうるさいので草取り開始前に叢に殺虫剤を吹き付けた。今日は風がないので何度もスプレーを噴射すると、蚊が寄り付かなかった。科学のおかげ。
お隣の抜け道をすっきり刈り取った。すがすがしい。

自家製スローライフ

麓の気温は37度だった。
山の登り口は両側から木がおおいかぶさっているので日さしが和らぐ。100M標高登ると1度近く気温が下がる。


今日はこの夏最高気温らしいから管理事務所あたりまで登ったら、アスファルトの照り返しが熱いのか、ゆらゆら陽炎が昇る。

前にいるグレーメタリックの車は品川ナンバーで夏休みでやってきたのかもしれない。止りたいのか出たいのか、メインストリートに出るまえにしばし悩んでいる。道を忘れてしまったのかもしれない。

おばちゃんは急いではいないので、のったり後についているだけ。前がやっと登りに出ればおばちゃんもついて出る。
グレーの品川はゆっくりメインストリートを走りだし、脇道に出会う度に停止寸前までスピードを落とす。どうやら本当に家を忘れてしまったようだ。

グレーメタリックの品川をぼんやり見ながら、なんかなじみのないモデルだなと思った。
レクサスのようでもあり日産のようでもありキツネみたいなT字ぽいエンブレムを眺めながらどこのモデルだろうとおじちゃんに聞いた。さあ?
と、家に帰って気が付いた。テスラじゃねぇ?テスラだわ、意外と地味だった。

毎朝おじちゃんが畑に出て野菜の収穫をする。
キュウリ、キュウリ、ナス、ズッキーニ、トマト、オクラ。
キュウリはサラダにして、酢の物、ぬか漬け、たたきキュウリの素は意外とうまい、手軽だし。
もう毎日キュウリ。

インゲンは茹でてたらこマヨネーズを付けてポリポリ。

ナスは麻婆ナスに揚げびたし、焼きナス、天ぷら。
富士山のふもとで水がいいので、豆腐もおいしい。野菜全部入りのトマトスープを大量に仕込んでおいて小口で解凍して食べる。おじちゃんの血糖値は毎食こんな自家製野菜を食べていると調子がいいんだと。
私はたまには肉が食べたい。薄切りやひき肉でなくて。

老キャプテンのところでご馳走になったお茶があまりにもおいしくて、売っているところを聞いた。早速買いに行ったらなんと!入り口で茶の木を売っていた。高さは50センチある。すでに葉っぱは沢山つけているので、うちの畑に植えれば来年はささやかな茶葉が取れるかも。うれしくて茶の木を抱えて店内に入る。
おじちゃんはアメリカでアイスティーに毒されてしまったので緑茶を入れて飲むのはおばちゃんだけ。

おととし山の散歩で拾ったお茶の実をいくつか植えたら1本だけ育った。まだ葉が3枚で高さが10センチだからいつお茶にできるかわからない。だからこのお茶の木に出会えて移住してからの夢だった自家製緑茶の夢がとうとうかなう。なのにおじちゃんの体温はあくまでも低い。
どうせ素人が育てて素人が作ったお茶なんてうまくないに決まってる、と。

それはそうだ。おばちゃんは煎茶のおいしさは売店で求める。自家製お茶を飲むというぜいたくは別物なのさ。


庭で七輪にヤカン(黄色っぽいヤカンね)をかけておいて、5月に庭の草取りをしてついでにお茶の緑の葉をちょいとつまんで両手でモミモミ。ヤカンのふたを開けて放り込んで即席のお茶を入れて一服。仙人のような暮らしをしてみたいのよ。分かってくれないかなこのロマン。

田舎暮らしと虫

おばちゃんの血液型はOである。
蚊から最も好かれる血液型らしい。5月の半ばから11月までは庭に出るときに絶対素肌を出さない。長靴とズボンの間に5センチでも隙間があって素肌が出ていると蚊かブヨに刺される。
それはもうおじちゃんから笑われるほど刺される。おじちゃんは無傷なので。

