小さな暮らし

ミニマリストになりたいとは思わないが気持ちはわかる。
自分の暮らしになるべく余分なものを纏いたくない。身一つでいたい。着るもの数着、コンピューターもタブレットもなし、携帯1台。ヤカンとマグカップが一つ。寝袋で寝るーーという極端な生活も目に入る物もないほどすがすがしい、、かもしれない。

そこまでいかなくても、家は小さいほうが好きだ。
田舎の実家はだだっ広くて建て増ししたので家族がどこにいるかわからない。母屋か、離れか、作業所かガレージか、はたまた畑か?こに2階住居部分を考慮に入れると範囲が広すぎて探せない。だから昔から2階建ての家が嫌い。住居は平屋がいい。

小さな平屋で身の回りのものはコタツの周りにあるのがいい。できれば家具メーカーさんにコタツに引き出しをいっぱいつけて欲しい。爪切りと耳かきとかゆみパッチ、目薬にヘアブラシなどサクサクと収納できる引き出しが欲しい。

人間をだめにするビーズクッションがあれば他にソファもいらない。
ビーズクッションは使うとヘタる。クッションの皮が伸びるというあなた、朗報です。ビーズクッション用に伸びない人工皮革のカバーがあるのだ。多少沈み込みとフィット感が薄れるが、ビロビロとだらしなく伸びきっていくことはない。

蔵書も陶器も帰国の時にほとんど処分したから今の本棚と食器棚に収まるだけであとの人生をやっていくことにする。
小さな家は小さなリビングで床面積も狭いからダイソンでくるくるするのもあっという間に終わる。猫がお砂を散らかしたらこまめにダイソンする。フローリング用の掃除ワックスシートをモップする。

先代のおばちゃんの残したモップとシートを見て日本人はなんて頭がいいんだろうと感激したね。シートの四隅を穴に押し込むだけでシートが固定できるなんで信じられなかったから。シートをセットするときはなんか楽しくないか?
ニャンコたちがお風呂のタイルを歩いた後でリビングのフロアに小梅ちゃんをスタンプしてしまったときは、モップでくるくるするのは嫌じゃない。さらにテレビで電動モップをみて感心してそれがリサイクルショップで売っていたので買ってしまった。

電動モップは、ウインウインと2枚のモップが反対方向に回転する。モップの柄は軽く支えるだけ。仕事をするワンコに綱をつけて散歩させている感じ。ご飯の後、誰がお茶碗を洗うかと一瞬の沈黙が落ちるとき、さりげなく立ち上がってダイソンでバキュームから電動モップでウインウインすると勝ったという気がする。床はきれいになるし。

自分たち二人の小さな家で自分たちで掃除をして修理をして庭の花を飾り、畑でとれたキュウリとナスを料理する。冷蔵庫だって70リッターの小さいものだ。ガロン入りの水も売ってないから日本では小さな冷蔵庫で十分じゃない。おじちゃんは四季それぞれにぎやかな日本のスーパーを覗くのが好きなのだ。

アイ子ちゃんはもう自分で掃除なんかしたくないと言う。
白人のテニスクラブのおばさんたちは、雑巾ってどうして使うの?って雑巾を絞って使うことも知らない人ばっかりなのよ。私は年を取ってそれなりの資産もできたから、掃除なんてもうしないわ。メイドサービスで掃除してもらうの。

コロナのせいでスーパーで買い物に行くよりアマゾンでみんな買うようになったので、時間が余るようになったそうだ。ゴルフの打ちっぱなしの練習を増やしたのと言っていた。運転するのも最低限になってきたと言う。

現役のころのおばちゃんは、朝出勤して寝に帰ってくるまで家は誰も住んでいない。家で食事をするのは定休日の夕ご飯だけだっただったからさして汚れもせず。平日はキッチンも使わないので お茶っ葉さえごみに出なかった。ケンモアのでかい冷蔵庫の中は水と調味料くらい。おおよそ生活しているというより出動して帰宅する基地みたいなものだった。
天井は高くSwiss Coffeeの真っ白な壁の家を愛してはいたけど、最後の十年はそこでしみじみ生活を営んだ記憶があまりない。

伊豆のちっちゃな家は好きだ。
床磨き溶剤を選んで、ウインウインしながら床をピカピカになったらささやかな満足感と幸せがある。ミニ洗濯機もなかなか楽しい。畑の大根を間引いて細い大根を炒め煮にしようか、漬物にしようかと考えるのが楽しい。コロナが収束してまた何か始めるとした吹っ飛んでしまうかもしれないささやかな生活である。

できればこの先も自分の力でできるだけの大きさで、小さな生活をしてゆきたい。

前略、越後製菓 様

もと日東製菓の「味千両」を販売してくださってありがとうございます。
なんというか、老舗の一家のお父ちゃんが放蕩して家業をつぶして一家離散のところを越後製菓が2代目の息子を引き取って養ってくれているようなありがたさというか、。

「味千両」は私の生まれ故郷に工場があり、子供のころから親しんできた大好きなあられです。
遡ること50年前、うちの中学校では夏休みにフィールドトリップとして山奥のキャンプ場で2泊3日のキャンプをする伝統がありました。ボーイスカウトの厳しいおっさんの罵倒と叱咤指導のもとにキャンプ設営が終わったころから、天気がおかしくなり夜半に入ると近づいてきた台風の暴風雨圏に入ったのか、大変な吹き降りでテントも吹き飛びそうになりました。

生徒は雨風と不安で眠れませんでしたがそれは教師も同じだったようです。深夜まで論議を重ねてキャンプは中止の結論を出したようで、翌朝に全員撤収の発表がありました。

キャンプ場はゴロタ石ばかりで眠ろうにも背中が痛く飯盒炊爨のご飯はひどい味。撤収が決まってうれしかったのですが、1年生230人の接収バスがありません。
帰宅予定は3日目の午後なのですから、一日早い撤収にバス会社も配車ができなかったようです。なんと徒歩で中学まで帰宅行軍ということになりました。

季節は夏なので八甲田山のように生徒がばったばったと死んじまうことはなかったのですが、何せ山奥で有名なキャンプ場なので里まで50Km以上はあったはずです。
クラス別に2列縦隊で山から徒歩で降りて来たのですが、急な撤退で飲み物食事も十分でなく前夜は暴風雨で生徒もほとんど寝てません。

朝からとぼとぼ歩き続けながら午後の3時ころにはみな疲労困憊していました。
教師がここで休憩、と指さす場所は工場敷地でした。川沿いの広い敷地に大きな岩が転がっていて、そこに生徒がてんでに座り込みました。きゃしゃで体力がなかった私はひざから下が熱をもって足がだるくてたまりません。工場には日東製菓の大きな看板が見えました。

