海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。

テリーさんと外地の日本男児

テリーさんは日本生まれ日本育ちだったが20歳になるかならない年で渡米して、結婚したカミさんがアメリカ人だったから40年も経つ間に、日本語を忘れてしまった。

日本語のヒアリングはある程度できるのだが、書くのと読むのはもう不可能になっている。英語しかしゃべらない。
おばちゃんが雇われたのは、日本企業へのマーケティングと日本からくるEmailの問い合わせをテリーさんに翻訳すること。仕事の中身は退屈でつまんなかったから割愛するけど。

テリーさんの結婚は子供が全員成人したところで終結してでっかいアメリカ人の奥さんと離婚した。子供は全員男でフットボール選手かと思うほどのサイズ。テリーさんは165センチそこそこなのに。

このテリーさん、離婚してから正反対の趣味に走った。つき合う女の子は小さくて、華奢で女らしい娘。
アメリカ人女でなければ誰でもいい。その気持ちは分からないでもないが。

独身生活を謳歌していたテリーさんに、女の子は必ず質問を突き付けてくるのだという。

いいか、必ず一年経ったら皆聞いてくるんだ。”ねぇ、私たちはどこを目指してるの?
この先どうするの?”

何故それを聞く?テリーさんは人生を楽しんでいるので質問の意味が分からない。それで、一年後には女の子にみんな逃げられてバケーション先で引っかけた女の子が残った。

”妊娠させちゃって” ついでに ”てへっ”って付けたいほど。61歳のテリーさん20歳のメキシカン娘を妊娠させて、誇らしいのが半分、崖っぷちに追い詰められてるのが半分。

カトリックのメキシカンだから無論堕胎なんて選択はない。
ショットガンを持った親と兄弟が出てきたわけではなかったが産む!と言い張る20歳の娘に降参して、正式に結婚することになった。

ただ娘はアメリカに住むのを拒否した。嫌!アメリカ人はメキシカンを馬鹿にしているからアメリカには住まないわ!
テリーさんはしょうがなくボーダーの南に家を一軒買った。彼はサンディエゴに住んで、週末は国境を越えてメキシコに61歳通い婿。

40歳近い息子たちは大困惑である。
ステップ・マザーが自分のカミさんより若い。自分の子供より小さい腹違いの弟か妹が、これから生まれて来るんである。

テリーさんは遺言書も書き換えメキシコ娘と結婚して、子供を産ませて家もくれてやるつもりのようだ。1年たったらどうなるか分からないけれど。

外地の日本男児

テリーさんのほかにもおばちゃんはいろんな日本人男児を見た。ちらっと見たその男たちの結婚と食の人生を書いてみる。

行きつけの日本食レストランで夕ご飯を食べていると、カウンターに座った日本のおっさんがやけに目を引いた。お盆にのった定食を食べているようだ。一口食べるごとに天井を仰ぎ、肩を震わせお椀の味噌汁を飲んでう~とかあ~とかウルサイ。
食べ終わるとカウンターの中の板前さんに1週間ぶりにまともなご飯を食べたんですぅ、とかおっさんの嘆きが聞こえた。

多分単独の出張か、家族に先行して赴任してきたのだろう。スーパーでサンドイッチとかパックされた空揚げとか冷凍のピザ、ファーストフードのテイクアウトで凌いできたのかも。
35歳過ぎに単身で渡米すると、米と醤油と魚が無くては1週間でパニックになってしまう日本男児。

おじちゃんの会社の同僚にはコリアン嫁と結婚した日本男児がいて一緒にランチに行くと、ああ、白いご飯だ!とお茶碗のごはんをむさぼり食べるという。

聞いてください、ウチの嫁はコリアンで健康にいいのよと米に五穀を入れるんです。
黒い豆とか麦とかひえとかモソモソしてうまくないんですぅ。白いごはんが食べられるのは、お昼だけ。オイオイ。おかずについては何とかイケるらしい。

トムさんが結婚したのはクロアチア人で大学の時のクラスメートだった。
自宅に日本食は存在しない。
でもこの人の賢いところは、日本スーパーのそばにオフィスを借りたところだ。ランチは日本のお弁当を選び放題。アンパンでも和菓子でも徒歩2分で好きなだけ買える。

歯科医のBさんはアメリカ人の奥さんに首ったけ。ブロンドですごく可愛い奥さん。一言目にはウチのマリリンがマリリンがとデレデレ。
マリリンが作るなら冷凍のピザでも缶詰のスープでも美味に違いない。

不思議と日本男児と結婚するアメリカ女性は、夫に一歩下がって従うような古風なタイプが多い。
どこでそんなアメリカ人女性を見つけてこられるのか、なんか古風な娘を探す特殊なセンサーでもあるのか?それとも彼女らをひきつける磁石でも持っているのか?

コミュニティ新聞のRさんの奥さんもアメリカ人で外食はいつも日本料理だったので、奥さんの方が日本化していたのかも。常に夫をたてている感じ。二人並んで座っていると、亭主関白という言葉が浮かんでくるのが常だった。

Kさんは2世のコリアンと結婚して食生活はアメリカン。ただ、Kさん本人は元は板前さんだったそうで、日本食が食べたくなれば自分で作って奥さんと子供に食べさせる方だという。
う~ん、女としてあらまほしき夫はKさんかな。

ラスベガスで骨休め

神は創造に疲れて7日目に休んだ。人間も休める時にきっちり休まないと商売と言うのは続けられない。

そうだ、ラスベガスに行こう!今までは会社の旅行だとか、取引先の人の接待だとかで連れていってもらったが、アナハイムから往復バスが出ているのでバスで行こう。

独立してから驚いたのは、おじちゃんが仕事モードとお休みモードのスイッチを持っていたことだった。おばちゃんは初めての経営で四六時中経営のことばっかり考えていて休まる時がなかった。

自宅に帰ってくるとおじちゃんはテレビは見ているけれど、何を聞いても生返事。おじちゃんは仕事モードのスイッチを切っていたのだ。やるべきことは沢山あるのに、何も考えていないとはどうしたことか、。ふがいないおっさんや。

ところが全速力で7日間稼働すると余力と言うものが無くなってくる。夜になるとスイッチを切って朝はまたフレッシュに活動できるおじちゃんと、夜通し考えて疲れ切って朝の仕事を始めるおばちゃんとのギャップが明らかになってきた。

結果と言うのはすぐ出ない、続けられなければ結果が出ない。7日稼働しても生まれるのは結果でなくて焦りと疲労だった。そこでおばちゃんも休みスイッチの必要が分かった。アイデアというのは贅沢な時間に生まれる。

一泊2日の休みならカリフォルニアからラスベガスは都民が熱海・箱根に行くようなものである。ベタ過ぎて新鮮味がないけれど、骨休めだから。目的はホテルのバフェとショーだった。

キンキンに冷房が効いたバスに乗って、ストリップの中ほどのホテルに着いて、通りに出て安売りチケット屋で今夜のショーを探す。うまくするといいホテルのショーがやったぁ!と言う値段で買える。

一度は「ジュベリー」がドリンク付きの最前列のテーブルで取れてしまって超ラッキーだった。もう、踊り子さんが1m先で踊ってる。ダンサーの足と言うものは、意外と逞しい。

