日本人社会の狭さ

売り手のミカコとエージェントのタカコに買い手のおばちゃんで女ばっかり3人そろって売買のエスクローはそろそろクローズしようとしていた。

9月にタカコに呼び出されてファイナル・ドキュメントにサインする時になって、おばちゃんの姓名を改めて書面で読んでタカコが突然「xxxx姓」ってご主人はxxxにお勤めでした?と聞いた。

おばちゃんは、そうですが、言うと、タカコが、ウチの主人もxxxに勤めていましたと。
おば:えっ!? まさか。主人がよく話していた同僚のXXXさん?
タカコ:私の主人がXXXです。
なんと、まぁ。二人の旦那は半年前まで同僚だったと。
エスクローがクローズする今まで知らなかったと。これが外地の日本人社会の怖いとこである。

知り合った知人のルームメイトが、ウチで働いている子だったり。よく寄るお店の売り子が古い知り合いの娘さんだったり、。もぅ、どこが繋がっているのか怖ろしいのである。

従業員の面接をするときは、働いた会社を聞いて知り合いの名前を20人もあげてもらえば、どこらへんのつながりがあるか、わかってしまうのである。

外地だから同じ日本人同士助け合って、仲良く、、、いかない場合もある。会社の同僚なのに、嫌い合っているとか。パーティーでは参加者を聞き出して、あいつが来るなら絶対いかないとか、。

一番絶望的だったのは、Plaintif(訴人)とDefendant(原告)が同じ場所で訴人側の弁護士と一緒にバッティングしてしまったのである。裁判所でもないのに。

ちょっと違うケースだが、知人は夏休みに家族でニューヨークに遊びに行き、エンパイアステートビルの一階で肩をたたかれ、振り向いたらお家の隣の家族に会ったという。

私がもう一人の親友アイ子ちゃんと知り合ったのは、オンラインの掲示板。
その時彼女はウエストバージニアから書き込みをしていた。彼女の夫が学校を卒業してカリフォルニアに帰ると言うので、カリフォルニアのどの辺と聞いたところウチから車で5分だった。

ローカル・フリーペーパーの笑い話の投稿に、掲示板で知り合った人とOffで会いましょうと待ち合わせをして顔を合わせたら、いつも行く寿司屋の板前さんだったという笑えない笑い話があった。

売り手のタカコはどうなったかと言うと、サンディエゴからさらに別の州に引っ越した。後々おばちゃんが日本帰国を報告すると、なんと伊豆に家を買っていた。
それも、おばちゃんが今いる山を一つ越したところで車でわずか30分だ。お互い伊豆には地縁も他縁も何もない。

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