英語の達人

アメリカで暮らしている間に英語の達人は何人も見た。
某、麺会社の支社長は機関銃みたいに英語を繰り出し、取引相手?か、白人のおっさんもタジタジ、社長は口も挟ませず相手にすきを与えない。

某宗教の現地大学の教師も、切れ目がないほど喋りまくる。社会学の教師で話すのが商売なのだから話さないと話にならない。
もう一人の彼女も教師だった。目をじっと見て、あらゆるレトリックとロジックを使って、相手を導き、自分のもつ結論に導いていく。

そういう達人の人たちの英語は、仕事や生活を通じて獲得した能力の一つで、自分の目的を達成するためにある力だった。英語が身を立てるためのゴールではなくて、ゴールを達成するために英語は必要条件なだけ。
判断力、交渉能力、場を読む力は語学に関係ないのであった。

ある時、日本人コミュニティに新顔が増えた。
駐在員家族ではない。いかなる会社も関係していない。アラサー夫婦に小学生が2人。全員留学生ビザと帯同者ビザだという?コミュニティの日本人が頭をひねる、何故?

家族全員で英語を取得するためだという。アラサーの大人が語学学校に3年いたとしてABCニュースを50%理解できてそれでどうなんだ。どの国で生きるつもりなのか。

小学生を数年現地の学校にやって、ぺらぺらと日常会話ができるようになるのは確かだが、それで日本に帰国して、実際どの程度実生活に役に立つかは疑問だ。

さらに、おとうちゃんは学生で収入がないのに一家全員アメリカに移住できるとか、どんな家なのだろう?

アメリカで食って生活している周りの日本人は皆同じ事を思っていたはず。
アメリカで英語ができるのは当たり前、その他の能力がないとここでは生きていけないのに。だから看護学校に進学する。金融・ビジネスを学ぶ。アメリカでは薬剤師が信頼される職業の上位だから、教育費をバイトで必死に貯める。だからみんな、なんだかなぁ、とぬるくその一家族を見守っていた

日本で会社内の公用語を英語にした会社があるそうだ。
例のブログの大家さんの駐在員はToeicの点数だけで選ばれたのだろうか?
実をいうと、おばちゃんはこの耳で、ブログの大家さんの駐在員が現地雇いのローカルの英語がうまいとか、ヘタとか、一緒に赴任した同僚だかの”英語の棚卸”をしているを聞いた。
あほ、じゃないかと思った。

英語ができるだけで仕事ができると思ったのか?


さらに、日本の有名大企業のあのCMを聞くたびにおばちゃんんは苦痛でならない。Inspire the next, , , , ,  と言うやつ。

Next what? 
何をInspireしたいのさ?とイライラしてしまう。Nextの次に来る単語が一番重要です。
だから何を言いたいのかよくわからない。英語スピーカーはみんな同じことを思っていると思う。
日本人のいいたことよくわからない。

1)Future/Lifeーーー inspire the next futureこれが一番しっくりくるけど
  平凡で訴える力が弱いよね。へぇ~それで?ていう。
2)Generation/Technologyー これも同じよね。具体的なビジョンが見えてこない
3)Peopleーーー inspire the next people
これだとCMを作る人の意図が違ってくるよね。
  ものを作ってる会社だし。
Inspire the next Chronosome おう、人類に貢献しそう
Inspire the next Ibaraki 地元貢献は大事
Inspire the next US president アハハ
何か言いたいことを考えてみよう!

おばちゃんも書いたフライヤーの文章がおかしいとか、ネイティブから指摘されて直したよ。
英語としておかしいんだから正しい英語に直せば?と思う。開き直って、ウチの会社のスローガンなんだよ。日本風の表現なんだよ。禅なんだよ。ってか。これは調べたら結構有名らしい。
素直に直しゃいいのに。

ローカルテレビなのかな、おばちゃんがよく見せられるCMがある。
Try the next.
だから何をTryしたいのさ?
これは大学のCMなの。大学・・・!笑える。何を教えるんだろう? わっはっは!

移住のすすめ

明治の文豪は書いた。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。

昭和の時代も平成の時代も日本は変わらなかった。おばちゃんには、いつも住みにくかった。

人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

人でなしの国イギリスは漱石には住みにくかったのだね。黄色人種にとって、当時のイギリスが住みやすい国であるわけがなかったけれど。

今は事情が変わった。
日本人でなしところへ引っ越すと、楽に呼吸ができるようになる場合もある。ただし、己の力が100とすると、日本人でなしの国は常に120%の力がいる。日本人でなしの国で打ち勝つには200%の力がいる。
80%の力で生きて生きたいなら、日本で窮屈になるばかりだ。

生きにくいなぁ
と思ってたら、生きやすい場所を探してみればいいじゃないか。おばちゃんの周りの若い子は、1年、ある子は2年きついバイトをしてアメリカにやってきた。

間借りやルーム・シェアしてボロの車を買って宿題とテストに泣き英語の発音を馬鹿にされて、くやしさに憤慨しつつ言い返すことを覚え、戦って自分の居場所を作っていく。
皆知っていたのだ、人でなしの国が住みにくければ、日本へ帰るしかないことを。

おばちゃんは初めから強かったわけではない。
昭和の昔に姉妹の末っ子に生まれ、自営業の両親は忙しかったので、放し飼いで育った。
近くに気が合う年ごろの子供がいなかったので、好きなことを自分で見つけて一人遊びし、失敗すると親が後始末をしてくれた。

長じて大学に行くとダンナと知り合い、卒業後結婚を申し込まれて結婚した。自分で稼ぐのは面倒くさかったので養ってもらおうと思ったのである。結婚してもデート時代と同じように外食し、ある時映画に行く前にキャッシュカードでお金を下ろそうとしたら、残高不足だった。

