新NISA IDECOは止めろって言ったのに

2024年、経済はソフト・ランディングどころかクラッシュ・ランディングの年だから新NISAやIDECOは止めろって言ったのに。
来月9月18・17日以降には恐慌の本番が始まる。地獄の釜が開く

2020年以降、COVID-19により南カリフォルニアCOカウンティだけで30万人が犠牲者となった。小都市が地上から完全消滅したのと同じ規模で人が死んだ。

日常の買い物さえ制限され、フードサービス、旅行、ホテル、エンターテイメント、商業用不動産業界、小売業界が絶滅の危機に瀕した。おばちゃんの同業者が、従業員が、友達が、知り合いが、崖っぷち経済のさ中でアップアップしてたのだ。

おばちゃんがOCで起業した小売業をたたんで帰国を決めて、伊豆の山でぬくぬくしてることは、アメリカのニュースを聞くごとに罪悪感とともに安堵を感じて感情は真っ二つになるのだった。

米国政府が繰り出す救済政策とおぼれるラットたちは死に物狂いになって、生き延びるものは生き延びた。しかしタダではなかった

延長された失業保険や給付金がタダで天から降ってくるわけがない。いずれタダでもらった給付金はタカイタカイ利率をつけて取り返されるのだ。
バブルに沸いた株を押し上げたのはまわりまわった政府の救済金である。

その裏で米国政府の借金は日本をはるかに抜きさり世界一となって、「月の利払い」だけで日本の「国家予算」と同等までの金額に膨れ上がった

景気がいいわけあるまいが!
経済層のうわべだけが狂乱しているだけで、庶民から中産階級までがらんどうの青息吐息であったろう。
日本のメディアは目先の株価だけを報道するだけで、経済指標の内容を詳しく報道していない。
アメリカ経済は堅調。ところが、クレジット残高は史上最高だろうが、、って。

もと従業員からメールで「美紀さん、時給は18ドルですが景気はすごく悪いです」とメールをもらった。時給18ドルで小売りのビジネスモデルを組み立てるとしたら商品の売値は3倍上げるしかない。3掛けした値段をみて商品を誰が買うのか?万引き、強盗が頻発して1000ドル以下の被害ではポリスも来ないという。そんな世界でどうやったらビジネスで利益を出すのか。

アメリカの経済活動GDPの7割は国民の消費だ
つまりアメリカに住んでいる人間の消費が米国経済を支えている。この米国市民の懐が潤っていれば、経済は好調。懐が底をついてくれば不況の入り口だ。
懐=クレジットカードと考えればよい。

景気が良ければカードの残高は請求時に一括で支払われるが、限度額に近づいてくれば残高一括は無理で、支払いできる額だけと言うことになる。
一枚のカードが限度額5000ドルとすると夫婦で4枚くらい持っていれば総限度額は20.000ドル。夫婦のどちらかのシフトが削られれば2万ドルの限度はすぐ迫ってくる。もう何も買わない。ガソリンのため外出も控え、外食もやめ、特別な時のために隠匿してたキャッシュが出てくる。

買い物にクレジットを使うアメリカ人がキャッシュを使う現象は、金詰りの最終段階だ。クレジット売り上げ高と現金売上高の逆転現象が起こると、個人のクラッシュが始まる。

アメリカの小売業にニッパチという閑散期はない
代わりに4月はTax Return 申告納税期+前期固定資産税
9月のGo Back To School Month+後期固定資産税がある。

カードを切って暮らすキリギリスのアメリカ人にとって、4月と9月は地獄の月である。小売業を営んでいたおばちゃんにとっても9月は魔の月であった。一年で一番売り上げが低い。

異常に遅い客足に不信を抱いて業界御用達しの内装改装窓口にたどり着いたら、沢山の同じ考えの同業者と出くわした。2008年の9月だった。

来月の9月17日、18日にはFRBの会議FOMCがある
延ばしに延ばされてきた米国金利の下げはついに発動されるのではないか。ただでさえ金が回らない米国人に利上げは最終ブローになる。ドル為替はさらに落ちるだろう。
選挙が済むまで何としても経済を持ちこたえておきたかったバイデンは選挙から降りた。イエレンは決定した政策を発表するだろう。

日本円がどうなるか、そんなことはイエレンの知ったことではないのだ。FRBは米国のためだけに動く。

1ドル130円は30年に一度のチャンスだった。
140円は40年に一度のチャンス
160円は50年に一度のチャンス

つまりおばちゃんが生きている間に160円はもう2度とこない。

なんとかいうおじさんが唱えてる1ドル500円600円になる円の紙屑化という夢は、妄想だと思う。アメリカの不況立ち上がりは非常に速いけど、陰りが見えてきたドル威力には300円の力さえもうない。

petrodollarペトロ・ダラーという言葉をご存じだろうか?
petrol + dollarの石油+ドルの合成語である。世界の原油取引の場で決済の通貨はこれまで50年以上もドルが主流だった。ところが、サウジアラビアの王子は今年ドル決済の協定を延長しなかった。
その代わりの決済通貨はビットコイン、金である。

産油国であるロシアの原油決済は現在はルーブル、中国元、ユーロが使われる。これはウクライナ紛争で米国が制裁に反発した結果であるが、。

世界経済へのドルの支配には陰りが見られる。
トランプはバカだがずるがしこいので敏感にドル米国の支配低下を感じ取り、米国にビットコインを取り込もうと提案している。
基地じみているがわかりやすい策略ではある。

半年もブログのブランクがあって、なんで書き始めたかと言うとあんまり暑すぎるからである。
米国経済が危ないから米国株、ドル建てを始末した方がいいよって忠告してるのに・・・・
何もせず、ミキさんの言う通りホントに落ちたねとか、
落ちる前に言ったろう!チミは何にもせんのかぁ!? もう62歳だろう?死ぬまで塩漬けの株を持ってるつもりかぁ?

50歳60歳のおじさんがなけなしを新NISAに突っ込んではいけない。運用している時間がないやんけ。
バブルしてる株を最高値で買うな、その高値は30年に1度の高値で、生きてる間にもう利益は出ないから。
ドルを160円で買ってどうする?あとは下がるだけなのに?

