洗濯ライフ

おもちゃを買ってしまった。
ミニ洗濯機

現役時代は仕事が終わった日曜日の夜に洗濯をした。日本でも週一に洗濯をするつもりで大型洗濯機を選んだのだったが、東芝ザブーンは11Kgまでの洗濯容量があって洗剤を入れてスイッチを押せば乾くまで何もしなくてよい。

ところが日本の夏は蒸し暑い。汗をかく。庭仕事でも着替えるので洗濯物がたまる。11キロ分たまるまでバスケットに置いておくと野良着がなくなってしまう。庭仕事用は上下3セットではとても1週間には足りない。こまめに洗わないといけない。毎日家にいるのでタオルや布巾類も毎夜に洗いたい。

ザブーンはいったん蓋を閉めてしまうと、タオルを追加したくても、乾燥まで時限付き金庫と同じ。すべてが終わった3時間後にタオルを2枚だけ新規で洗うとか水と電気がもったいないのではないか。

それでお風呂やキッチンカウンターに置いて洗濯をできるようなミニ洗濯機があるといいなと思っていた。リサイクルショップではほとんど見たことがない。この間、また洗濯機にタオルを入れ忘れて、やっぱ少量で洗える洗濯機だな。

で、メルカリで買ってしまった。
届いたら「ミニ」という言葉だけでスペックを見なかったおばちゃんの失態が明らかになってしまった。
おじちゃんが受け取ったのはちょうど大型扇風機が入る位の段ボール。
しまった、そういえばTシャツが6枚まで入るって書いてあった。キッチンカウンターには乗らないだろう。

事実を直視するのが嫌さにその晩は玄関先に段ボールを放置した。次の日の夕方、おじちゃんがしびれを切らして段ボールを開けリビングに洗濯機をぶら下げて(片手でぶら下げられるほど軽かった)持ってくると、若干小さく見えた。縦横35X35高さ50センチくらいか?

どうやって使うのだろう?マニュアルはついていなかった。本体には洗濯・すすぎと時間タイマーがある。付属のホースと内かごがついていた。
ホースというからには水道とつなぐに違いない。ところがキッチンの蛇口の口径と合わないので浴室で使うしかない。

浴室の水道につないで給水する。本体から排水のパイプが垂れていてそこから水がじゃあじゃあ出る。水が出てしまっては洗濯できない。

その光景がおばちゃんの頭脳のどこかを刺激した。
60年前くらいの洗濯機は確かこんな風にホースを倒して排水した。排水したくないときはホースを上向きに本体に引っ掛けるのである。するとサイフォンの原理で水は溜まる。

そこからは早かった。洗剤を入れタオルとおじちゃんのTシャツを入れてタイマーを15分に回すと、ゴンゴンと回り始めた。一丁前に洗濯機である。ミニ洗濯機。楽しい。
おじちゃんも面白がって覗いている。
15分経つと止まる。音もしない。

さて、次はすすぎである。昔のおばちゃんの実家は、井戸水と水道の両方があって井戸水につないだナショナルの洗濯機はホースを横倒しに排水したまま、井戸水からは水を流しっぱなしにしてすすぎをしていた気がする。


この山の水道代は高い。
渇水のカリフォルニアより水道代が高いのである。
昔山を開発するとき町が水道の施設費をうんと吹っ掛けたらしい。とっくに施設費の償却が終わっても水道代は高いままである。山に住みたいなら高い水道代を払えるんでしょ?というわけか。

資源と水道代を考えるとざあざあと水を流しながらすすぎをするべきではないな。脱水しすすぎを2回くらいしてから5分くらい水を流して手打ちとする。

次は脱水である。
60年前の洗濯機は脱水機能が付いていなくて婆ちゃん達は衣類を手で絞っていた。
その後圧縮ローラーが付け加えられた。ローラーはキッチン・ラップの芯より若干直径が太く長さは40センチくらい。そのローラーを2本並べて、隙間に洗濯槽から引っ張り出したおとうちゃんのステテコなんかの端を突っ込んで、ローラーについたハンドルを手でぐるぐる回すのである。
そうするとステテコがのしイカのようにペッタンコになってローラーの反対側から出てくるのであった。水切れが悪かったりすると、もう一度ローラーに突っ込んむのである。子供のころおばちゃんには面白かったが、ハンドルを回すのは力がいってなかなかの労働だった。

ミニ洗濯機は圧縮ローラーより発達した遠心分離機方式の脱水が採用されていた。洗濯槽から水を抜いた後、付属のかごに衣類を戻し洗濯槽にいれてまたスイッチを入れるとかごが回転して水けを切る、多少、ココロモチ、気休めに脱水。衣類はまだ重たい。どちらかといえばサラダの水切りにいいかもしれない。

ただ!このミニ洗濯機はゴンゴン動く。
浴室の洗い場は若干傾斜がついていて水平ではないので余計に踊る。跳ね回る本体を両手で抑える。餅つき機に転用できないか?