ここがあの「味千両」と「サラダあられ」のちの「サラダ・セブン」を作っている工場なんだと思いあたりました。
もしかして、工場長が台風でキャンプを中止し徒歩で帰宅せねばならないかわいそうな生徒たちを気の毒に思い、元気づけに「味千両」あられでも配ばってくれるのではないかという私の「卑しい」希望はもちろん実現せず、230人を快く休憩させていただいただけで日東製菓さんに今でも感謝しています。

その後私は大学で横浜に出て東海圏から外れると「味千両」は関東のスーパーには売っていないのがショックでした。あられロスです。


ほろほろと崩れ程よい塩加減で袋を開けると止まらなくなる究極のあられが「味千両」。それがいきなり人生から消滅してしまって私は非常に絶望しましたが、割と好きな物に執着するタイプなので、その代わり「サラダあられ」があって救いになりました。

結婚してアパートにまぎこんできた野良猫の息子も、サラダあられの「醤油味」がお気に入りでした。平成になったばかりの頃、思い立って猫ともどもカリフォルニアに移住しました。

どんな日本食が手に入るかわかりませんでした。
まともな日本食がなくても、おばあちゃん自家製の紅ショウガか、ふりかけの「のりたま」があればとにかく食える。思い切って丸美屋食品に手紙を書いて、カリフォルニアでも「のりたま」が手に入るかどうか問い合わせたのですが、返事がきませんでした。
んで「のりたまふりかけ」と「サラダあられ」を引っ越し荷物として送りだしました。

心配したものの日系スーパーはありました。サラダあられもありました。ただし在庫が切れるといつ入ってくるかわかりませんでした。売り場にあったら買う。そこが勝負です。


日本から肉製品の輸入は禁止なので、好きだった日本のソーセージのシャウエッセンも食べられず、そのうちシャウエッセンの味も忘れてしまって、どうでもよくなった2010年前後、お菓子売り場に忘れもしない黄色とオレンジの袋「味千両」があるではないですか?

夢かと思って2袋買って帰って、奇跡の入庫なのにたった2袋を買って私は何をやっとるか?とまたスーパーに引き返して売り場の「味千両」を全部買い占めました。 次にいつ入荷するかわからないから。
それっきり2度と入荷しませんでしたが、。

買い占めた「味千両」がなくなると名残惜しくてパッケージの日東製菓の住所を切り取りました。次の日休憩時間に日東製菓のお客様相談室相手に、自分がいかに昔から「味千両」が好きで愛してきたかを切々としたため、航空郵便で日本に送ったのでした。返事は半年ほどたって忘れたころに来ました。

平成が終わるころ、帰国して静岡に落ち着きました。
「サラダあられ」あるいは「サラダ・セブン」はスーパーにあったりなかったり。オンラインでいろいろ調べてみるとなんと!日東製菓がなくなったと?!バブルで投資に失敗したらしい。オンラインで「サラダセブン」を買いあさりました。

ある日地元のスーパーでレジに並んでぼんやりしていると、レジ横に特設!越後製菓コーナーがありました。赤が特徴の越後製菓のラインの中に黄色とオレンジのデザインの「味千両」 があるではないですか?迷わず全部買い占めました。

袋の裏の製造会社を見てみると越後製菓となっていました。
越後製菓があの日東製菓の「味千両」を拾って保護していた!
捨てる神あれば拾う神あり。ありがたや。

私の勝手な想像ですが、こんなんではなかったでしょうか。
老舗の日東製菓さんはバブルの投資に失敗して、会社の清算という苦渋の決断を下した。が、その製品プロダクトラインすべてを閉鎖・廃版にするには社長はじめ工場長、事務員に至るまで身を切られるようにつらかったに違いない。


殿、せめて「サラダあられ」と「味千両」だけは生す手立てはないものでありましょうか?

同業他社の皆様、卒爾ながら情けをかけてはいただけぬか、
越後製菓、武士の情けじゃ。手を挙げてくだされ、弊社がお引き受けいたそうぞ。
かたじけない。しからば ここな「味千両」のレシピと工場長を新潟県に、、、、。
工場長、(涙、涙)われら日東の遺志をついでたもれ。
かしこまってござる、長として一生をかけ「味千両」を守りぬく所存。
恐惶敬白
~~みたいなことがあったのかもしれない。

それからは私はオンラインで「味千両」を12袋箱買いして非常に満足であります。再び巡り合った「味千両」は50年前と同じようにほろほろと口の中で砕け軽くて繊細なあられの傑作なのでした。
ただし、塩が昔と少し違う気がする。

越後製菓様、
「味千両」は「まま子」のような存在かもしれません。越後製菓コーナーに味千両が置いてあるのはまれ。あっても売切れればほとんど補充されません。生産量が少ないのかもしれません。よその子ですから。それでも老舗の粋を引いた直系の製品ですから末永く生産をつづけてやってください。
お願いです。

名残り紫陽花

雨が上がって庭に出られてうれしい。
今年のアジサイは花が終わっても不思議に色が残っている。茶色で縮まなかったのは梅雨が短かったからかしら。花びらがほんのりピンクで遠目でみればまだ生花と見える。

ドライフラワーにならんかな?とピンクが濃い花を枝ごと切って葉を落とした。
かさばるので束ねて通路の脇に置いて、エリゲロンの茂みをトリミングし、ギボウシは黄色い葉が出てきたので思い切って刈り取ってしまい、しつこい80円(トレニア)の芽をぬいて溜まった手箕の雑草を捨てようとテラスまで戻ってきたらアジサイがなかった。

おじちゃんにアジサイはどうしたと聞いたら、町内指定45リッターごみ袋を指さして、捨てたと言う。カップヌードルの空きカップも取っておくくせに。


一番のいい色はなくなってしまったので2番手の花を5本切る。
シャワーを浴びた後、アジサイを逆さにして浴室の天井からつるし真下に除湿器を置いて一晩除湿した。

次の日アジサイは見事にドライフラワーになっていたが、どうしたわけかピンクの色は飛んで水色と紫が残った。花弁が薄いものは枯れ葉色になってしまった。花瓶にさしてみてもアジサイだけでは色がさみしい。セリアに行ってゴールドのマニキュアを買ってきた。

枯葉色はマニュキュアをぺたぺた塗る。てっぺんから見るとところどころに金が光ってゴージャス。大きくしっかりと花弁が残っているものは根元にペタペタ塗る。マニュキュアが一瓶無くなった。仕上げに同じくセリアで買ったつぼみの人造花を挿して花瓶に生けた。
花瓶は実は海から揚がった古いタコツボ。メルカリで買った。渋くて好きだ。〆には金のおリボンを巻いてみた。
ばあさん、退屈しているのである。

