テン・ジュニア FIP闘病記4 そっちか!

治療薬の投薬は8週目に入った。
熱は39度を割り、ついに平熱レンジに下がった。
体重は2900gを超え回復期に加え成長期にあたったようで毎日のように増加しつつある。来週はまた薬の増量があるかもしれない。

体調は好調。
テンは生後2か月半の真菌付きでうちに来た。真菌は人畜感染の危険があるから一月ほど隔離生活だった。病気が治って紫音と遊べるようになったのに5月の初めくらいから昼寝が多くなっていた気がする。生まれついての発育不良でドクターから育つかどうかは半々といわれたテン。FIPもしょっていることが分かったのが5月の末。

投薬を開始してから8週目だがモルヌデラビルのおかげで回復してきたテンは子猫時代をもう一度楽しんでいる。熱もなく気分も悪くなくて歩き回るテンは幸せそうだ。

詩音とじゃれあいピンポン玉を追っかける。
一番好きなのは夜歩き。
みんなが寝静まったあとにリビングをひそひそ歩く。おばちゃんがトイレに起きるとリビングのキャットタワーの根元に小さな影があり、するすると猫トイレの影に隠れごみ箱に回り込んでこちらをうかがっている。楽しくてたまらないのだろう。

おじちゃんとおばちゃんは頻繁に猫たちのごはんを買いに行くのだが、ついつい生体ペットコーナーを覗いてしまう。テンと比べるためだ。
ケージの中にいるのはほとんど3か月前後の子猫たちだが、子猫の誕生日とか大きさとか運動能力とかをチェックしてしまう。ほとんどの子猫はテンよりエネルギッシュで活動的だ。悔しい。

それでもテンは体調がよくなって尻尾をまっすぐ上げ、ぴんぴん揺らして上機嫌でリビングを歩く。肛門とタマタマが丸見え。5月のころにタマタマが目立つようになってドクターに近頃発達してきましたが、、と言うと。

ドクターが、いやいや、テンちゃんは今年いっぱいは去勢手術の心配はないですよ~、ひょっとしたら一生。との診断だったのだが。

腰から後ろ足にかけては肉がついておらず華奢なんだが、リビングを歩く後ろ姿でタマだけは存在感がある。

生育不良の猫でもFIPでも、生物として子孫を残そうという本能はあるわけで、なまじ病弱だから、生命力を全力で生殖能力に振り向けたのかもしれない。8か月だし。

健康な猫なら8か月で去勢手術は遅くないからなぁ。
おばちゃんは嫌な予感がする。

投薬は12週間目が節目でそれは8月の終わりになる。
投薬が終わったイコール寛解というわけではない。
FIPの抗体値が正常値に下がってタンパク分布や血液検査の分析が正常値になるなら、一応寛解と見ていいかもしれない。


ただ、FIPの抗体値は一生下がらないらしい。
つまり一度発症してしまうと感染したという抗体値が常に検査値に出てしまう。FIPの数値は寛解の目安にならんのだ。おばちゃんのガンと一緒で経過観察で見ていくしかないのだろう。

猫のコロナウイルスがどんなタイプのウイルスなのかそれも心配。
水ぼうそうは発症して治ったとしてもウイルスが人体のどこかに潜み、免疫が衰えた数十年後の老年に帯状疱疹として再発したりする。今は、帯状疱疹ならワクチンを接種すれば発症がおさえられるのだが、猫のFIPは治療薬でさえ認可されてないから。

困ったなぁ。
8月過ぎでもテンの体にメスの侵襲はちょっと恐ろしい。どんなリアクションがあるか、。
今は困る。

しかしながらオス猫の去勢は非常に重要なのだよ。
オス猫を飼ったことがある人ならわかると思うが、タマタマが発達してくるとオスの縄張り意識としてスプレー行動が起きてくる。オス猫のオシッコで家一軒ダメになることもある。メスと一緒なら求愛行動もある。詩音は去勢してしまったので、求愛行動は迷惑でしかない。うまくいっている二匹の関係がおかしくなるリスクもある。ああ、困った。

ドクターは1週間ごとに好転してきたテンの症状に感激している。ドクターが手掛けた最初のFIP治療の猫でもあるし、順調によくなってきて嬉しいのだ。

先日の診察で、何か質問とか気が付いたことはありますかと聞かれ、
実は、、と切り出すと
えぇ~っ、そっちかぁ?!

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テンJR.がFIP

ジュニアFIP モルヌピラビル 5週目

ジュニアFIP闘病記3

夢の要塞?ー引退後の別荘地暮らし

おばちゃんはシニアの動画などをちょくちょく見るようになった。
日本の税制と年金制度を調査していた時に同じような年齢の同世代がどのように生きているのか興味がでてYoutubeで見てみたから。

40年務めた会社を60歳すぎに定年退職し再雇用で数年働き、年金生活に突入した同世代の人たち。夢見ていたキャンピングカーを買い旅に出る方。
あるいは生活をサイズダウンしてつつましく夫婦で生きる方。ペットと一緒にささやかな楽しみをみつけ穏やかに生きる方。リタイア後の生活に失敗しないための注意と計画もリストされてる。

中でもほんわかした人柄の動画をみつけ、毎回拝見していたのだが引退生活の注意6か条だか8か条だかを挙げられていた。しかしおばちゃんとおじちゃんの生活にはそれらがことごとく当てはまらなかったので自分で笑ってしまった。とことん道を外れて生きてきたのだと思った。

よくあるらしいのは退職した夫が四六時中家にいて妻のストレスがマックスになることらしい。おばちゃんたちは17~18年ほとんど夫婦別室で息をしたことがない。自営業のときは本当にトイレだけが別だった。リタイアしようがしまいが夫婦一緒に息してテレビはついているが、おじちゃんは自分のタブレットを見ながら私はthinkpadで好きにしながらお互いを空気のように生きている。

また引退後は孤独感を感じることがストレスになるらしい。
会社と会社の同僚らと切り離されて孤独・喪失感を感じるらしい。そんな時は、ボランティア活動をしてみるのも手。だそうだ。
おじちゃんとおばちゃんはそもそもそんな孤独を感じないので困ったわ。

親も兄弟も手がとどかないアメリカ大陸で、会社から首を切られればそれでおしまい。アメリカだろうが日本だろうが「国」なんかそもそもあてにしてはいけない。
周りは全部人種言語さえ違う他人。金は自分で稼いで家を買い担保を作るしかない。後ろ盾は何もなく三方は崖っぷち。自分とおじちゃんだけが頼り。
自営業時代にどちらも病気にならず、それだけは本当にラッキーだった。