いろいろ日本の人は不思議でならない。
本番は9月に来る。

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カリフォルニアで家を買うー不況の嵐

おばちゃんはニセ札を受け取ったことがある

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世界は巨大な ケンミン・ショウー

アメリカでも日本のTV番組は見られる。
カリフォルニアではKTVという現地放送がNHKや日本の人気番組を放送していた。きわめて限られた番組数だったが。

その番組の一つが「ケンミンショー」で愛知県の名古屋人は鶏の手羽を食べるとき、ある裏技を使って一挙動に食べられるとか、別の県民の赤飯は甘納豆で炊いて甘いとか。サラダを寒天で固めて食べる地方とか。
地方での伝統習慣が実は日本・全国区でみると異習慣・本流ではないと諭されてショックを受ける地元ケンミン。軽い揶揄も入っている気がする、そんな習慣・風習は全国区ではないんですよ~と。
驚きうろたえる地元民を全国区の日本人が面白がって観る。

なかなか新機軸だった。おじちゃんもおばちゃんも毎週欠かさず見ていた。ただ受け取り方は若干違っていたかもしれない。十年も帰国したことのない日本は遠い国である。その遠い、多分この先一生訪れることがないかもしれない故国の一部で珍しい風習や言い方や言葉があると言っても同じ日本語を話す日本人ではないか。極地でも全国区でもエキゾチックな風習。

日本人にとってお正月は大事な神聖な祝日であったのだが、長年の外国暮らしでは正月はNew Years Day=年の最初の日。最大の祝日はクリスマスとサンクスギビングに変わってしまっていた。お正月の“神聖さ”は時間とともに蒸発していったのだ。日本の歴史と習慣に敬意を払うが、かつての正月の「神聖さ」の観念は今でも戻ってこない。

餅が四角いか丸いかで侃々諤々。
餅は丸いもんどすえぇ。雑煮は吸い物地だろう。こうあらねば正しい正月じゃない。
餅があるだけでましじゃない。餅がそもそもない世界もあるんだから。自分中心の世界観は世界の真実じゃない。

UTubeでは長年海外で暮らした日本人が帰国してぶち当たる文化のギャップとか人付き合いのトラブルとかを取り上げたチャンネルもある。帰国者の逆カルチャーショックね。

海外生活で変わってしまった常識が日本の移住先で軋轢を起こすわけだ。
思っていることを発言・主張して現地人を不快困惑させるとか。イエスかノーか詰めてくるとか、どこでも飲み物を飲むとか。頭は下げないとか。何が日本の常識かもう忘れてしまっているので自分の欧米化した常識で物を言う。

日本の常識が非合理的だと思うから「海外では」と言うと嫌われるらしい。「ではの守(カミ)」と言って。「XXXでは」と言えば、「XXX」に行けば?と内心思われているらしい。

雑煮の餅は四角い。
この辺では赤飯は甘いの!
わが社ではとか。
ではの守」は日本の隅々すべての場面にいるのに自覚がないらしい。ミクロがマクロを笑ってどうする。

固定観念と言うのは物差しが一つしかないことだ
「xxx地方では」というたった一つの物差しは、生息レベルがアップすると「日本では」と言う2つ目の物差しになり、「欧州では」「米国では」と常識と物差しの数が多くなり多様性が増えていく。

おばちゃんはアメリカで小売業をしていたから、お客はアメリカ人をはじめ、台湾生まれの中国人、香港系の中国人、韓国人、大人として移住してきたベトナム人、アメリカで育ったベトナム人、移民の2世、移民の3世、など様々な文化と人種と固有の物差しを背景にしたお客がいた。みんな好みが違う。

それぞれのお客の態度や交渉術の違いは、彼らの文化・社会の常識の違いだった。誰か一人の一つの常識だけが世界の真理でも正義であると断言できるわけではない。

アラブの正義」という言葉があるほど独特の常識と物差しはアラブ人がお隣に住むとよくわかる。
ある日、あまり話をしない隣人が突然自宅に来て、自分のごみが多すぎてゴミ箱に入らないからお前のゴミ箱を貸せ、と頭ごなしに命令したりする。Please という言葉も使わずYou shouldお前が貸すべき!と頭から言ったりする。移住したばかりだったので、アラブの物差しだけがあり、より人に支持されている物差しを学ぶ時間がなかったのだろう。

究極の真理というのはわからないが、支持されるコモン・常識というのはあるかもしれない。
より公平で、弱者の権利も守り、双方に理があり、合理的で広く支持されていたら、常識=物差しとしても定着しているかもしれない。

日本にも外国人が定住するようになった。
スーパー、リサイクルショップ、サイゼリアなどで見かける。多くは南米、アジア系だ。おばちゃんは日本人が非白人系の彼らをどのように思っているかは知っている。何故ならおばちゃんが米国移民だったからだ。

彼らの日本語には訛りがある。
ジョイスが「お前の英語は訛りがある」とアメリカ人から言われたときに言い返した。
「私は英語に訛りがあるかもしれないがそれは自国語をしゃべれる証拠だが、あんたは英語の他に何語がしゃべれるんだ。」
移民には2つの物差しがある。労働をしているからと言って必ずしも能力や知力が落ちるわけではないことを知っておいた方がいい。

物差しは多い方がいい。
いろんな社会の物差しを多く持っていれば、たった一つの常識にしがみついて笑われるということが無くなる。

日本の若者も地方から都会に出てより大きな物差しを学び、海外の違った物差しにも接しながら現在の閉塞している日本社会の常識を広げていってほしいものだ。

最後に「International」という言葉がある。
私は使わない。私が知っているのは米国人と中国人の友達と様々なx系の客の常識の範囲だけであって、世界に共通するInternationalっていったいどういう現象をいうのかいまだにわからないからだ。
日本人に英語を詰め込めば英語をしゃべる日本人ができる。インターナショナルになったわけではない

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馬酔木

プラマーの子 

トリスタン

アメリカの8131億円の集団訴訟に参加した私はいくらもらえる?

おばちゃんには悪い癖がある。メールの返信を見ずに放置すること


おばちゃんは割と筆まめであっちこっちにメールを書く。返事が来てもすぐに見ない。
例えばアメリカで物品を購入したらユーザー登録をして、不具合があれば返品するし、返品までの不具合ではないが不満はGrievanceあてに文書で送付して必ず証拠を残しておく。後々のリファンドとかの時には証拠になるから。

ところが、メールを出した時点である程度の不満は昇華し、あるいは仕事は完結したので返信があるころには興味をなくしている。何かの処理と返事を待ち望んでいるわけでない場合はとくに。クリスマスカードや時候のあいさつも同じだ。

ビジネスや請求書はすぐ処理するのだが、私的郵便の場合は封を切らずにテーブルに乗せておく。私的郵便物の内容は想像がつくから1週間から10日そのまま放置する。非常に悪癖だと自覚がある。

クリスマスカードは去年かなり遅れて出したので、1月に入ってから返事が数通帰ってきた。先週のメールもアメリカの知人からだったのでクリスマスカードの返信かと思った。
開けるのが面倒くさくなって本棚の私信の棚に突っ込んで忘れてしまったかもしれない。

おじちゃんがコタツの上の5日間乗せっぱなしのメールが目障りらしく手に取って開封しようとした。
やけにノリがキツイようだった。おじちゃんはイラついて封筒を破ってみると中身はクリスマス・カードではなく、もう一通の封筒とハガキが同封されていた。本棚につっこまなくてよかった!!!