アメリカ人の平均寿命、過去2年で2.7年縮む 

9/1(木) 14:14 BBC Japan
やっぱりなぁ、パンデミックであれだけ亡くなれば平均寿命が短くなるはずだわ。
パンデミック以前でも日本の平均寿命と比べると10年近く短かったから。

人種別のデータだとネイティブ・アメリカン(インデアン)とアラスカ・ネイティブ(イヌイット)が低く、ミシシッピ州でも平均寿命は期待できない。はっきり言えば経済レベルが低い層がおおい人種では平均寿命が低い。ミシシッピは貧困州だから低い。

アメリカ人の所得層と平均年齢をグラフにすると、富裕層の平均寿命は相関するはずだ。
ジャンクフードばっかり食べているデブは収入がいまいちで、富裕層になればスレンダー。ランチはサラダとミネラルウオーター。貧困層にビーガンはいない。貧乏人にビーガンは贅沢すぎて手が出ない。――というのがおばちゃんの実感だった。

アメリカで齢70というと人生の終盤に備える年だ。ちょっと老けたかな?と思うとポキっと亡くなる方がいる。日本より人生のステージが10年早い感じ。

ただし、富裕層は別で、夏はテニス、スカッシュ冬はスキー。
アイ子ちゃんがいうには、レーシックに豊胸、フェイスリフトして、夏の終わりはシミ取りレーザーをする70歳-80歳は現役。
マンモスのスキー場ではリフトの割引は90歳から。テニスクラブのメンバーはみんな日にやけ、太ももなんてスイカくらいの太さがあるという。ヘルス・チェックも欠かさず、ガンになったって飛び切りの医者に行くから死なない。

それに比べて中流から下にかけては65歳のメディケアの年になるのがまず目標。
知り合いの保険ブローカーのお嬢さんは早く65歳になりたいと嘆いていた。メディケアの年になるからだ。
彼女は両親が興した保険ブローカー業を引き継いだのだが、子供のころは健康だったので親(保険屋のくせに!)が健康保険を子供に入れなかったのだ。長じても健康だった子供本人は皆が保険料を払うその金で人生をエンジョイしていて大いに満足だったのだが、結婚した後ご主人が交通事故にあい息子さんが病気を患い、保険がなかったために莫大な医療費を払う羽目になり、本人自身も病気の治療が遅かったために足に後遺症が残った。
だから早く65歳でメディケアに加入できる年になりたいと嘆いていた。

アメリカの健康保険はカバーが大きくていい医療機関をネットワークに取り込んだ保険ほど保険料が高い。当たり前だが。
いい健康保険を持ち、予防のための健康チェックを欠かさず、食事も節制してスポーツに励めば長寿に決まっているようなものだ。アメリカでは金持ちほど長生きする。

歴史を紐解けば「アメリカ人は小さな政府を望む」
広く国民全員にいきわたるような巨大な組織をつくれば莫大なコストがかかりそれは国民から吸い上げた税金で賄われることになる。政府の権限も肥大し規制とコントロールする対象も大きくなる。アメリカ人はこの「大きな政府」を嫌った。

先進国の中でも平均寿命が低いのは、政府が組織する健康保険制度がなかったせいだ。医療費自体も高すぎるのである。
国民皆健康保険制度はヒラリーの目標だったが、クリントン政権ではどうしても実現できなかった。日本の人には想像が難しいかもしれないが、アメリカ人の中では常に皆保険制度に反対する階層がいたのだ。
裕福層の支払う保険料は間違いなく“保険料があまり払えない層”と制度を維持するために使われるに決まっている。自分が稼いで支払う税金をどうして他人のために使われなければならないのか?
自分の使うものは自分で払う。受益者負担。アメリカでは皆保険に常に反対者がいた。

オバマになってから皆保険が実現した。
なんと、無保険者は罰金を支払わねばならなペナルティ付きだったのである。無保険者だった者全員が喜んで加入すると思いきや、それでも「健康だから保険料を払うのがもったいない」あるいは「保険は入りたいが払うと生活できない」などの層がいたのである。

オバマの健康保険はスタートした。
政府が補助して健康保険料が割引になった金額は保険者の「収入」として所得税の対象になるのだった。国民は保険に加入できるようになったが、コロナに罹患して莫大な医療費を請求された事例もニュースで報道されることになった。医療費のコントロールはまだアメリカの課題なのだった。

帰国して日本の70歳は「終盤」ではなく老齢の「序盤」だとわかった。アメリカと比べてまだ日本の人生の終末はさらに10年先にあるのか?というのがおばちゃんの感想。

寝たきりで何年も歳を重ねていく病人などあまりアメリカで見聞きしなかった。病人本人の意思が尊重されるから延命だけの治療をせずにカタがついていくのだと思う。

カタを付けられない日本社会では寝たきりでも長生きして平均余命は世界一。
年金生活の老齢者への医療費は現役世代の支払う健康保険料がつぎ込まれている。

ところが今年前半の出生児の総数は40万人に満たなかった。とうとう出生率・年80万人を下回るのかもしれない。
日本の人口ピラミッドは逆さ富士だ。
ベビーブーマーが後期高齢に入る。医療費の窓口負担が1割(10月から一部3割負担)でもゼイゼイあえいでいる現役世代が払う保険料をじゃぶじゃぶ使うことになる。

人口比率といい、高額医療制度といい、どう考えても保険制度が持つはずがない。健康で裕福で高額な保険料を払わせられる層がなぜ不満の声を上げないのか?
おばちゃんは日本の健康保険制度がいつまでもつのか、なぜ現役世代が批判の声を上げないのか不思議でたまらない。

草を刈る

また刺されてしまった。
刺し口があるのでブヨかもしれない。
5月は入院手術だったので、お隣の草取りまで手が回らなかったのだが、春に草取りをしなかったせいでお隣にある抜け道が草ぼうぼうになってしまった。

4日前から朝がた冷えるようになりタオルケットでは寒い。日中も30度を越さないので草取りがしやすい温度になったのである。
さて、やるかとオフハウスで買ったジーンズとワークマン製のマイナス3度すずしいというジャケットにネット付き帽子、オニヤンマのプリントが手の甲についたグローブ、長靴という防備で草取りに立ち向かった。湿気が多かったが気温は低かったし風があったので蚊取り線香もぶら下げなかった。
蚊は気温25度以上だと活動的になるのだ。


抜け道の3分の2くらい刈進んだとき右の足首が猛烈にかゆくなった。長靴の中に手を入れて掻く。靴下が短くてジーンズも女性用で短かったから脛が10センチほど肌が露出していて、その素肌を狙って刺されたらしい、長靴の中なのに!恐るべし山の虫。
血に飢えていて絶対刺すっと命を懸けていたんだろうな。

おばちゃんは装備の不備を突かれ小雨も降ってきたので退却した。その時は蚊だとおもってかゆみパッチを貼っただけだったがどうやらブヨだったみたいだ。
明け方からヒリヒリ痛み起きたら足首からくるぶしがはれ上がっていた。

また、皮膚科ですか。
おばちゃんの医療明細には皮膚科がずらりと並んでいてお薬手帳は塗り薬のリストになっている。皮膚科に行くと塗り薬と飲み薬をくれて何もしないよりは早く治るが。

くるぶしまではれ上がってじんじん痛む。痛みに気弱になって化膿とか、廃血症とか、単語がちらちら頭に浮かぶ。化膿止めにA子ちゃんから送ってもらった抗生物質入りの軟膏Neosporinを塗ろうとして、キャップを開けたらNeosporinが液体となってたらたらと流れでた。 今年の異常な暑さで軟膏がなんと液体になってしまった。冷蔵庫で冷やしたら元に戻るかしら?

