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携帯自体も出始めでIphoneどころか、BlackberryやNokiaがぽつぽつと使われ始めたころ社会はまだ携帯文化に慣れていなかった。他人と一緒の時に携帯電話をいじるのは、人を無視した無礼なマナーという合意があったような時代。 人は一人でやってきてアメリカ人がでっかい指先でBlackberryをポチポチさわる。よそから電話を受けて他人に耳障りな会話を平気でする。おばちゃん、そういう客が目障りで… Continue reading

生き延びる

アッコちゃんが窓の外を見ながら、ぽつんと言った。「ああ、あのアスファルトを均している人だって、資格や技能を持ってて仕事をしてるんだよね」 外の駐車場はアスファルトの敷直し最中でローラー車両に乗ったメキシカンが熱いアスファルトを均しているのだった。駐車場が半分使用不可能なので、客は来ず暇だった。 おばちゃんは、アッコちゃんが言うことが痛いほどわかった。好きな国で生きていくためには、何か技能がいるので… Continue reading

税金は滞納するな

税金は滞納しないほうがいい、何故なら後でしっぺ返しを食らうからだ。これはウチのベストのお客さんだったボブと孫ヒューイの話である。 ボブはニューヨークの生まれだった。離婚した後カリフォルニアに移って、AT&Tを長く勤めてリタイアした。いい歳だったんだろうけど、肌はしわもなく頬はピンクで元金髪だった白髪がふさふさしていた。一人暮らだが、娘が近くに住んでいたのでカレッジを卒業した孫ヒューイがよく一緒に来… Continue reading

アーノルド

モールの前の管理会社のマネージャーはアーノルドと言った。汚らしい歯をした痩せたジジイで、スクルージはこいつがモデルだったのだと思う。 土曜日・日曜日になるとモールの裏を後手にひょこひょこ歩いていた。ジャネットによると土日はよくモールを見張りに来るという。ビジネスの中にはめったに入ってこない。 おばちゃんがビジネスを買うときに、モールの面接をしたのがこのアーノルドだった。おばちゃんは面接用に作ったビ… Continue reading

ボブは25歳だった

ボブのおじいちゃんは2012年に亡くなった。ウチのオープンからの守護天使みたいなお客さんだった。最初は前立腺がんが発覚し最新レーザーで手術した。治療のすばらしい成功例として、病院のプロモーションビデオに撮られたんだ、と自慢していた。 その1年後のフォローアップで胃癌が見つかった。転移ではなく単発の胃癌だった。頬っぺたはつやつやとピンクでとてもガンを抱えているように見えず、たまたま居合わせた外科医も… Continue reading

バンカメと戦う

アメリカで起こるトラブルは、電話一本でするすると直る、ってなことはまずない。2回電話をかけてもらちが明かず3回でもどうだろう。解決しない主な理由は、カスタマーサービスの人の質が低くてトラブル解決システムがきちんと動かないせい。 クレジットカードのカスタマーサービスは特にひどくて、バンカメ・カード事件は次のように起こった。アメリカのクレジットカードの有効期間は短い。たいてい2年くらいだ。当時持ってい… Continue reading

アメリカの味 コーンド・ビーフ

アメリカでまずいのはアメリカ料理。ただ、例外は少数あってハンバーガーとか肉料理にうまいものがある。 単純にゆでるか、オーブンで焼くかかする料理が多いい。料理が下手なアメリカ人庶民にとって、いわゆる”炒めるwok”という技術は高度すぎ、ほとんどのアメリカ人はフライパンで炒めるという技ができない。したがって、アメリカの料理法はみんなめちゃくちゃシンプルである。 その一、茹でる。塩漬け牛肉をゆでる。co… Continue reading

インドカレー

アメリカのインド料理屋ではどうして、ボールを出してくれないのか?とず~っと不満だった。 ラッシーというあのヨーグルトが好き。日本料理のお手皿のような銀色のちっちゃなボールにラッシーやデザートをよそう様になっていたのだが、おばちゃんはカップでもいいのでごくごく飲みたかった。塩味でさっぱりするじゃない。 アメリカのインド料理はほとんどバッフェスタイルで、そうでない店はあまり流行っていなかった。おじちゃ… Continue reading

イラニアン・ケバブ

土曜日のランチによく行っていたのはイラニアン・レストラン。店を一歩入った途端かおるサフランのにおい。 メニューは一通り試したけど、好きなのはソリターニ。肉とコメ。牛ひき肉にスパイスを混ぜて味付けは塩だ。それを金属の長い串にガマの穂のように巻き付けてグリルで焼く。もう一種類はやはり牛肉でブリスケッットかヒレあたりではないのかと思うのだが、切れ目のない長い肉を串に刺して焼いたもの。筋も脂身も口に触らな… Continue reading

お客様は神様じゃない

ある朝、いつものようにコーヒーを買いに隣のパン屋に寄って、ジャネットがマグにディカフェを入れてくれる間にぼ~っと正面の壁を見ていると、メニュー表の上にプレートが貼ってあった。We reserve the right to refuse service to anyone なんだか穏やかでないから、ジャネットにあれは何?と聞いたら「ああ、Right to refuseね。あまりひどいお客さんはうちに… Continue reading

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