網タイツに包まれた太ももに青タンがいくつもあるのがモロ見えである。長い足を振り回して踊るのである、ぶつけるのも無理ない。うっとり美しいショーを見るなら、最前列でないほうがいいかもしれない。

踊り子さんに劣らぬ短い衣装の若いサーバーがドリンクを運んできてコークは1杯8ドル2人分チップ込みで20ドル。次の日のランチはブッフェで幸せになってバスに乗って帰ってくる。おばちゃんはバクチは嫌いだ。

ラスベガスの真ん中を走っているカジノ通りをLas Vegas Boulevard 通称ストリップともいう。
Stripteaseとはまったく関係がない。細長い土地をストリップと言うのである。ガザストリップとかね。

地理はシンプルだ。空港から北に向かうラスベガス・ブルーバードの両側に有名どころのカジノが軒を連ねている。ピラミッドを模したルクソールから超高層タワーアトラクションで有名な北のスフィアまで一本なので歩こうと思えばできないこともない。
ただ気候はひどいからストリップを絶え間なく走っているバスを使う方が楽だ。1日パスなら乗り放題だし。

高級カジノを除いてホテルの宿泊費は高くない。安ければ20ドルからあるし。
昔からラスベガスはギャンブルで人の懐をカッパぐつもりなので、宿泊費と食事は高くなかった。ただリセッションの後からはレストランがどんどん値上がりしてきた。

おばちゃんたちはショーとブッフェが目的。オンラインでホテルとショーを予約するサイトがある。
いいショーの手ごろな席はすぐ売り切れてしまうのであとは安くて見ずらい席か、超お高いいい席かどちらかになる。

最初に見たシルク・ド・ソレイユのミスティアは確か35ドルくらい。当時人気だったホワイト・ライオンのショーが売り切れだったから残っているチケットがシルクドソレイユだった。なんとキレイなサーカスなんだろうというのが感想。

その後ラスベガスに行くたびにシルク・ド・ソレイユのショーの値段は上がっており、「オー」のころには100ドル前後になっていた。ジョイスが、すごい!「オー」がすごいというので、一体「水」がどうすごいのか、すでにチケットは売り切れが多く買うのも大変になっていた。

やっとチケットを確保できて席も悪くなかったが、ジョイスがうまくすごさを説明できないのが分かった。
確かにオーは「水」のショーだ。舞台に深いプールがある。高く漕いだブランコからパフォーマが飛び込む。水しぶきは上がるので確かに水であることは間違いない。

次のシーンにあっという間に「水」が舞台から引いて乾いた舞台に変化する。水はどこに行ったか分からないさらに次の瞬間にまた深いプールが出現し鮮やかな衣装のアーティスティックスイマーが水の中で華麗なパフォーマンスを見せる。

Oneだけは見られなかった。チケットが高すぎ常に売り切れでストリップのあちこちにあるTix4tonightでキャンセル待ちをしても取れなかったから。

色んな雑誌がシルクドソレイユの特集を組み、パフォーマーの高い報酬などが知られるにつれてチケットの価格は下がらなくなったのね。2020年に破産宣告をして同じ規模と質のショーはもう二度と見られないかと思うとおばちゃんは悲しいわ。

90年代の始めはシルク・ド・ソレイユのミスティアが35ドルだったのが夢みたいだ。Open jaw 口ポカ~ンのすげ~というショウが見たい。
きらびやかでゴージャスで美しくて日常性を吹っ飛ばしてくれるショウ。ジュディ・オングと小林幸子を白人化して踊りまくり超美形の体操選手が色とりどりの衣装で「立体ステージ」の上・横・空中でパフォーマンスする。お~、見た後は知能指数が10くらい落ちた気がするが、すごいもん見た!とリフレッシュができる。

後ろの席は安いけが見づらいからどうしても不満が残る。でも、いい席は200ドル以上するから二人分は考える。そこで安売りチケット屋がある。

ストリップのあちこちにTix4tonightとかボックスがあるので、キャンセルチケットを探すのだ。今は携帯があるので、キャンセルが出た時知らせてくれてそれでチケットを押さえることができる。

ショーは6時半か7時から始まって2時間ほどで終わるからそうすると有名どころのブッフェディナーは終わっている。9時過ぎにも食べられる手ごろなレストランを探すのが大変。

次の日のランチはシーザースパレスのブッキャナンかアリアのブッフェが楽しみ。ただ、行列が長くなってホテルでも何とかクラブを作って会員を先に入れるようになったので会員になっとかないと。

カジノの盛衰は激しい。サビれたカジノからは人が遠のき、もっと人目を引く新しいカジノが次次とオープンしてニュースで報道される。

2010年ころは人手ががっくり減って、ストリップを渡る歩道橋にスッテンテンになった旅行者とホームレスが物乞いをしていた。
アリアの前の歩道橋を上がっていたら、ばったり知り合いの夫婦にあったこともあった。カジノは超うるさいパチンコ屋とタカラズカと競馬場と演舞場、映画館とショッピングモールと地下街を足したような街である。こんな街は世界中ここだけだわ。


日本人社会の狭さ

売り手のミカコとエージェントのタカコに買い手のおばちゃんで女ばっかり3人そろって売買のエスクローはそろそろクローズしようとしていた。

9月にタカコに呼び出されてファイナル・ドキュメントにサインする時になって、おばちゃんの姓名を改めて書面で読んでタカコが突然「xxxx姓」ってご主人はxxxにお勤めでした?と聞いた。

おばちゃんは、そうですが、言うと、タカコが、ウチの主人もxxxに勤めていましたと。
おば:えっ!? まさか。主人がよく話していた同僚のXXXさん?
タカコ:私の主人がXXXです。
なんと、まぁ。二人の旦那は半年前まで同僚だったと。
エスクローがクローズする今まで知らなかったと。これが外地の日本人社会の怖いとこである。

知り合った知人のルームメイトが、ウチで働いている子だったり。よく寄るお店の売り子が古い知り合いの娘さんだったり、。もぅ、どこが繋がっているのか怖ろしいのである。

従業員の面接をするときは、働いた会社を聞いて知り合いの名前を20人もあげてもらえば、どこらへんのつながりがあるか、わかってしまうのである。

外地だから同じ日本人同士助け合って、仲良く、、、いかない場合もある。会社の同僚なのに、嫌い合っているとか。パーティーでは参加者を聞き出して、あいつが来るなら絶対いかないとか、。

一番絶望的だったのは、Plaintif(訴人)とDefendant(原告)が同じ場所で訴人側の弁護士と一緒にバッティングしてしまったのである。裁判所でもないのに。

ちょっと違うケースだが、知人は夏休みに家族でニューヨークに遊びに行き、エンパイアステートビルの一階で肩をたたかれ、振り向いたらお家の隣の家族に会ったという。

私がもう一人の親友アイ子ちゃんと知り合ったのは、オンラインの掲示板。
その時彼女はウエストバージニアから書き込みをしていた。彼女の夫が学校を卒業してカリフォルニアに帰ると言うので、カリフォルニアのどの辺と聞いたところウチから車で5分だった。