ダンナは銀行窓口の知り合いに電話を掛けたが、間違いではなく、ダンナが生活費として引き出して残高は3桁だったのだ。結婚わずか1か月後だった。

おばちゃんは末っ子だったが、ダンナも末っ子だった。ダンナも失敗すると、おっきいお兄ちゃんお姉ちゃんが何とかしてくれたのであった。

困ったわ~。
おばちゃんは、両親から結婚に反対されてて、式には出てくれたものの蔵書とバイクだけが嫁入り道具で新生活を始めたのだった。ダンナがあてにならないなら、自分でも稼がなければならない。おばちゃんは英文科卒という、世の誰もが認める職業生活に必要な技能とも資格とも無縁の人だった。

どうせならと趣味だったバイク屋に就職した。
雇った方は営業もやらせようとしたようだったが、まるっきり無能だったので僻地の支店に飛ばされて事務になった。昭和の時代であった。

そのバイク屋の2年足らずの事務職がわずかに会社組織で働いた経験で、今に至るまで組織の中ではまともに働いたことがない。つくづく組織がなじまない人なんだ。

背が高くて運動神経がよくてスポーツクラブに勧誘されたけれど、チームスポーツは絶望的にあっていない。もくもくと泳ぐ水泳ならできた。でも秒を争う競技として、そんなの意味あるの?他人と速さを競って何が面白い?スポーツって自分でやって面白さを楽しむものでないの?なんだか必死すぎてバカみたい。

というわけで組織と無縁の人生を送り、先輩もなければ後輩もなく常にSole Playerである。

ランチ お弁当

アイ子さんはアメリカ人と結婚して落ち着いた後、義理妹がバージニアから近くに引っ越してきた。
お互い息子がいるのでおしゃべりでもしませんかと義理妹にランチに誘われ、アパートにお邪魔した。

リビングでおしゃべりしていてそろそろお昼だしお腹も減ったのだが、部屋に入った時から料理の匂い
は全くしなかった。冷蔵庫にでも 料理がしまってあるのかしら。

義理妹がお腹が減った?ランチにする?と言うのでキッチンに行くと義理妹は冷蔵庫を開け
パン、ハム、チーズを取り出すと、はい、好きなものを挟んで、と言う。

これがランチ?!
義理といえども人を招いたんだからちょっとましなものが出てきてもよかったんだけど、、。
アメリカだし、アメリカ人だし。アイ子さんはモソモソとサンドイッチを食べた。

私が最初のころ通ったカレッジでは教室からキャフェテリアへはかなり距離があって、ランチを買って帰ると次の授業に間に合わない。それで、お弁当を持っていくことにした。

ごく普通の日本的お弁当である。
タッパに白いごはんと、卵焼き、ウインナー、ゆでたブロッコリー夕べの残りのチキンとか、。

作文のクラスが終わって、私がお弁当を取り出し持ってきた本を読みながら箸で食べ始めると、
机の端に誰かが立った。そしてその隣に影が増えた。気が付くと私の机をぐるりと人垣が取り囲んでいた。

クラスにはアジア系が多かったのだが、中国系やコリアンのおばちゃんたちが私のお弁当をしげしげと観察していた。私が顔を上げると好奇心ではちきれそうになったクラスメートたちが
これはナニ?
玉子焼き、ちょっと甘い、
えっ卵が甘いの?デザート?
違う。甘辛いBakedEgg.
なんで卵が甘いの?
そういうもんなんだよ。
口ぐちに質問されるので食べるどころではない。

ほうれん草のお浸しを持って行ったときは、この緑の野菜は何か?から始まり、料理法を逐一説明させられて、えっ!ほうれん草を茹でるの?炒めるんじゃなくて!茹でるんだって!と言葉がさざ波のように人波に広がり、ほうれん草を茹でて何がおかしい!と
一人県民ショウを演じたいわけじゃない、
私はランチを食べたいだけなんだよ。

お弁当に懲りて次は季節だった柿をむいてタッパに詰めていった。タッパを開けた瞬間また人垣ができ、これはナニ?私:Persimmonです。
Persimmonって?人垣同士が質問しあいKakiじゃね?
そうだ、そうだKakiだわ。
チャイニーズ・スーパーにも売ってたわよ。
どうやら台湾ではPersimmonよりKakiの方が理解が早いようだった。

若きおばちゃんは好奇心の人垣に疲れたのでカレッジのランチに何を食べたらよいか悩んだ。
スーパーでこれだ!と思ったのがバナナ。とにかくバナナなら誰も寄ってこないだろう。
あら?今日のランチはバナナなの?でも簡単でいいわよね。と教師に言われた。
お前も見てたんかい!

午後一のクラスが終われば、2時前には家に帰れる。それから何かを食べることにしようかな。
ただ朝から2時までは食べないままではつらいので、おばちゃんはおにぎりを作った、大き目の。

朝おじちゃんを仕事に送っていきそのまま学校に行く。運転しながらおにぎりを食べる。これなら誰にも文句を言わせない。

そうしたら、ある日おじちゃんが同僚の板橋から言われたんだって、”俺は出勤するときにお前のカミさんと道ですれ違うんだが、お前のカミさんが大口を開けてなんか食ってる。
あれは何だ!”

幹線道路でお互い時速55マイルですれ違ってんのよ、。どうして私だってバレるのよ、
何を食べたっていいじゃない!


