海外に住む心持と日本国内に住んでいる心持と何が違うか?というと、一つには
「その国の成り立ちと政府に自分は責任を感じない」ということがある。

アメリカ政府アメリカ国内でも政治の腐敗、特権階級の横暴やりたい放題は確かにあった。醜いスキャンダルも報道もされた。同じNBCのニュースを聞いて憤慨するアメリカ人の友人と永住権を取って住まわせていただいていたおばちゃんとは大きく感想が違ったのである。

汚い奴はどの国にもいる、だがニュースで報道されるそいつらを野放しにしたのはおばちゃんでもおばちゃんの先祖でもなく代々のアメリカの国民たちがなしてきた所業と歴史の結果なのである。

おばちゃんは関与してない。だから気が楽だったのである。だから無責任でいられたのである。

日本は遠かった。日本の社会の悪事や社会の腐敗が報道されてもピンとこないほど遠くて実感がなかった。

帰国して以来、今生きている自分の社会のニュースは心に入ってくる。
同時に自分の生まれた国、自分の先祖たちが作ってきた国と歴史、その直系の血が流れている自分を自覚すると、ただ恥ずかしさと責任感と罪悪感を感じて気がめいってくるのである。こんな国に誰がした。
クリントンのスキャンダルに軽蔑は感じても自国の恥を思ったりみじめな罪悪感からは無縁だったのに。

帰国して以来アメリカでは感じたことがない日本への責任感を感じるのである。
Reditの掲示板に書かれていた ウイスコンシン州の無試験弁護士資格についての書き込みを思い出す。Their laws reflect the level of justice that is being served。
その国の政府のレベルは国民の程度と釣り合っている、という言い回しも思い出されるのだ。

従順で長いものに巻かれる封建的な日本の血と慣習が日本と日本の政府を作ってきた。国民が政府を作ってきた。超優秀な国民から超愚かな政府が生まれたわけではないのだ。国民のレベルと政府のレベルは釣り合っている。

我々国民のレベルで持てる政府はせいぜいがこれくらいなのだろうと。 おばちゃんはこの間から憂鬱なのだ。

源泉徴収と年末調整でピンハネされてしまう税金の使い方を国民は監視もできず一般人となった元特権階級に毎月じゃぶじゃぶと注ぎ込まれているのだ。こんなことを誰が許した。

昨日読んだ掲示板には「給料日前には食事が単色になってくる。色付きの食事は高い」との意味の悲しい書き込みがあった。昭和の20年代の話か?
もう何度目にしたことだろう「終わりだよ。この国は」という書き込み。
「結婚の意味はあるか?」去年の出生がたったの80万人であったこと。
日本の若者が絶望している、悲しい。若者は日本の未来なのに。

公務員上級試験や外交官試験によって、日本の最高学歴で試験ができる優秀な人材が特権階級化して、無能な一般国民の上で自分たちに都合のよい専横政治をふるっている。この特殊階級は選挙でも、いかなる方法でも国民からの審査・信任を問われることがない。

中国で「寝ころび族」が発生する理由も同じだろう。若者が絶望しているのだ。気持ちはよくわかる。特権階級が国民の税金を好き勝手出来るのは、そうさせる国民あっての話である。

その国民が志を失い無気力になって「手帳を持っているから生活保護の申請に通った!」と書き込んでうらやましがられたりする。悲しいなぁ。

絶望するなら海外に行っちゃえと思う。
3年死に物狂いで働いて資金をためて(人の金を引っ張るのは詐欺師か盗人だ)留学生ビザを取って留学しよう。努力をすればその分認められる国がある。

大昔に読んだ学術雑誌の記事には、記憶が不確かだが、移民を出す国の平均知能指数は移民によって0.000X%(この数字は確かではない)だか低くなるという。
国を出ようという自発意思のある人物はテストの点数が悪くとも潜在的能力があるのだろう。移民を出す国の活力は0.0000X%ずつ衰えるのだ。

アメリカがノーベル賞の獲得数がトップであるのと、最新技術の発明国であるのは常に流入する移民の活力のおかげである。アメリカはそれをよく知っており、優秀な人材は受け入れてくれる。
STEM Science, Technology, Engineering, and Mathematicsは国の宝だと大事にする。