A子さんが来月また日本に来るので、買っていくものがあったら教えてと言われたので持ってきてもらおう。ダイソンのバッテリーもお願いしようかと思ったが、A子さんからややこしいのは困ると却下されたのであきらめる。
A子さんがややこしい人なので出入国はなるべく引っ掛かりがないほうがいいのだ。

永住権や市民権を持っていても安心できない。
出入国では何が起こるかわからない。長い間アメリカに住んでなかったじゃないかとグリーンカードをハサミで切られた人。
チャイルド・アビュース歴で入国を拒否された人。(ご主人が一時日本に帰国して米国に帰ってこようとしたらやられた。主に奥さんがチャージされていたのだったが夫のレコードも残っていたらしい)
麻薬犬が寄ってきて荷物検査をされた人。(されて当然の理由があった)
テレビの“とかボーダー“番組では違法持ち込みが多いが物品が、絡まなくてももっとややこしい問題がいくらでもあるのだった。

今日も30度未満なのでおじちゃんは玄関先のリモデルをしている。おじちゃんがうるさいので草取り開始前に叢に殺虫剤を吹き付けた。今日は風がないので何度もスプレーを噴射すると、蚊が寄り付かなかった。科学のおかげ。
お隣の抜け道をすっきり刈り取った。すがすがしい。

夏はまだまだ

ラップトップで使っていたヘッドセットが壊れたので沼津まで買いに行ったら、ダッシュボードの温度計が40度を示した。

おおぉ!
外に出ればラスベガスほどの凶悪な暑さではないが、全身の毛穴が塞がれるような湿った空気。

山はたしかに気温がもっと低いがスープのような湿度があるので、外にでて庭を見回るだけでずぶぬれになる。
おじちゃんなんか、午前中で汗まみれ。午後でまた汗まみれで野良着をすっぽり変えるので洗濯物がたまってしょうがない。
お隣は誰も来ないので草がぼうぼうになりかけているが、気候にうんざりしてしかもだるいのでおばちゃんはここ1週間ほとんど外に出なかった。

その代わりGossip Girlにずっぷしはまって、アイスクリームと柿の種を交互に食べながら、寝そべって体を動かさなかったので2キロ太ってしまった。現役時代のパンツがきつくなって困る。

日本製のパンツは短くてほとんどツルテンになってしまう。
昔、日本のくしゅくしゅパンツが可愛くてわざわざ楽天―転送―経由で取り寄せたらウエストは大丈夫だったが、短いのでくしゅくしゅを伸ばしたらくしゅくしゅがなくなってしまった。アメリカだとパンツ丈の苦労がなかったのに、帰国したら日本のパンツはますます短くトールサイズのお店も少なくなってしまった。

理由は簡単で日本の女の子の平均身長はダイエットのせいで2000年代より低くなっているのだそうだ。世界的に平均身長が低くなってきたのは北朝鮮と日本くらいではあるまいか。

衣料はAliExpressで欧米向けのデザインを探すとパンツ丈があったのだが、ここ2~3年でAliExpressに出店の衣料はアジア系が多くなってサイズは細身で短くなった。Lサイズパンツを買ったのに、届く商品は長さが足りない。

庭仕事で着る野良着は膝とおしりが破けやすく消耗が激しい。中古の電化製品を探していた時に、OffHouseに古着がたくさんあった。それまで古着は一度も買ったことがない。気持ち悪いし。

アメリカで近所にThrifty Shopができて好奇心で入ったら、匂いがしてまいった。あれはアメリカ人の体臭と油の匂いだと思う。靴も売っていたし。商品には触れなかったのに、くしゃみが止まらなくなって早々に退散した。

Off Houseではくしゃみも出ないし倒産在庫セールのような新古雑貨の隣には衣料が沢山あったが臭いもしない。ジーンズも短いのだが、庭仕事なら長靴をはくのだから関係ないからと古着を買った。初めての経験。ただ、ジーンズはほとんど水をくぐった様子がない新品のように見えた。

それからOff Houseによるたびに衣料も見るようになり、何気なく手に取ったジーンズとパンツが長さもぴったりだった!何故?それは男物だった。

これはうれしや。そうか、男物を買えばよいのだ。
2本男物のパンツを買い、帰り道に運転しながらそういえばジーンズでも男物と女物の違いはあるのだろうかと疑問に思い、おじちゃんにアンタのジーンズの前開きは右か左かどっちが上?と聞いたらば、「左」というので男女の違いはやっぱり違いはないのか。

おばちゃんはおしりが小さくて昔から少年のお尻と言われていたから男物でちょうどフィットするのだ。
まっ、いいか。

で、帰宅してラップトップを開けてふとウインドース・ボタンに触ってしまいソリティアのアイコンが目についた。
あっら~~~トランプ・ゲームのフリーセルはまだ生きてたんかい?
Windows95の時代に暇つぶしにやったものだ。27年前だ!
あまりのなつかしさにふとフリーセルを起動させてしまい、おばちゃんはそれから4日間フリーセルにはまった。

携帯&コンピューター・ゲームにはまる人たちを馬鹿にしていたが、やっぱりゲームは人間のセロトニンを誘発する要素があるのだわ。
4日間ぶっとうしでランクを40熟練者クラスくらいに上げたら、老眼の目がかすれて右手の腱鞘炎がひどくなってきた。疲れてしまってどうやめていいか、やめ方がいがわからない。お~いおい(泣き)。

思いついてフリーセルのランキングを検索してみた。
見なきゃよかったというか、見てよかったというか。
初心者の1から、上級者、熟練者、チャンピオン、レジェンド、マスター。レベル100のグランドマスターまである。
どっと力が抜けた。
レベル100のグランドマスターまで、道のりの半分も来ていないのか!
アホくさ。

