DNR 救命拒否

Do Not Resuscitate 救命拒否
おばちゃんは左胸にDNRと入れ墨をしようと思ってことがある。アメリカの医療費が高いからだ。

半端に救命措置をされて植物状態になって、あるいは後遺症が残って家族に莫大な金銭的・精神的な負担をかけてしまう場合があるからだ。だから一旦心肺停止の状態になったら救命措置をしないで欲しい。

その為に胸にDNRの入れ墨をする人がいる。おばちゃんはリビングウイルを用意してあったけど、いつも身に付けているわけではないので、病院用に入れ墨を入れることを考えていた。

実行することがなく日本に帰国したけれど、日本のドクターはDNRを尊重してくれるのかしらん?日本語で検索すると余命が限られた人のリクエストみたいに定義されているんだけどなぁ?

本家だといついかなる時でもDNR。余命?病気?まったく関係なし、心肺停止はいつでも起こる可能性があるわけだから。その時に蘇生措置をしないでくれ、という本人の意思。

言い換えれば、蘇生するチャンスがどのくらいあるか医師に決定してもらわなくて結構。本人が心臓が止まったらそれでいいのでさわらないでね。と言うこと。

もし、DNRを無視して蘇生措置をすれば100%訴えられる。裁判でも病院には勝ち目がないだろう。医師だって半端に救命してしまって後で告訴されるリスクを犯すより、何もしないほうが楽だと思うのだけど。

おばちゃんはショッピングモールの面接のときにリビングウイルを用意しておくように言われたので、それまでの手書きの遺言書を弁護士で法的に整ったものにして、隣のパン屋のジャネットとクリスに証人としてサインをもらった。

何故なら数年前、悪しき例をみてしまったから。ある日本女性が仲間とビジネスを始めしかし、リビングウイルも何も用意していなかった。ある日事務所で急死してしまった。

リース契約や名義はすべて彼女一人の名義で離婚して子供もいなかったので、彼女の死で何もかもが凍結された。ショッピングモール側でものすごく困った。物件のリース契約も凍結されて動かせなくなってしまったからだ。

結局、裁判所の裁定を1年待ち処理ができるようになった。と言ってもアメリカに身寄りがないので、別れたご主人が始末をした。もし、彼女が救命で心臓だけ動いてしまって植物状態でもなっていたら怖ろしく厄介な事態になっていただろう。

いつだったか母が、人間いつまで生きられるか分からないが、今日死んでもいいという日は無い。と言っていた。

そうかな?と思う。
おばちゃんは人の言うことも聞かずやりたいことをやってきて責任も自分で取ってきたつもり。今パタっと心臓が止まったとしてもそれなりの人生だったと悔いはない。

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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