時事から学ぶ正しいアメリカのビザ知識2

カテゴリEB1

おばちゃ~ん、Yahooの記事を見た?

ああ、松居一代の永住権か?

そう、EB1(イー・ビー・ワン)って聞いたことがないやん。

あれはおばちゃんも驚いた!何が驚いたかってEB1のカテゴリに驚いたわけでなく、EB1が最高クラス・ビザやってそんなものが自慢になるのかって、驚いた。(誰か最高やって思うのかそんなもん)

永住権は取ってなんぼ。

永住権を持っていて初めてアメリカで普通に生活ができるようになる滞在資格や。永住権はアメリカで生きていくのを保証する魔法のカードやない。格付けでもない。そこがスタートで、生き延びられるのかどうかは本人の能力次第。

とにかくEB1ってなんや?
イミグレのdescriptionを引用してみようか?
Extraordinary Ability
You must be able to demonstrate extraordinary ability in the sciences, arts, education, business, or athletics through sustained national or international acclaim. Your achievements must be recognized in your field through extensive documentation.

松居一代さんの感性はこの冒頭のExtraordinary Abilityの単語に反応したんやな。
あの人の過去のUtube活動は確かに、Extra-Ordinary(常道を逸したもん)ではあったが。卓越した才能Abilityと自分の頭の中では翻訳しているのやろ。

おばちゃんがいやらしく解釈すると、「科学、芸術、教育、ビジネス、運動選手」分野でExtraordinary ability卓越した才能を自国で持続的に発揮している人、ORまたは 国際的に認められている人にEB1の申請資格があるわけよ。

科学、芸術、教育、運動選手っつうのは学術雑誌、コンサート、国際会議、選手権などで成績や活動が、客観的に証明できるわけだから第三者にも明らか。

「ビジネス」というのはこれは選手権があるわけではなく、どちらかというとinternational acclaimで判断されているのかなと考えたりする。
松居一代さんは日本とシンガポールに会社を作っているから、この「または」のカテゴリかもしれない。

おばちゃん、見て!
2019年のイミグレの発表やで、EB1の発行数は39,471で、1年間の発行上限は40000やて。へ~

ほ~、年間4万人か、意外と発行されとんのやな。
中国人御用達しの 投資ビザEB5 の発行が9,085 で発行上限が9,940やから、EB5の方が狭き門やったりもするのか。まあ、EB1がプロセス最優先やから、早くでるやろうけど。

アメリカに住んどる日本人は、普通は国際結婚や会社の雇用をとおして永住権を申請するが、

この人はアメリカ人の夫がいるわけではなく、アメリカ人の父がいるわけでなく、この人を雇っている会社があるわけでなく、アメリカに”おいで”、って誰かがサポートしてくれるわけではなく、
何一つアメリカに縁がない人が正面切って、いきなりド~ンと正面玄関から「頼のも~」って入って来たみたい。

滋賀出身の近江商人の末裔だから、アメリカのビジネス社会で十分通用するんとちがうか?あの人みたいなタイプはごろごろいるで。ワニやバラクーダに交じって松井サラマンダーの活躍がみられるかもしれない。

でも、おばちゃん、あの人はシンガポールでビジネスを展開するって、移住したやないですか?シンガポールはどうなったんやろうか?

シンガポールの中国系は民族総商売人みたいやんか?

できん奴は淘汰されて、残って繁栄してるのは特に賢こうて、目先が効いて親戚と仲間でビジネスネットワークががっちり出来上がっている国と違うか?
松井さんは投資家としても国の制限がない広いマーケットで活動してみたかったんやろな。

でも、永住権が取れた後は、どのビザ・カテゴリで取れたかなんて誰もどうでも気にしてない。その後、アメリカでどれだけ才能を発揮していけるかが一番大事なんよ。

時事から学ぶ正しいアメリカのビザ知識

留学ビザ オラオラ編

高証明
学生ビザを申請するところからいってみようか?
留学斡旋サイトやアメリカ大使館の日本語のヘルプサイトがいっぱいあるからまず読んでおけよ。

サイトに書いていないことを、おばちゃんは教える。
いいか、アメリカの留学ビザというのはな「英語を学びたい」人のためとちゃがう。


はぁ?!なんて言うな、この間抜け。

アメリカ政府はな、英語=語学みたいなもんは、どこでもできる学問やんけ。そんなもん、自分の国でやれ間抜け。っちゅうポリシーを持っておる。

だから、留学の目的を「英語の学習」って書いたら、それだけで留学生ビザが出んぞ!
自分の学びたい分野を「宇宙工学」とか、「スーパーコンピューターの開発」とか、大きく書け。

それで、ガバメントに金は持ってますからアメリカで働きませんし勉強だけします。その証拠に銀行残高を見せるのさ。留学生は就労不可だから。最低200万はあるとこを見せんと。

あ~、それで圭さんが母親の元婚約者から200万都合してもろて口座の残高証明をとったんやな。

そうや。
残高証明がとれたら、金を引きだして返せばよかったのさ。見せ金にするって言ときながら、そのまま返さずにポケットにいれたから事件になったんじゃん。

ありがとう、おばちゃん学生ビザが出たよ。
エフ・ワンと言うんだよ。あんたに配偶者や子供がいたら、F2と言う。ビザカテゴリの名前。そのくらい覚えろや。

おばちゃん、このI-20ってなんや?

