ハンバーグは何料理

試しに Hamburg Steak と英語で検索をかけてみると。

検索結果:
生肉のタルタルがドイツに紹介されると、いろんなスパイスを加味して焼いてハンバーグステーキになり、それがドイツ移民とともにアメリカに入ったとか、検索結果:ハンバーグというと”焼いていない生のパティ”という意味。

あれ?と思うかもしれない。
アメリカでは牛肉100%のバーガー・パティは冷凍でも生でもスーパーでいくらも売っているが、アメリカ人はパティを焼いて誰もおかずとしては食べない。焼いてパンにはさんでバーガーとして食べる。
なんでか?
ハンバーグの検索のページをもう一度見てみよう。

Why is Hamburg steak popular in Japan?
Hamburg steak or hambagu became popular in Japan in the 1960s because of it was a more affordable way to serve meat by mixing it with other ingredients,,.

なんで日本ではハンバーグが人気なんだ?(お高い)肉が手に届く値段で食べられるように混ぜ物をして、、ハンバーグという料理になった、、

ハンバーグはアメリカ料理じゃなかったのか?!
そうなんです。
アメリカではハンバーグ・ステーキという料理はまずない。日本のハンバーグがアメリカで食べられる所は、アメリカの日本洋食レストランか、もしかしてドイツ系移民の家庭か。

それでも、どうして?とと思うあなた。アメリカの牛肉は安い。日本で食べる魚より安い。豚肉を混ぜなくても、パン粉で増やさなくても肉が食べたければ牛肉100%のステーキ肉をそのまま焼けばよい。牛ひき肉にしちゃったらパンにはさむものなんだよ。

カリフォルニアロールはカニカマ

おばちゃんはある日、金髪の若いお兄ちゃんに日本人?って聞かれてそうだよと答えると、切羽詰まった様子で質問された。「本物のカニでできたカリフォルニアロールが食べられる日本料理店を知らないか?」

いきなりの質問で面食らったが、アメリカンの聞きたいことはよくわかる。何故ならたとえ日本人が経営する純粋の寿司屋でもカリフォルニアロールはイミテーションクラブミート(カニカマ)をマヨネーズで和えてカリフォルニアロールを作るから。高い店はカニ缶を半分くらい混ぜるかも。

この若い兄ちゃんは、カリフォルニアロールが好きで、もし”本物のカニとアボカドだけ”で出来ているカリフォルニアロールなら、きっと比べ物にならないほど美味しいのだろうと思ったに違いない。だから本気で探し回っているのだ。

残念ながら、当時お兄ちゃんの願いをかなえるお店はOCにはなかった。
懇意のすし屋でなじみになって、スペシャルオーダーが頼めて、キングクラブがある時で、さらに寿司シェフがYesといえば、作ってくれる可能性はないわけではないが、一口10ドル、一人前$50はくだらないだろう。

純粋日本人にしてみれば、いい新鮮なカニがあるなら、カリフォルニアロールみたいな”ゲテ物”にせず、そのままカニを味わえる調理法で食べない?と思う。
おばちゃんは、そんなことをお兄ちゃんに説明してもわかってもらえないと思い、素直にNo such restaurants.と夢をぶった切った。

アメリカでハンバーグがないのは、いい肉ならステーキで食べるからだ。
わざわざミンチにしてパン粉と卵をいれて嵩マシマシにしなくてもそのまま焼いてうまい牛肉を食べればよい。いい蟹はカリフォルニアロールにしないのと同じ。

この前、テレビで人気高級ハンバーグ店のオーナーが、これはA5ランクの肉なんです。とせっせとA5をミンチにしていておばちゃんは、ちょっと唖然とした。A5ならそのままステーキで旨いよ?あたし、ステーキでいいし。

ん~、ただ、日本人の食欲というか料理道とか探求心とかこだわりとか粘着質とかが、日本のハンバーグ・ステーキを嵩マシの救荒肉料理から、完成された別の天体に仕上げてしまった。
アメリカ人に食わせれば大抵うまいと言うと思うが、豚肉とパン粉を混ぜるのはやめてほしい。

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