アメリカでおいしいランチを食べるには

アメリカのランチは”アメリカ料理以外”が美味しい。

南カリフォルニアのレストランで数が多い料理店はたぶん
1イタリアン(含むピザ屋)
2番目は日本料理
3番目はメキシカン 
(おばちゃんの独断調べ)
どこにでもあるイタリアンでもおいしいかどうかは別。
Laguna Beachの人気のイタリアンに入ったところ、ベキべきに折られたカッペリーニが出てきたことがあった。忙しすぎてシェフがカッペリーニを真っ二つに折って、茹でたのである。その方が早く茹るから。

日本料理は、入る前に味を知っているし。どうせ、肉はメキシカンが焼いている。
メキシコ料理はどうか?おばちゃん、タコは胃が持たれる。

したがって、土曜日・日曜日のランチはイタリアンでも日本でもメキシカンでも、もちろんアメリカンでもないレストランに行く。

インド料理、中国、タイ、ベトナム、イラン。
それらの料理店を選ぶ際に、どこを見ればおいしい店が選べるか、コツがある。
入口のガラス窓から店内を覗くのだ。
もし、客の頭髪と肌色が明るい色だったら味はまずい

アメリカナイズされた甘い甘い酢豚。ぐたぐた煮たような野菜炒め。ぬるくて生臭いフォー。
窓がなくてドアを開けて入ったら、客がアメリカ人ばかりだった時は、間違えたと言って出てくる。

修業したベトナムのベトナム人が作るフォー。インド人がインド人のために作るカレー。
香辛料や辛さがなじまない場合もあるが、同国人が認める味。

同国人さえ寄り付かぬアメリカ人御用達しのエスニックは壊滅的な料理が出てきたりするのである。
観光旅行でアメリカ料理にへきへきし、日本料理にがっかりし、おいしいものを食べたくなったら
レストランの窓から店内を覗いてみよう。アメリカ人がいなかったら当たりだ。
 
客のほとんどがアメリカ人であるにも関わらず、美味しい店が1軒だけある。
それはダンナがベトナム人、カミさんがタイ人で(もしかして反対かも)ベトナム料理の店だった。

ニューポート・ビーチのパシフィックコーストハイウエイ沿いを1ブロック入る。店内にアジア系客はほとんどいないがメニューはベトナム系である。フォーはリトルサイゴンのフォー屋では絶対お目にかかれない、或いはベトナム人ならこれはフォーではないと怒るかもしれない。

フォーは、シンプルな白のスープ皿に入って供される。スープはあくまでも澄んで雑味がなく、ヌードルは申し訳程度。フォーというより、英語でNodle Soupである。むろんスープ・スプーンが付いている。

絶品。フォーが昇華されて究極のコンソメヌードルとして全人類が喜ぶ味、ただし、ベトナム人は除く。何故ならフォーはお母ちゃんが作ってくれて、わしわし食べてきた家庭・故郷の味ーーから遥~かにアウフヘーベンしてしまっているからだと思う。

悲しいかな、この店には致命的な欠陥があるのである。ビルの1階なのだが、もともとアパレルのブティックだったようで店内にトイレがない。

まず、トイレに行きたいとサーバーに申し出て、鍵をもらう。ドアを開けて、ビルの外に出てから端っこに付いている階段を降り、地下の駐車場のトイレに行って帰ってこなければいけない。女同士でおしゃべりできない。デートに使えない。

多分今頃は常連のリッチなアメリカ人がスポンサーになって、もっとまともな場所に店を出しているかもしれない。

アイ子ちゃん

アイ子ちゃんは当時無職だった。ダンナは学生だった。一人息子のジョージ君を日本語学校へ行かせるため停留所でスクールバスを待っていた。
同じくお子さんを持つ日本人駐在員の奥様と出くわすので当然皆さん同じ日本人としてご挨拶をなさる。日本を代表する会社の駐在員の奥様方であった。

「○○○商社の〇子でございます。」
「xxx商事のx子でございます。」
「△△△産業の△子でございます。」
アイ子ちゃんは困って
「無職のマッセルでございます。」

ご主人は確かに無職で学生であったが、バージニアから生まれ故郷のカリフォルニアへ、ロースクールの最終学年を終えるために戻ってきたところだった。

アメリカの教育制度のありがたいところで、年齢制限がない。勉強したいときにいつでも学校に戻れるのは素晴らしい制度だと思う。30過ぎても40過ぎても努力すれば人生の仕切り直しができる。

そもそもアイ子ちゃんとご主人は日本で知り合って日本で結婚しご主人は短大の教師、アイ子ちゃんはビジネスを経営していた。自然災害で地元の経済が落ち込んだのがきっかけで、ご主人の生まれ故郷カリフォルニアに移住することにした。

アイ子ちゃんはビジネスを売ったので、経済的には困っていなかった。
ご主人にこれからどうしたい?と聞いたら学校に戻って弁護士を目指したい、というのでダンナを応援することにした。その時で二人とも40を過ぎていた。

弁護士の旦那と結婚したのではなく、旦那を弁護士としてプロデュースした人。

私が当時バージニア州にいたアイ子ちゃんとどのように知り合ったかと言うと、掲示板であった。法学のクラス関係でどうしても2年ほどバージニアの大学で単位を取りたいというご主人とバージニアに2年ほど暮らしていた時に、周りに日本人はいない。

日本語を書けるWindows98があったのだが調子が悪く診てもらえるコンピューターショップもなく、それでも趣味のWebページを日本語で作りたい。アイ子ちゃんがが海外在住者用掲示板に質問を書き込み、カリフォルニアの私が読んで返信したのがきっかけ。

膨大なメールのやり取りでアイ子ちゃんのWebは完成した。同じころご主人のバージニアでの法律クラスの単位も無事に取れて、カリフォルニアに帰ってくる?!と報告があった。

カリフォルニアが故郷だとは全く聞いて無かったので、驚いたが、もっと信じられなかったのはアイ子ちゃんも私も同年代でさらにアイ子ちゃんの家がウチから5分だったこと。

アイ子ちゃんの家転がし


アイ子ちゃんの得意は家転がし。
大阪商人で不動産屋だったお父様の代わりに学生の時代から家作を管理していたから、不動産の目利きは確かだった。本業は色々変わったが家転がしは余技。

