インドカレー

アメリカのインド料理屋ではどうして、ボールを出してくれないのか?とず~っと不満だった。

ラッシーというあのヨーグルトが好き。日本料理のお手皿のような銀色のちっちゃなボールにラッシーやデザートをよそう様になっていたのだが、おばちゃんはカップでもいいのでごくごく飲みたかった。塩味でさっぱりするじゃない。

アメリカのインド料理はほとんどバッフェスタイルで、そうでない店はあまり流行っていなかった。おじちゃんはこの食べ放題が大好きで、カレーが好きだったのもあるのかも。

ガーリック・ナンもお代わりがいくらでもできたけど、ナンはおなかに貯まる。
サラサラのジャスミンライスも好きなので、お代わりのナンを残さずに食べるといつも食べすぎになるのだった。

客の3分の1は常にインド系の客で、本国のお客も通う店なのだから水準程度の味ではあった。タンドーリ・チキンも食べ放題だが、骨付きをナイフとフォークでさばくのはなかなか面倒で手がだるくなるので、紙ナプキンでドラムスティックの足を包んでむしゃむしゃ食べる。

アメリカ人のテーブルマナーは日本人同じようなものなんで、手づかみでチキンを食べても目をひそめられることはかなったし、何よりインド料理は手で食べるのではないか?

ただし、おばちゃんは何十年とお店のお客を観察したけれど、インド人のお客ですら手でコメとカレーを
すくっている人がいなかった。アメリカナイズされましたって、ことなのか。まぁ、フォークの方が手が汚れないし。

何十年と通って、いつも同じおっさんのウエイターが、アイスティーとガーリンクなんだろ?とOk,Okとオーダーを受けた。おっさんは何年通っても、ぜんぜん年を取らないように見えたが、インド人は老けにくいのかしら。

代表的カレーはチキン。辛いのと辛くないの。マトンのカレー。豆のカレー。それとチーズのカレー。
おばちゃんは辛くないカレーと小さめのはんぺんみたないな大きさのチーズが入ったカレーが好きだった。
それにグリーンのちょっとすっぱめの漬物みたいな味がするレリッシュをちょっとかける。ラッシーをボールが小さいので2皿よそって、まずラッシーを片付けて次にタンドーリ・チキンに行く。

おじちゃんは早くもチキンの骨で皿の上にこんもりと山を築いており、それでもアメリカ人の骨のピラミッドよりはかわいらしいものだった。カレー味のジャガイモが入ったサモサもかじってみるが、野菜よりやはり肉。

チキンカレーをサラサラ米と一緒に流し込んで、皿のカレーをガーリック・ナンですくって汚れをとって、お代わりのチキンとマトンのカレーをよそいに行く。おばちゃんはもう満腹でデザートのカクテルフルーツが入ったヨーグルトで〆める。

ランチがカレーの日は、夜もおなかが空かない。軽くスープか果物で夜を済ませておしまい。夜寝るまで、指先にはカレーのスパイスの匂いがする。

日本に帰ってきたら、セブンのバターチキンがうまい。少し甘すぎるけど。ナンも妙に甘いのがあるけど、あれはどうしてだろう?

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