“引退した後に孤独を感じた時、誰も知らないところへ飛び込むのは勇気がいりますが興味のあるサークルやボランティアをのぞいてみてはどうだろう?”
孤独?勇気?何の話だろう?
ここは縁も地縁もない別荘地。日本で買った携帯の住所録はほとんど真っ白。
それでも行きかう人は日本人で日本語を話しているではないか。すごいと思う。み~んな日本人なんだぜ。やりたいことがあれば説明会や申し込みに行ってみる。コンビニで買い物と変わらない。

ところで、この前、お向かいのおばちゃんとお茶をしていて、コロナも終わったし旅行に行くならカッパドキアに行きたいといった。カッパドキアの乾いた草原にある岩の家はおばちゃんの魂の要塞だ。
帰国前に家を探すときに偶然開いてしまった旅行ページにはカッパドキアの岩の遺跡が映っていた。
草原に散在する巨石遺跡のような白っぽい岩。岩は人の手によってくりぬかれて中世人の住居だった。その家を見た瞬間、おばちゃんは「住みたい!」と思った。

頑丈な岩盤に“建つ?”不況不屈の家
火にも雨にも地震にもびくともせずドアを閉めれば外界を遮断できる要塞。子供のころからこんな要塞が欲しかった。

中東での駐在時代もあったお向かいのおばちゃんは、あなた変わったところに行きたいのねぇ?私は行ったことがあるけれど、とても興味深いところだったわ。

遺跡の案内人の言うには、他の部族の襲撃を想定して石の家にはあちこちに抜け穴があり、こちらの方面から襲われたときは、こんな落とし穴、こちらの方面なら通路に岩を落とすというような仕掛けが施されていたの。岩の家は常にだれかの襲撃に備えてできた家なのよ?

あは!
まさにそれがおばちゃんの夢見ていた理想の家。
外敵を打ち防ぐ仕掛けを付けた魂が安らげる要塞。住んでみたい。カッパドキアの岩の家のドアをくぐって、おばちゃんは一体何を感じるだろう? 昔の住人の憂いかそれとも安らぎか。

おばちゃんのこれまでの人生のポリシーは
生き残ること
家族が幸せに生きられるために戦うことーーだった。

伊豆の山に買ってしまった家は藁の家だった!笑
巨大地震が来たら一発さよなら。ただ、昔からおじちゃんの夢だった“自然に囲まれて自分で育てた野菜で料理を作って食べる“が実現できて幸せ。
日本では自然災害の他に襲ってくる敵は税金の徴収くらいだから、藁の家を石の要塞に作り替える必要はないかもしれない。

老後というのは自分の人生の集大成だわ。
意思を持ち始めてから自分が決断してきた何億回もの決断の集積が今の老後なのだろうと思う。夢を実現したければ夢のために戦うしかない。

おばちゃんには「うらやましい」という感情があまりないらしい。
ひと様の動画をみて人様の人生がうらやましいとか、人に憧れるという感情がわかない。どこかですり減ってしまったのか捨ててしまったのかわからないが。

動画のコメント欄に「あなたがうらやましい」などと書いてあると正直わからん!と思う。

テン・ジュニア FIP闘病記3

5月の末にモルヌビラデルの投薬を開始してから7週間。

現在の症状は、しつこい熱が下がった。
39度後半から40度を超えていた熱が39度1分。猫の平熱は38度ほどというから正常に近づきつつある。

腰のへたりを起こしていた神経症状はほとんど見られない。しかし高いジャンプは踏切りで躊躇するみたいだ。テンは生後8か月になろうとしているが正常なアメショーより後ろ足と腰はかなり華奢で細い。頭はでかいが、下半身が華奢なアメショーに育だちそうだ。

トイレの砂はオカラの砂に変えてしまったのでかじることはなくなった。
砂を食べることはなくなったが、時たま無機質の金属などを一心不乱に舐めていることがある。
ファンストーブの表面とか、キッチンのコンセントとかフローリングの床だとか。家のふき掃除はアルカリ水を使い最後は水で拭いてからから拭きをするようにしている。

前週の血液検査の結果を受け取ったのだが、蛋白分布はかなり正常に近づいていた。5月初めの検査に見られたFIP特有のM字グラフはなだらかな波のように見える。

熱が下がったのでテンは8か月の子猫に戻った。
紫音と追っかけっこをしソファーに飛び上がり猫じゃらしで遊ぶ。おじちゃんがキッチンにいるときに椅子からおじちゃんの背中に飛び乗り、それからキッチンのカウンターに飛び降りた。

3か月ぶりだった。
キッチンカウンターは子猫のテンにはジャンプが届かず、ず~と紫音だけの天下だった。唯一カウンターに飛び乗れるチャンスはキッチンでおじちゃんがかがんでいる時を狙うしかなかった。じつに3か月ぶりにテンはキッチンカウンターに飛び乗った。明け方の運動会も再開した。

夜半に起きると、テンはおじちゃんのベッドにいない。
トイレに向かうとリビングの足元で黒い影がするすると走る。キャットタワーを降りて猫タンスに向かい猫トイレの陰に身を沈めておばちゃんの動向をうかがう。楽しそうだ。
体重は2700gで停滞しているのだがこの夜遊びの運動量が多いのかもしれない。

モルヌビラデルは無味無臭(ドクターが言った)で何かに混ぜて飲ませて大丈夫ということだったので、皿にチュール小さじほど絞って薬を混ぜた。テンは朝晩今生の幸せ!と喜んでなめていたのだが、3,4日前から薬の粒が多そうな皿の中心に来ると、なめるのを止めてしまうようになった。チュールを皿に追加してもチュールだけ舐めるので、おじちゃんにテンを抱いてもらい皿に残った薬+チュールを指でこそげてテンの口を開け強制摂取になった。

薬が苦い?のかまずいのか気が付いてしまったのか?
子ネコ用チキンチュールなのだが、フレーバーを変えてみた。総合栄養チキンというのがあったがこのチュール自体が嫌いみたいで、皿によりつくこともしなかったから、またおじちゃんに抱きかかえられて強制摂取になった。

大人用マグロもあまり食いつきがよくない。大人用チキンだとチュールを追加しながらごまかしてなめさせることができた。チュールでごまかせなくなったらどうするか、まだあと5週間もあるのだ。ヤマザキのチーズ蒸しパンを買ってきた。