アイ・トゥエンティと呼ぶ。
あんたが学ぶ学校から発行される在籍証明みないなもんさ。絶対なくすなよ。学校の授業料を支払い忘れると、I-20 の更新ができずに学校から放り出されるからな、そしたらお前はイリーガルの不法滞在よ。お前のアメリカの滞在資格を証明する証拠。

おばちゃん、カレッジを何とか卒業できそうやで。
ちゃんとユニバーシティ/大学へランスファーして卒業せい。

おばちゃん?なんか、インターンができるって。

そうよ。インターンで実際の仕事の経験が詰める。ただし、無給だ。インターンを募集って、会社の募集広告があるから探せ。なるべく卒業した後にOPTH1Bをサポートしてくれそうな会社を探せ。そして、なるべくコネをつけい。

なんや、そのH1Bたら呪文みたいな言葉はやめて。日本語で言って。

エイチ・ワン・ビー専門職ビザ アメリカで就職して働けるビザ。就労ビザさ。 ビザカテゴリの一つよ、その位覚えてろや。
F1ビザの学生は卒業したら、本国に帰国するという前提でアメリカ合衆国がビザを発行している。そうやな!

はぁ、そうですぅ。僕は卒業したら帰国せなあかんのですわ。そやから先輩のYさんも帰国しはりましたな。僕はもう少しアメリカに居たいんですけど。そしたらなんかチャンスがあるかも。どうしたらいいですか?

そしたら大学を卒業する年に、OPT オー・ピーティーをイミグレに申請するのさ。

またでた、おばちゃん、呪文の言葉が!OPTってナニ?日本語で言って。

Optional Practical Training という。学校で学んだ同じ分野の業種で実際の職業経験をさせてもらうわけや。トレーニングよ。今、小室圭さんがLowenstein Sandlerでやってるべ?

イミグレ?ガバメントの

ガバメントのイミグレ以外に他にイミグレはない。あんたはF1学生ビザの身分だからだから、本来は就労不可のカテゴリよ。学校を通してイミグレに申請して働いてもいいですか?イミグレから”よろしい”と許可が来たら働ける。

給料はでますんか?
OPTは出るはず。正規雇用と同じかどうか知らんよ。どこの企業でアプライするかでも違うと思う。

そんなら、圭さんもイミグレに申請してLowenstein Sandlerにアプライしたんですか?

そういうことやね。ただしOPT期間は1年って決まってる。あんたみたいなcommunicationを専攻しちゃうと、OPTの延長は効かない。

小室さんはどうでっか?

あの人の専攻はLawなのでやはり延長はなし。1年ぽっきり。カシコの子の数学とかの4種類の分野だけ延長が効く。

でも、僕はcommunicationやからOPTの1年が終わったら帰国をせなあかんのでしょう?

そうや、だからみんなOPTのあとH1Bをサポートしてくれそうな会社を探すのさ。

そのH1Bって言葉もう一度説明して?

就労ビザさ。学生のあんたが一番取れそうなビザがHIB エイチ・ワン・ビー

永住権はとれんのですか?

はぁ?あんたみたいなcommunication専攻の役立たずに、いきなり永住権をサポートしてくれる企業があるかい?

おばちゃん~~ダメ?スリスリ。

あっか~ん。
なんでです?

あんたの大学の専攻とおばちゃんのビジネスの分野が違う。だからダメ。
おばちゃんはいっぺん、留学生を雇おうとしたけど、雇う側の企業もいろいろ面倒くさい資格と義務があんのよ。だからやらない。
だって、もう永住権を持ってる人や、アメリカ生まれの市民がより取り見取りで雇えるのに。なんでわざわざ留学生のために、イミグレ相手に面倒くさい手続きをすんのよ!

あ~、なるほど。そやからLowenstein SandlerやWindels Marxも永住権をサポートせんのですか。

そういうこと。

まぁ、万が一を狙って永住権=グリーンカードの抽選に応募することはできるけどな。こっちはほんとの宝くじ。

H1Bの話に戻って、僕がこれからOPTで働く会社がH1Bのスポンサーになったるわ、と言えば僕のH1Bもサポートしてくれるんですか?

あんたのOPT中の働きに感心して満足してくれて、よっしゃビザサポートやるわ、ていえばチャンスがあるな。
ただし、H1Bのスポンサーになるという企業は、おばちゃんが言ったように、アメリカでも限られていて、どこにでもあるわけではないぞ。

そんなら、どうやって調べるんですか?
H1Bをサポートする会社サーチがあるのさ。そこで企業名を検索すれば出てきた企業はH1Bをサポートしてくれるかも。

https://h1bgrader.com/states/new-york-ny

https://www.myvisajobs.com/Search_Visa_Sponsor.aspx

あ~、おばちゃん、大変です。
なんや、Lowenstein Sandlerって、H1Bのサポート企業と違うやありまへんか?