そもそも彼女には家は一生に一度の買い物とか、終の栖とかの観念が無かった。家族の構成が変わるとか仕事の通勤に便利かどうか価値として上がりそうな家を買い、価値が上がったら売る。気軽に転居して資産として住替えていくもの。

これから発展する土地で人口が増える街ならねらい目。人気の場所でも高くなりすぎた物件は手を出さない。築。古かったり売りにくいから。

アメリカで最初に買った家はタウンハウスだった。バージニアに行っている間にタウンハウスは人に貸し、OCに帰ってご主人のジョンがバーイグザムをパスしたので、今度は内陸に家を探し始めた。

内陸の法律事務所からジョンにオッファーがあったから。OCのタウンハウスは買ったときの2倍の値段で売れて、それを頭金に内陸に一軒家を買った。

モデルハウスってわかるだろうか?デベロッパーが購入者に内覧させるためモデルとして建て公開している家。分譲が終わるとモデルハウスが最後に売り出され、新築なのに相場より安い。まあ、嫌がる人もいるから。ジョンはいずれOCにまた戻るつもりなのでアイ子ちゃんはお買い得のモデルハウスを買った。

経済は上り調子でローンの利率は下がり反対に家の価格は上がっていった。
2007年から2008年には経済は完全バブル化し家の売買は過熱化して、アイ子ちゃんの頭の中で警報が鳴り始めた。バブルはいずれはじける。
2009年には自分で家を売って売買書類の処理はダンナのジョンにやらせた。家は買ったときの2倍近くになっていて、同じ通りの物件の中では最高価格で売り抜けた。

そのあと、リーマンショックで家の価格は3分の2に落ち、住人はローンが払えず、銀行は裁判所にフォークロージャ―の手続きをするのだが、件数が多すぎて裁定まで1年かかるありさま。

アイ子ちゃんはまたOCに引っ越してきてバブルのはじけた後の築浅一軒家を買った。子供が巣立ったらもう一段ランクの高い住宅地に買い移って”あがり”だそうだ。

おばちゃんの住所録のアイ子ちゃんの欄は何行もある。家と家の間にアパートにも住んで住所が何度も変わるので、住所録をキープするのが大変!

K国のマッサージビジネス

おばちゃんは、一時期同じモールのK国ビジネスに困ってしまったことがある。

いつものように最初はジャネットから噂を聞いた。新しくできたマッサージ・ビジネスがどうも怪しいというのだ。ジャネットだって立ち仕事で肩も凝るから、たまにはマッサージを受けたい。それで、ちょっと行ってみようと並びのテナントを覗いてみたそうだ。ジャネットが本気でマッサージを受けたかったのかどうだかと思うのだけど。

どうも入り口から受付への構造雰囲気が排他的。受付から後ろはドライウォールで天井から床まで仕切られていて、さらに内部にも通路が仕切られていて受付からのぞけないが、2つか3つキュービックがありそう。薄暗くて開放的とかWelcomingなムードではない。

待合室にすでに一人いたそうで、ジャネットが料金を受付に聞いていると、中から異様な雰囲気が流れてくるのだという。なんか、怪しいんじゃなくて、妖しい空気が。引っ返してウチに来るとほっぺたをピンクにしてな~んか変よ。あれはおかしい。

どうおかしいの?
普通のマッサージじゃないわね。Sexialな空気がする。
え~っ、この健全なモールでSexialなサービス??
そんなサービスを管理会社のロナルドとフレッドがよく許したね。
Sexialかどうか言わなかっただけじゃない?

パン屋のビジネスは朝が早いアメリカ人のために朝の7時からあけ、昼過ぎの3時にはもうドアを閉めて店に来る客はもういない。中では次の日のパンを仕込み、ベルギー人のパティシエが誕生ケーキやウエディングケーキを作っているのだ。夕方から夜にかけて、モールの雰囲気がけしからんことなってもパン屋の客は関係ない。

そのうち、夕方にモールの駐車場におっさんが乗る車が増えてきた気がする。マッサージやの右隣は洗濯屋で6時を過ぎるとあまりピックアップの客もいなくなる。左はメールサービスでインド人のマイクが一人いるだけ。

嫌だなぁ~。K国人のオーナーはテナントの誰にも開店の挨拶をしてこなかったので、名前もわからない。そのうち、女の名前と電話番号だけのサインが幹線道路からモールまで2~3本道路わきに突き刺してあった。

電話番号で検索をかけてみたら、モールのマッサージ屋でドンぴしゃ。
さらにビジネスサーチでとんでもない書き込みが引っかかった。なんと、アメリカ人のおっさんがこのマッサージ店の入店料金から、Extraのけしからんサービスの値段まで紹介していたのだ。

マッサージ嬢の名前はXXXXでフレンドリーな彼女の手を取って自分のXXXに、、なんて念を穿って書いとるんだわ。XXXのサービスはチップで50ドルあげればやってくれるよ。

何してくれとんねん、健全なモールで。この書き込みを読んで変な客が増えたらどうしてくれるん?
書き込みは一人じゃなかった。おばちゃんはページのURLを管理会社のフレッドに送って何とかすべきと言った。
するとフレッドはK国マッサージがどんなビジネスを展開しているか規制する気はない、と言ったんである。

さよか?
この健全なCountyではSexialサービスは違法だと思ったが、あんたが何もしないならポリスに通報するがよいかと書いたら、どうぞと返事が来た。

おばちゃん、これを書いた今、もしかしてフレッドにしてやられたのではないかと気が付いた!
私にポリスに通報させて手を汚さずに摘発させ有無を言わせぬ証拠を作っておいてから、モール側のポリシーに違反したとしてビジネスを追い出しにかかる。