一番の疲れる理由はレベル50に近づいたら途端に難しくなって、もう5手先が読めない。キングとクイーンが前面に何枚も固まっている。エースは一番奥とか。

めくれるものならめくってみろという挑戦的な配置が多くなってきた。一ゲームクリアするのに10分から20分以上かかる。疲労のあまりセロトニンの分泌も悪くなったに違いない。きちんと並べられないと達成感や爽快感が味わえないのに。

ゲームのおかげでボケかけた脳にちびっと血流量が増えたかもしれない。しかし使う脳細胞は同じ個所に決まっているだろうから、ボケをどれだけ防止できるかわからない。

というわけでまたGossip Girlに戻った。
すげ~なこのドラマの衣装代。同じドレスは2度と使われない。Chuck Bassの芝居はどうしてあんなにクサイいんだ?!ホテルのペントハウス直通のエレベーターってセキュリティ上どうなんだろう?
とか思ったりする。

まだまだ暑い夏ですねぇ。XOXO

追伸
一日フリーセルを休んだ。次の日からはカードの置き換えパターンを学習したみたいでレベル60名人をクリアし今日はレベル70の天才だそうだ。

おばちゃんは親やおじちゃんからほめてもらったことがないので、フリーセルでも天才といわれるとうれしい。パカパカのカードのダンスや音楽はいいから「」よっ、大統領!」とか「天才!」とか掛け声をかけてくれるようにプログラムしなおしてくれないものか。掛け声を聞きたさにリプレイしてしまいそうだ。
ところで、爺婆しか覚えていないと思うが、オリジナルのフリーセルとは若干ルールが変わっているようだ。昔は色と数字が続きならスペースがあろうと無かろうとくっ付いた。さらに一度並べ終わった札もつなぎとしてもう一度使えたと思う。ただし、やり直しの制限があって一度スタックすると回復ができなくてすぐ嫌気がさしたものだ。やり直し機能を無制限にしたのでユーザーが飽きずに続けられるようになったのか。現在のルールのほうはレベルアップしやすいかな。
で、ただいまマスター・レベル75

8・28 レベル91
目を使いすぎて頭が痛い。

日本の消費税

絶対におかしい消費税! 
税金の基本は「富める者」から徴収して「貧しき者」に分配すること。赤字の零細企業に支払いを義務付けているのに、輸出大企業には莫大な還付金が!
元静岡大学教授で税理士の湖東京至

https://news.yahoo.co.jp/articles/a7efeb23f91f12ed688563e5d2c7f1bc3200db5e

引用ーー

なぜ「消費税」が悪法なのか?
湖東ー 消費税は、「輸出企業への優遇税制」なんです。

税の基本概念とは「富める者から、苦しんでいる者への分配」です。
消費税の本質は「輸出企業のための超優遇政策」だった

湖東―― 消費税は、赤字の会社からも「無理やり税金を徴収」するものです。そして輸出企業には、史上最高の売り上げと言われた年にも「還付金」を支払っています。

消費税の本質は、「輸出企業のための超優遇政策」です。赤字企業は税金を納めるのに、輸出企業は「海外で売った分だけ、消費税の還付」を受けます。

そのため、トヨタ自動車のある豊田税務署は、トヨタに支払う莫大な還付金のために赤字で喘いでいます。税の基本概念は「富める者から、苦しんでいる者への分配」のはずなのに、今は逆に「苦しんでいる者の税金を、富める者に差し出す」という状況が続いています。――引用
                 ――――
おばちゃんは、この記事を読んで目を疑い自分の頭を疑ってひょっとして自分はパラレル社会主義国・日本に帰国したのかと思った。日本の常識がずっぽり抜けているので、この元静岡教授の意見が日本の常識として通るのかそれすらわからない。一体頭がおかしいのは元静岡教授なのかおばちゃんなのか。

まず、おばちゃんの理解としては、国が組織として国の経営をするためには金=税金が要る。そこで所得税や固定資産税や相続税や贈与税をとって国民に必要な行政サービスや福祉や保険制度を経営しているわけだ。足りなければ増税して帳尻を合わせる。昭和の末に税源として目を付けたのが消費税。

だから租税を納めるのは、貧しいものを助けるためではなく国が国として成立するために必要な税制度だ。違うだろうか?

湖東先生の解釈――税の基本概念とは「富める者から、苦しんでいる者への分配」ですーーは日本人全体の解釈なのか?まるで社会主義の税原理みたいだが?

さらに湖東先生が言うところの消費税の本質はーー「輸出企業のための超優遇政策」ですーー
そうなのか?おかしくないか?

物品の売買で消費税をとるのは世界の税制としても普通。なぜなら、経済活動で企業からまんべんなくとれる税で取りはぐれがない。国が一番かっぱぎやすい税であるから。
湖東先生の解釈では“消費税”は赤字で苦しんでいる企業からも容赦なく取り上げられるまるで“所得税“のような扱いではないか?それは違う。

おばちゃんは十何年、アメリカで消費税を支払う立場だった。
毎月、売り上げと消費税を州に報告し消費税を“払う”。SalesTax Returnという。


なぜ税を「Return」と言うかというと、消費税=Sales Taxはそもそもマーチャント、商人・企業のものではないからだ。消費税は商品サービスに州の税を乗せて消費者から受け取る。税は発生した時から州のもので、マーチャントは単に消費者から税を一時預かり、州に”返す“一時預かり”の役割をしているだけ。だからReturn=返す。

この一時預かりの税をマーチャント・企業の収入と考えるなら、それがおかしい。
一時預かりの税を州に「返さず」自分の懐に入れてしまえば盗人だ。州は自分の税を盗んだ盗人は許してくれないからどこまでも追っかけてくる。アメリカで企業をやっていた人間ならだれでも知っている。
客から預かった消費税は自分のものではない。

ところが湖東先生はまるで消費税が企業の売り上げ・収入のようなみなし方をしている。正気か?と問いたい。企業が赤字だろうがなんだろうがそれがどうした。預かった消費税と自分の売り上げは別に考えねばならない。“消費税の支払いを義務付けている“のは当たり前じゃないか。

さらに州外、国外に売るものは消費税の対象外だ。
これは日本でも同じだろう。中国人観光客がデューティ・フリーで買い、あるいはレシートをもって税の還元を受けるのも例外だからだ。

もし、トヨタ自動車が海外輸出車に対して日本の税務署に消費税を支払っているなら、そもそもそれがおかしい。それでも日本の制度上一応、輸出用の消費税を払って、それから払った管轄税務署から消費税の還付をしてもらうなら理屈にあう。輸出用車に日本の消費税支払いを適用するほうがおかしいのだ。

それを湖東先生はーートヨタ自動車のある豊田税務署は、トヨタに支払う莫大な還付金のために赤字で喘いでいます。-と書く。おっさん大丈夫か?
日本では税務署が赤字であえぐのか?