おばちゃんのお薬手帳は、虫刺され・かゆみ止めの軟膏の行列である。蚊、ブヨ、あしながバチ。ハチ毒にアレルギーがあるので、スズメバチに刺されたらサヨナラだと思っている。

平成の間乾燥したカリフォルニアで暮らしたから、日本の蚊やブヨに無縁で耐性がなくなったのだと思う。刺されるとはれ上がって痒みが引かない。ブヨに太ももを刺されたときは鏡モチのようになって歩くとこすれて痛たかった。股ずれとはこんな痛みかと理解した。
12月に庭でブヨに瞼を刺されたときも、おじちゃんに笑われた。右瞼がはれ上がって視野がふさがってしまって仕事を休んだ。だって右目が見えないから。

足の常在細菌のせいで蚊に刺されやすいと高校生の例の研究を読んだ後、足を洗ってから庭に出るようにしてみたが、足を洗おうが、山の野生の蚊は半端な虫よけスプレーや虫よけシールなどもものともしない。ガードが弱いところを狙ってくるのである。香取線香が一番効果的かもしれない。

山の蚊やブヨはどのように質が悪いかというと。
ネット付帽子をかぶり園芸用手袋をしていても、手袋の甲の部分がメッシュで手の甲の関節を刺された。指の股を刺されたときは「かゆみパッチ」をどう貼っていいか分かんなかった。薄い生地の作業ズボンはかがんだ時に、お尻の生地がピンと張ると刺される。生地がだぶっとしていると針が届かないのだ。レギンズなんか素肌と一緒。ぼこぼこに刺されるので気温30度を超える真夏でも厚めのデニムが推奨である。

2年目の夏、寝入りばなにおばちゃんの顔に天井から虫が落ちてきた。
悲鳴を上げて電気をつけ慌ててダイソンで虫を吸ったらカメムシだった。慙愧の涙である。ダイソンがカメムシの臭いで汚染されてしまった。おじちゃんが我慢できずにファブリーズを部屋とダイソンに吹き付けたら吐きそうになった。メロン系の匂いのファブリーズは絶対カメムシに使ってはならない。おばちゃんの遺言である。

猫を飼っていてつくづくよかったと思う。何故なら猫たちは虫探知機なのだ。
トムとジェリーをやっている2匹が何故か異様に静かで、寄り添って壁の隙間や床の1点を見ているときは要注意である。ティッシュかダイソンを持って近づくとヤスデだかムカデが見つかる。ゴキブリも潜んでいた。


この間、寝ぼけてトイレに起きたらトイレのドアに背を向けて、2匹が目をらんらんと光らせて洗面所のドアの隙間を見ているのでオカルトかとおじちゃんをたたき起こした。ゴキブリだった。ゴキブリは刺してこないがヤスデだかムカデは刺すらしいのでモジョモジョが見えると悲鳴を上げてしまう。

カマドウマは子供のころ好きだった。
もっこり背むしのような姿がかわいいではないか、おじちゃんがかまれて血を流すまでは。カマドウマに歯があるとは知らなかった。
ステンレスのバスタブにイモリ?(お腹の赤くないの)がステンレスを登れなくてジタバタしていた時は可愛かったね。おじちゃんに見せてから逃がしてあげた。

さっぱりわからないのは、家のどこからどうやって入ってくるのかわからないこと。イモリやカメムシが入ってこられるような隙間が無いんだけど。田舎に住む、山に住むということは自然とともに住むということで、自然というのは虫がたっぷり住んでいる場所だ。豊かな自然には豊かな昆虫が生息するのですね。


ふんだんに降る雨と豊饒な土地と虫は切り離すわけにいかないからね。今年はカンパニュラとジキタリスが思いもかげず絢爛と咲いたから見たこともないほどミツバチが花の蜜を吸いに来ていた。

ミツバチも人がちょっかいをかけなければおとなしく蜜をすって帰るだけ。山で養蜂をやっている人もいるらしい。この山地元産の蜜をセブンイレブンで売っていたから、瓶の何万分の1はおばちゃんちの花の蜜だと思うとちょっとうれしい。蜂蜜の味が嫌いなので絶対買わないけど。