そや、気が付いた?ゲーリー森脇氏が属するWindels Marxも調べてみ?
こっちも、サーチに出てきませんわ。そうすると、この事務所もH1Bビザのサポートをせんのですね?
正解!
んでも、そんなら小室圭さんはOPTが終わった後はH1Bはどうするんですか?就労ビザに切り替えられへんやないですか?

そこはな、たぶん深~い戦略や。あの人は最初っから抽選みたいなH1Bを狙ってない。もっと確実な就労ビザを取るはずや。
なんでや言うと、H1Bビザはものすご~い競争が激しいんよ。毎年ガバメントがH1Bの申請開始って発表するとあっという間に人数枠が埋まるビザなのさ。

サポートの会社が見つかっても実際申請を出して、H1Bがとれるかどうか宝くじと一緒。
人数が増えすぎて、今はほんとに抽選になったのよ。第一次抽選、第二次抽選手ね。

ほなら、おばちゃん小室さんは、いや僕はどうしたらいいですか?

あんたの場合は、とりあえずOPTで申請するときH1Bサポートしてくれる可能性のある会社にまず応募する。そしてOPT1年の間に会社にH1Bをサポートしてくれるよう働きかけて、この会社はあかんと思ったら諦めて、日系雑誌の「ビザサポートします」ちゅう求人募集に片っ端から応募する。

運が良ければ、雇ってくれてH1Bか、ほかの就労ビザをサポートしてくれるかもしれん。
はぁ~、僕のチャンスはそれくらいですかぁ。

残念ながら、あんたは王子さまでないんで。

おばちゃんのおすすめ記事

さあ、寄ってってね。読んでってね。おばちゃんが面白い記事をお勧めするわ。

スカッと一発

ガレージの攻防

アメリカは何も持っていないベトナムに負けた。アメリカ人はそっぽをむきながらも渋々負けたことを認める。
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日系社会のピラミッド

西海岸でも東海岸でも日本人日系社会の構造というのは大体同じではないだろうか。ピラミッドの構成というのは下からこうなっている。自分探し。30代に入る直前から30代の後半まで、離婚組も多い。

タックス・リターン

トオル君はその時まだ未成年で学生だったから、TaxReturn/税申告はお父さんとジョイントだったと思う。
バイトのペイロールからごっそりひかれていた税金が戻ってきたと喜んでいた。次の年、アニメ関係であぶく銭を稼いだけど、お父さんに扶養家族になれと言われて、またタックス・リターンでちびっと税金が戻ってきた。

”夏には日本のコミケ行くんすから。航空チケット代を稼がないと。”
アニメグッズでおいしい思いをしたので、2世仲間と会社を作って日本のアニメグッズを輸入して売ろうという夢を見始めた。

トオル「おばちゃん、会社を作るにはどうしたらいいんですか?」
おば「個人会社だと簡単だねぇ。Retail License を取って、ビジネスネームを登録する。銀行口座はそれでできるから
物を売るの? 
「ふ~ん」
おば「それから、タックス・リターンはセールの額で違うからね。」
トオル「タックス・リターン?」
怪訝な顔のトオル君を見て、おばちゃんぴ~んと来た。

おば「あんた、所得税のIncome Tax申告だと思ってるだろう?」
トオル「4月にガバメントから帰ってくるやつでしょ?」

おばちゃんはチッチッチッと顔の前で人差し指を振り
「Wroooong! あんたは2つの勘違いをしてる。第一にIncomeタックスではなくて、Salesタックス/消費税よ。小売業だと消費税が発生するから。

毎月か3か月に一回タックス・リターン。第二にタックスを返してくるのがガバメントだと思ってるでしょう?

間違い!
消費税はもともとガバメントの物なの
それをガバメントの代わりに小売業が消費者から徴収して、ガバメントに返すReturnするのがタックス・リターンとアンクル・サム(古いな)は考えている。
自分の物だと思ってるから、消費税を申告しない奴、返さない奴はどこまでも追っかけてくるよ」

トオル君、ワンコがスカンクの屁を嗅いだように憮然としていた。おおかた、片耳で聞いたいろんな控除を使えば税金なんかへいちゃらと考えていたに違いない。Wrooong!