Legal Notice…….   Court of New Jersey

ハガキの差出人をみておばちゃんはアッと声を挙げた。

クレジット集団訴訟が結審したのだ。

US Visa & Master credit card class action

https://www.reuters.com/legal/litigation/us-judge-orders-probe-phony-visa-mastercard-settlement-website-2023-11-13/

Legal NoticeだからLAの知人が転送してくれたのである。
帰国後でも連絡が必要な場合、アメリカの住所として知人のアドレスを借り郵便の転送をお願いしたのだった。

おばちゃんは1992年に渡米し、おじちゃんの会社は2004年に清算+日本撤収を決めた。永住権は取得していたので夫婦でアメリカに残るために起業した。2005年にビジネスを立ち上げ2007年には利益が出るようになっていた。この勢いでリファイナンスでキャッシュ・アウトした借金はどんどん銀行に返すべ、イケイケどんどん!!だったのだが、

2008年の9月にクレジットカード売り上げと現金売上の割合が逆転したリーマンショックの始まりだった。恐慌にあえぐショッピングモールの他のテナント一緒に、モールの大家へ団体交渉をして家賃を下げてもらい2009年2010年を乗り切った。

一番のどん底は過ぎたという実感を感じた2011年の春、クラスアクション・集団訴訟Class Actionのノーティスを受け取った。

訴状によると、クレジットカードのVisa・Masterは本来請求するべき手数料より0.XX%上乗せして小売店に請求していたらしい。(この辺の数字は記憶による)
目ざといアメリカ人弁護士?がその差額をついて集団訴訟を起こしたのだった、払い過ぎた手数料を返せと。クレジット会社が賠償額として用意した金額は当時の金額で3.4 Billion だった気がする。

アメリカで集団訴訟が起きるとき、自分が知らなくても資格を満たしているとその訴状は郵便で来る
ユーザー登録をしているとか、おばちゃんのように小売業でVISA MASTERのクレジットサービスを使っているとか。弁護士が有資格者を調べて勝手に送ってくるのである。

エプソンのインク訴訟でもプリンターのユーザー登録をしていたので集団訴訟の参加フォームを受け取った。その他、銀行相手の集団訴訟も現金を受け取った記憶がある。ちょいちょいこんなことがあるので、アメリカ生活では物品を買ったらユーザー登録をし、レシートとクレジットカードのステートメントは10年捨ててはいけない。

2011年にクレジット集団訴訟のお誘い書状を受け取っておばちゃんは、やった!と思った。訴状は苦しかったリセッションから完全に抜け出す光明に見えたのだった。

もっとも集団訴訟の訴人は全米のVISA・MASTERを使っているマーチャントであるから何億人いるかわからない。アメリカのメガ小売業Amazon やTarget,Walmartなどもクラスアクションに参加したかもしれない。それらジャイアント・ビジネスも含めた集団が3.4ビリオンを分けるのだからどのくらいの取り分になるのかもさっぱり見当がつかなかった。(もっともメガ小売りではクレジット手数料は我々市井のミニ小売業より優遇手数料である可能性が高いだろう。集団訴訟に参加できる不当な料率でなかった可能性もある。)

2011年当時、おばちゃんはさっそくオンラインでクラス・アクションに参加し、2004年から2011年までクレジットカードを売上額と手数料金額をフォームに記入して提出した。訴人としてのIDやコンファメーションも受け取った。

それ以降毎日のようにクラス・アクションのページをチェックしても、XX月XX日、何とかpetition 提出とか、審議とか、コートが次の日程を決定とか、。その後は何か月も内容はアップデートされず、一体このページはアクティブなのかとっくに放棄されたページなのか見当もつかないまま数年が過ぎた

おばちゃんがリースの切れ目を狙ってビジネスを閉め、過去7年以上前の紙製のビジネス書類は処分した。2017年に日本に永久帰国する際でも訴訟ぺージは相変わらずpetitionばっかりであった。しかしおばちゃんは巳年の生まれと疑われるほど物覚えがいい一面もある。アメリカに残る知人の住所をお借りして集団訴訟のお知らせが郵便でも届いてもわかるようにしておいた。

帰国してからも訴訟ホーム・ページをチェックした。オンライン上でも住所変更ができるが分かったので、連絡先はアメリカのアイ子ちゃんの住所に変えた。念のために住所変更のリクエスト手紙を書いて郵便でも米国に送っておいた。

ところが、アメリカだねぇ。
オンライン上の住所変更はなぜかアップデートされておらず、旧知人の住所に結審の知らせが届いたというわけ。見ずにしまい込んでいれば賠償金を受け取り損ねるところだった。

13年かかった。

改めて訴訟ページを確認してみると賠償額は5.5ビリオンに増えている。
5.5ビリオン?2.1ビリオンも増殖するのか?利子か?

さぁて、訴訟ページでおばちゃんのアカウントの内容を確認すると、ビジネスの8年分のクレジットカード売り上げ総額とクレジット手数料の総額(初年に提出した)が確定していて、余分にとられた手数料分は4桁ドルーーと金額が明記してあった。

ただ~しーーー上記の金額がクレーム金額としてもらえるわけではなく訴人の%によって割り当たれると書いてあった。だなぁ~。

今日の為替レートは1ドル147.85 だから日本円では

5.5Billion =5.5ビリオン・ドル=¥813,175,000,000円=8131憶7500万円

チェックが届くまで実際のおばちゃんの取り分金額は分かんないよね~~。

 クレームの提出期限は4月の末までなので、実際の賠償金の送付はそれ以降だと思う。チェックを受け取った時には、ブログでお知らせしたい。

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おばちゃん 時効の分だけ懺悔する

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オンライン・ショッピング

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日本永住帰国前夜・・・ビジネスを畳むには

南カリフォルニアで成功したビジネスオーナーの先人がかつて言った。

“アメリカで個人事業をしていて年老いたらビジネスを畳み日本へ帰国すると言っていた人で本当に実行した人はほとんどいない”。
世話になったおばちゃんたちが帰国のあいさつに伺った時の話である。

アメリカで起業をすることはできる、資金計画根性があれば。
起業はできるがビジネスを畳んで撤収することの方が難しい。何故か?