ビフォー&アフター

夏が始まる前に植栽の剪定を済まさないといけない。
ジューンベリーが屋根より高く伸びてしまったのでおじちゃんに枝を払ってもらったら、おじちゃんのスイッチが入ってしまったようだ。
段々庭に降りる階段の水の流れが悪いとかでコンクリートとブロックで補強するのだという。

おばちゃんは草取りで忙しかったから水を飲みにもどったら、溶岩で縁取りしていた庭の降りくちは、コケのついた溶岩がひっぺがされ、アジアンタムとシダ、ギボウシが抜かれて更地にされていた。
先代のおばちゃんが原型を作ったシダと苔とアジアンタムの緑の森が更地に、、、!

おばちゃんはショックでくらくらとして座り込みそうだったよ。
確かに水はけが悪くなって雨が降ると通路に流れるがそれがどうした。通路はコンクリートだから溶けるわけじゃあるまいし。


アジアンタムは家じゅうでここしか育たない。昔からポットのアジアンタムを何度も枯らしてきたおばちゃんにとって、この通路はアジアンタムの聖地なのに。ゴミ袋にアジアンタムのちぎれた葉っぱが突っ込んであった。

上から満天星ツツジの垣根に下る縁石がすべて組みなおされていたよ。おじちゃんの変な性癖:土地をちまちまと“石や杭で四角く区切る“という癖がいかんなく発揮されて、新しいコンクリートブロックなんか追加されて段々が作り直されてたわ。

植えなおしてからやっと元気になって少し大きくなった大事なヒューケラが2株ともいったん引っこ抜かれてシランと四角く整列してたわ。シランはすぐさま引っこ抜いて捨てた。隣にはマリーゴールドが植わってた。

ここは4季を通じてコケがついた渋い溶岩石に縁どられ、アジアンタムの緑葉がちらちらと風に揺れる深山を思わせる通路なのに、能天気な黄色のくっさいマリーゴールド!と、はびこって始末に負えないシラン。いったい何を考えておるのか!!

シダとカラーリーフの場所なのになんで一年草のそれも黄色を植えるのか、おじちゃんに質したところ、ハンギングを作り直してマリーゴールドが余ったからだと。余ったから何でも植えていいわけじゃない。

アジアンタムはまた茂るかもしれない。2年くらいしたら。先月の写真を見てよよよと泣き崩れそうだったわ。


気をとりなおして里に買い物に行ったら、行きつけのお花屋さんがコロナで破れかぶれになったかとんでもないセールをやっていた。夏のお花が10株以上買うなら1ポット30円!
ペチュニア、日日草、ミニチュアひまわり、ペンタス、桔梗(青、ピンク、白)イソトマ、ミニダリア、アスター、千日紅、エボルブルス、ジニアが通路まであふれていておばちゃんたち狂乱状態。

ほとんどが一年草なので10月には終わってしまうがそれでも安い。キク科はあまり好きではないのでパス。来年も咲くキキョウを20把と生垣の下に植える斑入りのベゴニア、おじちゃんが好きなひまわりに深紅のペンタスなど30把以上選んで千円ちょっと。

帰ってカリブラコアとペチュニアなんかを植えたあと苗を取りに戻ると、キキョウはおじちゃんが作り直したアフターの通路に植えられていた。ヒューケラがまた動かされていてハゲイトウと並んでいた。
ヒューケラは触らないでって言ったじゃない。ケイトウを抜けというとおじちゃんはぷんぷん怒った。ここは宿根草を植えるの!