くっそ、ユ〇ヤの悪知恵よ。
ローカルポリスにリポートをしたあと、しばらくしてマッサージやのオーナーが変わった、またK国だが、。閉鎖的な玄関はリモデルされて、健全なマッサージ屋に生まれ変わった。

今度のオーナーは50近くのおばはん韓国人で、リーマンショックで客が減ると、ビルの周りを歩いきながらぶつぶつ言っている。
あんた、何してんのさ?と聞くと
この店を買うのに大金をだしたのよ。一体どうしてくれるのよ。独り言をいいながらビルの周りを何週も歩くのだった。
知らんがな。

ガバメントが使うフォント

おばちゃんがコンピューターを教えついでにフライヤーや看板のデザインで小遣いを稼いでいた時、Photoshop とIllustratorがあっても、デザイン素材とフォントは必要不可欠だと痛感した。

アメリカの商業デザインはスポーツ業界に使われるフォントとか、エンターテインメント業界用のフォントとか
フォント自体に用途別のイメージがあって、おしゃれなブティックの看板に間違ってもPlaybillなんて使わないのね。
逆に言えばPlaybillをタイトルに使えば、学校のスポーツのお知らせとか学校の催しものだとかすぐわかるわけだ。フリーフォントも色々あるから、ダウンロードしてデザイン時用にストックしておく。

さて、Helveticaというフォントがある。
印刷業界に革命を起こしたフォントと言われ、その端正なフォルムは公文書にも多用される。例えばアメリカ政府とか。州政府とか。

移民局、労働局、税務署、州政府などがHelveticaを使うわけだ。
もちろん、太字、斜体、ライトなど様々な変形があるので、例えばカリフォルニア州税のTaxReturnフォームがすべてHelveticaが使用されていることは、普通の人はあまり気が付かないかもしれない。これらのフォントセットはむろん購入できる。

おばちゃんは、毎月消費税を州政府に申告し納めなければならなかった。
今はオンラインだけど、ビジネスをスタートしたときは申告フォームが「紙」だった。
紙のフォームは当然おばちゃんが数字を書き、それも売り上げ、税抜き売り上げ、税、州のローカル税%税金額など、電卓を片手にポチポチと(5)から(1)を引いて
(6)に記入し(8)にトータルを書く。(8)と(3)の数字が違ったら計算が間違っているのだ。

計算が合っていたら控えにコピーを印刷する。日本の年末調整みたいな書類が毎月あるのだと思って。たかがフォーム一枚記入するのにおばちゃんの昼寝の時間が潰れるのである。

電卓で計算するのが面倒くさくて仕方なかった。そこで州のフォームをじっくり見たのである。あら~?全部Helveticaだわ。太字にライトがあるけれど。

そこでおばちゃんは知恵を絞った。計算が面倒くさい、Excelを使えばいいんじゃね?フォントはHelveticaで、用紙はLetterサイズで。ガバメントのフォームの余白は0,5インチと大体決まっているのだ。

おばちゃんは州税フォームを作った。本物の紙の上に自作を重ねて、下からライトで照らすとテキストボックスの枠の太さだとか、長さに微妙なずれが分かるので、修正していけばいい。

お昼寝を何日かつぶして完成した。印刷したExcelシートを本物の上に重ね下から光を当てるとフォントもフォームのコラム線もピタリと重なった。お~ほっほ!

Excelシートには最初の税込み売り上げ数字をタイプするだけであとは自動計算する。2枚印刷して1枚はウチのコピー。
毎月の消費税申告は1分で終了した。本物の申告用紙はフォントに歴代コピーずれがあって汚い。
おばちゃんの方がよっぽどキレイ。

パン屋クリスの受難

ウチの隣のパン屋のクリスはオーストリアの出身で、重たい英語を話す痩せたとっつきにくい男だった。ジャネットがおまけで付いているパン屋を、前のオーナーから買うと、ペストリーだけでなくカスタムオーダーの誕生日ケーキやウエディングケーキで売り上げを伸ばした。

私が朝、コーヒーを買いに行って商売の愚痴をこぼすと、

:業者のデリバリが午後にあるはずだったのに、来なかったんだよね。
クリス:It’s nomal
:車の中がぐちゃぐちゃなんだよね。
クリス:It’s nomal
:もう、忙しくて家のことをやる暇ないのよ。
クリス:It’s nomal
:寝る暇がない
クリス:It’s nomal
:ねぇ、クリスあんた一体いつ寝るの?
クリス:After retire

このクリスは、モールの管理会社のイエスマンだった。7年前にパン屋を買った最初のころに、管理会社のマネージャーだった業突く張りのアーノルドに、マネージメントについて軽く文句を言ったら、とことんいじめられたのである。
そ~れはもう、猫が栄養失調のネズミをなぶるように。

テナントを買収するときは、モールとのリースを買い取るという意味でもある。
リースの残りが短ければ、店舗の評価額は安くなる。買収してから自分で新リースを取得しなければいけないからだ。新リースを取る場合、大抵家賃は値上がりすると覚悟した方がいい。

クリスがパン屋を買ったとき、リースはほとんど終わろうとしていた。新リースはすぐもらえるとクリスは考えていたのだが、相手は人品卑しいアーノルドだった。

入ってきたばかりのクリスに意見されてヘソを曲げたアーノルドは新リースを拒否したのだった。契約書にあるMonth to Month月毎・契約に移行できるという条項を逆手にとって、マンス トゥ マンスでなんと7年も引っ張ったのである。