ビジネスはビジネス契約があるからである。
一言でいえば経営する事業所のリース契約。
日本のリース契約は知らないが、アメリカの場合、テナントを借りるためには分厚い契約書にサインする必要がある。契約書にサインする側に都合のいいことは何も載っていない(たびたび書いているが)

リース期間の終わらないうちに中途撤収するなら、ペナルティ条項目として残りのレントの全額支払い義務などのがあるのは当たり前。リーマンショックの前ではレントの期間は10年単位が普通だったが、起業してわずか数年で失敗しても撤収するために残りのレントを全額かぶれば莫大な借金しか残らない。これを避けるにはリース途中でビジネス営業権を誰かに売るか(起業コストはとても回収できない)、リースが切れるまでしがみついて赤字経営を続けるか、どちらかしか撤収のチャンスがない。

たとえ起業してビジネスがうまくいっていたとしても、ビジネスオーナーに非可逆的な健康障害が起きた時にはやはり進退の危機になる。頭、目、腰、手足のどれか一つでも機能しなくなったらビジネスの存続は難しい。

交通事故で2年後に半身不随になった人、仕事中に脳梗塞で亡くなった人。末期がんが発覚した人など。たとえ亡くなってしまっても契約のペナルティは関係者にかぶさってくるのでビジネスの継続はおろか、リース残りの期間は赤字が積みあがっていくだけになる。

おばちゃんは起業してから様々なビジネスのオーナーが病気や事故や経済の変化によって没落したり、追い詰められたり、そしてリーマン不況ではたくさんの夜逃げオーナーを見た。

だからビジネスが軌道に乗った後に常にビジネスをどのように終わらせるか、撤収するか、で頭を悩ませていた。日本側に売りビジネスの広告を出したこともある。

ビジネスを売ることは起業することより難しい。
買い手に魅力のあるビジネスか、買い手が経営していける汎用性のあるものか、あるいは魅力的なロケーションか。売るタイミングも非常に重要。リーマンショックのさ中には営業権はタダでもいい,リースの引継ぎだけが条件という売りビジネスがあふれていた。不況では売れるものでも売れないのだ。

安全に撤収するためにはそれまでちょくちょく延長したリースの切れ目を狙うしかない。
おばちゃんたちのリースが切れる日時はわかっているので、ビジネスのクローズを決めた。夫婦二人で話し合って日本への帰国も決めた。

アメリカで私たちができること、やりたいことは全力でやった。だから日本に帰国してもいい。それからリースが切れるまでの1年半のタイムスケジュールを決めた。今度は閉業のために手順を踏んでいったのだ。

家という不動産も買う時より売るときの方が難しい。
幸いリーマン不況の影は遠くなって、その時カリフォルニアの不動産業界は売り手市場だった。物件が払底していて誰もが家を欲しがっており、家はリストに載ってからたった1日で売れた。買った時の3倍の値段だった。それからアパートに引っ越し日本帰国のために家財道具も最低限に減らして暮らした。

冒頭の先人の関係者にジャンクの買取、整理の専門家がいたのでビジネスで必要だった器具や処分できるものは処分した。これを買う時にいくらしたか、などと考えると始末はできなくなる。十分役目は果たして役に立った、だから処分した。

築いたビジネス、3年かかって取得した永住権、16年住んだ我が家、お客、友人、黄金の気候。
四捨五入すれば30年、アメリカを十分楽しんだと思う。人生の第三のフェーズは終わったのでおばちゃんたちは日本に帰国した。

SNNやニュースを見ていると、わが同胞はアメリカで頑張っている。
かつての同業者もまだ現役だ。コロナのパンデミックのなかでどれほどビジネスに苦労したか十分すぎるほどわかる。
アメリカでは病気・事故・老齢・時勢の変化、どれか一つに襲われてもビジネスの継続に大変な苦労が伴う。コロナも収束して健やかな老後を過ごされんことを祈ってる。

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ジャネット広報局

おばちゃん危機一髪

2024年 経済肌感覚

おばちゃんは米国でリーマンショックを生き延びた小売業者であった。
11月の雇用統計やCPIつづくFRBの発表を受けても胸騒ぎが収まらない。ドルが急落したことだけではない。これは予想されていたことから。

小売業をやっていると「経済の肌感覚」が身につく。
客の懐具合は売り上げに直結するからだ。おばちゃんが一番危機感を覚える数字はアメリカ人のクレジット残高である。クレジット残高が過去最高で$1.03 trillionを記録している。

日米のアナリストは米国株価も上がって失業率は下どまりでCPIをみればインフレも抑制されているではないか?アメリカ人はこの危機?(そんなものあるのか)を超えられるのではないかという見方もある。いわゆるソフトランディングね。

アメリカ人の消費活動と言うのは日本人とは違う。
現金を握って買い物をすることはまれ。Credit Cardは借金ではない。支払方法の一つである。
わざわざ銀行でキャッシュを下し、財布の中に一時的に挿入して小売店で使うなんて七面倒くさいことはばかげていると思われている。Nanacoやプリペイドカードが理解できない理由だ。

夫婦で3~4枚のクレジットカードを持ちカード会社から月一でステートメントが来れば小切手で支払う。
調子がいい時は請求金額を全額支払うが、そうでなければ夫婦で相談しながら払える金額を支払う。
日本語で言う「リボ払い」?

残高は当然残るが、来月節約するとか、再来月に単発のバイト収入のあてがあればその時に払ってなんとかなると考える。支払が遅れたりせず、ミニマムペイメントを払いさえすればクレジット・スコアにもネガティブな影響はないから。

何とかなると思っているうちに10月になる。
10月は日が早く落ち月末はハロウイーンだ。ホリデーシーズンに突入するのだ。11月はサンクスギビングで家族のリユニオンの時期である。

エア・チケットを買いギフトを買い年に一度のことだからと散財する。
サンクスギビングの次の日はブラック・フライデーでこれだ!とばかり小売店が大セールを打つ。
目玉商品を出すからアメリカ人は高額商品目がくらんで消費に走る。クリスマス・ギフトは必要なんだ。だってクリスマスが来るから。

次の月は12月「一年で一番大事なクリスマス」である。またリユニオンの機会である。
航空券を手配し(家族全員分)ギフトを買いクリスマスディナー用に買い込む。
クリスマスが終わるとホワイトセールでこれが最後と「来年」のためにギフトを買いに走る。だって割引率が高いから。

アメリカの1年と言うのはリストにすると、
1月はさんざんホリデーで疲れたが新年だからいいワインとかで静かに祝い、
2月にはバレンタインデーが来てバラが一年で一番高くなる日。小売業やエンターテイメントは売り上げの最高を期待できる時だ。
5月は母の日、レストランや小売業は平均月の倍の売り上げが期待できる。その後にメモリアルウイークエンドがやってきて3日間の連休はどこかに出かける。
7月は独立記念日だ!人を招いてバーベキューだ。
9月にレーバーデイで連休はキャンプかどこかに行く
10月はハロウイーンでホリデーシーズン開幕で気分が高揚し、
11月のサンクスギビングでそれ行け~ドン!と使い、
12月は先月に金を使い過ぎたけどもうヤケになってクリスマスだからもう考えたくなくてカードを切りまくってしまう。

日本の盆と正月は半年離れているから頭が冷えるが、アメリカのホリデーシーズンは10月11月12月とホリデーマインドと消費は右肩上がりで高揚していくのだ。これがアメリカ人の1年のホリデー乱費スケジュールである。

アメリカ小売業の不発

今年2023年ブラックフライデーは不発だった。
クレジットカードの残高が過去最高だからだ。
夫婦二人向き合って、どのカードをどれくらい払ったらいいのか頭を悩ませていることだろう。