おばちゃんはさっぱりわからない。
貧乏人=正義、消費税を払えない企業=正義って変!
どこの国でも消費税はマーチャント・企業の収入ではないぞ。
絶対におかしい!のは先生の頭かもしれない。

さらに記事を読むと、驚愕の事実が書いてあった。
日本の企業で消費税を支払うのは年に一回で、その額は

―引用「1年間の総売上高×10%」から「1年間に仕入れた額×10%を引く」。そこには、物品の仕入れだけではありません。工場の建設費とか、クルマを買ったとか、社員のユニホームを買ったとか、家賃を払ったとかいろんなものをみんな引けるんです。それが1年間に納める消費税額になる。――引用

えっ!!!!
である。なんでそこで経費を引く?!

引用――さらに例えば、お店を新築するときに工務店にたくさん払ったとすると、「払った分は引ける」わけですから、その年は「消費税を国に納めなくてもいい」ということも起こるわけです。我々が払ったものは、そっくり税務署・国にはいかないのです。「消費税」は、「消費者とは無関係」の税金なんです。

それを裁判所に訴えた人がいますが、その判決に「消費者が払っていると思っているのは錯覚ですよ。あれは“消費税”という税金ではありません。あれは“物価の一部”です」と言う内容が書いてあります。
つまり、値引き販売ならぬ「値増し販売」なんです。–引用

これは「消費税」の看板に偽り。
政府が導入したときからこの「消費税」はただの「カサまし」だったのか、政府はいったい何がやりたかったのか?設備投資などができる企業が有利なら、何も控除できない小企業は不利。

引用 湖東―― いろいろ勉強させてもらって、消費税っていうのは、ものすごく悪い税金。こんなに悪い税金が世の中にあってはいけないということ。今、世界では広まっている税金なんです。ところがたった1カ国、アメリカだけがやっていない。アメリカは、確信的にこの税金が悪いと指摘しているんです。―引用

またまた えっ!である。
アメリカが消費税を導入してない。何度読んでもそう書いてある。おばちゃんが毎月州に支払っていたSales Taxはありゃなんだったのか?
うん?湖東先生は「アメリカ」はって書いてあるな。国Federalとしての消費税Sales Taxは確かにない。ただ、州ごとに消費税はあるぞ。ない州もあるが少ない。
そして消費者に売る段階の小売り消費税だ。

現在の日本の消費税は製造業の製造過程から消費税を適応していて、出荷時に支払わねばならない。相手は最終的な消費者個人ではないのに。この消費税を導入する際に法人税を下げて、控除ができる大企業がさらに有利になったと。

―引用―日本では、社会保険料などは負担金の上限が設けられています。高額所得者は所得全体から差し引かれる割合がドンドン減り、逆に社会の中間層や平均賃金以下の人の社会保険料や税負担は増えていく。所得の低い人が、非常に重い税負担に喘ぎ苦しんでいますー引用

消費税は高所得者でも貧乏人でも同じ金額だけ取られるので、格差が広がるというのは確か。ただね、日本では企業が内部保留をたっぷりため込んでいるかもしれないが、大企業の従業員が軒並み高給取りというわけでもない。

裕福層には社会保険料の上限があるといえ、例えばおばちゃんの町の健康保険料の上限は65万円だ。おばちゃんは目を疑って、「年額」だろうと思ったが「月額」だった。自営業で高額所得者は毎月65万円 年額780万円までは保険料を払わせてあげようというありがたい町の制度。住民税も同じく半端なく高額。

老後を豊かに暮らそうとせっせと働き年金受給を70歳まで遅らせて、悠々自適に生活できるはずが、年金収入が多くて520万/年 住民税・健康保険料が超高額、さらに医療窓口負担3割で毎月どばどば社会保険料が出てゆくドツボにはまった引退老人の記事を読んでしまった。
75歳男性の「老後の暮らし」を“崩壊”させた、年金「繰り下げ受給」の落とし穴――
https://news.yahoo.co.jp/articles/9db7106176686d0dfbc2df3c19f3b927b3e153b9

コロナと病気入院治療で気が付いてしまったが、日本で本当に有利なのは資産を持って、しかも収入が最低限の人だ。これが一番悠々暮らせる。老人になったらもうそんなに物を買わないのだ。

湖東先生が言うように消費税は廃止して、税の基本概念に基づいた税法に戻すべきかもしれないが、実際の下々の暮らしにはあまり影響がなさそうだ。中途半端に稼ぐのが一番税金を取られる。

ちょっとぐずぐずになってしまったが、結論は:日本の消費税はまともではない。

雨雲レーダー

テレビのニュースは何をやっとるか?
と、伊豆在住のおばちゃんは夕べ思った。

この季節になると毎年ドキドキしながら台風ニュースと雨雲レーダーをチェックする。

中心勢力が強いか、進路は東北か、雨か、風か?


九州方面を襲わず、南の海上から東北に向かって北上し日本上陸する台風のほとんどが静岡県を通過してゆくのである。嫌ぁ~~。

2019年の逆回り台風では、山の家が一軒がけ下に落ちた。家が接置している道路が崩落したのである。一昨年は山のいくつかの個所でがけが崩れて水道が止まり、町から給水車がやってきた。去年の6月の雨台風では熱海の土石流が起きた。

まったく、カリフォルニアに着陸したら、毎日パトカーのサイレンが鳴りまくってこれは大変な国に来てしまったと不安になったが、日本に帰国したら地震でしょっちゅう家が揺れるわ、(そうだ、伊豆は群発地震の巣だった!)
地球の温暖化のせいで台風は凶悪化して、毎年この時期は家が持つか、大地が踏みこたえられるか、サバイバルゲームみたいである。

犯罪か自然災害か、どっちが怖いか?

基本、目が覚めたらラップトップはつけっぱなしなので、台風情報のために「雨雲レーダー」を立てておく。台風が発生するとほとんど10分おきくらいで情報が更新されているので役に立つ。


カリフォルニアは毎日、お天気なのでお天気ニュースは必要がなかった。起きたら晴れだ。雨雲レーダーなんかあっても雨雲がないから無駄だろうな、といらんことを思う。

日本の雨雲レーダーはすばらしく優秀である。
一体どうやって全国の雨雲の情報をリアルタイムで取っているのだろう?