優秀な人材を「官僚」にしてしまう日本の国力が衰えるのは当たり前だ。優れた知能だから基礎研究に充てるべきなのに。優秀な頭脳が流出して二度と日本に戻ってこないのも国の在り方のせいだ。
大人としておばちゃんは国の在り方に何もできずSNSで発信するだけの無力感にさいなまれて深く憂鬱だ。

若者が日本で絶望した海外に出てみてくれと思う。援助は何もないし未来はいつも真っ暗だが自由に呼吸ができる。外国の政府に責任感を感じることもないぞ。

:移民はアメリカの活力の元だが、日本にとってはそうではない。
自国民の優秀な人材を育てられない国が外国人の有能な人材を活用できるわけがないのだ。優秀な移民が食い荒らしに来る。移民はバカではない。移民に広く門戸を開けばC国人に乗っ取られるだけだ。C,K、V、Jと戦ってきたおばちゃんが言う。
危険なのは健康保険だ。高額医療限度額制度の穴をふさげ。外国人に食い荒らされてしまう。


mikie@izu

海外在住何十年の後、伊豆の山に惹かれて古い家を買ってしまい、 埋もれていた庭を掘り起こして、還暦の素人が庭を造りながら語る 60年の発酵した経験と人生。

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  • 私が思っていた事と同じです。ズバッと書いて下さって気持ちが良いです。嬉しいです。

    で、思いました。M子も日本には未来が無い、息がしたいと日本を脱出しなのでしょう(笑)
    M子がどんな人と結婚しようが、どんな生き方をしようがどうでも良いのです、税金と特権さえ使わなければ。
    自由民主主義国家だと騙されている国民が気の毒です。この国は正に社会主義国です。

    日本の皇室の形、政治の形を一度壊さないと、昔からの利権の上にふんぞり返っている輩や、日本国民の意識も変わらないでしょう。これらが変わらないと腐敗は続くし、日本に未来は無いでしょう。
    でも日本人は闘えない国民性ですので、このままズルズルといってしまう様な気がします。

    私も再び米国に住むことを考えています、もう一度息がしたいのです。

  • 日本の責任を、どうして取ろうとしないのですか? 無責任に生きることが「自由」だなんて! M子さんを責める資格、ないのでは?
    ブログで、日本のどこがおかしいのか、どうしたらいいと思うのか、教えてくれたらいいではないですか?
    アメリカに帰りたいと思うのは、ただただ無責任になれるからですか? 社会のことを考えなくていいからですか?
    どうして若者に、外国で無責任に生きろ、とけしかけるのですか?
    日本の子どもには、外国でもきちんと社会に責任を感じて生きていく若者に育ってほしいと私は思います。

    • 私はアメリカに帰らないです。
      帰ってきた母国を死ぬまで見ますね。
      日本を変える力が欲しいと思いますよ。
      カッパ知恵袋でも同じことを言っていましたね。
      自分でできることは発信することだけだってそれが悔しいって。
      おばちゃんはずっと言いたいことを書くと思います。
      国の政治を変えられないが、読んでくれる人の心持なら少し変えられるかもしれない。

      変えるべきことは、官僚と政治家と市民の手の届かない密室の中で行われている政治。
      だから国民に何か行われているかわからない。これを変えないといけない。
      学歴テストの点だけで官僚が登用されるシステムを変えないといけない。
      国民の監査請求とか情報の開示請求とかの権利をもっと強化できるようにしなければいけない。
      クリントンのスキャンダルにわたしは責任をとれないですよ。

      今絶望している若者をつぶしちゃいけないです。
      とりあえず息ができるところで生かす。
      環境が変わると生きられます。
      戻ってくる人は生きる力をつけて戻ってくる。
      どこの国で生きるというよりどうやって生きるかなんです。