アメリカ人の4人に一人は貯金がゼロだ。入ったら使う。これは四半世紀前から変わらない習性だ。
カードの残高が2万ドルを超えるとそろそろ自己破産のラインに近づくと言われていた。
知り合いは実際2万ドルを超えたところで自己破産した。

現在平均アメリカ人のカード残高は6000ドルで夫婦二人なら8000ドルと統計がある。
アメリカは日本と違って年2回のボーナスを出す会社なんてあまりないから、再来月のボーナスでスパッと残高を始末するなんて期待できない。

まっとうなアメリカ人でも手元が詰まってきたのだ。クリスマスでも乱費はできない。
という経緯で、今年のブラックフライデーも不発だったし2023クリスマスセールも振るわないだろう。

アメリカは消費で持っている
アメリカ人が消費に走らないとどうなるかと言うと、小売りがレイオフを始める。
BestBuy, Walmart, Amazon, Macys,,,
レイオフされたワーカーは家のローンが払えずフォークロージャーになって、銀行は不良債権が積み上がり倒産する。レイオフが起きるのはクリスマスの後だ。

順番は違ったが2009年サブプライム発のローン・ホルダー破綻から銀行倒産、小売業レイオフ、さらにローン破綻のドミノ倒しをおばちゃんは経験した。

失業率はどうか?
全米の失業率は9月で3.8%10月時点で3.9%。何故か違和感を覚えカリフォルニアをチェックすると10月で4.8%だった。フレズノ・カウンティを見ると6.9%だ。これはとても平穏な数字ではない。

先月にアイ子ちゃんに聞いてみた。
アメリカ経済は数字から見てもおかしい。実際のところ(肌感覚)で失業率はどうなっているの?

すると、ダメだね。求人があるのは「労働職」であってホワイトカラーの求人はない

ニュースで日本が沸いたアメリカの皿洗いが10万ドルの給料とか、すし職人が30万ドルとかは、肉体労働者であるが故の募集であった。ホワイトカラーのマネージャー職やアナリストたちはレイオフをされたら、2ヶ月でローン破綻に陥る。
今年最後のクリスマスセールに頼みを託して売り上げが悪かったらレイオフが開始される。レイオフしなければ小売店が倒産するからだ。

IDECOとNISHA

日本の政府が旗を振って推奨しているIDECOとNISHA。
メディアやコンサル業界も旗振りに参加して猫でもNISHA、IDECOと踊っている。利益の非課税制は魅力だが、株価も金も上がり過ぎている。
今まで株や投資をやったことがない国民層がどっと参入したらどうなるか。リタイアした60歳が退職金を突っ込んだらどうなるか?高値づかみで。

株は安く手に入れて長期保存して経済とともに価値が上昇して資産として蓄えるなら安心な投資と言えると思うのだが、ここのところの急激な株高で高齢層が大枚を投じるのは危険ではないか?暴落してももどして長期保存で利益が出るのに。60歳過ぎて高値でつかんで余命も長くなければ損するだけだ。

おばちゃんの頭は警報が鳴り響いているので、NISHAの口座は開いたが入金していない。来年、ドルが127円以下に下がったらMMFにでも入れたいと思う。
2024年は何で始まるのか

クラッシュ・ランディング

ソフト・ランディングでもなくハード・ランディングでもなく
クラッシュ・ランディングだ、と米国経済アナリストは言っている。

Crash Landing!
恐ろしい。
バイデンが積みました米国の負債は$33 trillion。(GPT比だと日本が最高)
来年の利払いは1トリリオン?だとか?そんな巨額の負債を合衆国といえど払えっこないからとドルの評価は下がった。

アメリカの不動産価格はバブルで2000年の4倍以上に達している。
ローン金額の中央値はひと月4000ドル。誰が家を買えるのか。
家自体の価格が高すぎる。FRBが金利をあげローン金利は7%を超えたから家の価格ほどの支払い金利がある。支払総額を考えると売買の意思にとどめを刺される。全米で家の売買のキャンセルが4.5万件で最大になったという。

バブル価格の家を買ってしまった夫婦はどうなるか。
月8000ドルを稼いで世帯収入の半分4 000ドルを家のローンに支払い、どちらかが失職したら確実に家を失う。全米のHousing Marketは最大で40%の下落を傾向にある。マーケットクラッシュの動画を見ていたらどうもアクセントが聞き取りにくいから変だと思ったらオーストラリアだった。カナダでもUKでも同じクライシスの動画が出ているから世界同時にクラッシュが始まっているのだ。
2009年を上回る勢いではないか。

Black FridayはDead Friday
Thanksgiving明けのショッピングモールを歩く動画があった。

Best Buyに行列がない。
JCPenny もTargetも人がいない。セールの主流がオンラインに変わったとはいえ、ブラックフレイデーのモールに人がいない!
Thanksgivingのディナーの時間からBest Buyの入り口にテントを張ってセールを待った人はもういない。
Dead Friday

おばちゃんは空っぽのモールを見て心底震えあがった。
人は60%オフのセールに行くより生活に必要な費用をねん出するだけで、いっぱいいっぱいなのだろうか。年末まではホリデーシーズンである。Black Fridayの後に12月のクリスマスがありクリスマスあとのWhite SaleからNew Yearsと続く。Dead Fridayでセールが不発に終わったからクリスマスも期待できず、小売業はそろそろレイオフを始まるかもしれない。カリフォルニアの失業率は10月で4.8%だが8月からじりじりと上がり始めている。早ければ12月からレイオフが始まり失業率は爆上がりするリスクがある。

Paycheck to Paycheck 
統計では、現在の米国人は10万ドル以上の世帯収入があっても急な1000ドルの支出に耐えられる貯金がない層が60%という。

コマーシャル物件の崩落もただ事ではない。リースが高くなりすぎてビジネスが逃げ出す。どうやったって利益が残りっこないから。
People are leaving San Francisco!
People are leaving LA 
きらびやかなシティのメインストリートからブランド店が撤収していく。都市の中心部が空洞化し集団万引きという強盗団がはびこる。

一方で、パンデミックの間の株価の高騰で投資が成功しアーリーリタイアの成功者の一抜け層。
不況こそチャンスだ。暴落した不動産を投資の目標として、フォークロージャーを狙う層。ごくごく一部の成功者だけ。1930年のグレート・ディプレッションを超える大恐慌が襲ってくる、、、。

日本経済が影響を受けないとは、とても考えられない。
2024年、クラッシュ・ランディングに備えてワラでも救命具でもなんでもつかみたい気分だ。

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2024年リセッションは来るのか

11月15日 ドルの為替レートは天井をついたかもしれない。
アメリカのCPIは10月で若干下がり、失業率はこれから上がりそうな予感がする。アメリカ国民のカード残高はリーマンのリセッション時代を上回りそうだ。開戦前夜のような邪悪な気配がヒタヒタと忍び寄ってくる気がする。