疲労困憊してゆくクリスなすすべもなく見守るジャネットある日、パン屋に大家その人が現れて、受難の日々は終わった。

クリス自慢のクッキーを無料でサービスして、アーノルドの無法をせつせつと大家に訴えたのである。な~んにも聞かされていなかった裕福な地主2世で現役の弁護士はアーノルドに新リースをくれてやるようすぐさま命令したのであった。

クリスはこの教訓を身に刻み、以後アーノルドだろうが、ローランドだろうがフレッドだろうが、管理会社のいうことにはなんでもYes 月末にテナントでは一番に家賃を送るのであった。

おばちゃん 時効の分だけ懺悔する

おばちゃんがリタイアをしてからだいぶ経つけど、お客も従業員もまだ現役かなぁ。遠い目。時効になった分だけ懺悔する。

一番の図々しい客は”初めて来てやったからまけろ、オマケをつけろ”といったメキシカンの2人組。
次は、”俺は年寄りだからシニアだからまけろ”と言った台湾人。あんたが”年を食っているからと言って、どうして私がディスカウントをしないといけないのか?”と、おばちゃんが目をじっと見て言ったらくじけて撤収した。

オープンしてまだ間がないときお客が電話オーダーの商品をピックアップに来て”これはオーダーの品と違う、俺はこれじゃないのが欲しいんだ!”でも電話を受けたのはおばちゃんで、絶対商品に間違いはない。客と言い合いになり、客が捨て台詞を吐いたのでおばちゃんもカッとなってそのレシートを丸めて

客にぶつけてやろうとしたら、おじちゃんが後ろから私の挙げた腕をつかんで、次いでおばちゃんの両肩をがしっと羽交い絞めにした。その間に客が悪態をついて外に出て行ったので、レシートをぶつけられずに誠に残念だった。とても客商売のオーナーにあるまじき振る舞いでした。
反省はしていませんが、やっと白状できてすっきりしました。

ローカルのフリーペーパーにディスカウント広告を出しました。店のチラシの金額を書き間違えて$1.50高く書いてしまいました。お客さんが手に取ったチラシを見て、あれ?おかしいな、という顔をした時に値段が間違っているのに気が付きました。アサちゃんにお客さんを任せて、チラシの金額を書き換えてプリントしなおし、お客さんの気がつかない間にこっそりチラシをすり替えました。

ウエブとキャッシャーの金額も書き換えて証拠を隠滅しました。
あれ、確か金額が違っていたはずのような?という顔のお客さんにどうしました?としらばっくれました。反省はしてますが、後悔はしてない。

昼寝の時に英語で電話がかかってきたら「No English」と一言
言って電話を切りました。眠かったんです。ごめんなさい。

C国人が電話予約をすっぽかし次はその旦那が別の電話番号でしれっと予約してきてあまりに腹が立ったので、出禁にしました。
店のWebのヘッダーにお客の名前と電話番号を2つ、しばらく晒しました。ウチ、AdSenceを張ってたのでトラフィックがあったと思います。
10年以上たっているので、時効ですよね?

〇山さんの目と鼻が整形だと噂を広めたのはおばちゃんです。マーちゃんが日本に行ってきてお土産と女性セブンを持ってきてくれて、雑誌は店に置いていたら、〇山さんが女性セブンの美容整形の広告をびりびり破って
持っていき、次に来た時に目と鼻が新品だったので整形だって広めてしまいました。もうみんな知っているから、無罪ですよね?

ドイツ育ちだと言うC国人がドクターのコンフェランスに来たといい、お会計でカードを出してきたけどDeclineされておばちゃんは、別のカードかキャッシュを出してんか?とゆうたら、お財布をホテルに忘れてカードはこれだけでキャッシュは”無い”と言いよるんですわ。

ドイツなまりの英語を話すC国人などという珍人やったけど、大陸産のC国人と同じように、ぐいぐい対応してしもうたんですが、ドイツ育ちのせいか真面目やったんです。

でもアメリカでカード一枚だけ、エマージェンシーのキャッシュも
持ってない。カードのカスタマーセンターに電話を掛けたら、ドイツ時間の夜中でカスタマーサービスがお休みなんや、言いよるんですわ。

カードのカスタマーサービスって24/7dayと違いますのん?電話が繋がれへんってドイツのカードカスタマーサービスあれへんのと違います。
ホテルに帰ってキャッシュを持って来てくれへん?金持ってきたら携帯電話を返すからと、携帯をカタに取りましてん。ちょっと、イケズすぎました?

もっと酷いのはどこで自白したらいいですか?

リタイヤ後はプログラミング

おばちゃんはつくづくプログラミングが出来ればなぁ。とSharpのキャッシャーを嘗め回しながら切望したのだよ。Sharpのキャッシャー内部のメモリには商品のPriceLookUpTableや税の設定、トランザクション・ジャーナルなどのデータが保存されている。

このSharp、腹が立つことに2種類のトランザクションのカウント・ナンバーが組み込まれて、例えて言うと性質は車のマイレージ・カウントと同じなんだ。つまり1つは製造後からの通しナンバーね。キャッシャーがチ~ンと鳴ると数字が一つ大きくなる。こいつは電池を抜いて、全部初期化をすると0になるがそれ以外変えられない。チ~ン で一つ。Shit。
もう一つのマイレージはその日のトータル。集計をして印刷をすればカウンターはゼロに戻る。

もし、トランザクションを同じマシンで打ち直せば?マイレージ1のカウンターがチーンと鳴った分だけ回る。昨日の終わりのナンバーと今日の初めのナンバーは続きでなければIRS(税務署)が気が付く。

IRSというのはポス(キャッシャー)の印刷レコードを信じていて信頼が厚い。書き直せないことになってるからさ。隣のパン屋のクリスもレジからは凧の足みたいなレシートがとぐろを巻いていて、ギフトショップのブランドンのとこも長いレシートのしっぽが出てる。

