経過観察6か月目

10月の初旬に突然食欲のスイッチが切れてしまってからひと月。
吐き気と喉の違和感は逆流性食道炎からくるものが多かったみたいで、ガスター10をひと箱のんだらずいぶん吐き気が軽くなった。食欲の回復はいまいちである。犬でも猫でも食べなくなったらなんかおかしいのだ。

美食の国のおいしいものだらけなのに、肉類や油ものにはいまいち食指が動かない。コンビニのちっちゃなスイーツと梨があると嬉しい。体重は少し落ちた。脂肪率は3%落ちた。体重がさほど変わらず体脂肪率が落ちるということは、筋肉がなくなったか水分が増えたか。


どうも今の体重にしては顔と足にむくみがあるような気がする。60年以上もこの体と付き合っていればこの体重なら頬っぺたと足はこのくらいの細さであるべき基準があるからね。

右わき腹の違和感はずっとある。鈍い痛みは胆のうがあった場所に陣取ってまれに背中も痛むことがある。食前と食後でも痛みの方向や強さは変わらない。

一言でいえば正常ではない。何がどうなっているのか一番やばそうなシナリオから考えてみる
食事の有無でも痛みが変わらないということは、Oddi括約筋の異常とは考えにくく胆管自体に何か異常があるのかしら。例えば胆管に変な癒着があるとか、あるいは胆管が詰まりかけているとすると他にどんな症状が出るか考えてみる。

胆汁の通りが悪くなるわけだから便の色が薄くなる。眼球の白い部分が黄色みがかる。要は黄疸だね。ここのところ毎朝、トイレで観察を続けてきたが、ブツの色はかなり薄い。フラグを立ててもいいくらいの黄色。

眼球は生まれたての赤子でもあるまいし、冴え冴えと白!ではなくて初老のオフホワイトである。

黒褐色の尿がでるかどうか。
胆汁に含まれるビルビリンが胆管を通らず血液中に流れると黒褐色の尿になる。

おばちゃんは胆のうを切る数か月前の明け方、トイレに行って小用を足しフラッシュするときに何げなく見ると便器が黒かったのでぎょっとした。ほとんど寝ぼけていたので何かの感違いだろうと2度寝してすっかり忘れていた。人体からあんな黒い液体が出るわけがない。おじちゃんが先に使ってきっと流すのを忘れたのだろう、と。

胆石症と診断されて主治医から黒褐色の尿が出ませんでしたかと聞かれて、その時に初めて思い出した。あの場合は小さな胆石が動いて胆管をふさいだためビルビリンが尿にでて黒色になったのだ。

さて現在にもどると、胆石も胆のうもすでに切除したので、もし尿が黒色になるようなことがあれば胆管が詰まっているのである。何で詰まっているかが問題。

熱は出るか
胆管が詰まると十二指腸から逆流することがあり細菌感染から熱が出る。胆管炎。38度以上の熱らしい。夕べ電気毛布の温度が熱すぎたせいで、上布団を蹴っ飛ばして寝ていたという。だからちょっと今朝は熱っぽい。ささやかな微熱。胆管炎ではないな。

さぁて、どうしたもんかなと思う。
食欲のなさと朝に出すものの「色」を考えると病院にGo!なのだが、あと3週間でCTの予約が入っている。3週間待てば、症状がもっとはっきりするだろうからCTだってはっきり映るかもしれない。3ミリより小さければ見落とすかもしれないし。

どうすっかなぁ?
予約を2週間前倒しに変更すると言ったらおじちゃんはどう感じるだろう。言うのも憂鬱だ。
3週間後のCTまでの期間は要観察期間中でおじちゃんを脅かすのは何もなく平和な時間なのだ。前倒しにしておじちゃんがまた丸まって寝るばっかりになったらどうしよう。

どうすっかな?
明日はアメリカ大使館からソーシャル・セキュリティの申請受付の電話インタビューが来る予定である。日本に帰国した時から米国年金手続きをすることが日本に定住する一つの目標だったのだ。これさえすませばおばちゃんの肩の大きな荷が下りる。