おばちゃんは小売業でサブプライムのリセッションからのサバイバーだったが、あの時の絶望感はよく思い出す。日系新聞や日系コミュニティ・雑誌に売りビジネス広告がずらりと並んだ。誰も買い手はいないのに。借金がなくて体力(資金)があるビジネスが生き残った。おばちゃんは持ちこたえたが、リセッションのさなかで小売業を営むなんて地獄の修業は二度とやりたくない。

小売業をやっていると客の支払いは常にクレジット払いが現金を5%以上上回る。現金とクレジット払いの割合が逆転したのが2008年の9月。あれ?おかしいなと。
Go Back to School期にしては売り上げ減が長引く。客の呼び込みのために内装のリモデルを計画し、同じことを考えていた同業者と業務問屋で鉢合わせした。

何かがおかしいと思いつつぬかるみに沈み込んでいって、気が付けば客のクレジット支払いよりキャッシュの支払い割合が逆転していた。
客のクレジット限度額がいっぱいになった結果だったのだ。

周りを見ればショッピングモールの隣のビジネスも水面下であがいていて、顔を合わせると愚痴を言うのだが、未来が見えない恐ろしさに目を背けてこの不景気はそのうち終わる、何とか持ちこたえればとオーナー達は自分で言い聞かせていた。

過去のアメリカの不況はどうだったのか。
2009年当時、おばちゃんは恐怖を薄めるために統計を調べた。
プライムレートや国債の利率、CPIや失業率をグレート・リセッションの統計数字と比べた。自宅の価格を毎週Zillowでチェックした。 どんな不況もひどいのは正味3年くらい。統計と売り上げを分析しながら歯を食いしばって3年。持ち直したと思ったのが2012年だった。

2021年カリフォルニア・OCでコロナの死者が30万人を超えたと知ったときに、これは大変な恐慌になるのではないかと震えた。
アメリカ経済はよく持ちこたえたあとインフレに襲われ家も車もエネルギーも高騰した。給料は上がるが物価には追い付いていない。ただ仕事さえすれば家計は回ってきたのだろうが、そろそろクレジットの限度額に到達しつつある。

アメリカでも日本でも正反対の分析を発表するアナリストがいる。
●失業率が低どまりだからアメリカの経済はソフトランディングに持っていける。今はリセッションではない。

●リセッションはそこまで来ている。すべての数字が危ない。備えるべき。

どちらの分析も納得できる点はあるのだが、おばちゃんの気がかりはアメリカ人のクレジット残高。14兆円?高沸した物価。

これから一気に消費が落ちそうな気がする。小売業が傾くので、その後に来るのはレイオフ。ビジネスが生き残るためにレーバーを切っていく。

失業するとローンが払えず、しかも不動産の価格は下がり、家の評価額がローン残高を下回るようになるとフォー・クロージャーが増える。さらに不動産会社が倒れる。

2009年の時は首を切られたパートタイマーが、ホリデーシーズンのTempセールス要員に殺到したが、募集人数も多くなかった。Thanksgivingと Christmas商戦はしけた花火のようで人は不要な買い物を控えた。

2023年10月統計は失業率が全米で3.9%と低い。カリフォルニアは4.8%。11月からアメリカはホリデーシーズンになる。Thanksgiving あとのBlack Friday、 Christmasセールと White Sale, 年を越してNew Years Dayとホリデーは続くのだが、年内のホリデー消費が伸びなければ消費低迷が露わになって、来年は小売業からレイオフが始まるかもしれない。

ローレン・バフェットのキャッシュ残高が最大になったという。
体力があるビジネスだけが生き残る。最悪のリセッションがやってくるのだろうか?おばちゃんはおっかない。

日本でどこまで影響を受けるか。ドルがどのくらいまで下がって、円も落ちるとしてどこで均衡するのか。
恐慌なんかできれば来てほしくない。切に切に祈るおばちゃんである。
人差し指を重ねてソフトランディングを祈ろう!

鬼のかみさん

CTスキャンをとって会計を済ませたら午後2時を回っていた。
病院の駐車場はアスファルトの輻射熱で温室の中を歩いているようだった。

おじちゃんとおばちゃんの前には160センチそこそこの老夫婦が駐車場の同じ方向に向かってゆっくりと歩いていた。足の長いおばちゃんは二人を追い越し、その時に小柄で総銀髪のおじいちゃまが妻に言っている言葉が聞こえた。

「お前はゆっくり歩いてくればいいよ。僕は先に行って車を冷やしておいてあげるから。」

まぁ、なんと麗しい夫婦愛!アンタ聞いた?
おばちゃんは声が聞かれない距離まで来ると、おじちゃんにささやいた。
おじちゃんは、ふんっ!と言った。

わたしの背中が痛いという訴えを主治医は割と真面目にとって、CTスキャンをオーダーした。CTの画像診断は放射線科の医師に読んでもらったそうだ。CT画像には胆管も腎臓にも何も異常なし。
診察室を出ておじちゃんに異常なしだったというと、殴られた子犬のような怯えが目から霧消した。帰りはスーパーに寄っていこうとおじちゃんはしゃいでいた。

おじちゃんは例えば、私の足が不自由になったとしても、多分「先に行って車を準備してあげてるから」とは言わないだろう。先読みをしてテキパキと計画を立てるタイプではないから。暑くても寒くてもとにかく自分より背の高い妻を抱えてゆっくり二人で車に歩くだろう。車についたら、じゃあ運転してね。というかもしれない。

私とおじちゃんが出会ったのは、大学の2年。私が19歳の時だった。まぁ、ずいぶん長い付き合いだ。大学を卒業して半年後に、おじちゃんと結婚すると言ったら親は泣いた。

結婚させるためにお前を大学までやったんではないのに、。
おじちゃんとは身長も育った環境も随分違い、親どころか同級生さえも驚いた。親が何を忖度していたか、友達が何に引いていたのか、そんなことはどうでもよかった。人間の価値は背の高さや学歴や職業で決まるものではない。“職業に貴賎なし”日頃の父の口癖であった。娘はそれを実行しただけだか。
スカーレットのように、私は決めた。私は結婚するのだ。“Merry she would!”