業務が終わった時にキャッシャーを集計モードにして「ENTER」をパンチすると、印刷レシートがシュルシュル出てきて、おばちゃんは疲れた手で紙を巻いて充実した一日の営業が終わるわけだ。

Sharpはシリアル接続でWindowsXPに繋がっている。付属ソフトをいじり倒すとデータのトランスファーができることが分かった。キャッシャーからコンピューターのSharpのディレクトリ¥DATAに内容がコピーされる。ほう?
マイレージカウンター1は手が出せない。どこに格納されているかもわからない。

おばちゃんは全く同じSharpのキャッシャーをもう一台買った。(なんでや?キャッシャー1が壊れたら業務ができへんやんけ?)ウチのリビングに転がっている自作コンピューターに接続し、1台目の”DATA”を2台目のSharp¥Dataに上書きするとあ~ら、不思議! キャッシャー2がキャッシャー1そっくりになった。

面白いね。あたしって天才!
もちろんこのキャッシャー2も書き換え不能のカウントナンバーがある。チ~ン!

仕事のSharp1をジェーン、予備Sharp2をマイケルとする。おばちゃんは、商品値段や新製品をしょっちゅう変えるので、LUテーブルも編集する必要があるのだ。ジェーンを変更したらマイケルも更新しておく。

なんでや? 仕事のジェーン1のケーブルをネズミがかじって使いものにならへん日があるかもしれんやろ!そしたらマイケルをすぐ差し替えられるやんけ!

お客というのは値段表に紙を貼って書き換えたり、修正液で塗り替えたりして値段を上げると、ムカッとする。値段を上げやがって!と。レシートも値段表もSleekで修正などと影もなくきれいなレシートだと値上げしても案外気が付かないもんだ。ここまでいいぃ?

おばちゃんは、同じ仕事をするのが嫌いなの。だから、昔っから字が下手なの。お習字が嫌いなの。わかりきっている作業を、なんで?何度も繰り返さないといけないのか?
そんなわけで、毎年2月になる前にジェーンを眺めながらう~ん、エディターが欲しいなぁと真剣に思う。

知り合いの台湾人のエミーさんがプログラマーで、聞いてみたことがある。

おば:ねぇ、エミーさんこのSharpをクラックしてエディターを作れない?
エミー:言語のソースはわかる?
おば:言語がわかんないとダメ?
エミー:ソースを見せてくれれば何とかなるけど、なければ私には無理。ウイルスソフトを作っているような人ならできるよ。
おば:そっか、残念。プログラミングを勉強していつか自分でエディターを作れるようになるかなぁ?

一日の業務が終わったらエディターを立ち上げてトランザクションを編集する、Refundや打ち直しの跡もない綺麗なトランザクションを印刷をする。美しい仕事よ!

人間のモチベーションとは意外なところから湧いて出るものだ。おばちゃんは割と根に持つタイプなので、商売をやめた今でもエディターの夢はあきらめていない。何年学校に行ったらいいの?

素人経営者の告白 ビジネスシュミレーター

21世紀が始まってすぐおじちゃんの会社が日本に撤収すると決まった。
おばちゃんは独立のためにビジネス・モデルを設計し始めた。何せおばちゃんは1つの店舗を経営したことは一度もないので。

ビジネスはロケーションそれは事実だが、いいロケーションは店舗もレントも目玉が飛び出る価格。おばちゃんたちには到底手が届かない。では、うちの資金で可能な手ごろな物件は一体どのへんなんだ?

エクセルをひっぱたきGoods of Sale 物品コスト、原価率、月のレント、人件費を変数にし予想セールの金額を変えて入力していく。逆にセールの額を一定にして、原価率、人件費を変えていく。客単価を5ドル刻みで変えて入力し、予想される一日の売り上げをシュミレートする。
税引き前利益NetIncomeがどれだけ残るか、損益分岐点Break Even Pointはどこか?

具体的な数字としておじちゃんの会社が仕入れていた当時のインボイスやバイト先のインボイスも経費の参考にした。テナントの広さによって冷房費Utilityはどのくらい変わるんだ?

今日はこのショッピングモールと決めて、空きテナントがあれば、モールの管理会社かリアルターに電話をして、レントとNNN(管理費トリプルネット)の数字を聞く。魅力のあるテナントは内検をさせてもらう。

内見したテナントもシュミレートしてみる。1年の間、ビジネス・モデルのシュミレーションを繰り返しおばちゃんはある方程式を発見してしまった。おったまげた。おばちゃんは日本の経営の本は一度も読んだことがないし、英語ならあるけど)

ビジネスのオーナーが損益分岐点について誰かが何かを言っていることも1度も聞いたことがなかった。が、おばちゃんが発見したのは月のレントと損益分岐点には明確な方程式が成り立つのだった。レント/月 × 7.5=売上額=損益分岐点

レントが相場より法外に高い/低い でない限り7.5倍が分岐点だった。
レントの7倍の売り上げでは経営はまず赤字になるのだった。

おばちゃんのビジネスは物品の小売りだから、おばちゃんが設計したシュミレーターは人件費が高いサービス業や、原価が高い小売には違う変数が必要だが、設定次第で別のビジネスにも応用が利くビジネス・シュミレーターなのだった。

おばちゃんはこの定理の発見をおじちゃんに勇んで話したのだが、はかばかしい反応がない。リアルターのタカコもそれで?って反応。ビジネスを始める前に、儲かるか赤字かわかるんだよ?すごいと思わない?
お前ら知的興奮って味わったことがないのか?こういう時、おばちゃんは深~い孤独を味わってしまう。