とりあえず洗濯過程は終わったので、改めて東芝ザブーンに入れて脱水と乾燥をする。少量の乾燥でふわふわに仕上がったが、たたむときに気が付いた。おじちゃんのTシャツが白い。
ドラム式洗濯機には「汚れが落ちない」という書き込みがある。もしかして本当かもしれない。

結局、野良着のジーンズは大きすぎて入らない。下着とタオルの洗濯には使いやすいかも。水は意外と使うかも。洗濯という行為を純粋に楽しむことができる。それなりに大きいミニ洗濯機の仕舞い場所はどうするか。今のところ役にたつのか失敗なのか評価がつけられない。

追記、

今日は爽快な天気で涼やかな風があって汗もかかなかった。おじちゃんは玉ねぎの植え付けや大根の種まき、桜の木に毛虫がついたというって作業していて大汗をかいたよう。シャワーを浴びて着替えてもリビングにやってこない。どこにいるのか探したら洗面所からゴソゴソと音がする。
洗面所のドアを開けたら、ミニ洗濯機を両手で抑えているおじちゃんがいた。
水平な洗面所でもこの洗濯機は脱水で踊るようだ。

アメリカ製家電

アメリカに赴任して家具と家電は会社が用意してくれていた。Kenmoreとの遭遇である。
冷蔵庫
Sears製ブランドKenmor冷蔵庫は何というか一言でいえば「冷蔵する箱」であった。
こざかしい機能は何一つついていない。チルド室何それ?卵用ラック?なし。箱ただの箱。

一番下には24本入りバドワイザー段ボールがすっぽり横でも縦でも入り、ガロンのミルクボトルがドアラックに2本入る。3度の引っ越しについてきて在米中一度も壊れなかった。今でもきっとどこかで動いているのではないか。

2度目の引っ越しの時に発見してびっくりしたことがあった。
引っ越し屋さんに運んでもらって新しいアパートのキッチンに仮置きしてもらったときに、後ろ向きに置かれていた冷蔵庫の裏板は妙に波打っていた。

不思議に思って近づいてしみじみ観察してみると、板だと思っていたパネルは紙だった、段ボールを押し固めたような厚紙。それが何年か経って劣化して、ゆがんできたわけ。それでも破れているわけでもヒビが入っているわけでもなかった。冷蔵庫の裏なんて誰も見ないから材質が何であろうと気にしないから。

厚紙の裏板には不安になって、もしこの冷蔵庫が壊れたら同じものを買い替えるのにいくらかかるか?とシアーズに行って同じようなモデルを調べたら600ドルだった。キリでもなくピンでもない普及品としてのモデル。

細やかな機能も細やかな仕切りも全くついていなかったが、質実剛健で冷蔵する箱として壊れることもなかったしアメリカの食生活を支える箱としてとにかく不自由が全くなかった。壊れればもう少し機能がある新モデルに変えてもいいのだがとにかく壊れなかった。

日本のテレビ番組やCMは見られたから日本の最新冷蔵庫の情報も知ることができた。
日本の冷蔵庫はいろいろついているらしかった。でもKenmoreで困ることがなかったのよ。

ライフスタイルが違うからだろうか。買ってきたものを痛まないように保存して、残ったものを保存して。バドワイザーを1ケース買ってすっぽり入るのに毎回よくできてるわぁ、と感心したものだ。

日本に帰ってきてさて家電はどうすると考えたとき、質実で十分と思った。別に親切で繊細な機能はいらないのよ。おばちゃん、アメリカ化してがさつになちゃった?

お刺身なんてその日に食べるし。野菜室も普通の箱で十分。それでいまでも困ってないし。今うちで動いている冷蔵庫は中古で7000円だった。七万ではない七千。全然役に立ってる。

掃除機
アメリカの掃除機は、うるさい、重い、コードが絡む。
ダイソンが出てくるまでは基本1960年代のアメリカ映画に出てくるフーバーからあまり進化していなかったと思う。

ヘッドにブラシはついているが見てくれだけで回転はしないし、曲がらないヘッドと柄は重たいし、本体も重くて持って階段を上がると思うとうんざりする使い勝手の悪さ。
そのうえ音がうるさい。クローゼットを開けただけで猫が飛んで逃げるほどうるさい。

コードは巻取り式ではないので、使うときはまず本体にぐるぐる巻いてあるコードをほどき、柄に沿わして手元まで引き伸ばし、それからよっこらせと肩にかける。そうしないと長くて重いケーブルが掃除機の車輪に絡んで取り回しが厄介になるから。
いいとこなし。

ただし、カーペットクリーナーだけは他に置き換えができない役に立つ家電だった。
乾燥したカリフォルニアではオールシーズン使えたが、中西部から東海岸ではどうだったか知らない。

カーペットとは汚れるものだ。玄関からリビングからキッチンからベッドルームへの動線はけもの道のように、毛足が寝て薄汚れてくる。3ケ月に一回くらいシャンプーするといい。

カーペットのクリーニングをするには専門業者のサービスを雇うか、それともカーペットクリーナーを買って自分でやるか。業者の2回分の費用でクリーナーが買える300ドル前後。