ゼラニュームをもって生垣の下に植えて見上げると、通路はキキョウだらけだった。

メインストリートの手前のネメシアがもう終わりなので、カリブラコアがもう少しあるといいかも。次の日にまたお花屋さんに行って、昨日もいらっしゃいましたねと言われながらまたシート2枚分40ポット以上買った。

生垣の下をもう少し充実させたい。また3日目にも突撃して2シートに詰められるだけ買った。
ポットには土が詰まっているわけで2ダース以上のポットを持ち上げるとかなり重い。ヨタヨタと車に積むと満足感で幸せになる。

うちに帰るとまた植え付けである。おじちゃんはハンギングも全部やり直すという。余ったマリーゴールドをその辺に植えられそうになるので、モグラの巣である東の端に植えた。この間引っこ抜いたエニシダの件はばれていない。

この南東の敷地の端っこには果実が植えられているのだがお向かいの中野のおばちゃん地と接している。おじちゃんは柿の木を敷地ギリギリに植えた。背丈を越して葉が茂り始めた柿の木は、秋に枯れ葉をお向かいに落とすようになるだろう。木は育つということをおじちゃんはいつ気が付くのか。

樹齢?20年くらいになりそうなこのイワヒバをおっちゃんは引っこ抜いて場所を変えて植えなおした。なぜ?

アーチDIY

久々に山の天辺の猫友達からお誘いが来て、彼女のお家でおしゃべりをすることにした。3時間ばかりおしゃべりをして帰ってくると、おじちゃんは電動チェンソーを手にして満天星つつじの生垣は縦半分の幅になっていた。

そりゃ、確かにおばちゃんは言った。
この満天星つつじは元気になって庭側に張り出してきたね。根元のお花に日当たりが悪くなってきたし、この困ったちゃんのクレマティスが這いまわって剪定の手が届かないし、。
言った、確かに言った。

3時間の間に生け垣が半分になった。

んま~、そんでこのクレマティスはどうするわけ?
オベリスクを建てる隙間もないから。

そしたらアーチに絡ませるのはどうか?だって。クレマティスの専用アーチですか?それほどボリュウムがありますかね?

その答えをおじちゃんはOKと取って、次の日さっそく作業に取り掛かった。おばちゃんは梅雨の本格的な雨の前に、伸びすぎたつつじや植栽のトリミングをしようと思った。

おじちゃんが東の角につつじを3本ばかり植え替えた。
これはいいんだが、つつじのために引っこ抜いたエニシダ子株を何を思ったか通路に植えた。

エニシダは前後左右ぐるりと枝を張るから、通路に植えられると通れないばかりか、周囲1,5メートルは草取りに苦労するし日が当たらないから、下生えにお花が植えられなくなってしまう。
つまり、エニシダから庭の端までもうエニシダの領分。庭が1,5メーター四方少なくなったと同じことになるのに。

おじちゃんは何度言っても考えてくれない。
百日紅の隣にエニシダとヒュペリカムとエリカとチェリーセージを植え変えたのよ。よりにもよってみんな枝が横に張るものよ。時間がたって木が成長したらどうなるかつーうのを考えてないのよ。横に張った木の周りの草取りもできないじゃない。
増えすぎたシュウメイギクの子株を地面に植えてあったのに、陽があまり当たらなくなったので枯れてしまった。丈夫なシュウメイギクの株が枯れるなんて!

おじちゃんは草取りをしない。
畑の草も野菜のプランターの雑草も見えないみたい。庭の角っこや植栽が込み合いすぎたときにどうすると草取りができるかを考えずに適当に植えてしまう。
東の下ったところに柿を2本、リンゴを2本月桂樹を一本押し込めて植えて柿が大きくなったらどうするつもりなのだろう?

通路の真ん中に植えられたエニシダは機会があったら始末してやろうとチャンスをうかがっていたのである。おじちゃんはアーチに集中しているので、東の隅で草取りをしている風を装って、エニシダを抜いた。一度根を張ると抜くのが大変なのだ。

ついでに変態梅の枝も切った。
剪定ばさみの音で気づかれて、来年は花が咲かないからな。と恫喝するおじちゃん。
花が咲かないのはもともと。

この変態梅は陰毛のように枝がくねくね曲がりとんでもない方向に新芽が伸びる。見ているだけで枝が切りたくなる木。日当たりもいいこの場所になんで植えてしまったか。
花木を植えるにはつくづく考えてからのほうがいいと思う。年々大きくなる花木とおばちゃんは相性が悪い。