菓子パンやスポンンジの柔らかい生地で粉薬をまとめて丸にする。それを抱きかかえてもらった猫の口にポイして素早く注射器の水を飲ませる。猫の食道はデリケートなので飲み込みやすいように水分を補給してやるのだ。紫音に虫下しを飲ませるときに使った手だが、モルヌデラビルは何せ1mgいくら?という高い高い薬だから、取りこぼしなく飲んでもらわないと困る。いや足らなければFIPが治らない。

一服分の薬包に入った粉薬は、ワックスでコーティングされた薬包の四隅にまんべんなくへばりついているので、中指で薬包をピンとはじき、袋のボトムに粉を落としてから天辺をハサミで切る。慎重に皿にあけるのだが、薬包の内側には落ちなかったナノミリグラムの薬が落ち切らずに残っているのではないか?毎度気が気ではない。

テンの体重1gにつき15㎎なのだから1㎎でも減らしたらテンの命は終わるかもしれない。
くっそ~、丸薬ならよかったのに。毎回、数ナノミリgを袋に残している気がして精神状態がよくない。
あと5週間。

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テンJr.がFIP

ジュニアFIP モルヌピラビル 5週目

夫婦別申告すると国保税はどうなる

おばちゃんのマイクロ法人計画は進んでいない。

なんでかって言うと、マイクロ法人を設立して国民健康保険料は確かに減るが、その分税理士料金が増えてトントンになりそうだから。

法人の申告は面倒くさいとどのページでも書かれている。
そこをわけのわからん日本語を解読しながらおばちゃんが自分でやろうというだけの気力がわいてこない。

テン・ジュニアはFiPで闘病中だし、紫音は頻繁におなかを壊し検便をしても寄生虫は発見されない。寄生虫のせいでないなら詩音はなぜ頻繁に下痢をするのか。払っても払っても払っても、嫌な予感がわいてくる。怖すぎて鬱々としている。

どうだかなぁ。マイクロ法人なぁ。
マイクロ法人で節約できるのは国民健康保険税だけだ
そもそも雑収入の年金はその他の収支と損益通算できない。つまりどんな事業をしても赤字にしても年金収入は雑収入として申告せねばならない。節税するなら、住民税と国民保険税と介護保険税を個別に攻略する必要がある。

住民税はふるさと納税を使う。ちびっとだがふるさと納税のお礼を生活に充填する。本来の生活費が若干減る。つまり節税。

国保―これをマイクロ法人にするなら社会保険に強制加入だから料金が下がる。会社負担分があるが、。

介護保険―これはどうやってもどうにもならない。所得を減らさない限りいかなる節税技も無理。
ただし、介護保険は不思議なことに所帯収入から算出されるのではなく個人収入から算出される。なんでや?

そこでおばちゃんは、去年税務署と話した会話がピコんと蘇った。
おばちゃんたちの年金はおもに海外年金である。
米国年金は源泉徴収がされていないので確定申告をする必要があるのだ。そのとき、税務署は夫婦別に申告してもらいますと言った。
おばちゃんは聞き流した。

なんでかというと、年金は今年2月からの支給で実は支給が1か月分抜けている。バイトは55万まで控除だから夫婦合算で申告してもおばちゃんはぎり非課税か少しでるかという金額であったから、個別で申告しようが夫婦合算で申告しよう所得税の納税額はたいして変わらぬと思われたから。

その時の会話を思い出して、、神が降り立った!
所得税は確かに変わらんが、夫婦別申告なら国民健康保険税は変わるのではないか?
おばちゃんが非課税なら、国保料も最低のはず。国保料の軽減も使えるはず。

さらに、、、素晴らしい!!のは高額医療限度額の限度額が世帯ではなく個人に応用されるならおばちゃんの窓口支払いは1割、限度額これまたひと月3万9千円の最低ランクになるはず!
私って天才!

さっそく夫婦別に税のシュミレーションをしてみると、国保は世帯割が増えて4万ほど増額になるが、所得割が下がる。究極の狙いは高額医療限度額制度。おばちゃんのガンが再発したら窓口1割、限度額も最低でないと。
ちょうど市役所に行く用事があったので、おばちゃんはわくわくしながら国保課に向かった。

おばちゃんは何せ背が高くて態度がでかくて田舎では目立ちやすいので、近頃はなるべく気配を消す訓練をしている。
目立ちたくないときは、猫背になり肩をすぼめて視線を落としぼそぼそしゃべるように努力している。

コロナの初期に国はコロナで収入が減った世帯のための住民税・国保・介護保険など減免の救済制度を打ち出した。おばちゃんはさっそく申請書をダウンロードして記入し役場に持参して手続きを要求したのだが、この田舎の役所で第一号だったみたい。

国が打ち出した救済制度というのに、しかも地方の窓口にもパンフレットがちゃ~んと置いてあるというのに、実際のケース処理が初めてらしく、どうやっていいかわからんと言うのだ。申請書さえ受け取らないというので、窓口カウンターでやりあったから人口の少ないこの町でこれ以上目立ちたくない。

それで今回は用心して目立たぬように国保の相談窓口に座った。
国保税の個別算出について窓口の平職員ではわからないので、納税課の課長を引っ張り出すことになった。課長が言うには、夫婦別の確定申告なら夫婦別の収入について確かに国保税の算出を行う、と。
やった!

おば:で、高額医療限度額も個別なんでしょう?
課長は記憶を確かめるように
課長:ええっと、たしか限度額は所帯収入で同じになると思います。
おば:はぁ?介護保険でも夫婦別々に収入に基づいて計算するんですよね?
課長:そうです。
おば:それで介護保険にも限度額制度があって、夫婦別ですよね?
課長:同世帯の課税者がいれば調整されます。
おば:で、国保の場合も別々に算出するんだから別々の限度額なんですよね?
課長:世帯に収入が多い人がいるとそちらに引っ張られます。
    ご主人の収入が高ければ、あなたの限度額はご主人に合わせて上がります。
おば:はぁ?(なんでや!)ぐぬぬ。
課長:そういう制度なんです。

ふん、2枚舌が
所得税は別々に取ったろ。国保は別々にしたら税収減るから世帯基準でとったろってか。

一緒に聞いていたおじちゃんは、ぼそっと、
だから、国は取れるところから取るんだよ。どうせ払うものだからしょうがないだろう。

そうか、じゃあ来年の税はおじちゃんの積み立て口座から現金をおろして、一括支払うことにするか、。一般徴収だからすべての税納付書が役所から届くのだ。
それは困る。

マイクロ法人作ったろ。
でもなぁ、税理士に料金を払うと結局同じだし、ただ、医療費の窓口料金と限度額は社会保険のほうが安くなるなぁ。
でも法人申告の税理・日本語がかけわからんしなぁ。

そのうち国はマイクロ法人の資格として最低売り上げを導入しそうな気もする。去年サラリーマンの副業で最低300万売り上げを導入して損益通算をつぶしたし。
国民の懐を狙ってくる国ってつくづく情けなくないか?