明日手続きを済ませてから病院予約の変更はまた考えよう。

ドクターに聞いてみよう・2

3週間前に突然食欲のスイッチが切れた。
朝目が覚めるとむかむかする。毎日、二日酔いか船酔いみたいだ。果物とスイーツなら食欲がわずかに動く。右横腹も痛む。熱はない。

熱がないので炎症や膿瘍は考えづらい。切除した肝臓方面の痛みではなくもと胆のうがあったあたりに一番近い気がする。胆のう切除後症候群かなぁ?

あるいは胆管か?おばちゃんの胆管は切除していないはずである。主治医は胆管を切除したとは言っていない。患者が聞かないことは何も言わない医者でもあるが。
切除後症候群はさっと検索しただけでは出てこなかったので、まったく知識がなかったおばちゃんは手術後の最初のフォローアップで主治医にちゃーんと聞いてみたのである。

胆のうは胆汁を貯める臓器であって切除すると胆汁が肝臓から流れっぱなしになるわけですが、実際それで消化器系には不具合が起こらんものですか?
すると、主治医は「大丈夫ということになっております」と含みを持った言い方をした。おばちゃんは「へーん」というしかなかったのだが。

「大丈夫ということになっております」としれっと口をぬぐっていた主治医は、なかなかのタヌキである。胆のう切除後症候群は胆のう切除の患者の3割から4割に発症するらしい。起こるか起らぬかわからない時点で素人相手に、症候群を説明するのは面倒だから何も言わなかったのだろう。

年間百人も胆のうを切っている50代半ばの脂ののった専門医にしてみれば、単純に素人に余計な疑問を持たせれば説明が面倒くさいだけ。時間を費やして患者を不安にさせるより、実際症状が起こった時に定期検査のデータをみて総合的な判断をして説明したほうが都合がよいだろう。

これと反対なのがうちの猫たちのかかりつけの動物病院の若先生である。
彼はペットの命を助けたくて熱意に燃えている。元気のない天を抱えてクリニックに行くと、若先生はすべての病気の可能性を考えてみましょう、FIPの可能性もありますね、、と自分の知識カードの手の内をすべて晒そうとする。

イヤイヤ、おばちゃんはそんなことをされると情報がとっちらかって面倒なので一番可能性が高い感染症からまず考えましょうや、と若先生を現実に引き戻すのだ。

腹の中はWindowsと一緒だ。
ブラックボックスになってしまって、何かのエラーがでて初めて不調がわかる。「プロファイルがありません」とか、アップデート後にエラーが出たりする。FAQを調べて対処法を試みたりするわけだ。

腹の中もWindowsと同じブラックボックス。
症状があれば切って開けてみればはっきりするが、不調が出るたびに毎回腹を切って中身を覗くわけにいかんじゃないか。外からわかる症状から推測するしかない。食欲不振が続くのは術後症候群なのかどうなのか。

またまたアスク・ど〇たーで掘ってみる。
おばちゃんと同じような症例が出てくる。CTをとっても異常はなかったという報告もついている。なるほど。12月には造影剤でCTの予定が入っている。

たまたまお昼にセールだった牛肉があったのですき焼きにしてみた。案の上、あまり食べられなくて食後胸焼けがして胃酸が上がってくる。
そこでハタ!!と気が付いた。

最近、そういえば寝付くときに左向きになるとのど元が胃酸ですっぱくて閉口していたのだった。あら、いやだ。逆流性食道炎じゃない。

胆石患者には逆流性食道炎がしばしばみられるのだ。
胆汁は肝臓で作られ胆管を通って胆のうに貯められる。食物が入ってくると胆のうは収縮してため込んだ消化液の胆汁を十二指腸?だかに送り込む。