春は同じように来るように見えるが実はいつも違う。
今年は開花時期に雨が多くて、ウチだけじゃなくお隣もお向かいさんも梅の花付きが悪かった。その代わり今年はブルーベリーの出来がいいみたい。お向かいの婿殿はブルーベリーにせっせと鳥よけの網をかぶせた。

庭を一回り剪定と草取りをして蒸し暑い日だったから大汗をかいた。
切りがいいところで今日の作業は終了だ。お風呂に入ろうと思って、ふと、とんでもないことに気が付いてしまった。

困ったちゃんのクレマティスは冬咲である。ギンギンに冷えて寒い1月に咲く。下手すると雪が積もっているなかで咲いている。

おばちゃんたちは12月過ぎたら寒すぎてもう庭に出ない。出ても何もないから。
クレマティスはいつも忘れられている。

風呂の窓を開けると、アーチが真下に見えた。
ついでにおじちゃんがクレマティスを生垣からはがすときに茎がパキパキ折れたらしく、無残にも地面に枝と葉っぱが散っていた。絡んでいたクレマティスの枝をほぐして、無事アーチに誘引できたのは3分の2くらいかもしれない。

さあて、このおじちゃんお手製アーチというかラティースというか這って絡んだクレマティスの花は、誰が見るのだろう?

玄関先の寄せ植えと違って、お散歩のご近所さんからも見えない。
小さなベル型のクレマティスが格子の間からぶら下がって咲く?ふんなわけあるかい。藤の花とは違う。格子の材木の厚みは5センチほどあって、ベルの花は5センチもない。

通路に立って2メート頭上咲く小さな花は、たぶんおじちゃんとおばちゃんが直下から眺めてもよく見えないかもしれない。二人とも老眼だし。

いままでは生垣の上に咲いたから花が見えたんである。アーチを上から見下ろせるのは、唯一風呂場からだけ。真冬の零度近いふろ場でだれが窓を開けたいか。

この残念な発見はおじちゃんにまだ言ってない。

梅雨の肌寒

6月も6日だというのに、というか、朝から雨で気温は15度しかない。土砂降りでおまけに風も出てきたからちっちゃな台風が来ているようである。

朝から寒いのでついに使用止めにしたはずのファンヒーターをつけた。まるで3月じゃないか。
せっかくカンパニュラとジキタリスが咲き乱れ、アカンサスはつぼみが大きくなって今週中に咲くはずの時に。よし、これから夏の庭に向けて手入れだぁ!というところで春に逆戻り。もうひと缶くらい灯油を買っておこうかと気弱になる。

おばちゃんはせっかちなので、冬のセーターもジャケットも寝具もとっくに衣替えをして、冬は押入れの奥底にしまってしまったのである。春夏服ではストーブなしで寒い。おじちゃんが嫌味に咳をする。
お前はいつも極端なのだよ。

毎年6月にやっておけばよかったと後悔するのは、夏と秋のお花の用意である。
5月は一年で一番花が咲きほこりお花でいっぱいになるのだが、8月まで咲き続けてくれる花はそんなにない。


ペチュニアやキンギョソウは花柄を切ったり切り戻したりできるが、ビオラやデルフィニュームはそろそろ終わりだ。7月に入って夏のお花の用意がないことに気が付いて慌てることになる。

7月8月の夏のお庭に花がなくなってしまうのよ。ガウラとエリゲロン以外に緑ばっかり。
夏秋のお花は5月終わりから6月に植えておかないと。

メインストリート

5年かかってそれをやっと理解したので、今年は朝顔とコリウスとコキアとホリホックの苗を植えて、コスモスとカスミソウとニチニチ草は種を蒔いた。種から育てるのは難しいね。一袋の花の種を蒔いて一株二株くらいしか育てられない。種用のポットを使って2三株づつ蒔くべきなのだろうが、おばちゃんは面倒くさいのが嫌いだ。
根性がある奴なら直播で育てよ!と思って地面にそのまま蒔く。成績悪し。根性がないんだわ種が。