ローカル・フリーペーパーの笑い話の投稿に、掲示板で知り合った人とOffで会いましょうと待ち合わせをして顔を合わせたら、いつも行く寿司屋の板前さんだったという笑えない笑い話があった。

売り手のタカコはどうなったかと言うと、サンディエゴからさらに別の州に引っ越した。後々おばちゃんが日本帰国を報告すると、なんと伊豆に家を買っていた。
それも、おばちゃんが今いる山を一つ越したところで車でわずか30分だ。お互い伊豆には地縁も他縁も何もない。

ガバメントが使うフォント

おばちゃんがコンピューターを教えついでにフライヤーや看板のデザインで小遣いを稼いでいた時、Photoshop とIllustratorがあっても、デザイン素材とフォントは必要不可欠だと痛感した。

アメリカの商業デザインはスポーツ業界に使われるフォントとか、エンターテインメント業界用のフォントとか
フォント自体に用途別のイメージがあって、おしゃれなブティックの看板に間違ってもPlaybillなんて使わないのね。
逆に言えばPlaybillをタイトルに使えば、学校のスポーツのお知らせとか学校の催しものだとかすぐわかるわけだ。フリーフォントも色々あるから、ダウンロードしてデザイン時用にストックしておく。

さて、Helveticaというフォントがある。
印刷業界に革命を起こしたフォントと言われ、その端正なフォルムは公文書にも多用される。例えばアメリカ政府とか。州政府とか。

移民局、労働局、税務署、州政府などがHelveticaを使うわけだ。
もちろん、太字、斜体、ライトなど様々な変形があるので、例えばカリフォルニア州税のTaxReturnフォームがすべてHelveticaが使用されていることは、普通の人はあまり気が付かないかもしれない。これらのフォントセットはむろん購入できる。

おばちゃんは、毎月消費税を州政府に申告し納めなければならなかった。
今はオンラインだけど、ビジネスをスタートしたときは申告フォームが「紙」だった。
紙のフォームは当然おばちゃんが数字を書き、それも売り上げ、税抜き売り上げ、税、州のローカル税%税金額など、電卓を片手にポチポチと(5)から(1)を引いて
(6)に記入し(8)にトータルを書く。(8)と(3)の数字が違ったら計算が間違っているのだ。

計算が合っていたら控えにコピーを印刷する。日本の年末調整みたいな書類が毎月あるのだと思って。たかがフォーム一枚記入するのにおばちゃんの昼寝の時間が潰れるのである。

電卓で計算するのが面倒くさくて仕方なかった。そこで州のフォームをじっくり見たのである。あら~?全部Helveticaだわ。太字にライトがあるけれど。

そこでおばちゃんは知恵を絞った。計算が面倒くさい、Excelを使えばいいんじゃね?フォントはHelveticaで、用紙はLetterサイズで。ガバメントのフォームの余白は0,5インチと大体決まっているのだ。

おばちゃんは州税フォームを作った。本物の紙の上に自作を重ねて、下からライトで照らすとテキストボックスの枠の太さだとか、長さに微妙なずれが分かるので、修正していけばいい。

お昼寝を何日かつぶして完成した。印刷したExcelシートを本物の上に重ね下から光を当てるとフォントもフォームのコラム線もピタリと重なった。お~ほっほ!

Excelシートには最初の税込み売り上げ数字をタイプするだけであとは自動計算する。2枚印刷して1枚はウチのコピー。
毎月の消費税申告は1分で終了した。本物の申告用紙はフォントに歴代コピーずれがあって汚い。
おばちゃんの方がよっぽどキレイ。

ネットで底引き網

WordPressもまだ存在していなくて、サイトの丸ごとコピーが簡単にできた時代の話。

モールの管理会社からテナントはガチョウか羊のように扱われてとことん搾取されてて憤懣がたまってくると、
なんぞないかなと思ったりする。

最初は管理会社の名前を検索し、B2B用のSNSのリンクをたどっていってローランドの子会社や別会社を見つける。管理会社のウエブを丸ごと底引き網で取り込んでみる。取り込んだファイルをじっくり調べると面白いファイルが見つかった。

おばちゃんも時々やってたが知り合いに何かファイルを送るとか、相手のITスキルが低いときにナンだカンダと指示するのが面倒で、つい自分のサイトにUpしてここにあるから見てねとか、ここからコピーしてねとか言ってしまう。
誰もプライベートのファイルに興味はないだろうし、Upしたままサイトのファイルは消すのを忘れてそのまま残っていたりする。

多分管理会社のウエブのファイルもそんな過程で残っていたのだろうけど、おばちゃんには十分面白かった。
何故って、そのファイルは不動産管理のマニュアルだったのよ。

多分業界のセミナーなどで使われるテキストだったのだと思う。ローランドもフレッドも業界の30年選手だったから。

モールのテナントを選ぶ時の基準とか、.com企業の見るべきポイントとか(たいていは選ぶな!)弱小テナントとパワーテナントの契約条項の違いパワーテナントを増長させない手法とかいじめてテナントを追い出そうとする場合、仕返し(retaliateって書いてあったわ)されないように気を付けるポイント。とか。

おばちゃんは、ほ~んと思った。つくづくテナントを家畜扱いしてるよね。人間扱いをしてるのは、パワーテナントだけかぁ!隣のパン屋やイタリアンも弱小テナント扱いかよ。腹たつわ~。

ふと、ロナルドが扱いに気を付けるようなパワーテナントってどこだろう?と思ってしまった。

底引き網資料を調べると一番でかい物件モールは大小 120店舗のビジネスがあり、その中でも一番でかいビジネスは「スーパー」だった。

誰もが知ってる南カリフォルニアのあの高級スーパー。このスーパーのマネージャー相手なら、ロナルドもヘイこらするのかしら。
「また、雨漏りかよ。うちは高級品を売ってて客層も一番いいんだ。雨漏りがするようなビルを貸しやがって、イメージを落としたらどうしてくれる? はよ修理せいや!」
修理メンテ担当のフレッドがすっ飛んで行くのかしらん?このパワーテナントが出ていくからとゴネたら、ロナルドもフレッドも真っ青だお!