胆のうを切除してしまうとため込むことができない胆汁が肝臓から流れっぱなしになる。食べ物の消化は肝臓から流れてくる胆汁に頼ることになる。したがって胆汁が十分でないせいで、揚げ物や肉の脂身などを多くとると消化不良や下痢の原因になる。胃液の分泌は増えるのか?胃酸過多ぎみになって胸が焼けるのだ。

おばちゃんの食欲不振の原因の一つは逆流性食道炎かもしれない。そういえば胆石で切る前にはよく胸が酸っぱくなって薬局でガスター10を買って飲んでいたな。それほど効果はなかったが。胃の括約筋みたいのが緩んでいる場合もあって薬だけではなかなか治りにくい。

二日酔いは逆流性食道炎にが原因の一つかもしれない。右腹の痛みは胆のう切除後症候群かもしれない。あるいは胆管か肝臓に再発があるのかもしれない。

肝臓には痛みの神経がないらしい。
「沈黙の臓器」は痛いといわない、ある程度は。がんが2センチを超えて発達して他の組織を圧迫するとか、組織を破るなどという場合になって初めて痛みが生じるらしい。ただし、おばちゃんは肝臓そのものを切られたらめっちゃ痛かったぞ!

アスク・ど〇たーの質問でも再発が発覚するのは術後6か月から2年の間が一番多いみたい。
食欲不振が再発の兆候ではないとは断言できないけれど、それは来月のCTと血液検査のマーカーの値が正常なら逆流性食道炎もひっくるめて切除後症候群だろうか。

可能性としては再発は排除できないわけで、アスク・ど〇たーを掘ってみる。
胆のうがん関連で2200以上の症例があるから。いまだに契約(月額330円)はしていない。患者の質問に対するドクターの回答は有料会員だけが読めるのだが、おばちゃんは今のところ読めなくてもいいのだ。

何故かというと、関連する症例ケースが多いので、質問自体が回答になりえるから。
例えば、
質問:ステージ4で黄疸が出ましたがどのような治療法があります?
という質問があるとすると、別ケースは
質問:黄疸のために胆道にステントをいれましたが炎症を起こして熱があがり入院中ですが、。
あるいは、、
質問:ステントは3か月ほどで詰まってしまい取り替えないといけないといいますが?
などと、別人症例の質問自体が答えになってたりする。

アスク・ど〇たーの質問症例を読むと胆のうがんのステージからの予後と再発・治療の方向がわかる。がんセンターやクリニックの情報ページでは、再発についての情報は様々な場合がありますので、、とか研究論文や治験方面に行ってしまう。限定的なニッチな方向になってしまうわけである。

アスク・ど〇たーの症例をだいたい総括すると、胆道がんの転移は以下のようになる。
再発はやはり術後6か月後とか1年ちょっととかに多い。
大抵は肝臓、十二指腸、すい臓、腹膜とリンパへの転移。CTスキャンで見つかるとしたら3ミリくらいの大きさ。定期チェックはしているのだが、3か月前では映らなかったという質問もあった。転移巣の進行はわりと速いようだ。

肝臓の転移の場合は黄疸が出る場合がおおい。
胆管がつまって閉そく性の黄疸が出るので管にステントの管をいれて減黄する。ステントの留置で細菌感染のリスクもあり、3か月ほどでつまるとか、3回までしか交換できないとか、あるいは天然で管の奇形があってステントが入らないという症例もあった。まことに転移というのは様々であって、ひとくくりにするわけにはいかんのだね。

腹膜に転移の場合は、手術でとってもまた再再発してきりがない。腸閉塞イレウスを警戒するのが腹膜播種だ。まれに骨の転移があって痛みが出る場合は放射線で焼く。

~とこのように段階的に予測できる症状と対処法がわかるわけだ。

ただし、こんな質問もあった。
うちの母は70代ですが先日胆のうがんステージ4肝臓に転移があると診断され手術も不可能だと言われたのですが本人は自覚症状が全くなく元気なんですけど、いったいどうなっているんですか?という質問が3例くらいあった。
幸せな症例じゃないか、とおばちゃんは思うのだが。

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