医者はサービス業

学校の成績がいいから医学部を狙うという。ちょっと待て!
頭がいいから医者になるのか、日本では?医者はサービス業だよ?

医療サービスmedical servicesを患者に提供して報酬を得るのが医者.患者という人間に直接サービスを施す職業なので、Emotional Jobでもある。アメリカでも多分ヨーロッパでも分類はサービス業だと思う。

頭のよさもさることながら患者に奉仕する精神に欠けていれば医業にはふさわしくない。ハーバードメディカル・スクールでも確か入学の課題エッセイの出来が大いに物をいったはず。

考えてみればいいじゃないか。人間の心と体は機械でもなく化学物質でもない以上病気は理数計算で処理できないから。
学校の成績がいいからと言って医者を目指すのは間違っている。頭はイイケド指先が鈍感な人、頭はイイケド応用が利かない人頭はイイケド人の立場に立って考えられない人、みんな患者が迷惑する。

頭はイイケドぶきっちょが医者になってしくじったらどうなるか?アメリカの医者が患者から訴えられる率は日本と比べ物にならないくらい高いのである。医療過誤で訴えられたときにカバーする保険の掛け金が
値上がりして15年ほど前の時点で1月$7000ドルなどととんでもない金額になり、いくら稼いでも保険料で消えてゆくと、医師を廃業するひとが出始めたとABCニュースで放映されたりした。

HMO医療保険に加入している医師は患者から訴えられないので一時期HMO保険に鞍替えする医師もあった。

個人でクリニックを開業している医師は丸裸だ。
医療過誤保険だけが頼りである。一旦訴えられたら、自分を守ってくれる所属病院や所属医療ネットワークがないないからだ。

アメリカの医師は病気の症状を軽く言わない。もし悪化したら医師のせいで訴えられる。重く言って軽く済めば医師のおかげ。DNR救命拒否なのに半端に心臓マッサージで脳死患者ができちゃったら、一生OnCallで働いても賠償金が払えない。

そういう社会であったから医師を志す人は、使命感と目的をもった人でないと、頭がいいだけでは務まらない。日本の社会もそのうちそうなるのではないか。

How can I help you today?
「今日は何をさしてもらいまひょ?」「どうしました?」と診察室に入ってくるアメリカの医者に慣れてしまって、(全員ではないが)おばちゃんは日本のドクターに大いに面食らうことになる。

アメリカのクリニックは診察室は複数あって、医者が患者の待つ診察室に入ってくる。日本のクリニックは、一つしかない診察室に医者が待っていてそこに患者が訪れる。こんにちはと言うのは患者のほう。

なんだ~この上から目線?と。相手もなんだ~この患者?と思ったかも。

ついでに弁護士もサービス業だ。Legal serviceおばちゃんはローカルの市民相談でしなびた里芋のような弁護士を発見
し、なんだ~この弁護士?相手も、なんだ~この相談者?とビシバシとガンを飛ばしてくるので、バシバシ跳ね返しておいた。

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