おばちゃんは、楽しくなってマニュアルの作成者名を管理会社の名前に、形式主語をWeに書き換えセミナーを思わせるようなセンテンスを削った。
すると、テナントならだれが読んでも腹を立てて憤慨する高圧的な管理会社の裏マニュアル文書が出来上がった。

社内の裏文書が間違ってスーパーに送られたら面白そうだが?そういう間抜けな秘書もアメリカにいっぱいいるしぃ。
でもおばちゃんは秘書じゃないしぃ、ここの会社のレターヘッドは超!特殊だしぃ。

この会社のレターヘッドはフォントも特殊なので、多分ロゴのデザインはMacだ。
紙はナント!透かし入りの高級紙!で繊維が長くもったりと和紙のような重量感がある紙。会社のロゴはエンボス加工で浮き出しなんだよ。
金かけやがって。

こんな細工をする印刷会社は周囲100マイルでも限られてるから!おばちゃんはとりあえず裏マニュアルを完成して、すこしうっぷんを晴らした。

高級紙でレターヘッドをデザインする

高級紙でレターヘッドをデザインしてみたい!と、ふと思った。ヘッジファンドが投資状況をクオーターごとに富裕層顧客に報告するような重厚感があるレター。

まず、紙を探すんだ!
透かし入りの高級紙!で繊維が長くもったりと和紙のような重量感がある紙。
紙を透かすと打ち込みに紙モデルの名前が透けて見えるようなそんな紙。

大きなショッピングモールに紙専門のショップができたからって、勇んで乗り込んでみても、コンテンポラリーな最新IT企業が使いそうなブルーグレーやモーブのインテリジェント、シャープな感じの紙があったりする。
でもこれじゃないんだね。
もっと古風でアメリカの昔かたぎの感じがする固い会社のイメージがほしい。

すると、意外にも高級文房具を扱う文房具屋さんの片隅に売られていたりする。そっか、昔から営業している老舗だもんな。同じ製品モデルのラインでサイズ10の封筒も買っておこう。

次はフォントね。
見本にしたいようなサンプルレターを高解像度でスキャンして取り込んでみる。で、オンラインで似たようなフォントを探す。Adobeやフリーフォントにも捜索範囲を広げて探してみる。

似たようなフォントがあったらセットでダウンロードして。一文字だけ似ていても、セットで見るとハネや止めの太さが違うのがわかるからね。スキャン画像の上にダウンロードしたフォントで、同じ文字をタイプして見よう。

フォントの幅や文字間隔が変えられている場合があるから、ちょっと伸ばしたり太字にしてみたりつぶしてみたり、背景のオリジナルのフォントとぴったり重なったらビンゴ!だ。やっぱり思った通りマックだ。
マック標準搭載のフォントじゃねぇ?
このサンプルのフォントが好きだからねこれを使うことにしよう。

レターはフッターもあるからフッターのフォントも探そう。こっちはそんなに凝ったフォントは使わないはず。
ただのHelveticaだわ。フォントが見つかってラッキー。

フッターのインクの色、これはどうしようもないのよ。印刷屋さんが使っているインクセットと市販のプリンターインクの色は違うから。
何回も印刷してサンプルと比べて色を調整していくしかない。プリンター・インクは印刷したてと、乾いてからは若干色が変わるから、乾燥した時を想定して色を調整してね。

黒はましなんだが、気取ったブルー系の色インクは難しい。でも、見る人が還暦近くだったらあんまりわかんないかも。1ミリ角の文字だし。

肝心のロゴはサンプルの左右上部からの実測してキャンバスにとりあえず置いてみよう。
色は気にしなくていい。だって、エンボス加工するんだもん!

重厚じゃない?また印刷してみる。そいで、サンプルの上に自前の紙を載せて下からフラッシュライトで照らしてみよう!
ぴったり合った?
この瞬間好き!ぞくぞくするよね。

もう一度サンプル印刷をして、あとは高級紙とファイルと一緒に印刷屋にエンボス加工を頼むだけだ。

なに!嫌だ?在庫の紙でしたい?エンボス加工なんて面倒くさい仕事は量がないとダメだぁ?
お前ら根性ねぇな。この芸術的なぴったり合った職人技術の傑作をエンボス加工で仕上げしたいと思わないのかよ。
ダメだ。アメリカの印刷屋は根性なくて。

ペニー・セーバーと詐欺師

たぶん全米だと思うのだが、Penny Saverという広告雑誌があった。今もある。
企業広告、クラシファイド、個人の「売ります・買います」などが一冊にまとまったフリーペーパーだった。1ペニーでも安いものがいい、安けりゃなんでもいいというしみったれ、訂正 価格に敏感な人が見る広告紙だった。

おばちゃんがビジネスをスタートして、しばらくたったころ、急に貧乏風アメリカ人婆さん軍団が増えたことがあった。ぺらぺらのワンピース、でっかいプラスチックのネックレスきつい香水。客単価は最低に近かった。

日本人顧客からはペニーセーバーに広告を出したのね。頑張ってねと言われた。
ウチの客層とは違うので、ペニーセーバーに広告を出す気は全くなかったのだが、客によるとウチのビジネス・リビューが載っているのだという。
それでか!
おばちゃんはふに落ちて、でも安くて下品な客が増えては商売にならんので、この雑誌には近寄らないようにしようと誓った。

それからしばらくして、知らない相手から小包が届いた。請求書(Invoice)も入っていた。宛名は間違いなくウチだったので、開けてみると壁にかけるプラーク(盾)が出てきた。プラークには例のペニー・セーバーの記事が物々しくはめ込んである。プラーク自体のクオリティは悪くないのだが、ペニー・セーバーの記事はアメリカ人記者の間違い知識が書いてあり、ウチとしてはこんなものを壁に飾っては笑われてしまうのである。

そして、次の週だったか小包と同じ差出人フロリダの広告会社からまた請求書が来た。
こっちは:プラークはオーダーしていないこと、記事の内容が正しくないのでプラークの受け取りは拒否することを書いてフロリダの会社に送った。

また請求書が来た。ご丁寧にOver dueのピンクの紙に印刷してある。会社に電話をかけて、オーダーしていないこと、支払わないこと、引き取り拒否することを言うとハイハイと言って電話が切れた。

今度はウチのファックスに請求書が来た。”止めろ”とこちらからファックスを送り返すと、さらに請求書ファックスが来た。

プラークは店に飾れば客寄せにもなるから、普通のビジネスオーナーは根負けして支払うのだろう。ただ、おばちゃんは絶対払うつもりはなかった。知り合いの弁護士に相談すると、Better Business Bureau 略して BBBに訴えればいいという、タダだし。

オンラインのクレームフォームを記入しておばちゃんのクレームはオープンした。BBBは民間のビジネス・トラブル仲裁機関だ。トラブルが発生したら相手のビジネスにクレームをファイルし、BBBが双方の申し立てを開示し最終的な判断をする。

フロリダの会社は反論をポストした。それによると、X月X日午後7時半ごろおばちゃんのビジネスに電話をし、プラークの紹介をしてオーダーを受けたのだという。
その証拠に、会社の電話明細にはウチ店との通話記録が載っている。とおばちゃんは、かっと頭に血が上った。確かに、金曜の一番忙しい日の一番忙しい時間に電話を受けた。ウチは、電話では何にも契約せんよ。記事は間違っているから要らんし、と言った記憶がかすかにある。

おばちゃんは、再反論するあんたの会社の電話明細にウチの電話番号があったとしても、それは私がオーダーしたという証拠にはならない。と返事を載せた。

すると相手は、X月X日午後7時半にわが会社はそちらのオーナーXXXミカコと会話をしたのは間違いない事実である。彼は間違いなく商品をオーダーした。と

おばちゃんは、その瞬間勝利を確信した。何故ならオーナーのXXXミカコはウチの”前の持ち主”で、おまけに彼「He」ではないからだ。

名簿会社というのはたぶん全世界にあるのだろうが、ウチが営業を開始した後も、なぜかウチのビジネスは前オーナーの名前のままになっており、それが依然としてデータとして売買されているらしい。
なぜわかるかというと、ウチにその間違った宛名のDMがしょっちゅう来るからだ。

フロリダの会社もペニー・セーバーにはオーナーの情報が載っていなかったので、名簿会社から買ったのだろう。ところが、オーナーの名前は間違っていたのだった。

おばちゃんは、再度反論をポストする。アンタがオーナーXXXミカコと話したというのは間違いないか?