まあ、私が死んだらおじちゃんは国保料が安くなるからその時はマイクロ法人の必要もないし、
ああ、めんどくせぇなぁ

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ジュニアFIP 闘病記 5週目

ひと月ぶり記事の更新です。

テン・ジュニアがFIPと診断され治療を開始してから5週間。
7か月の成長期なので、病気でも体重は徐々に増え2600gから2700gを超えた。体長は紫音と同じくらいになりつつある。

朝晩に投薬をし体重を計る。
動物用の体温計は先端がフレキシブルで曲がるのだが、嫌がるテンが暴れて肛門が切れてしまうことがあったので手のひらで頭の熱さを測る。
いつもじんわりと熱い。


1週間に一回の診察では体温が39.5分を切ったことがない。腰が砕けるという神経系の症状はウイルス治療薬(モルヌピラビル)3週間ほどでほとんど見られなくなったのだが、熱は下がらない。

涼しい朝型と夜は若干活発で、日中は寝ていることが多い。
食欲はあるのが幸い。先日は3回目の血液検査でたんぱく質の分布カーブは好転していた。ドクターの7週間の治療というのは、“最短ならと“いう意味で、完治を目指すにはやはり12週の投薬は必須だという。
まだ、やっと3分の1.

同じFIPの治療をした猫友に聞けば、彼女の猫はFIP中期で診断がついてから治療を開始したので、Mutian(中国製の特効薬)での投薬は4か月どころか半年以上続きCTスキャンは10日ごとにやったという。

余談:
FIP治療中のCTスキャンは本当に10日ごとに必要なのかと考えてしまう。彼女の猫はドライタイプのFIP中期で腎臓の腫れがあったが、10日でCTスキャンの所見はそれほど変わるとは思えないのだが、。

治療薬

さて、治療薬は猫の体重1gにつき計算されるので、症状が回復に向かい体重が増えてきた後半には、1回の服薬量も増え、一錠8000円、朝晩2錠で16,000円。10日分の治療薬が16万。
だったという。そのほかの診察料・検査代で軽く外車一台分かかったと泣いていた。

テンが服用しているのは国産のモルヌピラビル剤。これは中国製のムティアン(Mutian)の薬代の約半額。成猫のアメリカン・ショートヘアは4キロから5キロなので、テンの治療最終段階には、一錠4000円くらいになるのだろう。
おじちゃんと私はバイトのシフトを増やし治療代の足しにしてる。

発育不良で真菌がついていたテンはおばちゃんたちが引き取らなかったら、たぶんブリーダーで真菌症のために死んでいたと思う。チューブ入りの塗り薬を塗るだけで、薬はなめちゃうんですよね~といい、真菌治療薬も飲ませていなかった。体力があれば生き残るだろうと思っていたのではないか。獣医の診察を受けていたようにも思えなかったし。

そのブリーダーは知り合いから飼いきれなくなったFIPのシャムを引き取って看取りをしたと言っていたから、無論テンがブリーダーのもとでFIPを発症しても治療はしてもらえず看取ってもらうだけだったろう。

おじちゃんとおばちゃんは、テンに向かって言う。
発育不良でも高かったお前を引き取って、真菌症のケアをして治療費を払い、FIPの薬代のためにあんまり入れたくもないシフトを全部入れて稼いでいるのだから、頑張って元気になれ。元気になって心配しているお姉ちゃんの紫音と遊べるようになれ。

おじちゃんがいない時、おばちゃんはこっそりテンに言う。
もしもおばちゃんがいなくなったら、おじちゃんと紫音をかまってやれるのはお前だから。紫音は一人でいられないさみしがり屋のシャムだから猫兄弟がいるんだよ。おじちゃんは2匹の猫を面倒を見なければいけないなら気がまぎれるだろう。元気になれ。

おばちゃんは老眼でかすむ目で、高っかい粉薬を1ナノグラムでもこぼすまいと慎重にチュールの上に振りまいてテンがすべてなめきるように見守っている。
あと7週間。

余談:
FIPの診断がつく前に、テンは異食をするようになった。
壁やフローリングをぺろぺろ舐める。それはいいが、トイレの砂を食べる。

止めても止めても食べる。科学的に固まる砂であるから健康にいいはずがない。ドクターに相談したのだが、原因はたぶん口が気持ち悪いのではないか、ということだった。
FIPは消化器系にも炎症があるので気分の悪さを別の味で紛らわせたかったのかもしれない。ゼオライト系の砂は病気のテンには食べさせたくないので、紙でできたトイレ砂に変えることにした。

ところが、紙砂でも齧る。
再度相談すると、ドクターの猫はオカラからできた砂を使っているという。少し値段が高いがテンの健康のためオカラ砂にしてみた。さらに口の気持ち悪さを軽減するために猫草をトイレの前に置いてみた。
テンは猫草をちょいとなめそれからトイレに行くようになってオカラ砂は今のところ齧ってない。

胆嚢ガン ステージ2 術後1年2か月

昨日は血液検査とCTスキャンの検査日だった。胆嚢ガン拡大手術後1年と2か月になる。
おじちゃんには家で病気のテンを見ていてほしいと言ったのだが、おじちゃんは返事をせず一緒に病院に来た。

血液検査は40人待ちで、CTスキャンは予約時間を1時間オーバーしても呼び出しはなかった。一番長いのが主治医の診察までの待ち時間。血液検査の結果が出てさらにCTの解像を終えてから患者が呼び出されるのだ。おじちゃんが、ここんとこ俺たちはず~と病院で待ってるな。2週間のあいだ動物病院でも待って人間の病院でも待って。

経過観察の3か月ごとに、おばちゃんの近未来計画はリセットされる。
1か月か2か月先の近々未来はおおむね計画立案が可能。3か月目の血液検査でどうひっくり返るかわからない。

4種類のガン・マーカーは陰性だった。
CT画像でも肝臓やリンパの異常は見られなかった。

おばちゃんは主治医にこの病院で遺伝子パネル検査を受けられないか聞いた。切除した胆嚢ガン組織を持っているのはこの病院だけだし、公立だからパネル検査可能の病院かもしれない。

あれ~、うちの病院できたっけか?
タヌキ主治医は驚いた。


遺伝子パネル検査をやってくれという患者は私が初めてなのか?これは驚き。地域では肝胆膵の専門なんだが?