今年新たな発見があった。増えに増えたうちの獰猛なイチゴは今年もやっぱりすっぱくて、収穫の数だけは多かった。植えた5年前からすると毎年酸っぱく味が野生に近くなるようだ。元の出自のとち乙女のふっくらした果肉の柔らかさ、甘みはどこに行ったのだ?
おじちゃんが朝ボールに収穫するのだがそのままではすっぱすぎてヨーグルトに入れる気にもなれない。

2,3日分収穫がたまったのでジャムにすることにした。
粒が小さいのであえて切らないでそのまま砂糖をかけ!水が出てきたところで炊いただけ。形がそのまま残ったジャム。
期待しないでトーストにのっけて食べたおばちゃん、思わずのぞけった。
人生で食べてきたイチゴジャムの中で一番おいしい!超びっくり。酸味がいい仕事をしている。甘いイチゴだと多分このおいしさにはならない。

しまったぁ!と思った。
何故といって、増えるば~っかりで年々まずくなるイチゴに腹が立って、おじちゃんにイチゴ棚を始末してって言っちゃった。おじちゃんは不承不承に棚を始末してしまった。


ただし、子株を20ばかりポットに確保していた。来年はどこに植えるつもりなのだろう。あのいちごジャムがもう一度食べられるなら、畑に植えてもいいけど。

満天星つつじとクレマチス

冬咲きのクレマチスが、、、元気いっぱい満天星の垣根に這っている。誰が植えたんだクレマチス?おばちゃんです。

去年、春咲のクレマチスも追加で植えたような気がする。おかげで満天星の剪定ができない。こんなはずではなかった~。

で、今日は我慢ができなくなってトリマーを取り出した。切ったろ。もう無理、つうとこまでやってみました。あとは来年の2月にクレマチスごと剪定するしかない?

毎年同じような花を植えるとはいえ毎年違った庭になるのが不思議。
今年はカンパニュラとジキタリスがセールになっていたら鬼のように買い込んで植えまくったから、ちょっと見ごたえのある庭になりそう。ガウラがまだ小さいのでガウラとカンパニュラの花の競演が見られないのが残念だわ。

関東では暑かったようだが、今日は26度で風があって過ごしやすかった。花殻と病葉を切る時が一番幸せ。もっと咲けよ。と思う。小さなお花が鈴なりに咲くのが可愛くて悶えてしまう。

お向かいの中野のおばちゃんによると、人間は自分にないものを求めるのだという。身長150センチに満たないような中野のおばちゃんは、大輪のゴージャスな花が好き。でっかい私は小倫が好き。小さな可憐な花に弱い。人間はないものを求めている。

真っ赤なアマリリスとボタンとガザニアは中野のおばちゃんのために植えた。お向かいのキッチンからちょうどうちのお庭のメインストリートが見えるから。ボタンが咲くのはたぶん来年だろうがたまには大輪もアクセントにいいかなと思って。

先週は中伊豆の園芸店に走らせている途中で、突然左目に黒い影がワラワラと表れた。
あっ、これはアカンやつ。アイ子ちゃんの知り合いが緊急手術になったやつか。慌てて町医者に電話を掛けたけど、もしも網膜なら町医者では手に負えないはず。

急遽行き先を変更して総合病院に走ったら眼科の予約は今日はいっぱいだという。残るは4月5月にご厄介になった国立病院か。行きたくないのである。4月5月にあそこに住んでいたから。できれば行きたくない。が、あそこしかないのでしぶしぶ病院に行く。