フロリダ:間違いない。
おばちゃん:残念だね。ウチのオーナーの名前はXXXミカコではない。それは前オーナーである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:XXXミカコは前オーナーで現在はサン・ディエゴで新規ビジネスを展開している。サンディゴのビジネス・エンティティで確認されたい。最後にXXXミカコはFemailである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:貴社から送られたプラークを保管している。至急引き取られたし。引き取りに来ぬ場合は保管料を請求する。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:保管料はらえ!

おばちゃんは完全勝利して、溜飲をさげたのだが、このあと、さらに後日談がある。

1年かそこらして、フロリダの検察局から手紙が来たのだ。この広告会社に対するクレームが多く、検察は捜査を開始したが、ウチの会社はどんな被害を被ったか、あるなら詳細を知らせよ。と.

おばちゃん損害0である。
プラークは大掃除かなんかの時に捨ててしまった。

パン屋クリスの受難

ウチの隣のパン屋のクリスはオーストリアの出身で、重たい英語を話す痩せたとっつきにくい男だった。ジャネットがおまけで付いているパン屋を、前のオーナーから買うと、ペストリーだけでなくカスタムオーダーの誕生日ケーキやウエディングケーキで売り上げを伸ばした。

私が朝、コーヒーを買いに行って商売の愚痴をこぼすと、

:業者のデリバリが午後にあるはずだったのに、来なかったんだよね。
クリス:It’s nomal
:車の中がぐちゃぐちゃなんだよね。
クリス:It’s nomal
:もう、忙しくて家のことをやる暇ないのよ。
クリス:It’s nomal
:寝る暇がない
クリス:It’s nomal
:ねぇ、クリスあんた一体いつ寝るの?
クリス:After retire

このクリスは、モールの管理会社のイエスマンだった。7年前にパン屋を買った最初のころに、管理会社のマネージャーだった業突く張りのアーノルドに、マネージメントについて軽く文句を言ったら、とことんいじめられたのである。
そ~れはもう、猫が栄養失調のネズミをなぶるように。

テナントを買収するときは、モールとのリースを買い取るという意味でもある。
リースの残りが短ければ、店舗の評価額は安くなる。買収してから自分で新リースを取得しなければいけないからだ。新リースを取る場合、大抵家賃は値上がりすると覚悟した方がいい。

クリスがパン屋を買ったとき、リースはほとんど終わろうとしていた。新リースはすぐもらえるとクリスは考えていたのだが、相手は人品卑しいアーノルドだった。

入ってきたばかりのクリスに意見されてヘソを曲げたアーノルドは新リースを拒否したのだった。契約書にあるMonth to Month月毎・契約に移行できるという条項を逆手にとって、マンス トゥ マンスでなんと7年も引っ張ったのである。

疲労困憊してゆくクリスなすすべもなく見守るジャネットある日、パン屋に大家その人が現れて、受難の日々は終わった。

クリス自慢のクッキーを無料でサービスして、アーノルドの無法をせつせつと大家に訴えたのである。な~んにも聞かされていなかった裕福な地主2世で現役の弁護士はアーノルドに新リースをくれてやるようすぐさま命令したのであった。

クリスはこの教訓を身に刻み、以後アーノルドだろうが、ローランドだろうがフレッドだろうが、管理会社のいうことにはなんでもYes 月末にテナントでは一番に家賃を送るのであった。

イタリア系アルゼンチン系アメリカ人・ロミオの悲劇

ジャネットのおばちゃんが一番張り切るのは、事件の時である。朝、いつものようにコーヒーとペストリーを買うと、ジャネットが、ねぇ、昨夜は何時に帰った?気が付かなかった?
私は何を?
ABCニュースでもやってたのよ?ヘリがこのモールの上を飛んでたでしょう?そういえば夕べ7時半過ぎに、ヘリが空を飛んでいてうるさいなと思った覚えはある。

大変よ!ジャネットが大変な事の割には、目をキラキラさせて興奮している。
イタリアンに強盗が入ったのよ!へっ!

強盗は6時ごろイタリアンに入って、一度席に座った後、立ち上がってトイレに行き、帰ってくるときにフロアマネージャーを後ろから羽交い絞めにしたのだという。それから客席の全員を銃で脅して、財布と時計を出させて奪って逃げた。

モールから1分でフリーウエイの入口という立地で強盗には仕事をして逃げやすい場所であった。

うわぁ!である。
オーナーのロミオは近くの町でで20年近く営業していたが、モールが全面改装で、泣く泣く立ち退きになり引っ越してきて新装開店した直後だった。

ロミオは戦後にアルゼンチンに渡ったイタリア人の子孫でアルゼンチン・ワインと牛肉がお勧めというひねったイタリアン・レストランである。

私は戦慄した。
お気に入りのレストランで身ぐるみはがれて、恐怖の体験をしたお客は金輪際戻ってくるはずがない。不運が続く可愛そうなロミオ。

ジャネットのおばちゃんは、見て、County Registerの記事よ。このモールを襲った後、フリーウエイに乗って次の出口でファーマシーを襲ったんですって。

そういうジャネットは、ウチがオープンする前に2回ホールドアップに会っている。

隣のベーカリーは客が絶えないので、儲かっていると狙われたのだろう。だけど、コーヒー一杯2ドル、ペストリー1個$1.60-2ドルでキャッシャーに入っているのは小銭と、クレジットカードの売り上げレシート紙で強盗にとってはタダの紙だ。
アメリカ人が支払いをするのは90%クレジットカードである。キャッシャーの現金が期待できないので、強盗も客の財布と時計をかっぱらうまでに落ちた。効率が悪いと思う。

 
ロミオは悲劇はさらに続く。

生バンドを入れたりして苦労して盛り返したところでリーマンショックが襲い、それはうちも含めて社会全体が苦しんだのだったが、1セントも家賃を負けないというユダヤ人の管理会社・大家に対抗するためロミオの息子はうちらテナント連合をまとめて大家との交渉のきっかけを作った。

それから2年後に息子はあっけなく交通事故で亡くなった。嫁のテレサは残ってレストランを助けていた。

リーマンショックから立ち直りかけたら、今度はショッピングモールがリノベーションをぶち上げ、またもや経営に大打撃を食らった。

工事車両や資材がパーキングに置かれると、客の駐車スペースが半分になり、ランチ時などは客がスペースを探してぐるぐる回りあきらめて出ていくのが見られた。

リノベーションも生き延びて1年もたった後に、突然管理会社のローランドがランドオーナーの人気取りか完成オープニングをやるという。1年もたった後に、客からはどこが変わったの?と聞かれるのに、今更いったい何を祝うというのだろう。

管理会社のロナルドがテナントのミーティングを開けというので、ロミオがダイニングを解放した。朝食用にドーナツやパン屋の提供のクロワッサンなどを盛り付けて、客用のコーヒーをサーブして、
Well, well well, I couldn’t expect such hospitality!と
くそロナルドがお世辞半分、だが迷惑そうに褒めた。

