税務調査 Audit

アメリカでスモールビジネスを立ち上げたら、10年以内に大抵税務調査が入ると言われていた。
幸いおばちゃんが選んだ会計士はIRSを退職した優秀な会計士だったので一度も調査に入られたことがなかった。

起業して5年以上生き延びられる企業は25%という統計があったから、たとえ監査が入っても入る程長く経営できるのはそれなりに誇るべきことかもしれない。

知り合いのご夫婦はレストランを経営していたが、調査に入られた。
この店には3か月に1度くらい、ローカルのTaxOfficeからシステム異常で督促状が届くのだそうだ。

ローカルのTaxOfficeもシステム異常は把握していて”督促状は無視していいよ”、と言っていたにも関わらず、(州のOfficeは異常を直す努力はしなかったようだ)夫婦して律儀に、売り上げとTaxReturnのコピーを持参して件のローカルオフィスに説明に行っていたのだという。

おばちゃんは、へぇ?督促状が届くたびに行くの?
そう。
どのくらいの間?
15年間。
えぇ! だって督促状は無視していいって言われていたのでしょう?
そう、でも心配だから届くたびにオフィスまで行っていた。

この律儀な夫婦に税務調査が入った。どう考えてもIRS側がなにか怪しんで調査に入ったとは思えず誰かが密告したのだとかしか考えられない。
アメリカの日系社会は狭くて人間関係が繋がっているから、誰かに恨みを持たれて無いこと無いことIRSにリポートされる場合がない訳ではない。

もしかしてこの人があそこの会社の内部情報をIRSにリポートした本人ではないか、との疑惑を持たれている人の名前も聞いたことがある。

なぜかというと、疑惑の人が務める会社に調査が入り、かの人が辞めて次の会社に移るとやはり調査が入った。不思議なことに、2つの会社の調査の時期に彼女自身は夏休みだとかで日本に滞在中であったのだという。

おばちゃんの知り合いのご夫婦のレストランにかの疑惑の人が勤めていたと記憶はないが、とにかく調査が入ったのであった。

IRSから通知が届く。小売業なので調査のオフィサーがやってきて1週間キャッシャーの背後に立って売り上げを監視したという。

お女将さんは内心大いに修羅場だったと思うが、そこは客商売でよくできた人だったから、調査官の飲み物などに気を配り、調査官も調査後半にはこんなことは不愉快だろうがちょっと我慢してね。と形だけ監視の体制になったという。

調査の1週間の売り上げとそれ以前2年間の売り上げを比較しても何らの異常が無く調査は終了した。IRSが紳士的であった例は極めてまれだと思う。

えげつない調査の話も聞いたことがある。会計監査をする権利はどうかすると営業するショッピングモールのリース契約に盛り込まれている場合がある。テナントのレントだけでなく売り上げのコミッションなどがついている契約がある。
人の往来がある人気のショッピングモールは売手市場である。OC地元だった某大手不動産は市のほとんどのショッピングモールを所有し、横柄横暴で有名だった。

そこに中華スーパーがオープンし当時人口の20%以上がアジア系であったので、スーパーは当たった。そこでモールのオーナーの不動産屋が売り上げが少ないと調査に踏み込んできた。

スーパーのキャッシャーを全部開けさせ集計した。この時の屈辱と恨みで中華スーパーは市内に独自で土地を取得し中華ショッピングモールをオープンした。現在、この市はさらにアジア系人口が増え、おばちゃんが帰国を決めた時で33%で市長がベトナム系になっていた。

白人系は家を売って南のアジア系の少ない土地に逃げ始めた。
土地を持って逃げることができない某大手不動産屋は人口比が変わっても営業を続けるしかないが、キャッシュを持っているのは中華系で、中華系のテナント入居希望を排除をしていてはテナントに穴が開く、ほ~ほっほっ、。。

中華 対 サメ の戦いに
おばちゃんは高みの見物だと思うのである。

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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