即、レーザー治療になる。
網膜に穴が開いているわけではないが、弱いところがあって眼底出血をしたという。レーザーで焼いてもらった。網膜剥離だったら手術入院だった。

3日前にいつもと同じ化粧水と乳液をつけて寝たら朝顔が突っ張っている。お昼にはぷつぷつがでてどうもかぶれらしい。

やっぱりこう来たか。
20年前に肝臓のガンマGTPが900を超えたときには、湿疹とアレルギーマーチに悩まされた。
今回は肝臓を3分の1切除されたので免疫と解毒作用が落ちてるんですね。あの時は、湿疹ができてからはハンドクリーム、リップ、シャンプーなどで次から次へとアレルギーを起こしてアメリカ製の化粧品は全滅。資生堂だけが使える状態になってほんとに困った。

アレルギー用のステロイドの塗り薬は塗って太陽に当たるとだめなので、バンダナで額と目から下を覆う。成田空港建設反対の左翼学生のようになってしまった。明日は野草の植え替えとサツキとツツジの選定をしたい。体にクダがついてなくて、自由にお庭に出られて幸せ。

目指せ宿根草のお庭

快晴ですわ。
フジ3本掛けの藤棚。もじゃもじゃなので、ついでに夏用の朝顔を4支柱の根元に植えたいと言ったら、おじちゃんの拒否権が発動された。

これ以上ツタを絡ませないで!、っってたかが朝顔やおまへんか?そんならフジも2本にすればよかったのに。どうしても成長したフジを切りたくないおじちゃん。

ここはロックガーデンでシレネの森だったのだ。3月にはまだシレネが黄色の枯れ枝だった時におじちゃんに毟られてユリを植えられそうになったさ。

おじちゃんは花が咲いてないと宿根草も雑草も区別がつかない。宿根ガザニアもブルーデイジーもフランネルフラワーもみんな掘られて捨てられた。


花?無いよ。腐ってたよ。
嘘つけ。根っこがあったろ。
ないよ。みんな腐ってたよ。
いつも同じ言い訳をする。

今年はジキタリスとカンパニュラを植えまくったので、理想のお庭に一歩近づいた?
家のお庭に毎年生えて咲いてくれるお花がうちの子

うちの子:水仙、桔梗、竜胆、アイリス、都忘れ、ガウラ、ダーラ、ホトトギス、チェリーセージ、シレネ、ネペタ、ヒューケラ、カンパニュラ、ジキタリス、ヒナ草、セージ、サルビア、ペンステモン、アカンサス、ボタン、クレマチス、リナリア、ネメシア、 球根類。

何故か木に咲くお花は興味がなくて、勝手に大きくなってコントロールが効かせにくいし。毎年萌出てきて毎年けなげに咲くお花が愛しい。うちの子。

もっとも、うちの子だけを当てにしていると庭がスカスカになるので、シーズンごとの一年草を植える。ビオラにキンギョソウ、ネモフィラ、デルフィニウム。

こっちは客演者
お金を払ってシーズンを盛り上げてくれる子。
毎年毎年植えて消えてしまうシーズン花にむなしいなって気がしないでもない。植えたのに、冬が越せないなんて、この根性なし。
マイナス5度くらい耐えたらんかい!とニチニチ草に言っても本人の能力以上のことなんで。たまにこぼれダネで翌年生えてくるとうちの子。えらい!

セールで宿根草を買わねばならぬ。できるだけうちの子を増やしたい。
去年うちの子になったアカンサス。見よこの威を払うどうどうたる容姿。
メインストリートに植えたった。ガウラの小道の行き止まりに華麗な花を咲かせるのだ。どや?

チェリーセージの花の可愛らしさにおばちゃんはあっちこっちに植えただ。
トリミングした枝が挿し木で付くのを発見してから、庭のぐるりをチェリーセージで取り囲む計画を発動したのだが、3年目にチェリーセージは横に枝を張ってきて込み合ったところに植えると大変邪魔!というのが分かったのだが、そのころはおじちゃんが面白がってやたら挿し木をして回って、エニシダやエリカのそばにも挿し木をするという迷惑を発揮してくれている。

ああ、カンパニュラとジキタリスとガウラがぎっしりと咲き誇るおばちゃんの庭はいつ完成する?