アーノルド

モールの前の管理会社のマネージャーはアーノルドと言った。汚らしい歯をした痩せたジジイで、スクルージはこいつがモデルだったのだと思う。

土曜日・日曜日になるとモールの裏を後手にひょこひょこ歩いていた。ジャネットによると土日はよくモールを見張りに来るという。ビジネスの中にはめったに入ってこない。

おばちゃんがビジネスを買うときに、モールの面接をしたのがこのアーノルドだった。
おばちゃんは面接用に作ったビジネスモデルのコピーを一部アーノルドに渡し、経営ポイントの3つの数字を説明していったが、アーノルドはろくに数字を見もせず興味が無さそうに傍らにうっちゃった。

面接をするだけでこちらは$200ドル支払っているのに。

面接の結果は2週間から3週間で知らせるから。とアーノルドとの会見は終わった。経済は好調でビジネス売買も盛んだったが、モール側のマネージャーがNoと言えば、売り手と買い手が売買に合意していてもテナントの売買は成立しない。

2週間たってもアーノルドからは連絡がなく、不動産エージェントにもコンタクトがない。向こうがもったいをつけているのは分かっていたが、売買を進めるにはこちらから連絡するしかなかった。

売り手も私もエージェントも3人そろってたまたま女で、売り手のオーナーがアーノルドに電話を掛けた。
「ヘイ、アーノルド。面接の結果はどうなの。私?私はテナントのミカコ(仮名)よ。3年間商売してるじゃない。忘れたの?」
するとアーノルドは新しい看板のイメージを今度はオフィスにもってこいと言うのだった。

管理会社のオフィスはすぐ近くだったのでアポを取って訪れると、くすんだオフイスの外には真っ赤なイタリア車が止まっていた。オフィスに一歩入ると、秘書とアシスタントがいるのにシンとして物音一つしない。

アーノルドとアポがあるのだがというと、秘書は怯えた目をしアシスタントはごくっと息をのんで、ボスは今グッドムードじゃないから。と奥を指さした。

アーノルドは一番奥のデスクにひっくり返り、なんとデスクに足を乗せていた。デスクの正面に来客用のいすがあるので、おばちゃんは椅子の背を引き寄せ座ろうとした。

するとジジイは「座るな!」と言ったのである。
来いと言ったのはアーノルドだ。私は聞き間違えたのかと思ってもう一度椅子に座ろうとしたら、ホームレスを追い払うかのように、座るな、看板のイメージを置いて出てけ。とシッと手で追い払われたのだった。

おばちゃんは憤然として出口に向かったが、秘書は知らんぷりアシスタントは下を向いたまま「アーノルドに逆らっちゃダメなんだよ」とささやいた。

この時の秘書はマリアとか言ったが、売買エスクローが開始した後に辞め、以後オフィスに電話を掛けるたびに違う名前の秘書が答えるのだった

アーノルドがさんざんもったいをつけてOkを出したときにはすでに7月に入っており、面接から2か月半たっていた。エスクローはオープンして、おばちゃんは会社の設立などで忙しかったが、突然アーノルドから電話がきて、テナントの補償金を上げると通告された。

理由としては、おばちゃんたちにビジネス経験がないことだと。エージェントだってエスクローがすでにオープンした後に、補償金を吊り上げるなんて、聞いたことない、と言う。

エスクローは売買金額で合意があり頭金もすでに支払われているから、ここで売買をキャンセルしても、おばちゃんの頭金は戻ってこない。絶対逃げられなくなってから、補償金を吊り上げてきたのは汚いやり方だった。

むろん、エスクロー会社だってそんな追加条件は聞かされていない。エスクロー書類は全部作成し直しになる。

アーノルドはEmailに答えないので、ファックスで秘書と何度もやり取りして追加の支払金額と支払方法を確認して、小切手で支払った。

その時までおばちゃんはパン屋のクリスがアーノルドにどれだけ嫌がらせをされたか、全く知らなかったのだった。

エスクローがクローズするまで、売り手のミカコとエージェントのタカコ(仮名)とおばちゃんの3人女はあれこれと連絡を取り合うことになる。

K国のマッサージビジネス

おばちゃんは、一時期同じモールのK国ビジネスに困ってしまったことがある。

いつものように最初はジャネットから噂を聞いた。新しくできたマッサージ・ビジネスがどうも怪しいというのだ。ジャネットだって立ち仕事で肩も凝るから、たまにはマッサージを受けたい。それで、ちょっと行ってみようと並びのテナントを覗いてみたそうだ。ジャネットが本気でマッサージを受けたかったのかどうだかと思うのだけど。

どうも入り口から受付への構造雰囲気が排他的。受付から後ろはドライウォールで天井から床まで仕切られていて、さらに内部にも通路が仕切られていて受付からのぞけないが、2つか3つキュービックがありそう。薄暗くて開放的とかWelcomingなムードではない。

待合室にすでに一人いたそうで、ジャネットが料金を受付に聞いていると、中から異様な雰囲気が流れてくるのだという。なんか、怪しいんじゃなくて、妖しい空気が。引っ返してウチに来るとほっぺたをピンクにしてな~んか変よ。あれはおかしい。

どうおかしいの?
普通のマッサージじゃないわね。Sexialな空気がする。
え~っ、この健全なモールでSexialなサービス??
そんなサービスを管理会社のロナルドとフレッドがよく許したね。
Sexialかどうか言わなかっただけじゃない?

