米国で暮らして衣類で困ったことは、下着だった。パンツがでかすぎる。
おばちゃんの身長はアメリカでも中の上で不自由しなかったが、お尻はアメリカ人の広大なヒップには及びもつかない。黒人のおばちゃんなど、腰のくびれはしっかりあって横にもさらに”後ろ”にも張り出していて、まっすぐ立っていても腰の後ろにテラスができて缶コークの一本でも置けそうである。
90年代の初頭は小さなアジア系が少なかったので、下着もSサイズは見つけるのに苦労した。
困って子供用を試してみたことがあるが、おしりの頬っぺたはよいのだが、ウエスト部分が狭すぎた。
子供サイズと広大な大人サイズの中間がない。日本人の先人に聞くと、アメリカ人の女の子は子供だと思っていても、ある日突然大人の体サイズになるのだという。本当かぁ?
本当でもウソでも、中間のティーンサイズはなかった。おばちゃんはポンと手を打ち、そうだアジア系が多いリトルサイゴンでも覗けばちょうどいいサイズがあるのではないか?
おばちゃんはリトルサイゴンまで遠征し、香港製のパンツを発見したのであったが、10年ほど倉庫で寝ていたのではあるまいかと疑うほど古臭いデザインで、「下ばき」とでも言いたい代物であった。
燃えよドラゴンに出てくる中国人娘が身に着けていてそうなパンツ。その後、時勢にそってビクトリアン・シークレットがアジアサイズを売るようになったので、不自由はなくなった。
日本に帰国してからは、下着ではないボトムのパンツに不自由している。おばちゃん、足が長いのですべてのボトムがちんちくりんである。
トールサイズのお店に行けば?といわれたが周囲50キロにはたぶんトールサイズ店舗はない。面倒くさいのでおばちゃんは、オンラインでアメリカ人サイズのボトムをオーダーしている。