渡米した年代によって米国に住む日本人の外来語の日本語解像度が違う。
どういうことかというと、米国に住む日本人たちもと日本人たちは、故郷を離れた後に誕生した日本語あるいは翻訳語はもう分からない。戦後渡米したおばあちゃん世代になると、「掃除機」という日本語は覚えきれない。Vacuum Cleanerである。
70年代前半から80年以前の世代はMicrowaveであって「電子レンジ」は何回聞いても忘れてしまう。そもそも掃除機とか電子レンジとか日常生活で日本語で発音する必要がないし。
90年代はコンピューターかな。「パソコン」と発音する在米日本人はいなかった。コンピューターはコンピューターでWindowsかMacかまれにPublicかPersonalの違いを言う時はあるが。
2000年代、
チョコレートのGodivaが日本に紹介されてゴディバとして覚えた日本人世代。渡米してゴダイバと発音されいて驚く。
日本にIkeaオープンしたのは2006年らしい。
IkeaUSAは1985年開業なのでIkeaはアイケアだった。日本に帰国したら、イケアと呼ばれていて「池谷」に聞こえてなんだか変だ。原語には近いのかも。
ごめんなさい。DeNAはディーナとしか読めない。
おばちゃんがOCで日系組織の会報に携わっていたころ。外地に住む日本人コミュニティとして業界別とか出身地別とかさまざまな形の日系組織があり、奨学金をだしたりイベントを組織したり会報を発行していた。
その会報の編集を手伝ったのだが、ドラフトが出来上がるとそれを幹事さんに見せる。幹事さんは日本人以外に2世もいた。
OCの時事記事なので当然地名・固有名詞は英語なのだが、紙面上アルファベットの縦書きでいくか、カタカナで書くか物凄く悩んだ。
アルファベットの縦書きはスペースも取って、すごく読みにくい。もし、名詞が日本語化しているものだったら日本語で書いた。
その時に困るのがL とR、 BとVの書き分け。BとVはカタカナでも書き分けられてもLとRの区別は日本語に存在しないので、目をつぶる。
そうだ、時はちょうどハロウィーンで行事の記事だった。Jack O Lantern ジャック・オ・ランターンとGarage Sale ガレージ・セール2世幹事さんがこの2つのカタカナに引っ掛かった。
2世のテリーさんは日本語も読めるし、しゃべれるのだがカタカナの日本語表記ルールについては詳しくない。そんなものあるとも思っていない。英語の発音を正確に日本語にすべしと思っている。
テリーさんはジャック・オ・ランターン?ジャッコ・ランターンだろう!
ガレージ・セール?だから日本人はダメなんだ。
グラージ・セールと書きなさい。
いつまでたっても英語がうまくならないんだ!
Yes,テリーさん、とおばちゃんはカタカナを直した。なるべく英語の発音に近いカタカナをはめて
様々な英語のなまり
ジョイスに鍛えられたから、おばちゃんは中国訛りの英語の聞き取りには強い。Rの発音がきついメキシコ訛りは聞き取りが難しかった。
Number1をナンベルワンと言われて、Rがル・ラになっちゃうとお手上げ。スペイン語をしゃべるおじちゃんに代わってもらうしかない。
2000年過ぎるとカスタマーサービスにインド系が嫌っというほど増えて、聞き取りに苦労するようになった。
インド系は業務の知識もちゃんとあり、話し方も丁寧だったがやはりRの発音がきついので聞き取りに努力が要った。
ギブアップして、別の人に代わってくれと言ったこともあった。高級エステでもないのに「Madam」と呼びかけられたのは丁寧だっていうのはわかるが、何を言ってるかわからなければしょうがないじゃないか。
ベトナム語に「Z」の音がないとか、ジョイスは「ピッツア」の「っあ」の発音ができないみたいで、いつも「ぴっつうあ」
と意識して発音していた。パキスタン人に言わせると彼の母国語には母音子音が大体そろっているので、
ほかの言語を取得する時に苦労する音が無いのだという。そう言われればイラン人の英語の発音もそれほど聞き取りに苦労はなかったわ。
CNNのスポーツ担当のイギリス女性の英語はひっくり返った。あの人はCNNのジョークなのだろうか?
何をしゃべっているのかさっぱり分からない。フエンとかファンとか、コクニー?
NetFlixでノルウェー製作の「RAGNOROK」を英語の吹き替えで見ると面白い。吹き替えの人も英語のうまいヘタがあって、主人公のお母ちゃんの英語は極端にノルウエー。北欧系の重ったさがあって、どういうわけか
語尾が上がってしまう。
日本の方言でも肯定なのに語尾が上がる地方があって、県民ショウを見た!あれをもっとすごくした感じ。
RAGNOROKのお母ちゃんが何をしゃべっても語尾がたたみこむように常に尻上がりになる。
おばちゃんの頭の中では彼女の英語が東北弁で翻訳される。
腹がたった英語のスピーチがあって、それは何を隠そう帰国してから聞いたToeicテスト用のスピーチだった。イギリス訛りが強すぎませんか?
おばちゃんが聞いたテストのスピーチはどっか文房具会社?の頭の悪そうな営業マンがこんなことを言う:
ねえ、XXの会社の仕入れ担当って誰だっけ?
スジ―?マギー?それとも誰だっけ知ってる?
XX会社の電話番号はどこ。あ~、もしもしXX会社のXXですが、
文房具の仕入れはXXXさんが担当ですか、
私は今回担当で、、、
おばちゃんは聞いてかっと頭に血が上ったね。ちょっと待て!、お前は担当の名前も忘れたのか、
会社の電話番号も分かっていないのか。それで電話をかけてホントに仕事ができるのか?
待てと言ったら待て!
一区切りの会話で人が聞いて覚えられる新規の固有名詞は3つまで。お前は固有名詞をボロボロName Dropしている。
相手に理解してもらおうと思うなら、こんなしゃべり方は最低だ。これは英語のスピーチというより、もっと大事なものを忘れている。
この兄ちゃんはぺらぺらとメリハリもなくどうでもいいことを垂れ流している。
新規固有名詞が沢山あって、短期記憶(短気記憶)が悪くなったおばちゃんは、ついて行けなくて怒ったのであった。
こんな奴はセールスとして失格である。おばちゃんは雇わない。