おじちゃんも若かったので、まさか世間知らずの大学生がタケノコの皮を剥ぐようにアマゾン族の戦士まで化けるとは思ってもみなかったに違いない。おばちゃんは自分でも化けた自覚は大いにある。

プライドと夢は高いものの、実現するための地道な努力は大嫌い。
ものぐさで本や酒に逃げ込んで自分の置かれた現実から目を背けるのは得意。実務の才能はゼロ。人付き合い経験値は地を這う。頭を下げるのが嫌いなかたくなで独りよがりな性格。集団になじまない異分子の小娘。それが10代20代のおばちゃんだった。

タケノコは竹に成長するが、私はどう成長するか自覚もないまま脱皮と変体を繰り返してきて60代のバアになった。30代で日本に居たままだったら間違いなくアル中になり結婚も人生も無駄にしていただろう。

おじちゃんと結婚したあと、変わらない自分と日本の社会の閉塞感に窒息しかけていたから、おじちゃんの尻を叩いて日本を脱出した。

この間、山の卓球サークルのバーベキューがあり、そこでなんでまたアメリカに行ったの?と聞かれたので、
日本では窒息しそうだったので、ダンナの尻を叩いてアメリカに連れてった。と答えたら、
間髪入れず、「それはご主人がかわいそう」と声が飛んだ。
そうなのか?!
おじちゃんはかわいそうな子だったのか?

アンタは私と結婚しなかったらアメリカに行くことはなかったね。と言うと素直に「うん」と言い、アメリカ生活も日本では絶対できなかったことを経験してきたから満足に思っているようだった。

アメリカの社会は自由に呼吸できた。その代わり未来は全く見えなかった。
未来は自分で切り開いて作るしかなかった。政治経済には全く興味がなかったのに、生きていくためにはファイナンスやビジネス・マネージメントを学ぶしかなかった。アメリカの社会でみじめに野垂れ死にたくないと思えば、自分を変えて戦うしかない。

かっと目を見開いてチャンスが漂ってくれば掴む。
ワラでも小枝でもつかんで自分の巣を作ってゆくのだ。理想の巣を作るためには戦うのは必須だった。

平成が終わるころ日本に帰国して人生の第四コーナーが始まった。
日本に帰ろうか?と言ったらおじちゃんは「うん」と言ったからだ。

年金を請求するまで山でバイトをした。コロナが拡大していくさなかで、おじちゃんのバイトの事業所は素早く廃業解散を決めた。オーナーが中国人だったのでやはり決断が速いと感心したものだった。中国人とアメリカ人は同じくらいビジネスの見極めが早い。

おばちゃんは下手に動いてもいいことは何もなさそうだと判断して、日夜ネットで政府の支援策やコロナの給付政策をチェックしていた。
おばちゃんたちが使えそうな支援策は申請した。
山で親しくしていた人も仕事がなくなり萎れてきて愚痴をこぼすことが多くなったから政府の支援策を教えて応援した。

現役時代は大企業の総合職で優秀な人だったらしい。細腕一本で山に自分の家を建て、都会の駅近マンションは貸し出しているはず。自分と同じ匂いがする。戦ってきた来た人だと直感して親近感を覚えた人だったのさ。様々なメディアで政府のコロナ支援策が発表されているのに、それも日本語で、なぜ情報が取れないのだろうと不思議だった。

その彼女とこの間お茶をしたら、おばちゃんを評して「肉食系」と、、。思わず口が滑ったようだ。


言いたいことはわかる。
おばちゃんは誰かを狙って食いついたわけではない。上昇するために誰かを蹴倒したこともない。

自分の家族と猫を守る時には(誰かを傷つけるのではなくて)条件があれば、条件を合わせて、利用できる制度があれば利用する。それだけだ。
傍から見ればぬるい湯につかって愚痴をこぼしあう中で、欲しいものをぐいぐい切り取っていくおばちゃんの行動力が肉食系と映るのかもしれない。

自分を憐れんで愚痴を言って泣いている暇があったら、自分たちを生かせる方法を探す。それが平成の間アメリカ社会で学んだことだと思う。

山のサークルの爺様あたりからは、ひそかに鬼嫁と呼ばれているかもしれない
うっせいわ。

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夕べ寝る前にジェニファー・アニストンのMurder Mystery 2を観たのでカリフォルニアの春の夢をみてしまった。春の恒例=納税申告Tax Returnの夢である。

アメリカに商売の閑散期2月8月「ニッパチ」はない。
アメリカの小売業の売れ行きが落ちて、ビジネスが暇になるのは4月9月である。税の申告は4月15日が締め切りなので、4月になるとビジネスは暇になり、我々個人事業主はわりと小ぎれいになる。

何故小ぎれいかというと、毎晩シャワーに入れるから。
繁忙期は帰宅したらバタンと寝てしまうことが多いのに、4月は早く帰れるし毎晩お風呂に入ってお肌もつやつや。化粧のノリもいい。売り上げは減るけど。やってくる営業マンなどと暇だねぇ~と言いあうのだが、小ざっぱりしてるから 余裕ありますかぁ~と聞かれたりする。

アメリカは国民皆申告制度なので、4月は誰もかれも大みそかの日本人のようにバタバタして落ち着かない。ペイロールで給料から天引きされていた税金で足りなければ、申告書類と同時に不足税金をチェックで送らないといけない。おまけに家の固定資産税・前半期があるからダブルパ~ンチ。

おばちゃんは十数年自営業だったから、少しでも払うのを少なくするためにあれこれ控除を考えるわけだ。Wells Fargo銀行がまとめてくれる1年分のクレジット・カードのリポートがありがたかった。

ビジネスの経費は小切手以外はカード支払い。買い物で使った場所までの距離をマップで調べて、交通費のマイレージを計算してた。
今年は35セント/1マイルとか発表されるので、年間の通勤距離とビジネス用のトラベル経費を出せるわけだ。この時期お昼休みには、控除deductible~控除~と検索い忙しい。

おばちゃんは黙っていると眉間の縦しわが怖いと知り合いから言われていた。
オーナーが怖い顔をしていたらビジネスにマイナスだから、ある年決意してベトナム人ドクターHo先生んとこでボトックスを射った。350ドルだった。

一応、ビジネスのためだから経費として申告することにしたが、どの項目chart of accountか悩んだ。メディカル・フィー?うちに勘定項目メディカル・フィーはない。

広告費Advertisementか?近いが違う気がする。ここはやっぱりメンテナンス・フィーだろう。支払先がドクターHoってのが引っかかるかもしれないが、うちみたいな小さなビジネスはそんなにツツキ回されることがないから大丈夫だろう。

うちの会計士スージーは税務署IRS上がりで、IRSの注意をひかないように申告書類を作れると触れ込みだった。そこそこ高かった。前年の決算書P&Lができると(ボットックス入りの)スージーにもっていって、スージーが2,3質問をして経費のバランスに特におかしいところがなければ申告書を作ってくれる。

オプションで監査Audit保険もかけた。50ドルだった。もし税務署の監査Auditが入ったとしてもおばちゃんが対応する必要は一切なく、もとIRS職員だったスージーが対応してくれる。安いじゃないか50ドル!