静岡県の人口は357万人 日本の人口1億2450万人 比率では0.286
胆道ガンの患者総数は発症22,159 (死亡17,773 実に8割が死ぬ)人口10万人当たりの罹患率は17.6人とする
すると静岡県の胆道ガン患者は628人となる。
さらに静岡市と浜松で県人口の4割を占める。これは東部の病院には来ない。

するとあとは大体半分の患者300人で、近くに有名ながんセンターがあるからそちらに6割流れるとすると、かかりつけのこの病院には年間180人くらい?

手術できない患者は腫瘍内科に回るから、実質 肝胆膵外科に回ってくる胆道ガン患者は100人くらいでここは専門が3人いるから、タヌキ主治医が診るのは年間12人から20人くらいか?
それでも遺伝子パネル検査を要求する患者が一人もいなかったのか?ネットの時代なのに?

遺伝子パネル検査をやれば胆嚢ガンの遺伝子異常の有無がわかる。
去年認可になった胆嚢ガン分子標的治療薬はFGFR融合遺伝子に変異がある患者に治療が見込めるという。ただこの遺伝子変異の可能性は胆道ガン患者の13~17%くらいらしい。遺伝子変異がある患者に対して分子標的治療薬が効くのだ。

分子標的薬が使えるかどうか知りたいというより、おばちゃんの狙いは好奇心と費用である。今年から来年4月まではおばちゃんの国民健康保険料と高額医療限度額は制度上の最低額である。遺伝子パネル検査が保険適応になった以上、次の定期検査の9月にパネル検査をすれば月の費用はすべて3万9千円ほどで済んでしまう。安い!

おばちゃんはどうしてこう言う風に頭が回ってしまうのだろうか?
再発した場合、医者は立場上抗がん剤を進めるだろう。おじちゃんはきっと縋り付くだろう。おじちゃんのために効きもしない抗がん剤を次々3種類試すのは御免である。

去年認可された分子標的治療薬の話も出るかもしれない。しかし分子標的治療薬は遺伝子変異があると効く。その遺伝子変異があるかどうかは遺伝子パネル検査で判明する。だから検査だけを安い時にやっておけば効率がいい。効きもしない選択肢を最初からつぶしておく狙いもある。

もう一つは好奇心。
おばちゃんは両親と姉妹の6人家族だった。
父と母と長女は胆石を手術した。家族6人のうち胆石にかからなかったのは(もしかしてかかっているかもしれないが、聞かされていない)次女と3女だけ。6人のうち4人が胆石持ちというのは遺伝子的に興味深くないか?

もし遺伝子変異があったとして、再発したときには分子標的薬だけの費用ですむ。確か加入している医療保険には先進治療の治療費カバーがあった気がするなぁ?また、給付金でプラスになるかもしれない。

テンJr.がFIP

テンが3週間前に膀胱炎を発症して、それは抗生物質と消炎剤で収まったのだが、私はどうしても疑問をぬぐい切れなかった。この子はどこかおかしい。何かが内臓に隠れているような気がする。
子猫ってこんなに動かないものだったろうか?
おじちゃんは、ちゃんとご飯は食べるよ。夜中に起きてカリカリを食べていたよ。というのだが。

紫音が午後四時にうるさく鳴いて遊べという。
キッチンカウンターに登って暴れまわる。テンと遊びなさい。テンは寝ていた。子猫にしては寝すぎではないか?土曜日の4時だった。胸騒ぎがするがこの時間に病院に連れて行っても予約がいっぱいだろう。

日曜日の朝、テンに呼び掛けても反応がなかった。
頭をもたげることもしんどそうだ。痩せて発育不良の体は冷たくて頭だけ熱い気がする。おじちゃんを呼んで体温を計ったら39度を超えていた。

もともと体力がある子ではないので、このままにしていたらきっと持たないだろう。病院の診察時間前で電話も保留だったが、連れて行ってドアが開いていたので診察をお願いした。血液検査をお願いします。二日なにもしなかったらこの子は死にますから。

血液検査の結果は数日かかるので、応急手当として抗生剤と消炎剤と点滴を入れた。
帰宅して午後にはテンは走り出してソファーに飛び乗った?!なんと!

おかしい。抗生物質だけの場合はこんなに回復が著しくはない。消炎剤を入れたときに劇的回復を見せるのだ。ただ、腰が砕けて時々歩行がヨれる。血液検査の時に暴れたから血管や健を傷つけたのかもしれない。

次の日も朝一で診察をしてもらい同じ抗生物質と消炎剤を入れた。自宅に帰れば紫音と駆け回った。おかしい、あれほど消耗していたのに。

月曜日に血液検査結果がでてFIPと。
FIPにはドライとウエットタイプがあって、腹水やリンパに液が溜まるウエットタイプのFIPは貯留した体液からウイルスが検出されればFIP同定できる。ドライのタイプはどこにウイルスが潜んでいるかわからず検出が難しいが血液検査の蛋白分布から暫定FIPだと。発育不全はFIPの症状の一つでもあるんですと。

FIPか!?

猫のFIPは不治のエイズ診断と同じようなものだ、中国製の治療薬が輸入される前は。
治療薬が手に入るようになった今でも、薬を持っているクリニックの数は限られ、近いところでは横浜までいかねばならない。

なぜ知っているかというと、山の猫友のノルウエージャンがFIPを発症したからだった。
猫友にシッターを頼まれて世話をしに行ったら、あちこちに粘液を吐いた跡がありバスタブのふちにぶるぶる震えているノルウエージャンがいた。猫友にこの子はおかしいよと報告すると旅行を1日切り上げて帰宅した。それが彼女のFIPの始まりだった。

FIPの治療の問題は治療できるクリニックが限られているということだけではなく、治療薬の高さだった。国の認可薬がない。

猫友の場合は2年前なので84日間の治療薬だけで80万、診察料・検査・通院などでさらに倍かかる。FacebookでもアメリカのFIP治療のサイトがあって、7000ドル以上の薬をどうやって工面するかという問題が焦点だった。

インフレで値上がりして今年ではMutian薬だけで100万円。ペット保険はFIP薬は免責、ペットの売買契約でも、FIPの場合は免責事項が設けられているのが普通だ。FIP なら猫をお取替えします、と。

かかりつけのクリニックの獣医さんは若いが優秀だった。
Mutianでの治療を望むなら横浜の病院を紹介しますが、Mutianではないけどウイルス薬は持っています。人間用のコロナ治療薬を流用したものです。Mutianは84日間の連続投与が必要なのだが、後発薬なら7週間で費用は安くできます。

猫友が横浜のクリニックまで治療に通った苦労は聞いていた。
テンは発見が早かったから後発薬でもチャンスがあるのではないだろうか。6か月の子猫だから早く薬でたたけば治癒が望めるのではないか?