まあいいや、。とにかく原価が30%を超えたり、人件費が30%を超えたりすると、おばちゃんのビジネスでは趣味になってしまう。

おばちゃんたちに払えるレントもこれで分かった。客単価も目安がついた。日本人客のトラフィックが見込めるロケーションに物件捜索範囲を狭めてGoだ。

1年後、実際営業を始めてみると方程式は正しかった。仮定の客単価も売り上げもシュミレートに近かった。あたしって天才! おじちゃんからも褒めてもらったことがないので、おばちゃんは自分で褒めるしかない。

さらに、1枚目のシートにビジネスモデル、2枚目にはキャッシュフローをリンクさせる。
手持ちの資金(銀行預金)の数字を入力しておけば、月末の売り上げを入力すると、キャッシュフォローが表示され資金がどれだけ増えたか?あるいは赤字なら何か月後に資金が枯渇するか一目瞭然、カリフォルニアの陽の下に明らかになってしまうのであった。

静かな客

おばちゃんは小売業で、働いたことがなかったから、売り上げで出てくる数字がわかんなかった。開業前シュミレートした数字とだいたい額が同じなのだが、「意味」が分かんなかった。

どういうお客さんからこの数字は上がってきたのだろう?うちのお客さんはどういう人なのだろう?おばちゃんは分析することにした。

単純だけど原始的な方法で。お客さんを見る。
伝票にチェック項目を書く。人種、白人、アジア系、日本人、日系人、国際結婚かどうか支払い方法、現金かクレジットか伝票の売り上げ額、客の単価、客の利用頻度特に重要だったのは最後の2つだ。

あたりまえだけどお客に使用頻度は聞けない。おばちゃんがお客の顔を記憶して頻度を分別するのだ。週に1,10日に1,2週に1、3週に1,1月に1などと。

一日の伝票にチェック項目を書き込みスプレッドシートで分類集計していく。これを2か月続けた。そしてまた結果におったまげた。なんじゃぁこりゃ!

2か月の集計があらわしていたのは、週に1回買うお客さんが総売り上げの3分の1を占めていたのだ。へぇ~~?1番静かで文句を言わず、客単価は高くないけど毎日の売り上げを上げてくれるお客さん。
なるほど!Silent Majority

この分析のおかげで、おばちゃんは自分がどういう客層にどんなビジネスを展開すべきなのか、どの層のお客さんを大事にしなければいけないのか経営の方針が明確になった。

巷の話で聞く:テレビで紹介されたショップが大人気になって有頂天になり2か月後には閑古鳥が鳴くというパターン。
テレビにつられてきた客のリターン率は?元の客層は?
おばちゃんは確実に言えるが、年に一回来る客は、週一回の客より声がでかい。ホントに物理的に声が大きいのだ。比喩ではない。Silent Majorityは静かに来て静かに帰る。

もう一つ大きな発見は、クレジットカードの売り上げだ。クレジット・カードの売り上げは現金売上より必ず5%多い。現金を握って買う人は予算以上の商品は買わない。ところがクレジットカードの客は5%だけ気と予算が大きくなる。
ただし、C国人は別。
そして、単価が80ドルを超えるとほとんどクレジットカードになる。
ただし、C国人は別。

観光地の熱海でも現金取引のみという店舗があって、キャッシュを持たないおばちゃんはほんとに困ってしまった。手数料を取られるからいやだ?
手数料は一番高いAmexで3.5%だが、それでもクレジットにすれば売り上げが5%増えるので、引き算しても1.5%売り上げが増える。Amexみたいな傲慢な会社と付き合わなければ、普通2%-2.5%前後で済む。

ベテランの経営者は知識と経験で知っているのだろうが、経営素人のおばちゃんは自分で分析してこれらがやっとわかった。

言語の混線

アメリカで仕事をするということは基本複数言語で生活するということになる。客には英語、従業員にはスペイン語と日本語と英語。仕事中の言語は聞く、話す、書くというFunctionで3言語が入り混じることになり、この最中に混線が起きる。

客の注文は英語で聞き英語で答えてメモが必要なら英語か日本語でとる。
この時、英語でメモを取った方が後の作業に楽なものと日本語でメモを取った方がいいものと異なる場合ががある。英語で聞いて英語でメモを取るのが一番楽で間違いが少ない。

英語で聞いて日本語でメモを取る時にバグが出やすい。頭ん中の言語線がなんだか英語をひょいと間違った日本語で「書く」。自分は間違った自覚がない。
もう一つは日本語でも英語でも聞いてそれを復唱する時に間違った単語を「しゃべる」手は別の単語を「書いている」

いつだか従業員のマー君が、「おばちゃん、おばちゃん、違いますって!」と私を制するので何かと思ったら、おばちゃんは英語単語をしゃべりながら全く別の日本語を「書いて」いたという。おばちゃんは全然自覚がなかった。

本人は釈然としないのよ。自分では正しい単語をしゃべっている/書いていると思っているので。

この言語の混線は従業員の誰でもたまにあるので、もし、本人が間違った自覚が無くても2人以上の証人がいる場合は「言語の混線間違い」と認定することにした。認定したところで混線が減るわけではないが、誰の混線が原因かを明らかにするだけで、職場全体のストレスが多少減る。

もう一つは、ちょっと違う種類の混線だが、おばちゃんが英語の「Government」 を日本語に翻訳しようとするとGoverment=幕府で変換してしまうのでおばちゃんはいつもバ・バ・幕府でどもってしまうのだった。
何故Government=幕府なのか理由は分からない。海外生活で「政府」という日本語は一番不要な単語だったからかもしれない。

追記:どういうことか考えてみたのだけど、
30年近くアメリカに住んでいると、日本政府の政策やニュースや政府自体がどう成り代わっても、海外生活者にはほとんど何の影響も与えない。日本語で「政府」と発音する必要さえないので、不要になってしまったと思われる。

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