パン屋のビジネスは朝が早いアメリカ人のために朝の7時からあけ、昼過ぎの3時にはもうドアを閉めて店に来る客はもういない。中では次の日のパンを仕込み、ベルギー人のパティシエが誕生ケーキやウエディングケーキを作っているのだ。夕方から夜にかけて、モールの雰囲気がけしからんことなってもパン屋の客は関係ない。

そのうち、夕方にモールの駐車場におっさんが乗る車が増えてきた気がする。マッサージやの右隣は洗濯屋で6時を過ぎるとあまりピックアップの客もいなくなる。左はメールサービスでインド人のマイクが一人いるだけ。

嫌だなぁ~。K国人のオーナーはテナントの誰にも開店の挨拶をしてこなかったので、名前もわからない。そのうち、女の名前と電話番号だけのサインが幹線道路からモールまで2~3本道路わきに突き刺してあった。

電話番号で検索をかけてみたら、モールのマッサージ屋でドンぴしゃ。
さらにビジネスサーチでとんでもない書き込みが引っかかった。なんと、アメリカ人のおっさんがこのマッサージ店の入店料金から、Extraのけしからんサービスの値段まで紹介していたのだ。

マッサージ嬢の名前はXXXXでフレンドリーな彼女の手を取って自分のXXXに、、なんて念を穿って書いとるんだわ。XXXのサービスはチップで50ドルあげればやってくれるよ。

何してくれとんねん、健全なモールで。この書き込みを読んで変な客が増えたらどうしてくれるん?
書き込みは一人じゃなかった。おばちゃんはページのURLを管理会社のフレッドに送って何とかすべきと言った。
するとフレッドはK国マッサージがどんなビジネスを展開しているか規制する気はない、と言ったんである。

さよか?
この健全なCountyではSexialサービスは違法だと思ったが、あんたが何もしないならポリスに通報するがよいかと書いたら、どうぞと返事が来た。

おばちゃん、これを書いた今、もしかしてフレッドにしてやられたのではないかと気が付いた!
私にポリスに通報させて手を汚さずに摘発させ有無を言わせぬ証拠を作っておいてから、モール側のポリシーに違反したとしてビジネスを追い出しにかかる。

くっそ、ユ〇ヤの悪知恵よ。
ローカルポリスにリポートをしたあと、しばらくしてマッサージやのオーナーが変わった、またK国だが、。閉鎖的な玄関はリモデルされて、健全なマッサージ屋に生まれ変わった。

今度のオーナーは50近くのおばはん韓国人で、リーマンショックで客が減ると、ビルの周りを歩いきながらぶつぶつ言っている。
あんた、何してんのさ?と聞くと
この店を買うのに大金をだしたのよ。一体どうしてくれるのよ。独り言をいいながらビルの周りを何週も歩くのだった。
知らんがな。

ガバメントが使うフォント

おばちゃんがコンピューターを教えついでにフライヤーや看板のデザインで小遣いを稼いでいた時、Photoshop とIllustratorがあっても、デザイン素材とフォントは必要不可欠だと痛感した。

アメリカの商業デザインはスポーツ業界に使われるフォントとか、エンターテインメント業界用のフォントとか
フォント自体に用途別のイメージがあって、おしゃれなブティックの看板に間違ってもPlaybillなんて使わないのね。
逆に言えばPlaybillをタイトルに使えば、学校のスポーツのお知らせとか学校の催しものだとかすぐわかるわけだ。フリーフォントも色々あるから、ダウンロードしてデザイン時用にストックしておく。

さて、Helveticaというフォントがある。
印刷業界に革命を起こしたフォントと言われ、その端正なフォルムは公文書にも多用される。例えばアメリカ政府とか。州政府とか。

移民局、労働局、税務署、州政府などがHelveticaを使うわけだ。
もちろん、太字、斜体、ライトなど様々な変形があるので、例えばカリフォルニア州税のTaxReturnフォームがすべてHelveticaが使用されていることは、普通の人はあまり気が付かないかもしれない。これらのフォントセットはむろん購入できる。

おばちゃんは、毎月消費税を州政府に申告し納めなければならなかった。
今はオンラインだけど、ビジネスをスタートしたときは申告フォームが「紙」だった。
紙のフォームは当然おばちゃんが数字を書き、それも売り上げ、税抜き売り上げ、税、州のローカル税%税金額など、電卓を片手にポチポチと(5)から(1)を引いて
(6)に記入し(8)にトータルを書く。(8)と(3)の数字が違ったら計算が間違っているのだ。

計算が合っていたら控えにコピーを印刷する。日本の年末調整みたいな書類が毎月あるのだと思って。たかがフォーム一枚記入するのにおばちゃんの昼寝の時間が潰れるのである。

電卓で計算するのが面倒くさくて仕方なかった。そこで州のフォームをじっくり見たのである。あら~?全部Helveticaだわ。太字にライトがあるけれど。

そこでおばちゃんは知恵を絞った。計算が面倒くさい、Excelを使えばいいんじゃね?フォントはHelveticaで、用紙はLetterサイズで。ガバメントのフォームの余白は0,5インチと大体決まっているのだ。

おばちゃんは州税フォームを作った。本物の紙の上に自作を重ねて、下からライトで照らすとテキストボックスの枠の太さだとか、長さに微妙なずれが分かるので、修正していけばいい。

お昼寝を何日かつぶして完成した。印刷したExcelシートを本物の上に重ね下から光を当てるとフォントもフォームのコラム線もピタリと重なった。お~ほっほ!