  • 記事のアップ有難うございます。

    欧州のある国で音楽家として活躍をされ、現地の方と結婚された方を訪ねたとき「この国で生活する一番の魅力は何ですか?」と尋ねたことがありました。その方のお返事は「老後まで安心して生活ができること」でした。年月が流れ、翻って「国の福祉が立ちいかなくなっている」とのお便りをいただいた時のショックはとても大きいものでした。今、世界が疲弊しているように感じます。多くの難民を受け入れてきた欧州で繰り返されるテロや活動家が先導するデモや暴動。米国でも銃の乱射などが象徴する差別と格差の拡大。飛ぶ鳥を射落とす勢いのはずの中国はいずこへ??世界のどこを探しても「幸せのおとぎの国」は存在しません。それぞれがその国ならではの痛みと、その国だからこその良さを併せ持って人々が日々暮らしている。「日本のパスポートなの?うらやましいわ」と、海外の空港で「日本国の信用」に守られる有難さを意識させられたことも。若い人が希望を持てない社会であってはならず、研究者の卵や未知の分野を切り開こうとする人たちが資金面で苦しむことは少なくしたい。志ある官僚が過労でつぶされることのないように・・思い願うことも多いです、政治信条は様々なのであえて抽象的ですが、未来を見る目と今を見る目・・・より良く賢く変えていく知恵が必要なのだと思います。勿論、外から日本を見つめ直すことも意義のある事かと。

    移民に関するmikie様の考察は大変鋭いと感服いたします。

    • りんどうさん、
      りんどうさんが仰った欧州の方のお話はとても興味深いです。私は現在欧州の某国に住んでいますが、そこまで欧州の国の福祉が立ち居かなっていて、人々の生活が困っていると言うのは聞いていません。どこの国も財政はぎりぎりのところなんでしょうが、今のところ国民の生活はそれによって変わってはきていないように見えます。

      仰ったように、多くの難民を受け入れてきた国々で活動家のデモや暴動は確かに多いですね(テロは労働デモとは全く別のの問題なので分けるべきだと思います)。労働関係のデモで車が焼かれたり、お店の窓が壊されたり、デモに対して催涙ガスが使われたりとかありますよ。けがをしたり片目を失ったりする人もいました。でも、街中で起きている事ではないので避ける事は十分に可能で、普通の庶民は、それにより他の国に移住したいとは思わないでしょう。最近の欧州の労働デモは所謂「壊しや」が参加していて酷い事になっているのですが、元々あるその労働デモストライキに対する考えは少し羨ましいです。このようなデモがあったからこそ、この国の人たちは夏に一か月バカンスに行けるのですよ。子供が生まれたらサポ-トが多いから、多産なんですよ。農民だろうが、店員だろうが、タクシー運転手だろうが、医者だろうが、皆自分の幸せのためにがんがん主張しているようです。この国は今や王室はないですが、政治家のお金の使い方についてもきっちりチェックしているように見えます。

      仰るように、日本は本当に安全でよい国なんですが、反面、海外は活動家のデモが多いから、そのような事が無い国の方がいい国と言うのは、少し違うと思います。

  • 私も若者が留学するのは賛成です。留学でなく、漂流でもいいし、駐在でもいいし、最低2.3年は海外で暮らしてみる事。それによって、日本の良いところも悪い所もクリアに見えてきたりします。

    日本だけで暮らしていて、毎日仕事に追われ、人との付き合いに追われ、家ではテレビのお笑い番組やワイドショーの垂れ流し、で日々が過ぎていくと、まあ、こんなものだろうと思ってしまうんですよね (これは私の個人的な経験です)。日本は経済大国で、もっと貧しい国が多いのだし、私たちは世界の中でまだましな方だと思っている人が多いのではないでしょうか。それは大きな勘違いだと思います。

    2021年度の世界幸福度報告のランキングによると、日本は56位で、1位はフィンランド、2位がデンマ-クだそうです。フィンランド、デンマ-クについては、ああ、そうかもしれないな、と思ったりします。例えば、王室のある国で、オランダとかベルギーにしても、日本よりもず-っと小さい国ですが、その暮らしぶりはとてもいいようだし、王室の事も国民はきっちり監視してうまく機能しているように見えます。日本はこれからどうすればいいのか、と言うのはとても大きい課題であり、ここで語りつくすことはできませんが、兎に角、若者が安心して赤ちゃんをどんどん産めるような国、優秀な人が残ってくれるようなサポ-トや給与レベルを構築するべきではないでしょうか。それから、最低2週間連続の休暇を誰もが取れるように。底辺の人たちに対しても、もっと寛容に、住居も提供できるように。派遣業者が中抜きをしているなんてしている国は他にあるのでしょうか? このシステムって、まるでポン引きですよね。。