モールの改装工事は無事終了し非常に喜ばしい。不動産業界誌にぜひオープニングフェアの記事を載せたいと思うし、載せればさらに地域の活性化につながるし、そのために大家自身も費用を負担する計画とぶち上げた。

集められたうちらテナントは大家が金を出すなら、それに乗ってもいいが、いったいどんなオープニングフェアをやるんだ?
ロナルドは、みんなでアイデアを出さないか?毎週集まって計画を煮詰めようではないか?と耳には快いことを言った。

滑り台はどうだ?人気ロックバンドの演奏は?ビンゴとか、モール全体を風船で飾り付けて、フードトラックを出すのは?大家が金を出すなら、まぁニギヤカシは否定はしない。来週またアイデアを検討しようと次回にいだ。

次の週になると、大家が出す予算は3000ドルと知れて、それじゃあ人気のロックバンドを半日拘束で消えるし
いろいろ出されたアイデアも予算の関係で、あれもダメ、これもダメ、やれそうなプランを残していくとロナルドはアイデアを出したテナントにそのマネージメントを任せようとした。

お前は何をやるんかい?
お前が管理会社の社長で言い出しっぺのロナルドなのにオープニングフェアのマネージも、時間と体を使って当日の催しのプログラムも参加する気がないのも明らかになってきた。ミーティングには不穏な空気が漂う。さらに、ローランドは爆弾を落とした。

せっかく客を集めるんだから、それぞれのテナントが目玉のサービス、目玉のディスカウントをするように。

ミーティングのテナントはえ~?!である。ギフトショップのブランドンが憤慨して、ロン、うちの商品はただでさえギリギリくらいすでにディスカウントをしてあるんだ。これ以上の値引きは無理。

するとロナルドはどんな商品・サービスをディスカウントするかそれぞれのテナントに任せるので来週までに考えてミーティングで発表するように、とそそくさと引き上げた。

実際オープニングフェアの日が来ると、こっちは新商品無料配布の準備(すべて自腹)で忙しかったから、
モール全体のプログラムを見ている暇もなかった。

驚くべきことにロナルドが管理会社の従業員とその子供らを引き連れて、院長の巡回のようにテナントをひとつづつ訪れて偉そうにうなづくのだった。
お前は何もやってないだろう!オープニングフェアはしけた花火のように終わった。

しばらくしてイタリアンの前にクレーンが止まり、屋根のエアコンディショナーの解体と引き下ろしを始めた。
人生をあきらめたかのような感情がなくなったロミオが皆にいうには、ロナルドが手紙をよこして、店のエアコンディショナーを点検した結果、据え付け後20年を経過して老朽化しているので危険防止のため、撤去して新エアコンをつけるよう要求してきた。

新ユニット本体の料金で5000ドル以上かかり、クレーンなどの据え付け費用はまた別。踏まれて蹴っ飛ばされて殴られて、襟首をつかまれてまた殴られるような、コテンパンの目にあってもロミオは従ったようだ。

秋におばちゃんもロナルドから手紙をもらった。ビルと駐車場の改装は終わったが、実は公共部分の駐車場のランドスケーピングをやり直す。その費用として、共有部分の%に応じてテナントに割り振る。分割にしてやるから3か月で払え。

おばちゃんは何かの間違いかと思った。
リノベーションの時にすでに駐車場も直し、植栽もマグノリアを新たに植えたのだ。さらに何の工事が必要というのか。アスファルトの引き直しは3年に1度はやっている。アスファルトにしても金額が高すぎる。

おばちゃんは手紙をもったまま、隣のパン屋に行って、クリスに聞いた。
クリス:ああ、あんたのとこにも来たか。
おば:3か月かけて4000ドルを払えと。
クリス:うちはあんたんとこより広いからもっと行く。
おば:そうだね。公共部分の費用をテナントが持つなんて、おかしくない?私は弁護士に聞くわ。

ジャネットが出てきて、ダンス教室も弁護士に相談するって言ってる。なにせ、ダンス教室はテナント2つ分ぶち抜きの1万scfに近い。その次に大きいのがイタリアンだ。ロミオも弁護士に相談するという。

新規のヘアサロンや検眼医などうちを含めて全部で7つのテナントが納得せず、弁護士に契約書をかざして相談した。パン屋のクリスは別。いつもいい子のイエスマンは10年リースをロナルドからもらっているので、逆らう気はない。

朝、パン屋に顔を出し、
ねぇ、ダンス教室のローヤーはなんて言ってる?うちのは金曜日の夜しか時間がないって。
ジャネットは、聞いて!とんでもないことになってるわよ。
ダンス教室が弁護士に契約書を渡したときは、「共有部分は大家の費用で直すもんだろう。テナントに費用を請求するなんて聞いたことがない」と笑って受け取ったという。

ところが、次の日電話をかけてくると、この契約書では勝ち目がない。この契約書は大家がなんでもできるようになっている。

その次の日もジャネットに聞くとほかのテナントの弁護士もやはり、勝ち目がないという。こんなスキがない契約書を見たことがないって。普通はここまでやらないって。

あまりにきつすぎるリースを作ると、テナントに嫌われてビジネス誘致に苦労する。経済が好調になってきたのを見越して、テナントの弱った羊を取り除いて、若く元気がいい羊に取り換えようと企んでいるのではないか?


大家はマリーナデルレイにヨットのロットがある現役の弁護士で、父は引退した判事。不動産の契約書としてユダヤ人の法の専門家が練りに練った鉄壁の契約書を前に7人の弁護士は全員匙を投げた。

その頃は、メールでテナント同士が連絡を交わすようになっていたた。

オープニングフェアの準備のために、ロナルド自身がメールの交換を推奨したからだ。オプトも嘆いていた。洗濯屋も愚痴をこぼしていた。
イタリアンのテレサとダンス教室のマークが一番憤慨していて、ぜ~ったい、払わない。うちはレントを供託するから。
踏んづけられつづけたロミオがついに堪忍袋の緒を切って憤然と立ち上がった。テレサとロミオは本気で法廷闘争をする気だった。

テナントはいずれも小売業だ。自分たちの生業が成り立つのは、客が払ってくれるから。ところが、不動産業の成り立ちは違う。

金を払ってくれるのがテナントであるにもかかわらず、卵を産むガチョウか家畜の牛のようにテナントを扱う。
We are livestocks. We are treated like cattles.