申告書を出した後4月5月はちょっと緊張する。
日系の北米掲示板で “ついにうちにもやってきましたIRS” などという書き込みを読むと、どきっとし、“10年に一回はスモールビジネスでも監査が入るんだよ。”という書き込みには、うちはそろそろなのか?と気が気ではなく、そういう季節にはよく日本で読んだ「じゃりン子チエ」を思い出すのだった。

チエの婆ちゃん:お好み焼き屋のおバアが税務署から追及されて、「ウソやおまへ~ん。ホンマどす」という絵面が繰り返し脳内で再生されるのだ。

この350ドルってなんだ?メンテナンス・フィーってなんだ?
顔面をちょっとメンテしました。ウソやおまへ~ン。ホンマどす~」

税務署にはツツかれず、ボトックスは無事通った。

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パン屋クリスの受難

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アイ子ちゃん、クレジット詐欺に会う

スキーに来ているアイ子ちゃんからLineが入った。
こんな請求が来ていてよく見ずに払ちゃたっんだけど、詐欺かな?使った覚えがないの。

HETSUDOSUPOACA-TSUSUTE-SHON NAGANO JP
Transaction Date 01/13/23 Posting Sate 1/13/23
$193.61
Begin region Purchase Mode CARD PRESENT

越後屋さんもヤキが回ったかもしれません。それは詐欺です
カードに電話をして支払いをストップして、それからDisputeを申し立てれば返ってくる。
アイ子ちゃんは、え~、でもオンライン・バンキングから払ったのに?

話がまどろっこしいので、電話に変えて越後屋さんを尋問する。
おばちゃん:この請求はメールできたのか?――違う。


アイ子ちゃん:オンライン・バンキングでこのTransaction請求を見たの。


おばちゃん:オンライン・バンキングで払ったというのは、銀行はWFか?――そう。
ではこれはやはりWFのクレジットカードなので、支払いはストップすることができる。
カード会社に電話してストップして、。

アイ子ちゃん:一緒にスキーに来た友達にも同じ文面で、でも違った金額で2回来てるって!

おばちゃん:ああ、それはもっと重大!
すぐカードに電話をしてカード自体キャンセルして。友達はLAXから同じフライトで成田について、行動はずっと一緒だった?

アイ子ちゃん:-そう。タクシーもホテルもレストランも同じ。

それは、マーチャントでカード情報を二人一緒に抜かれたか、あるいは空港でカードの磁気をスキミングして盗まれたと思う。すぐカードをキャンセルして、。

アイ子ちゃん:やっぱり、電話かけるの?
当たり前じゃん、カード会社のカスタマー・サービスは7 Days 24 hoursじゃない。(日本のカードはそうじゃないけど)

アイ子ちゃん:同行のお友達はオンラインで問い合わせるって言ってるけど。
そういう生易しい話ではないので、カードのエマージェンシーかLost & Stolen電話にしたほうがいい。

現役時代OCで一度、大規模なカード詐欺が発覚した。
スキミングされたか、それとも悪徳マーチャントがカード情報を流したか、カード会社の捜査が入って日系のドコソコが発生地だとうわさが流れた。どこのビジネスだったか特定名は流れなかったがおおむね事実であったようだ。

お客さんのクレジットカード情報は1年間事業所に保管せねばならない。
法律が緩かったころは、レシートに16桁のカード番号も個人名もすべて打ち出されたカードレシートが残るから、その保管方法はおばちゃんも悩んだ。

半年に1回ほどカード会社から売り上げについて質問が来るので、自宅に持って帰るのは不便だし従業員の目の付くところにも置けない。
クローゼットのロッカーにカギをかけて保管するしかなかった。

マーチャント側から、クレジットカードのプロセスを述べてみよう。
電子支払いはすべて同じように見えるかもしれないが、Transactionの信用度というのは実際のカードの取り扱いで違う。

どういうことかというと、
1)小売業では客は小売店に来て、店のカード端末で実物のカードを「スキャン」して払う。
2)オンライン・ショッピングでお客がオンライン上でカード情報とセキュリティ・コードを入力して払う。
3)お客が電話をかけて、口頭でカードナンバーを伝えてマーチャントが端末でプロセスする

以上のトランザクションは1)が一番信用度が高く、3)の信用度は一番低い。
信用度が低いとマーチャント手数料が高くなる。
だからおばちゃんは、確かな常連さん以外は電話でクレジット販売を受けなかった。

カードで売り上げが上がると、客に1セット、マーチャントい1セットレシートが残る。その日の最後にクレジットマシンからtransaction集計を打ち出してDepositボタンを押すとクレジットカード会社に売り上げ集計情報が送られる。日中のお客さんの個々のtransactionもその都度クレジットカードや銀行(デビット・カード)に通知されている。
次の日におばちゃんのビジネス口座に入金され、1か月後には集計のStatementが届く。

十数年のうち数回クレジット会社から、クレジット売上の調査が入ってきたことがある。
カード会社が郵便で 何月 何日 XXXX・XXXX氏の売り上げについて売り上げのカードレシートのコピーと、売上伝票のコピーを出せと言ってくる。

ロッカーのカギを開け、該当の月の伝票をとってカード会社にファックスか郵便で送る。
一度、XXX・XXXX氏から請求無効の申し立てDisputeを受けたので、売り上げ伝票とカードレシートのコピーとTransactionの詳細をすぐ知らせろ、proofを提出できなかったらこの売り上げは引き上げる。と通達があったことがある。

おばちゃんはXXX・XXXX氏を実によく覚えていた。
なぜかというと、常連のピーターと奥さんが連れてきて、本人は非常に無礼で尊大だったから。何を買い何を話し、同行のピーターと奥さんは何を買ったか、本人のXXXX氏はどんな服装をしていたか、など詳細にリポートを書いて伝票コピーと一緒にカード会社に送った。売り上げは引き上げられることなく、2度目と問い合わせはなかった。

XXXX・XXX氏がぎゃふんとうなだれてカード会社へDisputeを取り下げたのは間違いない。
カード会社の照会が来た時にちゃんとした販売証拠を提示できないと、カード会社は振込口座から強引に売上金額を引っこ抜いていくのである。
ということは、カード詐欺にあったと確信したらまずカード会社に電話をして支払いを止める。

楽天はこのプロセスがトロイ。
どれだけマーチャントと交渉したか、キャンセルの言質を取ったかなどの証拠がないと、支払いを止めてくれない。馬鹿な話だ

さて、アイ子ちゃんのカード請求の詳細を見れば、まず中華系かベトナム系のビジネス名で購入場所が北京、カードの使用状況は現場でカードの提示とある

アイ子ちゃんが北京経由で成田に来たとは聞いていないので、北京でカードを提示することは不可能であったはず。よって、これはスキミング・詐欺だろう。通報!

お財布にスキミング防止用のカードを入れておかなかったのか?
アマゾンで安く中国製が売っているのだが、。中国製のスキミング防止カードが中国人のスキミングツールにどれくらい有効なのか、ちょっと考えると面白いが。

おばちゃん?
もちろん防止カードを入れている。ついでにキッチンのアルミフォイルを3重に折って、お財布をくるむように財布の内ポケットに挿入してある。

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