後発薬で治療をお願いした。
何よりも近場で急変があったときにすぐに見てもらえる。猫友によればFIPの治療には薬の匙加減がモノを言うという。猫の体重と体調を見ながら量を増減するのが重要。それならば、毎日でも通える地元のかかりつけなら体重を計りながら薬の微調整が可能だ。

テンが真菌症の治療を始めた時からテンの育成日記をつけていたので、表に手をいれてさらに書き続けることにした。腰が砕けて右足をひきずるようになったのは、血液検査の後からであった。
血管か腱を傷つけたのかと思ったが、先生によれば「左足」から血液を採ったという。FIPの症状の一つには神経系統に巣くって障害を起こす場合がありますと。腰のふらつきはFIPウイルスだったか?

月曜日に処方してもらって抗ウイルスの投薬を始めた。
同時に注射をしてもらった消炎剤の効果が切れ始めると、テンはまた動きが鈍くなってツグラで横になっていた。消炎剤は5日以上連続投与すると腎臓障害を起こすので、熱が高く炎症がひどそうな時に使い、後は抗ウイルスが効いてくるのを祈るしかなかった。

木曜日あたりから食欲が出てきて腰がふらつきながらご飯を食べる。
投薬時間は厳密に守らなければならない。
猫友の主治医は投薬時間の45分までの違いは許容内だが、それ以上の時間の狂いがないようにと指導があったと言っていた。

最初の投薬は朝10時だった、だから夜の投薬も10時。
しかし、私の通院のときに朝10時ではどうしても遅い。それで8日間かけて最大15分ごと投薬時間を早めていき朝9時―夜9時にセットした。

5日目の金曜日には腰のふらつきがよくなり消炎剤なしでも食欲があって元気が出てきた。診察した先生は体調を聞いて薬を増量した。9日目には体重が微増して2450グラムを超えた。

あと6週間。
今月末のジョイスのメモリアル・ランチには行けない。

さよなら ジョイス

ジョイスは150センチ足らずの小柄で、でもプライドは高く胸をはったチャボの雌のように気が強かった。
ショッピングモールの駐車場で彼女のジャガーのボディを擦って出ていこうとした隣の車の進路に立ちふさがり両手を広げて通せんぼして、運転者を逃がさぬものかと延々1時間やりあった。

4歳年下のデイビッドが何回求婚してきて、どんな風なプロポーズをされたか聞かされた。裏表がなくいつもストレートで、表面だけを取り繕うタイプではなかった。
3年から最長7年で帰国していく日本人駐妻との付き合いは、「おほほ、っ」のお付き合いになることが多かったし、移住したばかりのおばちゃんにとってアメリカでの戦いの仕方を教えてくれるジョイスは力強い友達だった。

ジョイスは客家系の台湾経由の中国人、私は日本人でお互いの交際範囲にかぶるものも全くなかった。本音で話し合えてお互いのコミュニティの接点がなく、気楽でよかったのかもしれない。ウマがあったのだと思う。

ジョイスが台湾で結婚した最初の夫は2分の1日本人だった。
それが縁だったのか彼女は日本人には惹かれるものがあったようだ。長女が最初の夫の娘。
その後、上海系のデイビッドと再婚してから2女3女4女に恵まれた。4人の娘を育ててジョイスは思うところがあったらしい。

長女は他の姉妹と段違いに頭がよかった。
2女から4女はいい子たちだったが長女は頭の切れが違ったのだという。それは日本人の血が入っていたからではないかと一度口を滑らせたことがあった。

長女は授業料が超お高く、卒業するのが超難しいデザイン・スクールを卒業した。このデザインスクールは才能がなければ入ることさえ難しいが、無理をして入っても課題ごとに教師陣に評価され、あなたは才能がないのでお金の無駄だから辞めたほうがいいと生徒に言い渡すので有名だった。

そのデザイン・スクールを長女は卒業し、自分のポートフォーリオをもってニューヨークに渡った。するすると才能を認められて有名ブランドのデザイナーになってしまった。

私は何度聞かされてもブランド名を覚えられなかったのだが、あるときデパートで見たことがないほどきれいな黄緑のキャミとカーディガンのセットに見惚れて、それはセールにも関わらず飛んでもなく高かった。

何時間か逡巡して結局買ったが今でも覚えているくらい勇気が必要な値段だった。
ずいぶん経ってから裏地のロゴを見て、これはもしやジョイスが言っていた長女のデザイナーブランドではないかと思い当たった。ずいぶん抜けた話だが。

超優秀だったデザイナーの長女はキャリアを驀進し、ブランドのデザイナーを束ねるマネージャーまでになった。NYの金融関係の男性と結婚しプライベートビーチ付きの家を買って、デイビッドとジョイスと妹たちを招待して夫の趣味であるヨットでセーリングしたのだという。

私も優秀な日本人だというので頭や知能に敬意を払ってもらっていた気がする。
中国系は総じてみんな商人!なところがあってジョイスも化粧品の輸出などしていたようだが、彼女はコミュニティ・カレッジで商売上の必要から簿記・会計のクラスをとった、何度も。
で、何度もドロップした。

ねぇミキ Debit とCreditってどう説明する?Debitは負債なんだから減るに決まっているでしょう?アカウントによって減ったり増えたりってどういうこと?