ロナルドの会社の客はテナントではない。会社のお客はただ一人、ランドオーナーである。
ランドオーナーを喜ばせるために、オープニングフェアを催し、ランドスケープの費用をテナントから吸い上げる。

ロミオとテレサは法廷闘争のために供託を積み上げ、おばちゃんは腹いせに檻に入った七面鳥と
それを狙うライフルを持った百姓ロナルドの漫画をテナントのメールにCCで流すのだった。

おばちゃん 時効の分だけ懺悔する

おばちゃんがリタイアをしてからだいぶ経つけど、お客も従業員もまだ現役かなぁ。遠い目。時効になった分だけ懺悔する。

一番の図々しい客は”初めて来てやったからまけろ、オマケをつけろ”といったメキシカンの2人組。
次は、”俺は年寄りだからシニアだからまけろ”と言った台湾人。あんたが”年を食っているからと言って、どうして私がディスカウントをしないといけないのか?”と、おばちゃんが目をじっと見て言ったらくじけて撤収した。

オープンしてまだ間がないときお客が電話オーダーの商品をピックアップに来て”これはオーダーの品と違う、俺はこれじゃないのが欲しいんだ!”でも電話を受けたのはおばちゃんで、絶対商品に間違いはない。客と言い合いになり、客が捨て台詞を吐いたのでおばちゃんもカッとなってそのレシートを丸めて

客にぶつけてやろうとしたら、おじちゃんが後ろから私の挙げた腕をつかんで、次いでおばちゃんの両肩をがしっと羽交い絞めにした。その間に客が悪態をついて外に出て行ったので、レシートをぶつけられずに誠に残念だった。とても客商売のオーナーにあるまじき振る舞いでした。
反省はしていませんが、やっと白状できてすっきりしました。

ローカルのフリーペーパーにディスカウント広告を出しました。店のチラシの金額を書き間違えて$1.50高く書いてしまいました。お客さんが手に取ったチラシを見て、あれ?おかしいな、という顔をした時に値段が間違っているのに気が付きました。アサちゃんにお客さんを任せて、チラシの金額を書き換えてプリントしなおし、お客さんの気がつかない間にこっそりチラシをすり替えました。

ウエブとキャッシャーの金額も書き換えて証拠を隠滅しました。
あれ、確か金額が違っていたはずのような?という顔のお客さんにどうしました?としらばっくれました。反省はしてますが、後悔はしてない。

昼寝の時に英語で電話がかかってきたら「No English」と一言
言って電話を切りました。眠かったんです。ごめんなさい。

C国人が電話予約をすっぽかし次はその旦那が別の電話番号でしれっと予約してきてあまりに腹が立ったので、出禁にしました。
店のWebのヘッダーにお客の名前と電話番号を2つ、しばらく晒しました。ウチ、AdSenceを張ってたのでトラフィックがあったと思います。
10年以上たっているので、時効ですよね?

〇山さんの目と鼻が整形だと噂を広めたのはおばちゃんです。マーちゃんが日本に行ってきてお土産と女性セブンを持ってきてくれて、雑誌は店に置いていたら、〇山さんが女性セブンの美容整形の広告をびりびり破って
持っていき、次に来た時に目と鼻が新品だったので整形だって広めてしまいました。もうみんな知っているから、無罪ですよね?

ドイツ育ちだと言うC国人がドクターのコンフェランスに来たといい、お会計でカードを出してきたけどDeclineされておばちゃんは、別のカードかキャッシュを出してんか?とゆうたら、お財布をホテルに忘れてカードはこれだけでキャッシュは”無い”と言いよるんですわ。

ドイツなまりの英語を話すC国人などという珍人やったけど、大陸産のC国人と同じように、ぐいぐい対応してしもうたんですが、ドイツ育ちのせいか真面目やったんです。

でもアメリカでカード一枚だけ、エマージェンシーのキャッシュも
持ってない。カードのカスタマーセンターに電話を掛けたら、ドイツ時間の夜中でカスタマーサービスがお休みなんや、言いよるんですわ。

カードのカスタマーサービスって24/7dayと違いますのん?電話が繋がれへんってドイツのカードカスタマーサービスあれへんのと違います。
ホテルに帰ってキャッシュを持って来てくれへん?金持ってきたら携帯電話を返すからと、携帯をカタに取りましてん。ちょっと、イケズすぎました?

もっと酷いのはどこで自白したらいいですか?

リタイヤ後はプログラミング

おばちゃんはつくづくプログラミングが出来ればなぁ。とSharpのキャッシャーを嘗め回しながら切望したのだよ。Sharpのキャッシャー内部のメモリには商品のPriceLookUpTableや税の設定、トランザクション・ジャーナルなどのデータが保存されている。

このSharp、腹が立つことに2種類のトランザクションのカウント・ナンバーが組み込まれて、例えて言うと性質は車のマイレージ・カウントと同じなんだ。つまり1つは製造後からの通しナンバーね。キャッシャーがチ~ンと鳴ると数字が一つ大きくなる。こいつは電池を抜いて、全部初期化をすると0になるがそれ以外変えられない。チ~ン で一つ。Shit。
もう一つのマイレージはその日のトータル。集計をして印刷をすればカウンターはゼロに戻る。

もし、トランザクションを同じマシンで打ち直せば?マイレージ1のカウンターがチーンと鳴った分だけ回る。昨日の終わりのナンバーと今日の初めのナンバーは続きでなければIRS(税務署)が気が付く。

IRSというのはポス(キャッシャー)の印刷レコードを信じていて信頼が厚い。書き直せないことになってるからさ。隣のパン屋のクリスもレジからは凧の足みたいなレシートがとぐろを巻いていて、ギフトショップのブランドンのとこも長いレシートのしっぽが出てる。

業務が終わった時にキャッシャーを集計モードにして「ENTER」をパンチすると、印刷レシートがシュルシュル出てきて、おばちゃんは疲れた手で紙を巻いて充実した一日の営業が終わるわけだ。

Sharpはシリアル接続でWindowsXPに繋がっている。付属ソフトをいじり倒すとデータのトランスファーができることが分かった。キャッシャーからコンピューターのSharpのディレクトリ¥DATAに内容がコピーされる。ほう?
マイレージカウンター1は手が出せない。どこに格納されているかもわからない。

おばちゃんは全く同じSharpのキャッシャーをもう一台買った。(なんでや?キャッシャー1が壊れたら業務ができへんやんけ?)ウチのリビングに転がっている自作コンピューターに接続し、1台目の”DATA”を2台目のSharp¥Dataに上書きするとあ~ら、不思議! キャッシャー2がキャッシャー1そっくりになった。

面白いね。あたしって天才!
もちろんこのキャッシャー2も書き換え不能のカウントナンバーがある。チ~ン!

仕事のSharp1をジェーン、予備Sharp2をマイケルとする。おばちゃんは、商品値段や新製品をしょっちゅう変えるので、LUテーブルも編集する必要があるのだ。ジェーンを変更したらマイケルも更新しておく。

なんでや? 仕事のジェーン1のケーブルをネズミがかじって使いものにならへん日があるかもしれんやろ!そしたらマイケルをすぐ差し替えられるやんけ!

お客というのは値段表に紙を貼って書き換えたり、修正液で塗り替えたりして値段を上げると、ムカッとする。値段を上げやがって!と。レシートも値段表もSleekで修正などと影もなくきれいなレシートだと値上げしても案外気が付かないもんだ。ここまでいいぃ?