台風が接近してくると、おばちゃんの住んでいる山の上空に、雨をどばどば降らせる真っ赤っかな七味唐辛子の粉みたいな雲が凝縮していて、家の窓からは見えるのは雨足で真っ白になった山と、水しぶきを立てる用水路である。深さ40~50センチある用水路から水が溢れるようになったら要注意。

雨雲レーダーは6時間先までの予想ができる。
地図をズームアウトして伊豆半島の雨雲の濃さを観察し、早回しでPLAYをクリックすれば6時間先まで雨雲の流れがわかる。雲はたいてい太平洋上空から伊豆半島に流れてきて、富士山の南東へ向かうか、小田原方面に流れていくのである。

高校時代の友達が2県となりに住んでいる。
一昨年の雨台風の時も静岡県に台風が上陸して、おばちゃんがLineで「降ってきた」と報告すると、2県となりの友達はこっちはまだそんなではないと返事が来る。

2年前は風も吹いた。
山は地形とヒノキの林のせいで風が巻く。
南西から吹き上げてきたと思ったら、北から吹き下ろしてきてアッと思ったら東から切り込んでくる。

台風時の山のお天気ニュースは:風は全方向。北北西の風、北東からの風、南西と北からの突風。風力は3から6、たまに10。雨は横殴り、がけ地は吹上る風に要注意。と、こうなるだろう。

雨雲レーダーは真っ赤と紫色ばっかりになり、4時間ばかり耐えていると雲の色が緑になって、ところどころ切れ目が見えてくる。台風と雲は日本列島の内陸方面に流れていったのだ。

2県となりが防風雨圏に入り友達に「そっちに行ったよ~」とLineで伝えると「あ~、雨がひどくなってきた」と返事が来る。なかなか便利な世になったものだ。――2年前。

昨日の伊豆で雨が一番ひどかったのは午後2時くらい。それも断続的だった。突然降っては30分で止まりまた降って止まる。
雨雲レーダーも真っ赤な雲はほとんどなくて、水色か黄緑。たまに赤の七味みたいのが通りすぎるときに雨足が強くなる。すごい勢いで雲が東北に流れて、4時過ぎると降っていないほうが多くなった。

台風?雨雲レーダーの地図をズームアウトしても台風の渦雲が見当たらない。変ねぇ。逆向き台風なんて、分厚い渦が見られたのに。

                             
テレビの台風ニュースが静岡県に上陸する見こみです、っとか言っている。
雨がひどいのは静岡県でも西部の浜松から静岡市にかけてである。土砂災害の警報が出ているのもそちらの地方である。
5時半になると、台風ニュースが伊豆半島に上陸しました!と言った。

ピン!とLineがなって、伊豆半島に上陸したって大丈夫? と友達。
ここは雨が降ってないよ。雨雲レーダーは1時間も前から伊豆のうちの上空には雨雲がないのを映してる。変ねぇ?

テレビのニュースの地図は浜松と静岡市の中間にバッテンが書いてある。台風が上陸したのはここじゃねぇ? おじちゃんが、伊豆半島には台風の目が上陸したから雨が降ってないのかも。と言う。


違うね。台風の目なら目の周囲の雲が映るはずなのに、雲そのものがもうないのよ。熱帯低気圧に変わっているんじゃない?そうよ。
まったく納得がいかない。

あかすりタオル1号 2号

時折断捨離がしたくなる。
母や猫が亡くなった後、
雨続きでうっとうしい時、
テレビで家のビフォアー・アフター番組を見たとき。
使わないものが多すぎると感じた時。
汚部屋を掃除する番組などを見たときは一番いけない。いたたまれなくなる、ウチも捨てなくちゃと町内指定ゴミ袋を取り出す。

おとといも何かの拍子にむらむらと捨て捨てスイッチが入ってしまった。
物を捨てたくないおじちゃんは、警戒心いっぱいでおばちゃんの手元とごみ袋を見張っている。不用品がたまるのは、リビングのテレビ台の引き出しとキッチンと洗面所だ。6月に不要な洋服を3袋出したので、今回はクローゼットから捨てるものはない。

AliExpressで買った中華製バリバリの骨伝導コードレスヘッドセットは役に立たなかった。音が駄々洩れで、病院のインターンから怒られたから捨てる。機種乗り換えした新しいIphoneの空き箱も捨てる。何につなぐのか忘れてしまった充電ケーブルも捨てる。
匂いがきつすぎて吐きそうになる髪のカラーワックス、捨てる。
同じくAliExpressで買った髪のエクステンション。届いたら色が明るすぎたので、マジックペンで色を塗ってみたものの気に入らないので、捨てる。

CDラックからあふれていたアメリカンポップも聞き飽きたので捨てる。アリアナ・グランデも捨ててやろうかと思ったがおじちゃんがフアンなので我慢する。
たまっていた町内会報とコロナで中止になった去年おととしの特別健康診断表捨てる。

綿のシャツが乾燥の時しわになりにくいように入れるテニスボールみたいなボール:乾燥モードになった時、いったん洗濯機を止めて入れないといけないので面倒。入れてもさほどしわの出来に変化がなかった。洗面所がかさばるばかり。捨てる。


乾燥ハンガーはバスローブをかけてスイッチを入れると、パリパリに渇いて気に入ってる。靴を干すために付け替えのノズルはいらない。

ダイソン掃除機の付け替えヘッド。ダイソンで使うのは小さい回転ブラシヘッドと細いノズルだけ。そのほかは一切必要ないので捨てる。

さて、この辺からおじちゃんの監視の目が厳しくなってきた。
基地外と言う。なんでもかんでも捨てやがって、と言う。

キッチンはゴミがたまりやすい。引き出しを開けてカトラリーが見えなくなるくらい詰まったセブンのおしぼりとスプーンと割りばしを捨てる。

おじちゃんはセブンで必ずお絞りと箸・スプーンをもらうくせに、使わなくて宝物のようにため込む。袋入りの麺類やお惣菜についてくるちっちゃなコショウ、ゴマ、七味、からし、調味オイルは嫌いなので使わない。使わないから捨てたいのだがおじちゃんが宝物のようにとっておく。ウチのコショウが切れたときに使えるかと思って。辛い七味は二人とも苦手なのに、おじちゃんは取っておく。たまにうどんに入れる時があるかもしれない。

おじちゃんはオーガナイザーが好きである。いろんな形や大きさの箱を買って、工具やら釘やら画びょうやらを入れておくと整理した気になるらしい。
ところが、箱の中に入れた途端、おじちゃんの記憶からその物が消えるらしい。どこに入れたかも同時に忘れるらしい。

それで百均に行って同じ釘やらフックやらを大量に買ってきて、その辺にぶんまくわけにいかないので、オーガナイザーを買ってきてその中にしまう。そして存在を忘れるので、探すより百均に行って、、、。


最近、おじちゃんは自分の問題をようやくわかったようで、ベランダの一角のおじちゃんの工作室は見える収納にかわりかけている。工具がフックでつるしてある。釘はつるすわけにいかないので、相変わらず箱。それで、クッキーやナッツの空き缶にやたら執着するのだ。
百均の箱よりは上等に見えるモロゾフのクッキーの空き缶が捨てられない。ナッツの空き缶が捨てられない。捨ててはもったいない資源と思うらしい。いつか使うから。