この私に英語でDebitと Creditの説明をしろってか?
で、アカウントの教師のカールが言った通り、Debit はCreditラテン語で左と右という意味で、負債だとか資産だとかは関係ない。上がったり下がったりするのはアカウントが違うからで支払ったり儲けとは関係ないんだよ。

ジョイスは私の説明など全く聞いておらず、右だとか左だとかフンDebitは負債に決まってるじゃない、だからDebitっていうのよ。英語なら私のほうが得意よ。

自分が理解できないのは私の説明が悪いとばかり。自分がどうしても終えられなかったクラスを私がサマークラスで取ったものだから、やっぱり日本人はちょっと違うと思ったみたいだ。

二人で何千時間話しただろう。
小学生だった末っ子がハイスクールに行き3女はライセンスを取って、ジョイスのBMWをもらった。卒業した後はショウ・ビジネス方を勉強したいからとお姉ちゃんたちの後を追ってニューヨークへ行ってしまい、残ったのは末っ子だけ。延々と「カラの巣」の愚痴を聞くようになり、そのあとは更年期の愚痴、さらにはデイビッドが新人エージェントと仲が良すぎると愚痴。

数年後、自慢の長女が事故で亡くなったときジョイスは狂った。
長女の夫に根掘り葉掘り事故の状況を説明させ、事故ではなくて意図的にお前がやったのではないかとまで責めた。

その後、私は夫婦で始めたビジネスが忙しくて会うことはおろか電話でおしゃべりする時間も無くなってしまった。

ジョイスは書くのが大嫌い。
バーバラ・ボクサーだかが役員だった保険会社に一時期務めていたのだが、ミーティングのあとリポートを提出せねばならず、これがジョイスには大問題だった。リポートを書くのが難しいからと結局仕事を辞めてしまった。おしゃべりは立て板に水なのに、書くこととなるとDear sirsで止まってしまって、keep in touch, see you againで終わってしまうのだった。クリスマスカードは年末に届く。

デイビッドによればジョイスは胆石を発症した。
揚げ物、肉が食べられなくなって胆石の診断がついた。だが、手術の決意がつかず延々10年も持っていたのだ。

コレステロールの高いものさえ食べなければ胆石発作は起こらない。
彼女は体にメスを入れるのが我慢できなかったに違いない。一度キッチンでジョイスがかがんでいるときに、デイビッドがお湯の入ったヤカンを取り上げ誤って、お湯をジョイスの背中にこぼしてしまったことがあった。

少量とはいえ熱湯でやけどをした。やけど跡でドレスが着られなくなっちゃうじゃない、どうしてくれるのとジョイスはデイビッドにくってかかった。
体に穴をあけたくなくて、食事療法でジョイスはやり過ごそうとしたのだろう、10年も。

体の不調を無視できなくなりついに手術を決心したとき、彼女の胆嚢はガン化し肝臓やリンパ節にも転移浸潤してしまっていた。

もし私がビジネスを始めずジョイスとおしゃべりをする生活でいられたら、二人でなかよく胆石を切ったか?いやいや、ジョイスは私の説得など耳を貸さなかったと思う。いやなものは嫌。

10年手術を避けてきた結果ガンの宣告。ジョイスが感じたであろうと黒い怒りと絶望がよくわかる。きっと怒ったと思う。テーブルをたたいて、なんで私がと、、。

私が胆石からの胆嚢ガンステージ2で拡大手術を受けたのが去年の4月。
ジョイスは8月に切って胆嚢ガンのステージ4。それからジョイスは3種類の抗がん剤を始めた。胆嚢ガンの完治が期待できるのは、ステージ0か1で外科的手術の場合だ。
ジョイスは抗がん剤はもう嫌と宣言して自宅で最後を迎えた。

立って動ける間に会っていればよかった。何度もメールを書いたのに、クリスマスカードの返事しかくれなかった。
プライドが高かったジョイスが、抗がん剤で髪が抜けやせ衰えた姿を家族以外に見せたいと思うわけがなかった。人生の先輩ジョイスは私に先立って行ってしまい、私も同じ道をたどるのかもしれないが、いずれまた会う。

娘のジョーダンからジョイスのメモリアル・ランチの招待がとどいた。が残念ながら行けないと返事をするしかなかった。
十日前に、テン・ジュニアがFIPと診断されたからだった。

親友は逝った

庭の東側でツツジの剪定をしているとき、
その花は何?と英語で聞かれたような気がした。
Azalea
これは?
わかんない。日本語で名前を覚えたから英語名は知らないんだ。
ジョイスが伊豆にやってきてくれたら、ライフワークの庭を案内するつもりだった。
ジョイスはどうしている

その晩、デイビッドからメールが入っていて、
Joyce left usカリフォルニア時間22日5時過ぎにジョイスは逝った。

マッディ・ベンソンのクラスにいつも遅刻して、マッディが始業時間を過ぎたら教室のドアに鍵をかけるといい始めたのも、遅刻癖のあんたのせいだった。
サンフランシスコの空港の売店で化粧品を探してフライトを遅らせたろ?
約束の時間にいないから電話をかけると、まだ家にいた。
こんな時だけ時間を守りやがって。

また会おう。

手術後1年

胆石だと思ったら~胆のうガンだった~

去年の4月、胆石を切除してこれでヤマザキの雪苺娘が安心して食えると思いきや、切除した胆のうからステージ2のガンが発見されたmikieおばちゃんです。

病院に逆戻りして肝臓&リンパを切り取る拡大手術をして退院したのが、GWの終わりごろ。去年は雨も多かったせいで一番美しいはずの5月は庭の手入れもできず無念の涙をのんだ。

今年はリベンジの年だ。
3月には秘境の中伊豆コメリで深紅の長ぐつを買い求め、あまりに軽くて履きやすいので、お向かいの別荘のおばちゃんにも一足買って進呈した。
65の婆と82の婆がお揃いの赤い長ぐつをはいてポンポンダリアを植えたのである。
うちら~ガン友(お向かいのおばちゃんは、10年前に乳がんステ2、去年は別口胃がん表皮ガン ステ0)

お向かいの中野のおばちゃんはあまりにもコメリの赤い長ぐつを気に入ってしまい、この長ぐつがダメになったときはどこで買ったらいいのかしら、いいものだからもう一足予備に買っておかなければ、と憂えるので、もう一足買っておばちゃんの東京中野の自宅に送った。米国年金が入って気が大きくなっていたのであった。

山は麓の里に比べて気温は4度以上低いのである。
町でとっくにスイセンが満開というのに、うちの庭にはまだ葉が10センチ。黒い地面が見えてスカスカの状態に我慢できず、おばちゃんは庭を埋めるために宿根草やカラーリーフを求めて近郊都市の園芸店を走り回ったのであった。