おばちゃんは、同じ仕事をするのが嫌いなの。だから、昔っから字が下手なの。お習字が嫌いなの。わかりきっている作業を、なんで?何度も繰り返さないといけないのか?
そんなわけで、毎年2月になる前にジェーンを眺めながらう~ん、エディターが欲しいなぁと真剣に思う。

知り合いの台湾人のエミーさんがプログラマーで、聞いてみたことがある。

おば:ねぇ、エミーさんこのSharpをクラックしてエディターを作れない?
エミー:言語のソースはわかる?
おば:言語がわかんないとダメ?
エミー:ソースを見せてくれれば何とかなるけど、なければ私には無理。ウイルスソフトを作っているような人ならできるよ。
おば:そっか、残念。プログラミングを勉強していつか自分でエディターを作れるようになるかなぁ?

一日の業務が終わったらエディターを立ち上げてトランザクションを編集する、Refundや打ち直しの跡もない綺麗なトランザクションを印刷をする。美しい仕事よ!

人間のモチベーションとは意外なところから湧いて出るものだ。おばちゃんは割と根に持つタイプなので、商売をやめた今でもエディターの夢はあきらめていない。何年学校に行ったらいいの?

素人経営者の告白 ビジネスシュミレーター

21世紀が始まってすぐおじちゃんの会社が日本に撤収すると決まった。
おばちゃんは独立のためにビジネス・モデルを設計し始めた。何せおばちゃんは1つの店舗を経営したことは一度もないので。

ビジネスはロケーションそれは事実だが、いいロケーションは店舗もレントも目玉が飛び出る価格。おばちゃんたちには到底手が届かない。では、うちの資金で可能な手ごろな物件は一体どのへんなんだ?

エクセルをひっぱたきGoods of Sale 物品コスト、原価率、月のレント、人件費を変数にし予想セールの金額を変えて入力していく。逆にセールの額を一定にして、原価率、人件費を変えていく。客単価を5ドル刻みで変えて入力し、予想される一日の売り上げをシュミレートする。
税引き前利益NetIncomeがどれだけ残るか、損益分岐点Break Even Pointはどこか?

具体的な数字としておじちゃんの会社が仕入れていた当時のインボイスやバイト先のインボイスも経費の参考にした。テナントの広さによって冷房費Utilityはどのくらい変わるんだ?

今日はこのショッピングモールと決めて、空きテナントがあれば、モールの管理会社かリアルターに電話をして、レントとNNN(管理費トリプルネット)の数字を聞く。魅力のあるテナントは内検をさせてもらう。

内見したテナントもシュミレートしてみる。1年の間、ビジネス・モデルのシュミレーションを繰り返しおばちゃんはある方程式を発見してしまった。おったまげた。おばちゃんは日本の経営の本は一度も読んだことがないし、英語ならあるけど)

ビジネスのオーナーが損益分岐点について誰かが何かを言っていることも1度も聞いたことがなかった。が、おばちゃんが発見したのは月のレントと損益分岐点には明確な方程式が成り立つのだった。レント/月 × 7.5=売上額=損益分岐点

レントが相場より法外に高い/低い でない限り7.5倍が分岐点だった。
レントの7倍の売り上げでは経営はまず赤字になるのだった。

おばちゃんのビジネスは物品の小売りだから、おばちゃんが設計したシュミレーターは人件費が高いサービス業や、原価が高い小売には違う変数が必要だが、設定次第で別のビジネスにも応用が利くビジネス・シュミレーターなのだった。

おばちゃんはこの定理の発見をおじちゃんに勇んで話したのだが、はかばかしい反応がない。リアルターのタカコもそれで?って反応。ビジネスを始める前に、儲かるか赤字かわかるんだよ?すごいと思わない?
お前ら知的興奮って味わったことがないのか?こういう時、おばちゃんは深~い孤独を味わってしまう。

まあいいや、。とにかく原価が30%を超えたり、人件費が30%を超えたりすると、おばちゃんのビジネスでは趣味になってしまう。

おばちゃんたちに払えるレントもこれで分かった。客単価も目安がついた。日本人客のトラフィックが見込めるロケーションに物件捜索範囲を狭めてGoだ。

1年後、実際営業を始めてみると方程式は正しかった。仮定の客単価も売り上げもシュミレートに近かった。あたしって天才! おじちゃんからも褒めてもらったことがないので、おばちゃんは自分で褒めるしかない。

さらに、1枚目のシートにビジネスモデル、2枚目にはキャッシュフローをリンクさせる。
手持ちの資金(銀行預金)の数字を入力しておけば、月末の売り上げを入力すると、キャッシュフォローが表示され資金がどれだけ増えたか?あるいは赤字なら何か月後に資金が枯渇するか一目瞭然、カリフォルニアの陽の下に明らかになってしまうのであった。

静かな客

おばちゃんは小売業で、働いたことがなかったから、売り上げで出てくる数字がわかんなかった。開業前シュミレートした数字とだいたい額が同じなのだが、「意味」が分かんなかった。

どういうお客さんからこの数字は上がってきたのだろう?うちのお客さんはどういう人なのだろう?おばちゃんは分析することにした。

単純だけど原始的な方法で。お客さんを見る。
伝票にチェック項目を書く。人種、白人、アジア系、日本人、日系人、国際結婚かどうか支払い方法、現金かクレジットか伝票の売り上げ額、客の単価、客の利用頻度特に重要だったのは最後の2つだ。

あたりまえだけどお客に使用頻度は聞けない。おばちゃんがお客の顔を記憶して頻度を分別するのだ。週に1,10日に1,2週に1、3週に1,1月に1などと。

一日の伝票にチェック項目を書き込みスプレッドシートで分類集計していく。これを2か月続けた。そしてまた結果におったまげた。なんじゃぁこりゃ!

2か月の集計があらわしていたのは、週に1回買うお客さんが総売り上げの3分の1を占めていたのだ。へぇ~~?1番静かで文句を言わず、客単価は高くないけど毎日の売り上げを上げてくれるお客さん。
なるほど!Silent Majority

この分析のおかげで、おばちゃんは自分がどういう客層にどんなビジネスを展開すべきなのか、どの層のお客さんを大事にしなければいけないのか経営の方針が明確になった。

巷の話で聞く:テレビで紹介されたショップが大人気になって有頂天になり2か月後には閑古鳥が鳴くというパターン。
テレビにつられてきた客のリターン率は?元の客層は?
おばちゃんは確実に言えるが、年に一回来る客は、週一回の客より声がでかい。ホントに物理的に声が大きいのだ。比喩ではない。Silent Majorityは静かに来て静かに帰る。

もう一つ大きな発見は、クレジットカードの売り上げだ。クレジット・カードの売り上げは現金売上より必ず5%多い。現金を握って買う人は予算以上の商品は買わない。ところがクレジットカードの客は5%だけ気と予算が大きくなる。
ただし、C国人は別。
そして、単価が80ドルを超えるとほとんどクレジットカードになる。
ただし、C国人は別。

観光地の熱海でも現金取引のみという店舗があって、キャッシュを持たないおばちゃんはほんとに困ってしまった。手数料を取られるからいやだ?
手数料は一番高いAmexで3.5%だが、それでもクレジットにすれば売り上げが5%増えるので、引き算しても1.5%売り上げが増える。Amexみたいな傲慢な会社と付き合わなければ、普通2%-2.5%前後で済む。

ベテランの経営者は知識と経験で知っているのだろうが、経営素人のおばちゃんは自分で分析してこれらがやっとわかった。

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