    このような状況なので、971庁や皇室に対してももっとチェックを入れるべきだと思います。情報はきちんと公開し、説明するべき。皇室特権を使いたいなら、学習院の中で留まるべき。NY夫妻についての警備費その他の費用について、明細を出すべき。色々と挙げていくときりがないですが。。もっと、日本国民と皇族の間でオープンな話し合いの機会がもてたらいいと思うんですが、無理でしょうね。

  • 春子様

    私の拙いコメントを読んでいただいて有難うございます。

    労働者の権利は、故・犬養道子氏も自身がお住まいだった国の例を出して、「どのような職種であれ夏のバカンスを楽しむことができる」と記しておられるのを「なんとうらやましい」と、読んだ記憶があります。今でこそ状況は変わってきていますが、当時の日本では「バカンス」は「贅沢」と同義語だったのかも知れません。また、研究者のサバティカル制度にも驚いた記憶があります。おそらく歴史を含め市民権の捉え方が違うのだと感じます。実際にお住いの春子様は身近に実感されることが多いのでしょうね。大変勉強になります。

    当然ですが、納税は義務であると同時に権利でもあります。私たちも税の使い道に関してより良い方向になるように声を上げていくべきなのでしょう。旧態然とした宮内庁の改革と国民との対話もとても必要なことだと思います。

    自国の福祉の行く末を案じておられた方は、音楽と祖国日本・居住国を大切に思いながら年齢を重ね他界されました。日本で暮らした期間より遥かに長い時間を過ごした国に対する個人の一つの感じ方・危機感であったのかと思います。

    mikie様
    春子様へのお返事に場をお借りいたしました。
    様々な貴重な意見に接することのできるこのブログの場を有難いと感じております。

  • 円安が進んで、1US$ドル=126円を突破してしまいました。これでは貯金がどんどん目減りして、留学したくても出来なくなるでしょう。失われた30年間で、どれだけ日本経済が衰退してガラパゴス化してしまったのか?もう取り返しがつかないかもしれません。政治や社会の腐敗よりも、深刻な問題だと思います。

    • 円安は大変な事になっていますね。若夫婦に、仮に年間7Mドル弱必要だとすると、5円動いただけで3千万円も余計にかかるのですよね。。そんな金額は海外でなく日本国内で使って欲しいです。失われた30年間ですか。。選択肢が自民党しかないのも原因なのでは。。

  • ウクライナからの避難民が無事日本に到着したニュースに「良かった!」と胸を撫でおろすと同時に、入管施設で亡くなったウィシュマさんさんなどのことに思いをいたします。日本に来る「正当な理由」があったとされる人とそうでない人のこの差は何?と思います。

    法律や取り扱いについて、行政側の一存で好き勝手して、行政側は全くおかしいと思わないのが腹立たしい。どうして本当に進むべきが見えないのか。どうしてそういう教育がされないのか。

    もう日本は階層社会になってしまって、下から這い上がるのは難しいし這い上がろうとする気力も沸かない人ばかりになってしまいました。

    失われた30年というより、自民党一派が破壊した30年だと思ってます。
    子どもたちを残して死ぬのがとても不安です。

  • いつも興味深く拝見しています

    こないだまでいた職場では、「返信用封筒」の宛名を手書きで書くように言われ、
    「まずウチのやり方で成果を挙げてからだろ!」とかごもっともなことを仰るので、
    バカバカしくて辞めてしまいました……

    「考える能力」のある人が、それを尊重されて働ける職場なんて
    日本にあるんだろうか?
    と、考えてしまいます

    同様に、YouTubeとかで活躍されている方に
    「日本人の鑑です! 応援しています!」的なことを言う人も
    「何だかなぁ」と思ってしまいます
    職場の中で、ちゃんと意見して何かを変えようとしている人に、
    私は会ったことがないです

    別に他人を批判して済まそうとしているわけじゃなくて、
    私は生きたいのです、私のままで
    でもそうできる場所が、この日本にはありそうもない
    もう若くもないし、海外に出るなんていう選択肢はないかもしれない

    せめて、志ある方々と語り合えたら、と思い、
    そんな言説に触れることを心の支えにしています

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