おじちゃんが幼稚園のように植えてしまったチューリップは碁盤の目に並んでいて隙間の黒い土をバコパやカラーリーフで埋めたい。うちに根付いた宿根草はまだつぼみもできていない。ちょっとインチキだが、すでに咲いているネメシアやリナリアのポットを買ってきて同じ場所に植える。これは追加なんだ。中抜きと違うし。

おばちゃんは生来のセッカチ。待ってられないのである、はよ咲け~~。地だを踏んで咲いてくれるものなら、おばちゃんアデルのRolling In The Deepを踊っちゃる。

そのうち、3年目の姫コブシが満開になって散った。お向かいのソメイヨシノは今年も素晴らしく咲いて散ったが、6年前に植えたうちの河津桜は1輪も咲かずにまた葉桜になった。
ヒマラヤ・ユキノシタが細々と咲いてしぼんだ。去年の秋に選定しすぎたせいかもしれない。今年も追加したヒナ草は今満開である。こぼれ種が落ちて来年も同じように咲いて欲しい。

何が落ち着かないかと言うと、庭のメインストリートとブルー・セクションはまだスカスカなのである。2年目のジキタリスもカンパニュラもまだ20センチに満たない。ペンステモンなんて、地面にへばりついた葉っぱだけである。一番の目玉のガウラは10センチ。花は?
花はあと2ケ月も待たねばならない。

ブルーセクションにはネモフィラとデルフィニュームを植える。あ~、何時になったら満開になるのかしら?

夜は園芸チャンネルを視聴する。
ノーマル・スピードなんかで聞いていられない。1.5倍速である。出だしはすっ飛ばして、要点だけを見る。

なるほど、桜は意外にも庭に植えないほうがいい木だそうだ。
家の基礎に近い場所に植えると、根が横に張り基礎を壊すこともある。葉には毛虫がついて剪定が難しい。うちの河津桜は油粕をやったら、変な風に横枝ばっかり伸びておまけに葉がピンクに縮れて病気みたいだ。

コニファーは姿はいいが、すごいスピードで高く育つので、地植えにすると切ることになるのか、。おばちゃんのコニファーは今年の寒波と乾燥で3本のうち2本が枯れてしまい植え替えねばならない。

そうしたらコニファーの空の鉢に妙な木が植わっていた。しみじみ観察するとビワの木のようである。
おじちゃんにどうした?と聞くと、
道端にビワの木が自生していたので掘ってきて植えてみたと言う。
元んとこに戻してこい!


おばちゃんも子供のころに犬や猫を拾ってきてよく言われたセリフである。おじちゃんもワンコの時に言われたはずだ。60年も経つのに性分は治らぬと見える。

昨日はせっせと買い集めた宿根草を植え、時代がついた渋いポットに植え替えをし、シレネを植えた百日紅の下を、これまたオサレな化粧レンガと岩で廃墟風にアレンジをしていた。立ち上がると、河津桜が抜かれていた。

桜が横倒しになっていて、根っこが丸い。
どうやら地面が硬くて根は横に張らなかったようだ。根っこが腐っていたよ、とおじちゃん。
を作ってもいいよね、この場所。

実は水場があるといいなと思っていた。古い火鉢を買ってきて埋めるか?
今度はリサイクルショップを一回りである。前に買った青染付の火鉢は金魚が5匹元気に泳いでいるが、そのリサイクル・ショップは場所替えして商品がずいぶん減った。埋めて池代わりにする手ごろな大きさの火鉢がない。

池はちょっとペンディング。
夏はボウフラが湧くし、冬は確実に凍るから金魚は入れられない。
やはり木がいいだろうか?
さやさやと葉擦れがするようなすらっとした木。背丈が高いと剪定が大変になるので低中木。また動画を見る。ニワトコ?夏ハゼなら紅葉するし。

宿根草を植えながら、2年後のこの場所はどうなっているのか?
シンボル・ツリーは今年植えたほうがいいのか?
ヘデラと芝桜がケンカをしててどっちの肩を持ったほうがいいのか?

ムクゲのこぼれダネから3本実生が生えてしまい、おじちゃんが後生大事にポットに植えたら50センチに育ってしまった。見張っていないとどこかに植えられてしまう。おばちゃん、よろけた拍子にポットの上に倒れてムクゲの苗が折れてしまったほうがいいのか?

いろいろ花や木を植えながら、いったい私にはあとどのくらいの時間が残されているのか?今年できるだけやってしまったほうがいいのだろうか?
人はそれぞれ人生時間が決まっているが、残りの時間がどれだけ残っているのかは知らされていない。おばちゃんの場合は蓋然性が高いというか、。

手術後半年から2年の間がいちばん転移・再発の可能性が高い。
危険期間の2年は半分過ぎた。例えば、肝臓に再発したとすると膵臓転移よりも時間が稼げそうだ。膵臓と肝臓+胆管同時なら余命は半年から1年くらいか。

うちの庭を完成させるのに、長期計画でいったらいいのか、短期計画でいったらいいのか。腹に観察窓が欲しいもんだ。

動画の個人庭園・訪問編を見ていて、このバラは植えて10年とか、クレマチスが太い木になっているとか、植物が結果を出すにはそれ相応の時間が必要なのだ。花のサイクルは毎年決まっているのに。時間、時間、時間
おばちゃんの時間はあとどのくらいあるのだろう?

いつもの蛇足ーーー
数年前、おじちゃんが春用のジャケットのファスナーを生地に引っかけ無理やり引っ張ったのでファスナーが壊れてしまった。直さねばと思っていたのだが春は短いしそのままに。

毎日のように通る商店街には洋服直しの看板を掲げた個人商店があって、おじちゃんが看板を見てここなら1500円でファスナーが直せるって。

1500円というのは、材料費だけか、工賃は別かもよ。
おじちゃんは、イイヤ、1500円と書いてあるから、1500円だろう。ここにジャケットを持ち込む。
おじちゃんはジャケットを引っ張り出し、ついでに何を思ったか喪服のズボンも引っ張り出した。ウエストがゆるゆるなんだ。詰めてもらおうと思って。

おばちゃんは、私の葬式用か?と内心疑ったのだが、おじちゃんは計画性がゼロで先に気を回す質でもない。すると、おじちゃんの兄弟用か?

ジャケットとズボンを店主に渡すと、ファスナー直しは3500円と言われておじちゃんは、しばらく黙った。看板にウソあり、と思っていたに違いない。

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