おばちゃんがキッチンで見つけてしまったのは、マルちゃん天ぷら蕎麦の空カップだ。こんなものがどうして?猫の避妊手術の時に新たに小さいサイズを買ったので、マルちゃんは捨てたはず?2個あったのでゴミ袋に捨てた。

油断はできない。なぜならおじちゃんはごみ袋からこっそり取り出してまたしまうか戻すからだ。引っ越し当時にとりあえず百均で洗面器と風呂の手桶を買い、ちゃんとしたのを買った後にゴミとして捨てたはずが、庭の水道に鎮座してたから。雨水をためたポリ桶から水をくむには確かに手桶が便利だ。おじちゃんの目を盗んで物を捨てるのは難しいのである。


おじちゃんが拾いそうなブツはごみ袋に入れた後、紙系のかさばる物で覆い隠すのが基本。
昨日、庭の水やりに出たら水道栓にペンキ容器に使われたマルちゃんのカップがあった。これは許そう。

夫婦と猫が必要なものだけ。客用の寝具は一切なし。客用の椅子もなし。家具はこれ以上絶対増やさない。

アメリカで家を売った時に大きな家具は始末した。
カリフォルニア・クイーンサイズのベッドなんて、日本の寝室に入るわけがない。持って帰ったところで寝具類も売っていない。帰国の時に家具と生活用品は大部分処分をして最終的に引っ越し便に積み込まれたものは、最低限の家電と本と服と身の回りの物だけであった。

2世の引っ越し屋さんが最後に移り住んだアパートに来て、何を日本に送り出すか指示をくれという。アメリカ生活の清算と日本の帰国の手配で疲れすぎていたおばちゃんは、キッチンとリビング、寝室、クローゼットの中身などを見せ、大雑把にこっからここまで指示した。

それからよろよろとリビングに座ったあと眠り込んでしまい、ベッドルームとバスルームの梱包作業が終わってから目が覚めた。

その結果、日本のスーパーで買った日本製の入浴用のあかすりタオル使用中:水色とピンクのくたびれたやつとか、アメリカの百均で見つけたヘアブラシにかぶせて使うネットとか、しょ~もないゴミがプロの手できっちり梱包されコンテナに詰め込まれ船便に載せられて横浜めがけて出港していったらしい。

日本には2月に帰国したが、船便は予定より3週間ぐらい到着が遅れた。冬用のコートもセーターもなくて震えていたおばちゃんたちの仮住まいの実家のもとに引っ越し荷物は3月過ぎにやっと届けられた。
梱包は開けず山の家にさらに送って5月にやっと引っ越し荷物をほどき始めたら、ウム~とうなった。さすがプロの引っ越し屋である。
アメリカのバスルームの中身がそっくり出てくる。資生堂のシャンプーとリンスですか?とくにあかすりタオルには脱力した。こんなものがコンテナで船便で帰国してきましたか!

日本で製造されアメリカに輸出さおばちゃんが買って使用して、帰国便でまた日本に帰ってきた。こんな単価の安い雑貨にしては太平洋を2度渡るという大移動をしてきた。あかすりタオルとして生まれたなかでかなり珍しい運命だと思う。

このあかすりタオルはまだ活躍している。よれているが長い旅をしてきた子を捨てる気にはなれない。

自家製スローライフ

麓の気温は37度だった。
山の登り口は両側から木がおおいかぶさっているので日さしが和らぐ。100M標高登ると1度近く気温が下がる。


今日はこの夏最高気温らしいから管理事務所あたりまで登ったら、アスファルトの照り返しが熱いのか、ゆらゆら陽炎が昇る。

前にいるグレーメタリックの車は品川ナンバーで夏休みでやってきたのかもしれない。止りたいのか出たいのか、メインストリートに出るまえにしばし悩んでいる。道を忘れてしまったのかもしれない。

おばちゃんは急いではいないので、のったり後についているだけ。前がやっと登りに出ればおばちゃんもついて出る。
グレーの品川はゆっくりメインストリートを走りだし、脇道に出会う度に停止寸前までスピードを落とす。どうやら本当に家を忘れてしまったようだ。

グレーメタリックの品川をぼんやり見ながら、なんかなじみのないモデルだなと思った。
レクサスのようでもあり日産のようでもありキツネみたいなT字ぽいエンブレムを眺めながらどこのモデルだろうとおじちゃんに聞いた。さあ?
と、家に帰って気が付いた。テスラじゃねぇ?テスラだわ、意外と地味だった。

毎朝おじちゃんが畑に出て野菜の収穫をする。
キュウリ、キュウリ、ナス、ズッキーニ、トマト、オクラ。
キュウリはサラダにして、酢の物、ぬか漬け、たたきキュウリの素は意外とうまい、手軽だし。
もう毎日キュウリ。

インゲンは茹でてたらこマヨネーズを付けてポリポリ。

ナスは麻婆ナスに揚げびたし、焼きナス、天ぷら。
富士山のふもとで水がいいので、豆腐もおいしい。野菜全部入りのトマトスープを大量に仕込んでおいて小口で解凍して食べる。おじちゃんの血糖値は毎食こんな自家製野菜を食べていると調子がいいんだと。
私はたまには肉が食べたい。薄切りやひき肉でなくて。

老キャプテンのところでご馳走になったお茶があまりにもおいしくて、売っているところを聞いた。早速買いに行ったらなんと!入り口で茶の木を売っていた。高さは50センチある。すでに葉っぱは沢山つけているので、うちの畑に植えれば来年はささやかな茶葉が取れるかも。うれしくて茶の木を抱えて店内に入る。
おじちゃんはアメリカでアイスティーに毒されてしまったので緑茶を入れて飲むのはおばちゃんだけ。

おととし山の散歩で拾ったお茶の実をいくつか植えたら1本だけ育った。まだ葉が3枚で高さが10センチだからいつお茶にできるかわからない。だからこのお茶の木に出会えて移住してからの夢だった自家製緑茶の夢がとうとうかなう。なのにおじちゃんの体温はあくまでも低い。
どうせ素人が育てて素人が作ったお茶なんてうまくないに決まってる、と。

それはそうだ。おばちゃんは煎茶のおいしさは売店で求める。自家製お茶を飲むというぜいたくは別物なのさ。


庭で七輪にヤカン(黄色っぽいヤカンね)をかけておいて、5月に庭の草取りをしてついでにお茶の緑の葉をちょいとつまんで両手でモミモミ。ヤカンのふたを開けて放り込んで即席のお茶を入れて一服。仙人のような暮らしをしてみたいのよ。分かってくれないかなこのロマン。

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