Excelシートには最初の税込み売り上げ数字をタイプするだけであとは自動計算する。2枚印刷して1枚はウチのコピー。
毎月の消費税申告は1分で終了した。本物の申告用紙はフォントに歴代コピーずれがあって汚い。
おばちゃんの方がよっぽどキレイ。

ネットで底引き網

WordPressもまだ存在していなくて、サイトの丸ごとコピーが簡単にできた時代の話。

モールの管理会社からテナントはガチョウか羊のように扱われてとことん搾取されてて憤懣がたまってくると、
なんぞないかなと思ったりする。

最初は管理会社の名前を検索し、B2B用のSNSのリンクをたどっていってローランドの子会社や別会社を見つける。管理会社のウエブを丸ごと底引き網で取り込んでみる。取り込んだファイルをじっくり調べると面白いファイルが見つかった。

おばちゃんも時々やってたが知り合いに何かファイルを送るとか、相手のITスキルが低いときにナンだカンダと指示するのが面倒で、つい自分のサイトにUpしてここにあるから見てねとか、ここからコピーしてねとか言ってしまう。
誰もプライベートのファイルに興味はないだろうし、Upしたままサイトのファイルは消すのを忘れてそのまま残っていたりする。

多分管理会社のウエブのファイルもそんな過程で残っていたのだろうけど、おばちゃんには十分面白かった。
何故って、そのファイルは不動産管理のマニュアルだったのよ。

多分業界のセミナーなどで使われるテキストだったのだと思う。ローランドもフレッドも業界の30年選手だったから。

モールのテナントを選ぶ時の基準とか、.com企業の見るべきポイントとか(たいていは選ぶな!)弱小テナントとパワーテナントの契約条項の違いパワーテナントを増長させない手法とかいじめてテナントを追い出そうとする場合、仕返し(retaliateって書いてあったわ)されないように気を付けるポイント。とか。

おばちゃんは、ほ~んと思った。つくづくテナントを家畜扱いしてるよね。人間扱いをしてるのは、パワーテナントだけかぁ!隣のパン屋やイタリアンも弱小テナント扱いかよ。腹たつわ~。

ふと、ロナルドが扱いに気を付けるようなパワーテナントってどこだろう?と思ってしまった。

底引き網資料を調べると一番でかい物件モールは大小 120店舗のビジネスがあり、その中でも一番でかいビジネスは「スーパー」だった。

誰もが知ってる南カリフォルニアのあの高級スーパー。このスーパーのマネージャー相手なら、ロナルドもヘイこらするのかしら。
「また、雨漏りかよ。うちは高級品を売ってて客層も一番いいんだ。雨漏りがするようなビルを貸しやがって、イメージを落としたらどうしてくれる? はよ修理せいや!」
修理メンテ担当のフレッドがすっ飛んで行くのかしらん?このパワーテナントが出ていくからとゴネたら、ロナルドもフレッドも真っ青だお!

おばちゃんは、楽しくなってマニュアルの作成者名を管理会社の名前に、形式主語をWeに書き換えセミナーを思わせるようなセンテンスを削った。
すると、テナントならだれが読んでも腹を立てて憤慨する高圧的な管理会社の裏マニュアル文書が出来上がった。

社内の裏文書が間違ってスーパーに送られたら面白そうだが?そういう間抜けな秘書もアメリカにいっぱいいるしぃ。
でもおばちゃんは秘書じゃないしぃ、ここの会社のレターヘッドは超!特殊だしぃ。

この会社のレターヘッドはフォントも特殊なので、多分ロゴのデザインはMacだ。
紙はナント!透かし入りの高級紙!で繊維が長くもったりと和紙のような重量感がある紙。会社のロゴはエンボス加工で浮き出しなんだよ。
金かけやがって。

こんな細工をする印刷会社は周囲100マイルでも限られてるから!おばちゃんはとりあえず裏マニュアルを完成して、すこしうっぷんを晴らした。

高級紙でレターヘッドをデザインする

高級紙でレターヘッドをデザインしてみたい!と、ふと思った。ヘッジファンドが投資状況をクオーターごとに富裕層顧客に報告するような重厚感があるレター。

まず、紙を探すんだ!
透かし入りの高級紙!で繊維が長くもったりと和紙のような重量感がある紙。
紙を透かすと打ち込みに紙モデルの名前が透けて見えるようなそんな紙。

大きなショッピングモールに紙専門のショップができたからって、勇んで乗り込んでみても、コンテンポラリーな最新IT企業が使いそうなブルーグレーやモーブのインテリジェント、シャープな感じの紙があったりする。
でもこれじゃないんだね。
もっと古風でアメリカの昔かたぎの感じがする固い会社のイメージがほしい。