まず水が入るタンクが掃除機のヘッドに乗っている。
電源を入れると水もあったまり、クリーナーの持ち柄のレバーを引くと、掃除機のヘッドからカーペット洗浄液が噴霧される。で、ヘッドから水流がでてブラシが回転してカーペットをシャンプーし、バキューム機能で吸い取られて水タンクに戻る。タンクの中の水はみるみる濁り、カーペットの汚れを吸い取っていくのがわかる。

むろんシャンプーして洗ったカーペットは濡れているが、カリフォルニアなら朝洗って、夜にはそこそこ乾いている。カーペットの色が一段明るくなる。

帰国する時に上げてしまったが、日本ではちっちゃいシミ取りスポット・クリーナーしかないと知って、しまったぁと思う。

洗濯機
これはいろいろ言いたい。
自宅にはKenmoreの洗濯機・乾燥機がついてたが、これも壊れなかった。

Kenmoreの洗濯機と乾燥機は先代のオーナーから家ごと買い取ったもんで、それまで動いていたのをいれると20年故障なしで動いていたと思う。日本の業者さんが大手の洗濯機でも部品保障は10年。10年後に部品が壊れたらもう洗濯機を買い替えるしかないんだって。どうしてそんなに壊れやすいの?


アメリカの水は硬質で洗剤が溶けにくいから、洗濯機はボイラーから配給したお湯で洗うことができた。お湯を選んで洗剤と漂白剤を入れてゴンゴン回すだけ。汚れ?落ちるよ。取り出して、乾燥機に入れる。50分回せばデニムでも毛布でも乾く。

日本の東芝ドラム式ザブ~ンはもうきめ細やか。何を洗いますか・おしゃれ着ですかニットですか?何回すすぎますか?あんまり細かすぎて面倒くさい。

Kenmoreは16年間繊維くずをとった記憶がない。東芝君はフロアマットを洗ったら、排水フィルターに繊維が詰まって排水がうまくいかなくなり、おばちゃんは混乱して3回も洗濯サイクルを繰り返して脱水ができなくてパニックになった。

結局排水フィルターが細かすぎてマットの繊維が詰まって排水ができなくなってたよ。ポカポカ赤い警告ランプがつきっぱなしでどうしていいかマニュアルを調べ、機体下についている排水フィルターを開けたとたんに床に水があふれた。とっても洗濯機が繊細。2回やった。

乾燥機は、デリケート、ニット、毛布などのいろんな区別があって、1時間半乾燥機を回しても毛布は乾かない。シーツは標準乾燥で縮むだけ縮んだので布団にかけようとしたらどんぶりにラップをかけた状態になった。嘘やおまへん。

何年もアメリカで使ったコットンシーツが、ざぶ~んの標準乾燥で縮んでしまったのだ。

ツイン用の敷シーツが、軒並み太鼓に張った皮みたいに敷き布団がそっくり返って使えなくなってきたので、ニトリに行って新しいシーツを買った。シーツのサイズは式布団210センチにぴったりのサイズを買った。

この敷き布団マットというのはニトリでベッドを買ったとき、お客様は背が高いですから敷き布団は210センチにしたらどうですか?と言われてうっかり買ってしまったマットである。

ベッド自体が200センチなのにマットだけ210センチを買うことがおかしいのだが、とにかく買ってしまって配達されたときにありゃ?と思ったのだが、アメリカ製のツイン用の敷きシーツはフィットしたのだ。最初は。

んで、洗濯乾燥をするたびにすべてのシーツが縮んで、敷き布団にシーツをかけようとすると、ついに太鼓に皮を張った皮状態になってしまった。

おばちゃんはむかついた。
東芝製のざぶ~んに腹を立て、210センチの敷き布団に腹を立て、一体どう始末をつけたらよいか?新しいシーツを買っても乾燥のたびに縮むのである。
大き目のシーツを買うか?いやである。横幅はぶかぶかになるから。

では、マットを買い替えるか?ごみ捨ては日本では大仕事である。買って2年しかたたないの200センチに2人分買い替えるのも面倒で出費に腹が立つ。いまさらながら、なぜ210センチだったのだ。それでおばちゃんは決意した。

マットを切ったのである。
マットの下端をカミソリで切り開いて、中のワタを10センチ分切って捨てマットの皮だけは余るから内に袋縫いで縫い込んだ。問題解決。ベッドにも合うサイズになってむろん縮んだシーツもフィットするようになった。

あ~、やれやれ。機械が繊細で融通が利かず華奢なのは困るわぁ。
ニットだとか毛布だとかいろんな設定があるくせに一番耐久性があるコットンが縮む。設定らしい設定もないKenmoreの乾燥機が50分で乾いて縮みもしないのに。

昔から思っていたのだけど、日本製の家電というのはいらんものがありすぎる。
無駄な機能を排除してほしい。シンプルで頑丈で十分。

これぞ中心パーツというのを標準化すれば30年経っても部品は共通ってできるでしょう?消費者が本当に欲しいものを作ってほしい。壊れにくい自動車を作れる日本人が30年もつ洗濯機を作れないはずがない。


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