7年で一人前

お向かいのおばちゃんによると、自分の庭が一通りできるには7年かかるのだそうだ。
今年が5年目だからあと2年か。

ガウラは毎年こぼれダネで増えてきた。とんでもないレンガの隙間から生えるとか。
庭のメインストリートの両側をガウラで囲みたい。ガウラの小道にしてみたい。

アカンサスは3把に増やしたから、咲き誇るとダ~ンとインパクトがあるはず。
丈の高い花の根元はダーラで飾りたい。去年の12月には庭中に笹を指して霜よけにした。若干効果はあるみたいで、ダーラも冬越しして数把根付いた。根元はピンクのダーラ、奥は蝶が飛んでいるようなガウラ。

モッコウバラが咲かないのだよ。今年で5年になってそれなりに幹も5センチ以上になったのに。おばちゃんは肥料をやればすぐ大きくなって黄色の花を咲かせてくれると思ったのに、シュートばっかり増えて花の1輪も咲かない。肥料はやりすぎないほうがシュートが出ないみたいだ。それでもやっぱり咲かない。白いアーチは葉っぱばっかり。

青いお花セクションはモグラの通り道だったから、宿根草も根っこが掘られて激怒してオレンジフーセンガムを埋めまくってモグラは不快に思ったらしい。今年はトンネルが少ない。

ブルーセクションにデルフィニウムとサルビアとペンステモンを植えまくるのだ。アクセントにしろのキャットウイスカーを植えて風に深海のような青いお花が揺らめくのよ!
キャット・ウイスカーはどこに行ったのかしら?ん~ん、見当たらない。

デルフィニウムは多年草なんだが、実際日本では1年草扱いなんですって。根付きそうで根つかない。真夏の暑さとムレとマイナス温度がすこーしづつ許容量を超えるからかな。毎年デルフィニウムを植えるのはシャクに触る。

園芸やのおっちゃんが言ったので、ヒューケラをとりあえず園芸土でできたナーセリーに移して冬を越したら、萎れて弱った株が回復した。好き。

この立派になったヒューケラを他に植えたらまた元気がなくなってしまうのだろうか?どうしよう。一通りの庭ができるにはあと2年。

5年目の5月

しまったなぁ!生垣にクレマチスを絡ませてしまった。
何が一番困るって満天星つつじの生け垣が剪定できなくなってしまった。生け垣の角をきっちり四角に整えるのが好きなのに、トリマーがあるのに!クレマチスのせいで生垣が刈れなくなってしまった。

この白のクレマチスは冬咲で真冬に花が咲く。真冬にぴゅーぴゅー木枯らしが吹く中、庭に出なくなる時に花が咲くのである。春咲きだと思って買ったのに。

素人が庭を造るとこんなことが起こる。5月に新緑が萌出て気が付いたらクレマチスも萌出て生垣の剪定ができない~~。いややん、これどうしたらええのん?

春のお庭は力が入る。何せ花の種類は多く一気に咲きそろうのである。おじちゃんはDIYに励んで柵を直したりちまちまと花台を作成している。このポット階段もおじちゃんの自作。

このミニダリアは一通り花が終わったら地面に下すつもり。去年は雨が多かったので、段々庭の下の方は割と水はけが悪くグラジオラスとダリアの球根の半分が腐ってしまった。

庭のどの辺なら何が育つかいまだにまだ試行錯誤をしている。日当たりと、土壌と水はけと風の通り。う~む、難しいね。

いよいよ今年はアカンサスの花が咲く。
去年アカンサスの苗を見つけて、ああ、アカンサス様だ。モーリー様だ、とうちに拉致してきた。土壌が大事らしいので大穴を掘り園芸用の土壌と入れ替えて大事に植えた。去年1年で葉が大きく増えたけど花は咲かなかった。しかしめちゃくちゃな存在感がある宿根草。あたり威を払う女王感というか。

今年はいよいよ花穂が伸びてお咲きになるようだ。へへ~とひれ伏しそうだ。はよ咲け。

おばちゃんはせっかちなのだ。3月に植えまくった宿根草がまだつぼみを持たない。はよ咲け。

  • footer