すると、意外にも高級文房具を扱う文房具屋さんの片隅に売られていたりする。そっか、昔から営業している老舗だもんな。同じ製品モデルのラインでサイズ10の封筒も買っておこう。

次はフォントね。
見本にしたいようなサンプルレターを高解像度でスキャンして取り込んでみる。で、オンラインで似たようなフォントを探す。Adobeやフリーフォントにも捜索範囲を広げて探してみる。

似たようなフォントがあったらセットでダウンロードして。一文字だけ似ていても、セットで見るとハネや止めの太さが違うのがわかるからね。スキャン画像の上にダウンロードしたフォントで、同じ文字をタイプして見よう。

フォントの幅や文字間隔が変えられている場合があるから、ちょっと伸ばしたり太字にしてみたりつぶしてみたり、背景のオリジナルのフォントとぴったり重なったらビンゴ!だ。やっぱり思った通りマックだ。
マック標準搭載のフォントじゃねぇ?
このサンプルのフォントが好きだからねこれを使うことにしよう。

レターはフッターもあるからフッターのフォントも探そう。こっちはそんなに凝ったフォントは使わないはず。
ただのHelveticaだわ。フォントが見つかってラッキー。

フッターのインクの色、これはどうしようもないのよ。印刷屋さんが使っているインクセットと市販のプリンターインクの色は違うから。
何回も印刷してサンプルと比べて色を調整していくしかない。プリンター・インクは印刷したてと、乾いてからは若干色が変わるから、乾燥した時を想定して色を調整してね。

黒はましなんだが、気取ったブルー系の色インクは難しい。でも、見る人が還暦近くだったらあんまりわかんないかも。1ミリ角の文字だし。

肝心のロゴはサンプルの左右上部からの実測してキャンバスにとりあえず置いてみよう。
色は気にしなくていい。だって、エンボス加工するんだもん!

重厚じゃない?また印刷してみる。そいで、サンプルの上に自前の紙を載せて下からフラッシュライトで照らしてみよう!
ぴったり合った?
この瞬間好き!ぞくぞくするよね。

もう一度サンプル印刷をして、あとは高級紙とファイルと一緒に印刷屋にエンボス加工を頼むだけだ。

なに!嫌だ?在庫の紙でしたい?エンボス加工なんて面倒くさい仕事は量がないとダメだぁ?
お前ら根性ねぇな。この芸術的なぴったり合った職人技術の傑作をエンボス加工で仕上げしたいと思わないのかよ。
ダメだ。アメリカの印刷屋は根性なくて。

ペニー・セーバーと詐欺師

たぶん全米だと思うのだが、Penny Saverという広告雑誌があった。今もある。
企業広告、クラシファイド、個人の「売ります・買います」などが一冊にまとまったフリーペーパーだった。1ペニーでも安いものがいい、安けりゃなんでもいいというしみったれ、訂正 価格に敏感な人が見る広告紙だった。

おばちゃんがビジネスをスタートして、しばらくたったころ、急に貧乏風アメリカ人婆さん軍団が増えたことがあった。ぺらぺらのワンピース、でっかいプラスチックのネックレスきつい香水。客単価は最低に近かった。

日本人顧客からはペニーセーバーに広告を出したのね。頑張ってねと言われた。
ウチの客層とは違うので、ペニーセーバーに広告を出す気は全くなかったのだが、客によるとウチのビジネス・リビューが載っているのだという。
それでか!
おばちゃんはふに落ちて、でも安くて下品な客が増えては商売にならんので、この雑誌には近寄らないようにしようと誓った。

それからしばらくして、知らない相手から小包が届いた。請求書(Invoice)も入っていた。宛名は間違いなくウチだったので、開けてみると壁にかけるプラーク(盾)が出てきた。プラークには例のペニー・セーバーの記事が物々しくはめ込んである。プラーク自体のクオリティは悪くないのだが、ペニー・セーバーの記事はアメリカ人記者の間違い知識が書いてあり、ウチとしてはこんなものを壁に飾っては笑われてしまうのである。

そして、次の週だったか小包と同じ差出人フロリダの広告会社からまた請求書が来た。
こっちは:プラークはオーダーしていないこと、記事の内容が正しくないのでプラークの受け取りは拒否することを書いてフロリダの会社に送った。

また請求書が来た。ご丁寧にOver dueのピンクの紙に印刷してある。会社に電話をかけて、オーダーしていないこと、支払わないこと、引き取り拒否することを言うとハイハイと言って電話が切れた。

今度はウチのファックスに請求書が来た。”止めろ”とこちらからファックスを送り返すと、さらに請求書ファックスが来た。

プラークは店に飾れば客寄せにもなるから、普通のビジネスオーナーは根負けして支払うのだろう。ただ、おばちゃんは絶対払うつもりはなかった。知り合いの弁護士に相談すると、Better Business Bureau 略して BBBに訴えればいいという、タダだし。

オンラインのクレームフォームを記入しておばちゃんのクレームはオープンした。BBBは民間のビジネス・トラブル仲裁機関だ。トラブルが発生したら相手のビジネスにクレームをファイルし、BBBが双方の申し立てを開示し最終的な判断をする。

