ポルシェを買う

おばちゃんがポルシェを買うわけがない。おばちゃんもダンナも根っからの庶民である。身の丈を知っているので、たとえ軽なみに安かったりしてもポルシェは買わない。「腐っても鯛」は信じない。
腐ったら鯛は食えないから買ってはイカンのである。鰯でいい。

ある時、ウチの女の子が「お話があるんですが、」と切り出した。この「お話があるんですが、、」というやつが一番どきっとする。いい話であったためしがない。給料日の後だと、金額が間違っていたとか?まさか辞める相談ではなかろうかとどきどきする。

「実は相談にのっていただきたくて、、、」
「ポルシェを買ったんですが、」
え?
「ポルシェを買ったんですが」
えっ、
「あんたがポルシェを買ったぁ?」

おばちゃんはこのやっと二十歳を過ぎた女の子が、何を言っているのかさっぱり分からなかった。「実は人に頼まれて、ディーラーでポルシェを買ったんです」ナルホド、そういう話か、、。で、?

BMWもそうだがポルシェもヨーロッパから正規代理店を通して日本で買うと高い。アメリカで新車を買いオーナー登録をしてから、中古車として日本に輸出すると、正規輸入よりぐっと安くなる。ポルシェのカイエンが日本で800万代になる。

同じ名前のオーナーが日本に何台も輸出すると、目を付けられるので、車の登録をしてくれる名義人が必要だった。数百ドルで名義を貸してくる間抜けな学生が必要だったと。

で、あんたが食いついたと。代行業者が輸出手続きを済ませて、車を日本へ送り出した後、州のDMV(自動車登録局)からあんたにポルシェの自動車税を払えと通知が来たから困ったって?

でもポルシェは売って、名義はすでに変わったと主張しても、DMVはでは名義が変わったという証拠を見せろと、。業者に連絡しても返事がないと、。
やれやれ。

色々調べるとDMVが税金をこちらの名義人に請求して来るということは、車の登録証はまだ変更されていないということで、手元に残っていたピンクスリップか登録証なしでは日本での売買ができない。

業者もやっと気が付いたようなので、登録証は絶対渡すな、税金分の金を支払えば、売買契約書のコピーなどの証明書類と引き換えに送ってやると連絡をしろと。ぐずぐずいう業者をがんという態度を見せて事態は収束したのであった。

アメリカの車事情

アメリカ人の懐事情は車で一番わかる。ウチの女の子が男と付き合うときは、相手の男がどんな車に乗っているか、しっかり見ろと教えていた。

身の程を知らず無理をして家を買い、キューキューしてローンを払っているアメリカ人なら、車にはとても手が回らない。車を見れば、懐具合を図る目安になる。家を買う前のまだ若い世代ではどうか。BMWに乗っていたら要注意である。何故か?

BMWは日本で買うより、アメリカではず~っとお手軽価格になっている。ベンツやレクサスにとっても手が届かないけど、気分だけリッチになった気がするBMWはぴーぴー言っている貧乏世帯にも何とか手が届く。
な~んちゃって外車なのだ。

新車のカローラとかビッツより安かったりすることもあるのである。身の程知らずの見えっぱりに引っ掛からないように、おばちゃんは教えるのである。

ちなみに、金持ちになると車はどうなるか?世帯収入が20万ドル(2千万以上)前後が一番ベンツやレクサスに乗って見せたがるようだ。

1億を超えるような本物のセレブの場合、事情は変わる。どこにでもあるようなバン、見てくれは普通だがカスタム仕様でバレット・プルーフ。強盗と誘拐が一番怖いからだ。

おばちゃんが実際知り合ったのは、自宅はプライベート・ビーチ付きの55億
(当時、今はたぶん2倍の100億くらいだろうか)。車がトヨタのエスティマで(どんな装備が施されているかわからない)自宅には専属メカニックが住み込んでいた。

mikie@izu について

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。
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