フロリダの会社は反論をポストした。それによると、X月X日午後7時半ごろおばちゃんのビジネスに電話をし、プラークの紹介をしてオーダーを受けたのだという。
その証拠に、会社の電話明細にはウチ店との通話記録が載っている。とおばちゃんは、かっと頭に血が上った。確かに、金曜の一番忙しい日の一番忙しい時間に電話を受けた。ウチは、電話では何にも契約せんよ。記事は間違っているから要らんし、と言った記憶がかすかにある。

おばちゃんは、再反論するあんたの会社の電話明細にウチの電話番号があったとしても、それは私がオーダーしたという証拠にはならない。と返事を載せた。

すると相手は、X月X日午後7時半にわが会社はそちらのオーナーXXXミカコと会話をしたのは間違いない事実である。彼は間違いなく商品をオーダーした。と

おばちゃんは、その瞬間勝利を確信した。何故ならオーナーのXXXミカコはウチの”前の持ち主”で、おまけに彼「He」ではないからだ。

名簿会社というのはたぶん全世界にあるのだろうが、ウチが営業を開始した後も、なぜかウチのビジネスは前オーナーの名前のままになっており、それが依然としてデータとして売買されているらしい。
なぜわかるかというと、ウチにその間違った宛名のDMがしょっちゅう来るからだ。

フロリダの会社もペニー・セーバーにはオーナーの情報が載っていなかったので、名簿会社から買ったのだろう。ところが、オーナーの名前は間違っていたのだった。

おばちゃんは、再度反論をポストする。アンタがオーナーXXXミカコと話したというのは間違いないか?

フロリダ:間違いない。
おばちゃん:残念だね。ウチのオーナーの名前はXXXミカコではない。それは前オーナーである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:XXXミカコは前オーナーで現在はサン・ディエゴで新規ビジネスを展開している。サンディゴのビジネス・エンティティで確認されたい。最後にXXXミカコはFemailである。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:貴社から送られたプラークを保管している。至急引き取られたし。引き取りに来ぬ場合は保管料を請求する。
フロリダ:・・・・・・
おばちゃん:保管料はらえ!

おばちゃんは完全勝利して、溜飲をさげたのだが、このあと、さらに後日談がある。

1年かそこらして、フロリダの検察局から手紙が来たのだ。この広告会社に対するクレームが多く、検察は捜査を開始したが、ウチの会社はどんな被害を被ったか、あるなら詳細を知らせよ。と.

おばちゃん損害0である。
プラークは大掃除かなんかの時に捨ててしまった。

パン屋クリスの受難

ウチの隣のパン屋のクリスはオーストリアの出身で、重たい英語を話す痩せたとっつきにくい男だった。ジャネットがおまけで付いているパン屋を、前のオーナーから買うと、ペストリーだけでなくカスタムオーダーの誕生日ケーキやウエディングケーキで売り上げを伸ばした。

私が朝、コーヒーを買いに行って商売の愚痴をこぼすと、

:業者のデリバリが午後にあるはずだったのに、来なかったんだよね。
クリス:It’s nomal
:車の中がぐちゃぐちゃなんだよね。
クリス:It’s nomal
:もう、忙しくて家のことをやる暇ないのよ。
クリス:It’s nomal
:寝る暇がない
クリス:It’s nomal
:ねぇ、クリスあんた一体いつ寝るの?
クリス:After retire

このクリスは、モールの管理会社のイエスマンだった。7年前にパン屋を買った最初のころに、管理会社のマネージャーだった業突く張りのアーノルドに、マネージメントについて軽く文句を言ったら、とことんいじめられたのである。
そ~れはもう、猫が栄養失調のネズミをなぶるように。

テナントを買収するときは、モールとのリースを買い取るという意味でもある。
リースの残りが短ければ、店舗の評価額は安くなる。買収してから自分で新リースを取得しなければいけないからだ。新リースを取る場合、大抵家賃は値上がりすると覚悟した方がいい。

クリスがパン屋を買ったとき、リースはほとんど終わろうとしていた。新リースはすぐもらえるとクリスは考えていたのだが、相手は人品卑しいアーノルドだった。

入ってきたばかりのクリスに意見されてヘソを曲げたアーノルドは新リースを拒否したのだった。契約書にあるMonth to Month月毎・契約に移行できるという条項を逆手にとって、マンス トゥ マンスでなんと7年も引っ張ったのである。

疲労困憊してゆくクリスなすすべもなく見守るジャネットある日、パン屋に大家その人が現れて、受難の日々は終わった。

クリス自慢のクッキーを無料でサービスして、アーノルドの無法をせつせつと大家に訴えたのである。な~んにも聞かされていなかった裕福な地主2世で現役の弁護士はアーノルドに新リースをくれてやるようすぐさま命令したのであった。

クリスはこの教訓を身に刻み、以後アーノルドだろうが、ローランドだろうがフレッドだろうが、管理会社のいうことにはなんでもYes 月末にテナントでは一番に家賃を送るのであった。

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